JPH0889820A - ディスペンサー用チップ及びその製造方法 - Google Patents

ディスペンサー用チップ及びその製造方法

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JPH0889820A
JPH0889820A JP23309394A JP23309394A JPH0889820A JP H0889820 A JPH0889820 A JP H0889820A JP 23309394 A JP23309394 A JP 23309394A JP 23309394 A JP23309394 A JP 23309394A JP H0889820 A JPH0889820 A JP H0889820A
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JP
Japan
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tip
chip
sample
treatment
dispenser
Prior art date
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JP23309394A
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Inventor
Hiroshi Sawai
博 澤井
Kanehisa Yokoyama
兼久 横山
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少量の試料を分取、分注するためのディスペ
ンサー1の先端部に取り付けられ、試料の貯溜部となる
プラスチック製チップ2の内外の全表面に、フッ素系撥
水撥油剤の皮膜を設けた。この皮膜は、撥水撥油処理剤
の0.015〜0.05%有機溶媒溶液に、攪拌しなが
ら浸漬した後、チップを処理液から引き上げてステンレ
ス製のザル等に入れ、軽く振動を与えて処理液を振り落
とした後、減圧乾燥し、さらに加熱処理して形成され
る。 【効果】 試料の分注の際のディスペンサー用チップの
内孔での試料の残留と、チップ先端の開口部3での液滴
の発生を防止し、容量の正確さと精度を高めることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生化学や分析、検査等
の分野に於て、液体や試薬等の一定量の試料の分取、分
注に用いるディスペンサー用チップの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】生化学や分析、検査の分野においては、
多数の検体試料を図1(a)に示すようなディスペンサ
ー(1)を用いて一定量分取、分注する作業が行われる
が、分取量0.5μl〜5mlの液体試料を扱う場合に
は、図1に示すようなプラスチック製のディスペンサー
用チップ(2)が広く使用されている。
【0003】ディスペンサーを用いる試料の分取、分注
には、容量の精度と正確さが求められる。試料を分取す
る際の容量の精度と正確さは、ディスペンサー本体の吸
引量の精度と正確さによって決まるが、試料を分注する
際の容量の精度と正確さは、分取した量と分注した量の
違いによって影響される。即ち、プラスチック製のチッ
プ内に吸入した試料を排出する際に、チップ内に試料が
残留したり、液切れが悪く先端部に液滴を残すと、分注
量が設定した容量よりも少なくなり、分注量の正確さを
欠くことになる。また、プラスチック内の試料の残留量
や、先端部の液滴の大きさは一定でなく、分注する度に
その量は異なり、精度を欠くことになる。
【0004】この様な問題を回避するために、チップの
先端の形状を細くしたり、先端開口部に傾斜角度を設け
(例えば、特開平2−241549号公報)、あるいは
プラズマ処理(特開平2−106371号公報)や、フ
ッ素樹脂、シリコーンゴム等を被覆(特開平4−197
452、実開昭57−76871、実開昭61−195
448各号公報など)し、また、チップを撥水性材料で
作成(特開平3−109948号公報)するなどの方法
で、チップの表面、特に先端部の外表面に撥水性を付与
することが提案されている。この他、チップ先端部の内
外両面に金属アルコキシドの加水分解物の被膜を設け
て、液体の付着性を減少させる方法(特開昭62−16
8553号公報)もある。
【0005】しかし、血液などを試料として取り扱う場
合、チップの先端を細くするなど形状を工夫する方法で
は、液切れの向上が十分なものとはいい難かった。ま
た、フッ素樹脂やシリコーンゴムを被覆する方法では、
単純にチップを処理液に浸漬しただけでは、チップの先
端部は細いため内部までは処理液が行き渡らず、チップ
内面の先端部は未処理のままであったり、逆にチップの
先端部まで処理液が入ると、そこに残留して先詰まりを
起こす問題があり、チップ先端の外表面の撥水処理だけ
では十分な効果が得られない。これを防止するための一
定の動作等を組み込んだ装置を使用する方法もあるが、
装置が複雑で、コストも高くなり好ましい方法とはいい
難かった。
【0006】さらに、フッ素ガスプラズマ処理により撥
水性を付与する方法も知られているが、チップ表面の不
純物によって逆に親水化されてしまう場合があり、本発
