JPH089039Y2 - 包装機械 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、プリン、ゼリー、ヨーグルト、アイスク
リームのようなデザート食品などが収められた容器をコ
ンベヤで搬送し、搬送中の容器にキャップを被せる包装
機械に関する。

従来の技術とその問題点 第６図は、カップ状容器（C1）と、これの上端に被せ
られているプラスチック製キャップ（C2）と、キャップ
（C2）で被覆されていて容器（C1）の口を塞いでいるア
ルミニウム箔製平板状中蓋（C3）とを示している。

上述の容器（C1）とキャップ（C2）において、容器
（C1）の口縁部外径（Ａ）とキャップ（C2）のスカート
下縁部内径（Ｂ）の寸法差、すなわち容器（C1）とキャ
ップ（C2）のクリアランスが、例えば1mm程度であれば
問題はないが、0.3〜0.4mm程度まで小さくなると、機械
による高速でのキャッピングは不可能であり、人手によ
る手作業によらなければならなかった。

また、上述のクリアランスが0.3〜0.4mm程度であって
も、第７図に示すように、キャップ（C4）のスカート下
縁に外に拡がるような丸みを付けることにより、機械に
よるキャッピングが可能となるが、キャップ（C4）にそ
のような丸みを付けると、キャップ（C4）の製造コスト
上、また美観上など、種々と問題があり、容易に採用し
難いところであった。

この考案の目的は、容器とキャップの上記クリアラン
スが小さい場合であっても、高速でのキャッピングが可
能である包装機械を提供することにある。

問題点を解決するための手段 この考案による包装機械は、カップ状容器をキャッピ
ング位置の下方で順次停止させるように搬送する間欠駆
動コンベヤと、キャッピング位置にキャップを供給する
供給装置と、コンベヤから容器を持上げて、キャッピン
グ位置に供給されたキャップスカートに容器口縁部を挿
入することにより、キャッピングを果たすリフタと、キ
ャッピング位置を挟んで互いに接近・離隔しうるように
水平移動自在に配された一対の位置決め部材を有する位
置決め装置とを備えている包装機械において、位置決め
装置が、両位置決め部材をキャッピング前に接近させ、
キャッピング後に離隔させるように作動させられ、両位
置決め部材の対向面の高さの中程に、キャッピング位置
に供給されたキャップのスカートの下端を受ける段部が
設けられるとともに、段部の上側に上向きテーパ部が、
段部の下側の下向きテーパ部がそれぞれ設けられてお
り、接近時の両位置決め部材の上向きテーパ部の下端が
キャップスカート外面にそう形状に形成されるととも
に、同両位置決め部材の下向きテーパ部の上端が容器口
縁部外面にそう形状に形成されていることを特徴とする
ものである。

作用 この考案による包装機械では、位置決め装置が、両位
置決め部材をキャッピング前に接近させ、キャッピング
後に離隔させるように作動させられ、両位置決め部材の
対向面の高さの中程に、キャッピング位置に供給された
キャップのスカートの下端を受ける段部が設けられると
ともに、段部の上側に上向きテーパ部が、段部の下側に
下向きテーパ部がそれぞれ設けられており、接近時の両
位置決め部材の上向きテーパ部の下端がキャップスカー
ト外面にそう形状に形成されるとともに、同両位置決め
部材の下向きテーパ部の上端が容器口縁部外面にそう形
状に形成されているから、両位置決め部材の接近時にお
いて、キャッピング位置に供給されたキャップのスカー
トが上向きテーパ部によって水平方向の位置決めがされ
るとともに、段部によって垂直方向の位置決めがされ、
キャッピング位置に位置決めされたキャップのスカート
に対して、リフタによって持ち上げられる容器の口縁部
が下向きテーパ部によって位置決めされながら挿入さ
れ、両位置決め部材の離隔時において、キャップの施さ
れた容器が両位置決め部材の間からコンベヤに戻され
る。

実施例 この考案の実施例を第１図〜第５図を参照して説明す
る。

容器搬送コンベア（10）の搬送経路を挾んでその上方
にキャップ供給装置（11）が配置され、その下方に容器
リフタ（12）が配置されている。そして、供給装置（1
1）と容器リフタ（12）の中間における同搬送経路のす
ぐ上にはキャッピング位置があり、そこに位置決め装置
（13）が配置されている。

