JPH0892469A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0892469A
JPH0892469A JP22677194A JP22677194A JPH0892469A JP H0892469 A JPH0892469 A JP H0892469A JP 22677194 A JP22677194 A JP 22677194A JP 22677194 A JP22677194 A JP 22677194A JP H0892469 A JPH0892469 A JP H0892469A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
core
shell
resin
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22677194A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukihito Fukazawa
至仁 深沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to JP22677194A priority Critical patent/JPH0892469A/ja
Publication of JPH0892469A publication Critical patent/JPH0892469A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 形状安定性に優れ、薄肉曲げ強度および靭性
に優れたポリエステル樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A) 熱可塑性ポリエステル樹脂(A-1) 60〜95
重量部とポリカーボネート樹脂(A-2) 5〜40重量部より
なる樹脂材料40〜90重量%、(B) 特定のコアシェル共重
合体5〜20重量%、 (C)繊維長 100μm 以下の繊維状充
填剤1〜20重量%及び (D)繊維長 200μm 以上のガラス
繊維4〜20重量%からなるポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は形状安定性に優れ、また
薄肉成形品とした場合の曲げ強度および曲げ靭性に優れ
たポリエステル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリエ
チレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートに
代表される熱可塑性ポリエステルにガラス繊維等の無機
充填剤を配合した組成物は、射出成形が可能で成形品の
機械的性質も優れているため、電気・電子部品や自動車
部品等の分野において広く使用されている。しかしなが
ら、ガラス繊維等の繊維状強化剤を配合した樹脂組成物
は機械的強度、剛性は高いが、成形時に異方性が生じる
ことに起因して、板状の成形品あるいは箱型の成形品等
を製造する際、該成形品に反り変形を発生させ、特に厳
しい寸法精度が要求される精密成形品などの分野におい
ては適用が著しく制限されている。熱可塑性ポリエステ
ル成形品の形状安定性、特に反り変形を改善する手段と
しては、板状あるいは粉状の無機充填剤を配合する試み
がなされており、特にマイカの様な板状強化剤あるいは
ガラスビーズの如き球状強化剤を配合した熱可塑性ポリ
エステル成形品は反り変形の改良効果が大きいことが知
られているが、成形品の形状によっては、特に肉厚の薄
い板状あるいは箱型の成形品の場合、尚不十分なことが
あり、またこの成形品の剛性、耐衝撃性も繊維強化品に
比べて著しく不十分である。一方、ガラス繊維等で強化
した熱可塑性ポリエステルの耐衝撃性、靭性等を改善す
る手段として、エチレン−エチルアクリレートに代表さ
れる熱可塑性エラストマーを配合する方法が知られてい
るが、この方法では耐衝撃性、靭性等は改善されるもの
の、熱可塑性ポリエステルと熱可塑性エラストマーとの
相溶性不良に起因するエラストマーの層状分散が起こ
り、成形品の表層剥離現象が発生し易いという欠点があ
り、形状安定性と耐衝撃性、靭性等を均衡して満足す
る、特に精密部材として理想的な成形品を得ることはで
きなかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱可塑性
ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂とからなる樹
脂組成物に、ポリブチルアクリレートからなるコア部と
グリシジルメタクリレートとメチルメタクリレートの共
重合体からなるシェル部を有するコアシェル共重合体お
よびガラス繊維強化剤を配合することにより、形状安定
性および薄肉成形品の曲げ強度および曲げ靭性に優れ、
また、 100μm 以下の繊維長を有する繊維状充填剤を所
定量含有させることにより、ガラス繊維のみの充填によ
って発生する成形時の異方性が低減し、更に形状安定性
が向上した熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、(A) 熱
可塑性ポリエステル樹脂(A-1) 60〜95重量部とポリカー
ボネート樹脂(A-2) 5〜40重量部よりなる樹脂材料40〜
90重量%、(B) 主としてポリブチルアクリレートからな
るコアと、グリシジルメタクリレートとメチルメタクリ
