JPH0892415A - 微粒子を分散させた高分子複合物の製造方法 - Google Patents
微粒子を分散させた高分子複合物の製造方法Info
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- JPH0892415A JPH0892415A JP25461794A JP25461794A JPH0892415A JP H0892415 A JPH0892415 A JP H0892415A JP 25461794 A JP25461794 A JP 25461794A JP 25461794 A JP25461794 A JP 25461794A JP H0892415 A JPH0892415 A JP H0892415A
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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- Y02W30/62—Plastics recycling; Rubber recycling
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- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱力学的に準安定構造を有する再生高分子を
多量に生産し、この再生高分子を用いて金属あるいは金
属酸化物の微粒子を高分子層中に分散させることができ
る高分子複合物の製造方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 減圧下にある閉鎖した空間で高分子材料5を
熱分解して気化し、この気化物を該空間の非加熱領域で
冷却固化することでペースト状の再生高分子19を作製
する。そして、この再生高分子19から得られた高分子
層21の表面に金属層23を密着した後、高分子層21
を加熱して金属層23から微粒子化した金属あるいは金
属酸化物の微粒子25を高分子層21内に分散させる。
多量に生産し、この再生高分子を用いて金属あるいは金
属酸化物の微粒子を高分子層中に分散させることができ
る高分子複合物の製造方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 減圧下にある閉鎖した空間で高分子材料5を
熱分解して気化し、この気化物を該空間の非加熱領域で
冷却固化することでペースト状の再生高分子19を作製
する。そして、この再生高分子19から得られた高分子
層21の表面に金属層23を密着した後、高分子層21
を加熱して金属層23から微粒子化した金属あるいは金
属酸化物の微粒子25を高分子層21内に分散させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微粒子を分散させた高分
子複合物の製造方法に係り、詳しくは高分子を熱分解し
た後に冷却して再生高分子を作製し、この再生高分子か
ら得られた高分子層の表面に金属を密着した後に、この
高分子層を加熱して金属あるいは金属酸化物の微粒子を
高分子層中に分散させる高分子複合物の製造方法に関す
る。
子複合物の製造方法に係り、詳しくは高分子を熱分解し
た後に冷却して再生高分子を作製し、この再生高分子か
ら得られた高分子層の表面に金属を密着した後に、この
高分子層を加熱して金属あるいは金属酸化物の微粒子を
高分子層中に分散させる高分子複合物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】今日、金属あるいは金属酸化物の微粒子
−高分子複合物の製造方法として、高分子を真空蒸着し
て得られた熱力学的に準安定構造を有する高分子層に真
空蒸着して得られた金属層を積層した後、この高分子層
を熱力学的に安定させることによって金属層の金属を超
微粒子化させることが提案され、特開平3−27306
0号公報に開示されている。
−高分子複合物の製造方法として、高分子を真空蒸着し
て得られた熱力学的に準安定構造を有する高分子層に真
空蒸着して得られた金属層を積層した後、この高分子層
を熱力学的に安定させることによって金属層の金属を超
微粒子化させることが提案され、特開平3−27306
0号公報に開示されている。
【0003】あるいは、他の方法としては、特開平4−
356529号公報に記載されているように、高分子を
加熱して低粘度の液体とし、これを100℃/秒以上の
冷却速度で超冷却して熱力学的に準安定構造を有する高
