JPH0896813A - 高分子固体電解質型電気化学セル用電極 - Google Patents

高分子固体電解質型電気化学セル用電極

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JPH0896813A
JPH0896813A JP6254447A JP25444794A JPH0896813A JP H0896813 A JPH0896813 A JP H0896813A JP 6254447 A JP6254447 A JP 6254447A JP 25444794 A JP25444794 A JP 25444794A JP H0896813 A JPH0896813 A JP H0896813A
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JP
Japan
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catalyst
electrode
water
conductive carrier
cell
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JP6254447A
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English (en)
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Masahiro Watanabe
政廣 渡辺
Masahiko Inoue
井上  昌彦
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Stonehart Associates Inc
Original Assignee
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Stonehart Associates Inc
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の電気化学セル特に燃料電池では、使用
するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子が空
孔率が低いため、反応ガスの触媒層への供給又は生成ガ
スの取り出し、及び特にカソードに蓄積する水の取り出
しが困難で、特に高電流密度領域での円滑な電流利用を
阻害していた。本発明はPTFEに代えて他の撥水性物
質を使用することにより、カソードの供給及び取り出
し、水の蓄積防止を円滑に行ない得る電気化学セル用電
極を提供することを目的とする。 【構成】 セルの触媒層を、陽イオン交換樹脂で被覆し
た触媒担持導電性担体、及びフッ素化された炭化水素系
高分子化合物で被覆された導電性担体を使用して構成す
る。PTFEの代替物質である後者の導電性担体の空孔
率が高く、ガス拡散が促進されるとともに、その撥水性
により水の取り出しも円滑に行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子固体電解質型電
気化学セル、とりわけ高電流密度で電流を取り出すこと
のできる燃料電池用電極構造に関するものである。
【0002】
【従来技術及び問題点】燃料電池は、水素や各種化石燃
料を用いる高効率、無公害発電装置であることから、エ
ネルギー問題、全地球的公害問題に対処できる、“ポス
ト原子力”の発電装置として、社会的に大きな期待が寄
せられている。火力代替発電用、ビルディングや工場単
位のオンサイト発電用、あるいは宇宙用など、用途に応
じた各種燃料電池が開発されている。近年、炭酸ガスを
中心とする温室効果や、NOx、SOx等による酸性雨
が地球の将来を脅かす深刻な公害として認識されてき
た。これら公害ガスの主要な排出源の一つが自動車等の
内燃機関であることから、燃料電池を車載用内燃機関に
代えて作動するモータ電源として利用する気運が急速に
高まりつつある。この場合、多くの付帯設備と同様、電
池は可能な限り小型であることが望ましく、そのために
は電池本体の出力密度、出力電流密度が高いことが必須
である。この条件を満たす有力な燃料電池の候補とし
