JP3927879B2 - ビニールハウスのシート設営用具、およびそれに使用するシート案内ネット、ならびにそれらを使用したビニールハウスのシート設営方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の目的】
この発明は、農業用ビニールハウス、およびその外の倉庫、車庫といった用途にも広く利用されるビニールハウスの設営技術に関するものであって、特に、ハウス構造物に対する、ビニールシートの装着や取外しを、効率的且つ簡単な作業によって速やかに行うことを可能とする、新規な構造からなるビニールハウスのシート設営用具、およびそれに使用する新規な構造のシート案内ネット、ならびにそれらを使用した新規なビニールハウスのシート設営方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
我が国は、南北に細長い国土を有し、その地形も内陸や内海、島、山地、平地、盆地、傾斜地等のように複雑である上、周囲を海に囲まれ、各種の海流や、夏季に勢力を強める太平洋高気圧、および冬季にシベリアから張り出す寒気団等の影響を強く受けるため、各地の気候に夫々の特色がみられ、農作物を効率的に生産するために、各地方によって夫々独特の栽培形態が発達している。
【0003】
このような厳しい自然環境を克服するのに好適な施設としてガラス温室やビニールハウス等が利用されていて、特に我が国における農業の分野では、広い農地を有さず、四季を通じて大きく気候に左右されるという特殊事情があって、太陽エネルギーを有効利用して作物を適温に保つことができ、風雨の影響を避け、灌水、施肥管理、病虫害対策等に有利であって、年間を通じて同じ作物を栽培する周年栽培を実現することができる等、露地栽培に比較して有利な点が多く、良質な農作物を安定生産するのに有効であるという理由から、全国に渡ってそれら施設を利用した施設型農業が盛んに行われるようになっている。
【0004】
その中、取扱い性、経済性等の面で有利なものとして広く普及しているビニールハウスは、一般的にその多くが亜鉛鍍金を施した複数本の鉄製パイプを屈曲させて門型ハウス骨格とし、棟方向に所定間隔を隔てるようにして配置して丸屋根式(その他、片屋根式、両屋根式、または二重勾配式等のものもある。)の施設を形成し、その外側表面に塩化ビニル等のプラスチックシートを張架した構造とするものであり、この施設において張設されたビニールシートは、数年に渡って使用している中に、風雨や日光に晒され、寒暖の差を繰り返し受け続けることによって次第に劣化し、透光性も低下して太陽光の取り込みを充分に行えなくなる上、弾力を失って強風や降雨、雹、積雪等の外力によって容易に破けるようになってしまうことから、大切な作物を守り、良好な採光や保温を確保し、充分な栽培環境を維持するためにも、寿命を迎えたシートは、早急に交換しなければならないことになる。
【0005】
そうした必要から、ビニールハウスの骨格体に対してビニールシートを装着または取外し、装着する作業は大掛かりなものとなり、多数の人手を揃えて臨まなければ実施し得ず、しかも高所での張設作業となるために作業性が悪く、危険を伴うことから、施設型農業を営む農家にとって従前から大きな作業負担を強いられ続けており、こうした負担を少しでも軽減しようと、これまでにも様々な提案がなされ、それらの中の幾つかは実用に供されているものも少なくない。
【0006】
例えば、特開平7−289092号公報に開示された発明のように、ハウスの長手方向に配設した移動案内部に沿ってシート案内部を移動可能に設け、該シート案内部にシートの先端部を係止し、屋根面に沿って自動的に移動させながらシートを張掛けできるよう構成してなるハウスのシート張架装置をはじめ、特開平8−214710号公報に示された、ハウス骨格の屋根上に、棟方向に移動可能な走行部を有する可動な補助具と、屋根のアーチ形状に沿って棟と略直交するシート載置架台とを備え、ジグザグ状に折り畳まれたシートを、該シート載置架台上に搭載し、走行部を棟方向に移動させながら、シートを展開状に張架してゆく、ビニールハウスにおける屋根シート展張方法および屋根シート展張用補助具等のような、ビニールハウスを設営する各種技術の提案がなされてきている。
【0007】
しかしながら、これら従前から提案のあるシート張架装置や屋根シート展張用補助具等の多くは、対象とする施設が比較的大型のもので、使用装置や器具の設置に大掛かりな取付け工事と、それに伴って発生する多額の費用とを要する上に、ビニールハウス設営後の撤去作業についても同様に多くの労力を費やさざるを得ないものとなっており、加えて、全ての梁間方向の骨格体間に配置され、ビニールハウスに張架したシートを外側から抑え込むための多数本のシート張設紐(通称マイカ線)が梁間方向に架け渡されたままに残されている状態では、シートの張設作業を実施することができないものばかりで、シートを張り替える際には、全てのシート張設紐を一度撤去してしまい、シートを張架した後に、再度シート張設紐を掛け渡し直すといった二重の作業を必要とすることから、作業に多くの時間と手間とを費やさざるを得ないという難点や、強風や風雨雪等が吹き付ける荒天の中では、シート張設紐を失っていてシートがバタつき、張り替え作業の負担を増大させるといった不都合もあった。
【0008】
こうした事情に鑑み、本願発明者は、小型軽量であって小人数で効率的且つ簡単、迅速なビニールハウスへのシート張架作業を実現する、図8のシート設営用誘導具の断面図、図9の分解されたシート設営用誘導具の斜視図、および図10のビニールシート誘導作業の斜視図に示されているシート設営用誘導具を、既に開発し、実用化にも成功している。
【0009】
この本願発明者によるシート設営用誘導具は、円錐形に形成された誘導具7内の仮止め機構71(ループ状部分)にビニールシート6端の一部を通した上、図10中に示すように、ビニールハウスの棟方向全長に渡って立設された全ての梁間方向ハウス骨格5,5……、および同じく全ての梁間方向に架け渡されたシート張設紐51,51,……の間を、棟方向の一方から他方へ通過するように配した上、誘導具7とは反対側となるよう配置された他端側を、図示しないウインチ、農業用機械あるいは人力等によって牽引操作し、誘導具7に先立って牽引索条8に牽引するようにすることにより、先頭用カバー72が、連結部を梁間方向ハウス骨格5やシート張設紐51の間を摺り抜けるように案内し、さらにその後に続く誘導具7がビニールシート6を引き摺るようにして全ての梁間方向ハウス骨格5,5,……、および全てのシート張設紐51,51,……の間を次々と通過し、該ビニールシート6がハウスの棟方向の全体を包囲する状態とした上、棟方向の他方に抜け出した誘導具7の接続索条を緩め、仮止め機構71(ループ状部分)を拡開させ、仮止め状となっていたビニールシート6の一部を取り外した後、ハウス全体に皺や弛みを生じないよう張設状とすることを可能とするものであった。
【0010】
当該シート設営用誘導具は、シート張設紐51,51,……が残されたままのビニールハウスに対しても、一旦ハウス骨格5,5,……の上にまでビニールシート6を誘導しさえすれば、その後の牽引ではシート張設紐51,51,……の下を潜らせた装着するのに有効なものであったものの、長尺なビニールシート6の一端側を何れか所望の箇所のハウス骨格5の上にまで誘導しようとすると、長い作業梯子を使って作業者が担ぎ上げるか、あるいは特殊な回転ドラムを引き上げ箇所となるハウス骨格5に取り付け、その真下に用意したビニールシート6に誘導具7を装着し、それから延びるようにした牽引索条8が先ず回転ドラムを経由するようにした上で農業用機械あるいは人力等によって牽引操作する等といった手段しか特に有効な手段もなく、多少の風があるときの作業では広がってしまって引き上げ、誘導作業ができなくなってしまうだけではなく、非常に危険を伴うものになってしまうため、ビニールシート6の中途中途を所定間隔置きに紐で縛るという余計な作業を必要とすることになり、それは、ビニールシート6を首尾良くハウス骨格5,5,……上に誘導した後で再び取り除くといった作業まで付随することとなって更に余分な作業を必要としてしまうという欠点をもつものであった。
【0011】
この発明は、以上のように、本願出願人において実用化済のシート設営用誘導具が、既存のハウス骨格に張設されたシート張設紐を撤去せずにビニールシートを装着し得るようにするものではあったものの、それを何時でも有効に使用し得るようにすることはできないものかとの期待から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造からなるビニールハウスのシート設営用具、およびそれに使用する、新規な構造からなるシート案内ネット、ならびにそれらを使用した新規なビニールハウスのシート設営方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述していくこととする。