分子層を作製し、この高分子の表面に金属層を密着した
後、該融解温度以下で加熱して高分子層を安定化させる
ことで金属層の金属を微粒子化して高分子層内に分散さ
せる方法がある。このようにして得られた高分子複合物
は、例えば有機溶剤に溶解してペーストとし、これをセ
ラミックス基材上へ塗布することによって電極、配線、
回路等を作製していた。
356529号公報に記載されているように、高分子を
加熱して低粘度の液体とし、これを100℃/秒以上の
冷却速度で超冷却して熱力学的に準安定構造を有する高
分子層を作製し、この高分子の表面に金属層を密着した
後、該融解温度以下で加熱して高分子層を安定化させる
ことで金属層の金属を微粒子化して高分子層内に分散さ
せる方法がある。このようにして得られた高分子複合物
は、例えば有機溶剤に溶解してペーストとし、これをセ
ラミックス基材上へ塗布することによって電極、配線、
回路等を作製していた。
【0004】また、一方、金属だけでなく有機色素も同
様に熱力学的に準安定構造を有する高分子層に色素蒸着
膜を作製した後、高分子層を熱処理することによって1
分子から数分子のクラスターとして高分子中に分散させ
ていた。この色素分子を分散させた高分子複合物は光学
フィルター、非線型光学素子等に応用されようとしてい
る。
様に熱力学的に準安定構造を有する高分子層に色素蒸着
膜を作製した後、高分子層を熱処理することによって1
分子から数分子のクラスターとして高分子中に分散させ
ていた。この色素分子を分散させた高分子複合物は光学
フィルター、非線型光学素子等に応用されようとしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記高分子複合物を作
製する過程で、熱力学的に準安定構造を有する高分子層
を作製する必要がある。真空蒸着や金型に流し込んで急
冷固化する方法が実験的にも容易でしかも確実に実施で
きるところから一般的であった。しかし、このような方
法では、熱力学的に準安定構造を有する高分子層や高分
子複合物を短時間に多量に生産することはできない大き
な問題があった。本発明は、このような問題点を改善す
るものであり、熱力学的に準安定構造を有する再生高分
子を多量に生産し、この再生高分子を用いて金属あるい
は金属酸化物の微粒子を高分子層中に分散させることが
できる高分子複合物の製造方法を提供することを目的と
する。
製する過程で、熱力学的に準安定構造を有する高分子層
を作製する必要がある。真空蒸着や金型に流し込んで急
冷固化する方法が実験的にも容易でしかも確実に実施で
きるところから一般的であった。しかし、このような方
法では、熱力学的に準安定構造を有する高分子層や高分
子複合物を短時間に多量に生産することはできない大き
な問題があった。本発明は、このような問題点を改善す
るものであり、熱力学的に準安定構造を有する再生高分
子を多量に生産し、この再生高分子を用いて金属あるい
は金属酸化物の微粒子を高分子層中に分散させることが
できる高分子複合物の製造方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の微粒子を
分散させた高分子複合物の製造方法においては、減圧下
にある閉鎖した空間で高分子材料を熱分解して気化し、
この気化物を該空間の非加熱領域で冷却固化することで
熱力学的に準安定構造を有する再生高分子を作製し、こ
の再生高分子から得られた高分子層の表面に金属層を密
着した後、高分子層を加熱して金属層から微粒子化した
金属あるいは金属酸化物の微粒子を高分子層内に分散さ
せる方法にある。
分散させた高分子複合物の製造方法においては、減圧下
にある閉鎖した空間で高分子材料を熱分解して気化し、
この気化物を該空間の非加熱領域で冷却固化することで
熱力学的に準安定構造を有する再生高分子を作製し、こ
の再生高分子から得られた高分子層の表面に金属層を密
着した後、高分子層を加熱して金属層から微粒子化した
金属あるいは金属酸化物の微粒子を高分子層内に分散さ
せる方法にある。
【0007】また、本発明は再生高分子が元の高分子材
料より分子量が低下したペースト状高分子である場合
や、更に減圧下にある閉鎖した空間で高分子材料を熱分
解して気化し、この気化物を該空間の非加熱領域で冷却
固化することで熱力学的に準安定構造を有するペースト
状の再生高分子を作製し、この再生高分子から得られた
薄膜の高分子層の表面に真空蒸着により得られた金属層
を付着した後、高分子層を加熱して金属層から微粒子化
した金属あるいは金属酸化物の微粒子を高分子層内に分
散させる高分子複合物の製造方法も含む。
