JPH08970A - 中空糸膜 - Google Patents

中空糸膜

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JPH08970A
JPH08970A JP14277394A JP14277394A JPH08970A JP H08970 A JPH08970 A JP H08970A JP 14277394 A JP14277394 A JP 14277394A JP 14277394 A JP14277394 A JP 14277394A JP H08970 A JPH08970 A JP H08970A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不要な低分子たんぱく質の除去に有効で、血
液透析の際に膜性能の経時劣化が少なく、長時間使用し
ても高性能を維持できる中空糸膜を提供する。 【構成】 純水の限外濾過係数10〜200ml/m2
・mmHg・hr、β2−ミクログロブリンのふるい係
数0.2以上の中空糸膜であって、血液濾過開始後4時
間経過しても膜の血液透水性とβ2 −ミクログロブリン
のふるい係数が血液濾過開始時の値と比べて90%以上
を示すことを特徴とする、血液濾過及び血液透析濾過に
も好適な血液透析膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液透析等に用いられ
る中空糸膜に関する。さらに詳しくは慢性腎不全の血液
透析等に用いられた際、膜性能の経時安定性に優れ、且
つ、不要な低分子たんぱく質等の除去を効率よく行いう
る血液透析用の中空糸膜に関する。
【0002】
【従来の技術】血液透析療法を維持療法として受けてい
る患者にはしばしば種々の合併症が発現するが、その合
併症の一つである手根管症候群等の透析アミロイドーシ
スは関節痛を伴い、患者の苦痛を増大させるものであ
る。現在、この透析アミロイドーシスに、β2 −ミクロ
グロブリン(以下、β2-MG)の体内蓄積が深く関与し
ていることは広く知られるところである。
【0003】上記のような事情から、β2-MGをはじめ
とする有害な低分子たんぱく質の除去に有効な高性能血
液透析膜が開発され、透析アミロイドーシスの改善に効
果をあげ、普及してきた。現在、このような高性能血液
透析膜として、これらのたんぱく質を吸着除去する膜と
大きな孔径によりふるい除去する膜とが用いられている
が、前者の吸着除去膜はこれらのたんぱく質を吸着する
に従い膜性能が低下したり、除去量に限界(飽和吸着
量)があるなどの欠点を有する。そのため、後者のふる
い除去膜が主に用いられているが、除去するたんぱく質
等の目詰まりにより経時的に膜性能が劣化するという問
題を生じる場合がある。つまり一般的に、純水の限外濾
過係数が10ml/m2 ・mmHg・hr以下の透析膜
では、膜の孔径が小さいために膜の目詰まりによる性能
劣化は大きな問題とはならないが、限外濾過係数が10
ml/m2 ・mmHg・hr以上の孔径の大きなハイパ
フォーマンス膜といわれる透析膜に関しては、臨床使用
中に徐々に性能が低下することが知られている。
【0004】さらに最近は、血液濾過や血液透析濾過と
いった限外濾過を加える血液浄化法の普及に伴い、これ
らの膜の目詰まりによる膜性能の経時的な劣化は大きな
問題となっている。このように膜の孔径が大きく、大量
除水が可能であり、血液濾過や血液透析濾過に好適であ
り、且つ、血液透析時の膜性能が経時的に安定した中空
糸膜は未だ得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、膜の孔
径が大きく、不要な低分子たんぱく質等の除去を行いう
る中空糸膜の血液透析時の経時安定性を改善するため
に、中空糸膜の表面構造及び血液流量と膜の目詰まりと
の関係に関して鋭意検討した結果、中空糸膜の表面を滑
らかな構造とすることによって、膜表面へのたんぱく質
等の吸着による膜の目詰まりを抑制できること、並びに
中空糸膜の内径を一定の範囲内で小さくし、血液の流速
を向上させることにより、中空糸膜内面のせん断速度を
大きくし上記の効果を増大させることが可能なことを見
い出した。また、中空糸膜を中空形成剤として気体を用
いる乾湿式紡糸法により製造することにより中空糸膜の
