JPH0895196A - 写真用支持体の製造方法 - Google Patents

写真用支持体の製造方法

Info

Publication number
JPH0895196A
JPH0895196A JP23488294A JP23488294A JPH0895196A JP H0895196 A JPH0895196 A JP H0895196A JP 23488294 A JP23488294 A JP 23488294A JP 23488294 A JP23488294 A JP 23488294A JP H0895196 A JPH0895196 A JP H0895196A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper roll
carbon fiber
roll
paper
photographic support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23488294A
Other languages
English (en)
Inventor
Akitoshi Kajiwara
明敏 梶原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP23488294A priority Critical patent/JPH0895196A/ja
Publication of JPH0895196A publication Critical patent/JPH0895196A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紙基体の両面にポリオレフィン樹脂被覆層を
設けた樹脂被覆写真用支持体がライン走行するにあたっ
て、短スレ、微小型、ブロッキング等の品質故障がない
写真用支持体の製造方法を提供するものである。 【構成】 ライン走行する炭素繊維ロールに電鋳パイプ
を付設し、表面金属性を施し、表面をフッ素系樹脂で被
覆したペーパーロールを使用して写真用支持体を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂被覆された写真用
支持体が、高速ライン走行する際の走行性に優れた樹脂
被覆写真用支持体の製造方法に関するものであり、更に
詳しく述べるならば、本発明は、軽量化を意図して使用
される炭素繊維ペーパーロールの表面に金属性を付与し
たペーパーロールを用い、高光沢な写真用支持体の製造
ラインの高速走行適性を改良した写真用支持体の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、写真の現像処理の高速化に伴い、
従来使用されていたバライタ紙に代わって、原紙からな
る基体の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した耐水性写
真用支持体が使用されるようになった。一般に、写真用
支持体に要求される性質としては、寸法安定性、耐湿
性、接着性、および隠蔽力などが優れていること、およ
び写真乳剤層に悪影響を与えないことなどであり、その
他に、写真の乳剤を塗布する面(表面)の平滑性が優れて
いることが必要である。特に、グロッシータイプ(鏡面)
と称される高い光沢性を有する写真印画紙用支持体にお
いては、この高い表面平滑性が必要である。
【0003】近年、生産性向上並びに品質向上をはかる
ため、マシンの増速、または、ポリオレフィン樹脂の両
面被覆に加えて、表面被覆層上には、乳剤層との接着性
を良化するためサブコート(下引き)層を設け、また、裏
面被覆層上には、帯電性防止、鉛筆加筆性やスベリ性を
付与するため、バックコート層が設けられ、オンライン
で塗工されるようになってきた。また、クーリングロー
ルの表面形状も表面樹脂被覆層の鏡面あるいはマット面
と品質要求に応じて、粗面度を変更しなければならな
い。
【0004】しかし、前記の動向に伴い、写真用支持体
が高速ライン走行する際に、種々のトラブルが発生する
ようになってきた。このトラブルとは、 製造時におけ
るライン走行中の写真用支持体の抱き角度(ペーパーロ
ールの円周上で紙の接している部分の中心角度)、 ペー
パーロールの起動トルク、写真用支持体の粗面度と表面
形状、ペーパーロールの粗面度と表面形状などの諸条件
により発生する。特に、抱き角度については、角度が浅
くなる(ペーパーロールと写真用支持体の接触面積が小
さくなる)ほど、また、ライン走行が高速になるほど、
品質故障が多く発生する。
【0005】例えば、走行中の写真支持体にななめ状、
または、流れ方向に連続的なシワが発生し、生産性を低
下させてきた。実開昭63-26655号公報に見られるよう
に、ペーパーロールの形状を改良し、これらのトラブル
の解消に努力してきたが、必ずしも十分な対策が取られ
ておらず、この問題解決に大変苦労してきたのが現実で
ある。
【0006】さらに、加えてオンラインによるサブコー
ト層およびバックコート層を樹脂被覆層上に付設するた