料より分子量が低下したペースト状高分子である場合
や、更に減圧下にある閉鎖した空間で高分子材料を熱分
解して気化し、この気化物を該空間の非加熱領域で冷却
固化することで熱力学的に準安定構造を有するペースト
状の再生高分子を作製し、この再生高分子から得られた
薄膜の高分子層の表面に真空蒸着により得られた金属層
を付着した後、高分子層を加熱して金属層から微粒子化
した金属あるいは金属酸化物の微粒子を高分子層内に分
散させる高分子複合物の製造方法も含む。
【0008】本発明方法の第1の工程は、図1に示す装
置により再生高分子を作製する。この再生高分子の製造
装置1は高分子材料を熱分解した後に冷却固化するガラ
ス管2、高分子材料を加熱する加熱炉3、そしてガラス
管2内を減圧にする減圧装置4からなっている。
置により再生高分子を作製する。この再生高分子の製造
装置1は高分子材料を熱分解した後に冷却固化するガラ
ス管2、高分子材料を加熱する加熱炉3、そしてガラス
管2内を減圧にする減圧装置4からなっている。
【0009】上記ガラス管2は電気炉からなる加熱炉3
に挿入され、ペレットからなる高分子材料5を入れた容
器6を加熱するようになっている。ガラス管2の両端領
域は加熱炉3から左右に突出して露出し、一方の端部7
は栓等の開閉器8により開閉可能になり、高分子材料5
を容器6に入れる挿入口になっている。また他方の端部
10は、ガラス管2内を減圧にするために配管11を連
結している。この管11は開閉弁12、トラップ13、
ロータリーポンプ14からなる減圧装置4に連結してい
る。
に挿入され、ペレットからなる高分子材料5を入れた容
器6を加熱するようになっている。ガラス管2の両端領
域は加熱炉3から左右に突出して露出し、一方の端部7
は栓等の開閉器8により開閉可能になり、高分子材料5
を容器6に入れる挿入口になっている。また他方の端部
10は、ガラス管2内を減圧にするために配管11を連
結している。この管11は開閉弁12、トラップ13、
ロータリーポンプ14からなる減圧装置4に連結してい
る。
【0010】まずガラス管2の開閉器8を開けた後、ガ
イド棒(図示せず)により容器6を入口まで移動させて
高分子材料5を容器6に入れ、そして容器6をガイド棒
により加熱領域まで押し込んで設置する。その後、開閉
器8を閉じ開閉弁12を開放してロータリーポンプ14
の作動により、ガラス管2内を10-2〜10-4torr
まで減圧し、これを維持する。そして、加熱炉3によっ
て高分子材料5を熱分解するまで加熱して気化させた
後、気化物を加熱炉3から突出したガラス管2の空冷領
域17で付着させ、再生高分子19を回収する。
イド棒(図示せず)により容器6を入口まで移動させて
高分子材料5を容器6に入れ、そして容器6をガイド棒
により加熱領域まで押し込んで設置する。その後、開閉
器8を閉じ開閉弁12を開放してロータリーポンプ14
の作動により、ガラス管2内を10-2〜10-4torr
まで減圧し、これを維持する。そして、加熱炉3によっ
て高分子材料5を熱分解するまで加熱して気化させた
後、気化物を加熱炉3から突出したガラス管2の空冷領
域17で付着させ、再生高分子19を回収する。
【0011】得られた再生高分子19は、分子量1,0
00〜5,000の低粘度のペースト状あるいは硬度の
小さい柔軟な固形物状の高分子であり、熱力学的に準安
定構造を有する材料になっている。これは元の高分子材
料の分子量に比べて1/10〜1/100程度にかなり
小さくなっている。また再生高分子19は、溶剤を含ん
でいないために室温雰囲気下に放置しても粘度等に変化
を起こさない。
00〜5,000の低粘度のペースト状あるいは硬度の
小さい柔軟な固形物状の高分子であり、熱力学的に準安
定構造を有する材料になっている。これは元の高分子材
料の分子量に比べて1/10〜1/100程度にかなり
小さくなっている。また再生高分子19は、溶剤を含ん
でいないために室温雰囲気下に放置しても粘度等に変化
を起こさない。
【0012】本発明で使用する高分子材料は、分子凝集
エネルギーとして2000cal/mol以上有するも
ので、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン69、高密度ポリエチレン
(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコ
ール、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカー
ボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等
