JP3090975B2 - マルチリザ−バ−型徐放性顆粒剤およびその製法 - Google Patents

マルチリザ−バ−型徐放性顆粒剤およびその製法

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JP3090975B2 JP03138315A JP13831591A JP3090975B2 JP 3090975 B2 JP3090975 B2 JP 3090975B2 JP 03138315 A JP03138315 A JP 03138315A JP 13831591 A JP13831591 A JP 13831591A JP 3090975 B2 JP3090975 B2 JP 3090975B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層構造の各層の構成
単位が医薬活性成分を含有する粉末コ−ティング薬物層
および該粉末コ−ティング薬物層を被覆する水不溶性フ
ィルム層からなることを特徴とする徐放性顆粒剤および
その製造方法を提供する。よって、本発明は、複数の医
薬活性成分を含有し、それら個別の放出制御を必要とす
る製剤、例えば徐放性総合感冒剤等に適用できる。
【0002】
【先行技術】医薬活性成分の溶出および吸収を効果的に
制御する徐放化技術は、マトリックス形成法、隔膜分離
法、化学吸着の利用、水溶性ゲルマトリックスの利用
等、多数開示されている。ただし、いずれも単一の医薬
活性成分の徐放化を目的としたものであり、複数種の医
薬活性成分に対して個別に放出制御する試みはなされて
いない。
【0003】また多層構造を有する徐放性顆粒剤に関す
る技術はいくつか開示されているが、溶出曲線をゼロ次
型とするための技法(特開昭63−27424)や、同
一医薬活性成分の徐放部と速放部を組み合わせた多層構
造製剤のための技法(特開昭60−4120)であっ
て、複数種の医薬活性成分の溶出特性を個別に制御出来
る徐放化技術に関する記載は見られない。
【0004】
【発明が解決すべき課題】前記先行技術に基づいて調製
された複数種の医薬活性成分を含有する徐放性顆粒剤で
は、医薬活性成分間の溶解度、配合量、溶解速度等の相
違により、各医薬活性成分は異なる溶出挙動を示すこと
が多く、すべての医薬活性成分に対して合目的な溶出特
性を同時に与えることは極めて困難である。一方、各医
薬活性成分に対して個別に徐放性顆粒を調製し、これら
を混合して一製剤として使用する場合は、周知の如く混
合時の偏析により、目的とする製剤の医薬活性成分の含
量、溶出特性等を精密に制御し管理するのが困難であ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の点に鑑み、本発明
者らは、一顆粒中に医薬活性成分を収納できる複数の薬
物層を設置し、さらに、各薬物層を水不溶性フィルム層
で分離して多層構造とするならば、各医薬活性成分の放
出速度を任意に制御できることを見出し、本発明を完成
した。さらに詳しくは、本発明は、多層構造の各層の構
成単位が医薬活性成分を含有する粉末コ−ティング薬物
層(以下、単に薬物層とも言う)および該粉末コ−ティ
ング薬物層を被覆する水不溶性フィルム層(以下、単に
フィルム層とも言う)からなり、各薬物層がフィルム層
で隔離されたリザ−バ−を形成していることを特徴とす
る徐放性顆粒剤を提供するものである。
【0006】本製剤の製造方法について以下に説明す
る。本製剤は、下記の2工程を一単位とする操作を複数
回行なうことにより、製造することができる。 a工程:医薬活性成分を含有する粉末の粉末コ−ティン
グ工程 b工程:ひき続き行なう水不溶性フィルムコ−ティング
工程各工程について、以下に説明する。
【0007】(a工程)本工程は、結合剤存在下、芯物
質または本製法のb工程完了後に得られる粒子の表面
に、医薬活性成分を含有する粉末を、粉末コ−ティング
法によりコ−ティングして、薬物層を形成する工程であ
る。
【0008】結合剤としては、水不溶性または難溶性の