【0012】
【発明の構成】
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のビニールハウスのシート設営用具は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、束状に収縮化したハウス用ビニールシートを通過可能とする中空サイズであって所定長とした筒状本体の、両端開口部分の中の少なくともビニールシートの引込み側となる開口部分全周に渡って、外側に向けて滑らかに拡開状となるようにした反返り縁を連続形成すると共に、それら適所の外側を門型ハウス骨格への着脱自在な装着部にしてなる構成を要旨とするビニールハウスのシート設営用具である。
【0013】
この基本的な構成からなるビニールハウスのシート設営用具を、記載表現を変えたものとして示せば、束状に収縮化したハウス用ビニールシートを通過可能とする中空サイズであって所定長とし、中途を屈曲状としてなる筒状本体の、両端開口部分の中の少なくともビニールシートの引込み側となる開口部分全周に渡って、外側に向けて滑らかに拡開状となるようにした反返り縁を連続形成すると共に、該反返り縁を下向き状となるようにした姿勢で、それら適所の外側をハウス骨格への着脱自在な装着部にしてなるビニールハウスのシート設営用具であるということができる。
【0014】
筒状本体は、その中空部中にハウス用ビニールシートを強制的に引き込むようにして通過させることにより、ビニールシートを束状に収縮化させた状態としながら、ハウス骨格の所望する箇所へ簡単且つ確実に導くことを可能とする機能を果たすものであり、束状に収縮化させたハウス用のビニールシートを比較的容易に通過可能な程度の中空サイズに設定された所定長の筒形に形成し、少なくともビニールシートの引込み側となる開口部分に、拡開状となる反返り縁を形成したものとしなければならず、外側適所にハウス骨格の適所に脱着自在に仮固定可能な装着部を設けたものとすべきであり、中途部を90゜に満たない適宜角度に折曲し、ビニールシートの引込み側となる開口部を下向きに取付け可能な構造とするのが望ましい。
【0015】
反返り縁は、比較的幅広なハウス用ビニールシートを筒状本体中に引込む際に、ビニールシートに擦り傷や破れ等を生じないよう、円滑且つ強制的にビニールシートを束状とするよう収縮化させる機能を果たすものであり、開口部の全周縁が筒状本体の中空サイズよりも拡開状となるよう展開させたものとしなければならず、漏斗状あるいは所望の曲率をもって外側に湾曲されたものとするのが望ましく、必要に応じて内周壁面に環状の低摩擦素材を貼着あるいは装着したり、内周壁面に複数の球状突起を形成し、通過するビニールシートとの接触面積を小さくして摩擦を減少させるよう形成したものとすることができる。
【0016】
装着部は、ハウス骨格の所望する箇所に、筒状本体をビニールシートの引上げに好適な姿勢となるよう仮固定状とし、筒状本体中にビニールシートを通過させている間に渡って同筒状本体を強固に保持する機能を果たすものであり、ビニールシートの円滑な通過に支障をきたさないよう筒状本体の外側に設けられたものにすると共に、長尺なビニールシートの荷重に耐えるよう十分な強度を有するものとしなければならず、筒状本体の外周に沿って複数の取付け環を設け、これら取付け環に取付けバンドやロープ、紐、吊着金具等を取付け可能としたものや、複数本のハウス骨格に嵌着可能なアームや、複数本のハウス骨格に添え木状に平行させて結束状に縛り固定する構造等とすることができる外、一対の水平な棒状であってそれら中途部適所の夫々に長さ調節機構を有し、各両端には、隣接する門型ハウス骨格の上部間に掛け渡し状に掛着可能な掛着鈎部を形成してなる跨り杆部を設け、これら一対の跨り杆部間に筒状本体の中途部適所を配置、固定可能としてなるものとすることができる。
【0017】
ビニールシートは、ビニールハウスの全部もしくは一部のハウス骨格体に張設可能であって、ビニールハウス内部を覆うシート状物を形成する機能を果たすものであり、透明な農業用ビニールシート、表面処理や着色を施してなる反射シートや日除けシート等の外、寒冷紗、不織布、ネット等ビニールハウスに使用可能なシート状素材であれば全てがこれに含まれる。
【0018】
【関連する発明1】
上記したビニールハウスのシート設営用具に関連し、この発明には、以下のとおりのビニールハウスのシート設営用具に使用可能なシート案内ネットを包含しており、その構成は基本的に次のとおりのものである。
即ち、ハウス用ビニールシートを用意した地上部から当該シートの引上げ箇所となる辺りの門型ハウス骨格にまで達する十分な長さを有し、束状にしたままの当該シートを楽に通過させるだけの底無袋状であって、地上部側となる開放端を地上適所への固定部、引上げ側となる開放端をシート設営用具への仮着部とするように構成した、前記したこの発明のビニールハウスのシート設営用具に使用するシート案内ネットである。
【0019】
シート案内ネットは、地上から離れて設置されたシート設営用具までビニールシートを安定して導き、風による煽りを抑えると共に、シート設営用具の開口部に達する前に、幅広状のビニールシートを筒状本体中空サイズに近づけ、ある程度の束状に収縮化して円滑な引込み作業を可能とする機能を果たすものであり、ビニールシートを容易に通過可能な寸法に設定し、ビニールシートの通過時に加わる荷重や移動による擦れに十分に耐える強度を有するものとしなければならず、ビニールシートに擦り傷や破損を生じない比較的軟質な素材を選択すべきであり、シート設営用具の引込み側の開口部に装着する開放端には、シート設営用具自体またはその付近のハウス骨格等に仮固定可能な仮着部を形成し、地上側となる開放端に、地面に対して固定可能な固定部を形成したものとすべきである。
【0020】
固定部は、シート案内ネットの地上部側となる開放端を、地上側の適所に固定可能とすると共に、同地上部側の開放端を、ビニールシートが円滑に通過できるよう開放状態に保持可能とする機能を果たすものであり、ビニールシートの引込み作業を阻害しないよう開放端縁部の適所を地面適所の固定物に繋着したものとするのが望ましく、例えば開放口の左右側に、左右夫々に対応する地面に打ち込まれた杭に繋着可能な縛り紐や掛着環等を設けたものや、開放口下側縁部に沿って重量の大きな固定錘を複数個、添着したものとすることにより、所望する地上箇所に固定可能としたものとすることができる。
【0021】
仮着部は、シート案内ネットのシート設営用具引込み側の開放端を、シート設営用具の適所、あるいはシート設営用具が取付けられた付近のハウス骨格等に取付け可能とすることにより、同開放端をシート設営用具引込み側の開口部に接続状とする機能を果たすものであり、シート案内ネット開放端の周縁部に沿って複数の縛り紐や掛着環等を設け、シート設営用具の外周壁に一体形成した複数の掛着鈎に繋着可能とすることが可能である外、シート設営用具引込み側開口部に形成された拡開状の反返り縁の外側を覆い中途部外周に達するよう接続し、シート設営用具中途部外周にベルトや縛り紐を用いて縛り着け、該反返り縁に掛着、吊り下げ状とするよう装着できる構造とすることも可能である。
【0022】
【関連する発明2】
上記したビニールハウスのシート設営用具に関連し、この発明には、ビニールハウスのシート設営用具を使用したビニールハウスのシート設営方法も包含しており、その構成は、基本的に以下のとおりとなっている。
即ち、門型ハウス骨格の屋根部付近適所に筒状本体を配置し、筒状本体の引込み側となる開口部を下向き状とし、これとは反対側となる開口部を同ハウス骨格の屋根部上に開口するよう、装着部を介して仮固定した上、ビニールシートの一端側適所を仮止め繋着した牽引索条を、当該筒状本体の引込み側開口部から反対側の開口部へ通過するよう牽引操作することにより、ビニールシートを束状に収縮化させ、ハウス骨格の屋根部付近の所望する箇所に確実に誘導することを可能とする、この発明の前記したビニールハウスのシート設営用具を使用するようにしたビニールハウスのシート設営方法である。
【0023】
この発明のビニールハウスのシート設営方法を、他の表現によるものとして示せば、門型ハウス骨格の屋根部付近適所に筒状本体を配置させ、同筒状本体の引込み側の開口部を下向き状とし、これとは反対側となる開口部を同ハウス骨格の屋根部上に開口するよう、装着部を介して仮固定すると共に、当該筒状本体の引込み側の開口部に、シート案内ネットの引き上げ側上方開放端を、仮着部を介して接続し、斜め下方に延伸した同シート案内ネットの下方開放端を、開口状態を確保するよう、固定部を用いて地上に仮固定した上、ビニールシートの一端側適所を仮止め繋着した牽引索条を、シート案内ネット下方開放端から同上方開放端、ならびにこれに接続した筒状本体引込み側開口部から反対側の開口部へと通過するよう牽引操作することにより、ビニールシートを束状に収縮化させ、ハウス骨格の屋根部付近の所望する箇所に確実に誘導することを可能とする、前記したこの発明のビニールハウスのシート設営用具、および前記シート案内用筒型ネットを使用してなるビニールハウスのシート設営方法ということができる。
