JPH089489A - 回転角度検出機能を備えたヘッドホン装置 - Google Patents

回転角度検出機能を備えたヘッドホン装置

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JPH089489A
JPH089489A JP6135984A JP13598494A JPH089489A JP H089489 A JPH089489 A JP H089489A JP 6135984 A JP6135984 A JP 6135984A JP 13598494 A JP13598494 A JP 13598494A JP H089489 A JPH089489 A JP H089489A
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rotation angle
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headphone device
head
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Yuji Yamada
裕司 山田
Kiyofumi Inanaga
潔文 稲永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音像を頭外に定位させるようにしたヘッドホ
ンにおいて映像に伴う音声を聴取したとき、映像位置と
音像位置のずれが少ないヘッドホン装置を提供する。 【構成】 聴取者21の頭部の回転角度に応じて信号処
理装置における信号処理内容を更新して音像を頭外に定
位させる頭外定位ヘッドホン装置であって、マイクロプ
ロセッサ5により算出された回転角度が角度復帰範囲2
4のとき、その角度に応じて予め規定されたスピードで
正面方向角度(0°)に復帰し、角度非復帰範囲23の
場合に復帰しないようにすることにより、積分演算誤差
により回転角度計算と実際の頭部回転角度にズレを生じ
てもこれを軽減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヘッドホンによりオーデ
ィオ信号の再生を行う角速度センサーを用いた回転角度
検出機能を備えたヘッドホン装置に関する。詳しくは、
映像に伴う音声の音像定位位置を映像位置と一致させる
ことを目的としたヘッドホン装置を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に映像に伴う音声信号は、映像を
再生するディスプレイの両側に置かれたスピーカ、ある
いは映像がスクリーンに投射される場合はスクリーンの
背面に置かれたスピーカから再生される再生状態を想定
して記録されている。これにより、映像中の音源と実際
に聞こえてくる音像位置が一致したときに自然な映像と
音声の定位位置関係が確立される。しかし、従来のヘッ
ドホンを使用して映像に伴う音声を鑑賞しようとした場
合、音像は前方の映像中の音源の位置に定位せず、聴取
者の頭の中に定位し、映像中の音源位置と再生音像定位
位置とが一致せず、極めて不自然な音像定位関係とな
る。
【0003】この現象を改善するため、この発明の出願
人は、この発明の出願人が先に出願したオーディオ再生
装置において、ヘッドホンで音声を聴取した場合であっ
ても、スピーカで再生した場合と同等な音場を得るため
に、あらかじめ前方に置かれたスピーカからリスナの両
耳までのインパルスレスポンスを測定あるいは計算し、
これを音声信号に畳み込んだ後にヘッドホンにより聴取
するという方法を提案している。この方法によれば音像
は頭の中に定位することもなく、前方に置かれたスピー
カが再生した音像と極めて類似した音像が得られる。こ
の方法によれば音声信号に畳み込むインパルスレスポン
スはヘッドホンを装着する聴取者の頭部の回転運動を検
出することにより随時更新することができる。
【0004】しかし、この回転運動検出用のセンサーに
圧電振動ジャイロ等の角速度センサーを使用した場合、
角度計算時の積分誤差や温度ドリフトで実際の回転角度
と計測値との間にズレが発生することがある。このた
め、聴取者の頭部の回転運動の検出に誤差を生じ、従っ
て映像と音像の位置関係も次第にズレてくるので、映像
と音声の再生が不自然になるという問題があった。