である。
エネルギーとして2000cal/mol以上有するも
ので、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン69、高密度ポリエチレン
(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコ
ール、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカー
ボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等
である。
【0013】次いで、第2工程として図2に示すよう
に、再生高分子19をガラス等に基材20上に設置した
後に、ロールで押し付けて厚さ0.005〜0.1mm
の薄膜の高分子層21を作製する。このように高分子層
21を薄膜にするのは、後述するように金属もしくは金
属酸化物の微粒子を全体にわたって均一に分散させるた
めである。
に、再生高分子19をガラス等に基材20上に設置した
後に、ロールで押し付けて厚さ0.005〜0.1mm
の薄膜の高分子層21を作製する。このように高分子層
21を薄膜にするのは、後述するように金属もしくは金
属酸化物の微粒子を全体にわたって均一に分散させるた
めである。
【0014】続いて、基材20上に設置された再生高分
子からなる高分子層21は、図3に示すようにその表面
に金属層23を密着させる工程へ移される。この工程で
は真空蒸着装置によって金属を高分子層21表面に蒸着
させるか、もしくは金属箔、金属板を直接高分子層21
に密着させる等の方法で金属層23を高分子層21に積
層させる。その金属材料としては金、銀、白金、銅、
鉄、ニッケル、コバルト、スズ、亜鉛、セリウム、イッ
トリウム等であり、特に限定されない。
子からなる高分子層21は、図3に示すようにその表面
に金属層23を密着させる工程へ移される。この工程で
は真空蒸着装置によって金属を高分子層21表面に蒸着
させるか、もしくは金属箔、金属板を直接高分子層21
に密着させる等の方法で金属層23を高分子層21に積
層させる。その金属材料としては金、銀、白金、銅、
鉄、ニッケル、コバルト、スズ、亜鉛、セリウム、イッ
トリウム等であり、特に限定されない。
【0015】金属層22と高分子層21とを密着した積
層物24を加熱し、高分子層21を安定状態へ移行さ
せ、高分子複合物26を得る。この工程では前記金属層
付の高分子層21を恒温槽中で高分子材料の融解温度以
下において加熱する。その結果、図4に示されるように
金属層22の金属は、粒径1,000nm以下、好まし
くは300nm以下、より好ましくは100nm以下の
金属もしくは金属酸化物の微粒子25となって高分子層
21内へ拡散浸透し、この状態は高分子層21が完全に
緩和するまで続く。高分子層21に付着している金属層
22はその厚さも減少して最終的に無くなる。
層物24を加熱し、高分子層21を安定状態へ移行さ
せ、高分子複合物26を得る。この工程では前記金属層
付の高分子層21を恒温槽中で高分子材料の融解温度以
下において加熱する。その結果、図4に示されるように
金属層22の金属は、粒径1,000nm以下、好まし
くは300nm以下、より好ましくは100nm以下の
金属もしくは金属酸化物の微粒子25となって高分子層
21内へ拡散浸透し、この状態は高分子層21が完全に
緩和するまで続く。高分子層21に付着している金属層
22はその厚さも減少して最終的に無くなる。
【0016】前記微粒子25が金属酸化物の場合には、
それはCu2 O、Fe3 O4 、ZnO、Y2 O3 等であ
る。
それはCu2 O、Fe3 O4 、ZnO、Y2 O3 等であ
る。
【0017】尚、この工程で高分子層21を加熱する
と、高分子層21が金属もしくは金属酸化物の微粒子2
5との相互作用で固有の着色を示し、金属もしくは金属
酸化物の微粒子25が高分子層21内へ浸透しているこ
とがわかる。また、この色は金属もしくは金属酸化物の
種類、金属もしくは金属酸化物の微粒子径、高分子の種
類により変化しうる。このようにして得られた高分子複
合物26は、図4に示すように微粒子25が独立した状
態で分離分散している。
と、高分子層21が金属もしくは金属酸化物の微粒子2
5との相互作用で固有の着色を示し、金属もしくは金属
酸化物の微粒子25が高分子層21内へ浸透しているこ
とがわかる。また、この色は金属もしくは金属酸化物の
種類、金属もしくは金属酸化物の微粒子径、高分子の種
類により変化しうる。このようにして得られた高分子複