明の目的には適当ではない。また、血液、酵素、ホルモ
ン、インシュリン等の蛋白は親水基と疏水基の両方を持
っており、試料の種類によっては、チップ表面が撥水性
だけでなく、撥油性も併せ持つことが望ましい場合もあ
るが、ディスペンサー用チップに撥油性を付与した例は
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のチッ
プの様な問題点を解決するため、種々の検討の結果なさ
れたもので、その目的とするところは、試料を分注する
際のディスペンサー内での試料の残留と、先端部に発生
する液滴を防止し、試料分注の際の容量の正確さと精度
を高めたチップを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、内外の全
表面に撥水撥油処理を施したことを特徴とするプラスチ
ック製のディスペンサー用チップであり、また更には、
プラスチック製のチップを、有機溶媒中に撥水撥油処理
剤0.015〜0.05%を含有する処理液に、攪拌し
ながら浸漬した後、該チップ処理液から引き上げ、振動
を与えて処理液を振り落とした後、減圧乾燥し、さらに
加熱処理することを特徴とするディスペンサー用チップ
の製造方法である。
【0009】本発明の対象となるディスペンサー用チッ
プは、図1に示すようなディスペンサー(1)をはじ
め、複数個のディスペンサーを一体にまとめて製作した
多連ディスペンサー等の先端部に装着して使用するもの
である。チップ(2)の断面形状は多種多様であり、1
例として図1(b)に示してあるが、これに限定される
ものではない。その材質としては、破損しにくいこと、
耐薬品性を有すること等の用件を備えていれば、特に制
限はないが、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラス
チックが好適に使用される。
【0010】本発明によるディスペンサー用チップは、
内外の全表面に撥水撥油処理を施したことを特徴とす
る。また、チップ(2)の先端開口部(3)が、処理に
よって狭くなったり、塞がれたりしないことも重要であ
る。従来のようにチップ(2)の外面のみ、あるいは内
面のみに撥水処理を施しただけでは、その効果は十分と
は言えない。また、撥水処理のみでは、試料の種類によ
っては処理の効果が得られない場合もある。本発明のチ
ップは内外両面に撥水性と撥油性とを併せた機能を有す
ることにより、従来にない優れた効果を発揮できるので
ある。
【0011】次に、本発明におけるチップの製造方法、
即ち撥水撥油処理の方法について述べる。撥水撥油処理
剤としては、有機溶媒に可溶なフッ素系処理剤が好適に
使用でき、市販のものが使用可能である。先ず、フッ素
系処理剤を揮発性有機溶媒で希釈して、0.015〜
0.05%、好ましくは0.025〜0.035%の濃
度に調整する。処理液は粘性や表面張力が低く、細いチ
ップの内孔においても流動しやすいものであれば特に限
定しないが、有効成分の濃度が0.015%より薄くな
ると十分な効果が得られない。また、濃度が高くなると
処理液の粘度にも影響して来るが、0.05%より濃く
しても得られる効果には変わりがないので、経済性の面
から一定以上に処理液の濃度を高くする必要はない。
【0012】次に、この処理液にチップを浸漬し、チッ
プに変形や破壊を生じないように緩やかに攪拌して、チ
ップ内孔の空気あるいは気泡を追い出す。攪拌の方法と
しては、スターラー、ミキサー等を用いれば良い。ま
た、攪拌時間は投入した全てのチップの内孔の空気を排
出できればよく、一度に処理するチップの量、処理液の
物理的な特性、その他諸条件によって決定されるが、小
規模のロットであれば、通常は3〜5分間程度の攪拌で
十分である。攪拌処理中は、チップが処理液中に完全に
浸漬され、液面上に飛び出さないように注意することが
肝要である。
【0013】ここで、チップを処理液より取り出してス
テンレス製のザル等の容器に移し、軽く振動を与えて、
チップ先端部の内孔に溜まった余分の処理液を振り落と
した後、減圧乾燥により有機溶媒を速やかに揮散させ、
チップ表面に撥水撥油剤の皮膜を形成させる。チップ先
端の開口部に処理液が残留したままで乾燥させると、処
理剤の皮膜が開口部を塞いだり、開口部の内周面に厚い
皮膜を作って、開口部を狭くする問題が生じる。
【0014】さらに、乾燥したチップを加熱処理して、
フッ素処理剤を硬化固定させる。加熱処理の温度および
時間は、フッ素処理剤の種類によって決まるが、また、
チップの材質によっても制約される。従って、チップの
材質に応じて、それに適した温度範囲で加熱処理できる
フッ素処理剤を選定することが必要で、例えばポリプロ
ピレン製や高密度ポリエチレン製のチップであれば、7
0〜80℃以下で加熱処理可能なフッ素処理剤が使用で
きる。
【0015】
【実施例】次に、実施例により、本発明を更に具体的に
説明する。 〔実施例1〕先ず、フッ素系撥水撥油処理剤としてテッ
クスガード(登録商標)TG−651を、n−ヘキサン
で500倍に希釈し、有効成分の濃度が約0.032重
量%の処理液を調製した。これに射出成形されたポリプ
ロピレン製のチップ(200μl用)100本を投入
し、スターラーで攪拌しながら室温で3分間浸漬処理し
た。
【0016】続いて、処理液から取り出したチップを、
