JPH0892944A - 全天候施工用屋根装置および屋根の開閉方法 - Google Patents

全天候施工用屋根装置および屋根の開閉方法

Info

Publication number
JPH0892944A
JPH0892944A JP25933794A JP25933794A JPH0892944A JP H0892944 A JPH0892944 A JP H0892944A JP 25933794 A JP25933794 A JP 25933794A JP 25933794 A JP25933794 A JP 25933794A JP H0892944 A JPH0892944 A JP H0892944A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roof
main wire
wire
carrier
construction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25933794A
Other languages
English (en)
Inventor
Kuninobu Yamagishi
邦亘 山岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maeda Corp
Original Assignee
Maeda Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maeda Corp filed Critical Maeda Corp
Priority to JP25933794A priority Critical patent/JPH0892944A/ja
Publication of JPH0892944A publication Critical patent/JPH0892944A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tents Or Canopies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダムのような露天での大型構造物の施工にお
いて、特に雨天時においても施工でき、また施工領域が
変わるのに伴って屋根を容易に移動させて広範囲に及ぶ
施工を可能にし、しかもコンパクトに収納できて、取り
扱い性に優れた全天候施工用屋根装置を提供する。 【構成】 施工すべき構造物であるダムDよりも上方位
置に架設されたメインワイヤーMと、このメインワイヤ
ーMに沿って走行移動可能に設けられたキャリア装置K
と、このキャリア装置Kを移動させるための移動手段1
0と、前記キャリア装置Kを介して吊り下げられた屋根
Yとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばダムのような大
型構造物の施工において、特に、これを雨天時の施工に
利用した場合に好適な全天候施工用屋根装置および屋根
の開閉方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】巨体構造物として知られているダムは、
発電、洪水調節、灌漑、上水道、工業用水など利水ある
いは治水のための貯水池をつくる構造物として構築され
るもので、用いられる材料から、コンクリートダムとフ
ィルダムに大きく分類されている。また、コンクリート
ダムは、その構造形式からアーチダム、重力ダム、中空
重力ダム、バットレスダム等に分類され、土質材料や岩
石などを積み上げてつくるフィルダムは、均一形、ゾー
ン型、表面遮水型等に分類されている。
【0003】そして、このような巨体構造物であるダム
の施工において、例えばロックフィルダムでは、遮水性
のある粘土質の土質材料を用いて、堤体の内部に、その
堤体の高さ方向およびダム軸方向に延びるコアとなる遮
水壁を築造しながら、これと並行してその上流側および
下流側にロック材や砂礫等を積み上げることにより施工
されている。また、例えばコンクリートダムでは、ダム
軸に直交する横継ぎ目を複数設けてそれらの横継ぎ目で
区分けされる領域をブロック単位としてブロック毎に順
次コンクリートを打設して施工するレヤーシステム工
法、あるは縦継ぎ目を設けて施工するブロックシステム