【0005】また、この問題を解決するために図7に示
すように、聴取者71がディスプレイ73に向かう方向
を正面方向72とすると、この正面方向72に対して3
60度を角度復帰範囲74として、回転運動検出用の回
転角速度センサー75の検出基準方向を、360度のあ
らゆる算出された角度復帰範囲74に渡って一定速度で
正面方向角度72に復帰させるという方法もある。
【0006】しかし、この方法によれば聴取者71が明
らかにディスプレイ73以外の方向を向いていると考え
られる場合、例えば180°近傍の後ろを向いているよ
うな場合においても復帰動作が行われることになる。こ
の場合、時間をおいて聴取者71がディスプレイ73方
向、つまり正面方向72に向かったときに、正面方向7
2に対して180度後ろの方向から復帰動作を開始す
る。このため、180度後ろの方向から正面方向72に
至るまでの間の復帰範囲が広くなるので、聴取者71の
頭部の回転運動の検出誤差が累積するため、逆にズレが
大きく発生してしまうという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように回転角
速度センサー75を用いて聴取者71の頭部の回転角度
を算出し、この角度によりヘッドホン76を用いても映
像位置と一致する音像を再生しようとした場合、回転角
速度センサー75の出力信号を積分し、回転角度を算出
する際の積分誤差により映像位置と音像位置との間にズ
レを発生し、更にこのズレが増大し極めて不自然な映像
と音像の定位位置関係になってしまうことがあるという
問題があった。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、回転角度検出の誤差の発生を防止する回転角度
検出機能を備えたヘッドホン装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の回転角度検出
機能を備えたヘッドホン装置は、図1から図6に示すよ
うに、ディジタル化された音声信号に信号処理を行う信
号処理手段9と、信号処理手段9により処理されたディ
ジタル信号を少なくとも2チャンネル以上のアナログ信
号に変換するディジタル/アナログ変換器10と、ディ
ジタル/アナログ変換器10の出力信号を電力増幅する
電力増幅器11と、聴取者21の頭部に装着可能で、電
力増幅器11からの出力信号により駆動され、音声を再
生するヘッドホン12と、ヘッドホン12に取り付けら
れた角速度センサー1と、角速度センサー1の出力信号
をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換
器4と、アナログ/ディジタル変換器4により変換され
たディジタルデータを取り込み積分計算することにより
予め設定された正面方向からの回転角度を計算する制御
手段5とを具備し、制御手段5により計算された回転角
度に応じて信号処理手段9における信号処理内容を更新
してヘッドホン12により再生される音像を聴取者21
の頭外に定位させるようにしたものであって、制御手段
5により算出された回転角度が正面方向22の角度に対
して一定角度以下の偏差24であったとき予め規定され
たスピードで正面方向22の角度に復帰し、正面方向の
角度より大きい角度偏差23のときには復帰しないよう
にしたものである。
【0010】また、この発明の回転角度検出機能を備え
たヘッドホン装置は、図1から図6に示すように、上述
において、制御手段5により算出された正面方向32か
らの回転角度が予め設定された複数の基準角度32、3
3に対してそれぞれ一定角度以下の偏差34、35であ
ったとき予め規定されたスピードで複数の基準角度3
2、33のうち最も近い基準角度に復帰し、複数の基準
角度32、33よりそれぞれ大きい角度偏差のときには
復帰しないようにしたものである。
【0011】また、この発明の回転角度検出機能を備え
たヘッドホン装置は、図1から図6に示すように、上述
において、制御手段5により算出された回転角度の値5
3に応じて基準角度52に復帰する復帰スピードを可変
するようにしたものである。
【0012】また、この発明の回転角度検出機能を備え
たヘッドホン装置は、図1から図6に示すように、上述
において、制御手段5により算出された回転角度が正面