レート共重合体からなるシェルを有し、シェル成分中に
グリシジルメタクリレートが5〜25重量%含有され、コ
アとシェル成分の重量比がコア/シェル=50〜90/50〜
10であるコアシェル共重合体5〜20重量%、(C)繊維長
100μm 以下の繊維状充填剤1〜20重量%(D)繊維長 200
μm 以上のガラス繊維4〜20重量%からなるポリエステ
ル樹脂組成物である。
【0004】以下、順次本発明の樹脂組成物の構成成分
について詳しく説明する。まず、本発明の樹脂組成物の
基体樹脂である熱可塑性ポリエステル樹脂(A-1)とは、
ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オ
キシカルボン酸化合物の重縮合或いはこれら三成分混合
物の重縮合等によって得られるポリエステルであり、ホ
モポリエステル、コポリエステルの何れに対しても本発
明の効果がある。ここで用いられる熱可塑性ポリエステ
ル樹脂を構成するジカルボン酸化合物の例を示せば、テ
レフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボ
ン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸の如き公知のジ
カルボン酸およびこれらのアルキル、アルコキシ又はハ
ロゲン置換体等である。また、これらのジカルボン酸化
合物は、エステル形成可能な誘導体、例えばジメチルエ
ステルの如き低級アルコールエステルの形で重合に使用
することも可能である。これは二種以上が使用されるこ
ともある。次に本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂を構
成するジヒドロキシ化合物の例を示せば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、ハイドロキノン、レゾルシン、ジ
ヒドロキシフェニル、ナフタレンジオール、ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、シクロヘキサンジオール、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ジエトキ
シ化ビスフェノールAの如きジヒドロキシ化合物、ポリ
オキシアルキレングリコール及びこれらのアルキル、ア
ルコキシ又はハロゲン置換体等であり、一種又は二種以
上を混合使用することができる。また、オキシカルボン
酸化合物の例を示せば、オキシ安息香酸、オキシナフト
エ酸、ジフェニレンオキシカルボン酸等のオキシカルボ
ン酸及びこれらのアルキル、アルコキシ又はハロゲン置
換体が挙げられる。また、これら化合物のエステル形成
可能な誘導体も使用できる。本発明においては、これら
化合物の一種又は二種以上が用いられる。また、これら
の他に三官能性モノマー、即ちトリメリット酸、トリメ
シン酸、ピロメリット酸、ペンタエリスリトール、トリ
メチロールプロパン等を少量併用した分岐又は架橋構造
を有するポリエステルであってもよい。本発明では、上
記の如き化合物をモノマー成分として、重縮合により生
成する熱可塑性ポリエステルはいずれも本発明の(A-1)
成分として使用することができ、単独で又は二種以上混
合して使用されるが、好ましくはポリアルキレンテレフ
タレート、更に好ましくはポリブチレンテレフタレート
又はこれを主体とする混合物が使用される。
【0005】次に本発明においては上記熱可塑性ポリエ
ステル樹脂(A-1) にポリカーボネート樹脂(A-2) が配合
される。このポリカーボネート樹脂は、溶剤法、即ち塩
化メチレン等の溶剤中で公知の酸受容体、分子量調整剤
の存在下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネ
ート前駆体との反応または二価フェノールとジフェニル
カーボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル
交換反応によって製造することができる。ここで、好適
に使用し得る二価フェノールとしてはビスフェノール類
があり、特に2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、即ちビスフェノールAが好ましい。また、ビス
フェノールAの一部または全部を他の二価フェノールで
置換したものであってもよい。ビスフェノールA以外の
二価フェノールとしては、例えばハイドロキノン、4,4
−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)アルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エーテルのような化合物またはビ
ス(3,5 −ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(3,5 −ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパンのようなハロゲン化ビスフェノール類を挙げる
ことができる。これら二価フェノールは二価フェノール
のホモポリマーまたは2種以上のコポリマーであっても
よい。更に本発明で用いるポリカーボネート樹脂は多官
能性芳香族化合物を二価フェノール及び/またはカーボ
ネート前駆体と反応させた熱可塑性ランダム分岐ポリカ
ーボネートであってもよい。