め、コロナ処理による樹脂表面に粘着性の強い低分子量
のポリオレフィンがペーパーロールに付着したり、サブ
コート液やバックコート液の粕等がペーパーロールに付
着することにより、ペーパーロール表面が汚染されるこ
とが多くなり、写真用支持体表面に品質故障を発生す
る。このことに加えて、生産量増産によるライン走行速
度上昇のため、写真用支持体が高速走行になり、短ス
レ、微小型およびブロッキングなどの従来とはやや性質
の異なる品質事故も発生するようになってきた。
【0007】ここで、短スレ、微小型およびブロッキン
グについて簡単に説明する。短スレとは、ペーパーロー
ル表面に何らかの微小な異物が付着して、ペーパーロー
ルの回転速度と写真用支持体のライン走行速度が同調で
きなくなった場合に、微小な異物が写真用支持体の表面
上に短いスレ筋状の溝を発生することであり、通常、短
スレが発生すると乳剤塗布後にもスレ筋状の溝が残る品
質故障である。微小型とは、ペーパーロールの回転と写
真用支持体のライン走行速度が同調しているため、短ス
レとはならないが、ペーパーロール表面に付着している
微小な異物が、写真用支持体の表面上に押し当てられる
結果、微小な凹みを形成させることである。微小型の大
きさが、200μm程度以上となると、乳剤ハジキを発
生させ、品質を大いに低下させる原因となる。
【0008】また、ブロッキングとは、ペーパーロール
表面と写真用支持体との間で、瞬間的に接着してしま
い、これを強制的に剥離させる結果、写真用支持体の表
面樹脂層が変形する。この変形の結果、写真用支持体の
表面上に斑点状の光沢ムラが発生し、ブロッキングが強
い場合には、原紙層から樹脂が剥離してブリスターが発
生する。このため、乳剤塗布後にも斑点状の光沢ムラが
発生して、大きな品質故障となる。これらのトラブルに
対しては、前述の実開昭63-26655号公報に見られるよう
なペーパーロールの形状だけを改良したり、ペーパーロ
ールに駆動装置を付設する方法等考えられるが、近年、
ライン走行の高速化やオンラインでサブコート層、バッ
クコート層を設ける工程増のため、対応できなくなって
きているのが現状である。また、これらのトラブルを解
消するため、種々の手段が検討されてきているが、未だ
に解決されていない。
【0009】以上の様なトラブルを解消する手段とし
て、通常は、ペーパーロール本体の軽量化が挙げられ
る。ペーパーロールの軽量化の手段としては、一般的
に、炭素繊維ペーパーロールが使用されている。しかし
ながら、この炭素繊維ペーパーロールは、高光沢な写真
用支持体のライン走行には適していない。この理由の一
つは、炭素繊維ペーパーロールの表面性に起因し、適当
な平滑性が得られない結果、炭素繊維ペーパーロールの
突起形状が写真用支持体表面に転写されたりすることで
あり、もう一つは、表面が汚れ易く堆積し易い傾向を示
し、連続操業適性に劣ることである。
【0010】そこで、炭素繊維ペーパーロールは、その
目的に応じ、種々の手段で表面加工が必要となる。一般
的な表面加工方法としては、メッキ、溶射またはアルミ
ニウム及び樹脂チューブ挿入方式が挙げられる。メッキ
法の場合、炭素繊維コンポッジット自体多少の導電性は
有するものの、抵抗値が高く、導電化処理を実施する必
要がある。このため、銅メッキの肉厚が厚くなる結果、
炭素繊維ペーパーロール自体の重量が重くなり、ペーパ
ーロールの軽量化という問題から遠ざかる結果となる。
また、溶射法については、利点として、様々な金属で、
炭素繊維ペーパーロールに表面加工できる優位性は有す
るものの、母材である炭素繊維ペーパーロールと溶射し
た金属膜間の接着力が弱く、曲げや衝撃により剥離する
欠点を有する。さらに、チューブ挿入法では、チューブ
製作コストが高く経済性が乏しい、また、後加工が難し
いので材料が限定される欠点を有する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭素繊維ペ
ーパーロールに電鋳パイプにより金属性を付与し、写真
用支持体のライン走行時において、ポリオレフィン被覆
層の樹脂表面、または、サブコート層の表面、またはバ
ックコート層の表面とペーパーロールとの接触時におけ
る、短スレ、微小型およびブロッキングを解消するため
に有用な高速ライン走行適性を有するペーパーロールを
用いて、写真用支持体の製造方法を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、紙基体の両面
にポリオレフィン樹脂被覆層を設けた写真用支持体をラ
イン走行させるにあたって、該写真用支持体と接触する
ペーパーロールが表面金属性炭素繊維ペーパーロールで
あり、該ペーパーロール表面が、フッ素系樹脂で被覆さ
れたペーパーロールを用いて、ライン走行することを特
徴とする写真用支持体の製造方法である。
【0013】本発明に用いられる炭素繊維ペーパーロー
ルとは、製紙業、フィルム業などの製造工程に限らず、
軽量化を意図して使用される炭素繊維ペーパーロールで
あれば、如何なる炭素繊維ペーパーロールであってもよ
