JPH0891341A - 多層中空容器 - Google Patents

多層中空容器

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JPH0891341A
JPH0891341A JP31128094A JP31128094A JPH0891341A JP H0891341 A JPH0891341 A JP H0891341A JP 31128094 A JP31128094 A JP 31128094A JP 31128094 A JP31128094 A JP 31128094A JP H0891341 A JPH0891341 A JP H0891341A
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resin
polyethylene
layer
container
less
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JP31128094A
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Mitsuhiro Aiba
光弘 相場
Toshihisa Miyaoka
敏寿 宮岡
Tadahiro Kaminari
忠宏 神成
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ESCR等の特性を維持し、表面光沢に優れ
た高光沢で光沢ムラの少ない中空成形容器を提供する。 【構成】 外表面層樹脂と最内層樹脂からなるポリエチ
レン系樹脂製多層中空容器の外表面層樹脂が、密度94
0kg/m3 以上、メルトフローインデックス0.1〜
10g/10分、Mw/Mn10以下分子量6000以
下の成分8%以下であるポリエチレン系樹脂であるポリ
エチレン系樹脂製多層中空容器を提供し、最内層樹脂
が、密度955〜970kg/m3 、メルトフローイン
デックス0.1〜3.0g/10分、溶融状態での貯蔵
弾性率1.0×104 dyne/cm2以上および85℃のヘキ
サンで抽出される成分が1.5重量%以下のポリエチレ
ン系樹脂であるポリエチレン系樹脂製多層中空容器を提
供し、さらに前記外表面層樹脂が、造核剤及び/又は滑
剤を含有してなるポリエチレン系樹脂製多層中空容器を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面光沢に優れたポリ
エチレン系樹脂製中空多層容器と、高光沢で光沢ムラの
少ないポリエチレン系樹脂製中空多層容器とに関するも
のであって、詳しくはポリエチレン系樹脂の有する優れ
た耐環境応力亀裂性(ESCR)等の特性を維持しつ
つ、表面光沢に優れた中空成形容器と、高光沢で光沢ム
ラの少ない中空成形容器とに関するものである。本発明
の多層中空容器は、シヤンプー、リンス、化粧品、食
品、薬品等の容器として広く利用することができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
シヤンプー、リンス、化粧品、食品、薬品等の容器とし
ては、中空成形(ブロー成形)法による容器が用いられ
ている。これらの中空成形容器の製造の為の素材として
は、従来、ポリ塩化ビニル樹脂が多用されて来たが、焼
却時に有害な塩素含有ガスを発生すること、再生使用適
性に劣ること等からポリオレフィン系樹脂の使用が始ま
っている。なかでもポリエチレン系樹脂は、有毒ガスの
発生がなく、しかもポリプロピレンに比べて成形コスト
が安い利点があるものの、表面光沢に劣るため、その利
用分野は制限されている。この表面光沢の改良として、
高密度ポリエチレン樹脂に低密度のポリエチレン樹脂を
配合する方法(特開平3−115341号公報参照)、
ポリプロピレン樹脂を配合する方法(特公昭62−59
646号公報参照)が提案されている。しかしながら、
表面光沢の改良効果が必ずしも充分でないばかりか、ポ
リエチレン樹脂が本来有する特性を充分に生かせないな
どの問題点がある。
【0003】他方、異なる樹脂を用いて多層化する方法
として、最外層が密度が0.935g/cm3 以上であ
って、メルトフローインデックスが3〜60g/10m
inのポりエチレンからなり、それに接する内層がメル
トフローインデックス2.5g/10min以下のポリ
エチレンからなる多層容器(特開昭62−179941
号公報参照)や、成分(A):メルトフローレートが
0.1〜3.0g/10分、密度が0.940g/cm
3 以上、Q値(Mw/Mn)が5〜20のエチレン系重
合体95〜20重量%と、成分(B):メルトフローレ
ートが3.0〜50g/10分、密度が0.935g/
cm3 以下のエチレン−α−オレフィン共重合体5〜8
0重量%との混合物でメルトフローレートが1.0〜1
0g/10分の樹脂組成物を最外層の素材とする容器
(特開平5−310241号公報参照)が提案されてい
る。しかしながら、表面光沢の改良は50数%以下に過
ぎず、その利用分野は特定されると共に、なお一層の改
良が望まれている。