内表面を滑らかにできることを見い出した。さらに、上
記の透析膜は血液濾過や血液透析濾過にも好適に用いる
ことが可能なことを見い出した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記の〜の中空糸膜を提供するものである。 内径が100〜300μm、膜厚が10〜30μm、
空孔率が50〜85%、純水の限外濾過係数が10〜2
00ml/m2 ・mmHg・hr、β2 −ミクログロブ
リンのふるい係数が0.2以上の中空糸膜であって、該
中空糸膜を用いて作製したモジュールの膜面積1m2
たりの濾過速度を20ml/minとする血液濾過を行
う時、血液の透水性保持率及びβ2 −ミクログロブリン
のふるい係数保持率が共に90%以上である中空糸膜。 該中空糸膜を用いて作製したモジュールの膜面積1m
2 当たりの濾過速度を20ml/minとする血液濾過
を行う時、血液の透水性保持率及びβ2 −ミクログロブ
リンのふるい係数保持率が共に94%以上である上記
の中空糸膜。 該中空糸膜の内径が100〜180μmである上記
またはの中空糸膜。 中空形成剤として気体を用いる乾湿式紡糸法により製
造される上記〜の中空糸膜。 セルロースアセテートから成る上記〜の中空糸
膜。
【0007】本発明の中空糸膜の内径は、100〜30
0μmであることが必要である。内径が100μm以下
の場合には中空糸膜の圧力損失が大きく溶血の恐れが生
じ、300μmより大きい場合には中空糸膜内面のせん
断速度が小さく、濾過に伴いたんぱく質等が膜の内面に
堆積し易いためである。また、せん断速度をより大きく
したんぱく質の吸着をより効果的に防止するため、内径
が100〜180μmであればより好ましい。
【0008】本発明の中空糸膜の膜厚は、10〜30μ
mであることが必要である。膜厚が10μm以下の場合
には、可紡性が悪く膜厚が不均一となり、強度が低くな
るためであり、30μm以上の場合には、膜形成時の相
分離が不均一となり、内表面の平滑性が保てないので膜
性能の保持率が悪化するためである。
【0009】本発明の中空糸膜の空孔率は50〜85%
が必要である。空孔率が50%以下の場合には、好まし
い膜性能が得られず、85%以上の場合には中空糸膜の
強度が低下して製造が困難となるためである。なお、空
孔率は中空糸膜を1〜2時間水洗後、中空糸外部及び芯
部の水を除き、重量を測定し(重量A)、さらに乾燥し
て重量を測定し(重量B)、次式により算出して求め
る。 空孔率=(1−重量B/重量A)×100%
【0010】本発明の中空糸膜の純水の限外濾過係数
は、10〜200ml/m2 ・mmHg・hrがあるこ
とが必要である。純水の限外濾過係数が10ml/m2
・mmHg・hr以下の場合には、尿素等の低分子物質
の除去量が不足するためであり、200ml/m2 ・m
mHg・hr以上の場合には、臨床使用時の操作が煩雑
となるためである。
【0011】本発明の中空糸膜のβ2-MGのふるい係数
は0.2以上であることが必要である。β2-MGのふる
い係数が0.2以下の場合には、β2-MGの除去量が不
十分であり、その上β2-MG(分子量11,600)と
アルブミン(分子量67,000)との分子量範囲に存
在するといわれている、痛みやかゆみを惹起する低分子
たんぱく質の除去量が不十分となるからである。
【0012】本発明の中空糸膜を用いて作製したモジュ
ールの膜面積1m2 当たりの濾過速度を20ml/mi
nとする血液濾過を行う時、本発明の中空糸膜の透水性
保持率は90%以上であることが必要であり、94%以
上であればより好ましい。透水性保持率が90%以下の
場合には、目詰まりによる濾過効率の低下が大きい上
に、低分子量物質のクリアランスが低下するためであ
る。また、本発明の中空糸膜を用いて作製したモジュー
ルの膜面積1m2 当たりの濾過速度を40ml/min
とする血液濾過を行う時、本発明の中空糸膜の透水性保
持率が90%以上であればさらに好ましく、94%以上
であれば特に好ましい。なお、本発明における透水性保
持率とは、血液濾過開始後15分経過時点の血液の限外
濾過係数に対する4時間経過時点の血液の限外濾過係数
との比である。また、ここで血液とはヘマトクリット値
が15〜45%、たんぱく質濃度4〜10g/dlの3
7℃の牛血液をいう。
【0013】本発明の中空糸膜を用いて作製したモジュ
