JPH089536B2 - 腸溶性カプセルの製造方法 - Google Patents
腸溶性カプセルの製造方法Info
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- JPH089536B2 JPH089536B2 JP27338787A JP27338787A JPH089536B2 JP H089536 B2 JPH089536 B2 JP H089536B2 JP 27338787 A JP27338787 A JP 27338787A JP 27338787 A JP27338787 A JP 27338787A JP H089536 B2 JPH089536 B2 JP H089536B2
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- enteric
- gelatin
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- capsule
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、腸溶性のゼラチンカプセルの製造方法に関
し、ゼラチンカプセルに腸溶性フイルム基剤を用いてコ
ーテイングすることにより保存安定性にすぐれ製造が容
易でありそして完全な腸溶性を示すゼラチンカプセルの
製造方法に関する。
し、ゼラチンカプセルに腸溶性フイルム基剤を用いてコ
ーテイングすることにより保存安定性にすぐれ製造が容
易でありそして完全な腸溶性を示すゼラチンカプセルの
製造方法に関する。
従来、腸溶性ゼラチンカプセルとしてゼラチンカプセ
ルの表面を、2価以上の陽イオンで水溶性の架橋性多糖
類を架橋してなる皮膜で被覆したもの(特開昭61−2073
28)、ゼラチンカプセルの表面に高級脂肪酸を含む層を
設け腸溶性コーテイングをしたもの(特開昭59−2021
9)、ゼラチンを基剤としたカプセルをホルマリンで処
理したもの等が知られているがいずれも満足すべきもの
ではない。
ルの表面を、2価以上の陽イオンで水溶性の架橋性多糖
類を架橋してなる皮膜で被覆したもの(特開昭61−2073
28)、ゼラチンカプセルの表面に高級脂肪酸を含む層を
設け腸溶性コーテイングをしたもの(特開昭59−2021
9)、ゼラチンを基剤としたカプセルをホルマリンで処
理したもの等が知られているがいずれも満足すべきもの
ではない。
ゼラチンカプセルの表面を被覆する腸溶性高分子物質
として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト、セルロースアセテートフタレートあるいは、(メ
タ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとからな
る遊離カルボキシル基を有する多塩基酸ビニル重合体な
どが知られている。
として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト、セルロースアセテートフタレートあるいは、(メ
タ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとからな
る遊離カルボキシル基を有する多塩基酸ビニル重合体な
どが知られている。
ゼラチンカプセルに、上記腸溶性高分子物質で被覆し
て得られる腸溶性カプセル剤には経時的にその耐胃液性
が保存中に徐々に低下し腸溶性の性質が失われるという
問題点ある。
て得られる腸溶性カプセル剤には経時的にその耐胃液性
が保存中に徐々に低下し腸溶性の性質が失われるという
問題点ある。
更にまた、腸溶性皮膜に生ずる亀裂によつて経時的に
保存安定性が失なわれるという問題もある。
保存安定性が失なわれるという問題もある。
上記耐胃液性が低下する原因は被覆する腸溶性高分子
物質によつて異なるが、例えばゼラチン軟カプセルの表
面にセルロースアセテートフタレートやヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースフタレートを被覆する場合では、
ゼラチン皮膜の水分によりこれらの高分子物質が加水分
解を起こし、耐胃液性を低下させるものと考えられる。
また腸溶性皮膜の亀裂についてはその引張り強さが上記
の加水分解などで減少することが原因となつて亀裂が起
きるものと考えられる。
物質によつて異なるが、例えばゼラチン軟カプセルの表
面にセルロースアセテートフタレートやヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースフタレートを被覆する場合では、
ゼラチン皮膜の水分によりこれらの高分子物質が加水分
解を起こし、耐胃液性を低下させるものと考えられる。
また腸溶性皮膜の亀裂についてはその引張り強さが上記
の加水分解などで減少することが原因となつて亀裂が起
きるものと考えられる。
このような実状において、本発明者は、上記欠点を解
決せんと鋭意研究を行つた結果ゼラチンカプセルの上面
にカルボキシメチルエチルセルロースの皮膜を施し、そ
の上にヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート
をオーバーコーテイングすることにより、経時的保存安
定性がすぐれた腸溶性カプセルが製造しうることを見出
し本発明を完成した。
決せんと鋭意研究を行つた結果ゼラチンカプセルの上面
にカルボキシメチルエチルセルロースの皮膜を施し、そ
の上にヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート
をオーバーコーテイングすることにより、経時的保存安
定性がすぐれた腸溶性カプセルが製造しうることを見出
し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ゼラチンカプセルの表面にカル
ボキシメチルエチルセルロースの皮膜を施しその上に、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートをオー
バーコーテイングすることを特徴とする腸溶性カプセル
の製造方法に関するものである。
ボキシメチルエチルセルロースの皮膜を施しその上に、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートをオー
バーコーテイングすることを特徴とする腸溶性カプセル
の製造方法に関するものである。
そしてこの発明の方法は、ゼラチン軟カプセルおよび
ゼラチン硬カプセルの両者について好ましい保存安定性
を有し経時的にその耐胃液性が低下することのない腸溶
性を有するゼラチンカプセルの製造に適用しうるもので
ある。
ゼラチン硬カプセルの両者について好ましい保存安定性
を有し経時的にその耐胃液性が低下することのない腸溶
性を有するゼラチンカプセルの製造に適用しうるもので
ある。
ゼラチンカプセルの表面に被覆するカルボキシメチル
エチルセルロースは、カルボキシメチル基とエチル基が
セルロースにエーテル結合をしているため、又、分子内
にエステル結合を含まないので耐加水分解性にすぐれ、
皮膜とした場合の経時変化はない。カルボキシメチルエ
チルセルロースのコーテイング量は充填されたゼラチン
カプセルの重量に対して固形分で3〜10%が望ましく有
機溶媒、水または親水性アルコール類と水との混合溶媒
に溶解または分散させてなるコーテイング液がコーテイ
ングのために用いられる。
エチルセルロースは、カルボキシメチル基とエチル基が
セルロースにエーテル結合をしているため、又、分子内
にエステル結合を含まないので耐加水分解性にすぐれ、
皮膜とした場合の経時変化はない。カルボキシメチルエ
チルセルロースのコーテイング量は充填されたゼラチン
カプセルの重量に対して固形分で3〜10%が望ましく有
機溶媒、水または親水性アルコール類と水との混合溶媒
に溶解または分散させてなるコーテイング液がコーテイ
ングのために用いられる。
コーテイング液には必要に応じ、グリセリン脂肪酸エ
ステル類の可塑剤又は界面活性剤を加えることは差支え
ない。カルボキシメチルエチルセルロース皮膜を施した
後、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートで
オーバーコーテイングし、皮膜を形成させる。
ステル類の可塑剤又は界面活性剤を加えることは差支え
ない。カルボキシメチルエチルセルロース皮膜を施した
後、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートで
オーバーコーテイングし、皮膜を形成させる。
このヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート
は引張り強度が強いのでゼラチンカプセルの亀裂防止に
大きく作用する。
は引張り強度が強いのでゼラチンカプセルの亀裂防止に
大きく作用する。
ここで使用されるヒドロキシプロピルメチルセルロー
スフタレートのコーテイング方法は従来公知の一般的方
法による。すなわちヒドロキシプロピルメチルセルロー
スと有機溶媒または、親水性アルコール類と水との混合
溶液に、溶解させてなるコーテイング液が用いられる。
コーテイング量は、充填された未塗布ゼラチンカプセル
の重量に対して固形分で3〜10%が望ましく、コーテイ
ング液には、必要に応じてグリセリン脂肪酸エステル類
の可塑剤を加えることは差支えない。なお、カルボキシ
メチルエチルセルロースのみのコーテイングでは、本発
明の効果は得られない。
スフタレートのコーテイング方法は従来公知の一般的方
法による。すなわちヒドロキシプロピルメチルセルロー
スと有機溶媒または、親水性アルコール類と水との混合
溶液に、溶解させてなるコーテイング液が用いられる。
コーテイング量は、充填された未塗布ゼラチンカプセル
の重量に対して固形分で3〜10%が望ましく、コーテイ
ング液には、必要に応じてグリセリン脂肪酸エステル類
の可塑剤を加えることは差支えない。なお、カルボキシ
メチルエチルセルロースのみのコーテイングでは、本発
明の効果は得られない。
本腸溶性のゼラチンカプセル中に充填されるべき薬物
には、腸溶性であることが要求される薬物の総べてが含
まれ、そしてこれらの薬物は液体状、ペースト状、およ
び固体状の形態のものでありうる。
には、腸溶性であることが要求される薬物の総べてが含
まれ、そしてこれらの薬物は液体状、ペースト状、およ
び固体状の形態のものでありうる。
つぎに実施例をあげて説明する。
ゼラチン軟カプセルは、1カプセル当り約300mgの中
性油(MCT)を充填したカプセルを用いた。また、特公
昭62−19516号によるゼラチン軟カプセルを用いてもよ
い。
性油(MCT)を充填したカプセルを用いた。また、特公
昭62−19516号によるゼラチン軟カプセルを用いてもよ
い。
充填された上記ゼラチン軟カプセル4kgをパンコーテ
イング装置(フロイント産業製HCT−48型)に仕込み第
1表に示す各処方のコーテイング液を用いてコーテイン
グを行つた。
イング装置(フロイント産業製HCT−48型)に仕込み第
1表に示す各処方のコーテイング液を用いてコーテイン
グを行つた。
実施例No.1はHPC、ステアリン酸液を充填されたゼラ
チンカプセルの重量に対して固形分で3%のコーテイン
グ量で施しHPMCPのコーテイング液を充填されたゼラチ
ンカプセルの重量に対して固形分で6%の量でオーバー
コーテイングしたものである。実験No.2は直接HPMCPの
コーテイング液のみを充填されたゼラチンカプセルの重
量に対して固形分で10%のコーテイング量で施したもの
である。又、実験No.3〜5についてはゼラチン軟カプセ
ルにCMEC液を充填されたゼラチンカプセルの重量に対し
て固形分で5%の量で施しその上に、HPMCP、HPMCAS及
びEudragitのコーテイング液を充填されたゼラチンカプ
セルの重量に対して固形分で5%の量でオーバーコーテ
イングしたものである。
チンカプセルの重量に対して固形分で3%のコーテイン
グ量で施しHPMCPのコーテイング液を充填されたゼラチ
ンカプセルの重量に対して固形分で6%の量でオーバー