合物26は、図4に示すように微粒子25が独立した状
態で分離分散している。
【0018】
【実施例】次に、本発明を具体的な実施例により更に詳
細に説明する。 実施例1 ナイロン11のポリマーペレット10gをガラス管の入
口付近に移動させた容器に入れた後、この容器をガイド
棒で加熱領域まで移動させ、入口を栓で閉じた。そし
て、開閉弁を開いてロータリーポンプを作動させてガラ
ス管内を10-3torrまで減圧にし、これを維持し
た。加熱炉を400°Cまで上昇させてナイロン11を
熱分解して気化させ、気化物を加熱炉から突出したガラ
ス管の空冷領域に徐々に付着させて茶褐色のペースト状
の再生高分子7gを得た。収率は70%であった。
細に説明する。 実施例1 ナイロン11のポリマーペレット10gをガラス管の入
口付近に移動させた容器に入れた後、この容器をガイド
棒で加熱領域まで移動させ、入口を栓で閉じた。そし
て、開閉弁を開いてロータリーポンプを作動させてガラ
ス管内を10-3torrまで減圧にし、これを維持し
た。加熱炉を400°Cまで上昇させてナイロン11を
熱分解して気化させ、気化物を加熱炉から突出したガラ
ス管の空冷領域に徐々に付着させて茶褐色のペースト状
の再生高分子7gを得た。収率は70%であった。
【0019】次いで、この再生高分子をガラス基材上に
載せると、ロールで押し付けて厚さ約100μmの薄膜
の高分子層を作製した。
載せると、ロールで押し付けて厚さ約100μmの薄膜
の高分子層を作製した。
【0020】この高分子層を積層したガラス基材を真空
蒸着装置内に投入し、金を電子ビームにより加熱融解し
て10-4〜10-6torrの真空下で蒸着を行い、高分
子層の上に金蒸着膜を付着した後に、ガラス基材を真空
蒸着装置から取り出した。そして、これを120℃に設
定した恒温槽中に30分間放置して高分子複合物を得
た。
蒸着装置内に投入し、金を電子ビームにより加熱融解し
て10-4〜10-6torrの真空下で蒸着を行い、高分
子層の上に金蒸着膜を付着した後に、ガラス基材を真空
蒸着装置から取り出した。そして、これを120℃に設
定した恒温槽中に30分間放置して高分子複合物を得
た。
【0021】得られた高分子複合物の表面の色、及びこ
の複合物をX線回析法によって得られる回析ピークの半
値幅からシェラーの式より微粒子のサイズを求めた。こ
の結果、上記高分子複合物の表面の色は、赤色であり、
微粒子のサイズは1〜5nmであった。
の複合物をX線回析法によって得られる回析ピークの半
値幅からシェラーの式より微粒子のサイズを求めた。こ
の結果、上記高分子複合物の表面の色は、赤色であり、
微粒子のサイズは1〜5nmであった。
【0022】また、前記高分子層の上に金蒸着膜を付着
した試料と、これを加熱した後の試料を入射角1.0°
の薄膜X線回折装置(理学電機社製RINT1200)
を用いて、X線回折パターンを測定した。その結果を図
5に示す。
した試料と、これを加熱した後の試料を入射角1.0°
の薄膜X線回折装置(理学電機社製RINT1200)
を用いて、X線回折パターンを測定した。その結果を図
5に示す。
【0023】このX線回折パターンにおいて、熱処理前
は高分子層と金蒸着膜との積層物であり、熱処理後はこ
の積層物を120℃で30分恒温槽に放置して熱処理し
た後の複合物を示す。これによると熱処理前のパターン
では、金及びナイロン11の回折ピークが出現してお
り、ナイロン11の高分子層に金属の蒸着膜を積層した
構成であることを示している。また、熱処理後のパター
ンはナイロン11の構造が変化し、熱処理によって緩和
していることがわかる。そして、金の回折ピーク幅(半
価幅)が大きくなっているところから、金が微粒子化し
てナイロン11中に分散していることを示している。
は高分子層と金蒸着膜との積層物であり、熱処理後はこ
の積層物を120℃で30分恒温槽に放置して熱処理し
た後の複合物を示す。これによると熱処理前のパターン
では、金及びナイロン11の回折ピークが出現してお
り、ナイロン11の高分子層に金属の蒸着膜を積層した
構成であることを示している。また、熱処理後のパター
ンはナイロン11の構造が変化し、熱処理によって緩和
していることがわかる。そして、金の回折ピーク幅(半
価幅)が大きくなっているところから、金が微粒子化し
てナイロン11中に分散していることを示している。
【0024】また、図6は熱処理した後の複合物の光吸
収スペクトルを示すものであり、金微粒子のコロイド吸
収が見られ、金が微粒子化していることが判る。
収スペクトルを示すものであり、金微粒子のコロイド吸