ものであれば、医薬活性成分およびその溶出性に悪影響
を与えないものである限り幅広く使用可能であり、メチ
ルセルロ−ス、エチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセ
ルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、キサンタン
ガム等が例示される。
【0009】芯物質としては、薬理学的に不活性であり
使用する医薬活性成分となんら相互作用のない物質であ
れば使用可能であり、しょ糖、乳糖、マンニト−ル、果
糖、等の糖類、セルロ−ス類、デンプン類、糖脂肪酸エ
ステル類などが例示され、これらを単独、その結晶、ま
たは混合物として使用すればよい。ただし、水不溶性フ
ィルム基剤によるコ−ティングを、水系のスプレ−を使
用して行なう場合は、芯物質が膨潤して崩壊しやすくな
るので、膨潤による崩壊のない結晶セルロ−ス粒等を使
用するのが好ましい。使用量は、目的とする顆粒の大き
さにより任意に選べる。
【0010】医薬活性成分を含有する粉末とは、コ−テ
ィングの操作性を向上させるための適当な賦形剤やその
他の添加剤と医薬活性成分との混合末である。
【0011】医薬活性成分としては、水溶解性のもので
あれば特に限定されないが、例えばマレイン酸クロルフ
ェニラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、フマ
ル酸クレマスチン、マレイン酸カルビノキサミン、塩酸
プロメタジン、ジフェンヒドラミン、テルフェナジン等
の抗ヒスタミン剤、アスピリン、サルチルアミド、エテ
ンザミド、アセトアミノフェン、ジクロフェナクナトリ
ウム、リン酸ジヒドロコデイン、硫酸モルヒネ、塩酸モ
ルヒネ、リン酸コデイン等の解熱鎮痛または鎮痛剤、メ
シル酸ビトルテロ−ル等の気管支拡張剤、臭化水素酸デ
キストロメトルファン、塩酸クロペラスチン、塩酸フェ
ニルプロパノ−ルアミン、メチルエフェドリン、硫酸カ
リウムクレゾ−ル、ベラドンナ総アルカロイド等の鎮咳
去痰剤、セトラキサ−ト、ラニチジン、ファモチジン等
の抗潰瘍剤、ピンドロ−ル、プロプラノロ−ル、アルプ
レノロ−ル、オキシプリノ−ル、ジルチアゼム、ピナシ
ジル等の循環器系薬剤、5−フルオロウラシル、テガフ
−ル等の抗腫瘍剤、シノキサシン、エノキサシン、ロメ
フロキサシン等の抗菌剤、セファレキシン、セファクロ
ル等の抗生物質等が例示される。賦形剤は特に限定され
ず、乳糖やコ−ンスタ−チ等の有機物、リン酸カルシウ
ム等の無機物等一般的に使用されるものならば幅広く使
用可能である。使用量も必ずしも限定されないが、配合
量が少なくかつ溶解度の大きな医薬活性成分即ち中心部
近くに配合される医薬活性成分については、出来るだけ
使用量を減ずることが好ましい。
【0012】添加剤としては、増粘剤、滑沢剤、保水剤
等が使用される。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネ
シウム、グリセリン脂肪酸エステル等が例示される。保
水剤としては、コ−ンスタ−チ、結晶セルロ−ス、部分
アルファ−化デンプン等が例示される。ただし、いずれ
の添加剤の場合も、医薬活性成分を含有する粉末の粉末
コ−ティングの操作性を高めるために使用されるので、
種類や使用量は必ずしも限定されない。
【0013】(b工程)本工程は、a工程で得られる粒
子(以下、素顆粒という)の表面に水不溶性フィルムコ
−ティング基剤をコ−ティングして、フィルム層を形成
する工程である。所望により、腸溶性コ−ティング基
剤、水溶性コ−ティング基剤、滑沢剤、増量剤、可塑剤
等の添加剤を添加して使用してもよい。
【0014】本工程で使用され得る水不溶性フィルムコ
−ティング基剤としては、エチルセルロ−ス、メタアク
リル酸エチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニ
ウム共重合体、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチ
ル共重合体の乳濁液(オイドラギットNE30D、30
%水エマルジョン、樋口商会(株))、セラック、高重
合度ポリビニルアルコ−ル、水不溶性ポリビニルピロリ
ドン、ポリ塩化ビニル、セルロ−スアセテ−ト、ポリウ
レタン、テトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリ
プロピレン、乳酸重合体、ヒドロキシエチルメタアクリ
レ−ト、グルコ−ル酸重合体、ポリエチレンテレフタレ
−ト、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアクリロニトリ
ル、ポリカルボン酸、シアノアクリレ−ト重合体等が例
示される。
【0015】本発明では、特に水浸透性が高く、薄膜で
緻密なフィルムが要求されるので、可塑性に富みシ−ム
レス化が容易でかつ水浸透性が高い前記オイドラギット
NE30Dが好ましい。また、水不溶性フィルムコ−テ
ィング基剤には、必要により添加剤を加えても良いが、
上記の理由により造膜性や、水の浸透性に悪影響を及ぼ
さない範囲で極力使用量を減ずるのが好ましい。
【0016】水不溶性フィルムコ−ティング基剤の被覆
量は、該基剤の種類、薬物層中の医薬活性成分の配合
量、溶解度、裸顆粒の表面積および目的とする溶出特性
等によって変化するので一概には規定できないが、一般
的には素顆粒に対して1〜50%重量増、好ましくは1
〜20%重量増の範囲である。上限以上では、中心部に
近い薬物層に配合された医薬活性成分の放出制御に著し
い悪影響を及ぼし、下限以下では、フィルム層は放出制
御膜として有効ではなく、含有医薬活性成分の徐放化が
十分に達成されない。尚、各工程で得られた粒子に対し
て、若干の乾燥を行なった後、次の工程へ進むのが望ま
しい。
【0017】腸溶性コ−ティング基剤としてはヒドロキ
シプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(HPMC
P)、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スアセテ−ト
サクシネ−ト(HPMC−AS)、メタアクリル酸・メ
タアクリル酸メチル共重合体、セルロ−スアセテ−トフ
タレ−ト(CAP)などが例示される。水溶性コ−ティ
ング基剤としては、メチルセルロ−ス(MC)、ヒドロ
キシプロピルセルロ−ス(HPC)、ポリビニルピロリ
ドン(PVP)、ポリビニルアルコ−ル(PVA)、ゼ
ラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス(HPM
C)、ポリカルボン酸、澱粉、アルギン酸ナトリウムな
どが例示される。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸等が例示される。増量剤として
は、タルク、炭酸カルシウム等が例示される。可塑剤と
しては、トリアセチン、クエン酸トリエチル等が例示さ
れる。
【0018】本発明製剤は、上記2工程を一単位とする
操作(以下、単にコ−ティング操作という)を複数回行
なうことにより製造出来る。よって、例えば2層構造よ
りなる製剤は、コ−ティング操作を2回行なうことによ
り、3層構造よりなる製剤であれば、3回行なうことに
より製造でき、さらに4層、5層構造の製剤も同様の方
法により製造可能である。つまり、目的とする薬物層の
数に応じて、コ−ティング操作を反復すれば、さらに多
層の構造を有する製剤も製造可能である。
【0019】本発明製剤は、複数の医薬活性成分の個別
の放出制御を可能とする。この作用機構は以下のように
説明される。投与された製剤が胃内に到達した後、胃内
の水分は最外層のフィルム層を通過して内部へ浸透し、
各薬物層中に充満する。薬物層中に充満した水は、薬物
層中の各医薬活性成分の一部を溶解した後、各フィルム
層を拡散透過しつつ放出される。
【0020】この時、溶出の律速段階になるのは、医薬
活性成分の溶解およびフィルム層における拡散透過であ
る。よって、溶解速度および拡散透過速度を制御するこ