工法などにより施工されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ダムのよう
な巨体構造物の施工は、露天の中での施工となるため、
その施工期間中、天候の影響を受けることが多く、特に
雨が何日も降り続くと大幅に工程が遅れることもしばし
ばである。工程の遅れは、直接、工費に影響する問題で
あり、このため、従来から天候に左右されないで施工を
行なえる工法の開発が強く望まれていた。
【0005】特に、フィルダムのように、コア材となる
土質材料を盛立てて転圧する作業においては、雨が降る
たびに、例えば養生シートでコア材の部分を被う作業を
必要とするだけでなく、施工作業を中断あるいは断念せ
ざるを得ず、しかも、天候回復後に養生シートを取り去
る作業では、コア材の付着により養生シートが汚れるう
えに重くなり、人力での展張や収納には苦慮しているの
が現実であり、何れにしても雨天時においても施工可能
な工法を開発する必要があった。
【0006】ここで、雨天時における施工や、施工後の
養生を行なう方法として、施工現場においてその施工範
囲を覆う雨よけの仮設屋根を構築したり、組立式のテン
トなどを立てたりする方法も考えられるが、このような
仮設屋根やテントなどを相当に広い範囲に亘って設ける
には膨大な手間や費用がかる問題があり、しかも、施工
領域が変わるのに伴って屋根の解体および組立作業が必
要となり、これでは天候の回復待ちとする従来工法によ
る方が有利になってしまう場合もある。また、例えば施
工に邪魔にならないように、その施工領域の上方に仮設
屋根を吊り下げておくようにすることもできる。しか
し、単に仮設屋根を吊り下げるだけでは、これが不要な
ときあるいは強風時などにおいて安全な場所へ収納した
り、邪魔なときに移動させたりするのに、そのほとんど
の作業を人力に頼る構成では極めて取り扱い性が悪く不
便である。
【0007】
【発明の目的】本発明は、以上のような点を考慮してな
されたもので、屋根全体が拡張および収縮する開閉式の
吊り下げ屋根とすることによって、ダムのような露天で
の大型構造物の施工において、特に雨天時においても施
工および養生などの通常の作業を行なうことができるだ
けでなく、施工領域が変わるのに伴って屋根を容易に移
動させて広範囲に及ぶ施工を可能にし、しかも屋根全体
が軽量で、コンパクトに収納できて、取り扱い性に優れ
た全天候施工用屋根装置を提供しようとするものであ
る。また、本発明は、屋根自体の自重を利用することに
よって、屋根を拡張および収縮させることができる全天
候施工用屋根の開閉方法を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明では、
施工すべき構造物よりも上方位置に、その構造物を横切
るように架設するメインワイヤーと、このメインワイヤ
ーに沿って移動可能に設けたキャリア装置と、このキャ
リア装置を移動させるための移動手段と、キャリア装置
を介して吊り下げ、かつ、メインワイヤーの長さ方向に
拡張および伸縮可能に構成した屋根とを備える。この屋
根は、メインワイヤーの長さ方向と交差する方向に延
び、かつ、メインワイヤーの長さ方向に間隔をおいて配
置される複数の屋根フレームと、これらの屋根フレーム
を被って屋根フレームどうしを連結する防水性の屋根シ
ートとを含む。そして、各屋根フレームのそれぞれが、
キャリア装置に対して吊りワイヤーにより吊り下げられ
る。
【0009】したがって、移動手段により、キャリア装
置をメインワイヤーに沿って移動させると、このキャリ
ア装置に吊られている屋根全体もメインワイヤーの長さ
方向に移動する。屋根自体は、メインワイヤーの長さ方
向に拡張および収縮可能であるので、不要なときは収縮
させた状態で収納可能になる。また、屋根の骨組みとな
る屋根フレームが、メインワイヤーの長さ方向に間隔を
おいて配置され、それらはシートで連結される構成であ
る場合、屋根自体が全体的に軽量となるうえに、屋根フ
レームどうしは互いに接近する方向に容易に移動可能に
なる。これにより、屋根全体をメインワイヤーの長さ方
向に充分に収縮させるような形態でコンパクトに折り畳
んで収納したり、使用時に拡張させたりすることがきわ
めて容易になる。
【0010】また、キャリア装置として、メインワイヤ
ーに沿って走行移動可能でしかもメインワイヤーの長さ
方向に間隔をおいて配置される複数個のキャリアで構成
し、これらのキャリアを、連結手段によって互いに接近
および離間可能に連結した場合、キャリア装置全体がメ
インワイヤーの長さ方向において拡張および収縮自在と
なる。したがって、屋根全体を収縮させるに、キャリア
装置を収縮させることによって、屋根の収縮作業を行え
ることになるので、人力作業が軽減され、取り扱いが容
易になる。
【0011】また、キャリア装置の各キャリアは、吊り
ワイヤーをガイドするための定滑車を備え、吊りワイヤ
ーは、各キャリアの定滑車を通る一本のワイヤーからな
り、この吊りワイヤーの前記定滑車間に位置する部分
に、吊りワイヤーにより吊り下げられる動滑車がそれぞ
れ設けられ、これらの動滑車に対し、前記屋根フレーム
が吊り索により吊り下げられる構成とした場合、複数の
動滑車を吊るための吊りワイヤーが一本で済むので単純
になり、しかも各キャリアに対し、屋根の自重によりキ
ャリアどうしを互いに接近させる方向の力を効率的に作
用させることができる。
【0012】また、防水性の屋根シートとして、湿潤時
に伸張し、乾燥時に収縮する形状記憶シートを用いた場
合、雨天時に屋根を展張したとき、屋根シートにかかる
雨水によって屋根シート自体の屈曲部分やしわなどが全
体的に伸張し、屋根シートによる屋根の形状が屋根フレ
ームとの相乗作用により良好な形態で保持される。
【0013】さらに、本発明では、施工すべき構造物よ
りも上方位置に、その構造物を横切るようにメインワイ
ヤーを架設し、このメインワイヤーに沿って移動可能に
複数個のキャリアを設け、これらのキャリアに対し、前
記メインワイヤーの長さ方向に拡張および収縮可能に構
成した屋根を吊り下げて支持し、前記各キャリアをメイ
ンワイヤーの長さ方向に相対移動させることによって前
記屋根を拡張および収縮させる屋根の開閉方法が採られ
る。このようにすると、各キャリアを相対移動させるこ
とにより、屋根自体の自重によりキャリアに対して屋根
が追従する作用が生じることになり、したがって、この
追従作用が屋根を開閉する作用として働く。なお、施工
すべき構造物がダムである場合、メインワイヤーは相当
な長さとなるので、キャリア装置の移動手段としては、
例えばウインチ等で巻取ー巻出しを行う、引き出しワイ
ヤー等を用いるのが望ましく、また、キャリア相互の連
結手段についても、軽量かつ強靱でしかも可橈性をもつ
ワイヤー等の索具が好適である。
【0014】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付の図1な
いし図4を参照して説明する。図に示す実施例は、本発
明による全天候施工用屋根装置を、雨天時におけるフィ
ルダムDの施工に用いた場合に好適な例を示したもので
ある。
【0015】本実施例による全天候施工用屋根装置は、
図1および図3に示すように、施工すべき構造物である
ダムDよりも上方位置に架設されたメインワイヤーM
と、このメインワイヤーMに沿って走行移動可能に設け
られたキャリア装置Kと、このキャリア装置Kを移動さ
せるための移動手段10と、前記キャリア装置Kを介し
て吊り下げられた屋根Yとを備える。
【0016】前記メインワイヤーMは、施工すべきダム
Dの上方位置において、そのダムDのダム軸方向に沿っ
て延びるように架設されている。即ち、図1において左
右の対岸となる傾斜地山の上方部位に、反力構造部1、
2がそれぞれ設けられ、これらの反力構造部1、2間に
メインワイヤーMが架設されている。ダムDは、図2に
示すように、堤体内部に設けられてダム軸方向に延びる
中央のコア材3、このコア材3の上流側および下流側に
設けられるロック材4、5を有する、いわゆるロックフ
ィルダムの例が示されている。
【0017】前記キャリア装置Kは、この実施例では、
メインワイヤーMの長さ方向に間隔をおいて配置された
5基のキャリアk1、k1、…を備え、これらのキャリ
アk1は、連結手段20によって互いに接近および離間
可能に連結されている。連結手段20としては、機械的
に伸縮可能な部材を用いることもできるが、ここでは、
軽量かつ強靱でしかも可橈性を有する索具材料であるワ
イヤー21が用いられ、その両端部が隣り合うキャリア
k1、k1に接続された構成とされている。また、キャ
リア装置Kの移動手段10としては、ここでは、一対の
引き出しワイヤー11、11が用いられ、それらの一端
部が5基のキャリアk1のうちの一方の反力構造部1寄
りのキャリアk1と、他方の反力構造部2寄りのキャリ
