JP2016529138A - 改善された美観を有する熱可塑性容器 - Google Patents
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Abstract
Description
a)先行容器形態をブロー成形金型内に固定する工程であって、先行容器形態が、パリソン又はプリフォームであり、
i)先行容器形態が層を備え、その層が、
1)その層の約86重量%〜約99.99重量%の、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される熱可塑性材料と、
2)その層の約0.01重量%〜約5重量%の、約0.1〜約50m*N/mの表面張力値を有する添加剤と、を含み、
ii)金型が、膨張可能な先行容器形態を受容するように構成された内側表面を備え、その金型の少なくとも一部が、A−1、A−2、A−3、B−1、B−2、及びB−3からなる群から選択されるSPI仕上げ基準を有する、固定する工程と、
b)先行容器形態を金型の内側表面に対して膨張させるように先行容器形態をブローし、それにより容器を形成する工程と、を含む。
本明細書で使用する場合、「粗い」という用語は、サンドブラスト処理された金型の表面、又はサンドブラスト処理された金型からブロー成形された容器の表面を指す。「平滑」という用語は、サンドブラスト処理されていない金型の表面、又はサンドブラスト処理されていない金型からブロー成形された容器の表面を指す。本明細書で称される表面とは、金型の内側表面(すなわち、ブロー成形された容器を形成する金型の一部)又は容器の外面のいずれかである。容器及び金型の両方の表面平滑性は、後述される粗さ平均(Roughness Average)(Ra)によって測定することができる。
本明細書におけるブロー成形金型の少なくとも一部は、A−1、A−2、A−3、B−1、B−2、及びB−3からなる群から選択されるSPI仕上げ基準を有する。好ましくは、金型の一部は、A−1、A−2、及びA−3からなる群から選択されるSPI仕上げ基準を有する。当業者であれば、特定のSPI仕上げ基準に表される金型仕上げのRa値を理解する。例えば、A−2のSPI仕上げ基準は、約30nmのRa値を表し、B−2のSPI仕上げ基準は、約50nmのRa値を表し、C−2のSPI仕上げ基準は、約100nmのRa値を表し、D−2のSPI仕上げ基準は、約300nmのRa値を表す。1つの実施形態では、金型は、サンドブラスト処理されず、好ましくは、金型は、磨かれるが、サンドブラスト処理されない。
本発明のブロー成形プロセスは、a)先行容器形態をブロー成形金型内に固定する工程と、b)先行容器形態を金型の内側表面に対して膨張させるように先行容器形態をブローし、それによりブロー成形された容器を形成する工程と、を含む。
本発明の容器は、本明細書に記載されるブロー成形プロセスに従って得られる。容器は、本明細書に記載される熱可塑性材料及び添加剤を含む層を備える。本明細書において「容器」という用語は、組成物を収容するのに好適な梱包材料を指す。容器に収容される組成物は、洗剤(例えば、洗濯物の手入れ、食器の手入れ、皮膚及び頭髪の手入れ)、飲料物、粉末、紙(例えば、ティッシュ、拭き取り紙)、美容組成物(例えば、化粧品、ローション)、医薬品、口腔の手入れ(例えば、歯磨き粉、口内洗浄液)等を含むが、これらに限定されない様々な組成物のうちのいずれかであり得る。組成物は、液体、半液体、固体、半固体、ゲル、エマルション、エアロゾル、発泡体、気体、又はこれらの組み合わせであり得る。容器は、その中に収容される組成物を保管する、輸送する、又は分配するために使用され得る。容器内に収容可能な非限定的な容量は、10ml〜5000ml、あるいは100ml〜4000ml、あるいは500ml〜1500ml、あるいは1000ml〜1500mlである。容器は、密閉部又はディスペンサー又はポンプを含み得る。「容器」という用語は、容器のこれらの要素を広範囲に含むように本明細書で使用される。容器の非限定的な例には、ボトル、管、広口瓶、カップ、キャップ、クラムシェル、バッグ、小袋等が挙げられる。