とにより、該医薬活性成分に目的とする溶出特性を与え
ることができる。溶解速度は、各医薬活性成分の薬物層
の容積を変化させることにより、また拡散透過速度は、
フィルム層の組成および厚さを変化させることによりそ
れぞれ制御可能である。
【0021】一般的に、医薬活性成分を溶解律速によっ
て徐放化するためには、その医薬活性成分のリザ−バ中
の配合密度を高くする方が望ましいことが知られてい
る。よって、溶解度が大きくかつ配合量が少ない医薬活
性成分ほど、顆粒の中心部近くに配合しかつ薬物層の容
積を小さくするのが好ましく、このためには医薬活性成
分以外の添加剤を出来るだけ減ずることが好ましい。
【0022】また、各医薬活性成分の溶出特性が各薬物
層を直接被覆するフィルム層のみに依存し、これより外
部のフィルム層には実質的に影響されないことが好まし
い。このためには、各フィルム層が出来るだけ薄く、緻
密でかつ水浸透性が良好である方が好ましいので、水不
溶性フィルムコ−ティング基剤にタルク等の増量剤を添
加しない方が望ましい。
【0023】本発明により、目的とする徐放化に応じ
て、各医薬活性成分の溶出特性を各個にかつ任意に制御
することができる。また、医薬活性成分の溶解度または
配合量等を考慮すれば、例えば、各医薬活性成分の溶出
特性をほぼ同一にすることも可能である。なお、各薬物
層中の医薬活性成分は、必ずしもすべて異種のものであ
る必要はなく、徐放化剤の目的に応じて、一部またはす
べて同種のものであっても、何等不都合は生じない。
【0024】以下に、本発明をさらに詳細に説明するた
めに各実施例および各参考例を示すが、これらは何等本
発明を制限するものではない。
【0025】(本発明製剤の一般的調製法)遠心転動造
粒機(CF−360,フロイント産業(株))を使用
し、転動を止めずに前記a工程およびb工程を以下のよ
うに繰り返して被覆操作を行なう。
【0026】a工程:粉末コ−ティング工程 50%平均粒子径が320μmφである結晶セルロ−ス
粒(アビセルSP,旭化成(株))または、b工程完了
後に得られる粒子を中心核となりうる物質とし、結合剤
スプレ−液を噴霧しつつ、粉末コ−ティング薬物第n層
(以下、単に薬物第n層という,nは1以上の整数を表
わす)を形成する混合末を中心核となりうる物質の表面
にコ−ティングする。次いで、約50℃、約300NL
/minの空気を底部より約15分間送風して、若干の
乾燥を行なう。
【0027】b工程:水不溶性フィルムコ−ティング工
a工程で得られた素顆粒に対して、約40℃、約200
NL/minの空気を送風しつつ、アクリル酸エチル・
メタアクリル酸メチル共重合体乳濁液(オイドラギット
NE30D,30%水エマルジョン,樋口商会(株))
を、約10g/minの速度で所定量コ−ティングす
る。次いで少量のタルクを散布して水不溶性フィルム第
n層(以下、単にフィルム第n層という,nは1以上の
整数を表わす)を形成させた後、約50℃、約300N
L/minの空気を送風して若干の乾燥を行なう。
【0028】例えば、3層構造よりなる本発明製剤を製
造する場合には、下記の6工程を行なう。第一工程:薬
物第一層形成 前記結晶セルロ−ス粒を芯物質として、a工程を行ない
薬物第一層を形成する。第二工程:フィルム第一層形成 第一工程で得られた素顆粒に対して、b工程を行ないフ
ィルム第一層を形成する。
【0029】第三工程:薬物第二層形成 第二工程で得られた粒子に対して、a工程を行ない薬物
第二層を形成する。第四工程:フィルム第二層形成 第三工程で得られた素顆粒に対して、b工程を行ないフ
ィルム第二層を形成する。
【0030】第五工程:薬物第三層形成 第四工程で得られた粒子に対して、a工程を行ない薬物
第三層を形成する。第六工程:フィルム第三層形成 第五工程で得られた素顆粒に対して、b工程を行ないフ
ィルム第三層を形成させた後、転動を中止し、得られる
粒子を取りだす。
【0031】なお、最終工程で得られた粒子を流動乾燥
機(WSG5型,グラット社)により約50℃で約1h
r乾燥させることにより、目的のマルチリザ−バ−型徐