【0004】一方、密度が950〜960kg/m3
高密度ポリエチレンに滑剤を添加することにより、光沢
が良好な中空容器を製造する方法が提案されているが
(特開平1−216838号公報)、必ずしも光沢度が
高いものではなかった。
【0005】本発明は、このような従来の問題点を解消
し、従来品に比べて大幅に表面光沢が改良されたポリエ
チレン系樹脂製多層中空容器、更には容器としての座屈
強度、ESCR等の物性や成形性にも優れた多層中空容
器を提供することを目的とするものである。
【0006】さらに、本発明は、より光沢度が高く、光
沢ムラの少ない中空容器に関する市場からの要望に応
え、高光沢で光沢ムラが少なく、しかも容器としての座
屈強度、ESCR等の物性や成形性にも優れた多層中空
容器を提供することをも目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高密度ポ
リエチレン樹脂の基本的特徴を生かしながら、リサイク
ルが可能で、表面光沢に優れた中空成形容器を得ること
を目的に、鋭意研究を重ねた。その結果、分子量分布が
狭く、低分子量成分が少ない高密度ポリエチレンは容器
の表面光沢が非常に高いことを見出した。そこで、内層
に用いるポリエチレン系樹脂で中空成形性(ブロー成形
性)と容器物性を確保し、外表面層に特定の分子量分布
を持ち、低分子量成分の少ないポリエチレン系樹脂を用
いて多層成形した場合に、成形性に問題なく、表面光沢
が飛躍的に改善出来ることを見出し、かかる知見によ
り、請求項1,2に記載の発明を完成するに至った。
【0008】さらに、本発明者らは、上記の如く知見に
加え、上記の如きポリエチレン系樹脂に造核剤及び/又
は滑剤を添加した場合には、従来のポリエチレン系樹脂
に造核剤及び/又は滑剤を添加した場合に比べて、著し
く高光沢で光沢ムラが少なく、しかも容器としての座屈
強度、ESCR等の物性や成形性にも優れた多層中空容
器が得られることを見出し、かかる知見により、請求項
3に記載の発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明の第一は、請求項1に記載
のように、外表面層樹脂〔I〕と最内層樹脂〔II〕から
なるポリエチレン系樹脂製多層中空容器の外表面層樹脂
〔I〕が、(a)密度が940kg/m3 以上、(b)
メルトフローインデックスが0.1〜10g/10分、
(c)GPC測定によるMw/Mnが10以下および
(d)GPC測定による分子量6000以下の成分が8
%以下であるポリエチレン系樹脂であることを特徴とす
るポリエチレン樹脂製多層中空容器を提供するものであ
る。
【0010】また、本発明の第二は、請求項2に記載の
ように、最内層樹脂〔II〕が、(e)密度が955〜9
70kg/m3 、(f)メルトフローインデックスが
0.1〜3.0g/10分、(g)溶融状態での10-2
ラジアン/秒における貯蔵弾性率(G’0.01)が1.
0×104 dyne/cm2以上および(h)85℃のヘキサン
で抽出される成分が1.5重量%以下のポリエチレン系
樹脂である、前記本発明の第一のポリエチレン系樹脂製
多層中空容器を提供するものである。
【0011】次に、本発明の第三は、請求項3に記載の
ように、外表面層樹脂〔I〕が、造核剤及び/又は滑剤
を含有したものである、前記本発明の第一又は第二のポ
リエチレン系樹脂製多層中空容器を提供するものであ
る。。
【0012】さらに、本発明の第四は、請求項4に記載
のように、最内層樹脂〔II〕層:外表面層樹脂〔I〕層
の層比が、50:50〜95:5である、前記本発明の
第一、第二又は第三のポリエチレン系樹脂製多層中空容
器を提供するものである。
【0013】本発明の第一及び第二のポリエチレン系樹
脂製多層中空容器は、特定のポリエチレン系樹脂よりな
る外表面層樹脂と、ポリエチレン系樹脂よりなる内層樹
脂とから中空成形によって形成される。したがって、基
本的には、ポリエチレン樹脂のみによって構成されるも
のである。ここで外表面層樹脂であるポリエチレン系樹
脂としては、特に制限はなく、エチレンの単独重合体、
エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体がある。こ
こで、他のα−オレフィンとしては、エチレン以外のも
の、例えばプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、オ
クテン−1、4−メチルペンテン−1、ビニルシクロヘ
キサンなどが挙げられる。これらの他のα−オレフィン
は、1種のみを用いてもよいし、或いは2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0014】このようなポリエチレン系樹脂の製造方法
についても特に制限はなく、例えばチタン、バナジウム
等の遷移金属成分と有機アルミニウム化合物とからなる
チーグラー型の触媒、クロム等を用いるフィリップス型
触媒、ジルコニウム、チタニウム、ハフニウム等とアル
ミノキサン又はイオン化剤などの助触媒からなるメタロ
セン系触媒等の中から選択して使用し、(共)重合を行