い。炭素繊維ペーパーロールを使用するメリットとして
は、(1)低慣性モーメントであり、回転数の制御応答性
が向上して、駆動エネルギーを低減できる。すなわち、
写真用支持体へのペーパーロール追随性が良くなると、
ペーパーロールと写真用支持体間の摩擦により発生する
傷が減少する。(2)軽いので、交換取り付け、取り外し
が容易である。(3)小径化が可能である。ペーパーロー
ル芯間の距離が短くなり、装置全体をコンパクトに構成
することができる。また、ペーパーロールと写真用支持
体の間の接触角が増し、ペーパーロールによる写真用支
持体の把持力を大きくすることができる。(4)生産のス
ピードアップができる。危険回転数が上がり生産効率が
アップする。(5)ペーパーロール本体に静電気が帯電
しない等が挙げられる。
【0014】炭素繊維としては、CFRP(炭素繊維強
化プラスチック)、 CFRPI(炭素繊維強化イミド)、
BFRP(ボロン繊維強化プラスチック)、AFRP(ア
ラミド繊維強化プラスチック)、GFRP(ガラス繊維強
化プラスチック)、 C/Cコンポジット(炭素繊維強化
炭素)、CFRM(炭素繊維強化金属)等があり、好まし
くは、C/Cコンポジットが使用される。従来から、広
く工業製品として、使用されているものにガラス繊維強
化プラスチック(いわゆるFRP)がある。これに対し
て、新しい高性能/高機能の材料、すなわち、補強材と
してボロン繊維、高性能炭素繊維、アラミド繊維や、そ
の他の無機繊維、ウィスカーなどマトリクスとして各種
高機能樹脂、金属、炭素、セラミックなどが登場し、こ
れらの組み合わせで得られる複合材をアドバンスド・コ
ンポジット・マテリアル(Advanced Composite Mater
ials:ACM) と呼んで従来のFRPと区別している。
勿論、これらの材料を選択しても構わない。
【0015】本発明では、前述した様にペーパーロール
自体も高速化に対応させるため、軽量化する必要があ
り、従来のアルミニウム鋼管より、より軽量な炭素繊維
を主体としたペーパーロールを用いることにより、ペー
パーロールの高速回転による慣性モーメントを低下させ
ることが可能となり、ペーパーロールの回転速度と走行
する写真用支持体のライン速度との追随性を良化でき
る。しかし、ペーパーロール自体を軽量化するだけでは
不十分であり、また、炭素繊維ペーパーロールの表面形
状上、そのまま使用することは不可能である。この理由
としては、表面の面質の凹凸が粗過ぎ、鏡面タイプの写
真用支持体では、ペーパーロール表面に微小型等の悪影
響を及ぼしてしまう。また、炭素繊維は帯電しない物質
であるが、従来の金属(アルミニウムや鉄等)製のペーパ
ーロールと比較すると導電性は小さい。しかしながら、
走行する写真用支持体には樹脂が被覆してあるため、非
常に帯電し易く、走行中の写真用支持体表面には、室内
に浮遊する埃等の微細な異物を付着し、品質上影響を及
ぼすことがある。そこで、ペーパーロール自体に金属性
を与えることが必要である。本願発明では、炭素繊維ペ
ーパーロール表面に金属性を与えるため、電鋳パイプを
炭素繊維ペーパーロールに付設することにより解決でき
た。
【0016】本発明に用いる電鋳パイプを説明する。電
鋳パイプとは、ニッケルあるいは銅を金属円筒にメッキ
し、その後金属円筒より剥離して得られるパイプであ
り、それぞれの合金及び多層メッキもこれに該当する。
電鋳パイプの厚さは50μm〜500μmの範囲が好ま
しく、特に軽量化と作業性を満たすためには、100〜
300μmが望ましい。50μm未満であると、電鋳パ
イプ自体の強度を維持することができず、炭素繊維ペー
パーロールに密着させる場合の作業性が悪くなる。ま
た、500μmを超えると、炭素繊維ペーパーロール自
体の重量増となり、軽量化の利点が失われてしまう。メ
ッキ層の厚さを薄肉にすることができるので、表面金属
性炭素繊維ロールの軽量化が図れ、コストが安価であ
り、また、ロールの巾方向であれば必要部分のみに金属
性を付与することもできる。
【0017】次に、本発明に用いられる電鋳パイプの製
作方法と炭素繊維ペーパーロール本体への電鋳パイプの
密着方法について説明する。電鋳パイプの製作方法は、
事前に所定の直径で表面を鏡面仕上げした金属円筒の表
面にクロムメッキを施し、金属円筒から環状のクロムメ
ッキ層を外すことにより行われる。すなわち、金属円筒
の表面にニッケルメッキ又は、銅メッキを100μm〜
300μmの厚さになるように行い、その後でメッキし
た金属円筒の表面を加熱してメッキ部を膨張剥離させ金
属円筒より電鋳パイプを引き抜くか、又はメッキされた
金属円筒の表面を加圧してメッキ部を圧延して金属円筒
より電鋳パイプを剥離させ、金属円筒より電鋳パイプを
引き抜くことが可能であるが、これらに限定するわけで
はない。電鋳パイプを引き抜く場合の加熱温度は90〜
130℃が好ましい。製作された電鋳パイプの内径は、
電鋳パイプを挿入する炭素繊維ペーパーロール本体の外
径よりも50〜100μ小さく作ることが密着する上で
好ましい。