収が見られ、金が微粒子化していることが判る。
【0025】実施例2 実施例1で得られた高分子層を積層したガラス基材を真
空蒸着装置内に投入し、銅を電子ビームにより加熱融解
して10-4〜10-6torrの真空下で蒸着を行い、高
分子層の上に銅蒸着膜を付着した後に、ガラス基材を真
空蒸着装置から取り出した。そして、これを120℃に
設定した恒温槽中に30分間放置して高分子複合物を得
た。
空蒸着装置内に投入し、銅を電子ビームにより加熱融解
して10-4〜10-6torrの真空下で蒸着を行い、高
分子層の上に銅蒸着膜を付着した後に、ガラス基材を真
空蒸着装置から取り出した。そして、これを120℃に
設定した恒温槽中に30分間放置して高分子複合物を得
た。
【0026】得られた高分子複合物の表面の色は、青緑
色であり、微粒子はCu2 Oで、そのサイズは1〜10
nmであった。
色であり、微粒子はCu2 Oで、そのサイズは1〜10
nmであった。
【0027】実施例3 実施例1で得られた高分子層を積層したガラス基材を真
空蒸着装置内に投入し、銀を電子ビームにより加熱融解
して10-4〜10-6torrの真空下で蒸着を行い、高
分子層の上に銀蒸着膜を付着した後に、ガラス基材を真
空蒸着装置から取り出した。そして、これを120℃に
設定した恒温槽中に30分間放置して高分子複合物を得
た。
空蒸着装置内に投入し、銀を電子ビームにより加熱融解
して10-4〜10-6torrの真空下で蒸着を行い、高
分子層の上に銀蒸着膜を付着した後に、ガラス基材を真
空蒸着装置から取り出した。そして、これを120℃に
設定した恒温槽中に30分間放置して高分子複合物を得
た。
【0028】得られた高分子複合物の表面の色は、黄色
であり、微粒子のサイズは1〜5nmであった。
であり、微粒子のサイズは1〜5nmであった。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明の微粒子を分散させ
た高分子複合物の製造方法では、減圧下にある閉鎖した
空間で高分子を加熱により熱分解して気体にし、この気
体を該空間の非加熱領域で固化することで再生高分子を
作製し、この再生高分子から得られた高分子層の表面に
金属層を密着した後、高分子層を加熱して金属層から微
粒子化した金属あるいは金属酸化物の微粒子を高分子層
内に均一に分散させることができることはむろん、上記
製造方法では多くの熱力学的に準安定な構造を有する再
生高分子を多量に生産することができる。特に、再生高
分子がペースト状であると、所定の厚みを有する高分子
層の作製が容易になる。
た高分子複合物の製造方法では、減圧下にある閉鎖した
空間で高分子を加熱により熱分解して気体にし、この気
体を該空間の非加熱領域で固化することで再生高分子を
作製し、この再生高分子から得られた高分子層の表面に
金属層を密着した後、高分子層を加熱して金属層から微
粒子化した金属あるいは金属酸化物の微粒子を高分子層
内に均一に分散させることができることはむろん、上記
製造方法では多くの熱力学的に準安定な構造を有する再
生高分子を多量に生産することができる。特に、再生高
分子がペースト状であると、所定の厚みを有する高分子
層の作製が容易になる。
【図1】本発明に係る製造方法に使用する再生高分子を
作製する装置の概略図を示す。
作製する装置の概略図を示す。
【図2】本発明に係る製造方法の工程であり、再生高分
子からなる薄膜の高分子層を基材上に作製した状態を示
す断面図である。
子からなる薄膜の高分子層を基材上に作製した状態を示
す断面図である。
【図3】本発明に係る製造方法の工程であり、高分子層
の表面に金属層を密着した状態を示す断面図である。
の表面に金属層を密着した状態を示す断面図である。
【図4】本発明に係る製造方法によって得られた高分子
複合物を断面図である。
複合物を断面図である。
【図5】熱処理前の高分子層と金蒸着膜との積層物と高
分子層とこの積層物を熱処理した後の高分子複合物のX
線回折パターンを示す。
分子層とこの積層物を熱処理した後の高分子複合物のX
線回折パターンを示す。
【図6】高分子層と金蒸着膜との積層物を熱処理した後
の高分子複合物の光吸収スペクトルを示す。
の高分子複合物の光吸収スペクトルを示す。
1 再生高分子の製造装置 2 ガラス管 3 加熱炉 4 減圧装置 5 高分子材料 6 容器 17 空冷領域 19 再生高分子 21 高分子層 23 金属層 25 微粒子 26 高分子複合物
Claims (3)
- 【請求項1】 減圧下にある閉鎖した空間で高分子材料
を熱分解して気化し、この気化物を該空間の非加熱領域