アk1とにそれぞれ接続され、それらの他端部が反力構
造部1、2内に設けられたウインチのドラム等(図示せ
ず)に巻かれ構成とされている。
【0018】各キャリアk1は共に同一構造のもので、
矩形枠状の本体部30の上辺部分に設けられ、メインワ
イヤー上を走行させるための2個の車輪31、31と、
本体部30の下辺部分に設けられ、吊りワイヤー40に
よって屋根Yを吊り下げるための定滑車32、32とを
備える。吊りワイヤー40は、各キャリアk1の定滑車
32、32をそれぞれ通る一本のワイヤーからなり、そ
の両端部分が反力構造部1、2内にそれぞれ設けられ
た、同じくウインチのドラム等に巻かれた構成である
が、同時に各キャリアk1の定滑車32、32間部分に
それぞれ位置させる5個の動滑車50、50、…をも通
る構成である。これにより、各キャリアk1の定滑車3
2、32間には、吊りワイヤー40を利用したダブルホ
イップ式の動滑車50がそれぞれ構成されている。そし
て、各動滑車50には、屋根Yを直接吊り下げるための
吊り索60がそれぞれ接続されている。
【0019】前記屋根Yは、前記メインワイヤーMの長
さ方向と交差する水平方向に延び、かつメインワイヤー
Mの長さ方向に間隔をおいて配置される複数の屋根フレ
ーム70と、これらの屋根フレーム70を被って屋根フ
レーム70どうしを連結する防水性の屋根シート80と
を含ム。屋根フレーム70は、この実施例では、屋根シ
ート80に屋根の形状を保持させるために上方へゆるい
円弧状に湾曲させた上弦材71と、この上弦材71の2
/3程度の長さをもち、両端部が上弦材71の下面側に
固定された補強用の下弦材72と、これら上弦材71お
よび下弦材72の長さ方向中央部分に位置して両者間に
差し渡されて固定された束材73とからなり、全体の軽
量化を考慮して、例えばアルミ合金製の角形あるいは丸
形のパイプ材などで形成されている。また、屋根フレー
ム70どうしは、それら各屋根フレーム70の重量がシ
ート80に作用するのを防ぐために、ロープなどの可橈
性をもつ連結索85によって、屋根フレーム70の長さ
方向の複数箇所で相互に連結されている。
【0020】この屋根フレーム70は、前記キャリアk
1の数に対応して5本配置され、各屋根フレーム70の
それぞれが各キャリアk1に対応する形態で前記吊り索
60を介して個別に吊られている。吊り索60は、屋根
フレーム70に偏心荷重や局部的な過大応力を集中させ
ず、しかも安定状態で吊り下げることができるように、
屋根フレーム70の長手方向中央部の1箇所と、その両
端よりも中央部寄りの位置の2箇所、合計3箇所で吊り
下げる構成である。
【0021】前記屋根シート80として、例えば一般的
な防水性シートを用いても良いが、屋根Y全体を拡張ま
たは収縮させるときの作業性や確実性等を考慮して、例
えば湿度に反応する形状記憶シートを用いるのが望まし
い。この形状記憶シートの記憶態様としては、雨水を受
けてのいわゆる湿潤時に伸張し、乾燥時に収縮する特性
をもつものが好適である。即ち、屋根シート80の伸張
時には屋根の形状を保持するように伸張し、収縮時には
屋根を折り畳んだときの形状を保持するように収縮する
構成とするのが好適である。なお、各屋根フレーム70
どうしを相互に連結する連結索85についても、屋根シ
ート80と同様の形状記憶特性を与えたいわゆる形状記
憶ロープを用いるようにしてもよい。
【0022】屋根Yの周囲には、風雨の打ち込みを防ぐ
ために、必要に応じて裾部シート90が設けられる。こ
の裾部シート90は、その下辺部分に、例えば永久磁石
を設けておき、屋根Yの下に配置したH鋼等の重り10
0に接着させることで仮止めしておくことができる。な
お、この裾部シート90についてもやはり形状記憶シー
トを用いることができる。その場合、この裾部シート9
0は乾燥時にロール状に巻かれ、湿潤時に伸張する記憶
態様をもつ構成とするのが望ましい。また、この裾部シ
ート90を設けるには、例えば屋根フレーム70の端部
に小さめの滑車を付け、ロープにて巻き上げる着脱式の
構成とすることにより、屋根Yの拡張及び収縮動作に支
障をきたすことなく設けることができる。図1および図
2において、符号101、102は、屋根Yを安定的に
保持するための張り綱を、符号110は屋根Yのメンテ
ナンスピットをそれぞれ示している。
【0023】上記のように構成された全天候施工用屋根
装置は、これを必要としない天候のときには、屋根Yを
収縮状態としてメンテナンスピット110内に収納して
おく。そして、雨天時においてこれを必要とするときに
は、一方の引き出しワイヤー11を巻き取り、他方の引
き出しワイヤー11を巻き出しながら、屋根Yを施工位
置の上方へ移動させる。この時点では、連結手段20を
構成するワイヤー21で連結された5基のキャリアk1
どうしは互いにほぼくっつくように接近した状態であ
る。
【0024】そして、屋根Yが施工位置の上方ににきた
ら、引き出しワイヤー11、11の両方を、あるいは何
れか一方を巻き取ることにより、キャリア装置Kを左右
(ダム軸方向)に引っ張り、各キャリアk1どうしを連
結するワイヤー21が伸張するまで行う。すると、キャ
リア装置Kの拡張に伴い、屋根Yも拡張して図4に示す
ような拡張状態となる。
【0025】次に、吊りワイヤー40を巻き出し、図1
に示すように、屋根Yを目的とする必要な高さまで下ろ
し、張り綱101、102にて固定する。ここで、裾部
シート90が通常のシートであるならば、その下縁部を
屋根Yの下に配置した重り100に、磁石にて接着して
位置決めする。また、裾部シート90が形状記憶シート
である場合には、充分に延びるのを待ってから磁石にて
接着する。なお、屋根Yの下の施工を終え、この部分を
養生する場合には、屋根Yを地上すれすれまで下ろして
おいても良い。また、次の施工領域へ移動させる場合に
は、引き出しワイヤー11、11、および吊りワイヤー
40を操作して、屋根Yをその施工領域へ移動させれば
よい。
【0026】この屋根Yを収納するときには、張り綱1
01、102を外し、重り100から裾部シート90を
離し、次いで、引き出しワイヤー11、11の少なくと
も片方を緩め、吊りワイヤー40を巻き取る。すると、
各キャリアーk1は吊り荷の重さで、即ち、屋根Yの重
さで一箇所に接近するように集まり、これに応じて屋根
Yもダム軸方向に収縮して自動的に折り畳まれる。そし
て、この状態において、さらに吊りワイヤー40を巻き
取り、屋根Y全体を上方へ吊り上げ、しかる後、引き出
しワイヤー11を巻き取りながら、吊りワイヤー40を
緩めないようにして屋根Yをメンテナンスピット110
側へ移動させてそこへ収納する。
【0027】なお、実施例においては、施工すべき構造
物としてフィルダムの例を示したが、例えばコンクリー
トダムや他の種類のダム、あるいは他の土木構造物の施
工、または大型建物の基礎工事などにも必要に応じて適
用できることは言うまでもない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
メインワイヤーに沿って移動可能に設けたキャリア装置
を介して屋根を吊り下げ支持する一方、屋根全体が拡張
および収縮する開閉式の屋根とし、キャリア装置を移動
させることにより屋根を移動させる構成とすることによ
って、ダムのような露天での大型構造物の施工におい
て、特に雨天時においても施工および養生などの通常の
作業を行なうことができるだけでなく、施工領域が変わ
るのに伴って屋根を容易に移動させて広範囲に及ぶ施工
を可能にすることができる。また、メインワイヤーの長
さ方向に間隔をおいて配置する屋根フレームとこれらを
被う屋根シートとで屋根を構成することにより、屋根全
体が軽量で、コンパクトに収納できて、取り扱い性に優
れた全天候施工用屋根装置を提供することができる。
【0029】また、キャリア装置として、メインワイヤ
ーに沿って走行移動可能でしかもメインワイヤーの長さ
方向に間隔をおいて配置される複数個のキャリアで構成
し、これらのキャリアを、連結手段によって互いに接近
および離間可能に連結した場合、キャリア装置全体がメ
インワイヤーの長さ方向において拡張および収縮自在と
なる。したがって、屋根全体を収縮させるに、キャリア
装置を収縮させることによって、屋根の収縮作業を行え
ることになるので、その分、人力作業を軽減して、取り
扱いを容易にすることができる。
【0030】また、キャリア装置の各キャリアは、吊り
ワイヤーをガイドするための定滑車を備え、吊りワイヤ
ーは、各キャリアの定滑車を通る一本のワイヤーからな
り、この吊りワイヤーの前記定滑車間に位置する部分
に、吊りワイヤーにより吊り下げる動滑車をそれぞれ設
け、これらの動滑車に対し、前記屋根フレームを吊り索
により吊り下げる構成とした場合、複数の動滑車を吊る