放性顆粒剤を得る。次に、使用した各医薬活性成分の水
溶解度を表1に示す。
【表1】
【0032】実施例1 一般的調製法に準じ、下記の工程により2層構造の顆粒
を調製した。第一工程:薬物第一層形成 芯物質として、50%平均粒子径が320μmΦである
結晶セルロ−ス粒(アビセルSP,旭化成(株))を1
000g使用し、その表面に、結合剤として2%メチル
セルロ−ス25cps 15%エタノ−ル水溶液340
gを噴霧しつつ、臭化水素酸デキストロメトルファン8
8.8g、ステアリン酸マグネシウム4.4gからなる
混合末を粉末コ−ティングし、薬物第一層を形成する。
次いで、約50℃、約300NL/minの空気を底部
より約15分間送風して、若干の乾燥を行なう。
【0033】第二工程:フィルム第二層形成 第一工程で得られた素顆粒に対して、約40℃、約20
0NL/minの空気を送風しつつ、オイドラギットN
E30D 740gを、約10g/minの速度で所定
量コ−ティングする。次いでタルク74gを散布してフ
ィルム第二層を形成させた後、約50℃、約300NL
/minの空気を送風して若干の乾燥を行なう。
【0034】第三工程:薬物第二層形成 第二工程で得られた粒子に対して、その表面に、結合剤
として2%メチルセルロ−ス25cps 15%エタノ
−ル水溶液616gを噴霧しつつ、アセトアミノフェン
1665g、ステアリン酸マグネシウム10.0g、メ
チルセルロ−ス25cps 14.0gからなる混合末
を粉末コ−ティングし、薬物第二層を形成する。次い
で、約50℃、約300NL/minの空気を底部より
約15分間送風して、若干の乾燥を行なう。
【0035】第四工程:フィルム第二層形成 第三工程で得られた素顆粒に対して、約40℃、約20
0NL/minの空気を送風しつつ、オイドラギットN
E30D 1000gを、約10g/minの速度で所
定量コ−ティングする。次いでタルク110gを散布し
てフィルム第二層を形成させた後、約50℃、約300
NL/minの空気を送風して若干の乾燥を行なう。
【0036】転動を中止し、得られる粒子を取りだして
流動乾燥機(WSG5型,グラット社)により約50℃
で約1hr乾燥させる。このようにして、1服用単位
1038mg中に臭化水素酸デキストロメトルファン2
4mg、アセトアミノフェン450mgを含有し、50
%平均粒子径約620μmφの顆粒を得る。
【0037】実施例2〜3および参考例1〜5 前記一般調製法に準じ、各工程共、表2に示す配合量に
基づいて調製した。
【表2】 実施例2〜3は、実施例1と同様の2層構造の顆粒であ
り、参考例1〜5は、通常の隔膜分離型の顆粒(以下、
シングルリザ−バ−型顆粒と言う)である。なお、いず
れの場合も芯物質には前記結晶セルロ−ス粒を1000
g使用した。
【0038】また、各使用物質を以下の略記号で表わす
こともある。結晶セルロ−ス粒:a,臭化水素酸デキス
トロメトルファン:b,アセトアミノフェン:c,エテ
ンザミド:d,ステアリン酸マグネシウム:e,メチル
セルロ−ス25cps:f,2%メチルセルロ−ス25
cps 15%エタノ−ル水溶液:g,オイドラギット
NE30D:h,タルク:i
【0039】各実施例および各参考例で得られた各顆粒
中の医薬活性成分の組成を表3に示す。
【表3】 各実施例で得られた各顆粒の粒度分布、収量、および収
率を表4に示す。
【表4】
【0040】実施例4〜7 実施例1の第四工程で水不溶性フィルムコ−ティング基
剤に使用したオイドラギットNE30D(h)の被覆量
を、表5に示す通り変化させて調製した。
【表5】
【0041】実施例8〜11実施例2の第四工程で水不
溶性フィルムコ−ティング基剤に使用したオイドラ ギットNE30D(h)の被覆量を、表6に示す通り変
化させて調製した。
【表6】
【0042】(溶出試験)試験方法 試験は、第11改正日本薬局方の一般試験法、溶出試験
の項に準じ、パドル法(100rpm)により行ない、
試験液には第1液(Fluid)、第2液(Flui
d)、または水を使用した。