なえばよい。
【0015】次に、本発明の第一及び第二の多層中空容
器の外表面層樹脂〔I〕は、(a)密度が940kg/
3 以上、(b)メルトフローインデックス(MI)が
0.1〜10g/10分、(c)GPC測定によるMw
/Mnが10以下および(d)GPC測定による分子量
6000以下の成分が8%以下であるポリエチレン系樹
脂である。このようなポリエチレン系樹脂は、重合方法
の選択、後処理条件の選択等により得ることが出来る。
【0016】ここで密度は、好ましくは945kg/m
3 以上、より好ましくは950kg/m3 以上である。
密度が940kg/m3 未満の場合には、容器表面が傷
つきやすくなるという不都合のために好ましくない。次
に、MIは0.1〜10g/10分、好ましくは0.2
〜8g/10分、より好ましくは0.3〜6g/10分
である。MIが0.1g/10分未満の場合は、成形性
が悪くなり、10g/10分を超えると、容器表面にス
ジが生じ、外観不良となったり、後述の内層樹脂との関
係において、粘度の差が大きくなり成形性が低下するこ
とになり好ましくない。
【0017】なお、外層用のポリエチレン系樹脂として
は、前記(a)、(b)(c)、(d)の要件を満足す
る範囲で、密度やMIの異なる2種以上のポリエチレン
樹脂のブレンド物であっても良い。
【0018】また、GPC〔Gel Permeation Chromatog
raphy 〕測定によるMw/Mnが、10以下であること
が必要である。ここで、Mw/Mnは、好ましくは8以
下、より好ましくは2〜7である。さらに、GPC測定
による分子量6000以下の成分(GPC測定から求め
られる積分重量分布で、分子量6000以下の重量分率
として定義される)(以下、RL と略称することがあ
る。)は、8%以下であることが必要であり、好ましく
は7.5%以下、より好ましくは7以下である。Mw/
Mn(分子量分布)が大きく、低分子量成分の量が多す
ぎると、表面光沢が格段に悪くなる。中でも分子量60
00以下の成分は5%以下である場合に格段に表面光沢
が向上するので最も好ましい。
【0019】なお、ここにおいて密度は、JIS K7
112のD法に準拠し、メルトフローインデックス(M
I)は、JIS K6760(190℃、2.16kg
f)に準拠した。また、分子量分布(GPC)の測定
は、1,2,4−トリクロルベンゼンを用いて150
℃,1時間で溶解し、試料濃度10mg/ml、注入量
200μl、カラム温度135℃、カラム種 GMH-6HT
〔東ソー(株)製、ポリスチレン標準〕の条件でウオー
ターズ社製:150Cで測定した。
【0020】次に、本発明のポリエチレン系樹脂製多層
中空容器の最内層樹脂〔II〕は、特に制限されるもので
はなく、容器の用途、要求性能等により任意に選択する
ことができるが、以下に示すポリエチレン系樹脂が容器
の座屈強度、ESCR等の点から好ましく採用される。
すなわち、最内層樹脂〔II〕は、(e)密度が955〜
970kg/m3 、MIが0.1〜3.0g/10分、
(f)溶融状態での10-2 ラジアン/秒における貯蔵
弾性率(G’0.01)が1.0×104 dyne/cm2以上およ
び85℃のヘキサンで抽出される成分が1.5重量%以
下であるポリエチレン系樹脂である。ここで、密度が9
55kg/m3 未満であると、弾性率が低く、目付けダ
ウンが困難となり、一方、密度が970kg/m3 を超
えると、耐衝撃性が低下するので好ましくない。また、
MIが0.1未満であると、容器の生産性が低下し、
3.0g/10分を超えるとドローダウンしやすく、遍
肉のため成形が困難となる。
【0021】また、溶融状態での10-2 ラジアン/秒
における貯蔵弾性率(G’0.01)が1.0×104 dyne
/cm2以上および85℃のヘキサンで抽出される成分が
1.5重量%以下であるポリエチレン系樹脂である。こ
こで、貯蔵弾性率(G’0.01)が1.0×104 dyne/c
m2未満及び85℃のヘキサンで抽出される成分が1.5
重量%を超えると、ESCRが低下して、容器としての
使用にその用途が制限されることになる。したがって、
85℃のヘキサンで抽出される成分は、用途によって
は、1.4重量%以下とすることが好ましい。ここで、
貯蔵弾性率(G’0.01)は、板厚1mmのプレス成形試
験片について、レオメトリックス社製システムIV動的粘
弾性測定装置を使用して、窒素ガス雰囲気下、温度19
0℃、歪み15%、コーン−プレートで周波数10-2
102ラジアン/秒の条件で測定したものである。
【0022】また、このヘキサン抽出成分量は、その抽
出量が比較的小さいため、次のようにして求めたもので
ある。所定量のエチレン系重合体で、400メッシュ
(37μm)以下の粒径分布成分が0.05重量%以下
であるパウダーサンプルを、13.3wt/vol%の
ヘキサンスラリーとして、温度85℃で30分間加熱攪
拌する。その後、400メッシュの金網で85℃で濾過
し、メッシュを通過したヘキサン濾液からヘキサンを分
離し、得られた残留物のGPC〔測定条件は前記に同