コーテイングしたものである。実験No.2は直接HPMCPの
コーテイング液のみを充填されたゼラチンカプセルの重
量に対して固形分で10%のコーテイング量で施したもの
である。又、実験No.3〜5についてはゼラチン軟カプセ
ルにCMEC液を充填されたゼラチンカプセルの重量に対し
て固形分で5%の量で施しその上に、HPMCP、HPMCAS及
びEudragitのコーテイング液を充填されたゼラチンカプ
セルの重量に対して固形分で5%の量でオーバーコーテ
イングしたものである。
上記のようにして得た腸溶性軟カプセル剤を40℃、75
%RHで1ケ月、2ケ月、4ケ月開放の状態で放置した場
合について、外観及び日本薬局方の腸溶性製剤の崩壊試
験を実施した結果は第2表及び第3表のとおりであつ
た。
%RHで1ケ月、2ケ月、4ケ月開放の状態で放置した場
合について、外観及び日本薬局方の腸溶性製剤の崩壊試
験を実施した結果は第2表及び第3表のとおりであつ
た。
また、ゼラチン硬カプセルは、1カプセル当り約200m
gの粉末(乳糖9:結晶セルロース1)を充填したカプセ
ルを用いて前記と同様のコーテイング処理をして、所望
のカプセルを得た。
gの粉末(乳糖9:結晶セルロース1)を充填したカプセ
ルを用いて前記と同様のコーテイング処理をして、所望
のカプセルを得た。
上記のようにして得た腸溶性硬カプセル剤を40℃、75
%RHで1ケ月、2ケ月、3ケ月および4ケ月開放の状態
で放置した場合について、外観および日本薬局方の腸溶
性製剤の崩壊試験を実施した結果は第4表および第5表
のとおりであった。
%RHで1ケ月、2ケ月、3ケ月および4ケ月開放の状態
で放置した場合について、外観および日本薬局方の腸溶
性製剤の崩壊試験を実施した結果は第4表および第5表
のとおりであった。
Claims (1)
- 【請求項1】ゼラチンカプセルの表面にカルボキシメチ
ルエチルセルロースの皮膜を施しその上にヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースフタレートをオーバーコーテイ
ングすることを特徴とする腸溶性ゼラチンカプセルの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27338787A JPH089536B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | 腸溶性カプセルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27338787A JPH089536B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | 腸溶性カプセルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01117826A JPH01117826A (ja) | 1989-05-10 |
JPH089536B2 true JPH089536B2 (ja) | 1996-01-31 |
Family
ID=17527187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27338787A Expired - Fee Related JPH089536B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | 腸溶性カプセルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH089536B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5914132A (en) * | 1993-02-26 | 1999-06-22 | The Procter & Gamble Company | Pharmaceutical dosage form with multiple enteric polymer coatings for colonic delivery |
US5843479A (en) * | 1993-02-26 | 1998-12-01 | The Procter & Gamble Company | Bisacodyl dosage form with multiple enteric polymer coatings for colonic delivery |
US5651983A (en) * | 1993-02-26 | 1997-07-29 | The Procter & Gamble Company | Bisacodyl dosage form for colonic delivery |
US5686106A (en) * | 1995-05-17 | 1997-11-11 | The Procter & Gamble Company | Pharmaceutical dosage form for colonic delivery |
TW200613009A (en) * | 2004-06-11 | 2006-05-01 | Ono Pharmaceutical Co | Capsule having chewing stability |
CN102552209A (zh) * | 2012-01-06 | 2012-07-11 | 安徽黄山胶囊股份有限公司 | 一种双层空心胶囊和多层肠溶空心胶囊 |
JP6578459B1 (ja) * | 2019-02-28 | 2019-09-18 | アピ株式会社 | ハードカプセル及びその製造方法 |
-
1987
- 1987-10-30 JP JP27338787A patent/JPH089536B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01117826A (ja) | 1989-05-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |