JP2006089523A - 複合材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属、金属化合物または無機化合物のナノ粒子を有機材料マトリックス中に分散させてなる複合材料において、より広い原料の種類や組み合わせについて均一な分散状態を実現する。
【解決手段】 有機原料と金属原料、もしくは、有機材料と無機材料を、減圧した気相雰囲気中で独立に蒸発させることにより、金属、金属化合物または無機化合物のナノ粒子1を有機材料マトリックス2中に均一に分散させる。それによれば、マトリックス2となる有機材料と、ナノ粒子1の原料である金属原料または無機原料とを減圧した気相中で独立に蒸発させ、当該気相中でナノ粒子1を生成すると同時に有機材料でその周囲を覆うことになるため、原料の種類や組み合わせに制約を受けずに、ナノ粒子1の凝集を防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属、金属化合物または無機化合物のナノ粒子を有機材料マトリックス中に分散させてなる複合材料の製造方法に関する。
ナノ粒子は、粒子単独では、表面エネルギーが高いために、凝集体を構成し、通常の混合法では有機材料マトリックス中に均一に分散させることは極めて困難である。そのため種々の分散方法が提案されている。
たとえば、特許文献1に示されるように、ポリオキサゾリンとAgCF3SO3を水に混合し、ガラスにキャストして乾燥し、光を照射して光反応によってAgを還元し、有機物マトリックスの内部でAgのナノ粒子を生成することにより、凝集を抑制して均一な分散を狙ったものが提案されている。
特開2002−179931号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されている方法では、ナノ粒子の原料は光により還元可能なものでなければならず、分散しうるナノ粒子の種類が限定され、さらに副生成物がマトリックス中に残存するという問題がある。また、光反応を起こすべく原料を合成する必要があるため、原料コストが高くなるという問題がある。
さらに、マトリックスとなる有機原料についても、ナノ粒子の原料との相溶性、溶媒との相溶性等の面から、ナノ粒子との組み合わせは特定のものでなければ実現できないという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑み、金属、金属化合物または無機化合物のナノ粒子を有機材料マトリックス中に分散させてなる複合材料において、より広い原料の種類や組み合わせについて均一な分散状態を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、有機原料と金属原料、もしくは、有機材料と無機材料を、減圧した気相雰囲気中で独立に蒸発させることにより、金属、金属化合物または無機化合物のナノ粒子(1)を有機材料マトリックス(2)中に均一に分散させるようにしたことを特徴とする複合材料の製造方法が提供される。なお、ナノ粒子とは粒径が100nm以下程度のものである。
それによれば、マトリックス(2)となる有機材料と、ナノ粒子(2)の原料である金属原料または無機原料とを減圧した気相中で独立に蒸発させ、当該気相中でナノ粒子(1)を生成すると同時に有機材料マトリックス(2)でその周囲を覆うことになるため、特に、原料の種類や組み合わせに制約を受けずに、ナノ粒子(1)の凝集を防止することができる。
そのため、本発明によれば、金属、金属化合物または無機化合物のナノ粒子(1)を有機材料マトリックス(2)中に分散させてなる複合材料において、より広い原料の種類や組み合わせについて均一な分散状態を実現することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の複合材料の製造方法において、前記気相雰囲気は、5kPa以下の減圧雰囲気であることを特徴としている。
気相雰囲気を5kPa以下の減圧雰囲気にすることで、蒸発した原料の平均自由工程を制約し、気相中でのナノ粒子の粒径を制御することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の複合材料の製造方法において、前記気相雰囲気は、金属元素と反応する反応ガスを含むものであることを特徴としている。
ここで、請求項4に記載の発明のように、請求項3に記載の複合材料の製造方法における反応ガスとしては、O2、N2、F2、Cl2、H2およびNH3の群から選択された少なくとも1種にすることができる。たとえば目的とするナノ粒子が酸化物である場合、蒸発原料に金属元素を用い気相中にO2が存在することで、気相中で酸化物を生成することができる。しかし、ガスは目的のナノ粒子の組成をコントロールするため、これらのガスに限られるものでないことはいうまでもない。
