JPH0893020A - 横引き排水管の取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 横引き排水管の施工の簡易化と経済性の向上
を図る。 【構成】 一対の受口２，２を有する管継手Ａにより管
体１，１を接続する横引き排水管の配管において、外周
がおむすび形をなすフランジ３と押環４の外周に、外周
が円形で内周をおむすび形とした、割り口12を有する環
状の添着バンドＢを被着し、その外側に、一対の半環体
15，15よりなる取付バンドＣを締着する。それにより、
横引き配管は、取付バンドＣを介して、各管継手Ａ，Ａ
の位置において支持されることになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、横引きの排水管をスラ
ブ等に取付ける装置に関し、特に、管継手のフランジの
外形が略三角状に形成されている配管系を、配管の継手
部分において取付けられるようにした装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】建物等における排水管系では、従来一般
に、図１、図９、図10に示すように、定尺物や所要長さ
の管体１，１を、一対の受口２，２を有する管継手Ａを
用いて接続している。この管継手は、図１に示すよう
に、両端に互に反対方向に拡径された管体１の挿入され
る、フランジ３を備えた受口２，２が設けられたもの
で、ロックパッキン５及びフランジ３に対向する押環４
を嵌合した管体１，１を受口２，２に挿入し、フランジ
３と押環４とに設けられた挿通孔６，６にボルト７，７
を通してナット８，８で締付け、ロックパッキン５をフ
ランジ３のシール面９と管体１ｂの外周面に密着させ
て、密封と管体の抜け出しを阻止するようにしている。
そして、フランジ３と押環４との締付けは、一般に、３
本のボルト７，７を用いて行っており、そのことから、
フランジ３及び押環４の外周形状は、図３に示すように
略三角状のおむすび形となっている。

【０００３】また、建物内等における配管のうち横引き
配管については、従来、図９に示すように、管体１，１
の中間部複数個所を、バンド等の取付具26と吊具27を用
いて建物のスラブ25に吊設するようにするか、或は図10
に示すように、取付具26と支持具28を用いてスラブ25上
に支持するようにしており、全体に勾配を付して配設さ
れる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、横引き
配管の場合は、各管体毎に複数個所で支持するため、各
管体の軸線合わせのための調整が面倒で、勾配その他安
定した配管がしにくいとともに、取付具や吊具等の支持
部材を多く要するという問題がある。

【０００５】横引き配管では、各管継手において支持す
るようにすれば、支持部材も少なくてすむとともに、配
管作業も容易となる。しかし、上記のように、管継手の
フランジ３の外周形状は略三角形をなしているため、取
付具はその形状に合せたものにする必要があり、そうす
れば、配管にあたって、各管継手のフランジ３の取付け
方向を一致させねばならなくなり、配管作業が一層面倒
なことになるため、その問題の解決が要望されていた。

【０００６】本発明は、上記のような横引きの排水管に
おける問題点を解決し、管継手のフランジの方向に係わ
ることなく、各管継手において配管を支持することがで
き、配管取付作業が容易で安定した配管ができるととも
に、配管の支持部材も少なくてすみ、費用の削減が図れ
るようにした横引き排水管の取付装置を提供しようとす
るものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成について、実施例に対応する図面を参
照して説明すると、本発明は、両端に受口２，２を有す
る管継手Ａの受口２，２に、管体１，１の端部を挿入
し、受口２に設けたフランジ３と押輪４の緊締により管
体１，１を結合した横引きの排水管において、上記フラ
ンジ３及び押輪４の外周が略三角状に形成されている各
管継手Ａ，Ａの上記外周に、外周が円形で内周がフラン
ジ３及び押輪４の外周に沿う略三角形状に形成された、
割り口12を有する環状の添着バンドＢを被嵌し、該添着
バンドＢの外周に、締付鍔片16，16を突設した半環体15
の一対よりなる取付バンドＣを締着し、排水管を各取付
バンドＣ，Ｃを介して支持したことを特徴とするもので
ある。

【０００８】

【作用】本発明の装置は上記のように構成されているの
で、管体１，１は各管継手Ａ，Ａの個所で支持されるこ
とになる。この場合、管継手Ａは添着バンドＢを被着し
て、外周の形状が円形に補正されたような状態とされる
ため、配管の取付け作業にあたって、各管継手Ａ，Ａの
向きを合致させるという面倒な手数をかけることなく施
工ができる。また、配管は各管継手Ａ，Ａの個所で支持
されるため、支持用の使用部材が少なくてすむととも
に、配管が精度よく確実に安定して行えることになる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１は本発明の一実施例を示す半截側断面
図、図２は同正断面図で、Ａは管継手、Ｂは管継手Ａの
外周に被嵌した添着バンド、Ｃは取付バンドで添着バン
ドＢについては、別に図４、図５に示してある。

【００１０】管継手Ａは、従来使用されている管継手の
構造と同様で、管体１を受止めるくびれ部２ａの両端
に、管体１の端部を挿入する拡径された受口２，２が互
に反対向きに設けられており、この受口２，２には正面
からみて外周の形状が略三角形のおむすび形をしたフラ
ンジ３が設けられており、このフランジ３の３個所の頂
部にはボルトの挿通孔６，６が設けられている。また、
このフランジ３に対応した形状の押環４を備えており、
押環４には上記挿通孔６，６と対応する位置にボルトの
挿通孔６，６が設けられている。

【００１１】受口２，２に挿入する管体１，１には、上
記の押環４とロックリング及びパッキン材とよりなる環
状のロックパッキン５が嵌入され、フランジ３と押環４
との挿通孔６，６にボルト７を通してナット８を螺合し
て締め付けることにより、パッキン材を受口２の内周と
管体１の外周面に密着させるとともに、ロックリングの
内縁を管体１の外周面に圧接して食い込ませ、密封と管
体１の抜き出しを阻止されるようになっている。なお、
本発明において、管継手Ａは、その外周の形状が略三角
状をなすものであれば、上記の構造に限定されるもので
はない。

【００１２】添着バンドＢは、耐老化性を有するゴムや
軟質合成樹脂等柔軟な弾性材料を使用し、図４、図５に
も示すように、全体に、管継手Ａのフランジ３と押環４
の外周を覆う巾を有する環状をなし、外周面10は略円形
をなし、内周面11はフランジ３及び押環４の外周形状に
対応する略三角状のおむすび形に形成されている。そし
て、添着バンドＢは、周方向の適所、例えば外周と内周
との間の狭くなった個所に割り口12が設けられ、拡開可
能となっている。また、内周面11には、多数の凹部13，
13が設けられているとともに、割り口12近くの内周面に
は、フランジ３や押環４の外周面に添着させるための接
着テープ14，14が貼着されている。なお、上記の割り口
12は、添着バンドＢの周方向のどの位置であってもよ
い。

【００１３】上記の添着バンドＢを管継手Ａの外周に嵌
合させるには、割り口12を拡開して一つの組をなすフラ
ンジ３及び押環４の外周に内周面11を添わせて被嵌さ
せ、接着テープ14，14により止着する。そして、添着バ
ンドＢの外周に取付バンドＣを添接して締着する。この
場合、添着バンドＢの内周面11には多くの凹部13、13が
設けてあるので、フランジ３等の外周形状にある程度の
違いがあるものでも、その周面になじみよく接着でき
る。

【００１４】取付バンドＣは、上記添着バンドＢのほぼ
半外周にこれを包む状態で接合する断面が平坦なコ状に
形成した一対の半環体15，15を有しており、各一端には
ボルトの挿通孔を設けた締付鍔片16が突設されている。
そして、一対の半環体15，15は互に各他端部においてピ
ン16により回動自在に、結合されている。この取付バン
ドＣは、添着バンドＢの外周に半環体15，15を添接さ
せ、締付鍔片16，16のボルト挿通孔にボルト17を通して
ナット18を締め込み、締着される。その際、建物のスラ
ブ25に固定する吊具19を両締付鍔片16，16間にボルト17
に係合して取付けるようにし、配管全体は図７に示す状
態で吊設される。