ための吊りワイヤーが一本で済むので単純にすることが
でき、しかも、その一本の吊りワイヤーに張力をかける
だけで、各キャリアに対し、屋根の自重を働かせてキャ
リアどうしが互いに接近する方向への力を効率的に作用
させることができる。
【0031】また、防水性の屋根シートとして、湿潤時
に伸張し、乾燥時に収縮する形状記憶シートを用いた場
合、雨天時に屋根を展張したとき、屋根シートにかかる
雨水によって屋根シート自体の屈曲部分やしわなどが全
体的に伸張し、屋根シートによる屋根の形状を屋根フレ
ームとの相乗作用により良好な形態で保持することがで
きる。したがって、屋根の主体がシートであるにもかか
わらず、屋根勾配を仮に小さくしても屋根シート上に水
たまりなどが生じないような良好な屋根形状とすること
ができる。さらに、屋根シートの形状記憶作用により、
屋根の開閉を簡単に、しかもよりコンパクトに折り畳む
ことができる。
【0032】さらに、本発明では、このメインワイヤー
に沿って移動可能に複数個のキャリアを設け、これらの
キャリアに対し、メインワイヤーの長さ方向に拡張およ
び収縮可能に構成した屋根を吊り下げて支持し、各キャ
リアをメインワイヤーの長さ方向に相対移動させること
によって屋根を拡張および収縮させる屋根の開閉方法と
したので、屋根自体の自重を利用して、キャリアに対し
て屋根を追従させることができ、これにより屋根の開閉
を機械的にしかも小さな力で容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す正面から見た図であ
る。
【図2】 図1のAーA線に沿う側断面図である。
【図3】 キャリア装置部分の拡大正面図である。
【図4】 屋根の拡大正面図である。
【符号の説明】
M メインワイヤー D ダム K キャリア装置 Y 屋根 10 移動手段 20 連結手段 40 吊りワイヤー 50 動滑車 70 屋根フレーム 80 屋根シート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 施工すべき構造物の施工領域を被うため
    に用いる全天候施工用屋根装置であって、前記構造物よ
    りも上方位置に、その構造物を横切るように架設された
    メインワイヤーと、このメインワイヤーに沿って移動可
    能に設けられたキャリア装置と、このキャリア装置を移
    動させるための移動手段と、前記キャリア装置を介して
    吊り下げられ、かつ、前記メインワイヤーの長さ方向に
    拡張および伸縮可能に構成された屋根とを備えているこ
    とを特徴とする全天候施工用屋根装置。
  2. 【請求項2】 前記屋根は、前記メインワイヤーの長さ
    方向と交差する方向に延び、かつ、メインワイヤーの長
    さ方向に間隔をおいて配置される複数の屋根フレーム
    と、これらの屋根フレームを被って屋根フレームどうし
    を連結する防水性の屋根シートとを含み、前記各屋根フ
    レームのそれぞれが、前記キャリア装置に対して吊りワ
    イヤーにより吊り下げられていることを特徴とする請求
    項1に記載の全天候施工用屋根装置。
  3. 【請求項3】 前記キャリア装置が、前記メインワイヤ
    ーに沿って走行移動可能でしかもメインワイヤーの長さ
    方向に間隔をおいて配置される複数個のキャリアからな
    り、かつ、これらのキャリアは、連結手段によって互い
    に接近および離間可能に連結されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の全天候施工用屋根装置。
  4. 【請求項4】 前記各キャリアは、前記吊りワイヤーを
    ガイドするための定滑車を備え、前記吊りワイヤーは、
    前記各キャリアの定滑車を通る一本のワイヤーからな
    り、この吊りワイヤーの前記定滑車間に位置する部分
    に、吊りワイヤーにより吊り下げられる動滑車がそれぞ
    れ設けられ、これらの動滑車に対し、前記屋根フレーム
    が吊り索により吊り下げられていることを特徴とする請
    求項3に記載の全天候施工用屋根装置。
  5. 【請求項5】 前記防水性の屋根シートが、湿潤時に伸
    張し、乾燥時に収縮する形状記憶シートからなることを
    特徴とする請求項2に記載の全天候施工用屋根装置。