じ〕を測定する。求めた分子量分布のうち、分子量60
00以下の範囲の成分をヘキサン抽出成分と定義した。
なお、ヘキサン抽出成分量は、次の式1から計算した。
【0023】 *ヘキサン抽出成分量(重量%) =〔残留物の重量比(%)〕×〔ヘキサン抽出分の比率(%)〕・・・式1
【0024】ここで残留物の重量比(%)は、次の式か
ら求められるものである。
【0025】*残留物の重量比(%)=〔(残留物の重
量)/(パウダーサンプルの重量)〕×100
【0026】また、ヘキサン抽出成分の比率(%)は、
次の式から求められるものである。
【0027】*ヘキサン抽出成分の比率(%)=〔(分
子量分布曲線のうちヘキサン抽出成分の面積)/(分子
量分布曲線の全面積)〕×100
【0028】このような、最内層を形成するポリエチレ
ン系樹脂は、例えば、(イ)極限粘度〔η〕が7〜20
dl/gであり、α−オレフィン単位の含有量が10重
量%以下のエチレン−α−オレフィン共重合体成分8〜
25重量%と、(ロ)極限粘度〔η〕0.5〜2.5d
l/gであり、α−オレフィン単位の含有量が10重量
%以下である、エチレン単独重合体又はエチレン−α−
オレフィン共重合体成分92〜75重量%とからなるも
のが挙げられる。
【0029】本発明の多層中空容器の最内層を形成する
ポリエチレン系樹脂の好ましい態様は、上記(イ)成分
と(ロ)成分とからなるものであり、(イ)成分と
(ロ)成分とを所定割合で混合したものであってもよい
が、後記する方法〔(イ)成分を重合した後に、(ロ)
成分を重合する二段重合法〔特開平3−277611号
公報参照〕で得られたエチレン系重合体組成物を溶剤で
洗浄する方法〕により容易に製造することができる。こ
こで、(イ)成分と(ロ)成分の配合割合について述べ
ると、(イ)成分は、エチレン系重合体組成物全重量の
8〜25重量%、好ましくは10〜20重量%、より好
ましくは12〜17重量%の範囲にあることが必要であ
る。この量が8重量%未満では、得られるエチレン系重
合体組成物のピンチオフ融着性に劣るし、一方、25重
量%を超えると、中空成形性が低下する傾向がみられる
ため、いずれも好ましくない。従って、(イ)成分は、
エチレン系重合体組成物全重量の92〜75重量%、好
ましくは90〜80重量%、より好ましくは88〜83
重量%の範囲にあることが必要である。
【0030】次に、最内層樹脂用のポリエチレン系重合
体の二段重合方法による製造方法について具体的に説明
する。すなわち、チタン含有固体触媒成分と、有機
アルミニウム化合物と、電子供与体とからなる触媒の
存在下に、エチレンと他のα−オレフィンとを重合させ
て、(イ)成分を重合し、次にエチレン単独又はエチレ
ンと他のα−オレフィンとを重合させて、(ロ)成分を
重合する二段重合により、エチレン系重合体組成物を
得、これをさらに溶剤で洗浄することにより、目的とす
るポリエチレン系樹脂を製造することができる。より詳
しく述べると、上記した如き触媒の所定量を、好ましく
は不活性溶媒、例えばペンタン,ヘキサン,シクロヘキ
サン等の炭化水素溶媒に加え、この触媒の存在下に、エ
チレンと他のα−オレフィンとを重合させて、極限粘度
〔η〕が7〜20dl/gで、且つ、他のα−オレフィ
ン単位の含有量が10重量%以下のエチレン共重合体
を、重合体組成物全重量の8〜25重量%の割合で製造
して(イ)成分を得る工程、エチレン単独又はエチレン
と他のα−オレフィンとを重合させて、極限粘度〔η〕
が0.5 〜2.5 dl/gのエチレン単独重合体又は他のα
−オレフィン単位の含有量が10重量%以下のエチレン
共重合体を、重合体組成物全重量の92〜75重量%の
割合で製造して(ロ)成分を得る工程、を任意の順序で
行なうことにより、まずエチレン系重合体組成物を製造
する。
【0031】本発明の多層中空容器に用いるエチレン系
重合体は、上記のようにして得られたエチレン系重合体
(組成物)を、溶剤で洗浄することにより、製造するこ
とができる。この溶剤洗浄に使用する溶剤としては、例
えばヘキサン,ヘプタン,シクロヘキサン等の不活性溶
剤が挙げられる。また、洗浄温度は、通常、40〜90
℃、好ましくは50〜80℃である。洗浄温度が40℃
未満であると、ヘキサン抽出成分量の割合が多くなり、
ボトルESCRの向上効果が低くなるため、好ましくな
い。一方、洗浄温度が90℃を超えると、分子量600
0以下のヘキサン抽出成分以外の成分も溶出し、ボトル
ESCRの向上効果が低くなるため、好ましくない。
【0032】この溶剤洗浄は、スラリー重合の場合、上
記溶剤1リットルに対して、上記のようにして得られた
エチレン系重合体(組成物)を200〜500gの割合
でスラリー分散させ、上記温度で攪拌することにより行
なうことができる。ここでスラリー濃度が上記範囲未満
であると、分子量6000以下の範囲のヘキサン抽出成
分以外の成分も溶出し、ボトルESCRの向上効果が低
くなり、一方、スラリー濃度が上記範囲を超えると、ヘ
キサン抽出成分量の割合が多くなり、ボトルESCRの
向上効果が低くなるため、いずれも好ましくない。ま
た、気相重合で得られた場合でも、適切な溶剤と洗浄温