で冷却固化することで再生高分子を作製し、この再生高
分子から得られた高分子層の表面に金属層を密着した
後、高分子層を加熱して金属層から微粒子化した金属あ
るいは金属酸化物の微粒子を高分子層内に分散させるこ
とを特徴とする微粒子を分散させた高分子複合物の製造
方法。 - 【請求項2】 再生高分子がペースト状高分子である請
求項1記載の微粒子を分散させた高分子複合物の製造方
法。 - 【請求項3】 減圧下にある閉鎖した空間で高分子材料
を熱分解して気化し、この気化物を該空間の非加熱領域
で冷却固化することで熱力学的に準安定構造を有するペ
ースト状の再生高分子を作製し、この再生高分子から得
られた薄膜の高分子層の表面に真空蒸着により得られた
金属層を付着した後、高分子層を加熱して金属層から微
粒子化した金属あるいは金属酸化物の微粒子を高分子層
内に分散させることを特徴とする微粒子を分散させた高
分子複合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25461794A JP2798358B2 (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | 微粒子を分散させた高分子複合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25461794A JP2798358B2 (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | 微粒子を分散させた高分子複合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0892415A true JPH0892415A (ja) | 1996-04-09 |
JP2798358B2 JP2798358B2 (ja) | 1998-09-17 |
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ID=17267529
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25461794A Expired - Fee Related JP2798358B2 (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | 微粒子を分散させた高分子複合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2798358B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006089523A (ja) * | 2004-09-21 | 2006-04-06 | Denso Corp | 複合材料の製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03273060A (ja) * | 1989-11-24 | 1991-12-04 | Mitsuboshi Belting Ltd | 微粒子を分散させた高分子複合物とその製造方法 |
-
1994
- 1994-09-21 JP JP25461794A patent/JP2798358B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03273060A (ja) * | 1989-11-24 | 1991-12-04 | Mitsuboshi Belting Ltd | 微粒子を分散させた高分子複合物とその製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006089523A (ja) * | 2004-09-21 | 2006-04-06 | Denso Corp | 複合材料の製造方法 |
JP4576947B2 (ja) * | 2004-09-21 | 2010-11-10 | 株式会社デンソー | 複合材料の製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2798358B2 (ja) | 1998-09-17 |
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Date | Code | Title | Description |
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