本発明の容器は、層を備え、層は、容器の一層の約86重量%〜約99.99重量%、あるいは約90重量%〜約99.8重量%、あるいは約95重量%〜約99.6重量%の熱可塑性材料を含む。熱可塑性材料は、PE、PP、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、熱可塑性材料は、PPである。あるいは、熱可塑性材料は、PEである。より好ましくは、PEは、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるが、より好ましくは、HDPEである。
本発明の容器は、約0.01%〜約5%の添加剤を含む層を備える。前述のように、材料の過度の温度上昇を緩和し、並びに材料の金型上への固着傾向を低減させることに加えて、添加剤の添加は、材料の流動性を上昇させる。不十分な流動性は、典型的には、特に、より低い加工温度下で、流線欠陥の形成につながる。それに反して、本発明では、添加剤並びにより高い加工温度によってもたらされる材料の流動性の増加は、形成された容器の外面に対する流線欠陥の形成を緩和する。
本発明の容器は、補助成分を含み得る。好ましくは、補助成分は、容器の一層の約0.0001重量%〜約9重量%、あるいは約0.0001重量%〜約5重量%、あるいは約0.0001重量%〜約1重量%の補助成分の量で存在する。補助成分の非限定的な例としては、真珠光沢剤、充填剤、硬化剤、帯電防止剤、潤滑剤、UV安定剤、抗酸化剤、ブロック防止剤、触媒安定剤、着色剤、造核剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。あるいは、容器は、これらの補助成分のうちの1つ以上を含まないか、又は実質的に含まない。
1つの態様では、本発明は、PE容器のブロー成形のために金型の使用を対象とする、該金型の少なくとも一部は、A−1、A−2、A−3、B−1、B−2、及びB−3からなる群から選択されるSPI仕上げ基準を有する。好ましくは、金型の一部は、A−1、A−2、及びA−3からなる群から選択されるSPI仕上げ基準を有する。
種々の添加剤の表面張力データは、書籍及び/又はオンラインデータベースから容易に利用可能である。ある特定の好ましい添加剤の、25℃の温度における表面張力値が、表1に列挙される。
平滑性
容器の表面平滑性は、粗さ平均(Ra)によって特徴付けることができる。Ra値は、Mahrから供給されるMarSuf M400によって測定される。粗さ測定には、接触モードに設定する。検出領域(すなわち、表面)内の10個の点の平均値としてデータを収集する。
SAMBAという能動偏光カメラシステムを用いて、本発明の容器の鏡面光沢度を測定する。このシステムはBossa Nova Technologiesから供給されており、VAS(Visual Appearance Studyソフトウェア、バージョン3.5)という名称の偏光イメージングソフトウェアを解析に用いる。容器の前面ラベルパネル部分を、入射光に対して試験する。露出時間55秒を用いる。
添加剤マイクロドメインが点在する熱可塑性材料マイクロ層のマイクロ積層構造は、走査型電子顕微鏡(SEM)を介して容器の断面図を顕微鏡的に走査することによって観察することができる。HITACHI S−4800 SEMシステムを使用する。
表2に示される以下の容器は、重量パーセント(重量%)で列挙された比率で列挙された成分から作製される。
b SinopecからLDPE 868の名称で市販されている
c DowからLLDPE 2036Pの名称で市販されている
d Lee Chang Yung Chemical Industry CorpからPP ST611の名称で市販されている
e Dow CorningからXIAMETER PMX−200シロキサン流体として市販されているポリジメチルシロキサン(10mm2/s、1,000mm2/s、及び60,000mm2/s、1,000,000mm2/s(10cst、1,000cst、及び60,000cst、1,000,000cst))の4つの粘度である
f ポリテトラフルオロエチレン、Du PontからTeflon(登録商標)の名称で市販されている
表3に示される以下の複数の層の容器は、重量%で列挙された比率で列挙される成分から作製される。本明細書において重量パーセントは、全容器の重量でではなく、存在する層の重量での成分の割合を指す。最外層は、本発明による層である。