【0024】
この発明のビニールハウスのシート設営方法は、ハウス骨格にビニールシートを装着する場合や、交換作業を行う場合に好適なものであるが、その手順を変更し、シート設営用具の装着向きや姿勢等を適宜変更することにより、ハウス骨格に装着されている既存のビニールシートを取り外し、巻き取りを行う作業にも応用することが可能であり、例えば、筒状本体の引込み側の開口部をハウス骨格の屋根部上に開口するよう配置し、これとは反対側となる開口部を下向き状とするよう仮固定した上、張設されている既存のビニールシートの一端側適所を仮止め繋着した牽引索条を、当該筒状本体の引込み側開口部から反対側の開口部へ通過するよう牽引操作することにより、ビニールシートを束状に収縮化させ、ハウス骨格ら離脱させ、地上付近の所望する箇所まで確実に誘導することを可能とする、ビニールシートの撤収方法として応用することが可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【0025】
【実施例1】
図1の使用状態にあるシート設営用具の斜視図、図2の屈曲形成されたシート設営用具の側面図、図3の直管状に形成されたシート設営用具の側面図、および図4の長さ調節構を有する装着部の斜視図に示される事例は、所定長を有する円筒形であってその中空部内径を、束状に収縮化したハウス用ビニールシートが通過可能な直径に設定してなる筒状本体を設け、同筒状本体両端開口部分の中の少なくともビニールシート引込み側開口部分の全周に渡り、反返り縁を滑らかな形状で連続形成した基本的構成からなるこの発明に包含されるビニールハウスのシート設営用具における代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【0026】
当該ビニールハウスのシート設営用具1は、図1中に示すように、塩化ビニルやポリカーボネート等の合成樹脂製、あるいはアルミニウム合金等の軽金属製の比較的軽量に形成された内径約150mm前後、全長約1m前後の円筒形であって中途部適所を約45゜の角度に折曲した筒状本体2を有し、同筒状本体2の両端開口部分の夫々には、内周壁面から滑らに連続する拡開状とした反返り縁21,21を一体形成したものである。
【0027】
筒状本体2の中途部外周部には、上下に分割されボルト・ナットによって脱着可能に装着された姿勢支持用の金属製取付けバンド31,31と、これら金属製取付けバンド31,31の左右接合部間に、連結片部が挟み込まれ、該筒状本体2を挟んで平行状に一体化された、左右一対の跨り杆部32,32の中途部が結合されており、各跨り杆部32,32の一方端側中途部の夫々には、一方が棒状で他方をパイプ状に形成することによって伸縮可能とし、外周面から中心側に向けて先端側にボルト部、後端側に操作ノブを設けた止め金具34を螺着してなる長さ調節機構33,33を設けた上、各跨り杆部32,32の両端部には、ビニールハウスの棟方向に隣接する門型ハウス骨格5,5間に上方から跨り状に掛着可能とする略U型もしくは略J型状に折曲された掛着鈎部35,35,……を形成したものとなっており、何れか一方の跨り杆部32に棟方向の梁材に掛着可能な吊着鈎36を設けたものとしている。
【0028】
筒状本体2は、一方の端部から屈曲部分までの長さ寸法を、ビニールハウスの棟方向に隣接する門型ハウス骨格5,5間の離反距離と略一致させるか、あるいは当該離反距離を越える寸法とすることにより、ハウス骨格5,5間に筒状本体2自体を掛け渡し状とし、縛り紐や固定バンド等を使用した固定を容易に行うことができるよう構成することが可能であり、また、図1および図2のように、屈曲形状としたものの外に、図3中に示すように、直管状に形成したものとすることも勿論可能である。
【0029】
各掛着鈎部35,35,……や掛着鈎36の外表面には、合成樹脂被膜を施して門型ハウス骨格5,5への掛着摩擦を確保可能とすると共に、硬質部分が門型ハウス骨格5,5に直接的に接触してしまうことを避けて傷付きや錆びの発生を防止できるものとすることが可能である。
【0030】
【実施例2】
図5の使用状態にあるシート案内ネットの斜視図に示される事例は、ハウス骨格5の屋根上部に設置されたシート設営用具1の引込み側開口部に、シート案内ネット4を装着し、ビニールシートの引き上げ作業を容易にした、この発明に包含されるビニールハウスのシート設営用具に使用するシート案内ネットの一実施例を示すものである。
【0031】
当該シート案内ネット4は、農業用防風網や防雪網等に用いられる網素材を底無袋状に編み上げたものからなり、シート設営用具1の筒状本体2における引込み側開口部に被着状に装着できるよう、反返り縁21の外径寸法を僅かに越える程度であって、束状に収縮化したハウス用ビニールシート6を容易に通過できる内径寸法のものとし、該ハウス屋根上のシート設営用具1引込み側開口部から略45゜の角度で下方に延長したときに地上に到達可能となる全長寸法に設定してなるものであり、地上部側となる開放端の左右縁部には、地面に打ち込まれた二本の杭の夫々に繋着可能な繋着紐、繋着鈎あるいは繋着環等からなる固定部41,41を設け、これとは反対側の引上げ側の開放端左右縁部には、シート設営用具1の外周壁適所、あるいはシート設営用具1が装着されたハウス骨格5の適所に繋着可能な繋着紐あるいは繋着鈎等からなる仮着部42,42を形成したものである。
【0032】
シート案内ネット4の開放端開口部に環状の補強縁部を設けて開口形状を維持できるものとすることが可能であり、さらに、底無袋状の本体部分には、両開放端間、もしくは固定部41,41から仮着部42,42間の外周適所に渡り、ビニールシート6を通過させる際の荷重を担うワイヤーやピアノ線等を使用してなる補強線を添設したものとすることができる。
【0033】
【作用】
以上のとおりの構成からなるこの発明のビニールハウスのシート設営用具は、以下のようにして、この発明に包含されるビニールハウスのシート設営方法に使用することが可能である。
シート設営用具1は図1に示すように、円筒形軸心をハウス骨格5,5,……上の一端に、棟方向に平行状とするよう配置し、反返り縁21が形成された開口部を、ハウス骨格5,5,……の外側下側に向けた姿勢とするよう仮固定し、円錐形の誘導具7に仮止めしたビニールシート6を、筒状本体2の下向き状とした引込み側開口部から反対側の開口部へ通過させ、ハウス骨格5,5の棟方向反対側から誘導具7の牽引索条8を、図示しないウインチ、農業用機械あるいは人力等によって牽引操作し、円錐形の誘導具7諸共ビニールシート6を筒状本体2中に引き込むと、反返り縁21に案内されたビニールシート6が、束状となるよう円滑に縮小化され、筒状本体2を通過した後も、ハウス骨格5,5,……上の略中央に沿って延伸状となるよう引き続き案内支持され、ハウス骨格5,5,……上の全てあるいは所望する範囲を覆う量のビニールシート6が引き出される間に渡り、ハウス骨格5,5上からビニールシート6が滑り落ちないよう案内されることとなる。
【0034】
装着部3は、図4中に示すように、シート設営用具1を設置する際に、平行状に隣接する門型ハウス骨格5,5の屋根部間に、跨り杆部32,32を掛渡し状とし、各端部の掛着鈎部35,35,……を対応する門型ハウス骨格5,5に掛着するよう、長さ調節機構33,33を伸縮、調節して止め金具34,34を締め付けることにより、棟方向の固定を行うと共に、吊着鈎36をハウス骨格5,5,……の頂部付近に横設されたパイプ梁材に掛着して落下しないよう仮固定することが可能であり、不要なときには、長さ調節機構33,33を緩めることによって簡単に取り外すことが可能となる。
【0035】
また、取付けバンド31,31のボルト・ナットによる締め付け部分にスペーサー等を追加することにより、筒状本体2の取付け高さ位置を上下方向に移動させることが可能となり、ハウス骨格5,5,……の上部または下部の何れかに装着することが可能となり、屈曲型の筒状本体2を、図2に、あるいは直管型の筒状本体2を、図3に示すように、ハウス骨格5,5,……の屋根部下側に吊着状に仮固定し、ハウス骨格5、5,……の内側にビニールシートや寒冷紗、防虫ネット等を張着したり、あるいは、ハウス骨格5,5,……の屋根上に装着されたビニールシートを剥がし取る際に利用可能とすることができる。
【0036】