て、イオン交換膜(以下PEMという)を用いた高分子
固体電解質型燃料電池(以下PEMFCという)が注目
されている。
【0003】ここでPEMFCの本体の基本構造と作
用、問題点について説明する。図4に示す如く、PEM
1の両側に4A、4Cで示されるアノード及びカソード
がホットプレスにより接合されることにより電池の基本
が構成される。このアノード及びカソードは2A又は2
Cで示される多孔質触媒層と3A又は3Cで示されるカ
ーボンペーパーなどの導電性多孔質支持層からなる。電
極反応は2A及び2C部の触媒表面で起こる。アノード
反応ガス(H2 )は反応ガス供給孔5Aから3Aを通し
て供給され、カソード反応ガス(O2 )は反応ガス供給
孔5Cから3Cを通して供給される。2A中では、アノ
ード反応:H2 →2H+ +2e- が、2C中ではカソー
ド反応: 1/2O2 +2H+ +2e- →H2 Oの反応が起
こり、電池全体ではこれらの反応のトータルとしてH2
+ 1/2O2 →H2 O+Q(反応熱)が起こる。この過程
で起電力が得られ、この電気エネルギーにより外部負荷
8を電子が流れる際に電気的仕事がなされる。
【0004】燃料電池用電極として必要とされる条件の
1つは高電流密度で電流を取り出せることである。リン
酸型など従来型燃料電池が150 〜250mA/cm2 において運
転されるのに対して、PEMFCではその約10倍の電流
密度で運転できることが求められる。ところが従来の燃
料電池用電極中の触媒電極層中のカーボン担体が該触媒
電極層中で占める密度(見掛け密度)は1.2g/cm3を超え
ていた。これは使用するカーボン担体の嵩密度が大き
く、又ホットプレス圧力も高いためであるが、このよう
に電極内のカーボン担体の嵩密度が高いと電極内の空隙
が減少して反応ガスの拡散が阻害され高電流密度が得ら
れなくなるという欠点がある。この欠点を解消して十分
な拡散を確保するために従来は電極の厚さを薄くしてい
たが、この方法では白金等の触媒粒子の担持量が減少す
るためガス拡散は良好になっても電極反応を賄うための
触媒の絶対量が不足してしまうという新たな欠点が生じ
ている。又触媒の利用率を向上させるために触媒粒子を
被覆するイオン伝導性高分子の量を増加させる必要があ
るが、添加量を増加すると電極中の空隙が減少するとい
う欠点もある。電極厚さを薄くすることなく又イオン伝
導性高分子量を増加させても十分なガス拡散を確保し、
これにより十分な電流密度で電流を取り出すことが第1
の重要問題となる。この点が先ず、従来型燃料電池の電
極触媒層構造と設計概念を異にするところである。
【0005】更に又起電反応で、アノードにおいて生じ
た2H+ はPEM中をカソードに移動して上記カソード
反応に与かるが、この際1個のH+ が平均2〜2.5 個の
2O分子を水和分子として同伴する。このため、H2
分子1個がアノード反応に与かると、4〜5個の水分子
がアノードからカソードに移動する。PEMは膜中に水
分が必要量存在することにより、初めて十分なH+ 導電
性が現れる性質がある。従ってH+ に同伴移動すること
により膜中に不足した水分は絶えず外部(少なくともア
ノード側)から供給して補うことが必要となる。膜中を
カソードに移動する分と、カソード反応で生ずる分の全
水分量は多量となり、もしこれが2C、3Cの細孔中に
凝縮すれば、反応ガス(O2 )の2C中の触媒表面まで
の供給を著しく阻害し、電池性能の低下を来す。従って
凝縮を起こさせることなく水分を電池外に除去すること
がPEMFC特有の第2番目の重要問題となる。リン酸
型などの従来の200 ℃又はそれ以上の温度で運転される
電池では水は水蒸気として自発的に蒸発するため、PE
MFCのような困難さはない。この点がPEMFC固有
の触媒層構造の設計概念を必要とする所以である。
【0006】ところで、上記諸問題は燃料電池の問題と
して述べてきた。他方イオン交換膜を用いた電解セルで
は良く知られる如く、燃料電池と同様の構造で全く逆の
反応、即ち水の電解を行なわせることができる。そこで
上記燃料電池の記述でアノードをカソード、カソードを
アノードと読み代えることにより、電解セルにおける同
様の問題点の指摘となる。水の電解以外の電解反応でも