【0006】また、熱可塑性ポリエステル樹脂(A-1) と
ポリカーボネート樹脂(A-2) の配合量割合は、(A-1) 成
分60〜95重量部に対し、(A-2) 成分5〜40重量部であ
る。(A-2) 成分の添加量が5重量部より少ない場合に
は、形状安定性あるいは成形品の肉厚部のヒケの発生等
の表面外観が劣り、40重量部より多い場合には、成形サ
イクルの増加、離型性の悪化等、成形上の問題が生じ好
ましくない。又、(A-1) 及び(A-2) よりなる樹脂材料と
しては40〜90重量%が使用される。
【0007】次に本発明において(B) 成分として用いる
コアシェル共重合体とは、ブチルアクリレートのゴム状
架橋重合体からなるコアと、メチルメタクリレートとグ
リシジルメタクリレートのガラス状重合体からなるシェ
ルとを有する二層構造のいわゆるコアシェル共重合体で
ある。本発明において、コアシェル重合体のコアはポリ
ブチルアクリレートのゴム状架橋重合体であって、ブチ
ルアクリレートと架橋単量体との共重合によって得るこ
とができる。上記架橋性単量体としては、例えば、ジビ
ニルベンゼン等の芳香族ジビニル単量体、エチレングリ
コールジアクリレート、エチレングリコールジメタアク
リレート、ブチレングリコールジアクリレート、ブチレ
ングリコールジメタアクリレート、オリゴエチレングリ
コールジアクリレート、オリゴエチレングリコールジメ
タアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレー
ト、トリメチロールプロパンジメタアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリメタアクリレート等のアルカンポリオール
ポリアクリレートまたはアルカンポリオールポリメタク
リレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレー
ト、ジアリルマレエート等の不飽和カルボン酸アリルエ
ステル等を挙げることができる。このような架橋性単量
体は、用いた単量体に基づいて0.01〜5重量%、好まし
くは 0.1〜2重量%の範囲で用いられる。また、コアシ
ェル重合体において、シェルはメチルメタクリレートと
グリシジルメタクリレートとの共重合体であり、グリシ
ジルメタクリレートの含有量はシェル成分の共重合体中
で5〜25重量%必要である。グリシジルメタクリレート
の含有量が5重量%未満である場合には、ポリブチレン
テレフタレート樹脂との相溶性が不十分となり、本発明
の目的とする低温での薄肉曲げ靭性改善効果が小さく、
25重量%よりも多い場合には、流動性が低下し成形性が
悪化する。シェルもコアと同様に、前述したような架橋
性単量体との共重合によって架橋されていても良い。架
橋性単量体は、用いた単量体に基づいて、0.01〜5重量
%、好ましくは 0.1〜2重量%の範囲で用いられる。本
発明において、コアシェル共重合体はコアとシェルの重
量比がコア/シェル=50〜90/50〜10、特に60〜85/40
〜15であるのが望ましい。コアが50重量%よりも少ない
時は、薄肉曲げ靭性の改善効果が小さく、あるいは耐衝
撃性が不十分なものとなる。コアが90重量%よりも多い
ときは、成形性に劣り、成形加工性に支障が生じる。コ
アシェル共重合体は、従来、多段階重合体とも呼ばれて
おり、コアと称される第一段階重合体とシェルと称され
る最終段階重合体とを含む。このようなコアシェル共重
合体は、先の段階の重合体を後の段階の重合体が順次に
被覆するような連続した乳化重合によって得ることがで
きる。一例として、先ず、ブチルアクリレートとエチレ
ングリコールジメタクリレートやアリルメタクリレート
のような架橋性単量体を乳化重合させて、ポリブチルア
クリレートラテックスを調整し、次いで、コアとしての
上記ポリブチルアクリレートラテックス粒子の存在下に
メチルメタクリレートおよび必要に応じて共単量体やエ
チレングリコールジメタクリレートのような架橋性単量
体を乳化重合させ、コアを被覆させて、シェルを形成す
ることによって、コアシェル共重合体を得ることができ
る。必要ならば、コアシェル共重合体は、市販品として
入手することができる。コアシェル共重合体(B) の添加
量は全組成物中5〜20重量%である。(B) 成分の添加量
が5重量%より少ない場合には、薄肉曲げ靭性改善効果
が小さく、20重量%よりも多い場合には熱変形温度の低
下を生じ、かつ剛性等の機械的性質を阻害するため好ま
しくない。
【0008】本発明で用いられる(C) 成分は、繊維長 1
00μm 以下の繊維状充填剤であり、全組成物中1〜20重
量%、好ましくは3〜15重量%含有される。(C) 成分の
含有量が1重量%より少ない場合には、形状安定性の改
善効果が小さく、20重量%より多い場合には、樹脂組成
物の流動性が悪化する。又、(C) 成分の繊維状充填剤と
しては、チタン酸カリ繊維、ガラス繊維等が挙げられる
が、好ましくはガラス繊維である。ここで、(C) 成分の
繊維長が 100μm より長い場合には、成形時の異方性が
大きくなり、成形品の精度が悪化する。本発明で用いら
れる(D) 成分は、成形品に含有される際の長さが 200μ
m 以上のガラス繊維であり、配合量は全組成物中4〜20
重量%、好ましくは7〜15重量%である。4重量%より
少ない場合には強度改善効果が小さく、20重量%より多
い場合には成形品の外観が阻害される。ここで、(D) 成
分の繊維長が 200μm より短い場合には、強度の発現が