さらに、ハウス骨格5,5,……の屋根部上に設置されたシート設営用具1は、図7の撤去中のビニールシートを示す斜視図に示されるように、該シート設営用具1と略同様の構造をもつシート中継用具11を、トラックやその外の固定箇所に縛り、同シート中継用具11に、シート設営用具1を通過するように引き出すことにより、上向きの反力を抑え込んでトラクターや図示しないウインチ等による牽引を効率的に行うことができるものとすることが可能である。
【0037】
さらにまた、ハウス骨格5,5上に設置されたシート設営用具1の引込み側開口部にシート案内ネット4の引上げ側の開放端を接続し、近傍のハウス骨格5に各仮着部42,42を仮着し、また、下方略45゜の角度方向に向けて延伸状に垂下させた地上側開放端の固定部41,41を地面に打ち込まれた杭に掛着状に固定したものとすることにより、シート案内ネット4の地上側開放端から引上げ側開放端を通じて引き上げられるビニールシート6が束状に収縮化され、筒状本体2の引込み側開口部へと簡単、確実に導かれるものとなり、シート案内ネット4は、風を通過させてしまって強風の影響を受けず、ビニールシート6を束状にまとめ、表面に付着したゴミや泥、草等をはらい落としながら引上げことを可能とする。
【0038】
そして、シート設営用具1は、図6の連棟式のハウス骨格に設置したシート設営用具の斜視図に示されるように、連棟式ハウス骨格5,5,……の谷状交叉部に落とし込むようにして設置することも可能であり、ハウス骨格5,5,……上のシート設営用具1と地上との間に、反返り縁21の外径寸法よりも僅かに大きな内径に設定された樋状に湾曲、形成された案内パネル43を接続し、シート設営用具1に引き込まれるビニールシート6を下側から補助するようにして使用することも可能である。
【0039】
【効果】
以上のとおり、この発明のビニールハウスのシート設営用具によれば、ハウス骨格上に設置された筒状本体中を通過させるようにしてビニールシートを引き上げることにより、ハウス骨格屋根部からビニールシートがズレたり、滑り落ちたりすることを確実に防ぐことができると共に、該筒状本体の少なくとも引込み側の開口端部分に形成された反返り縁によってビニールシートに傷や破損を生じることなく、円滑に束状に収縮化して小人数であっても迅速且つ確実な張設作業を実現可能とすることができるという秀れた効果を発揮するものである。
【0040】
また、この発明のシート設営用具に使用するシート案内ネットによれば、ハウス骨格上に設置されたシート設営用具と地上とを底無袋状のシート案内ネットで接続することにより、ビニールシートを地上からシート設営用具まで引き上げる際に、強風による煽から保護できる上、シート案内ネットの形状に従ってビニールシートを束状に収縮化することにより、接触抵抗を低減してシート設営用具、筒状本体中への引込み作業を円滑化することができるという効果が得られるものとなる。
【0041】
そして、この発明のビニールハウスのシート設営方法によれば、軽量で簡素な構造のシート設営用具をハウス骨格上に設置するだけで、比較的重量が大きく嵩張って取扱い難いビニールシートを、小人数であっても容易にハウス骨格上に引き上げることが可能となり、従前までであれば多数の作業員が、脚立や梯子を掛けてハウス骨格上に登り、高所でビニールシートを引いて皺や片寄り等を生じないよう張設する作業が不可欠であったものが、こうした高所での作業を大幅に削減し、地上で牽引索条を引くことにより、ハウス骨格上の棟方向にビニールシートを移動させることができるものとなり、従前まで多大な費用と労力とを費やすことを覚悟しなければならなかったシート設営作業を、小人数によって迅速且つ安全で、経済的な作業に改善することを可能とすることができるという秀れた特徴が得られるものである。
【0042】
特に、実施例に説明したビニールハウスのシート設営用具1は、上記した特徴に加え、図4に示すように、装着部3の跨り杆部32,32に長さ調節機構33,33を設けたことにより、ハウス骨格5,5,の設置間隔が異なるビニールハウスであっても、その間隔に応じて自在に長さ調節することが可能であり、ビニールハウスの形式や大小に拘らず、簡単に脱着することができるので、一台を多数のビニールハウスに交互に装着して利用することができる上、掛着鈎部35,35,……や吊着鈎36に合成樹脂被膜を形成したものとして、接触部間の摩擦力を高めてハウス骨格5,5,……への掛着をより確実なものとすることができる上、ハウス骨格5,5,……の鍍金層を保護して傷付きや錆びから保護し、シート設営用具1の脱着の繰り返しによるビニールハウスの傷付きを原因とする破損や老朽化を防ぐことができるものとなって、長期間に渡る使用を可能なものにするという実用的な効果を奏するようにしたものにすることもできる。
【0043】
叙述の如く、この発明のビニールハウスのシート設営用具、およびそれに使用するシート案内ネット、ならびにそれらを使用したビニールハウスのシート設営方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも小型軽量である上、構造が簡素で製造も容易なことから、従前からのシート展張用具等に比較して遥かに経済的なものであって、作業の安全性を確保し易くすると共に、作業効率自体も大幅に高めることができることから、費用の削減と作業工数の短縮とを確実に達成可能にし、ビニールハウスのシート張り替え作業の度に、多大な経費と労力とを費やしてきた施設型農業を営む農家にとっては勿論のこと、関連する農機具業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明のビニールハウスのシート設営用具、およびそれに使用するシート案内ネット、ならびにそれらを使用したビニールハウスのシート設営方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】ハウス骨格上に設置されたシート設営用具を示す斜視図である。
【図2】ハウス骨格下側に設置された屈曲形シート設営用具を示す側面図である。
【図3】ハウス骨格下側に設置された直管形シート設営用具を示す側面図である。
【図4】装着部の構造を示す斜視図である。
【図5】シート案内ネットの使用状態を示す斜視図である。
【図6】連棟式ハウスにシート設営用具を装着した例を示す斜視図である。
【図7】ビニールシートの取外しに利用するシート設営用具を示す斜視図である。
【図8】円錐形の誘導具の構造を示す断面図である。
【図9】分解された誘導具の構造を示す斜視図である。
【図10】誘導具の使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シート設営用具
11 同 シート中継用具
2 筒状本体
21 同 反返り縁21
3 装着部
31 同 取付けバンド
32 同 跨り杆部
33 同 長さ調節機構
34 同 止め金具
35 同 掛着鈎部
36 同 吊着鈎
4 シート案内ネット
41 同 固定部(地上部側となる開放端)
42 同 仮着部(引上げ側となる開放端)
5 門型ハウス骨格
51 同 シート張設紐
6 ハウス用ビニールシート
7 誘導具
71 同 仮止め機構
72 同 先頭用カバー
8 牽引索条
【発明の目的】
この発明は、農業用ビニールハウス、およびその外の倉庫、車庫といった用途にも広く利用されるビニールハウスの設営技術に関するものであって、特に、ハウス構造物に対する、ビニールシートの装着や取外しを、効率的且つ簡単な作業によって速やかに行うことを可能とする、新規な構造からなるビニールハウスのシート設営用具、およびそれに使用する新規な構造のシート案内ネット、ならびにそれらを使用した新規なビニールハウスのシート設営方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
我が国は、南北に細長い国土を有し、その地形も内陸や内海、島、山地、平地、盆地、傾斜地等のように複雑である上、周囲を海に囲まれ、各種の海流や、夏季に勢力を強める太平洋高気圧、および冬季にシベリアから張り出す寒気団等の影響を強く受けるため、各地の気候に夫々の特色がみられ、農作物を効率的に生産するために、各地方によって夫々独特の栽培形態が発達している。
【0003】
このような厳しい自然環境を克服するのに好適な施設としてガラス温室やビニールハウス等が利用されていて、特に我が国における農業の分野では、広い農地を有さず、四季を通じて大きく気候に左右されるという特殊事情があって、太陽エネルギーを有効利用して作物を適温に保つことができ、風雨の影響を避け、灌水、施肥管理、病虫害対策等に有利であって、年間を通じて同じ作物を栽培する周年栽培を実現することができる等、露地栽培に比較して有利な点が多く、良質な農作物を安定生産するのに有効であるという理由から、全国に渡ってそれら施設を利用した施設型農業が盛んに行われるようになっている。