度で洗浄すればよい。
【0033】本発明の多層中空容器は、外表面層を形成
する特定のポリエチレン系樹脂〔I〕と最内層を形成す
るポリエチレン系樹脂〔II〕の少なくとも二層で形成さ
れている。したがって、中間層として他の樹脂からなる
層を用いることもできる。このような中間層は1層であ
ってもよいし、2層以上であってもよい。ここで最内層
樹脂〔II〕層と外表面層樹脂〔I〕層の層比は、通常、
前者:後者=50:50〜95:5、好ましくは60:
40〜85:15である。層比は、多層中空容器の使用
目的、大きさ、必要な強度等の要求、或いは再生樹脂の
発生、回収等も考慮して、適宜決定すればよい。
【0034】本発明の多層中空容器を構成するそれぞれ
のポリエチレン系樹脂には、それぞれ独立に、マイカ等
のパール顔料やポリエチレン系樹脂の分野で慣用されて
いる各種添加剤や配合剤成分を必要により添加すること
が出来る。これら添加剤・配合剤成分としては、例えば
フエノール系、リン系の酸化防止剤、安定剤、紫外線吸
収剤、中和剤、帯電防止剤、流動性改良剤、蛍光増白
剤、或いは有機系,無機系の着色剤等を挙げることが出
来る。
【0035】また、中空成形方法としては、特に制限は
なく、公知の多層中空成形機を用いて行ない、具体的に
は、二台以上の押出機でポリエチレン系樹脂を加熱溶融
させた後、多層のダイより溶融パリソンとして押し出
し、次いでこのパリソンを金型で挟み、該パリソンの内
部に空気を吹き込むことにより容器が成形される。な
お、中空成形容器としては、ダイレクトブロー成形法の
みでなく、インジェクションブロー成形法、ロータリー
ブロー成形法等により成形された多層中空容器であって
もよい。
【0036】次に、本発明の第三の多層中空容器は、本
発明の第一又は第二の多層中空容器における外表面層樹
脂〔I〕が、(a)密度が940kg/m3 以上、
(b)メルトフローインデックスが0.1〜10g/1
0分、(c)GPC測定によるMw/Mnが10以下お
よび(d)GPC測定による分子量6000以下の成分
が8%以下であるポリエチレン系樹脂に、造核剤及び/
又は滑剤を含有させものであること以外は、本発明の第
一又は第二と同様である。
【0037】造核剤は、結晶化速度を促進させる効果を
有するものであり、例えばソルビトール系の造核剤の
他、有機リン系の造核剤、さらには有機酸の金属塩、有
機酸のアミン塩、無機物質などを挙げることができる。
本発明において使用される造核剤の種類に特に制限はな
いが、特にソルビトール系の造核剤が最も好ましい。な
お、造核剤として、2種以上のものを併用することもで
きる。ソルビトール系の造核剤としては、例えばジ(p
−トリイリデン)ソルビトール、ジベンジリデンソルビ
トールなどを挙げることができる。また、有機リン系の
造核剤としては、例えばメチレン−ビス(2,4−ジ−
tert−ブチルフェノール)アシッドフォスファイト
のナトリウム塩などを挙げることができる。さらに、p
−tert−ブチル安息香酸,シクロヘキサンカルボン
酸などの有機酸の金属塩(アルミニウム塩,ナトリウム
塩,カルシウム塩,マグネシウム塩など)や、安息香
酸,フタル酸などの有機酸から誘導される有機酸のアミ
ン塩、タルク,シリカなどの無機物質等が挙げられる。
【0038】このような造核剤の含有量は、通常、10
0〜3000重量ppm、好ましくは500〜2000
重量ppmである。造核剤の含有量が少な過ぎると、光
沢度向上効果が少なく、一方、造核剤の含有量が多過ぎ
ると、成形時の焼け、異物発生の原因となるおそれがあ
る。
【0039】次に、滑剤は、動摩擦力を低下させる効果
を有するものであり、本発明においては一般に使用され
る滑剤を特に制限なく用いることができる。例えば、脂
肪酸アミド、脂肪酸金属塩、脂肪酸、脂肪族アルコー
ル、無機物質などを挙げることができ、これらを単独
で、或いは2種以上を混合して用いることができる。よ
り具体的には、例えばオレイン酸アミド,エルカ酸アミ
ド,ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリ
ン酸カルシウム,パルミチン酸カルシウムなどの脂肪酸
金属塩、ステアリン酸,パルミチン酸などの脂肪酸、タ
ルク,シリカなどの無機物質等を挙げることができる。
これらの中でも特に脂肪酸アミドが最も好ましい。
【0040】このような滑剤の含有量は、通常、100
〜5000重量ppm、好ましくは500〜3000重
量ppmである。滑剤の含有量が少な過ぎると、光沢ム
ラの改良効果が少なく、一方、滑剤の含有量が多過ぎる
と、印刷性などの二次加工性に劣る場合がある。
【0041】なお、造核剤と滑剤を共に用いる場合に
は、造核剤の含有量は、通常、100〜3000重量p
pm、好ましくは500〜2000重量ppmであり、
滑剤の含有量は、通常、100〜5000重量ppm、
好ましくは500〜3000重量ppmである。このよ
うに、造核剤と滑剤を併用することにより、光沢度に優
れ、しかも光沢ムラが改良された中空容器が得られる。
【0042】以上の如く、特定のポリエチレン系樹脂
に、造核剤、滑剤、或いは造核剤と滑剤を含有したもの
を用いる場合には、例えば各添加剤をドライブレンドし
たサンプルを、二軸押出機で250℃程度の温度で溶融
させて調製することができる。なお、ドライブレンドの
みで調製することもできる。さらに、インプラントでの
添加や、マスターバッチを用いた添加であってもよい。
【0043】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明する
が、これらの実施例により何ら制限されるものではな
い。
【0044】製造例 (1)固体触媒成分の調製 ジエトキシマグネシウム890g(7.8モル)を含有
するヘキサンスラリー7リットルに、テトラ−n−ブト
キシチタン20g(0.6モル)を溶解したヘキサン溶
液5リットルを、20℃にて添加した後、これにエチル
アルミニウムジクロリドの50重量%ヘキサン希釈液
9.4リットルを、攪拌しながら40℃で60分間かけ
て滴下し、さらに還流下に120分間反応させた。次い
で、反応液中に塩素が検出されなくなるまで乾燥ヘキサ
ンで洗浄し、その後、ヘキサンを加え、全容量を30リ
ットルとした。
【0045】(2)表面層形成ポリエチレン系樹脂
〔I〕用樹脂の製造例 200リットル容の重合反応器に、エチレンを8kg/
時間、ヘキサンを22リットル/時間及びプロピレンを
80g/時間の割合で連続的に供給すると共に、前記
(1)で得られた固体触媒成分をチタン換算で0.6ミ
リモル/時間、トリイソブチルアルミニウムを18ミリ
モル/時間の割合で導入し、共重合を行ない、共重体を
得た。
【0046】(3)内層形成ポリエチレン系樹脂〔II〕
用樹脂の製造例(ポリエチレン系樹脂組成物の製造) 200リットル容の第1段目の重合反応器に、エチレン
を1.5kg/時間、ヘキサンを21リットル/時間及
びブテン−1を79g/時間の割合で連続的に供給する
と共に、前記(1)で得られた固体触媒成分をチタン換
算で0.6ミリモル/時間、1−アリル−3,4−ジメ
トキシベンゼン0.9ミリモル/時間及びトリイソブチ
ルアルミニウム18ミリモル/時間の割合で導入し、共
重合を行なった。このようにして得られた第1段目の重
合反応器の重合液を、連続的に200リットル容の第2
段目の重合反応器に導いた。この第2段目の重合反応器
に、エチレンを8.5kg/時間、ヘキサンを10リッ
トル/時間の割合で連続的に供給すると共に、水素を連
続的に供給し、80℃で重合して、エチレン系重合体組
成物を得た。一段目で得られた共重合体は、極限粘度
〔η〕13dl/g、ブテン−1の含有量は5重量%、
重合比率は15重量%であった。また、二段目で得られ
た重合体は、極限粘度〔η〕1.0dl/g、重合比率
は85重量%であった。なお、極限粘度は、135℃,
デカリン中で測定した。
【0047】(4)溶剤洗浄 上記(2),(3)で得られた共重合体・共重合体組成
物に、スラリー濃度が360g/リットルとなるように
ヘキサンを加え、温度50℃他で洗浄した後、遠心分離
器でヘキサンを分離し、第1表に示す性状を有する多層
中空容器成形用エチレン系重合体を得た。
【0048】(i) 容器の成形 成形方法 成形機は、直径45mmの多層中空成形機(田原製作所
製)を用い、設定温度は、シリンダー,ヘッド,ダイの
いずれも190℃で、金型温度は30℃とし、定格容量
500mlの丸瓶型多層容器〔内層:外層=70:3
0、目付けで40g〕を成形した。なお、内層樹脂層に
はリサイクル材を混入させた。また、リサイクル材を混
入させないものについても成形した。 肉厚分布の調節 容器の座屈強度とESCRは、同一材料で目付けが同等
であっても、肉厚分布やピンチオフ特性が異なれば変化
する。そこで材料間の弾性率とESCRの違いによる容
器の座屈強度とESCRを評価するため、肉厚分布及び
ピンチオフ形状は、成形条件を調節することにより、そ
れらが同等となるように調節した。
【0049】(ii)容器の物性測定法 成形直後より24時間以上、23℃、湿度50%にて状
態調節した容器について、座屈強度及びESCRを下記
の方法により測定した。 座屈強度 水道水を定格容量注入した容器について、大型圧縮試験
機〔TENSILON/CTM-I-5000 、 (株) 東洋精機製作所製〕
を用いて、12.5 mm/min の圧縮速度で圧縮し、この圧縮
試験中に変形する容器が示す力が最大となった時点の力
を座屈強度とした。 ボトルESCR〔ベル法ESCR:ASTM D−
1693に準拠〕 10%濃度のアンタロックス Co-630 水溶液を、容器定
格容量の10%充填した後、溶融樹脂で容器の口を密封
し、内部空気が漏れないようにした。このように調製し
た容器10本を65℃のオーブン中に設置して、容器が
液漏れするまでの時間を定期的に測定した。容器10本
中、5本が液漏れする時間を統計的に求めて、F50とし
て示した。 光沢度の測定〔JIS−Z8741に準拠〕 中空成形した500mlの丸瓶の側面から切り出した試
験片の樹脂流れ方向で測定した。すなわち日本電色工業
(株)製光沢度測定機にて、60度の入射角にて測定し
た。なお、第2表,第4表,第5表及び第6表に記載し