方向52の角度53と異なるときに予め角度に応じて規
定されたスピードで正面方向52の角度に復帰するよう
にしたものである。
【0013】
【作用】この発明によれば、実際の頭部回転角度と角速
度センサー1から演算により求めた回転角度との間にズ
レを発生した場合、演算により求めた回転角度が正面方
向22に対して一定角度以下の偏差24の場合にのみ予
め規定されたスピードで正面方向角度22に復帰するよ
うにした。つまり、聴取者21の視野に映像がある場
合、すなわち映像を見てると推定される場合は演算で求
めた回転角度が正面方向角度(0゜)22に復帰するよ
うに処理するため、映像位置と音像位置のズレを少なく
するようにすることができる。逆に聴取者21が明らか
に映像の方向を向いてないと推定される場合、すなわち
演算により求めた回転角度が正面方向22に対してある
一定の角度以上になった場合には正面方向角度(0゜)
22に復帰せず、復帰動作による誤差の発生を少なくす
ることができる。
【0014】また、この発明によれば、演算により求め
た正面方向(0゜)32からの回転角度の復帰角度を正
面方向角度(0゜)32だけでなく、他の角度、例えば
背面方向角度(180°)33に対しても設定できるの
で、正面方向角度32からある角度以内34となる演算
で求めた角度は正面方向(0゜)32に復帰し、背面方
向角度(180゜)33からある角度以内35に算出さ
れた角度は背面方向角度(180゜)33に復帰し、そ
れ以外の回転角度を算出した場合はいずれの角度にも復
帰しないようにすることができる。これにより例えば残
響音のような聴取者31より後方に定位させたい音像を
初期状態で背面方向角度(180゜)33に設定すれ
ば、以後安定的に後方に音像を定位させることができ
る。
【0015】また、この発明によれば、演算により求め
た正面方向(0゜)52からの回転角度の復帰速度を可
変できるので、例えば復帰目的値52となる角度近傍5
3では復帰速度を遅くし、その変化に対して聴取者51
が角度復帰動作による音像の移動を認知しにくくするこ
とができる。
【0016】また、この発明によれば、復帰目的角度5
2から離れている場合は、復帰速度を速くして、いち早
くズレが復帰する方向へ向かうようにできるため、方向
が大きくずれた場合に正常な音像定位位置に回復するた
めの時間を短くすることができる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の回転角度検出機能を備えた
ヘッドホン装置の構成および作用効果を図示した実施例
に従って説明する。この発明の回転角度検出機能を備え
たヘッドホン装置の一実施例は、聴取者が映像に伴う音
声を聴取している状態では聴取者の頭部の向きは映像方
向に向かっている、すなわち映像方向が正面方向である
場合が多いことを鑑み、聴取者の頭部回転角度の計算さ
れた正面方向からの回転角度が規定された範囲内にある
ときには、正面方向あるいは他の指定された方向に予め
規定された速度で復帰する手段を設けたたものである。
【0018】図1は、この発明の回転角度検出機能を備
えたヘッドホン装置の一実施例の構成を示すブロック図
である。図1において、回転角速度センサー1がとりつ
けられたヘッドホン12が回転運動を持ったとき、回転
角速度センサー1はその角速度に比例した電圧を出力す
る。この信号は帯域制限フィルタ2でフィルタリングさ
れた後に増幅器3に供給される。増幅器3はこの信号を
増幅し、A/D変換器4へ供給する。A/D変換器4で
この信号が符号化され、マイクロプロセッサ5に供給さ
れる。マイクロプロセッサ5に供給されたA/D変換器
4の出力信号は一定時間間隔でサンプリングされ、回転
角度演算部6に供給される。ここでは入力角速度信号が
積分され、角度データに変換される。
【0019】このデータから更に角度復帰の信号処理制
御部7により実際に音像を定位させるための回転角度が
算出され、対応する信号処理データをディジタル信号処
理装置9に転送する。また回転角度の初期値を決定する
ために角度リセットスイッチ14がマイクロプロセッサ
5の回転角度演算部6に供給され、これによりリセット
信号入力があった時点での回転角度を正面方向角度(0
°)または他の規定角度、例えば背面方向角度(180
°)に設定できる。
【0020】一方、音源13から供給された音声信号は
