JPH0894593A - 蒸発燃料濃度計測装置及びその調整方法 - Google Patents

蒸発燃料濃度計測装置及びその調整方法

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JPH0894593A
JPH0894593A JP6233628A JP23362894A JPH0894593A JP H0894593 A JPH0894593 A JP H0894593A JP 6233628 A JP6233628 A JP 6233628A JP 23362894 A JP23362894 A JP 23362894A JP H0894593 A JPH0894593 A JP H0894593A
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JP
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signal
ultrasonic wave
ultrasonic
measured
measurement
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JP6233628A
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Masayuki Habaguchi
正幸 幅口
Toshiaki Ariyoshi
敏明 有吉
Takefumi Nakamura
武文 中村
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/02809Concentration of a compound, e.g. measured by a surface mass change
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
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    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/02818Density, viscosity

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車等のエンジンへの燃料供給系に用いて
好適な構造を有すると共に信頼性及び計測精度の高い蒸
発燃料濃度計測装置を提供する。 【構成】 分周回路(33)の信号(Sm)の周期(To)に同期し
たバースト信号(B) により超音波発生部(22)が超音波伝
搬室(9) に超音波を出射し、合成回路(39)がその超音波
に対する反射波の信号(C) と信号(Sm)に同期した信号と
の合成信号(E) を形成する。TLL回路(40)が周期(To)
の1/2の周期の位相比較信号(Sn)と合成信号(E) との
位相差を検出し、その位相差を減少させるための周波数
の帰還信号(Sf)を分周回路(33)のクロック信号として出
力する。更に、周波数電圧変換回路(41)が帰還信号(Sf)
を直流電圧(Vo)に変換し、減算器(42)の可変抵抗(R6)を
調整することにより直流電圧(Vo)のレベル誤差を除去
し、且つ、可変利得増幅回路(43)の可変抵抗(R8)を調整
することにより振幅誤差を補正して、高精度の出力信号
(So)を出力させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンクから発生す
る蒸発燃料(燃料ベーパー)の濃度や、かかる蒸発燃料
を一時的に吸着するキャニスターからエンジンのインテ
ークマニホールドへパージされる蒸発燃料(パージガ
ス)の濃度を計測する蒸発燃料濃度計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料タンクからエンジンへの燃料供給系
は、フューエルポンプにより燃料配管を介してキャブレ
ターへ燃料を送る系統と、燃料タンク内に発生する蒸発
燃料をキャニスターで一時的に吸着させ、このキャニス
ターに溜まった燃料を外気によって離脱させてインテー
クマニホールドへパージガスとして送る系統を備え、イ
ンジェクタからの噴射燃料と共にパージガスをシリンダ
内で燃焼させるようになっている。
【0003】ここで、パージガスを加えることによっ