b SinopecからLDPE 868の名称で市販されている
c Dow CorningからXIAMETER PMX−200シロキサン流体として市販されているポリジメチルシロキサン(1,000mm2/s(1,000cst)の粘度である)
d Du PontからTeflon(登録商標)の名称で市販されているポリテトラフルオロエチレン
e Lee Chang Yung Chemical Industry CorpからPP ST611の名称で市販されている
実施例1の容器は、以下の工程によって製造される。
a)シロキサン流体を周囲温度下でHDPEの担体中に添加して混合物を形成し、次いで、シロキサン流体とHDPEとの混合物を二軸押出機内で、200℃の温度で押出し、ペレットを形成する。ペレットを約20℃で、水バッチ(water batch)中で0.5分間冷却し、マスターバッチを形成する。シロキサン流体は、マスターバッチの10重量%の量で存在する。二軸押出機は、43の押出機長さ/直径(L/D)及び35.6mmの直径を有する。
b)マスターバッチ及び追加のHDPEを別々に3〜4時間120〜125℃で乾燥させる。乾燥させたマスターバッチと乾燥させた追加のHDPEを約0.8%〜8%のレットダウン比率で、周囲温度下で混合し、ブロー成形ブレンドを形成する。
c)ブロー成形ブレンドを溶解し、180℃の下で、60〜70mm/sの押出速度でパリソン中に押し出す。
d)パリソンを、赤外線加熱機を用いて70〜90℃で2分間加熱し、軟化させる。軟化したパリソンをブロー成形金型内に固定する。ボトル金型は、A−3のSIP仕上げ基準を有する。0.6Mpaのブロー圧下及び250℃の加工温度で、Guangzhou RiJing Incのブロー機CP03−220型を使用して、パリソンをブローする。空気をパリソンに押し込み、金型の内側表面に対して膨張させる。金型温度は25℃であり、ブローされた容器は、25℃/秒の冷却速度で金型によって冷却される。冷却後、ブローされた容器を金型から取り出し、
ブロー成形ブレンド中、各成分は、表2において実施例1に規定される量で存在する。
実施例2〜7の容器は、熱可塑性材料、添加剤、及び補助成分(存在する場合)の特定の種類、並びにそれらの量が、表2において実施例2〜7に規定されるように異なることを除いて、実施例1の容器の作製と同じ工程によって製造される。存在する場合、着色剤は、工程a)において添加剤と一緒に担体中に添加され、マスターバッチを形成する。
実施例8及び9の容器は、1)熱可塑性材料及び添加剤の特定の種類並びにそれらの量が、表3において実施例8〜10に規定されるように異なること、並びに2)工程c)において得られる実施例8及び9のパリソンが、最外層、中間層、及び最内層を有する3層パリソンであることを除いて、実施例1の容器の作製と同じ工程によって製造される。各層は、表3において規定される層に対して列挙される成分からなる。
表4に示される以下の容器は、重量パーセント(重量%)で列挙された比率で列挙された成分から作製され、示されたSPI仕上げ基準を有する金型内で成形される。
b Dow CorningからXIAMETER PMX−200シロキサン流体として市販されているポリジメチルシロキサン(1,000mm2/s(1,000cst)の粘度である)
実施例10及び11の容器は、熱可塑性材料、添加剤、及び補助成分(存在する場合)の特定の種類、並びにそれらの量が、表4において実施例10及び11に規定されるように異なること、工程d)において、ブロー圧が0.1Mpaであり、加工温度が180℃であり、成形機型がKai Mei Machinery Co.,LtdのB07であり、A−1のSIP仕上げ基準を有することを除いて、実施例1の容器の作製と同じ工程によって製造される。
実施例10及び11並びに比較例12及び13の容器の光沢度を評価する比較実験を行う。光沢度は、本明細書に上述され、光沢値として特徴付けられる光沢度のための方法に従って、測定される。以下の表5は、容器の光沢値を示す。
実施例11及び比較例13の容器の平滑性を評価する比較実験を行う。平滑性は、本明細書に上述され、粗さ平均(Ra)として特徴付けられる平滑性のための方法に従って、測定される。以下の表6は、容器のRa値を示す。
Claims (15)
- 容器を作製するブロー成形プロセスであって、