ステンレス製のザルに移して軽く振動を与え、チップの
内孔に溜まった残留処理液を振り落とした後、デシケー
タ内に入れ、減圧脱気して乾燥させた。その後さらに、
70℃で2時間加熱処理してフッ素処理剤を硬化させ
た。
【0017】〔比較例1〕実施例と同じ処理液に同じチ
ップを、攪拌することなく室温で3分間浸漬した後、取
り出してステンレス製のザルに入れ、振動は与えること
なく処理液を自然に流下させた。これを室温で1時間風
乾した後、70℃で2時間加熱処理した。
【0018】〔比較例2〕実施例と同じチップの後端部
にチューブを接続して、空気を吹き込みながら、実施例
と同じ処理液に浸漬し、チップの内孔に処理液が入らな
いようにして室温で3分間処理した。その後、実施例と
同様にして減圧乾燥および加熱処理を行った。
【0019】〔比較例3〕実施例と同じチップの後端部
に、実施例と同じ処理液を満たしたシリンジを嵌合、接
続し、チップの先端部には吸取紙を当接させて、処理液
がチップ先端の外表面に付かないように吸取らせなが
ら、チップ内面に3分間処理液を接触させた。その後、
実施例と同様にして減圧乾燥、および加熱処理を行っ
た。
【0020】〔比較例4〕実施例と同じポリプロピレン
製のチップを、未処理のままで比較例4とした。
【0021】〔評価〕上記の処理により作製した実施例
のチップと、その比較例となるチップを用いて、試料液
(1l当たり着色剤としてクリスタルバイオレット8g
を溶解したメタノール40ml、リン酸緩衝溶液10m
l、牛アルブミン500mgの混合溶液)を150μl
分取、分注し、チップに残留した液量を測定した。残留
量は各例それぞれ5個のチップについて着色液の吸光度
により定量測定した。尚、比較例1の方法で処理したチ
ップには、フッ素処理剤の皮膜でチップの先端開口部が
塞がれる不良が20〜50%の割合で発生するが、試料
液残留量の測定は、このような不良品を除いて良品につ
いて行った。
【0022】試料液残留量の測定結果は図2に示した通
りで、外表面または内表面のみを処理したチップ(比較
例2,3)では未処理のチップ(比較例4)に比べて、
残留量は相対的に少なくはなっているが、内外両面に撥
水撥油処理を施した実施例のチップに比べると、かなり
多いことが分かる。また、実施例のチップでは試料液を
殆ど残さず排出することが可能であるが、その浸漬処理
の過程で攪拌によってチップ内孔の空気を追い出し、ま
た、浸漬後に余分の処理液を除去することが重要なこと
も示している。
【0023】
【発明の効果】本発明に従うと、試料液の分注の際にば
らつきの原因となる、ディスペンサー用チップの内孔で
の試料液の残留と、チップの先端部に発生する液滴を防
止し、試料液分注の際の容量の精度、正確さを高めたチ
ップを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となるディスペンサー用チップの
一例を示す図である。
【図2】本発明の実施例および比較例の効果の測定結果
を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外の全表面に撥水撥油処理を施したこ
    とを特徴とするプラスチック製のディスペンサー用チッ
    プ。
  2. 【請求項2】 撥水撥油処理剤が有機溶媒に可溶なフッ
    素系処理剤であることを特徴とする、請求項1記載のデ
    ィスペンサー用チップ。
  3. 【請求項3】 プラスチック製のチップを、有機溶媒中
    に撥水撥油処理剤0.015〜0.05%を含有する処
    理液に、攪拌しながら浸漬した後、該チップ処理液から
    引き上げ、振動を与えて処理液を振り落とした後、減圧
    乾燥し、さらに加熱処理することを特徴とするディスペ
    ンサー用チップの製造方法。
  4. 【請求項4】 撥水撥油剤がフッ素系処理剤であり、有
    機溶媒がn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−デカン、ミ
    ネラルターペン、トリクロロエタン、もしくはパークロ
    ロエチレンを主成分とすることを特徴とする、請求項3
    記載のディスペンサー用チップの製造方法。
JP23309394A 1994-09-28 1994-09-28 ディスペンサー用チップ及びその製造方法 Pending JPH0889820A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009524510A (ja) * 2006-01-20 2009-07-02 ピーツーアイ リミティド 新規な製品
JP2012073227A (ja) * 2010-07-12 2012-04-12 Hamilton Bonaduz Ag 疎水性表面テクスチャを有するピペット先端部

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009524510A (ja) * 2006-01-20 2009-07-02 ピーツーアイ リミティド 新規な製品
JP2013099745A (ja) * 2006-01-20 2013-05-23 P2I Ltd 新規な製品
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