て、空燃比が理論空燃比から外れると一酸化炭素(C
O)、炭化水素(HC)、窒化物(NOx)の浄化能力
が激減する等の問題があることから、パージガスの濃度
を高精度で計測し且つ供給量を最適制御することが極め
て重要である。
【0004】従来、このような自動車等のエンジンに供
給するパージガスの濃度を計測するためのものではない
が、特開昭61−269061号、特公昭61−294
49号、特開平2−147920号に開示されているよ
うに、超音波センサを用いて被測定物中を伝搬する超音
波伝搬速度を計測し、この計測値から被測定物の組成を
求めるものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
技術は、自動車等のエンジンへの燃料供給系統に適用す
るには、構造上大型になる等の問題があり好適ではな
い。即ち、特開昭61−269061号の技術は、チャ
ンバー内の被測定ガス雰囲気中に、超音波発振用の振動
素子と超音波受信用のセンサーとを所定間隔で対向配置
し、振動素子から発せられた超音波がセンサーにて受信
されるまでに要する伝搬遅延時間を計測し、この伝搬遅
延時間から被測定ガスの濃度を求めるものである。よっ
て、計測可能な伝搬遅延時間を得るためには、振動素子
とセンサーとの対向間隔を広げる必要があるので構造上
大型になり、上記エンジンへの燃料供給系統に適用する
ことができない。
【0006】特公昭61−29449号の技術は、被測
定液体を収容する液槽の一端に超音波発振用振動子と受
信素子を対向配置し、超音波発振用振動子から発せられ
た超音波が被測定液体中を伝搬して受信素子にて検出さ
れるまでに要する伝搬遅延時間を計測すると共に、予め
決められた液体(標準液体)の密度に相当する特性を有
するサーミスタの出力値と上記伝搬遅延時間の計測値と
の差分を求め、その差分から被測定液体の濃度を求める
ものである。よって、超音波発振用振動子と受信素子と
の対向間隔を広げる必要があるので構造上大型になり、
上記エンジンへの燃料供給系統に適用することができな
い。
【0007】特開平2−147920号の技術は、紙の
弾性率等を測定するために、紙面の一端にトリガパルス
印加用の振動子を、他端に受信用の振動子をそれぞれ接
触させ、トリガパルスが上記一端から他端に到達するま
でに要する伝搬遅延時間を計測すると共に、受信用の振
動子から出力される受信信号を複数のしきい値と比較し
て夫々の比較結果について所定の補正演算処理を行うこ
とにより、受信信号の到達時点を推定する方法に関する
ものである。よって、上記一対の振動子を離隔して対向
配置する必要があるので構造上大型になり、エンジンへ
の燃料供給系統に適用することができない。
【0008】更に、このような超音波の伝搬遅延時間か
ら蒸発燃料の濃度を計測する蒸発燃料濃度計測装置を開
発する場合であっても、前述した一酸化炭素(CO)、
炭化水素(HC)、窒化物(NOx)の発生を抑制する
等のために、蒸発燃料の濃度を常に高精度で計測し得る
信頼性が要求され、又、かかる装置を量産化しても、製
造バラツキ等の無い均一の計測精度を有する装置を提供
する必要がある。
【0009】本発明はこのような課題に鑑みて成された
ものであり、超音波の蒸発燃料中における伝搬速度を計
測することによりその蒸発燃料の濃度を求め、且つ自動
車等のエンジンへの燃料供給系に用いて好適な構造を有
すると共に信頼性及び計測精度の高い蒸発燃料濃度計測
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明は、計測すべき蒸発燃料を入力するため
の超音波伝搬室の一端からその室内の所定反射面へ超音
波を出射して、その反射面からの反射波を検出する超音
波送受信ユニットと、前記超音波及び反射波の検出信号
に基づいて蒸発燃料濃度を判定する超音波計測部と、前
記超音波計測部から出力される計測信号の誤差成分を除
去する調整部とを備え、前記超音波伝搬室内に所定圧力
の空気(エア)を充填した状態で実測される前記計測信
号のレベルと予め実験的又は統計的に求めておいた理想
的な計測信号のレベルとの差分がゼロに成るように、前
記調整部の増幅率及びオフセットを調整し、次に、前記
超音波伝搬室内に所定圧力の不燃性ガスを充填した状態
で実測される前記計測信号のレベルと予め実験的又は統
計的に求めておいた理想的な計測信号のレベルとの差分
がゼロに成るように、前記調整部の増幅率及びオフセッ
トを調整し、次に、本来の被測定対象である蒸発燃料と