A/D変換器8で符号化され、ディジタル信号処理装置
9に供給される。ディジタル信号処理装置9では回転角
度演算部6で算出された角度データに対応して必要とな
る音声信号を頭外に定位させるための信号処理を施し、
その結果をD/A変換器10に供給する。D/A変換器
10により再びアナログ信号に戻された音声信号は電力
増幅器11を介してヘッドホン12に供給され、これを
聴取する聴取者に最適の頭外定位する信号を与える。回
転角度センサー1はこのヘッドホン14に取り付けられ
頭の回転角度を検出する例えば、地磁気センサーあるい
は振動ジャイロである。
【0021】図2は、この発明の回転角度検出機能を備
えたヘッドホン装置の一実施例の角度復帰動作を示すも
のである。図2において、聴取者21がディスプレイ2
5の方向を向いた状態を正面方向とする。まずシステム
起動時に、図1における角度リセットスイッチ14から
のリセット信号がマイクロプロセッサ5に供給され、正
面方向角度を映像方向と一致させる。その後算出した回
転角度の正面方向22からのズレが角度復帰範囲24の
範囲内である場合には正面方向22に復帰する。
【0022】したがって聴取者21がディスプレイ25
方向に向かいながら頭の動きを示す限り音像方向はディ
スプレイ25方向と一致するよう復帰動作をする。ま
た、聴取者21が明らかにディスプレイ25方向を向い
ていないと想定される範囲すなわち角度非復帰範囲23
の回転角度を示した場合には計算された回転角度の復帰
動作は行わない。これにより聴取者21が意図的にディ
スプレイ25方向外に向かっているときに復帰動作をし
て映像位置と音像位置のズレが発生することを回避する
ことができる。
【0023】以上に記載したところから明らかなよう
に、第1の実施例は、ディジタル化された音声信号に信
号処理を行う信号処理装置9と、該信号処理装置9によ
り処理されたディジタル信号を少なくとも2チャンネル
以上のアナログ信号に変換するD/A変換器10とこの
信号を電力増幅する電力増幅器11と、この増幅器11
により駆動されるヘッドホン12と、該ヘッドホン12
に取り付けられた角速度センサー1と、この出力をディ
ジタル信号に変換するA/D変換器4とA/D変換され
たディジタルデータを取り込み積分計算することにより
正面方向からの回転角度を計算するマイクロプロセッサ
5とを具備し、この回転角度に応じて該信号処理装置9
における信号処理内容を更新して音像を頭外に定位させ
るようにした頭外定位ヘッドホンシステムであって、該
マイクロプロセッサ5により算出された回転角度が正面
方向角度(0°)22に対して一定角度以下の偏差であ
ったとき予め規定されたスピードで正面方向角度(0
°)22に復帰し、上記角度より大きい角度偏差の場合
には復帰しないようにしたものである。
【0024】従って、上例によれば、聴取者21の視野
に映像がある場合すなわち映像を見てると推定される場
合は演算で求めた回転角度が正面方向角度(0゜)22
に復帰するよう処理するため、映像位置と音像位置のズ
レを少なくするよう作用する。逆に聴取者21が明らか
に映像の方向を向いてないと推定される場合すなわち演
算により求めた回転角度が正面方向22に対してある一
定の角度以上なった場合には正面方向角度(0゜)22
に復帰せず、復帰動作による誤差の発生を少なくするこ
とができる。
【0025】図3は、この発明の回転角度検出機能を備
えたヘッドホン装置の他の実施例の複数の復帰位置にお
ける角度復帰動作を示すものである。図3において、図
2に示したと同様に、聴取者31がディスプレイ36の
方向を向いた状態を正面方向32とする。また、聴取者
31がディスプレイ36に対して180度の方向を向い
た状態を背面方向33とする。図3において、音像方向
を映像方向と一致させる場合には図2に示した実施例と
同様の動作となる。つまり、角度演算による回転角度の
正面方向32からのズレが正面角度復帰範囲34の範囲
内である場合には正面方向32に復帰し、またそれ以外
の角度範囲である場合には角度復帰動作は行わない。ま
た音像方向を映像方向と反対側すなわち背面方向33に
設定する場合には背面方向33に向かった状態で角度リ
セットスイッチ14により角度リセットを行い、その後
正面方向32に頭の向きを回転させ、角度リセットスイ
ッチ14による角度リセット信号により設定される角度