【００１５】上記の取付バンドＣは、配管を建物等のス
ラブに吊持する場合に使用されるものである。配管を建
物等のスラブ25上に支持する場合には、図６に例示する
取付バンドＣを使用するのが好適である。すなわち、こ
の取付バンドＣは、一対の半環体15，15が分離されてお
り、各半環体15は、その両端にボルトの挿通孔を有する
締付鍔片16，16が突設された構造をなしている。また、
建物等のスラブ25上には、取付バンドＣ，Ｃの締着個所
と対応して支持具20，20が固着される。支持具20は、ス
ラブ25にボルト21，21により固定されるプレート22の両
端部に支持ボルト23，23が立設され、それぞれ一対のナ
ット24ａ，24ｂが螺合されるようになっている。

【００１６】そして、各支持ボルト23には、あらかじめ
下方のナット24ａが所要の高さ位置に螺合され、添着バ
ンドＢの外周に添着した半環体15，15の各両端の締付鍔
片16，16をそれぞれ支持ボルト23，23に挿通した後、上
方のナット24ｂ，24ｂを螺合して締着される。配管全体
は図８に示す状態で支持されることになる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
外周が略三角形状をなしている管継手が、添着バンドを
取付バンドで締着することにより、方向性に留意しない
ですむ円形状に補正されることになる。そのため、配管
を管継手の個所で支持するにあたって、各管継手の取付
け時の面倒な方向調整を行わずにすむことになり、した
がって、管継手での配管支持が可能となる。

【００１８】また、配管の支持が管継手の個所で行える
ため、支持部材の使用数が減少し、それだけコストの低
減が図れるとともに、従来のような管体において支持す
るものに比べ、接続管体の管継手における折れ継ぎが少
なくなり、管体接続が損われるおそれが少なく、流れ勾
配その他安定した配管ができることになる。

【００１９】さらに、配管の支持ばかりでなく、管継手
の外周は円形状に補正されることになるので、防露処理
がしやすくなり、きれいな仕上がりが期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す半截側断面図である。

【図２】同正断面図である。

【図３】同管継手の正面図である。

【図４】本発明における添着バンドの一実施例を示す正
面図である。

【図５】図４のＡ−Ａ線断面図である。

【図６】本発明の他の実施例を示す正断面図である。

【図７】配管支持の一例を示す概略図である。

【図８】同他の例を示す概略図である。

【図９】従来の配管支持例を示す概略図である。

【図10】同他の例を示す概略図である。

【符号の説明】

Ａ 管継手 Ｂ 添着バンド Ｃ 取付バンド １ 管体 ２ 受口 ３ フランジ ４ 押環 ５ ロックパッキン ６ ボルト挿通孔 ７ ボルト ８ ナット 10 外周面 11 内周面 12 割り口 13 凹部 14 接着テープ 15 半環体 16 締付鍔片 17 ボルト 18 ナット 20 支持具 21 支持ボルト 22 プレート 24ａ，24ｂ ナット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 両端に受口を有する管継手の受口に、管体の端部を挿入
   し、受口に設けたフランジと押輪の緊締により管体を結
   合した横引きの排水管において、上記フランジ及び押輪
   の外周が略三角状に形成されている各管継手の上記外周
   に、外周が円形で内周がフランジ及び押輪の外周に沿う
   略三角形状に形成された、割り口を有する環状の添着バ
   ンドを被嵌し、該添着バンドの外周に、締付鍔片を突設
   した半環体の一対よりなる取付バンドを締着し、排水管
   を各取付バンドを介して支持したことを特徴とする、横
   引き排水管の取付装置。