また、請求項5に記載の発明のように、請求項1〜請求項4に記載の複合材料の製造方法において、各原料を蒸発させる方法としては、抵抗加熱、スパッタまたはレーザーアブレーションを採用することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、請求項1〜請求項5に記載の複合材料の製造方法において、有機原料としては、熱エネルギーあるいは光エネルギーにより分解され、蒸発あるいは気化するものを採用することができる。
具体的には、請求項7に記載の発明のように、有機原料としては、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリエステル、多糖、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプデン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ピニリデン、石油系アスファルト、または、これらのアロイもしくはコンポジットから選択されるものを採用することができる。
また、請求項8に記載の発明では、請求項1〜請求項7に記載の複合材料の製造方法において、各原料を蒸発させるための蒸発源(11、12)は複数あることを特徴としている。
また、請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の複合材料の製造方法のように、前記蒸発源(11、12)が複数個ある場合に、これら複数の蒸発源(11、12)において個々の蒸発源を個別に蒸発量をコントロールすることを特徴としている。それにより、種々の原料に見合った適切な製造を実現できる。
さらに、請求項10に記載の発明のように、前記蒸発源(11、12)が複数個ある場合に、複数の蒸発源(11、12)のうち複合体の回収位置(18)においてナノ粒子(1)となる原料の蒸発源(11)を、有機材料マトリックス(2)となる原料の蒸発源(12)よりも前記回収位置から遠くに位置させることが好ましい。
それによれば、最初に蒸発した核となる材料のナノ粒子(1)の表面を、より回収位置(18)に近い有機材料マトリックス(2)の原料成分にて被覆することが容易になるため、ナノ粒子(1)同士の凝集を防ぎ、均一な分散が実現しやすくなる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の実施形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る複合材料の模式的な構成を示す図であり、本図は、TEM観察像に基づいて作製したものである。
図1に示されるように、本実施形態の複合材料は、金属、金属化合物または無機化合物のナノ粒子1を有機材料マトリックス2中に均一に分散させてなるものである。
たとえば、ナノ粒子1としては、Ag、Al、Ni、Sn、Pt、Au、Rh、Pd、Fe、Mnなど、およびこれらの酸化物などを採用できるが、加熱やスパッタによって蒸発可能なものであればこれらに限られるものではない。
また、有機材料マトリックス2としては、導電性高分子であるポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびポリアニリンなどの共役系高分子、ポリエステル、多糖、ポリアミドなどの生分解性ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプデンなどのようなポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ピニリデンのようなハロゲン化炭化水素ポリマー類などの熱可塑性樹脂及び石油系アスファルト等が採用でき、これらのアロイもしくはコンポジットでもかまわない。具体的には、ナイロンやポリビニルアルコールなどが採用される。
本実施形態では、このような複合材料を製造する方法を提供するものであって、具体的には、有機原料と金属原料、もしくは、有機材料と無機材料を、減圧した気相雰囲気中で独立に蒸発させることにより、金属、金属化合物または無機化合物のナノ粒子1を有機材料マトリックス2中に均一に分散させるようにした製造方法が提供される。
ここで、気相雰囲気は、5kPa以下の減圧雰囲気であり、望ましくは1kPaから10Paの範囲である、こうすることで、蒸発した原料の平均自由工程を制約し、気相中でのナノ粒子の粒径を制御することができる。
また、気相雰囲気は、O2、N2、F2、Cl2、H2およびNH3の群から選択された少なくとも1種など、金属元素との反応ガスを含み、所定の圧力にするために、HeやArなどの不活性ガスを用いる。目的とするナノ粒子が酸化物である場合、蒸発原料に金属元素を用い気相中にO2が存在することで、気相中で酸化物を生成することができる。
また、導入するO2、N2、F2、Cl2、H2およびNH3などの反応ガスは、装置内への導入のタイミングや導入位置を制御することによって反応させる原料に選択性を持たせたり、得られる反応物の組成を連続的に制御することができる。
また、金属原料および有機原料の蒸発には、抵抗加熱方式、スパッタまたはレーザーアブレーションを用いることができる。高融点の金属原料については、スパッタ法が有効であり、また、気相中での反応ではなく、あらかじめ酸化物や合金など、金属化合物を原料とし、スパッタ法によってこれを蒸発させることもできる。
有機原料としては、熱や光などのエネルギーによって蒸発可能なものであれば、特に制約はない。また、熱や光、電子線、γ線などで架橋可能な有機材料を用いることによって、複合体を形成した後で、架橋させ、複合体の強度や化学的、熱的安定性を高めることができる。具体的には、本実施形態において有機材料マトリックス2の材料として上述した通りのものが挙げられる。
また、蒸発源は複数設置し、個々の蒸発量や蒸発速度を制御することによって、合金、金属化合物、コアシェル構造のナノ粒子、あるいはこれら複数種のナノ粒子を同時に生成することができる。このナノ粒子を単一、または、複数の有機物の混合物や共重合体によって被覆埋設することによって、上記した種々のナノ粒子を単独または混合し、マトリックス中に分散できるなど、種々の構造を実現することができる。
そのために、蒸発源と複合体の回収位置において核となる原料の蒸発源を回収位置からより遠い位置にすることで、最初に蒸発した核となる材料のナノ粒子の表面に、より回収位置に近い第2の原料成分を被覆し、さらに第3という具合に積層構造を形成したり、回収位置から等距離に置くことで、均一に混合することもできる。
図2は、本実施形態の製造方法に用いる真空槽10の概略断面を示す図である。この図2に示される製造装置に基づいて、より具体的な本実施形態の製造方法を述べる。
まず、真空槽10内の蒸発原11、12に対しては、原料物質が原料補充口13より供給される。ここで、図2中の左側の蒸発源11は、ナノ粒子となる原料すなわち金属原料または無機原料の蒸発源11であり、右側の蒸発源12は、有機材料マトリックスとなる原料すなわち有機原料の蒸発源12である。なお、原料物質の形状はタブレット(錠剤)状あるいは圧粉体、焼結体のいずれでも良い。
次に、真空ポンプ14にて真空槽10内を真空排気する。その後、O2ガス導入口15ならびにHeガス導入口16から所定の量の酸素ガスあるいはヘリウムガスを導入する。酸素ガスは、反応ガスとして原料物質を酸化させるためや還元させないために、真空槽10内を酸化雰囲気とすべく導入するものであり、ヘリウムガスは圧力調整のために導入するものである。なお、窒化物を形成する場合には、酸素ガスに代えて窒素ガスを導入してもよい。
これらガスは、真空ポンプ14の作動排気にて一定のガス圧を保つようにし、真空槽10内を、減圧した気相雰囲気(具体的には、5kPa以下、望ましくは1kPaから10Paの範囲)にする。
その後、冷媒導入口17より液体窒素あるいは液体ヘリウムなどの冷媒を円筒型基板18に導入し、該基板18を冷却する。この基板18は、複合体の回収位置に相当するものであり、図2の矢印に示されるように、モータ等により回転している。この後、真空槽10内の蒸発源11、12において、原料物質を同時に独立して蒸発させる。
この際、これら複数の蒸発源11、12において個々の蒸発源11、12を個別に蒸発量をコントロールする。それにより、上述したように、種々の原料に見合った適切な製造を実現できる。
さらに、図2に示されるように、蒸発源11、12が複数個ある場合に、複数の蒸発源11、12のうち複合体の回収位置すなわち基板18においてナノ粒子となる原料の蒸発源11を、有機材料マトリックスとなる原料の蒸発源12よりも基板18から遠くに位置させている。
こうして、真空槽10内の蒸発源11、12において、同時に蒸発した複数の原料物質は気体状となり、最初に蒸発した核となる材料のナノ粒子の表面は、より回収位置18に近い有機材料マトリックスの原料成分にて被覆される。そのため、ナノ粒子同士の凝集が防止され、均一な分散が実現しやすくなる。
また、この複合体は、蒸発後、基板18が冷媒により冷却されているために、真空槽10の内壁ではなく、基板18の表面に選択的に付着し、直ちに、粉末掻き落とし棒19により掻き落とされ、圧縮成形槽20へと大気に晒すことなく搬送される。そして、蒸発完了後、複合体は、圧縮成形槽20にて一軸加圧され、ペレット状に成形される。
以上のように、本実施形態によれば、有機原料と金属原料、もしくは、有機材料と無機材料を、減圧した気相雰囲気中で独立に蒸発させることにより、金属、金属化合物または無機化合物のナノ粒子1を有機材料マトリックス2中に均一に分散させるようにした製造方法が提供される。
それによれば、マトリックス2となる有機材料と、ナノ粒子1の原料である金属原料または無機原料とを減圧した気相中で独立に蒸発させ、当該気相中でナノ粒子1を生成すると同時に有機材料でその周囲を覆うことになるため、特に、原料の種類や組み合わせに制約を受けずに、ナノ粒子1の凝集を防止することができる。
そのため、本実施形態によれば、金属、金属化合物または無機化合物のナノ粒子1を有機材料マトリックス2中に分散させてなる複合材料において、より広い原料の種類や組み合わせについて均一な分散状態を実現することができる。
次に、本発明を以下に示す各実施例に基づいて、より具体的に述べるが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
上記図2に示される装置を用い、蒸発源11にAgを、蒸発源12にナイロン6を配置したのち、真空槽10内を100Paに減圧し、蒸発源11に40A、蒸発源12に230Aの電流を印加して蒸発させた。
回収位置である基板18で得られた複合体を取り出し、TEMおよびEDXにより観察した結果、ナイロン6からなるマトリックス中に10nmに粒度のそろった金属Agからなるナノ粒子が分散した有機金属複合体が得られた。上記した図1は、この有機金属複合体のTEM観察像を模式的に示した図である。
さらに、この有機金属複合体をクロロフェノールにて洗浄したところ、クロロフェノール溶媒中に10nmのAgのナノ粒子が孤立分散し、Agナノ粒子と溶媒とが均一に混合した混合溶液を合成することができた。
この溶液の粘度は、有機/金属複合体の原料の種類、組成、溶媒の種類等により調節可能である。また、この溶液中は、10nmと極めて微細なナノ粒子が孤立分散していることから、これらナノ粒子が沈殿することはなく、透明な溶液となっている。この溶液は、対象物上に吹きつけ、乾燥させることによりインクなどに用いることができる。
たとえば、溶媒の添加量を制御することにより粘度を3.8〜 4.0mPa・sと調製した銀ナノ粒子分散溶液をインクと見立て、1滴の粒径が10μmの粒径を持つインクジェットプリンターにて普通紙に印刷したところ、線幅約0.1mmのラインを引くことができた。次いで、溶媒分を自然乾燥にて気化させることにより、銀ナノ粒子のラインを引くことができた。
蒸発源11にAlを配置し、これに電流を250Aにする以外は、上記実施例1と同様な手順により、5nm〜25nmのAl金属ナノ粒子を分散させた複合体を得た。
蒸発源11にNiを配置し、これに電流を300Aにする以外は、実施例1と同様な手順により、5nm〜20nmのNi金属ナノ粒子を分散させた複合体を得た。
また、図3に、この複合材料のTG(熱重量分析)、DTA(示差熱分析)による測定結果を示す。
この図3において、240度以上の温度域での重量の減少はナイロン6の気化によるものである。また、400度以上で重量の減少が緩やかとなり、2段階になっているように見えるのは、ナイロン6に覆われていて酸化が防止されていたニッケルのナノ粒子が酸化することで重量増加しているためである。
一般に10nm程度の粒径のNiは200度から酸化が始まるのに対し、本材料においては400度から酸化がはじまっている。このことは、本材料においては、ナイロン6がNiナノ粒子の酸化防止膜として機能していることを表している。
また、この材料もナイロン6を有機溶媒によって洗浄除去することにより、単分散Niナノ粒子を含んだ溶液を合成することができる。この溶液も、対象物上に吹きつけ、乾燥させることによりインクなどに用いることができる。
蒸発源11にSnを配置し、これに電流を180Aにする以外は、実施例1と同様な手順により、5nm〜18nmのSn金属ナノ粒子を分散させた複合体を得た。
また、図4は、実施例1〜4の各複合体、すなわちナイロン/Ag、ナイロン/Al、ナイロン/Ni、ナイロン/Snの各複合体のX線回折図形を示す図である。いずれも非常に活性な金属ナノ粒子を内包しており、通常は酸化物が同定されるが、各複合材料においては、金属ナノ粒子の表面が有機物で被覆されているために酸化が防止されており、金属相のみが同定されている。
蒸発源11にNiを、蒸発源12にポリビニルアルコールを配置した後、真空槽10を100Paに減圧し、蒸発源11に30A、蒸発源12に300Aの電流を印加して各原料の蒸発を行った。
回収位置である基板18で得られた複合体を取り出し、TEMおよびEDXによる観察を行った結果、ポリビニルアルコールからなるマトリックス中に10nmに粒度のそろった金属Niからなるナノ粒子が得られた。