を予め背面方向角度(180°)となるように設定して
おく。
【0026】これにより初期状態で回転角度はおおよそ
背面方向角度(180°)を示すことになる。この後角
度演算による回転角度の正面方向32からのズレが背面
角度復帰範囲35の範囲内である場合には背面方向33
に復帰し、またそれ以外の角度範囲である場合には角度
復帰動作は行わない。したがって聴取者31がディスプ
レイ36方向に向かいながら頭の動きを示す限り音像方
向はディスプレイ36方向と反対側に定位するよう復帰
動作をする。また、聴取者が明らかにディスプレイ36
方向を向いていないと想定される範囲すなわち背面角度
復帰範囲35以外の回転角度を示した場合には計算回転
角度の復帰動作は行わない。これにより聴取者31が意
図的に音像をディスプレイ36と反対方向に安定的に定
位させることができる。
【0027】上述した第2の実施例は、ディジタル化さ
れた音声信号に信号処理を行う信号処理装置9と、該信
号処理装置9により処理されたディジタル信号を少なく
とも2チャンネル以上のアナログ信号に変換するD/A
変換器10とこの信号を電力増幅する電力増幅器11
と、この増幅器11により駆動されるヘッドホン12
と、該ヘッドホン12に取り付けられた角速度センサー
1と、この出力をディジタル信号に変換するA/D変換
器4とA/D変換されたディジタルデータを取り込み積
分計算することにより正面方向からの回転角度を計算す
るマイクロプロセッサ5とを具備し、この回転角度に応
じて該信号処理装置9における信号処理内容を更新して
音像を頭外に定位させるようにした頭外定位ヘッドホン
システムであって、該マイクロプロセッサ5により算出
された正面方向からの回転角度が複数の基準角度、つま
り、正面方向32、背面方向33に対して一定角度以下
の偏差であったとき予め規定されたスピードで最も近い
基準角度に復帰し、上記角度より大きい角度偏差の場合
には復帰しないようにしたものである。
【0028】従って、上例によれば、例えば残響音のよ
うな聴取者31より後部に定位させたい音像を初期状態
で背面方向角度(180゜)33に設定すれば以後安定
的に後方に音像を定位させることができるようになる。
これはサラウンドシステムに応用することにより後方に
スピーカをレイアウトできない環境に於いても理想的な
サラウンド音場を提供することができるようになる。
【0029】図4は、この発明の回転角度検出機能を備
えたヘッドホン装置の他の実施例の多チャンネルのサラ
ウンド音場システムに応用した例である。図4におい
て、聴取者41の前方にディスプレイ42が配置され、
ディスプレイ42の左右両側にスピーカ43、44が配
置される。聴取者41の後方には本来後方スピーカが配
置される位置に音像45、46が定位するようにして、
4チャンネルのサラウンド音場システムを構成する。こ
の場合、本来後方スピーカに供給されるべきチャンネル
に、図3に示したように背面方向に音像を定位させるこ
の発明の回転角度検出機能を備えたヘッドホン装置の音
声信号を供給する。
【0030】また、前方のスピーカ43、44に供給さ
れるべきチャンネルはそのまま前方に置かれたスピーカ
43、44に供給される。しかる後に、図3に示したよ
うに背面方向に音像を定位させるこの発明の回転角度検
出機能を備えたヘッドホン装置の音声信号をオープンエ
ア型ヘッドホンで聴取し、この音像を後方すなわち音像
45、音像46の位置に生成することができる。オープ
ンエア型ヘッドホンは、支持部材により聴取者41の両
耳から左右のヘッドホンユニットを離すようにして、外
来の音を遮断すること無く両耳に入力できるため、前方
スピーカから生成される音像とヘッドホンにより後方に
生成された音像を同時に聴取することができ、この第3
の実施例により後方にスピーカを配置するスペースが無
いような場合に於いても理想的なサラウンド音場を作り
出すことができる。
【0031】図5は、この発明の回転角度検出機能を備
えたヘッドホン装置の他の実施例の復帰速度を変える角
度復帰動作を示すものである。この第4の実施例は、角
度復帰速度の識別範囲を設け、この範囲に応じて角度復
帰速度を変化させるものである。図5において、まずこ
の発明の回転角度検出機能を備えたヘッドホン装置のシ
ステム起動時に図1に示した角度リセットスイッチ14