前記不燃性ガスとの体積%に基づいて前記調整部の増幅
率を微調整することとした。
【0011】蒸発燃料濃度計測装置の実施態様として
は、例えば、ハウジングに設けられた流入流出ポート間
に形成され、蒸発燃料が供給される超音波伝搬室と、前
記超音波伝搬室の一端に設けられ、前記一端から超音波
を前記超音波伝搬室の所定反射面へ出射すると共に、そ
の反射面からの反射波を検出する超音波送受信ユニット
と、所定周期(To)に同期し且つこの周期(To)よ
り短い所定期間(τs )に、前記超音波送受信ユニット
に超音波駆動用の信号(B)を供給するバースト信号発
生回路と、前記超音波の発生時点を示す第1の矩形信号
と、前記反射波の検出時点を示す第2の矩形信号とを有
する合成信号を形成する合成回路と、前記周期(To)
の半周期に設定された位相比較信号と前記合成信号との
位相差を検出し、その位相差に基づいてその位相差を減
少させる周波数の帰還信号を発生する時間ロックループ
回路と、前記帰還信号を所定の分周比で分周することに
より、前記周期(To)及び前記位相比較信号の周期を
設定する分周回路と、前記帰還信号の周波数に対応する
直流電圧に変換する周波数電圧変換回路と、前記直流電
圧から可変参照電圧を減算する減算器と、前記減算器か
ら出力される直流電圧を増幅して出力する可変利得増幅
回路とを具備する構成とした。
【0012】又、かかる構成を有する蒸発燃料濃度計測
装置について、前記超音波伝搬室内に所定圧力の空気
(エア)を充填した状態で可変利得増幅回路から出力さ
れる出力信号(So)を計測し、予め実験的又は統計的
に求めておいた理想的な出力信号(So’)と等しくな
るように、前記減算器の可変参照電圧と前記可変利得増
幅回路の増幅率を調整し、次に、前記超音波伝搬室内に
所定圧力の不燃性ガスを充填した状態での出力信号(S
o)を計測し、予め実験的又は統計的に求めておいた理
想的な出力信号(So”)と等しくなるように、前記減
算器の可変参照電圧と前記可変利得増幅回路の増幅率を
調整し、更に、本来の被測定対象である蒸発燃料と前記
不燃性ガスとの体積%に基づいて前記可変利得増幅回路
の増幅率を微調整することで、蒸発燃料濃度計測装置の
個々のバラツキを補正するようにした。
【0013】
【作用】かかる構造を有する本発明の蒸発燃料濃度計測
装置によれば、超音波送受信ユニットにバースト信号を
供給する時点から前記反射波の検知信号を検出する時点
までの時間、即ち、前記超音波及び反射波の前記伝搬室
内における伝搬遅延時間の情報を得ることができる。こ
こで、超音波及び反射波の伝搬遅延時間は、超音波伝搬
室の長手方向の長さと、被測定対象であるパージガスそ
の他の蒸発燃料の濃度とに相関関係があるので、出力信
号(So)に含まれるこの伝搬遅延時間の情報から蒸発
燃料の濃度を判定することができる。
【0014】更に、蒸発燃料濃度計測装置の個々のバラ
ツキを補正する方法によれば、蒸発燃料濃度計測装置の
前記各構成要素の特性バラツキに起因して計測結果が真
の計測結果から振幅誤差を生じる場合であっても、最初
に前記不燃性ガスを適用した状態で前記調整部のオフセ
ットと増幅率を調整し、更に、本来の被測定対象である
蒸発燃料と前記不燃性ガスとの体積%に基づいて前記調
整部の増幅率を微調整することで、本来の被測定対象で
ある蒸発燃料に対する計測特性を設定することができ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明による蒸発燃料濃度計測装置の
一実施例を図面と共に説明する。まず、この実施例の使
用態様を図1に基づいて説明する。これは、ガソリン等
の液体燃料を蓄える燃料タンク1内に発生する蒸発燃料
をキャニスター2で一旦吸着させ、このキャニスター2
に溜まった燃料を外気によって離脱させてインテークマ
ニホールド3へパージガスとして送る系統の構成を示
す。
【0016】燃料タンク1に連結されたキャニスター
(例えば、活性炭キャニスター)2の流出ポートに、こ
の実施例の蒸発燃料濃度計測装置4の流入ポートが連結
され、蒸発燃料濃度計測装置4の流出ポートがパージ制
御弁5を介してインテークマニホールド3に連結され
る。蒸発燃料濃度計測装置(以下、単に計測装置とい
う)4は濃度計測により得た濃度計測信号Soをマイク
ロコンピュータシステム等を有するセンサ回路6へ送出
し、センサ回路6が濃度計測信号Soに基づいてパージ