【0018】炭素繊維ペーパーロール本体表面への電鋳
パイプの密着方法は、電鋳パイプを80〜120℃に加
熱して炭素繊維ペーパーロール本体の直径よりも大きく
膨張させて、炭素繊維ペーパーロール本体へ挿入し、電
鋳パイプが冷却すれば、炭素繊維ペーパーロール本体の
表面に電鋳パイプが密着し、本発明の表面金属ペーパー
ロールが得られる。挿入後の電鋳パイプの冷却は自然で
も強制的に冷却を行なってもよい。他の方法としては、
炭素繊維ペーパーロール本体を冷却して径を収縮させて
おいて電鋳パイプを冷却炭素繊維ペーパーロール本体に
挿入することも可能である。更に、上記2つの方法の電
鋳パイプを炭素繊維ペーパーロール本体への挿入時に、
炭素繊維ペーパーロール本体表面に接着剤を塗布してか
ら挿入すれば固着性を強化することも可能である。接着
剤の種類としては、セメダインEP−108のようなエ
ポキシ系のもので加熱硬化性の接着剤が挙げられる。
【0019】得られた表面金属性炭素繊維ペーパーロー
ルの表面はバフ研磨やグラインダー研磨により表面仕上
を行なうことができる。更にその表面にフッ素樹脂等で
表面処理を行なう。また、その目的に応じ、炭素繊維ペ
ーパーロールの巾方向において、必要な部分のみに金属
性を付与することも可能である。本発明に用いられるペ
ーパーロールは、メッキ法により電鋳パイプを製作し、
炭素繊維ペーパーロール本体の表面に挿入して、炭素繊
維ペーパーロール本体と薄肉の電鋳パイプを密着させる
ためペーパーロールの重量を軽量化できると共にペーパ
ーロール表面を金属化することができ、その金属の特性
を必要とする表面加工が可能となる。
【0020】本発明の表面金属性炭素繊維ペーパーロー
ル表面の粗面度および加工方法は、摩擦係数に応じて任
意に選択できる。電鋳パイプの好ましい材質としては、
ニッケル、クロム、アルミニウム等の金属が挙げられ、
電鋳パイプが製作できる導電性の金属であれば、1種類
または2種類以上をその目的に応じ種々選択して使用し
ても構わない。また、その表面上にフッ素系樹脂で表面
処理され、本願発明の表面金属性炭素繊維ペーパーロー
ル表面の粗面度は、Raで1〜20μmの範囲に制御さ
れる。本発明におけるフッ素系樹脂表面加工方法につい
ては、バインダーとフッ素系樹脂粒子をコーティングし
て焼成して、表面加工を行っても構わない。また、バイ
ンダーは、低温焼成する場合にはフッ素系樹脂被覆層中
に存在するが、特に高温焼成する場合においては存在し
ない。さらに、フッ素系樹脂加工においては、写真用支
持体が樹脂で被覆されているので、静電気による埃、塵
等の微小な異物が付着しないように、フッ素系樹脂層中
に帯電防止剤を含有しても構わない。
【0021】本発明におけるペーパーロール表面を被覆
するフッ素系樹脂層が形成される様態としては、フッ素
系樹脂が形成されていれば、何れでも構わない。一般
に、フッ素系樹脂フィルムの熱融着、接着層を介しての
貼付、フッ素系樹脂などの塗装等が挙げられる。しかし
ながら、フッ素系樹脂フィルムの熱融着、接着層を介し
ての貼付については、フッ素系樹脂で被覆されることに
より、表面金属性の効果が打ち消され実用的ではない。
本発明においては、フッ素系樹脂の塗装が最も好ましい
様態であり、好ましくは電鋳パイプ表面の微細な領域に
おいて、一部分金属面が露出していることが好ましい。
【0022】本発明のペーパーロールに使用されるフッ
素系樹脂について以下に詳細に述べる。本発明におい
て、「フッ素系樹脂」とは、樹脂の分子構造式中にフッ
素を含む熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものでは
ないが、具体的には、例えば、樹脂の分子構造中に4個
フッ素原子を有する四フッ化エチレン系樹脂、さらに三
フッ化エチレン系樹脂、二フッ化エチレン系樹脂、一フ
ッ化エチレン系樹脂およびこれらの樹脂の複合物等であ
り、中でも四フッ化エチレン系樹脂および二フッ化エチ
レン系樹脂が好ましく、さらに特に好ましくは四フッ化
エチレン系樹脂である。
【0023】ここで、四フッ化エチレン系樹脂とは具体
的には、例えば四フッ化エチレン系樹脂(PTFE)、四
フッ化・パーフロロアルコキシエチレン共重合体(PF
A)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレンパーフロ
ロアルコキシエチレン共重合体(EPE)および四フッ化
エチレン・エチレン共重合体(ETFE)等があり、中で
もPFA、ETFEおよびEPEが好ましく、特に好ま
しくはETFEが好ましい。
【0024】ETFEを具体的に説明すると、エチレン
および四フッ化エチレンを主体とした(エチレン/四フ
ッ化エチレンのモル比は、 一般に40/60〜60/
40にある)、そして必要により、 これに少量(通常1
0モル%以下)の第3のコポリマーを共重合させたもの
であり、本発明では、特にエチレン/四フッ化エチレン
の含有モル比が40/60〜60/40、好ましくは4
5/55〜55/45の範囲内にあり、 かつ式CH2