【0004】
その中、取扱い性、経済性等の面で有利なものとして広く普及しているビニールハウスは、一般的にその多くが亜鉛鍍金を施した複数本の鉄製パイプを屈曲させて門型ハウス骨格とし、棟方向に所定間隔を隔てるようにして配置して丸屋根式(その他、片屋根式、両屋根式、または二重勾配式等のものもある。)の施設を形成し、その外側表面に塩化ビニル等のプラスチックシートを張架した構造とするものであり、この施設において張設されたビニールシートは、数年に渡って使用している中に、風雨や日光に晒され、寒暖の差を繰り返し受け続けることによって次第に劣化し、透光性も低下して太陽光の取り込みを充分に行えなくなる上、弾力を失って強風や降雨、雹、積雪等の外力によって容易に破けるようになってしまうことから、大切な作物を守り、良好な採光や保温を確保し、充分な栽培環境を維持するためにも、寿命を迎えたシートは、早急に交換しなければならないことになる。
【0005】
そうした必要から、ビニールハウスの骨格体に対してビニールシートを装着または取外し、装着する作業は大掛かりなものとなり、多数の人手を揃えて臨まなければ実施し得ず、しかも高所での張設作業となるために作業性が悪く、危険を伴うことから、施設型農業を営む農家にとって従前から大きな作業負担を強いられ続けており、こうした負担を少しでも軽減しようと、これまでにも様々な提案がなされ、それらの中の幾つかは実用に供されているものも少なくない。
【0006】
例えば、特開平7−289092号公報に開示された発明のように、ハウスの長手方向に配設した移動案内部に沿ってシート案内部を移動可能に設け、該シート案内部にシートの先端部を係止し、屋根面に沿って自動的に移動させながらシートを張掛けできるよう構成してなるハウスのシート張架装置をはじめ、特開平8−214710号公報に示された、ハウス骨格の屋根上に、棟方向に移動可能な走行部を有する可動な補助具と、屋根のアーチ形状に沿って棟と略直交するシート載置架台とを備え、ジグザグ状に折り畳まれたシートを、該シート載置架台上に搭載し、走行部を棟方向に移動させながら、シートを展開状に張架してゆく、ビニールハウスにおける屋根シート展張方法および屋根シート展張用補助具等のような、ビニールハウスを設営する各種技術の提案がなされてきている。
【0007】
しかしながら、これら従前から提案のあるシート張架装置や屋根シート展張用補助具等の多くは、対象とする施設が比較的大型のもので、使用装置や器具の設置に大掛かりな取付け工事と、それに伴って発生する多額の費用とを要する上に、ビニールハウス設営後の撤去作業についても同様に多くの労力を費やさざるを得ないものとなっており、加えて、全ての梁間方向の骨格体間に配置され、ビニールハウスに張架したシートを外側から抑え込むための多数本のシート張設紐(通称マイカ線)が梁間方向に架け渡されたままに残されている状態では、シートの張設作業を実施することができないものばかりで、シートを張り替える際には、全てのシート張設紐を一度撤去してしまい、シートを張架した後に、再度シート張設紐を掛け渡し直すといった二重の作業を必要とすることから、作業に多くの時間と手間とを費やさざるを得ないという難点や、強風や風雨雪等が吹き付ける荒天の中では、シート張設紐を失っていてシートがバタつき、張り替え作業の負担を増大させるといった不都合もあった。
【0008】
こうした事情に鑑み、本願発明者は、小型軽量であって小人数で効率的且つ簡単、迅速なビニールハウスへのシート張架作業を実現する、図8のシート設営用誘導具の断面図、図9の分解されたシート設営用誘導具の斜視図、および図10のビニールシート誘導作業の斜視図に示されているシート設営用誘導具を、既に開発し、実用化にも成功している。
【0009】
この本願発明者によるシート設営用誘導具は、円錐形に形成された誘導具7内の仮止め機構71(ループ状部分)にビニールシート6端の一部を通した上、図10中に示すように、ビニールハウスの棟方向全長に渡って立設された全ての梁間方向ハウス骨格5,5……、および同じく全ての梁間方向に架け渡されたシート張設紐51,51,……の間を、棟方向の一方から他方へ通過するように配した上、誘導具7とは反対側となるよう配置された他端側を、図示しないウインチ、農業用機械あるいは人力等によって牽引操作し、誘導具7に先立って牽引索条8に牽引するようにすることにより、先頭用カバー72が、連結部を梁間方向ハウス骨格5やシート張設紐51の間を摺り抜けるように案内し、さらにその後に続く誘導具7がビニールシート6を引き摺るようにして全ての梁間方向ハウス骨格5,5,……、および全てのシート張設紐51,51,……の間を次々と通過し、該ビニールシート6がハウスの棟方向の全体を包囲する状態とした上、棟方向の他方に抜け出した誘導具7の接続索条を緩め、仮止め機構71(ループ状部分)を拡開させ、仮止め状となっていたビニールシート6の一部を取り外した後、ハウス全体に皺や弛みを生じないよう張設状とすることを可能とするものであった。
【0010】
当該シート設営用誘導具は、シート張設紐51,51,……が残されたままのビニールハウスに対しても、一旦ハウス骨格5,5,……の上にまでビニールシート6を誘導しさえすれば、その後の牽引ではシート張設紐51,51,……の下を潜らせた装着するのに有効なものであったものの、長尺なビニールシート6の一端側を何れか所望の箇所のハウス骨格5の上にまで誘導しようとすると、長い作業梯子を使って作業者が担ぎ上げるか、あるいは特殊な回転ドラムを引き上げ箇所となるハウス骨格5に取り付け、その真下に用意したビニールシート6に誘導具7を装着し、それから延びるようにした牽引索条8が先ず回転ドラムを経由するようにした上で農業用機械あるいは人力等によって牽引操作する等といった手段しか特に有効な手段もなく、多少の風があるときの作業では広がってしまって引き上げ、誘導作業ができなくなってしまうだけではなく、非常に危険を伴うものになってしまうため、ビニールシート6の中途中途を所定間隔置きに紐で縛るという余計な作業を必要とすることになり、それは、ビニールシート6を首尾良くハウス骨格5,5,……上に誘導した後で再び取り除くといった作業まで付随することとなって更に余分な作業を必要としてしまうという欠点をもつものであった。
【0011】
この発明は、以上のように、本願出願人において実用化済のシート設営用誘導具が、既存のハウス骨格に張設されたシート張設紐を撤去せずにビニールシートを装着し得るようにするものではあったものの、それを何時でも有効に使用し得るようにすることはできないものかとの期待から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造からなるビニールハウスのシート設営用具、およびそれに使用する、新規な構造からなるシート案内ネット、ならびにそれらを使用した新規なビニールハウスのシート設営方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述していくこととする。
【0012】
【発明の構成】
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のビニールハウスのシート設営用具は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、束状に収縮化したハウス用ビニールシートを通過可能とする中空サイズであって所定長とした筒状本体の、両端開口部分の中の少なくともビニールシートの引込み側となる開口部分全周に渡って、外側に向けて滑らかに拡開状となるようにした反返り縁を連続形成すると共に、それら適所の外側を門型ハウス骨格への着脱自在な装着部にしてなる構成を要旨とするビニールハウスのシート設営用具である。
【0013】
この基本的な構成からなるビニールハウスのシート設営用具を、記載表現を変えたものとして示せば、束状に収縮化したハウス用ビニールシートを通過可能とする中空サイズであって所定長とし、中途を屈曲状としてなる筒状本体の、両端開口部分の中の少なくともビニールシートの引込み側となる開口部分全周に渡って、外側に向けて滑らかに拡開状となるようにした反返り縁を連続形成すると共に、該反返り縁を下向き状となるようにした姿勢で、それら適所の外側をハウス骨格への着脱自在な装着部にしてなるビニールハウスのシート設営用具であるということができる。
【0014】