ールの膜面積1m2 当たりの濾過速度を20ml/mi
nとする血液濾過を行う時、本発明の中空糸膜のβ2-M
Gのふるい係数保持率は90%以上であることが必要で
あり、94%以上であればより好ましい。β2-MGのふ
るい係数の保持率が90%以下の場合には、β2-MGの
除去効率が低下するだけでなく、β2-MG(分子量1
1,600)とアルブミン(分子量67,000)との
分子量範囲に存在するといわれている、痛みやかゆみを
惹起する低分子たんぱく質の除去効率が低下するためで
ある。また、本発明の中空糸膜を用いて作製したモジュ
ールの膜面積1m2 当たりの濾過速度を40ml/mi
nとする血液濾過を行う時、本発明の中空糸膜のβ2-M
Gのふるい係数保持率が90%以上であればさらに好ま
しく、94%以上であれば特に好ましい。なお、本発明
におけるβ2-MGのふるい係数保持率とは、血液濾過開
始後15分経過時点の血液中のβ2-MGのふるい係数に
対する4時間経過時点の血液中のβ2-MGのふるい係数
との比である。また、ここで血液とはヘマトクリット値
が15〜45%、たんぱく質濃度4〜10g/dlの3
7℃の牛血液5l当たりβ2-MG0.1mgを加えたも
のをいう。
【0014】本発明における中空糸膜の材質としては、
再生セルロース、改質セルロース、ポリメタクリル酸メ
チル、ビニルアルコールーエチレン共重合体、ポリアク
リロニトリル、ポリスルホン等が挙げられるが、たんぱ
く質の吸着量の少なく、透水性、溶質透過性に優れるセ
ルロースアセテートが好ましく、生体適合性の面でセル
ローストリアセテートが特に好ましい。
【0015】本発明の中空糸膜の紡糸法は特に限定され
るものではなく、溶融、乾式、湿式、乾湿式等公知の紡
糸方法によって得ることができるが、中空形成剤として
気体を用いる乾湿式紡糸法で製膜されることが好まし
い。上記の気体としては乾燥空気、窒素、ヘリウム、ア
ルゴン等が用いられる。中空形成剤として気体、特に窒
素等を用いると、中空糸膜の内表面がより平滑となり、
たんぱく質等の吸着量が減少するからである。
【0016】本発明の中空糸膜は、例えば以下のように
製造することができるが、本発明は何等以下に限定され
るものではない。セルロースアセテートが15〜25重
量%、溶媒が40〜70重量%、非溶媒が5〜35重量
%を含む紡糸原液を130〜190℃に加熱して溶解さ
せ、二重環状紡糸孔の外側から押しだし、中央からは気
体を送り込む。押し出された紡糸原液は空中を走行した
後、5〜35℃の凝固性液体中を通って凝固され、水洗
し、30〜60重量%のグリセリン水溶液中を通って、
グリセリンを含浸させた後、乾燥機にて乾燥される。上
記の溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、
N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,
N’−ジメチルイミダゾリジノンなどの極性溶媒を単独
又は混合で、非溶媒としてはエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセ
リンなどの不揮発性のアルコールを単独又は混合で使用
することができる。
【0017】本発明の中空糸膜の透水性保持率、β2-M
Gのふるい係数は下記の方法により測定する。本発明の
中空糸膜5000〜40000本をプラスチック成形品
の中に入れモジュールを作製する。このモジュールの中
空糸膜の外側には生理食塩水を満たし、中空糸膜の内側
に血液を流量200ml/minで流す。モジュールの
膜面積1m2 当たりの濾過速度が20又は40ml/m
inとなるようにモジュール血液側の入口及び出口の圧
力を調節し、血液濾過を行い下記について測定する。
【0018】1.透水性保持率 血液濾過開始後15分経過時点及び4時間経過時点のモ
ジュールの血液側の入口と出口の圧力及び濾過液側の圧
力を測定する。これらの圧力の値から下記の式1に従っ
て血液の限外濾過係数(UFRB )を求め、血液透析開
始後15分経過時点のUFRB に対する4時間経過時点
のUFRBの比(透水性保持率)を求める。 UFRB=QF /[A×{(PI +PO )/2−PFIL }] (式1) QF :限外濾過速度(ml/hr) A:膜の表面積(m2 ) PI :モジュール血液側入口の圧力(mmHg) PO :モジュール血液側出口の圧力(mmHg) PFIL :モジュール濾過液側の圧力(mmHg)