制御弁5の開閉制御を行うことにより、インテークマニ
ホールド3へのパージガス供給量を制御する。
【0017】次に、図2及び図3に基づいて計測装置4
の構造及び機能を説明する。図2において、この計測装
置4の筐体7に、アルミダイキャストや硬質プラスチッ
クにより成型されたハウジング8が嵌着若しくは筐体7
と一体成型され、ハウジング8には、円柱状の超音波伝
搬室9と、超音波伝搬室9に対して隔壁を介して併設さ
れた円柱状の小径通路10と、超音波伝搬室9と小径通
路10との間を所定の間隔をおいて連通する一組の連通
路11,12が形成されると共に、流入ポート13と流
出ポート14が連通路11,12に夫々対応する位置関
係で小径通路10に連通している。小径通路10の先端
は密封カバー15により密封されている。超音波伝搬室
9の底端面16は長手方向に対して垂直に面する円形平
面となっており、後述する超音波を反射するための反射
面として機能する。以下、底端面16を反射面と呼ぶ。
【0018】超音波伝搬室9の後端開口部17には、そ
の外周に沿って環状の溝18が形成されると共に、超音
波伝搬室9の内径よりも拡径の収容部8aが一体形成さ
れている。収容部8a内には、溝18に嵌込まれた環状
の弾性封止材19を介して、超音波送受信ユニット20
が収容されている。
【0019】6.6ナイロンで成型された略円筒状のケ
ース21内には、PZT素子から成る超音波発生部22
と、超音波発生部22に電気的に接続するリード端子
(図3参照)の一部と、ガラスビーズを混入したエポキ
シ樹脂から成る音響整合層23が、振動の減衰を促進す
るためのダンピング材24によって封入・埋設されてい
る。そして、超音波発生部22に音響整合層23が一体
に固着され、音響整合層23とケース21の終端に約2
5μmの厚さのポリイミドフィルムから成る隔壁25が
接着され、隔壁25の側面が弾性封止材19に密着して
いる。
【0020】ケース21の側壁には溝26が形成され、
この溝26に嵌込まれた環状のフローティング材27が
収容部8aの内壁に接触することにより、超音波送受信
ユニット20全体を位置ずれしないように保持してい
る。収容部8aの先端に嵌着された金属性の固定カバー
27とケース21の先端との間には、環状のフローティ
ング材28が介在し、固定カバー31の圧入により、超
音波送受信ユニット20全体が弾性封止材19を介して
後端開口部17側へ付勢されている。
【0021】尚、ダンピング材24は、ウレタン系封止
材にセラミック粉を混入することにより、振動の減衰効
果の高い材質を実現している。又、この実施例では夫々
別体のケース21と隔壁25を相互に固着しているが、
同一素材(例えば、6.6ナイロン)により隔壁25を
ケース21の一部として予め一体成型するようにしても
よい。又、上記の弾性封止材19とフローティング材2
7,28には、合成ゴム製のOリングを適用している
が、弾性封止材19としては、板ゴムやPTV封止材な
どの弾性と密着性とを有する素材を適用してもよい。
【0022】かかる支持構造によって超音波送受信ユニ
ット20が収容部8a内に収容されることにより、超音
波発生部22と音響整合層23が、超音波伝搬室9の長
手方向の中心軸に合致するように配置され且つ、超音波
発生部22と音響整合層23及び隔壁25の各接合面が
反射面16に平行となり、超音波発生部22から発生す
る超音波が超音波伝搬室9内を一様に伝搬するようにな
っている。
【0023】更に、超音波送受信ユニット20は、弾性
封止材19とフローティング材27,28を介して収容
部8a内に支持されるので、全体的にハウジング8及び
収容部8aから音響的に隔離され、更に、固定カバー2
7が超音波送受信ユニット20全体を超音波伝搬室9の
方向へ位置ずれを生じないように押圧して、弾性封止材
19と隔壁25、及び弾性封止材19とハウジング8の
内壁との密着性を向上させるので、超音波伝搬室9に供
給されるパージガスが超音波送受信ユニット20へ漏れ
ないようになっている。
【0024】図3に示すように、ハウジング8の一側に
は、超音波発生部22のリード端子30が接続する計測
処理回路を有する電気回路基板29が取り付けられると
共に、小径通路10内の一端に密封されたサーミスタ等
の温度センサ31も接続されている。そして、電気回路
基板29に設けられた外部接続端子(図示せず)を介し
てセンサ回路6等の外部機器に接続されて、濃度計測に
より得られた濃度計測信号Soと温度センサ31の温度