筒状本体は、その中空部中にハウス用ビニールシートを強制的に引き込むようにして通過させることにより、ビニールシートを束状に収縮化させた状態としながら、ハウス骨格の所望する箇所へ簡単且つ確実に導くことを可能とする機能を果たすものであり、束状に収縮化させたハウス用のビニールシートを比較的容易に通過可能な程度の中空サイズに設定された所定長の筒形に形成し、少なくともビニールシートの引込み側となる開口部分に、拡開状となる反返り縁を形成したものとしなければならず、外側適所にハウス骨格の適所に脱着自在に仮固定可能な装着部を設けたものとすべきであり、中途部を90゜に満たない適宜角度に折曲し、ビニールシートの引込み側となる開口部を下向きに取付け可能な構造とするのが望ましい。
【0015】
反返り縁は、比較的幅広なハウス用ビニールシートを筒状本体中に引込む際に、ビニールシートに擦り傷や破れ等を生じないよう、円滑且つ強制的にビニールシートを束状とするよう収縮化させる機能を果たすものであり、開口部の全周縁が筒状本体の中空サイズよりも拡開状となるよう展開させたものとしなければならず、漏斗状あるいは所望の曲率をもって外側に湾曲されたものとするのが望ましく、必要に応じて内周壁面に環状の低摩擦素材を貼着あるいは装着したり、内周壁面に複数の球状突起を形成し、通過するビニールシートとの接触面積を小さくして摩擦を減少させるよう形成したものとすることができる。
【0016】
装着部は、ハウス骨格の所望する箇所に、筒状本体をビニールシートの引上げに好適な姿勢となるよう仮固定状とし、筒状本体中にビニールシートを通過させている間に渡って同筒状本体を強固に保持する機能を果たすものであり、ビニールシートの円滑な通過に支障をきたさないよう筒状本体の外側に設けられたものにすると共に、長尺なビニールシートの荷重に耐えるよう十分な強度を有するものとしなければならず、筒状本体の外周に沿って複数の取付け環を設け、これら取付け環に取付けバンドやロープ、紐、吊着金具等を取付け可能としたものや、複数本のハウス骨格に嵌着可能なアームや、複数本のハウス骨格に添え木状に平行させて結束状に縛り固定する構造等とすることができる外、一対の水平な棒状であってそれら中途部適所の夫々に長さ調節機構を有し、各両端には、隣接する門型ハウス骨格の上部間に掛け渡し状に掛着可能な掛着鈎部を形成してなる跨り杆部を設け、これら一対の跨り杆部間に筒状本体の中途部適所を配置、固定可能としてなるものとすることができる。
【0017】
ビニールシートは、ビニールハウスの全部もしくは一部のハウス骨格体に張設可能であって、ビニールハウス内部を覆うシート状物を形成する機能を果たすものであり、透明な農業用ビニールシート、表面処理や着色を施してなる反射シートや日除けシート等の外、寒冷紗、不織布、ネット等ビニールハウスに使用可能なシート状素材であれば全てがこれに含まれる。
【0018】
【関連する発明1】
上記したビニールハウスのシート設営用具に関連し、この発明には、以下のとおりのビニールハウスのシート設営用具に使用可能なシート案内ネットを包含しており、その構成は基本的に次のとおりのものである。
即ち、ハウス用ビニールシートを用意した地上部から当該シートの引上げ箇所となる辺りの門型ハウス骨格にまで達する十分な長さを有し、束状にしたままの当該シートを楽に通過させるだけの底無袋状であって、地上部側となる開放端を地上適所への固定部、引上げ側となる開放端をシート設営用具への仮着部とするように構成した、前記したこの発明のビニールハウスのシート設営用具に使用するシート案内ネットである。
【0019】
シート案内ネットは、地上から離れて設置されたシート設営用具までビニールシートを安定して導き、風による煽りを抑えると共に、シート設営用具の開口部に達する前に、幅広状のビニールシートを筒状本体中空サイズに近づけ、ある程度の束状に収縮化して円滑な引込み作業を可能とする機能を果たすものであり、ビニールシートを容易に通過可能な寸法に設定し、ビニールシートの通過時に加わる荷重や移動による擦れに十分に耐える強度を有するものとしなければならず、ビニールシートに擦り傷や破損を生じない比較的軟質な素材を選択すべきであり、シート設営用具の引込み側の開口部に装着する開放端には、シート設営用具自体またはその付近のハウス骨格等に仮固定可能な仮着部を形成し、地上側となる開放端に、地面に対して固定可能な固定部を形成したものとすべきである。
【0020】
固定部は、シート案内ネットの地上部側となる開放端を、地上側の適所に固定可能とすると共に、同地上部側の開放端を、ビニールシートが円滑に通過できるよう開放状態に保持可能とする機能を果たすものであり、ビニールシートの引込み作業を阻害しないよう開放端縁部の適所を地面適所の固定物に繋着したものとするのが望ましく、例えば開放口の左右側に、左右夫々に対応する地面に打ち込まれた杭に繋着可能な縛り紐や掛着環等を設けたものや、開放口下側縁部に沿って重量の大きな固定錘を複数個、添着したものとすることにより、所望する地上箇所に固定可能としたものとすることができる。
【0021】
仮着部は、シート案内ネットのシート設営用具引込み側の開放端を、シート設営用具の適所、あるいはシート設営用具が取付けられた付近のハウス骨格等に取付け可能とすることにより、同開放端をシート設営用具引込み側の開口部に接続状とする機能を果たすものであり、シート案内ネット開放端の周縁部に沿って複数の縛り紐や掛着環等を設け、シート設営用具の外周壁に一体形成した複数の掛着鈎に繋着可能とすることが可能である外、シート設営用具引込み側開口部に形成された拡開状の反返り縁の外側を覆い中途部外周に達するよう接続し、シート設営用具中途部外周にベルトや縛り紐を用いて縛り着け、該反返り縁に掛着、吊り下げ状とするよう装着できる構造とすることも可能である。
【0022】
【関連する発明2】
上記したビニールハウスのシート設営用具に関連し、この発明には、ビニールハウスのシート設営用具を使用したビニールハウスのシート設営方法も包含しており、その構成は、基本的に以下のとおりとなっている。
即ち、門型ハウス骨格の屋根部付近適所に筒状本体を配置し、筒状本体の引込み側となる開口部を下向き状とし、これとは反対側となる開口部を同ハウス骨格の屋根部上に開口するよう、装着部を介して仮固定した上、ビニールシートの一端側適所を仮止め繋着した牽引索条を、当該筒状本体の引込み側開口部から反対側の開口部へ通過するよう牽引操作することにより、ビニールシートを束状に収縮化させ、ハウス骨格の屋根部付近の所望する箇所に確実に誘導することを可能とする、この発明の前記したビニールハウスのシート設営用具を使用するようにしたビニールハウスのシート設営方法である。
【0023】
この発明のビニールハウスのシート設営方法を、他の表現によるものとして示せば、門型ハウス骨格の屋根部付近適所に筒状本体を配置させ、同筒状本体の引込み側の開口部を下向き状とし、これとは反対側となる開口部を同ハウス骨格の屋根部上に開口するよう、装着部を介して仮固定すると共に、当該筒状本体の引込み側の開口部に、シート案内ネットの引き上げ側上方開放端を、仮着部を介して接続し、斜め下方に延伸した同シート案内ネットの下方開放端を、開口状態を確保するよう、固定部を用いて地上に仮固定した上、ビニールシートの一端側適所を仮止め繋着した牽引索条を、シート案内ネット下方開放端から同上方開放端、ならびにこれに接続した筒状本体引込み側開口部から反対側の開口部へと通過するよう牽引操作することにより、ビニールシートを束状に収縮化させ、ハウス骨格の屋根部付近の所望する箇所に確実に誘導することを可能とする、前記したこの発明のビニールハウスのシート設営用具、および前記シート案内用筒型ネットを使用してなるビニールハウスのシート設営方法ということができる。
【0024】
この発明のビニールハウスのシート設営方法は、ハウス骨格にビニールシートを装着する場合や、交換作業を行う場合に好適なものであるが、その手順を変更し、シート設営用具の装着向きや姿勢等を適宜変更することにより、ハウス骨格に装着されている既存のビニールシートを取り外し、巻き取りを行う作業にも応用することが可能であり、例えば、筒状本体の引込み側の開口部をハウス骨格の屋根部上に開口するよう配置し、これとは反対側となる開口部を下向き状とするよう仮固定した上、張設されている既存のビニールシートの一端側適所を仮止め繋着した牽引索条を、当該筒状本体の引込み側開口部から反対側の開口部へ通過するよう牽引操作することにより、ビニールシートを束状に収縮化させ、ハウス骨格ら離脱させ、地上付近の所望する箇所まで確実に誘導することを可能とする、ビニールシートの撤収方法として応用することが可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【0025】
【実施例1】