CH−Cn2n+1(ここでは、nは2〜10の整数であ
る)で示されるパーフルオロアルキルビニルモノマー単
位(例えば、 CH2=CH−C49またはCH2=CH−
513から誘導される単位)の含有量が0.3〜10モ
ル%、 好ましくは0.3〜5モル%の範囲内にあるET
FEが好適に使用される。このETFEはそれ自体既知
のものであり、例えば特公昭59-50163号公報の記載の方
法で製造することができ、また、市販品として旭硝子
(株)より「アフロン(R)COP」なる商品名で市販され
ているものを使用することもできる。
【0025】上記三フッ化エチレン系樹脂とは、具体的
には、例えば、三フッ化塩素エチレン樹脂(CTFE)お
よび三フッ化エチレン・エチレン共重合体(ECTFE)
等であり、中でもECTFEが好ましい。前記二フッ化
エチレン系および一フッ化エチレン系樹脂とは、具体的
には、例えば、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)および
フッ化ビニル樹脂(PVC)等である。
【0026】また、本発明に用いられる金属性炭素繊維
ペーパーロールは、短スレ、微小型、ブロッキングなど
の所定の要求機能を満たすため、種々の表面改質方法が
適用できる。例えば、低表面エネルギー(濡れにくい、
付着しにくい)の表面を得たい場合には、従来は低表面
エネルギー材(フッ素系樹脂など)をペーパーロール表面
に一様にコーティングして使用する。また、低表面エネ
ルギーと高表面エネルギーの中間の表面物性を得るに
は、例えば、 分散メッキのようにニッケル(高表面エネ
ルギー材)表面にフッ素系樹脂粒子(低表面エネルギー
材)を析出させ、 ニッケルとテフロンの中間の表面物性
を付与させる手法も使用できる。
【0027】また、本発明では、静電気防止のため、金
属性炭素繊維ペーパーロール表面を被覆するフッ素系樹
脂層中に帯電防止剤を添加しても構わない。添加量とし
ては、5重量%以下が好ましい。特に好ましい添加量の
範囲は、 0.5〜2%である。5重量%以上添加する
と、フッ素樹脂被覆層が非常に硬くなり、加工性が悪く
なるのと、フッ素系樹脂による被粘着性能が非常に低下
するため、メリットを失ってしまう。一般に、高分子物
質は1012Ω・cm以上の電気抵抗を有する非導電性物
質であり、これらの物質に導電性を付与するためには、
カチオン系活性剤、四級アンモニウム塩、特殊アミン化
合物等の帯電防止剤を添加配合することが知られてい
る。しかしながら、このような添加剤による導電性向上
には限界が有り、電気抵抗を108Ω・cm以下にする
ことは困難である。
【0028】一方、金属粉末やカーボンブラックを高分
子物質中に分散させる方法は、電気抵抗を下げるために
有効な方法である。特に、アセチレンブラックやECF
(Extra conductive furnance black)等の電導性カーボ
ンブラックは安価で、 しかも導電率が高いため、広範
に使用されている。本発明に用いられる導電性カーボン
ブラックとしては、アセチレンブラックやEC(Extra c
onductive)グレード等の、特に導電性付与効果の大きい
カーボンブラックが好ましいが、FEF、ISAFグレ
ード等の一般的なカーボンも使用可能である。
【0029】本発明では、高光沢な写真用支持体のであ
るので、写真用支持体の粗面度がRaで0.1〜2.0μ
m、金属性炭素繊維ペーパーロールの粗面度がRaで1
〜10μmの範囲が好ましく、写真用支持体と金属性炭
素繊維ペーパーロールの接触する部分の静摩擦係数が
0.6以下になると、 写真用支持体の走行性が改善さ
れ、支持体にシワが発生しないようになる。 さらに好
ましくは、静摩擦係数が0.2〜0.6の範囲で、制御す
ると良い。 すなわち、写真用支持体の品質故障は、一
般的に製造装置のライン走行速度により依存される。ペ
ーパーロールの回転が写真用支持体と同調している条件
下において、写真用支持体と金属性炭素繊維ペーパーロ
ールの静摩擦係数が0.6より大きくなると密着性が高
くなり、 支持体にシワが発生したり、ブロッキングが
発生したりする。また、写真用支持体とペーパーロール
表面との静摩擦係数が0.2より小さいと、 ペーパーロ
ールの回転速度と写真用支持体のライン走行速度に追随
性がなくなり、同調しない場合には、ペーパーロール表
面に微小な異物が付着すると、短スレが発生する。
【0030】ペーパーロールの粗面度をRaで10μm
より大きくすると走行性は改善されるが、ペーパーロー
ル上に付着した微小の異物により、写真用支持体表面上
に微傷な形状を転写する微小型を発生することになる。
この他に、ペーパーロールと写真用支持体の抱き角度、
テンション、ペーパーロールの起動トルクが要因となっ
てくる。ペーパーロールと写真用支持体との抱き角度
は、30〜200゜ 、テンションは20〜130kg/
m、ペーパーロールの起動トルクは、40g以下が好ま
しい。ペーパーロールの径は直径60〜150mmの範
囲のものが、高速回転におけるペーパーロールたわみを