【0019】2.β2-MGのふるい係数保持率 血液濾過開始後15分経過時点及び4時間経過時点のモ
ジュールの入口と出口の血液及び濾過液をそれぞれをサ
ンプリングして、酵素免疫測定法(例えば、グラザイム
β2 −Microglobulin−EIA Tes
t:和光純薬工業)等によりβ2-MGの濃度を測定す
る。これらのβ2-MGの濃度の値から下記の式2に従っ
てβ2-MGのふるい係数(SC)を求め、血液濾過開始
後15分経過時点のSCに対する4時間経過時点のSC
の比(β2-MGのふるい係数保持率)を求める。 SC=CFIL /{(CI +CO )/2} (式2) CFIL :濾過液のβ2-MG濃度 CI :モジュール入口の血液のβ2-MG濃度 CO :モジュール出口の血液のβ2-MG濃度
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて、具体的に本発明を説
明するが、本発明はこれらに何等限定されるものではな
い。
【0021】(実施例1)セルローストリアセテート1
9重量%、溶媒としてN−メチルピロリドン57重量
%、非溶媒としてエチレングリコール24重量%から成
る原料を180℃に加熱して溶かした溶液を、二重環状
紡糸孔の外側から押しだし、中心からは窒素を送り込ん
で中空糸状として、水、N−メチルピロリドン、エチレ
ングリコール63:26:11の重量比で混合して成る
10℃の凝固液中を通過させ、凝固を完了した。その
後、水洗し、42重量%のグリセリン水溶液を通過させ
グリセリンを含浸させた後、乾燥機にて乾燥して内径1
97μmの中空糸膜を得た。該中空糸膜8400本をプ
ラスチック成形品の中に収納して、両端をエポキシ系接
着剤により硬化・固定化してモジュールとした。得られ
たモジュールの中空糸膜の内側に37℃の血液(ヘマト
クリット値32%、たんぱく質濃度5g/dl)を流量
200ml/minにて導入して、中空糸膜の性能評価
を行った。結果は表1に示す通りであった。また、該膜
の限外濾過係数の経時変化は図1に示す通りであった。
【0022】(実施例2)上記実施例1と同様の条件
で、窒素を送り込む量だけを減らし、内径145μmの
中空糸膜よりなるモジュールを作製した。得られたモジ
ュールについて実施例1と同様に中空糸膜の性能評価を
行った結果は表1に示す通りであった。また、該膜の限
外濾過係数の経時変化は図1に示す通りであった。
【0023】(比較例1)セルローストリアセテート2
4重量%、溶媒としてN−メチルピロリドン53重量
%、非溶媒としてトリエチレングリコール23重量%か
ら成る原料を180℃に加熱して溶かした溶液を、二重
環状紡糸孔の外側から押しだし、中心からは流動パラフ
ィンを送り込んで中空糸状として、水、N−メチルピロ
リドン、トリエチレングリコール60:28:12の重
量比で混合して成る20℃の凝固液中を通過させ凝固を
完了した。その後、水洗し、50重量%のグリセリン水
溶液を通らせてグリセリンを含浸させた後、乾燥機にて
乾燥して内径200μmの中空糸膜を得た。得られたモ
ジュールについて実施例1と同様に中空糸膜の性能評価
を行った結果は表1に示す通りであった。また、該膜の
限外濾過係数の経時変化は図1に示す通りであった。
【0024】
【表1】
【0025】(実施例3)セルローストリアセテート1
7重量%、溶媒としてN−メチルピロリドン58重量
%、非溶媒としてエチレングリコール17重量%及びグ
リセリン8重量%から成る原料を180℃に加熱して溶
かした溶液を、二重環状紡糸孔の外側から押しだし、中
心からは窒素を送り込んで中空糸状として、実施例1と
同じ組成の20℃の凝固液中を通過させ凝固を完了し
た。その後、水洗し、37重量%のグリセリン水溶液を
通らせてグリセリンを含浸させた後、乾燥機にて乾燥し
て内径199μmの中空糸膜を得た。得られたモジュー
ルについて実施例1と同様に中空糸膜の性能評価を行っ
た結果は表2に示す通りであった。
【0026】(比較例2)セルローストリアセテート2
4重量%、溶媒としてN−メチルピロリドン53重量
%、非溶媒としてトリエチレングリコール23重量%か
ら成る原料を180℃に加熱して溶かした溶液を、二重
