JPH0892499A - 撥水性塗料組成物 - Google Patents

撥水性塗料組成物

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JPH0892499A
JPH0892499A JP22917794A JP22917794A JPH0892499A JP H0892499 A JPH0892499 A JP H0892499A JP 22917794 A JP22917794 A JP 22917794A JP 22917794 A JP22917794 A JP 22917794A JP H0892499 A JPH0892499 A JP H0892499A
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water repellency
wax
fat
oil
water
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JP22917794A
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English (en)
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Takashi Shibuichi
敬 四分一
Tomohiko Onda
智彦 恩田
Naoki Sato
直紀 佐藤
Kaoru Tsujii
薫 辻井
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 使用環境温度以上の融点を有するワックス
類、油脂類又はそれらの混合物を含有する撥水性塗料組
成物。 【効果】 優れた撥水性が長期間持続するだけでなく、
外部物質との摩擦などにより一度塗膜の撥水性が低下し
ても、常温下で放置しておくことにより自然に撥水性が
再生する能力を有するので、各種建築材、自動車、家電
製品、電子電気機器類、家具、日用品、台所用品、レジ
ャー用品などの塗料として良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗料組成物に関し、さら
に詳細には長期にわたって優れた撥水性を維持する塗膜
を与える塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塗料には水分から被塗布材料を保護する
目的で種々の撥水性材料が配合されている場合がある。
かかる撥水性材料としては、ポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)などのフッ素化炭化水素系材料、ポリエ
チレンなどの炭化水素系材料、シリコン系材料が一般に
使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
塗料の撥水性は、撥水性のパラメーターである水の接触
角がせいぜい110度程度であり、必ずしも十分な撥水
性能を有していない。また、従来のものは経時的に撥水
性が低下してしまう場合があった。従って、本発明の目
的は長期間にわたって優れた撥水性を維持し得る塗料組
成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは鋭意
研究してきた結果、常温で固体であるワックス類又は油
脂類を塗料に配合すれば、長期にわたって優れた撥水
性、防汚性が得られ、かつその塗膜は外部物質との摩擦
接触などにより一度表面の撥水性が低下しても、常温下
で放置しておくことにより自然に撥水性が再生する能力
(自己再生能力)があることも見出し、本発明を完成し
た。
【0005】すなわち、本発明は、使用環境温度以上の
融点を有するワックス類、油脂又はそれらの混合物を含
有する撥水性塗料組成物を提供するものである。
【0006】本発明で用いるワックス類及び油脂類とし
ては、融点が使用環境以上のもの(例えば撥水性を付与
した基材を室温において使用する場合、室温以上の融点
を有するもの)であれは特に限定されるものではない
が、通常の使用環境を考慮すれば融点が40℃以上、特
に50℃以上のものが好ましい。さらに良好な撥水性を
得る点からワックス及び油脂中のアシル基は飽和である
ことが好ましく、また、アシル基の水素原子の一部又は
全部がフッ素原子で置き換わったものでもよい。
【0007】ワックス類としては、例えばアルキルケテ
ンダイマー、ジアルキルケトンが挙げられ、アルキルケ
テンダイマーとしては次式(1):
【0008】
【化1】
【0009】〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって
炭素数10〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はア
ルケニル基を示す〕で表わされるものが好ましく、撥水
性の向上の点からR1 及びR2 はアルキル基であること
がより好ましい。さらに好ましいアルキルケテンダイマ
ーとしてはR 1 及びR2 が炭素数14〜18の直鎖アル
キル基であるものが挙げられ、特にパルミチルケテンダ