図1の使用状態にあるシート設営用具の斜視図、図2の屈曲形成されたシート設営用具の側面図、図3の直管状に形成されたシート設営用具の側面図、および図4の長さ調節構を有する装着部の斜視図に示される事例は、所定長を有する円筒形であってその中空部内径を、束状に収縮化したハウス用ビニールシートが通過可能な直径に設定してなる筒状本体を設け、同筒状本体両端開口部分の中の少なくともビニールシート引込み側開口部分の全周に渡り、反返り縁を滑らかな形状で連続形成した基本的構成からなるこの発明に包含されるビニールハウスのシート設営用具における代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【0026】
当該ビニールハウスのシート設営用具1は、図1中に示すように、塩化ビニルやポリカーボネート等の合成樹脂製、あるいはアルミニウム合金等の軽金属製の比較的軽量に形成された内径約150mm前後、全長約1m前後の円筒形であって中途部適所を約45゜の角度に折曲した筒状本体2を有し、同筒状本体2の両端開口部分の夫々には、内周壁面から滑らに連続する拡開状とした反返り縁21,21を一体形成したものである。
【0027】
筒状本体2の中途部外周部には、上下に分割されボルト・ナットによって脱着可能に装着された姿勢支持用の金属製取付けバンド31,31と、これら金属製取付けバンド31,31の左右接合部間に、連結片部が挟み込まれ、該筒状本体2を挟んで平行状に一体化された、左右一対の跨り杆部32,32の中途部が結合されており、各跨り杆部32,32の一方端側中途部の夫々には、一方が棒状で他方をパイプ状に形成することによって伸縮可能とし、外周面から中心側に向けて先端側にボルト部、後端側に操作ノブを設けた止め金具34を螺着してなる長さ調節機構33,33を設けた上、各跨り杆部32,32の両端部には、ビニールハウスの棟方向に隣接する門型ハウス骨格5,5間に上方から跨り状に掛着可能とする略U型もしくは略J型状に折曲された掛着鈎部35,35,……を形成したものとなっており、何れか一方の跨り杆部32に棟方向の梁材に掛着可能な吊着鈎36を設けたものとしている。
【0028】
筒状本体2は、一方の端部から屈曲部分までの長さ寸法を、ビニールハウスの棟方向に隣接する門型ハウス骨格5,5間の離反距離と略一致させるか、あるいは当該離反距離を越える寸法とすることにより、ハウス骨格5,5間に筒状本体2自体を掛け渡し状とし、縛り紐や固定バンド等を使用した固定を容易に行うことができるよう構成することが可能であり、また、図1および図2のように、屈曲形状としたものの外に、図3中に示すように、直管状に形成したものとすることも勿論可能である。
【0029】
各掛着鈎部35,35,……や掛着鈎36の外表面には、合成樹脂被膜を施して門型ハウス骨格5,5への掛着摩擦を確保可能とすると共に、硬質部分が門型ハウス骨格5,5に直接的に接触してしまうことを避けて傷付きや錆びの発生を防止できるものとすることが可能である。
【0030】
【実施例2】
図5の使用状態にあるシート案内ネットの斜視図に示される事例は、ハウス骨格5の屋根上部に設置されたシート設営用具1の引込み側開口部に、シート案内ネット4を装着し、ビニールシートの引き上げ作業を容易にした、この発明に包含されるビニールハウスのシート設営用具に使用するシート案内ネットの一実施例を示すものである。
【0031】
当該シート案内ネット4は、農業用防風網や防雪網等に用いられる網素材を底無袋状に編み上げたものからなり、シート設営用具1の筒状本体2における引込み側開口部に被着状に装着できるよう、反返り縁21の外径寸法を僅かに越える程度であって、束状に収縮化したハウス用ビニールシート6を容易に通過できる内径寸法のものとし、該ハウス屋根上のシート設営用具1引込み側開口部から略45゜の角度で下方に延長したときに地上に到達可能となる全長寸法に設定してなるものであり、地上部側となる開放端の左右縁部には、地面に打ち込まれた二本の杭の夫々に繋着可能な繋着紐、繋着鈎あるいは繋着環等からなる固定部41,41を設け、これとは反対側の引上げ側の開放端左右縁部には、シート設営用具1の外周壁適所、あるいはシート設営用具1が装着されたハウス骨格5の適所に繋着可能な繋着紐あるいは繋着鈎等からなる仮着部42,42を形成したものである。
【0032】
シート案内ネット4の開放端開口部に環状の補強縁部を設けて開口形状を維持できるものとすることが可能であり、さらに、底無袋状の本体部分には、両開放端間、もしくは固定部41,41から仮着部42,42間の外周適所に渡り、ビニールシート6を通過させる際の荷重を担うワイヤーやピアノ線等を使用してなる補強線を添設したものとすることができる。
【0033】
【作用】
以上のとおりの構成からなるこの発明のビニールハウスのシート設営用具は、以下のようにして、この発明に包含されるビニールハウスのシート設営方法に使用することが可能である。
シート設営用具1は図1に示すように、円筒形軸心をハウス骨格5,5,……上の一端に、棟方向に平行状とするよう配置し、反返り縁21が形成された開口部を、ハウス骨格5,5,……の外側下側に向けた姿勢とするよう仮固定し、円錐形の誘導具7に仮止めしたビニールシート6を、筒状本体2の下向き状とした引込み側開口部から反対側の開口部へ通過させ、ハウス骨格5,5の棟方向反対側から誘導具7の牽引索条8を、図示しないウインチ、農業用機械あるいは人力等によって牽引操作し、円錐形の誘導具7諸共ビニールシート6を筒状本体2中に引き込むと、反返り縁21に案内されたビニールシート6が、束状となるよう円滑に縮小化され、筒状本体2を通過した後も、ハウス骨格5,5,……上の略中央に沿って延伸状となるよう引き続き案内支持され、ハウス骨格5,5,……上の全てあるいは所望する範囲を覆う量のビニールシート6が引き出される間に渡り、ハウス骨格5,5上からビニールシート6が滑り落ちないよう案内されることとなる。
【0034】
装着部3は、図4中に示すように、シート設営用具1を設置する際に、平行状に隣接する門型ハウス骨格5,5の屋根部間に、跨り杆部32,32を掛渡し状とし、各端部の掛着鈎部35,35,……を対応する門型ハウス骨格5,5に掛着するよう、長さ調節機構33,33を伸縮、調節して止め金具34,34を締め付けることにより、棟方向の固定を行うと共に、吊着鈎36をハウス骨格5,5,……の頂部付近に横設されたパイプ梁材に掛着して落下しないよう仮固定することが可能であり、不要なときには、長さ調節機構33,33を緩めることによって簡単に取り外すことが可能となる。
【0035】
また、取付けバンド31,31のボルト・ナットによる締め付け部分にスペーサー等を追加することにより、筒状本体2の取付け高さ位置を上下方向に移動させることが可能となり、ハウス骨格5,5,……の上部または下部の何れかに装着することが可能となり、屈曲型の筒状本体2を、図2に、あるいは直管型の筒状本体2を、図3に示すように、ハウス骨格5,5,……の屋根部下側に吊着状に仮固定し、ハウス骨格5、5,……の内側にビニールシートや寒冷紗、防虫ネット等を張着したり、あるいは、ハウス骨格5,5,……の屋根上に装着されたビニールシートを剥がし取る際に利用可能とすることができる。
【0036】
さらに、ハウス骨格5,5,……の屋根部上に設置されたシート設営用具1は、図7の撤去中のビニールシートを示す斜視図に示されるように、該シート設営用具1と略同様の構造をもつシート中継用具11を、トラックやその外の固定箇所に縛り、同シート中継用具11に、シート設営用具1を通過するように引き出すことにより、上向きの反力を抑え込んでトラクターや図示しないウインチ等による牽引を効率的に行うことができるものとすることが可能である。
【0037】
さらにまた、ハウス骨格5,5上に設置されたシート設営用具1の引込み側開口部にシート案内ネット4の引上げ側の開放端を接続し、近傍のハウス骨格5に各仮着部42,42を仮着し、また、下方略45゜の角度方向に向けて延伸状に垂下させた地上側開放端の固定部41,41を地面に打ち込まれた杭に掛着状に固定したものとすることにより、シート案内ネット4の地上側開放端から引上げ側開放端を通じて引き上げられるビニールシート6が束状に収縮化され、筒状本体2の引込み側開口部へと簡単、確実に導かれるものとなり、シート案内ネット4は、風を通過させてしまって強風の影響を受けず、ビニールシート6を束状にまとめ、表面に付着したゴミや泥、草等をはらい落としながら引上げことを可能とする。
【0038】
そして、シート設営用具1は、図6の連棟式のハウス骨格に設置したシート設営用具の斜視図に示されるように、連棟式ハウス骨格5,5,……の谷状交叉部に落とし込むようにして設置することも可能であり、ハウス骨格5,5,……上のシート設営用具1と地上との間に、反返り縁21の外径寸法よりも僅かに大きな内径に設定された樋状に湾曲、形成された案内パネル43を接続し、シート設営用具1に引き込まれるビニールシート6を下側から補助するようにして使用することも可能である。
【0039】
【効果】