【0043】実験例1 実施例1のマルチリザ−バ−型徐放性顆粒に関して、上
記溶出試験を行なった。試験液には、第1液(Flui
d)、第2液(Fluid)を使用し、顆粒は、臭化水
素酸デキストロメトルファン(b)24mg、アセトア
ミノフェン(c)450mg相当量のものを使用した。
結果を図1に示す。いずれの医薬活性成分もほぼ同程度
の溶出特性を示し、pH依存性はほとんど見られなかっ
た。
【0044】実験例2 実施例2のマルチリザ−バ−型徐放性顆粒に関して、上
記溶出試験を行なった。試験液には、第1液、第2液を
使用し、顆粒は、アセトアミノフェン125mg、エテ
ンザミド375mg相当量のものを使用した。結果を図
2に示す。いずれの医薬活性成分もほぼ同程度の溶出特
性を示し、pH依存性はほとんど見られなかった。
【0045】実験例3 実施例3のマルチリザ−バ−型徐放性顆粒に関して、上
記溶出試験を行なった。試験液には、水を使用し、顆粒
は、臭化水素酸デキストロメトルファン24mg、アセ
トアミノフェン125mg、エテンザミド375mg相
当量のものを使用した。結果を図3に示す。いずれの医
薬活性成分もほぼ同程度の溶出特性を示した。
【0046】実験例4 参考例1、2、4のシングルリザ−バ−型顆粒に関し
て、上記溶出試験を行なった。試験液には、水を使用
し、顆粒は、臭化水素酸デキストロメトルファン24m
g、アセトアミノフェン450mg相当量のものを使用
した。結果を図4に示す。シングルリザ−バ−内に単一
の医薬活性成分を含有する参考例1、2の顆粒の場合に
は、それぞれ合目的な溶出特性が得られた。これに対し
て、シングルリザ−バ−内に、溶解度はほぼ同程度であ
るが配合量が大きく異なる2種の医薬活性成分を含有す
る参考例4の場合には、それぞれは全く異なる溶出挙動
を示し、個別の溶出制御は達成できなかった。
【0047】実験例5 参考例2、3、5のシングルリザ−バ−型顆粒に関し
て、上記溶出試験を行なった。試験液には、水を使用
し、顆粒は、アセトアミノフェン125mg、エテンザ
ミド375mg相当量のものを使用した。結果を図5に
示す。シングルリザ−バ−内に単一の医薬活性成分を含
有する参考例2,3の顆粒の場合には、それぞれ合目的
な溶出特性が得られた。これに対して、シングルリザ−
バ−内に、溶解度および配合量が異なる2種の医薬活性
成分を含有する参考例5の場合には、それぞれは全く異
なる溶出挙動を示し、個別の溶出制御は達成できなかっ
た。
【0048】実験例6 実施例1、4、5、6、7のマルチリザ−バ−型徐放性
顆粒に関して、上記溶出試験を行ない、約3時間後の溶
出率を求めて、フィルム第二層の被覆率による影響を調
べた。試験液には、水を使用し、顆粒は、臭化水素酸デ
キストロメトルファン24mg、アセトアミノフェン4
50mg相当量のものを使用した。結果を図6に示す。
フィルム第二層の被覆率の増大に伴い、薬物第二層(以
下、外部層とも言う)に配合されたアセトアミノフェン
の溶出率はなめらかに減少する。一方、薬物第一層(以
下、内部層とも言う)に配合された臭化水素酸デキスト
ロメトルファンの溶出率は、該被覆率が10.9%以下
の場合は、フィルム第一層によって制御された値にほぼ
等しい値を示すが、同値を越えると減少傾向を示す。よ
って、フィルム第二層の被覆率を0〜10.9%の間で
任意に変化させることにより、内部層の臭化水素酸デキ
ストロメトルファンの溶出特性に影響を及ぼすことな
く、外部層のアセトアミノフェンの溶出制御が行なえ
る。
【0049】実験例7 実施例2、8、9、10、11のマルチリザ−バ−型徐
放性顆粒に関して、上記溶出試験を行ない、約3時間後
の溶出率を求めて、フィルム第二層の被覆率による影響
を調べた。試験液には、水を使用し、顆粒はアセトアミ
ノフェン125mg、エテンザミド375mg相当量の
ものを使用した。結果を図7に示す。フィルム第二層の
被覆率の増大に伴い、外部層に配合されたエテンザミド
の溶出率はなめらかに減少する。一方、内部層に配合さ
れたアセトアミノフェンの溶出率は、該被覆率が10.