た光沢度は、容器側面中央部の値である。
【0050】 結晶化速度比 パーキン−エルマー社製、7 series Thermal Analysys
System を使用。測定は190℃で3分間溶融保持した
後に、50℃/min.の降温速度で測定した。まず下記の
式(1)から結晶化時間(tc ; sec )を求めた。
【0051】 ・結晶化時間(tc ;sec ) =〔(190 ℃−Tc℃)/(50℃/min.)〕×60sec./min.・・(1)
【0052】なお、式(1)中、Tcは結晶化ピークの
ピーク温度を示している。
【0053】次に、添加剤入りサンプルの結晶化速度
(vc ; sec -1)と、添加剤無添加のサンプルの結晶化
速度(vc ; sec -1)を、下記式(2)により求め、下
記の式(3)により結晶化速度比を算出した。
【0054】 ・結晶化速度(vc ; sec -1)=1/tc ・・(2)
【0055】 ・結晶化速度比 =〔添加剤入りサンプルのvc 〕/〔無添加サンプルのvc 〕・・(3)
【0056】 動摩擦力比 容器の側面から切り出した切出し片の外表面同士を重ね
て平板上に置いた。下側に置いた切出し片は固定した。
この二枚重ねの切出し片の上に200gの錘を載せた。
上側の切出し片の反樹脂流れ方向(樹脂の流れとは反対
の方向)側に紐を付け、その紐を水平方向から引っ張れ
るように引張試験機に固定した。10mm/min.の引張速
度で上側の切出し片を水平方向に引っ張って滑らせ、引
張試験機に検出された荷重の平均値を動摩擦力とした。
動摩擦力比は、下記の式(4)から算出した。
【0057】 ・動摩擦力比 =〔添加剤入りサンプルの動摩擦力〕/〔無添加サンプルの動摩擦力〕・・(4 )
【0058】 光沢ムラ(ΔG) 光沢ムラは、下記の式(5)で定義するΔGで定量化し
た。
【0059】 ・ΔG(%) =(容器側面中央部の光沢度)−(容器側面底部の光沢度)・・(5)
【0060】なお、容器側面中央部の光沢度は、容器の
底面から80mmの高さの側面中央部分について、周方
向の8箇所で光沢度を測定し、平均値を光沢度とした。
また、容器側面底部の光沢度は、容器の底面から30m
mの高さの側面底部について、周方向の8箇所で光沢度
を測定し、平均値を光沢度とした。なお、ΔGが小さい
ほど、側面の中央部分と底部の光沢度の差が小さくな
り、光沢ムラは小さくなる。
【0061】実施例1〜6及び比較例1〜3 製造例で得られた内層用のポリエチレン系樹脂と外層用
のポリエチレン系樹脂を用いて、前記成形法によって多
層中空容器を成形した。多層中空容器の表面光沢等の結
果を第2表に示す。なお、内・外層樹脂のうち、外〜
は、全ての項目が本発明の規定する範囲内のものであ
り、外と外は、 RL が本発明の規定する範囲外のも
のであり、外は、 RL とMw/Mnとが本発明の規定
する範囲外のものである。また、内は高剛性高ESC
Rの中空グレードポリエチレンであり、内は一般の中
空グレードポリエチレンである。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】〔第2表の脚注〕 *1:外層と内層の比率は3:7 *2:リサイクル材使用率は、層比3:7の容器の粉砕
品の内層樹脂へのブレンド率である。
【0065】実施例6〜10及び比較例4,5 製造例で得られた内層用のポリエチレン系樹脂と外層用
のポリエチレン系樹脂を用い、さらに第3表に示す外層
用の添加剤を用いて、前記成形法によって多層中空容器
を成形した。多層中空容器の結晶化速度比と光沢度の結
果を第4表に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】第4表の結果からは、外層用のポリエチレ
ン系樹脂に造核剤を添加したものを用いることにより
(実施例6〜10の場合)、無添加の場合(実施例2)
に比べて、光沢度をより向上させることができることが
分かる。また、比較例4,5のように、外層樹脂として
本発明の規定する範囲外のものを用いた場合には、造核
剤を添加しても、商品価値のある光沢度は得られないこ
とが分かる。
【0069】実施例11〜15及び比較例6,7 製造例で得られた内層用のポリエチレン系樹脂と外層用
のポリエチレン系樹脂を用い、さらに第3表に示す外層
用の添加剤を用いて、前記成形法によって多層中空容器
を成形した。多層中空容器の動摩擦力比,光沢度及び光
沢ムラの結果を第5表に示す。
【0070】
【表5】
【0071】第5表の結果からは、外層用のポリエチレ
ン系樹脂に滑剤を添加したものを用いることにより(実
施例11〜15の場合)、無添加の場合(実施例2)に
おける高光沢を維持しつつ、光沢ムラを改良できること
が分かる。また、比較例6,7のように、外層樹脂とし
て本発明の規定する範囲外のものを用いた場合には、滑
剤を添加することにより、光沢ムラを解消することはで
きるものの、光沢度は改良されず、商品価値が低いこと
が分かる。
【0072】実施例16〜21及び比較例8,9 製造例で得られた内層用のポリエチレン系樹脂と外層用
のポリエチレン系樹脂を用い、さらに第3表に示す外層