同様の問題点が存在する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するためになされたもので、とりわけ触媒電極のカ
ソード及びアノード側とも反応ガスがスムーズに流入し
かつカソード側で生成する水蒸気が酸素の流入の妨げに
ならないよう系外に放出でき、これにより十分な電流密
度で電流を取り出すことのできる高分子固体電解質型電
気化学セル用電極、特に燃料電池用電極構造を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為の
本発明の技術的手段は、高分子固体電解質型燃料電池の
電極の触媒層を、陽イオン交換樹脂で被覆した触媒担持
導電性担体、及びフッ素化された炭化水素系高分子化合
物で被覆された導電性担体との混合物により構成するこ
とである。本発明の電極は燃料電池用電極特に燃料電池
用のカソードとして有用であるが、アノードもしくは燃
料電池以外の電気化学セル用電極としても使用可能であ
る。前記担持触媒としては白金又は白金合金を使用する
ことが、導電性担体としてはカーボンブラックを使用す
ることが、又陽イオン交換樹脂としてはパーフルオロカ
ーボンスルホン酸やパーフルオロカーボンカルボン酸を
使用することが、更にフッ素化された炭化水素系高分子
化合物としてはフッ素化ポリエチレンを使用することが
好ましい。
【0009】
【作用】触媒粒子上の陽イオン交換樹脂の被覆厚が厚く
なると、樹脂表面から触媒表面までのガス拡散が阻害さ
れるため十分な性能を発揮できない触媒が増加し、又触
媒層中のガス流通用のガスチャンネルとなる気孔も減少
してガス供給量が低下し、結果として十分に大きい電流
が取り出せなくなる。ガス拡散性を向上させるためには
電極の空孔率を上げる必要があり、本発明では電極に新
たな撥水性物質を添加して前記空孔率を向上させること
を意図している。
【0010】この撥水性物質として本発明ではフッ素化
された炭化水素系高分子化合物で被覆された導電性担
体、特にフッ素化ポリエチレン被覆カーボン(以下FP
E/CB1)を使用する。このFPE/CB1はその内
部に細孔を有しその空孔率は30〜50%であり、このFP
E/CB1粒子は陽イオン交換樹脂で被覆した触媒担持
導電性担体粒子とともに集合してガスチャンネルを形成
しかつ前記FPE/CB1粒子は撥水性を有効に発揮し
て水を速やかに排除し、従って優れたガス透過(拡散)
性を発揮することとなる。この効果は特に高電流密度領
域において顕著である。従来用いられてきた内部に細孔
を有しない撥水性物質であるポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)はこの効果が不十分であり、該効果は内
部に細孔を有するFPE/CB1特有の作用効果であ
る。
【0011】前述の陽イオン交換樹脂の被覆厚はFPE
/CB1のガス流通機能によるガス透過(拡散)性を向
上させかつプロトンの伝導性を阻害しない範囲で適正に
決定され、かつ前記触媒層の厚さは10〜50μm、特に20
〜30μmが有効である。陽イオン交換樹脂好ましくはパ
ーフルオロカーボンスルホン酸(PFS)、ガスチャン
ネル中のカーボンブラック(CB1)とフッ素化された
炭化水素系高分子化合物好ましくはフッ素化ポリエチレ
ン(FPE)の配合比は、PFS:CB1:FPE=
(2〜25):1:(0.2 〜1.2 )が好ましく、特に4:
1:1が望ましい。
【0012】又FPE/CB1と陽イオン交換樹脂で被
覆した触媒担持導電性担体(陽イオン交換樹脂で被覆し
た触媒担持導電性担体のカーボンブラックをCB2とい
う)との混合比は、カーボン比に換算してCB1:CB
2=(0.1 〜1):1とし、特に(0.3 〜0.5 ):1と
することで一定の触媒層厚さ、一定のPFS/CB2比
の下で0.9 Vでの質量活性は殆ど変わらないのに対しタ
ーフェルスロープはむしろ小さくなり、触媒へのガス拡
散が向上している。更に陽イオン交換樹脂で被覆した触
媒担持導電性担体にFPE/CB1を添加することで、
電池の電位電流曲線の高密度電流領域の分極が著しく低
下し、又は同一の分極下での電流が増大し、更に抵抗の
増大もみられず、PEMFC全体の設計からみて極めて
効果的である。
【0013】低電流密度での特性向上にはパーフルオロ