不十分となる。本発明においては、 (C)繊維長 100μm
以下の繊維状充填剤と(D) 繊維長 200μm 以上のガラス
繊維とを、夫々特定量配合することにより、形状安定性
と機械的強度をバランス良く具えた成形品を得ることが
できるのである。又、これらのガラス繊維等の使用にあ
たっては、必要ならば収束剤又は表面処理剤を使用する
ことが望ましい。この例を示せば、エポキシ系化合物、
イソシアネート系化合物等の官能性化合物である。これ
らの化合物は予め表面処理又は収束処理を施して用いる
か、又は材料調製の際同時に添加してもよい。併用され
る官能性表面処理剤の使用量は、ガラス繊維等に対し0
〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。
【0009】本発明の樹脂組成物には、その目的を阻害
しない範囲で他の熱可塑性樹脂を補助的に少量併用する
ことも可能である。ここで用いられる他の熱可塑性樹脂
としては高温において安定な熱可塑性樹脂であればいず
れのものでもよい。例えば、ポリアミド、ABS、ポリ
フェニレンオキサイド、ポリアルキルアクリレート、ポ
リアセタール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、
ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、フッ素樹脂
などを挙げることができる。また、これらの熱可塑性樹
脂は二種以上混合して使用することもできる。
【0010】本発明の樹脂組成物には、更にその目的に
応じ所望の特性を付与するために、一般に熱可塑性樹脂
等に添加される公知の物質、即ち酸化防止剤や耐熱安定
剤、紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、滑剤、離型
剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤及び結晶化
促進剤、結晶核剤等を配合することが可能である。特に
安定剤の添加は、成形品を高温で使用する電子部品等に
おいて、接触する金属の腐食、汚染を防止するのに有効
である。安定剤としては、ヒンダードフェノール系、ア
ミン系、リン系、チオエーテル系等の化合物が使用でき
る。ヒンダードフェノール系化合物の一例を示せば、1,
6 −ヘキサンジオールビス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペン
タエリスリトールテトラキス〔3−(3,5 −ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ト
リエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−5
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
などである。アミン化合物の一例を示せば、N−フェニ
ル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,
N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、4,4'−ビス
−(4−α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン、ジフェニルアミンとアセトンとの縮合反応物、N−
フェニルナフチルアミン、N,N'−ジ−β−ナフチルフェ
ニレンジアミンなどである。リン系化合物としては、フ
ォスファイト系及びフォスフォナイト系有機化合物が好
ましく、例えば、トリフェニルフォスファイト、トリ
(ノニルフェニル)フォスファイト等のトリアリルフォ
スファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォ
スファイト、サイクリックネオペンタンテトライル−ビ
ス−(2,4 −ジ−t−ブチルフェニル−フォスファイ
ト)、ジ−(2,6 −ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジフォスファイト等の耐熱性
フォスファイト類、テトラキス(2,4 −ジ−t−ブチル
フェニル)−4,4 −ビフェニレンフォスフォナイト等の
フォスフォナイト化合物等が代表例として挙げられる。
【0011】また、チオエーテル系化合物としてはジラ
ウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロ
ピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウ
リルステアリルチオジプロピオネート、テトラキス〔メ
チレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート〕メタ
ン、ジアルキル(C12 〜C18)−3,3 −チオジプロピオネ
ートなどが挙げられる。安定剤の添加量は樹脂材料全量
に対し0.01〜5重量%であり、好ましくは0.1〜3重量
%である。
【0012】本発明の樹脂組成物の調製は、従来の樹脂
組成物調製方法として一般に用いられる公知の設備と方
法により容易に調製される。例えば、1)各成分を混合
した後、押出機により練り込み押出してペレットを調製
し、しかる後成形する方法、 2)一旦組成の異なるペレットを調製し、そのペレット
を所定量混合して成形に供し成形後に目的組成の成形品