容器搬送コンベヤ（10）は、カップ状容器（C1）を４
列で間欠搬送するスラットコンベアであって、容器ホル
ダであるスラット（21）には長さ方向に４つの貫通孔
（22）があけられており、容器（C1）が貫通孔（22）に
挿入された状態で貫通孔（22）の周縁部上面で容器（C
1）口縁部のつばが受けられるようになっている。

供給装置（11）は、容器搬送列毎に１つずつ備えられ
かつ多数のキャップ（C2）を裏向き積み重ね状態に保持
する４つのマガジン（31）と、各マガジン（31）の下方
に１つずつ配置されかつマガジン（31）の下端よりキャ
ップ（C2）を１つずつ吸着し反転させて表向きにした状
態でキャッピング位置に搬送する４つの吸着部材（32）
とを備えている。

マガジン（31）は、筒状のものであって、容器搬送経
路をまたいでいる水平支持板（33）に貫通状に取付けら
れている。吸着部材（32）は、水平支持板（33）の下方
に配されている水平回動軸（34）にその半径方向に突出
するように固定されかつ先端にバキュームカップ（35）
を有している。水平回動軸（34）は、その両端近くにお
いて軸受（36）でそれぞれ支持されかつその一端には回
転板（37）が取付けられている。軸受（36）は、垂直ガ
イドロッド（38）に摺動自在にはめ被せられた昇降筒
（39）に支持されている。昇降筒（39）にはこれを昇降
させる作動ロッド（40）が連結されている。昇降筒（3
9）の昇降とともに回転板（37）が昇降し、かつその昇
降経路にそって配された複数のガイドローラ（41）によ
って回転板（37）が180度ずつ可逆回転し、これによ
り、吸着部材（32）が昇降しながら180度ずつ可逆回転
するようになっている。

容器リフタ（12）は、容器搬送列毎に１つずつ備えら
れた４つの昇降台（51）を有している。４つの昇降台
（51）は水平昇降ロッド（52）に長さ方向に間隔をおい
て上方突出状に取付けられている。昇降ロッド（52）に
はこれを昇降させる作動レバー（53）が連結されてい
る。作動レバー（53）によって昇降ロッド（52）が昇降
すると、４つの昇降台（51）が同時に昇降し、その上昇
過程において、キャッピング位置にあるキャップ（C2）
に容器（C1）の口縁部が挿入されるように容器（C1）が
スラット（21）から持ち上げられるようになっている。

位置決め装置（13）は、容器搬送列毎に１対ずつ備え
られた全部で４対の位置決め部材（14）を有している。
４対の位置決め部材（14）はその対をなすもの同士で容
器搬送方向に並ぶように一対の可動板（61）にそれぞれ
取付けられている。両可動板（61）は、それぞれの両端
部において摺動筒（62）を介して容器搬送方向にのびた
一対の水平ガイド棒（63）で支持されている。両水平ガ
イド棒（63）は、キャッピング位置より容器搬送方向上
流および下流の位置において容器搬送経路をそれぞれま
たぐようにコンベヤフレーム（Ｆ）に支持された一対の
門形フレーム（65）の頂部水平部材（66）に渡し止めら
れている。両門形フレーム（65）の頂部水平部材（66）
の長さの中程には水平流体圧シリンダ（64）が対向状に
取付けられており、そのピストンロッドが可動板（61）
にそれぞれ連結されている。流体圧シリンダ（64）の作
動により両可動板（61）が位置決め部材（14）とともに
互いに接近・離隔するようになっている。両位置決め部
材（14）の対向面は平面視略円弧状をなし、その対向面
に、上向テーパ部（71）および下向テーパ部（72）が互
いに段部（73）を介して上下につらなるように形成され
ている。接近時の対をなす位置決め部材（14）の上向テ
ーパ部（71）の下端はキャップ（C2）のスカート下縁部
外面にそう円形状をなし、下向テーパ部（72）の上端は
容器（C1）の口縁部外面にそう円形状をなしている。

