JPH089523Y2 - 電気暖房器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、奥行、高さが小さく、幅の長い本体ケー
スを有するベースボードヒータ等の電気暖房器の改良に
関するものである。

〔従来の技術〕

第４図は従来の電気暖房器を示す正面図、第５図はそ
のIV-IV線断面図である。図において、１は奥行、高さ
が小さく、幅の細長い本体ケース、２はこの本体ケース
１の下部に形成した幅の細長い折り曲げ部３に適宜の間
隔で設けた複数個の長孔、４は本体ケース１内に水平方
向に設置した棒状のヒータ、５は本体ケース１の前面を
覆うパネルで、下部には前記長孔２に挿入される複数個
の係止部６と冷気を吸入する複数個の吸気口７が形成さ
れ、され、上部には温風を放出する複数個の排気口８が
設けられている。９はパネル５を本体ケース１に螺着し
ている取付ネジである。

以上の構成による電気暖房器のパネル取付け作業につ
いて第６図により説明する。６図の如く、パネル５の係
止部６を本体ケース１の長孔２に挿入したのち、係止部
６を点として矢印Ａの方向にパネル５を回転さ、取付ネ
ジ９により螺着すれば、第５図の如く取り付けられる。

次に動作について説明する。

スイッチ（図示せず）をONし、ヒータ４に通電すれ
ば、本体ケース１内の空気は暖められて上昇し、矢印Ｂ
で示すようにパネル５の排気口８より放出されて室内を
暖める。

一方、その温風放出に伴い吸気口７より室内下部の冷
たい空気が矢印Ｃで示すように吸入され、これはヒータ
７により暖められて前述同様に上昇するから、室内には
対流が起こり、室内空気は効率良く暖められる。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の電気暖房器は以上のように構成されており、パ
ネル５の係止部６を本体ケース１の長孔２に挿入する際
は、第６図の如くパネル５を立てて斜め上方向より差し
込まなければならず、このパネル５も細長く、係止部も
複数個あるため、挿入作業は大変困難であった。このた
め、長孔２の幅を係止部６の板厚よりかなり大きく形成
しており、パネルを本体ケース１に取り付けた後も、こ
の係止部６が長孔２内でガタつき、騒音を発するという
問題点があった。

また、本体ケース１も折り曲げ部３も細長く形成され
ているため、強度が小さく、パネル５の重量が直接加わ
るとこの折り曲げ部３が下方にたれ下がる変形を起こ
す。このため、係止部６がちょっとした振動等により長
孔２から外れてしまう等の問題点があった。

この考案は上記のような課題を解消するためになされ
たもので、簡単な操作で、パネルの取り付け作業ができ
るようにするとともに、本体ケースの折り曲げ部の変形
も矯正できるようにしたものである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案に係る電気暖房器は、パネルに設けた係止部
の先端を前方に向けて適度な角度に折り曲げ、この係止
部の先端を本体ケースに設けた長孔の裏面孔縁に当接さ
せるようにして本体ケースに取り付けたものである。

〔作用〕

この考案における電気暖房器は、パネルを本体ケース
に取り付ける際、パネルを傾斜させた状態で、係止部の
先端が垂直となり、本体ケース側の長孔の位置を確認し
ながら簡単に挿入することができる。また、挿入後は係
止部の先端が、本体ケース側の長孔の裏面孔縁に当接し
て、本体ケースの折り曲げ部を上方へ持ち上げる働きを
して折り曲げ部の変形を矯正する。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例について説明する。

第１図、第２図において、１は奥行、高さが小さく、
幅を細長く形成した本体ケース、２はこの本体ケース１
の下部に形成したやはり細長い折り曲げ部３に適宜の間
隔で設けれた複数個の長孔、４は本体ケース１内に設置
された棒状のヒータ、５は本体ケース１前面を覆うパネ
ルで、下端には前記長孔２に挿入係止される複数個の係
止部６と冷気を吸入する複数個の吸入口７が形成されて
おり、前記係止部６の先端は前方に向けて適度な角度に
折曲されている。また、パネル５の上部には温風を放出
する複数個の排気口８が設けられている。９はパネル５
の上端を本体ケース１に螺着している取付ネジである。

次に上記構成による電気暖房器の作用について説明す
る。なお、暖房時の動作については従来例と全く同様で
あるので省略し、パネル５の係止部６を本体ケース１の
長孔２に挿入する際は、第３図の如く、パネル５を大き
く傾斜させれば係止部６の先端は長孔２に垂直になり、
長孔２の位置を見ながら簡単に挿入することができると
ともに、長孔２の幅は係止部６の板厚より若干大きめの
幅でよいので、取り付け後、この係止部６が長孔２内で
ガタつくことはない。また、この係止部６の先端は前方
に向けて適度な角度に折曲されているので、長孔２に挿
入後、第３図の矢印Ａの方向に回転させ、パネル５を本
体ケース１に取付ネジ９により螺着する際、この先端は
長孔２の裏面孔縁に当接して、折り曲げ部を上方へ持ち
上げる働きを有し、この折り曲げ部３の変形を矯正する
ことができる。

〔考案の効果〕

以上のようにこの考案によれば、パネル係止部先端を
前方に向けて適度な角度に折り曲げることにより、パネ
ルの係止部を本体ケースの長孔に簡単にかつガタつくこ
となく挿入することができ、更にこの係止部の先端を長
孔の裏面孔縁に当接させたことにより本体ケースに設け
た折り曲げ部の変形を矯正することができるという効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す電気暖房器の正面図、
第２図は第１図のII-II線断面図、第３図はパネルの取
り付け方法を示す断面図、第４図は従来例を示す正面
図、第５図は第４図のIV-IV線断面図、第６図は従来の
パネルの取り付け方法を示す断面図である。 １は本体ケース、２は長孔、３は折り曲げ部、５はパネ
ル、６は係止部である。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 杉田 信 群馬県新田郡尾島町大字岩松800番地 三 菱電機株式会社群馬製作所内 (72)考案者 長田 尚哉 群馬県新田郡尾島町大字岩松800番地 三 菱電機株式会社群馬製作所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】奥行、高さが小さく、幅が細長い本体ケー
   スと、この本体ケースの前面を覆うように設けられ、下
   部に冷気を吸入する吸入口を有し上部に温風を放出する
   排気口を有するパネルとを備え、このパネルの下部に設
   けた複数個の係止部を前記本体ケースの下部に形成した
   折り曲げ部の複数個の長孔に挿入して前記パネルを本体
   ケースに取り付けるようにした電気暖房器において、前
   記パネルの係止部先端を前方へ向けて適度な角度に折り
   曲げ、この係止部の先端を本体ケースに設けた長孔の裏
   面孔縁に当接させるようにしたことを特徴とする電気暖
   房器。