を得る方法、3)成形機に各成分の1または2以上を直
接仕込む方法等、何れも使用できる。また、樹脂成分の
一部を細かい粉体としてこれ以外の成分と混合し添加す
ることは、これらの成分の均一配合を行う上で好ましい
方法である。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1〜3 表1の如く、(A-1) 成分としてポリブチレンテレフタレ
ート(PBT) 、(A-2) 成分としてポリカーボネート、(B)
成分として各種コアシェル共重合体および(C)、(D) 成分
として各種ガラス繊維を表1に示す割合で混合し、押出
機で溶融混練して、ペレット状の組成物を調製した。次
いで射出成形により試験片を作成し、物性を測定した。
結果を表1に示す。評価した項目および測定法は以下の
通りである。 ・薄肉曲げ試験 長さ130mm 、厚み1.6mm 、幅12.8mmの試験片を用い、23
℃雰囲気下、支点間距離25mm、曲げ速度1mm/minにて測
定し、最大曲げ強度および破断時の曲げ歪量を求めた。
曲げ歪量が高い方が靭性が高いことを示す。 ・碁盤目テープ試験 試験片(ASTM Type 1 引張試験片)をメタノールで脱脂
した後、試験片表面に1mm間隔で 100個の碁盤目を作
り、セロハンテープを張り付け、引き剥がした後、剥離
状況を目視で評価。剥離しない碁盤目数を計測した。 ・内反り変形試験 図1に示した箱型成形品(製品寸法:縦=40mm、横=80
mm、高さ=40mm、肉厚=2mm)を成形し、内反り変形の
評価として、l−1'の値を測定した。尚、ここで(B) 成
分として用いた各種コアシェル共重合体の、シェル成分
中のグリシジルメタクリレート含有量およびコアとシェ
ルの重量比は下記の通りである。 コアシェル共重合体B-1 :コア=ポリブチルアクリレー
ト80重量% シェル=メチルメタクリレート/グリシジルメタクリレ
ート(重量比95/5)20重量% コアシェル共重合体B-2 :コア=ポリブチルアクリレー
ト80重量% シェル=メチルメタクリレート/グリシジルメタクリレ
ート(重量比85/15)20重量% 比較例1 比較のため、(A-2) 成分であるポリカーボネートを配合
しない場合について上記実施例と同様にしてペレット状
組成物を調製し、上記物性の評価を行った。結果を表1
に示す。 比較例2〜4 (B) 成分であるコアシェル共重合体を配合しない場合
(比較例2)、本発明のコアシェル共重合体に代えてエ
チレン−エチルアクリレート共重合体を配合した場合
(比較例3)について上記実施例と同様にしてペレット
状組成物を調製し、上記物性の評価を行った。結果を表
1に示す。又、(B) 成分であるコアシェル共重合体とし
て、シェル成分中にグリシジルメタクリレートを含有し
ないコアシェル共重合体(コアシェル共重合体B-3 :コ
ア=ポリブチルアクリレート80重量%、シェル=ポリメ
チルメタクリレート20重量%)を配合した場合(比較例
4)について上記実施例と同様にしてペレット状組成物
を調製し、上記物性の評価を行った。結果を表1に示
す。 比較例5〜7 (C) 成分である繊維長100 μm 以下のガラス繊維を含有
しない場合(比較例5、6)、および(A-2) 、(C) 成分
ともに含有しない場合(比較例7)について上記実施例
と同様にしてペレット状組成物を調製し、上記物性の評
価を行った。結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】以上の説明および実施例により明らかな
ように、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリブチレン
テレフタレート樹脂とポリカーボネート樹脂およびガラ
ス繊維強化材からなる樹脂組成物に、コアシェル共重合
体および100 μm 以下の繊維長を有する繊維状充填剤を
配合することにより、形状安定性に優れ、また従来のオ
レフィン系エラストマー使用時に見られた表層剥離を起
こすことなく、薄肉曲げ強度および靭性を向上させたも
のである。本発明の熱可塑性樹脂組成物は板状あるいは
箱型成形品に適し、特に、厳しい寸法精度が要求される
精密成形品としての用途に好適な材料として期待できる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例において、内反り変形試験のために成
形した箱型成形品の上面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 熱可塑性ポリエステル樹脂(A-1) 60〜
    95重量部とポリカーボネート樹脂(A-2) 5〜40重量部よ
    りなる樹脂材料40〜90重量%、 (B) 主としてポリブチルアクリレートからなるコアと、
    グリシジルメタクリレートとメチルメタクリレート共重
    合体からなるシェルを有し、シェル成分中にグリシジル
    メタクリレートが5〜25重量%含有され、コアとシェル
    成分の重量比がコア/シェル=50〜90/50〜10であるコ
    アシェル共重合体5〜20重量%、 (C)繊維長 100μm 以下の繊維状充填剤1〜20重量% (D)繊維長 200μm 以上のガラス繊維4〜20重量% からなるポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(C) 成分の繊維状充填剤がガラス繊維であ
    る請求項1のポリエステル樹脂組成物。