2mm以下にするように考慮して選択できる。また、ラ
インスピードは500m/minまでにおいて有効であ
る。
【0031】本発明の製造対象物である原紙の両面にポ
リエチレン樹脂被覆層を有する写真用支持体(ポリオレ
フィン樹脂被覆紙)を製造するに当たっては、まず溶融
状態にしたポリオレフィンを原紙の表面上に押出コーテ
ィング法により塗布する。この溶融ポリオレフィンの塗
布のための押出コーティング法については、従来利用さ
れている方法から任意に選択できる。また、ポリオレフ
ィンの溶融条件、塗布の条件などについてもポリオレフ
ィン樹脂被覆紙の公知の製造方法について採用されてい
る条件から選択することができる。
【0032】そして、溶融ポリオレフィン樹脂体の冷却
固化は、通常は、溶融ポリオレフィン樹脂体を原紙に塗
布すると同時に、その溶融ポリオレフィン樹脂被覆体に
クーリングロールを当てることにより行う。溶融ポリオ
レフィン樹脂被覆体にクーリングロールを当てて、溶融
ポリオレフィン樹脂体の冷却固化を行う方法は、従来よ
り実際に行われており、本発明においても同様に行われ
る。
【0033】一般に、高光沢な写真用支持体を溶融押出
塗工で製造する際、樹脂溶融体層を冷却固化するために
使用されるクーリングロールとしては、微粗面ロールと
呼ばれ、硬質クロムメッキ仕上げの表面上に、サンドブ
ラスト法等ので表面処理を行い、極めて微小な凹凸を有
するクーリングロールが使用されることが多い。
【0034】溶融ポリオレフィン樹脂体を冷却固化する
際には、クーリングロールとプレスロールによって製造
されるが、この時使用される前記プレスロールは、硬度
70〜90(JIS K 6301)、かつゴム厚10〜2
5mmのものが好ましい。また、前記プレスロールと前
記クーリングロールとのニップ圧は、線圧で20〜80
kg/cmが好ましく、前記プレスロールに使用される
表面ゴムの材質は、エチレンプロピレンゴム、あるいは
クロロスチレン化ポリエチレンゴムが好ましい。
【0035】ポリオレフィン樹脂被覆層の厚さについて
は、特に制限はなく、従来の写真用支持体のポリオレフ
ィン樹脂被覆紙の被覆層の厚さに準じて、選択すること
ができる。その厚さは、通常10〜100ミクロン、そ
して特に15〜50ミクロンの範囲から選ばれる。
【0036】本発明の製造法により得られる写真用支持
体は、原紙、そしてその両面に設けられているポリオレ
フィン樹脂被覆層からなる基本構造を持つものである。
原紙は、写真印画紙用に一般に用いられている材料から
選ばれる。そのような材料の例としては、天然パルプ
紙、合成パルプ紙、天然パルプと合成パルプとの混抄
紙、そして各種抄き合わせ紙を挙げることができる。原
紙は、通常50〜500ミクロンの厚さにて用いられ
る。
【0037】本発明においてポリオレフィン樹脂被覆層
を形成するポリオレフィンは、従来用いられる各種のポ
リオレフィンは、従来用いられている各種のポリオレフ
ィンから任意に選んで用いることができる。そのような
ポリオレフィンの例としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのα−オレフィン単独重合体、それらのα−
オレフィン共重合体、そしてそれらの各種の重合体の混
合物が挙げらることができる。特に、好ましいポリオレ
フィンはポリエチレンである。これらのポリオレフィン
は押出コーティングが可能である限り、 その分子量2
0,000〜200,000の範囲のポリオレフィンが用
いられる。
【0038】写真印画紙用のポリオレフィン樹脂被覆原
紙の樹脂被覆層の形成に用いるポリオレフィン樹脂に、
白色顔料、着色顔料、あるいは蛍光増白剤、酸化防止剤
などの各種の添加剤を添加することはすでに知られてお
り、本発明に使用するポリオレフィン樹脂の調製にあっ
たても当然そのような各種の添加剤は可能であり、目的
によっては好ましいことである。そのような各種の添加
剤の種類、添加量、添加方法については、例えば、米国
特許第3,833,380号、第4,169,188号、第3,501,298号、
第3,449,257号、 第3,499,762号などの刊行物に詳しく
記載されている。あるいは、 米国特許第3,884,692号に
記載されているように、それらの添加剤を、被覆層の形
成後に被覆層上に塗布することもできる。あるいは、米
国特許第2,715,075号、第2,846,727号、第3,549,406
号、第3,590,107号などの刊行物に記載されているよう
に、樹脂被覆層の表面活性化処理を必要に応じて行うこ
ともできる。
【0039】本発明においては、写真印画紙用支持体に
写真乳剤を塗布して写真印画紙とするためには、写真印
画紙製造用に従来利用されている方法を利用できる。ま
た、そのように製造された写真用印画紙の現像、定着な
どの処理についても、従来利用されている技術を利用す
ることができる。これらの従来技術については、例え
ば、「写真化学」(菊池真一著;共立出版;1973)、
そして「THE THEORY OFPHOTOGRAPHIC PROCESS」(C.E.