この系においては、ポリビニルアルコールが水溶性のため、本材料はアルコール、水などの極性溶液に容易に溶け、水溶性のナノ粒子分散溶液を合成することができる。
蒸発源11にSnを、蒸発源12にナイロン6を配置した後、真空槽10を100Paに減圧し、蒸発源11に40A、蒸発源12に230Aの電流を印加して各原料の蒸発を行った。
回収位置である基板18で得られた複合体を取り出し、TEMおよびEDXによる観察を行った結果、ナイロン6からなるマトリックス中に10nmに粒度のそろった金属Snが得られた。
蒸発源11にAgを、蒸発源12にナイロン6を配置した後、真空槽10を100Paに減圧し、蒸発源11に40A、蒸発源12に230Aの電流を印加して各原料の蒸発を行った。
回収位置である基板18で得られた複合体を取り出し、TEMおよびEDXによる観察を行った結果、ナイロン6からなるマトリックス中に10nmに粒度のそろった金属Agが得られた。
なお、本発明の複合体は、導電性をもつたナノ粒子を有機マトリックス中に均一に単分散することにより、少ない添加量で有機マトリックスに導電性を付与し、電磁シールド部材として用いることができる。また、ナノ粒子を分散させるため、透明である。
また、通常ナノ粒子が合成しにくいAl金属などのナノ粒子を生成して樹脂中に金属の状態で混合できるなどのメリットがある。また、熱や光、電子線、γ線など外部エネルギーで架橋可能なマトリックスをもちいることで、導電性を有する接着剤として電子部品や配線の接合分野への適用が可能である。
本発明の実施形態に係る複合材料の模式的な構成を示す図である。 上記実施形態の製造方法に用いる真空槽の概略断面を示す図である。 実施例3の複合材料のTG(熱重量分析)、DTA(示差熱分析)による測定結果を示す図である。 実施例1〜4の各複合体のX線回折図形を示す図である。
符号の説明
1…ナノ粒子、2…有機材料マトリックス、11、12…蒸発源、
18…回収位置としての基板。

Claims (10)

  1. 有機原料と金属原料、もしくは、有機材料と無機材料を、減圧した気相雰囲気中で独立に蒸発させることにより、金属、金属化合物または無機化合物のナノ粒子(1)を有機材料マトリックス(2)中に均一に分散させるようにしたことを特徴とする複合材料の製造方法。
  2. 前記気相雰囲気は、5kPa以下の減圧雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載の複合材料の製造方法。
  3. 前記気相雰囲気は、金属元素と反応する反応ガスを含むものであることを特徴とする請求項1または2に記載の複合材料の製造方法。
  4. 前記反応ガスは、O2、N2、F2、Cl2、H2およびNH3の群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の複合材料の製造方法。
  5. 前記各原料を蒸発させる方法は、抵抗加熱、スパッタまたはレーザーアブレーションであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の複合材料の製造方法。
  6. 前記有機原料は、熱エネルギーあるいは光エネルギーにより分解され、蒸発あるいは気化するものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の複合材料の製造方法。
  7. 前記有機原料は、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリエステル、多糖、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプデン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ピニリデン、石油系アスファルト、または、これらのアロイもしくはコンポジットであることを特徴とする請求項6に記載の複合材料の製造方法。
  8. 前記各原料を蒸発させるための蒸発源(11、12)は複数あることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の複合材料の製造方法。
  9. 前記複数の蒸発源(11、12)において個々の蒸発源を個別に蒸発量をコントロールすることを特徴とする請求項8に記載の複合材料の製造方法。
  10. 前記複数の蒸発源(11、12)のうち複合体の回収位置(18)において前記ナノ粒子となる原料の蒸発源(11)を、前記有機材料マトリックスとなる原料の蒸発源(12)よりも前記回収位置から遠くに位置させることを特徴とする請求項8または9に記載の複合材料の製造方法。
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