a)先行容器形態をブロー成形金型内に固定する工程であって、前記先行容器形態が、パリソン又はプリフォームであり、
i)前記先行容器形態が層を備え、前記層が、
1)前記層の約86重量%〜約99.99重量%の、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される熱可塑性材料と、
2)前記層の約0.01重量%〜約5重量%の、約0.1〜約50m*N/mの表面張力値を有する添加剤と、を含み、
ii)前記金型が、膨張可能な前記先行容器形態を受容するように構成された内側表面を備え、前記金型の少なくとも一部が、A−1、A−2、A−3、B−1、B−2、及びB−3からなる群から選択されるSPI仕上げ基準を有する、固定する工程と、
b)前記先行容器形態を前記金型の前記内側表面に対して膨張させるように前記先行容器形態をブローし、それにより前記容器を形成する工程と、を含む、ブロー成形プロセス。 - 前記金型の前記一部が、A−1、A−2、及びA−3からなる群から選択されるSPI仕上げ基準を有する、請求項1に記載のプロセス。
- 前記金型が、サンドブラスト処理されていない、請求項1に記載のプロセス。
- 前記金型の前記内側表面が、第1の部分及び第2の部分を有し、前記第1の部分が、SPI仕上げ基準の観点から、前記第2の部分よりも高い等級の平滑性を有する、請求項1に記載のプロセス。
- 前記熱可塑性材料と前記添加剤とを混合して、ブロー成形ブレンドを形成し、次いで、前記ブロー成形ブレンドを押し出して前記先行容器形態を形成することによって、前記先行容器形態を形成する工程を更に含み、前記先行容器形態が、パリソンである、請求項1に記載のプロセス。
- 最初に、前記添加剤を担体と混合してマスターバッチを形成し、次いで、前記マスターバッチを前記熱可塑性材料と混合してブロー成形ブレンドを形成する工程を更に含み、
前記マスターバッチが、前記マスターバッチの約10重量%〜約30重量%の前記添加剤を含み、前記担体が、前記熱可塑性材料と同じ材料である、請求項5に記載のプロセス。 - 前記先行容器形態が、複数の層を備え、前記層が、前記複数の層の最外層である、請求項1に記載のプロセス。
- 前記熱可塑性材料が、PPである、請求項1に記載のプロセス。
- 前記添加剤が、アルコール、油、フルオロポリマー、シロキサン流体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
- 前記添加剤が、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ブタンジオール、ポリ(プロピレングリコール)、これらの誘導体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるアルコールである、請求項1に記載のプロセス。
- 前記添加剤が、ゴマ油、大豆油、落花生油、オリーブ油、ヒマシ油、綿実油、パーム油、キャノーラ油、サフラワー油、ヒマワリ油、コーン油、トール油、米糠油、これらの誘導体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される植物油である、請求項1に記載のプロセス。
- 前記添加剤が、25℃の温度で、約20mm2/s〜約1,000,000mm2/s(約20cst〜約1,000,000cst)の粘度を有するフルオロポリマー又はシロキサン流体である、請求項1に記載のプロセス。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載のプロセスによって得られる、容器。
- 前記熱可塑性材料が、PPであり、前記添加剤が、25℃の温度で約20mm2/s〜約1,000,000mm2/s(約20cst〜約1,000,000cst)の粘度を有するシロキサン流体、グリセロール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の容器。
- PE容器をブロー成形するための金型の使用方法であって、前記金型の少なくとも一部が、A−1、A−2、A−3、B−1、B−2、及びB−3からなる群から選択されるSPI仕上げ基準を有する、使用方法。
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