からの角度リセット信号がマイクロプロセッサ5に供給
され、正面方向52を映像方向と一致させる。その後算
出した回転角度の正面方向52からのズレが角度復帰速
度識別範囲53の範囲内である場合には音像の移動を検
出できない程度のゆっくりしたスピードで正面方向52
に復帰する。またそれ以外の回転角度範囲に於いては角
度復帰速度識別範囲53の角度範囲に入るまで比較的高
速に正面方向52に復帰動作を行うようにする。図6
は、この発明の回転角度検出機能を備えたヘッドホン装
置の他の実施例の復帰速度の変化の様子を示す。図6に
示すように、角度復帰速度識別範囲53内においては、
復帰速度は遅くなるようにし、角度復帰速度識別範囲5
3外においては、復帰速度は早くなるようにする。
【0032】この第4の実施例は、マイクロプロセッサ
5により算出された回転角度の値に応じて規定角度に復
帰する復帰スピードを可変するようにしたものである。
したがって上例によれば、復帰目的値としての正面方向
52となる角度近傍、つまり角度復帰速度識別範囲53
では復帰速度を遅くし、その変化に対して聴取者51が
角度復帰動作による音像の移動を認知しにくくし、復帰
目的角度としての正面方向52となる角度近傍、つまり
角度復帰速度識別範囲53から離れている場合は復帰速
度を速くして、いち早くズレが復帰する方向へ向かうよ
うにできるため、方向が大きくずれた場合に正常な音像
定位位置に回復するための時間を短くすることができ
る。
【0033】
【発明の効果】この発明によれば、実際の頭部回転角度
と角速度センサーから演算により求めた回転角度との間
にズレを発生した場合、演算により求めた回転角度が正
面方向に対して一定角度以下の偏差の場合にのみ予め規
定されたスピードで正面方向角度に復帰するようにし
た。つまり、聴取者の視野に映像がある場合、すなわち
映像を見てると推定される場合は演算で求めた回転角度
が正面方向角度(0゜)に復帰するように処理するた
め、映像位置と音像位置のズレを少なくするようにする
ことができる。逆に聴取者が明らかに映像の方向を向い
てないと推定される場合、すなわち演算により求めた回
転角度が正面方向に対してある一定の角度以上になった
場合には正面方向角度(0゜)に復帰せず、復帰動作に
よる誤差の発生を少なくすることができる。
【0034】また、この発明によれば、演算により求め
た正面方向(0゜)からの回転角度の復帰角度を正面方
向角度(0゜)だけでなく、他の角度、例えば背面方向
角度(180°)に対しても設定できるので、正面方向
角度からある角度以内となる演算で求めた角度は正面方
向(0゜)に復帰し、背面方向角度(180゜)からあ
る角度以内に算出された角度は背面方向角度(180
゜)に復帰し、それ以外の回転角度を算出した場合はい
ずれの角度にも復帰しないようにすることができる。こ
れにより例えば残響音のような聴取者より後方に定位さ
せたい音像を初期状態で背面方向角度(180゜)に設
定すれば、以後安定的に後方に音像を定位させることが
できる。
【0035】また、この発明によれば、演算により求め
た正面方向(0゜)からの回転角度の復帰速度を可変で
きるので、例えば復帰目的値となる角度近傍では復帰速
度を遅くし、その変化に対して聴取者が角度復帰動作に
よる音像の移動を認知しにくくすることができる。
【0036】また、この発明によれば、復帰目的角度か
ら離れている場合は、復帰速度を速くして、いち早くズ
レが復帰する方向へ向かうようにできるため、方向が大
きくずれた場合に正常な音像定位位置に回復するための
時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の回転角度検出機能を備えたヘッドホ
ン装置の一実施例の構成を示すブロック図。
【図2】この発明の回転角度検出機能を備えたヘッドホ
ン装置の一実施例の角度復帰動作を示す図。
【図3】この発明の回転角度検出機能を備えたヘッドホ
ン装置の他の実施例の複数の復帰位置における角度復帰
動作を示す図。
【図4】この発明の回転角度検出機能を備えたヘッドホ
ン装置の他の実施例の多チャンネルのサラウンド音場シ
ステムに応用した例を示す図。
【図5】この発明の回転角度検出機能を備えたヘッドホ
ン装置の他の実施例の復帰速度を変える角度復帰動作を
示す図。
【図6】この発明の回転角度検出機能を備えたヘッドホ