イマー及びミリスチルケテンダイマーが好ましい。
【0010】また、ジアルキルケトンとしては次式
(2):
【0011】
【化2】
【0012】〔式中、R3 及びR4 は同一又は異なって
炭素数11〜31の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はア
ルケニル基を示す〕で表わされるものが好ましく、撥水
性の向上の点からR3 及びR4 はアルキル基であること
がより好ましく、さらに好ましいジアルキルケトンとし
てはR3 及びR4 が炭素数11〜19の直鎖アルキル基
であるものが挙げられ、特にパルミトン及びステアロン
が好ましい。
【0013】油脂類としては、次式(3):
【0014】
【化3】
【0015】〔式中、R5 〜R7 は同一又は異なって炭
素数11〜31の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアル
ケニル基を示す〕で表わされるトリグリセリドが好まし
く、撥水性向上の点からR5 〜R7 はアルキル基である
ことが好ましい。さらに好ましいトリグリセリドとして
はR5 〜R 7 が炭素数15〜17の直鎖アルキル基であ
るものが挙げられ、特にトリパルミチン、トリステアリ
ンが好ましい。
【0016】これらのワックス類又は油脂類は二種以上
を組み合わせて用いてもよく、例えば油脂中に炭素数の
異なるものが混入していてもよい。
【0017】本発明塗料組成物には、さらに樹脂類及び
有機溶媒を配合するのが好ましい。かかる樹脂類として
は、フッ素含有樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹
脂、アルキド樹脂あるいはメラミン系樹脂等が例示され
る。これらの樹脂類は一種又は二種以上を使用すること
ができる。
【0018】また有機溶媒としては、特に限定されるも
のではないが、揮発性のものが望ましく、ケトン類では
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、酢酸エステル類では酢酸ブチル、アルコール類で
は、メタノール、エタノール、ブタノール、芳香族化合
物ではトルエン、キシレン、アミド類では、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、その他では四塩化炭素、クロロホルム、テトラヒ
ドロフランなどが例示される。
【0019】本発明塗料組成物におけるワックス類ある
いは油脂類の配合量は、通常樹脂類に対して0.01重
量%から50重量%程度であり、より好ましくは0.0
5重量%から30重量%である。ワックス類あるいは油
脂類の配合量が少ない場合は撥水性が不十分になり、過
剰となる場合は塗膜強度が低下する。また、樹脂類の配
合量は、特に限定されるものではないが、20〜70重
量%が好ましい。また有機溶媒の配合量は20〜70重
量%が好ましい。
【0020】本発明の塗料組成物には、必要に応じて公
知の添加剤を配合することができる。このような添加剤
としては、着色材、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリン
グ剤、増粘剤、消泡剤、防カビ剤などが例示される。
【0021】ここで着色剤としては:酸化チタン、カー
ボンブラック、べんがら、フタロシアニンブルー、ベン
ジジンイエローなどの無機又は有機系着色剤の他、体質
顔料(例:タルク、マイカ、クレー、炭酸カルシウムな
ど)、メタリック顔料(例:アルミニウム粉末、銅粉な
どの金属粉末など)などが挙げられる。
【0022】本発明の塗料組成物は、例えば樹脂類を有
機溶媒に溶解又は分散したビヒクルの形態とし、これに
ワックス類、油脂類及び他の任意成分を添加し、攪拌混
合し、ワックスあるいは油脂を樹脂中に均一に混合する
ことで製造される。ここで50℃程度まで加熱して混合
すると、より撥水効果が向上する場合がある。なお、粘
度を調節するために、ビヒクル調製以外にさらに有機溶
媒を加えてもよい。
【0023】本発明の塗料組成物の塗装は、常法に従っ
て、例えばエアスプレー、エアレススプレー、静電塗
装、ハケ塗り、ローラ塗装、浸漬塗装などにより行なう
ことができ、その際の塗装被膜厚は乾燥膜厚で約5〜3
00μmの範囲とすることが好ましい。
【0024】本発明の塗料組成物が使用できる被塗布物
には特に制限がなく、各種材料の被覆のために使用する
ことができ、例えば金属(例えば、鉄、アルミニウム、
これらを含む合金など)、木、ガラス、プラスチック、
コンクリート、セラミックス、有機又は無機質塗膜を施
した基材などが挙げられる。
【0025】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し本発明をより
詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0026】実施例1 アルキルケテンダイマー(花王(株)ルナックS90ベ
ース品)20グラムをヘキサン−クロロホルム混合溶媒
(混合比7/3)500mlに溶かし、これをシリカゲル
カラム(和光、ワコーゲルC200、1kg)でヘキサン
−クロロホルム系グラジエント溶出法(混合比100/