環状紡糸孔の外側から押しだし、中心からは流動パラフ
ィンを送り込んで中空糸状として、比較例1と同じ組成
の25℃の凝固液中を通過させ凝固を完了した。その
後、水洗し、30重量%のグリセリン水溶液を通らせて
グリセリンを含浸させた後、乾燥機にて乾燥して内径2
00μmの中空糸膜を得た。得られたモジュールについ
て実施例1と同様に中空糸膜の性能評価を行った結果は
表2に示す通りであった。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】上記で説明したように本発明は、血液透
析をする際に目詰まりによる中空糸膜の濾過性能の劣化
が極めて少なく、且つ、血液透析の合併症の一つである
透析アミロイドーシスの原因物質と考えられているβ2
−ミクログロブリン等の低分子たんぱく質の除去性能に
優れた中空糸膜を提供するものである。すなわち、本発
明の中空糸膜は慢性腎不全等の血液透析に際し、膜の目
詰まりによる限外濾過係数及びβ2−ミクログロブリン
のふるい係数等の膜の分離性能の劣化が極めて少なく、
且つ、血液透析の合併症の一つである手根管症候群等の
透析アミロイドーシスの原因物質と考えられているβ2
−ミクログロブリン等の低分子たんぱく質の除去性能に
優れているため、中空糸膜が本来有する分離・除去性能
を維持したまま血液透析を行うことが可能であり、さら
に最近とみに普及している血液濾過及び血液透析濾過等
の限外濾過を加える血液浄化法にも好適に応用すること
ができる。よって、本発明の意義は大きく、本発明の効
果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2及び比較例1の膜の透水性保持率
の経時変化を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内径が100〜300μm、膜厚が10
    〜30μm、空孔率が50〜85%、純水の限外濾過係
    数が10〜200ml/m2 ・mmHg・hr、β2 −
    ミクログロブリンのふるい係数が0.2以上の中空糸膜
    であって、該中空糸膜を用いて作製したモジュールの膜
    面積1m2 当たりの濾過速度を20ml/minとする
    血液濾過を行う時、血液の透水性保持率及びβ2 −ミク
    ログロブリンのふるい係数保持率が共に90%以上であ
    ることを特徴とする中空糸膜。
  2. 【請求項2】 該中空糸膜を用いて作製したモジュール
    の膜面積1m2 当たりの濾過速度を20ml/minと
    する血液濾過を行う時、血液の透水性保持率及びβ2−
    ミクログロブリンのふるい係数保持率が共に94%以上
    であることを特徴とする請求項1記載の中空糸膜
  3. 【請求項3】 該中空糸膜の内径が100〜180μm
    であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記
    載の中空糸膜。
  4. 【請求項4】 中空形成剤として気体を用いる乾湿式紡
    糸法により製造されることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の中空糸膜。
  5. 【請求項5】 セルロースアセテートから成ることを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の中空糸膜。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001038154A (ja) * 1999-08-03 2001-02-13 Kuraray Co Ltd 血漿成分の分離膜
JP2007054470A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Toyobo Co Ltd 血液浄化用中空糸膜およびその製造方法
JP2011041830A (ja) * 2010-11-01 2011-03-03 Toyobo Co Ltd 血液浄化用中空糸膜およびその製造方法
JP2014210056A (ja) * 2013-04-18 2014-11-13 国立大学法人山梨大学 血液浄化器

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