用の添加剤を用いて、前記成形法によって多層中空容器
を成形した。多層中空容器の結晶化速度比,動摩擦力
比,光沢度及び光沢ムラの結果を第6表に示す。
【0073】
【表6】
【0074】第6表の結果からは、外層用のポリエチレ
ン系樹脂に造核剤と滑剤を添加したものを用いることに
より(実施例16〜21の場合)、無添加の場合(実施
例2)における高光沢を維持しつつ、光沢ムラを改良で
きることが分かる。また、比較例8,9のように、外層
樹脂として本発明の規定する範囲外のものを用いた場合
には、造核剤と滑剤を添加することにより、光沢ムラを
解消することはできるものの、光沢度は改良されず、商
品価値が低いことが分かる。
【0075】
【発明の効果】本発明のポリエチレン系樹脂製多層中空
容器(請求項1,2に記載のもの)は、優れた表面光沢
を有し、しかも、成形条件の変動によってもその表面光
沢を維持することが出来る。また、内層用素材樹脂の選
択によって、座屈強度とESCRなどの特性と共に、成
形性にも優れた多層中空容器を得ることも出来る。ま
た、外層樹脂に造核剤を含有したものを用いた本発明の
ポリエチレン系樹脂製多層中空容器は、請求項1,2に
記載のものに比べて、より一層光沢度の優れたものであ
る。さらに、外層樹脂に滑剤を含有したものを用いた本
発明のポリエチレン系樹脂製多層中空容器は、請求項
1,2に記載のものの光沢度を保持しつつ、光沢ムラが
改良されたものである。さらにまた、外層樹脂に造核剤
と滑剤を添加したものを用いた本発明のポリエチレン系
樹脂製多層中空容器は、請求項1,2に記載のものに比
べて、より一層光沢度に優れると共に、光沢ムラが改良
されたものである。従って、本発明のポリエチレン系樹
脂製多層中空容器は、表面光沢による商品価値の向上と
共に、洗剤,シャンプー,漂白剤等の保存に優れたもの
となり、多くの分野での使用が期待出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外表面層樹脂〔I〕と最内層樹脂〔II〕
    からなるポリエチレン系樹脂製多層中空容器の外表面層
    樹脂〔I〕が、(a)密度が940kg/m3 以上、
    (b)メルトフローインデックスが0.1〜10g/1
    0分、(c)GPC測定によるMw/Mnが10以下お
    よび(d)GPC測定による分子量6000以下の成分
    が8%以下であるポリエチレン系樹脂であることを特徴
    とするポリエチレン系樹脂製多層中空容器。
  2. 【請求項2】 最内層樹脂〔II〕が、(e)密度が95
    5〜970kg/m3 、(f)メルトフローインデック
    スが0.1〜3.0g/10分、(g)溶融状態での1
    -2ラジアン/秒における貯蔵弾性率(G’0.01)が
    1.0×104dyne/cm2以上および(h)85℃のヘキ
    サンで抽出される成分が1.5重量%以下のポリエチレ
    ン系樹脂である請求項1に記載のポリエチレン系樹脂製
    多層中空容器。
  3. 【請求項3】 外表面層樹脂〔I〕が、造核剤及び/又
    は滑剤を含有したものである請求項1又は2に記載のポ
    リエチレン系樹脂製多層中空容器。
  4. 【請求項4】 最内層樹脂〔II〕層:外表面層樹脂
    〔I〕層の層比が、50:50〜95:5である請求項
    1,2又は3に記載のポリエチレン系樹脂製多層中空容
    器。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0893328A2 (en) 1997-07-23 1999-01-27 Koyo Seiko Co., Ltd. Electric power steering apparatus
JP2004533375A (ja) * 2001-07-04 2004-11-04 アトフイナ・リサーチ・ソシエテ・アノニム 光沢性のチューブおよびパイプ.
JP2009172845A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Japan Polyethylene Corp 多層ブロー成形品及びその製造方法
JP2013103759A (ja) * 2011-11-16 2013-05-30 Toyo Seikan Kaisha Ltd ブロー成形容器
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US9751654B2 (en) 2013-08-16 2017-09-05 The Procter & Gamble Company Thermoplastic containers with improved aesthetics
JP2020163631A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 大日本印刷株式会社 樹脂フィルム、積層体及び包装製品

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