カーボンスルホン酸(PFS)とCB2との比率調製が
有効で、PFS:CB2=(0.2 〜2.5 ):1、特に
2:1とすることで特性向上が見られ、これらの結果と
して触媒担持量を減少させることが可能になる。FPE
/CB1の調製法は分散法と粉末混合法を含む数案が提
示されている。分散法は、例えばポリエチレン等のポリ
オレフィンをヘプタンやヘキサン等の有機溶媒中に高圧
下で溶解あるいは分散させ、この液をカーボンブラック
と十分混合した後、乾溜して溶媒を飛ばして前記ポリオ
レフィンをカーボンブラック上に担持し、更に担持を強
固にするために不活性ガス雰囲気下で熱処理を行なった
薄膜を形成する方法である(特開平2−298523号参
照)。又粒子混合法は、ポリエチレン等のポリオレフィ
ンの微粉末とカーボンブラックを均一に混合し、該混合
物を熱処理により固着し、溶融し、カーボンブラック上
にポリオレフィンの薄膜を形成する方法であり、いずれ
の方法でもカーボンブラック上に形成されたポリオレフ
ィンの薄膜をフッ素ガス雰囲気中で処理してフッ素化ポ
リオレフィンに転化しFPE/CB1とする。
【0014】
【実施例】次に本発明に係わる高分子固体電解質型電気
化学セル用電極製造の実施例を記載するが、本実施例は
本発明を限定するものではない。
【実施例1】カーボン粉末(CB2)10gに塩化白金酸
水溶液(白金濃度5g/リットル)を含浸させた後、熱
分解処理を行って白金担持量が20重量%である白金カー
ボン触媒を調製した。該カーボン触媒をカーボン粉末と
イオン交換樹脂の比率が重量で1:1となる量の市販の
イオン交換樹脂分散液(ナフィオン溶液、デュポン社の
商品)に浸漬し、その後乾燥し、前記カーボン触媒の表
面にイオン交換樹脂層を形成した。
【0015】一方デンカブラック(電気化学工業株式会
社製株式会社ブラック、DB又はCB1)30g(約2リ
ットル)を秤量し、これをジューサーミキサーで粉砕し
た。次に平均粒径70〜100 μmで分子量25万のポリエチ
レン8.4 gを秤量し、これを粉砕したDE30gとミキサ
ーで混合した。次いでこれを窒素ガス雰囲気のロータリ
ーキルン中、190 ℃で1時間、更に210 ℃で5時間熱処
理を行なって、DBの表面にPE薄膜を重量比〔PE/
(DB+PE)〕で21.9%被覆した(最終比率で〔FP
E(フッ素化ポリエチレン)〕:DB(デンカブラッ
ク〕=1:1)。更に不活性ガスで希釈した反応等量の
2倍のフッ素ガスを前記PE薄膜を有するDBに作用さ
せてフッ素化ポリエチレンを被覆したDBを調製した。
【0016】又前述のナフィオンを被覆した白金担持カ
ーボン担体触媒(NCBPt)を分別して平均担持白金
量が0.3mg/cm3 となるようにし、前記フッ素化ポリエチ
レンを被覆したDB(FPE/DB)とともにアルコー
ル中に分散させた。次に超音波にて両粒子を更に分散
し、この分散液を弱い吸引下で濾過し濾紙上にNCBP
t及びFPE/DBの混合物をアルコールが若干残るよ
うに付着させた後、該濾紙を集電体として機能する撥水
化処理した厚さ360 μmのカーボンペーパーとともに25
kg/cm2の圧力で冷間プレスして前記NCBPt及びFP
E/DBをカーボンペーパー上に転写して、集電体付カ
ソード電極を調製した。一方、FPE/DBを使用せず
NCBPtのみを使用して同様にして集電体付きアノー
ド電極を調製した。なお得られた燃料電池中のPFS、
CB1(DB)及びCB2の割合は2:0.5 :1で、白
金触媒担持量は0.384 mg/cm2、触媒層厚さは30μmであ
った。
【0017】この電極2枚をナフィオン5重量%溶液か
らリキャストした厚さ50μmのナフィオン(イオン交換
樹脂)膜を挟んで、触媒粉末側が対向する状態で、圧力
5kg/cm2、温度130 ℃の条件でホットプレスしてイオン
交換膜を中間に挟んだサンドイッチ構造の燃料電池を得
た。
【0018】
【比較例1】実施例1の集電体付きアノード電極2枚を
それぞれアノード及びカソードとして、実施例1のナフ
ィオン膜を挟んで、触媒粉末側が対向する状態で、圧力
5kg/cm2、温度130 ℃の条件でホットプレスしてイオン
交換膜を中間に挟んだサンドイッチ構造の燃料電池を得
た。なお得られた燃料電池中のPFS、CB1及びCB