K.Mess;3rd.ed.) などの刊行物に記載されている。
【0040】
【実施例】以下に本発明を具体的な実施例を事例に挙げ
て詳細に説明する。 実施例1〜4および比較例1〜4 広葉樹材晒クラフトパルプ(LBKP) と針葉樹材晒サ
ルファイトパルプ(NBKP) の1:1混合物をカンデ
ィアンスタンダードフリーネスで300mlになるまで
叩解し、パルプスラリーを調整した。これにサイズ剤と
してアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%重量
%、 強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0
重量%カチオン化デンプンを対パルプ2.0重量%、ポ
リアミドエピクロロヒドリンを対パルプ0.5重量%添
加し、 水で希釈後1%スラリーとした。このスラリー
を長網抄紙機で170g/m2になるように抄造し、 写
真印画紙用支持体の原紙とした。
【0041】抄造した原紙をクーリングロール冷却水温
度10℃で、微粗面加工されたクーリングロールを用い
て、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン10
0重量%の樹脂に対して、10重量%のアナターゼ型酸
化チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を3
20℃で溶融して、厚さが30μmになるように押出コ
ーティングした。なお、この時のプレスロールとクーリ
ングロールとのプレス圧は線圧で40kg/cmで行っ
た。もう一方の面に関しては、粗面加工されたクーリン
グロールを用いて、クーリングロール冷却水温度を20
℃で行い、密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレ
ン樹脂と上記低密度ポリエチレンを1:1で同様に32
0℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティ
ングした。
【0042】乳剤が塗布される側の樹脂被覆層には、同
一ライン上の途中で、ゼラチンを主成分としたサブコー
ト層を塗布し、ドライヤーゾーンでオンラインで乾燥さ
れる。また、裏面には、同様に同一ライン上の途中で、
顔料とバインダーとしてアクリル酸共重合体を主成分と
したバックコート層を塗布して、サブコートと同様にド
ライヤーゾーンでオンラインで乾燥される。以上のライ
ンで写真用支持体はオンラインで連続的に製造される。
【0043】また、バックコート層の塗布量は、絶乾重
量で約0.3g/m2とし、サブコート層の塗布量は、
0.4mg/m2になるように調整した。ラインスピード
は、200m/min、テンションは100gf/cm
で実施した。本発明の金属性炭素繊維ペーパーロール及
び比較例のペーパーロールの諸条件は、ライン走行速
度、表面処理方法、写真用支持体との抱き角度、ペーパ
ーロール本体の構造を表1に記載される条件で変更して
実施した。
【0044】本発明の金属性炭素繊維ペーパーロール
は、次のようにして得た。まず始めに、ステンレスパイ
プの表面を鏡面仕上げした直径99. 9mmの金属円筒
上にニッケルメッキを施し、厚さ200μmのニッケル
メッキ層を形成させる。次に、金属円筒上に形成された
ニッケルメッキ層を100℃で加熱して膨張させ、金属
円筒よりニッケルメッキ層を引き抜きニッケル電鋳パイ
プを製作した。このニッケル電鋳パイプを再度90℃で
加熱して膨張させ、直径100mmの炭素繊維ロール本
体の外側に挿入してニッケル電鋳パイプを強制的に冷却
して、炭素繊維ロール本体表面にニッケル電鋳パイプを
密着させて表面金属性炭素繊維ロールが得られた。得ら
れた表面金属性炭素繊維ロールの表面をバフ研磨により
表面仕上を行ない、表面にフッ素系樹脂で被覆した。な
お、ロールの粗面度および写真用支持体粗面度は、接着
面の静摩擦係数が0.2〜0.6になるように諸条件を調
整した。ついで、写真用支持体は、写真感光乳剤が塗布
され写真印画紙とした。写真印画紙は、SRP2014
(FC製)により現像処理、及び乾燥され各評価に供され
た。
【0045】評価方法は、写真印画紙としての品質故障
を、短スレ、微小型およびブロッキングの3項目、写真
用支持体製造時のライン走行性については、耐摩耗性お
よびう塵付着防止性の2項目、併せて5項目について、
目視観察、目視観察で見られないときは、顕微鏡観察に
より、詳細な観察を行った。 [短スレ、微小型およびブロッキングのグレード]各種
品質評価項目は、下記のように4段階評価を行った。 ◎…故障がまったくない。 ○…弱い故障が見られる。 △…故障が見られる。 ×…強い故障が見られる。 ◎レベルは、樹脂被覆層上にも故障がまったく見られ
ず、品質上問題のないレベルである。○レベルは、樹脂
被覆層上に故障が見られるが、乳剤を塗布すれば、品質
として、問題のないレベルである。△レベルになると、
品質故障に至るまでのレベルではないが、決して好まし
いレベルではない。また、×になると乳剤に塗布する
と、品質故障が容易に観察できるレベルで、製品になら
ない不良品レベルである。このレベルになると、樹脂被
覆層表面の形状が乳剤層の表面に現れるだけでなく、乳
剤ハジキ、乳剤ムラ、乳剤層表面の光沢ムラ等の写真印
画紙として、致命的な品質故障が発生して、決して製品
にならない不良品である。 [耐摩耗性、塵付着防止性のグレード]各種品質評価項
目は、下記のように4段階評価を行った。 ◎…まったく問題がないレベル。 ○…ロール表面が僅かに摩耗し、塵が僅かに付着するの
が確認できるレベル。 △…ロール表面に摩耗が見られ、塵の付着が容易に観察
できるレベル。 ×…製品製造に支障のある。 評価結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】炭素繊維ペーパーロールに電鋳パイプが付
与され、表面にテフロン加工が施された、実施例1〜5
の金属性炭素繊維ペーパーロールを用いると、5つの評
価項目それぞれについて、品質故障の発生がなく、ま
た、ペーパーロール表面に異物や汚れが付着し難にく
く、全く問題のないレベルである。実施例1,2では、
写真用支持体とペーパーロールとの抱き角度が30゜と
45゜と浅いため、 短スレやブロッキングが発生し易い
状況である。しかしながら、本発明では、200m/m
inの高速走行でも品質故障がなく、問題ないことがわ
かる。また、実施例4,5では、250,300m/mi
nの高速走行においても、写真用支持体のライン走行速