検出信号とを外部機器へ伝送するように成っている。
【0025】尚、この実施例では、超音波伝搬室9の長
手方向の長さ(隔壁25から反射面16までの長さ)を
5cmとすることにより、超音波信号(進行波と反射
波)の伝搬距離を10cmに設定すると共に、超音波伝
搬室9の内径を約12mm前後に設定している。
【0026】かかる構造の計測装置4が、図1に示した
ように、キャニスター2とパージ制御弁5の間に連結さ
れると、キャニスター2からのパージガスが流入ポート
13を介して小径通路10及び超音波伝搬室9へ供給さ
れ、流出ポート14を介してパージ制御弁5へ流出す
る。又、小径通路10は、流入ポート13から流入する
パージガスの流量が過度に増大する場合に、そのパージ
ガスの一部を流出ポート14へ分流すことにより、超音
波伝搬室9へのパージガスの流量変動が大きくなるのを
防止し、安定したパージガス雰囲気の条件下で濃度計測
を可能にする。
【0027】次に、図4及び図5に基づいて電気回路基
板29に形成されている計測処理回路の構成と動作を説
明する。この計測処理回路は、超音波送受信ユニット2
0の超音波発生部22を駆動制御することにより超音波
伝搬室9内のパージガスの濃度を計測する超音波計測部
100と、超音波計測部100から出力される計測信号
Voの誤差を補正する調整部200を有している。
【0028】水晶発振器32は、例えば275kHzの
基準信号SCKを発生する。分周回路33は、後述する時
間ロックループ回路(以下、TLL回路と言う)40か
ら出力される帰還信号Sf を所定の分周比で分周するこ
とにより、計測周期指定信号Smと位相比較信号Snを
出力する。ここで、図5に示すように、計測周期指定信
号Smの周期をToとすると、位相比較信号Snの周期
Tnがその2分の1周期、即ち、Tn=To/2とする
ように上記の分周比が設定されている。
【0029】バースト信号発生回路34は、図5に示す
ように、計測周期指定信号Smに同期した所定期間τs
中だけ信号SCKを転送することにより、その期間τs
おいて超音波発生部22を駆動するためのバースト信号
Bを形成する。即ち、期間τs は信号SCKの周期よりも
長く設定されているので、1周期To当たりのバースト
信号Bには、複数個の信号SCKを有し、更に、τs <T
oの関係に設定されている。そして、バースト信号B
は、入力バッファ回路35で電力増幅され、送受信切替
回路36を介して超音波振動ユニット19の超音波発生
部22に供給され、超音波(進行波)を超音波伝搬室9
へ出射させる。
【0030】送受信切替回路36は、計測周期指定信号
Smに同期して切替え動作する複数のアナログスイッチ
等で形成され、上記の期間τs 中には、バースト信号B
を超音波発生部22へ切替え転送し、その期間τs 経過
後の期間(To−τs )では、超音波伝搬室9の反射面
16から反射してきた受信信号Cを出力バッファ回路3
7へ転送するために、超音波発生部22と出力バッファ
回路37とを切替え接続する。
【0031】波形整形回路38は、ゼロクロス検出回路
や比較器、ワンショットマルチバイブレータ回路等を有
し、出力バッファ回路37で電力増幅された受信信号C
の最初のゼロクロス時点や、所定のしきい値レベルを超
える時点を検出することにより、図5に示すような矩形
波信号Dに波形整形する。
【0032】合成回路39は、分周回路33から出力さ
れる計測周期指定信号Smと矩形波信号Dについて所定
のデコード処理を行うことにより、超音波(進行波)を
発した時点を示す矩形信号E’と矩形信号D’(信号D
に相当する)とを有する合成信号Eを出力する。したが
って、これらの信号E’とD’の発生間隔τD が、超音
波伝搬室9内での超音波の往復の伝搬遅延時間となる。
【0033】TLL回路40は、合成信号Eと位相比較
信号Snとの位相差を検出してその位相差信号Δf を出
力する位相比較回路PCと、位相差信号Δf を平滑化し
て直流電圧Vf を発生する積分回路LFと、直流電圧V
f の値に基づいて上記位相差をゼロにするための周波数
の帰還信号Sf を発生する電圧制御発振回路VCOを備
えている。そして、この帰還信号Sf は、分周回路33
のクロック信号となり、前述した所定の分周比によって
分周されることにより、計測周期指定信号Smと位相比
較信号Snが形成される。
【0034】かかる構成を有する超音波計測部100に
よれば、TLL回路40が、計測周期指定信号Smに同