0から70/30まで)を用いて分離精製し、15gの
白色の純アルキルケテンダイマー(融点約50〜60
℃)を得た。このようにして得られたアルキルケテンダ
イマーをアルキド樹脂系塗料20g(ハウスペイントプ
ロ、カンペハピオ社製)に表1に示す割合で混合し、5
0℃に加熱攪拌を行なう。1時間後温度を室温に戻し、
これをガラスプレート(76mm×26mm×1mm)に刷毛
で塗り付け乾燥させた。この表面での撥水性の判定を、
塗布から25日後の水の接触角を光学式接触角計(協和
界面科学CA−A型)を用いて測定することにより行な
い、表1の結果を得た。
【0027】
【表1】
【0028】サンプル2〜5において接触角100°以
上の良好な撥水面が得られた。また、サンプル5を直射
日光ならび雨風のあたる屋外に3カ月間放置したが、そ
の表面の撥水性は持続され、水に対し140〜150°
の接触角を示した。
【0029】比較例1 アルキルケテンダイマーを混合しない塗料について実施
例1と同じ要領で撥水性の評価を行なった。結果は表1
のサンプル1であった。
【0030】実施例2 表1中のサンプル3に対して、台所用スポンジを用いて
表面を強く洗浄後、水との接触角の経時変化を測定し
た。
【0031】
【表2】
【0032】表2の結果から、洗浄直後には塗膜表面の
撥水性は低下するが、常温で自然放置することにより、
時間が経つに従い撥水性が自己再生することが明らかで
ある。
【0033】実施例3 トリパルミチン(東京化成製,融点約45〜65℃)を
アルキド樹脂系塗料(ハウスペイトプロ、カンペハビオ
社製)20gに表3に示す割合で混合し、温度50℃に
て攪拌し混合する。これをガラスプレート(76mm×2
6mm×1mm)に刷毛で塗り、乾燥させた。この塗膜表面
での撥水性の判定を、塗布後1週間後と4カ月後に水の
接触角を実施例1と同様の手順で測定することで行な
い、表3の結果を得た。サンプル7と8において良好な
撥水塗膜表面が得られた。また、これらの本発明による
撥水塗膜表面の撥水性は塗布後に室温で自然放置するこ
とで経時的に向上する。なお、サンプル6はトリパルミ
チンを混合しない塗料の比較例である。
【0034】
【表3】
【0035】実施例4 ステアリン酸クロライドから合成したアルキルケテンダ
イマー(融点67℃)1グラムと、パルミトン(東京化
成製,融点84℃)1グラムを混合し、これをウレタン
樹脂系塗料(油性ニス,和信ペイント社製)20グラム
に四塩化炭素2グラムと混合し、50℃にて加熱攪拌を
行なう。1時間攪拌後、室温に戻し、これをガラスプレ
ート(76mm×26mm×1mm)に刷毛で塗り付け乾燥さ
せた。この表面での撥水性の判定を、塗布から30日後
の水の接触角を光学式接触角計(協和界面科学CA−A
型)を用いて測定することにより行ない、表4の結果を
得た。なお、表4のサンプル9は塗料のみの時の比較例
である。
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、優れた撥水性が
長期間持続するだけでなく、外部物質との摩擦などによ
り一度塗膜の撥水性が低下しても、常温下で放置してお
くことにより自然に撥水性が再生する能力を有するの
で、各種建築材、自動車、家電製品、電子電気機器類、
家具、日用品、台所用品、レジャー用品などの塗料とし
て良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻井 薫 栃木県宇都宮市陽東1−11−23 直井ハイ ツ405号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用環境温度以上の融点を有するワック
    ス類、油脂類又はそれらの混合物を含有する撥水性塗料
    組成物。
  2. 【請求項2】 ワックス類がアルキルケテンダイマー又
    はジアルキルケトンであり、油脂類がトリグリセリドで
    ある請求項1記載の撥水性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 さらに樹脂類及び有機溶媒を含有するも
    のである請求項1又は2記載の撥水性塗料組成物。
JP22917794A 1994-09-26 1994-09-26 撥水性塗料組成物 Pending JPH0892499A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003082292A (ja) * 2001-07-16 2003-03-19 Creavis G Fuer Technol & Innov Mbh 自己再生する自浄作用を備えた自浄性表面及びその製造方法
JP2014506185A (ja) * 2010-12-17 2014-03-13 セルテック アーベー 超疎水性表面の新規な製造方法
JP2016085237A (ja) * 2014-10-22 2016-05-19 キヤノン株式会社 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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