度とロールの回転速度との追随性が非常に良好であるた
め、短スレ、ブロッキング等の品質故障が発生しなかっ
た。
【0048】しかし、比較例1では、炭素繊維ペーパー
ロールによる軽量化だけでは、表面面質が不良であるた
め、品質故障の短スレ、微小型が、150m/minの
走行速度で発生してしまう。また、比較例2のように、
ペーパーロール表面に平滑性を与えるため、テフロンチ
ューブをシュリンクすると、短スレは若干改善される
が、テフロンチューブ自体が樹脂であるため、写真用支
持体の樹脂被覆層と相まって、静電気を帯電しやすく、
その結果、異物が付着し易く、微小型が発生し易い。ま
た、シュリンクチューブであるが故に、表面の平滑性の
ため、写真用支持体の平滑面同士が接するため、ブロッ
キングが発生し易い。比較例3では、炭素繊維ペーパー
ロールとテフロンコーティング層との接着性が甘く、長
時間連続操業には適していない。比較例4では、炭素繊
維ペーパーロールに電鋳パイプを施すことにより、金属
性が得られ、塵付着防止性は改善されるが、表面の平滑
性のため、比較例2と同様に平滑面同士が接触するた
め、ブロッキングが発生し易い。また、金属表面の有す
る性質のため、汚れが付着し易く堆積し易く実用性はな
い。通常のパーパーロール本体であるアルミ鋼管を用い
ると、比較例5では、製品として満足できるレベルであ
るが、短スレとブロッキングに安定操業性が欠け、実用
的ではない。比較例6のように、250m/minの高
速ライン走行を実施すると、製品として不可レベルの品
質故障である短スレが発生し、実用性はない。さらに、
比較例7のようにペーパーロール本体に重量がある場
合、高速ライン走行すると、写真用支持体の走行速度と
ペーパーロール回転が同調しなくなり、短スレやブロッ
キングが発生し、製品不良を発生してしまう。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、軽量な
炭素繊維ロール本体の表面に電鋳パイプを設け、従来の
炭素繊維ペーパーロールにない表面金属性を付与し、さ
らに、フッ素系樹脂で表面処理加工を施すことで、ペー
パーロールの本体が軽量であるため、写真用支持体のラ
イン走行速度とペーパーロールの回転が同調し、表面が
汚染し難く、また塵等が付着し難くなるため、高速ライ
ン走行においても安定的に短スレ、微小型、およびブロ
ッキング等の品質故障を著しく減少できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基体の両面にポリオレフィン樹脂被覆
    層を設けた写真用支持体を、表面がフッ素系樹脂で被覆
    されている表面金属性炭素繊維ペーパーロールを用い
    て、ライン走行することを特徴とする写真用支持体の製
    造方法。
JP23488294A 1994-09-29 1994-09-29 写真用支持体の製造方法 Pending JPH0895196A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23488294A JPH0895196A (ja) 1994-09-29 1994-09-29 写真用支持体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23488294A JPH0895196A (ja) 1994-09-29 1994-09-29 写真用支持体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0895196A true JPH0895196A (ja) 1996-04-12

Family

ID=16977807

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23488294A Pending JPH0895196A (ja) 1994-09-29 1994-09-29 写真用支持体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0895196A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10596794B2 (en) Releasable polyester high gloss metal transfer film method
US6403190B1 (en) Release liners for pressure sensitive adhesive labels
JP6599747B2 (ja) 剥離性ポリエステル高光沢金属転写フィルム
GB2084544A (en) Friction sheet having polyolefin surface
EP0439049A1 (en) Support for dye transfer type thermosensitive printing sheet
US4225379A (en) Method of laminating plastic film and shaped metal substrates
JPH0895196A (ja) 写真用支持体の製造方法
JP3254259B2 (ja) 樹脂被覆写真用支持体の製造方法
JPH11320680A (ja) ピットレベルの低い支持体材料
JP7211831B2 (ja) 不織布塗工機
JPH0770973A (ja) 塗被紙の表面仕上げ方法
JPH07309495A (ja) 表面金属性カーボンロール及びその製造方法
JP2839310B2 (ja) 写真印画紙用支持体の製造方法
JP3519160B2 (ja) 樹脂被覆写真用支持体及びそれに用いる冷却ロールとその表面加工方法
JP3441270B2 (ja) 写真印画紙用支持体の製造方法
JP3941404B2 (ja) 電子写真用転写シート
JPH01285324A (ja) ポリエステルフィルム及びその製造方法
JP2007264240A (ja) 現像剤量規制ブレードおよびそれを搭載した現像装置
JP4309806B2 (ja) 積層シート
JP2000010328A (ja) 電子写真用被転写紙、及びその製造方法
JP3441012B2 (ja) 樹脂被覆写真用支持体及びその製造方法
JPH10293379A (ja) 樹脂被覆写真用支持体、並びにその製造に用いるクーリングロール及びその表面加工方法
JPH0373944A (ja) 樹脂被覆写真用支持体の製造方法
JP3833826B2 (ja) 電子写真用受像シート
JPH0361038A (ja) 積層シート及びその製造方法