期した矩形信号E’と矩形信号D’を有する合成信号E
と、位相比較信号Snとの位相を同期させるように帰還
制御するので、定常状態になると、図5に示す如く、計
測周期指定信号Smの半周期(To/2)が、超音波の
伝搬遅延時間τD と等しくなり、且つ位相比較信号Sn
の1周期Tnも伝搬遅延時間τD と等しくなる。よっ
て、帰還信号Sf の周波数が被測定対象であるパージガ
スの濃度に対応するようになり、濃度の特徴抽出が実現
される。
【0035】次に、調整部200を説明する。周波数電
圧変換回路41と、差動増幅器42,43及びそれに付
随する抵抗R1〜R8が備えられている。周波数電圧変
換回路41は、濃度計測部100に発生する帰還信号S
f の周波数に相当する直流電圧の計測信号Voを出力す
る。差動増幅器42は、抵抗R1を介してその非反転入
力接点に計測信号Voが入力されると共に、非反転入力
接点とその出力接点との間に抵抗R2が接続され、更
に、反転入力接点が抵抗R3を介してアース接点に接続
されると共に、電圧電源VCCとアース接点間に接続され
た分圧抵抗R5,R6の共通接続接点に生じる参照電圧
ref が抵抗R4を介して入力される。よって、差動増
幅器42及び抵抗R1〜R6が、計測信号Voから参照
電圧Vref を減算する減算器となっている。又、抵抗R
1〜R4は等抵抗値に設定された固定抵抗であるので、
電圧増幅率は1に設定されている。抵抗R5は固定抵抗
であり、抵抗R6は可変抵抗器が適用されているので、
参照電圧Vref は抵抗R6を調整することによって調整
可能な可変参照電圧となっている。尚、抵抗R6に使用
されるを可変抵抗器としては、可変摺動抵抗器や、レー
ザートリミング可能な厚膜抵抗器、複数個の固定抵抗を
組み合わせて実質的に可変抵抗と同じ機能を発揮させる
ものなど、周知のものを適用することができる。又、電
圧電源VCCとアース接点間に抵抗を介して複数個のダイ
オードを直列接続し、適宜のダイオードに生じる電圧を
参照電圧Vre f として適用するようにしてもよい。
【0036】このような減算器を備えると、例えば、計
測処理部100中の各構成要素の特性バラツキや、超音
波送受信ユニット20及びハウジング8を含む音響機構
の製造バラツキ等に起因して、パージガスの濃度計測結
果(例えば、Sf )が真の計測結果から誤差(例えば、
オフセット)を生じる場合に、参照電圧Vref を最適調
整することにより、計測信号Voから誤差分を除去した
補正信号SCMを出力することができる。
【0037】次に、差動増幅器43は、非反転入力接点
に補正信号SCMが入力され、その反転入力接点が固定抵
抗R7を介してアース接点に接続されると共に、可変抵
抗から成る帰還抵抗R8を介してその出力接点に接続さ
れ、更に出力接点が調整部200の出力端子44に接続
されている。よって、差動増幅器43及び抵抗R7,R
8は、かかる抵抗R7,R8の抵抗比で決まる電圧増幅
率を有する可変利得増幅回路が実現されている。そし
て、かかる電圧増幅回路によれば、例えば、計測処理部
100中の各構成要素の特性バラツキや、超音波送受信
ユニット20及びハウジング8を含む音響機構の製造バ
ラツキ等に起因して、パージガスの濃度計測結果(例え
ば、SCM)が真の計測結果から振幅誤差を生じる場合で
あっても、帰還抵抗R8の抵抗値を調節して電圧増幅率
を調整することにより、真の振幅に調整することができ
る。
【0038】このように、調整部200を備えたので、
被測定対象であるパージガスの計測誤差をレベルの誤差
と振幅の誤差の両面について補正することができ、出力
端子44に精度の高い出力信号Soを出力することがで
きる。
【0039】次に、かかるパージガス濃度計測装置の調
整方法を図6のフローチャートに基づいて説明する。
尚、自動車の燃料供給系統に組み付けた状態での調整で
はなく、製造された個々のパージガス濃度計測装置を単
体のままで調整することにより、均一な特性のパージガ
ス濃度計測装置を得る場合の方法を述べる。
【0040】まず、第1の調整工程S1においては、電
気回路基板29に電源を供給する等の通常の計測動作が
可能な状態に設定し、更に、流入ポート13及び流出ポ
ート14を介して超音波伝搬室9内に所定圧力の空気
(エア)を充填する。次に、第2の調整工程S2におい
て、かかる空気充填状態で出力信号Soを計測し、予め
実験的又は統計的に求めておいた理想的な出力信号S
o’と比較する。そして、出力信号Soが理想的な出力