以上のとおり、この発明のビニールハウスのシート設営用具によれば、ハウス骨格上に設置された筒状本体中を通過させるようにしてビニールシートを引き上げることにより、ハウス骨格屋根部からビニールシートがズレたり、滑り落ちたりすることを確実に防ぐことができると共に、該筒状本体の少なくとも引込み側の開口端部分に形成された反返り縁によってビニールシートに傷や破損を生じることなく、円滑に束状に収縮化して小人数であっても迅速且つ確実な張設作業を実現可能とすることができるという秀れた効果を発揮するものである。
【0040】
また、この発明のシート設営用具に使用するシート案内ネットによれば、ハウス骨格上に設置されたシート設営用具と地上とを底無袋状のシート案内ネットで接続することにより、ビニールシートを地上からシート設営用具まで引き上げる際に、強風による煽から保護できる上、シート案内ネットの形状に従ってビニールシートを束状に収縮化することにより、接触抵抗を低減してシート設営用具、筒状本体中への引込み作業を円滑化することができるという効果が得られるものとなる。
【0041】
そして、この発明のビニールハウスのシート設営方法によれば、軽量で簡素な構造のシート設営用具をハウス骨格上に設置するだけで、比較的重量が大きく嵩張って取扱い難いビニールシートを、小人数であっても容易にハウス骨格上に引き上げることが可能となり、従前までであれば多数の作業員が、脚立や梯子を掛けてハウス骨格上に登り、高所でビニールシートを引いて皺や片寄り等を生じないよう張設する作業が不可欠であったものが、こうした高所での作業を大幅に削減し、地上で牽引索条を引くことにより、ハウス骨格上の棟方向にビニールシートを移動させることができるものとなり、従前まで多大な費用と労力とを費やすことを覚悟しなければならなかったシート設営作業を、小人数によって迅速且つ安全で、経済的な作業に改善することを可能とすることができるという秀れた特徴が得られるものである。
【0042】
特に、実施例に説明したビニールハウスのシート設営用具1は、上記した特徴に加え、図4に示すように、装着部3の跨り杆部32,32に長さ調節機構33,33を設けたことにより、ハウス骨格5,5,の設置間隔が異なるビニールハウスであっても、その間隔に応じて自在に長さ調節することが可能であり、ビニールハウスの形式や大小に拘らず、簡単に脱着することができるので、一台を多数のビニールハウスに交互に装着して利用することができる上、掛着鈎部35,35,……や吊着鈎36に合成樹脂被膜を形成したものとして、接触部間の摩擦力を高めてハウス骨格5,5,……への掛着をより確実なものとすることができる上、ハウス骨格5,5,……の鍍金層を保護して傷付きや錆びから保護し、シート設営用具1の脱着の繰り返しによるビニールハウスの傷付きを原因とする破損や老朽化を防ぐことができるものとなって、長期間に渡る使用を可能なものにするという実用的な効果を奏するようにしたものにすることもできる。
【0043】
叙述の如く、この発明のビニールハウスのシート設営用具、およびそれに使用するシート案内ネット、ならびにそれらを使用したビニールハウスのシート設営方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも小型軽量である上、構造が簡素で製造も容易なことから、従前からのシート展張用具等に比較して遥かに経済的なものであって、作業の安全性を確保し易くすると共に、作業効率自体も大幅に高めることができることから、費用の削減と作業工数の短縮とを確実に達成可能にし、ビニールハウスのシート張り替え作業の度に、多大な経費と労力とを費やしてきた施設型農業を営む農家にとっては勿論のこと、関連する農機具業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明のビニールハウスのシート設営用具、およびそれに使用するシート案内ネット、ならびにそれらを使用したビニールハウスのシート設営方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】ハウス骨格上に設置されたシート設営用具を示す斜視図である。
【図2】ハウス骨格下側に設置された屈曲形シート設営用具を示す側面図である。
【図3】ハウス骨格下側に設置された直管形シート設営用具を示す側面図である。
【図4】装着部の構造を示す斜視図である。
【図5】シート案内ネットの使用状態を示す斜視図である。
【図6】連棟式ハウスにシート設営用具を装着した例を示す斜視図である。
【図7】ビニールシートの取外しに利用するシート設営用具を示す斜視図である。
【図8】円錐形の誘導具の構造を示す断面図である。
【図9】分解された誘導具の構造を示す斜視図である。
【図10】誘導具の使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シート設営用具
11 同 シート中継用具
2 筒状本体
21 同 反返り縁21
3 装着部
31 同 取付けバンド
32 同 跨り杆部
33 同 長さ調節機構
34 同 止め金具
35 同 掛着鈎部
36 同 吊着鈎
4 シート案内ネット
41 同 固定部(地上部側となる開放端)
42 同 仮着部(引上げ側となる開放端)
5 門型ハウス骨格
51 同 シート張設紐
6 ハウス用ビニールシート
7 誘導具
71 同 仮止め機構
72 同 先頭用カバー
8 牽引索条
Claims (6)
- 束状に収縮化したハウス用ビニールシートを通過可能とする中空サイズであって所定長とした筒状本体の、両端開口部分の中の少なくともビニールシートの引込み側となる開口部分全周に渡って、外側に向けて滑らかに拡開状となるようにした反返り縁を連続形成すると共に、それら適所の外側を門型ハウス骨格への着脱自在な装着部にしてなるものとしたことを特徴とするビニールハウスのシート設営用具。
- 束状に収縮化したハウス用ビニールシートを通過可能とする中空サイズであって所定長とし、中途を屈曲状としてなる筒状本体の、両端開口部分の中の少なくともビニールシートの引込み側となる開口部分全周に渡って、外側に向けて滑らかに拡開状となるようにした反返り縁を連続形成すると共に、該反返り縁を下向き状となるようにした姿勢で、それら適所の外側をハウス骨格への着脱自在な装着部にしてなるものとしたことを特徴とするビニールハウスのシート設営用具。
- 装着部が、一対の水平な棒状であってそれら中途部適所の夫々に長さ調節機構を有し、各両端には、隣接する門型ハウス骨格の上部間に掛け渡し状に掛着可能な掛着鈎部を形成してなる跨り杆部を設け、これら一対の跨り杆部間に筒状本体の中途部適所を配置、固定可能としてなるものとした、請求項1または2何れか記載のビニールハウスのシート設営用具。
- ハウス用ビニールシートを用意した地上部から当該シートの引上げ箇所となる辺りの門型ハウス骨格にまで達する十分な長さを有し、束状にしたままの当該シートを楽に通過させるだけの底無袋状であって、地上部側となる開放端を地上適所への固定部、引上げ側となる開放端をシート設営用具への仮着部とするようにした、請求項1ないし3何れか記載のビニールハウスのシート設営用具に使用するシート案内ネット。
- 門型ハウス骨格の屋根部付近適所に筒状本体を配置し、筒状本体の引込み側となる開口部を下向き状とし、これとは反対側となる開口部を同ハウス骨格の屋根部上に開口するよう、装着部を介して仮固定した上、ビニールシートの一端側適所を仮止め繋着した牽引索条を、当該筒状本体の引込み側開口部から反対側の開口部へ通過するよう牽引操作することにより、ビニールシートを束状に収縮化させ、ハウス骨格の屋根部付近の所望する箇所に確実に誘導することを可能とする、請求項1または2何れか記載のビニールハウスのシート設営用具を使用したビニールハウスのシート設営方法。
- 門型ハウス骨格の屋根部付近適所に筒状本体を配置させ、同筒状本体の引込み側の開口部を下向き状とし、これとは反対側となる開口部を同ハウス骨格の屋根部上に開口するよう、装着部を介して仮固定すると共に、当該筒状本体の引込み側の開口部に、シート案内ネットの引き上げ側上方開放端を、仮着部を介して接続し、斜め下方に延伸した同シート案内ネットの下方開放端を、開口状態を確保するよう、固定部を用いて地上に仮固定した上、ビニールシートの一端側適所を仮止め繋着した牽引索条を、シート案内ネット下方開放端から同上方開放端、ならびにこれに接続した筒状本体引込み側開口部から反対側の開口部へと通過するよう牽引操作することにより、ビニールシートを束状に収縮化させ、ハウス骨格の屋根部付近の所望する箇所に確実に誘導することを可能とする、請求項1または2何れか記載のビニールハウスのシート設営用具、および請求項4記載のシート案内ネットを使用したビニールハウスのシート設営方法。
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