スラット（21）がキャッピング位置の下方に停止する
と、対をなす位置決め部材（14）が閉じられる。これと
ほぼ同時に、吸着部材（32）がマガジン（31）の下端よ
りキャップ（C2）を１つずつ吸着し、回転下降して両位
置決め部材（14）の対向面の間に供給する。このとき
に、上向きテーパ部（71）にキャップ（C2）のスカート
下縁部外面が案内されることにより、キャップ（C2）の
水平方向の位置決めがなされ、段部（73）にキャップ
（C2）のスカート下端面が当接することにより、キャッ
プ（C2）の水平方向の位置決めがなされかつキャップ
（C2）の姿勢が水平に保持される。つづいて、昇降台
（51）が上昇し、これにより、スラット（21）から容器
（C1）が持ち上げられる。このときに、容器（C1）の口
縁部が位置決め部材（14）の下向テーパ部（72）の間を
通過する際に、その口縁部外面が下向テーパ部（72）に
案内されることにより、容器（C1）の水平方向の位置決
めがなされ、そのままその口縁部がキャップ（C2）のス
カートに挿入され、キャップ（C2）が容器（C1）に被せ
られた状態となる。こうして、キャッピングが終了する
と、吸着部材（32）が反転上昇し、これとほぼ同時に位
置決め部材（14）が開き、つづいて昇降台（51）が下降
して、キャップ（C2）を被せられた容器（C1）がスラッ
ト（21）に戻される。つぎに、スラット（21）が１ピッ
チ駆動されると、キャッピング位置の下方よりキャップ
（C2）を被せられた容器（C1）が搬出され、そこにつぎ
にキャップ（C2）を被せられる容器（C1）が搬入され
る。

考案の効果 この考案によれば、両位置決め部材の接近時におい
て、キャッピング位置に供給されたキャップのスカート
が上向きテーパ部によって水平方向の位置決めがされる
とともに、段部によって垂直方向の位置決めがされ、キ
ャッピング位置に位置決めされたキャップのスカートに
対して、リフタによって持ち上げられる容器の口縁部が
下向きテーパ部によって位置決めされながら挿入される
から、高精度で位置決めした状態でキャッピングを行う
ことができ、キャップスカートと容器口縁部間のクリア
ランスが少なくても、キャッピングを支障なく行なうこ
とができ、両位置決め部材の離隔時において、キャップ
の施された容器が両位置決め部材の間からコンベヤに戻
されるから、容器に施されたキャップが外れる心配がな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図はこの考案の実施例を示し、第１図は正
面図、第２図および第３図は、それぞれ第１図のII−II
線およびIII−IIIにそう拡大断面図、第４図は第２図の
IV−IVにそう断面図、第５図は位置決め部材の垂直横断
面図である。 第６図および第７図はいずれも容器およびキャップの一
例を示す縦断面図である。 （10）…コンベヤ、（11）…供給装置、（12）…リフ
タ、（13）…位置決め装置、（14）…位置決め部材、
（71）…上向きテーパ部、（72）…テーパ部、（73）…
段部、（C1）…容器、（C2）…キャップ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 橋本 清二 徳島県板野郡北島町太郎八須字西の川10− １ 四国化工機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−8605（ＪＰ，Ａ) 特公 昭52−17794（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭56−41487（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カップ状容器（C1）をキャッピング位置の
   下方で順次停止させるように搬送する間欠駆動コンベヤ
   （10）と、 キャッピング位置にキャップ（C2）を供給する供給装置
   （11）と、 コンベヤ（10）から容器（C1）を持上げて、キャッピン
   グ位置に供給されたキャップスカートに容器口縁部を挿
   入することにより、キャッピングを果たすリフタ（12）
   と、 キャッピング位置を挟んで互いに接近・離隔しうるよう
   に水平移動自在に配された一対の位置決め部材（14）を
   有する位置決め装置（13）と、 を備えている包装機械において、 位置決め装置（13）が、両位置決め部材（14）をキャッ
   ピンク前に接近させ、キャッピング後に離隔させるよう
   に作動させられ、 両位置決め部材（14）の対向面の高さの中程に、キャッ
   ピング位置に供給されたキャップ（C2）のスカートの下
   端を受ける段部（73）が設けられるとともに、段部（7
   3）の上側に上向きテーパ部（71）が、段部（73）の下
   側に下向きテーパ部（72）がそれぞれ設けられており、
   接近時の両位置決め部材（14）の上向きテーパ部（71）
   の下端がキャップスカート外面にそう形状に形成される
   とともに、同両位置決め部材（14）の下向きテーパ部
   （72）の上端が容器口縁部外面にそう形状に形成されて
   いる、 ことを特徴とする包装機械。