信号So’と等しくなるように、参照電圧Vref と帰還
抵抗R8の値を調整する。
【0041】次に、第3の調整工程S3において、空気
に代えて所定圧力の2酸化炭素ガス(CO2 )を超音波
伝搬室9に充填する。第4の調整工程S4では、かかる
CO2 充填状態での出力信号Soを計測し、予め実験的
又は統計的に求めておいた理想的な出力信号So”と比
較する。そして、出力信号Soが理想的な出力信号S
o”と等しくなるように、帰還抵抗R8の値を調整(振
幅の調整)を行う。更に、第4の調整工程S4では、実
際のパージガスに対応する調整を行うために更なる微調
整を行う。即ち、同一の計測条件におけるCO2 の濃度
とパージガスの主成分であるイソブタンの濃度とには、
CO2 がその分子量によりイソブタンの51.6体積%
に相当するという相関関係がある。よって、その相関関
係に基づいて帰還抵抗R8を微調整することにより、C
2 を適用した調整結果に対して更なる微調整を行う。
【0042】このように、この実施例の調整方法によれ
ば、CO2 ガスを適用するので、可燃性を有するパージ
ガスを用いる場合と比較して、飛躍的に安全性の向上を
図ることができる。尚、CO2 ガスの代わりにアルゴン
ガス(Ar)や、CO2 とArの混合ガス等の不燃ガス
を適用することができる。
【0043】又、かかる調整方法によれば、液体ガソリ
ンから発生するパージガスに限らず、他の組成のパージ
ガスについても同様の調整が可能である。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
超音波送受信ユニットにバースト信号を供給する時点か
ら前記反射波の検知信号を検出する時点までの時間、即
ち、前記超音波及び反射波の前記伝搬室内における伝搬
遅延時間の情報を得ることができ、この超音波及び反射
波の伝搬遅延時間は、超音波伝搬室の長手方向の長さ
と、被測定対象であるパージガスその他の蒸発燃料の濃
度とに相関関係があるので、この伝搬遅延時間の情報か
ら蒸発燃料の濃度を判定することができる。
【0045】更に、蒸発燃料濃度計測装置の補正方法に
よれば、蒸発燃料濃度計測装置の各構成要素の特性バラ
ツキに起因して計測結果が真の計測結果から振幅誤差を
生じる場合であっても、最初に前記不燃性ガスを適用し
た状態で調整部の増幅率とオフセットを調整し、更に、
本来の被測定対象である蒸発燃料と前記不燃性ガスとの
体積%に基づいて前記調整部の増幅率を微調整すること
で、本来の被測定対象である蒸発燃料に対する計測特性
を設定することができる。そして、前記不燃性ガスを適
用することで、安全性の向上と信頼性及び計測精度の高
い蒸発燃料濃度計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蒸発燃料濃度計測装置の適用例を
示す説明図である。
【図2】本発明による蒸発燃料濃度計測装置の一実施例
の構造を示す縦断面図である。
【図3】図2中の仮想線X−Xに沿った部分の要部構造
を示す要部縦断面図である。
【図4】実施例における計測処理回路の構成を示すブロ
ック図である。
【図5】実施例の計測処理回路の動作を説明するための
タイミングチャートである。
【図6】実施例における蒸発燃料濃度計測装置の調整方
法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
7…筐体、8…ハウジング、8a…収容部、9…超音波
伝搬室、10…小径通路、11,12…連通路、13…
流入ポート、14…流出ポート、15…密封カバー、1
6…反射面、17…後端開口部、18,26…溝、19
…弾性封止材、20…超音波送受信ユニット、21…ケ
ース、22…超音波振動部、23…音響整合層、24…
ダンピング材、25…隔壁、26,27,28…フロー
ティング材、29…電気回路基板、30…リード端子、
32…水晶発振器、33…分周回路、34…バースト信
号発生回路、35…バッファ回路、36…送受信切替回
路、37…出力バッファ回路、38…波形整形回路、3
9…合成回路、40…TLL回路、41…周波数電圧変
換回路、42,43…差動増幅器、44…出力端子、P
C…位相比較回路、LF…積分器、VCO…電圧制御発
振回路、R1〜R8…抵抗。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計測すべき蒸発燃料を入力するための超