  6. 【請求項6】 施工すべき構造物よりも上方位置に、そ
    の構造物を横切るようにメインワイヤーを架設し、この
    メインワイヤーに沿って移動可能に複数個のキャリアを
    設け、これらのキャリアに対し、前記メインワイヤーの
    長さ方向に拡張および収縮可能に構成した屋根を吊り下
    げて支持し、前記各キャリアをメインワイヤーの長さ方
    向に相対移動させることによって前記屋根を拡張および
    収縮させることを特徴とする全天候施工用屋根の開閉方
    法。
JP25933794A 1994-09-29 1994-09-29 全天候施工用屋根装置および屋根の開閉方法 Pending JPH0892944A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25933794A JPH0892944A (ja) 1994-09-29 1994-09-29 全天候施工用屋根装置および屋根の開閉方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25933794A JPH0892944A (ja) 1994-09-29 1994-09-29 全天候施工用屋根装置および屋根の開閉方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0892944A true JPH0892944A (ja) 1996-04-09

Family

ID=17332709

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25933794A Pending JPH0892944A (ja) 1994-09-29 1994-09-29 全天候施工用屋根装置および屋根の開閉方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0892944A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5789670A (en) * 1994-08-04 1998-08-04 Leybold Aktiengesellschaft Rain sensor

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5789670A (en) * 1994-08-04 1998-08-04 Leybold Aktiengesellschaft Rain sensor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20070102682A (ko) 커버링 시스템
JPH0892944A (ja) 全天候施工用屋根装置および屋根の開閉方法
JPH0892945A (ja) ダムの施工方法
JP3046927B2 (ja) 全天候型仮設屋根
JPH08260709A (ja) 全天候型仮設屋根
JP2836369B2 (ja) ビル建築用仮設梁組装置の屋根構造
JP2000192666A (ja) 仮設屋根
JP3904710B2 (ja) 仮設屋根
JP2001073494A (ja) 開閉式膜屋根装置
JPH09250244A (ja) 仮設屋根構造
JP2587352Y2 (ja) 開閉式仮設テント
JPH0329489Y2 (ja)
JP2876971B2 (ja) 全天候型斜面施工システム
JPH033731Y2 (ja)
JPH0762890A (ja) 建築現場用テント
JP3498118B2 (ja) 仮設屋根
JP2764366B2 (ja) 開閉機構を備えた仮設テント
JPH0821105A (ja) 全天候施工用自走式屋根装置
KR100250966B1 (ko) 자연환기성이 강화된 비닐하우스 시공구조
JP3927879B2 (ja) ビニールハウスのシート設営用具、およびそれに使用するシート案内ネット、ならびにそれらを使用したビニールハウスのシート設営方法
JP2001182330A (ja) 建築現場の施工・養生テント
JPH01223237A (ja) 伸縮自在屋根構造物
JP2616647B2 (ja) 開閉式全天候型仮設上屋
JPH0820935A (ja) ダムの施工方法
JP2616363B2 (ja) 開口部付き全天候型仮設上屋