2の割合は2:0:1で、白金触媒担持量は0.513 mg/c
m2であった。
【0019】実施例1及び比較例1の燃料電池を使用し
て両燃料電池の特性を下記条件で測定し評価した。つま
りアノード及びカソードへの供給ガスはそれぞれ1気圧
の水素及び酸素とし、それぞれの供給量は450 ミリリッ
トル/分及び200 ミリリットル/分、セル温度80℃、ア
ノード加湿ポット90℃、ライン温度110 ℃の条件で、80
℃におけるiRフリーの電流密度(mA/cm2) と得られる
端子間電池電圧(mV)の関係をそれぞれの燃料電池につ
いてカレントインタラプト法により測定した。その結果
を図1に示す。図1中、○及び△は実施例1の燃料電池
の電流密度と端子間電池電圧の関係を示し、●及び▲は
比較例1の燃料電池の電流密度と端子間電池電圧の関係
を示している。○及び●は、限界電流から測定を開始
し、電流値を下げていった場合の又△及び▲は、電流0
から測定を開始し電流値を上げていった場合の分極曲線
を示すものである。図1から実施例1の燃料電池の方が
特に高電流密度領域での端子間電圧が高く大量の電流を
取り出せていることが分かる。
【0020】
【実施例2】イオン交換樹脂であるパーフルオロカーボ
ンスルホン酸(PFS)及び両カーボンブラック(CB
1及びCB2)の比率をPFS:CB2=1:1、CB
1/CB2=0.35つまりPFS:CB1:CB2=1:
0.35:1とし、触媒層の厚さを35μm、触媒量を0.639
mg/cm2としたカソードを使用したこと以外は実施例1と
同様にして燃料電池を組立て、重量活性(A/g)及び
700 mV及び500 mVにおける電流量(mA)及び電流
密度2870mA/cm2における電圧(mV)を測定したところ
表1に示す通りであった。更に同様に表1に示すように
PFS:CB1:CB2の割合、触媒層の厚さ及び触媒
量を変化させて燃料電池を組立て、質量活性(A/g)
及び700 mV及び500 mVにおける電流量(mA)及び
電流密度2870mA/cm2における電圧(mV)を測定したと
ころ表2に示す通りであった。
【0021】
【比較例2】PFS:CB1:CB2=1:0:1とし
たこと及び触媒層厚さ及び触媒量をそれぞれ30μm及び
0.700 mg/cm2としたこと以外は比較例1と同様にして燃
料電池を組立て、重量活性(A/g)及び700 mV及び
500 mVにおける電流量(mA)及び電流密度2870mA/c
m2における電圧(mV)を測定したところ表1に示す通
りであった。更にPFS:CB1:CB2=2:0:1
としたこと及び触媒量を0.513 mg/cm2としたこと以外は
比較例2と同様にして燃料電池を組立て、質量活性(A
/g)及び700 mV及び500 mVにおける電流量(m
A)及び電流密度2870mA/cm2における電圧(mV)を測
定したところ表1に示す通りであった。又これらの結果
をもとに、FPE/CB1添加、及び触媒層の厚さの重
量活性(0.9 Vにおける単位白金重量当たりの電流)へ
の影響を図2に、又0.7 V及び0.5 Vの電流密度への影
響を図3に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】図2より明らかなように、PFS:CB
2=1:1に比べ、PFS:CB2=2:1において、
使用触媒量が約70%低下しているにもかかわらず、重量
活性は2倍以上となり、他方図2より明らかなようにF
PE/CB1の添加量の増加、即ちCB1/CB2比の
増加に伴い、触媒担持量の減少にもかかわらず、重量活
性が増大することが分かった。又触媒層の厚さの減少
も、顕著な重量活性の増大をもたらし、これらの結果低
電流密度での特性が向上した。 図1、図3と図2との対比より明らかなように、FP
E/CB1の添加量の増大、即ちCB1/CB2比の増
大により、触媒担持量が減少しているにもかかわらず高
電流密度領域での特性が向上した。 図2及び図3より明らかなように、PFSの触媒担持
カーボンブラック被覆量、FPE/CB1の添加量、触
媒層の厚さを最適化することにより、例えばPFS:C
B1:CB2=2:0.5 :1の場合には、PFS:CB
1:CB2=1:0:1の場合に比べ、触媒量が約半分
(0.4 mg/cm2)で同等の特性1.75A/cm2(0.7 V)、3.