JP22677194A 1994-09-21 1994-09-21 ポリエステル樹脂組成物 Pending JPH0892469A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22677194A JPH0892469A (ja) 1994-09-21 1994-09-21 ポリエステル樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22677194A JPH0892469A (ja) 1994-09-21 1994-09-21 ポリエステル樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0892469A true JPH0892469A (ja) 1996-04-09

Family

ID=16850360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22677194A Pending JPH0892469A (ja) 1994-09-21 1994-09-21 ポリエステル樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0892469A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257391A (ja) * 2005-02-18 2006-09-28 Mitsubishi Rayon Co Ltd 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物
KR100878571B1 (ko) * 2007-12-31 2009-01-15 제일모직주식회사 투명 열가소성 수지 조성물

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257391A (ja) * 2005-02-18 2006-09-28 Mitsubishi Rayon Co Ltd 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物
KR100878571B1 (ko) * 2007-12-31 2009-01-15 제일모직주식회사 투명 열가소성 수지 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2079781B1 (en) Thermoplastic resin composition and plastic article
KR101958884B1 (ko) 열가소성 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품
JP2010105226A (ja) 樹脂成形体
KR102296775B1 (ko) 열가소성 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품
KR101799638B1 (ko) 열가소성 수지 조성물 및 이를 이용한 자동차 외장용 성형품
KR102018712B1 (ko) 열가소성 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품
TWI229110B (en) Damping thermoplastic resin composition and molded article
CN108264748B (zh) 热塑性树脂组合物及使用其的模制品
KR20150044893A (ko) 특정 단면 구조를 갖는 성형체
US10822494B2 (en) Polycarbonate resin composition and molded product using the same
KR102001484B1 (ko) 열가소성 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품
KR20130074365A (ko) 열가소성 수지 조성물
JPH0892469A (ja) ポリエステル樹脂組成物
CN111386312A (zh) 树脂组合物和由其制造的模制产品
JP2020084037A (ja) 熱可塑性樹脂組成物及び成形体
JPH041261A (ja) 靱性および加水分解耐性を有するポリカーボネート/ポリエステル配合物
KR101854012B1 (ko) 열가소성 수지 조성물 및 이를 포함하는 성형품
JP3320588B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JPS61252268A (ja) ポリカ−ボネ−ト組成物
JP7129236B2 (ja) 熱可塑性エラストマー樹脂及びその成形体
EP3135728B1 (en) Thermoplastic resin composition and molded article comprising the same
KR19980027070A (ko) 내충격성이 우수한 열가소성 수지조성물
KR20220122126A (ko) 열가소성 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품
JPH107894A (ja) ポリエステル樹脂製箱形状成形品
KR102208846B1 (ko) 고분자 수지 조성물 및 수지 성형품