8%以下の場合は、フィルム第一層によって制御された
値にほぼ等しい値を示すが、同値を越えると減少傾向を
示す。よって、フィルム第二層の被覆率を0〜10.8
%の間で任意に変化させることにより、内部層のアセト
アミノフェンの溶出特性に影響を及ぼすことなく、外部
層のエテンザミドの溶出制御が行なえる。
【0050】
【発明の効果】本発明により、単一顆粒中に、複数の医
薬活性成分を収納させ、各活性成分の放出速度を任意に
制御することが可能である。よって、本製剤は徐放性総
合感冒剤等、複数種の医薬活性成分の徐放化を必要とす
る徐放性顆粒剤に好適である。また、本製剤は、徐放化
剤として水不溶性フィルムコ−ティング基剤を使用して
いるので、pH非依存性の溶出特性を示し、老人や低
酸、無酸症の人に対しても、通常の健常者に投与した場
合と同様の徐放化が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1より得られた顆粒に含有され
る医薬活性成分の溶出試験の結果を示す。縦軸は、溶出
率(%)、横軸は、時間(hr)を表わす。
【図2】図2は、実施例2より得られた顆粒に含有され
る医薬活性成分の溶出試験の結果を示す。縦軸は、溶出
率(%)、横軸は、時間(hr)を表わす。
【図3】図3は、実施例3より得られた顆粒に含有され
る医薬活性成分の溶出試験の結果を示す。縦軸は、溶出
率(%)、横軸は、時間(hr)を表わす。
【図4】図4は、参考例1、2、4より得られた顆粒に
含有される医薬活性成分の溶出試験の結果を示す。縦軸
は、溶出率(%)、横軸は、時間(hr)を表わす。
【図5】図5は、参考例2、3、5より得られた顆粒に
含有される医薬活性成分の溶出試験の結果を示す。縦軸
は、溶出率(%)、横軸は、時間(hr)を表わす。
【図6】図6は、実施例1、4、5、6、7より得られ
た顆粒に含有される医薬活性成分の溶出試験の結果を示
す。縦軸は、溶出率(%)、横軸は、水不溶性フィルム
第二層の被覆率(%)を表わす。
【図7】図7は、実施例2、7、8、9、10より得ら
れた顆粒に含有される医薬活性成分の溶出試験の結果を
示す。縦軸は、溶出率(%)、横軸は、水不溶性フィル
ム第二層の被覆率(%)を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−27424(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/16,47/32

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬活性成分を含有する粉末コーティング
    薬物層および該粉末コーティング薬物層を被覆する水不
    溶性フィルム層からなる層を、2層以上有することを特
    徴とする徐放性顆粒剤。
  2. 【請求項2】医薬活性成分を含有する粉末コーティング
    薬物層および該粉末コーティング薬物層を被覆する水不
    溶性フィルム層からなる層を、2層有する請求項1記載
    の徐放性顆粒剤。
  3. 【請求項3】医薬活性成分を含有する粉末コーティング
    薬物層および該粉末コーティング薬物層を被覆する水不
    溶性フィルム層からなる層を、3層有する請求項1記載
    の徐放性顆粒剤。
  4. 【請求項4】該水不溶性フィルム層がアクリル酸エチル
    ・メタアクリル酸メチル共重合体よりなる請求項1〜3
    のいずれかに記載の徐放性顆粒剤。
  5. 【請求項5】下記の2工程を一単位とする操作を複数回
    行なうことを特徴とする徐放性顆粒剤の製造方法。 a工程:医薬活性成分を含有する粉末の粉末コーティン
    グ工程 b工程:ひき続き行なう水不溶性フィルムコーティング
    工程
  6. 【請求項6】b工程にアクリル酸エチル・メタアクリル
    酸メチル共重合体を水不溶性フィルムコーティング基剤
    として使用する請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】請求項5に記載の操作を2回以上行うこと
    により得られる、請求項1〜4のいずれかに記載の徐放
    性顆粒剤。
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