0 A/cm2(0.5 V)の高特性が得られる。この触媒層の
空孔率は40%であった。
【0025】
【発明の効果】本発明は、高分子固体電解質型電気化学
セル用電極において、その触媒層が、陽イオン交換樹脂
で被覆した触媒担持導電性担体、及びフッ素化された炭
化水素系高分子化合物で被覆された導電性担体を含んで
成ることを特徴とする高分子固体電解質型電気化学セル
用電極であり(請求項1)、特に燃料電池のカソードと
して有用である。
【0026】本発明の電極は、従来の電気化学的セルの
電極の触媒層を構成する陽イオン交換樹脂で被覆した触
媒担持導電性担体及びPTFEの組合せに代えて、陽イ
オン交換樹脂で被覆した触媒担持導電性担体、及びフッ
素化された炭化水素系高分子化合物で被覆された導電性
担体の組合せを使用している。つまりPTFEをフッ素
化された炭化水素系高分子化合物で被覆された導電性担
体に代えたもので、この導電性担体はPTFEとほぼ同
等の耐久性及び高い空孔率を有している。
【0027】従って電極製造時にホットプレス等により
高い圧力を掛けてもPTFEを使用する場合のようにガ
ス流通チャンネルが閉塞してガス拡散性が低下して反応
効率が低減することがなく、特に高電流密度領域で効率
良く電流を取り出すことができる。更に燃料電池では水
がイオンの水和水としてイオン交換膜等を透過して移動
しカソード側に水が蓄積しがちであるが、本発明の電極
をカソードとして使用するとカソードが空孔率の高いフ
ッ素化された炭化水素系高分子化合物で被覆された導電
性担体を使用して構成されているため、水が円滑に触媒
層から取り出され、水の蓄積が生ずることがなく、長期
間に亘って安定した運転が可能になる。
【0028】フッ素化された炭化水素系高分子化合物で
被覆された導電性担体のフッ素化された炭化水素系高分
子化合物と導電性担体の重量比は(0.2 〜1.2 ):1で
あることが望ましく(請求項2)、CB1とCB2の重
量比は(0.1 〜1):1であることが望ましい(請求項
3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1の燃料電池の電流密度と
端子間電池電圧の関係を示すグラフ。
【図2】FPE/CB1添加、及び触媒層の厚さの重量
活性への影響を示すグラフ。
【図3】FPE/CB1添加、及び触媒層の厚さの電流
密度への影響を示すグラフ。
【図4】従来のイオン交換膜を使用した燃料電池の基本
構造を示す概略図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 391016716 ストンハルト・アソシエーツ・インコーポ レーテッド STONEHART ASSOCIATE S INCORPORATED アメリカ合衆国 06443 コネチカット州、 マジソン、コテッジ・ロード17、ピー・オ ー・ボックス1220 (72)発明者 渡辺 政廣 山梨県甲府市和田町2412番地8 (72)発明者 井上 昌彦 神奈川県平塚市新町2番73号 田中貴金属 工業株式会社技術開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子固体電解質型電気化学セル用電極
    において、その触媒層が、陽イオン交換樹脂で被覆した
    触媒担持導電性担体、及びフッ素化された炭化水素系高
    分子化合物で被覆された導電性担体を含んで成ることを
    特徴とする高分子固体電解質型電気化学セル用電極。
  2. 【請求項2】 フッ素化された炭化水素系高分子化合物
    で被覆された導電性担体におけるフッ素化された炭化水
    素系高分子化合物と導電性担体の重量比が(0.2 〜1.2
    ):1である請求項1に記載の電極。
  3. 【請求項3】 陽イオン交換樹脂で被覆した触媒担持導
    電性担体及びフッ素化された炭化水素系高分子化合物で
    被覆された導電性担体における前者の担体と後者の担体
    の重量比が(0.1 〜1):1である請求項1又は2に記
    載の電極。
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