    音波伝搬室の一端からその室内の所定反射面へ超音波を
    出射して、その反射面からの反射波を検出する超音波送
    受信ユニットと、 前記超音波及び反射波の検出信号に基づいて蒸発燃料濃
    度を判定する超音波計測部と、 前記超音波計測部から出力される計測信号の誤差成分を
    除去する調整部とを備え、 前記超音波伝搬室内に所定圧力の空気(エア)を充填し
    た状態で実測される前記計測信号のレベルと予め実験的
    又は統計的に求めておいた理想的な計測信号のレベルと
    の差分がゼロに成るように、前記調整部の増幅率及びオ
    フセットが調整され、 次に、前記超音波伝搬室内に所定圧力の不燃性ガスを充
    填した状態で実測される前記計測信号のレベルと予め実
    験的又は統計的に求めておいた理想的な計測信号のレベ
    ルとの差分がゼロに成るように、前記調整部の増幅率及
    びオフセットが調整され、 次に、本来の被測定対象である蒸発燃料と前記不燃性ガ
    スとの体積%に基づいて前記調整部の増幅率が微調整さ
    れることを特徴とする蒸発燃料濃度計測装置。
  2. 【請求項2】 計測すべき蒸発燃料を入力するための超
    音波伝搬室の一端からその室内の所定反射面へ超音波を
    出射して、その反射面からの反射波を検出する超音波送
    受信ユニットと、前記超音波及び反射波の検出信号に基
    づいて蒸発燃料濃度を判定する超音波計測部と、前記超
    音波計測部から出力される計測信号の誤差成分を除去す
    る調整部とを備える蒸発燃料濃度計測装置の調整方法に
    おいて、 前記超音波伝搬室内に所定圧力の空気(エ
    ア)を充填した状態で実測される前記計測信号のレベル
    と予め実験的又は統計的に求めておいた理想的な計測信
    号のレベルとの差分がゼロに成るように、前記調整部の
    増幅率及びオフセットを調整し、 次に、前記超音波伝搬室内に所定圧力の不燃性ガスを充
    填した状態で実測される前記計測信号のレベルと予め実
    験的又は統計的に求めておいた理想的な計測信号のレベ
    ルとの差分がゼロに成るように、前記調整部の増幅率及
    びオフセットを調整し、 次に、本来の被測定対象である蒸発燃料と前記不燃性ガ
    スとの体積%に基づいて前記調整部の増幅率を微調整す
    ることを特徴とする蒸発燃料濃度計測装置の調整方法。
  3. 【請求項3】 前記不燃性ガスは、2酸化炭素ガス若し
    くはアルゴンガス又はこれらの混合ガスのいずれかのガ
    スであることを特徴とする請求項2に記載の蒸発燃料濃
    度計測装置の調整方法。
JP6233628A 1994-09-28 1994-09-28 蒸発燃料濃度計測装置及びその調整方法 Pending JPH0894593A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1030176A2 (en) * 1999-02-15 2000-08-23 NGK Spark Plug Company Limited Gas concentration sensor
US6568240B1 (en) 1999-01-11 2003-05-27 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Method and apparatus using a gas concentration sensor for accurately controlling an air fuel ratio in an internal combustion engine

Cited By (4)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US6308572B1 (en) 1999-02-15 2001-10-30 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Gas concentration sensor
EP1030176A3 (en) * 1999-02-15 2003-11-05 NGK Spark Plug Company Limited Gas concentration sensor

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