ン装置の他の実施例の復帰速度の変化の様子を示す図。
【図7】この発明の出願人が先に出願したヘッドホン装
置の角度復帰動作を示す図。
【符号の説明】
1 回転角速度センサー 2 帯域制限フィルタ 3 増幅器 4,8 A/D変換器 5 マイクロプロセッサ 6 回転角度演算部 7 信号処理制御部 9 ディジタル信号処理装置 10 D/A変換器 11 電力増幅器 12 ヘッドホン 13 音源 14 角度リセットスイッチ 21 聴取者 22 正面方向(0゜) 23 角度非復帰範囲 24 角度復帰範囲 25 ディスプレイ 31 聴取者 32 正面方向(0゜) 33 背面方向(180゜) 34 正面角度復帰範囲 35 背面角度復帰範囲 36 ディスプレイ 41 聴取者 42 ディスプレイ 43,44 スピーカ 45 音像 46 音像 51 聴取者 52 正面方向(0゜) 53 角度復帰速度識別範囲 54 ディスプレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04S 1/00 L 7/00 F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル化された音声信号に信号処理
    を行う信号処理手段と、 上記信号処理手段により処理されたディジタル信号を少
    なくとも2チャンネル以上のアナログ信号に変換するデ
    ィジタル/アナログ変換器と、 上記ディジタル/アナログ変換器の出力信号を電力増幅
    する電力増幅器と、 聴取者の頭部に装着可能で、上記電力増幅器からの出力
    信号により駆動され、音声を再生するヘッドホンと、 上記ヘッドホンに取り付けられた角速度センサーと、 上記角速度センサーの出力信号をディジタル信号に変換
    するアナログ/ディジタル変換器と、 上記アナログ/ディジタル変換器により変換されたディ
    ジタルデータを取り込み積分計算することにより予め設
    定された正面方向からの回転角度を計算する制御手段と
    を具備し、 上記制御手段により計算された回転角度に応じて上記信
    号処理手段における信号処理内容を更新して上記ヘッド
    ホンにより再生される音像を上記聴取者の頭外に定位さ
    せるようにした回転角度検出機能を備えたヘッドホン装
    置であって、 上記制御手段により算出された回転角度が上記正面方向
    の角度に対して一定角度以下の偏差であったとき予め規
    定されたスピードで上記正面方向の角度に復帰し、上記
    正面方向の角度より大きい角度偏差のときには復帰しな
    いようにしたことを特徴とする回転角度検出機能を備え
    たヘッドホン装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回転角度検出機能を備え
    たヘッドホン装置において、 上記制御手段により算出された上記正面方向からの回転
    角度が予め設定された複数の基準角度に対してそれぞれ
    一定角度以下の偏差であったとき予め規定されたスピー
    ドで上記複数の基準角度のうち最も近い基準角度に復帰
    し、上記複数の基準角度よりそれぞれ大きい角度偏差の
    ときには復帰しないようにしたことを特徴とする回転角
    度検出機能を備えたヘッドホン装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の回転角度検出機
    能を備えたヘッドホン装置において、 上記制御手段により算出された回転角度の値に応じて上
    記基準角度に復帰する復帰スピードを可変するようにし
    たことを特徴とする回転角度検出機能を備えたヘッドホ
    ン装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の回転角度検出機能を備え
    たヘッドホン装置において、 上記制御手段により算出された回転角度が上記正面方向
    の角度と異なるときに予め角度に応じて規定されたスピ
    ードで上記正面方向の角度に復帰するようにしたことを
    特徴とする回転角度検出機能を備えたヘッドホン装置。
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