JPH0889369A - 繊維製クッション材およびその製造方法 - Google Patents

繊維製クッション材およびその製造方法

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JPH0889369A
JPH0889369A JP22680094A JP22680094A JPH0889369A JP H0889369 A JPH0889369 A JP H0889369A JP 22680094 A JP22680094 A JP 22680094A JP 22680094 A JP22680094 A JP 22680094A JP H0889369 A JPH0889369 A JP H0889369A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 高融点繊維と低融点繊維とを混合して製綿機
で展綿してシート状の繊維ウェブを形成し、その片面に
接着剤を塗布して接着剤を塗布した面を内側にしてもう
一枚のシート状の繊維ウェブを重ね合わせて重合シート
とし、これを連続して折り重ねてクッション材の厚み方
向に対して直交する方向に積層し、両繊維の融点間の温
度に加熱して低融点繊維を溶融させて高融点繊維間を熱
融着してマット状に形状固定する繊維製クッション材の
製法。 【効果】 繊維がクッション材の厚さ方向に立つのでベ
ース繊維自体の硬さ、弾性特性等の諸特性がそのままク
ッション材に生かされ、しかも、繊維ウェブ間の接着剤
層により剛性が付与されることで、腰が強く、へたりが
少なく、かつ、薄くスライスした場合にも繊維ウェブ間
が剥離してバラける心配もない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主にマットレスの詰め
物等として使用されるクッション材のうち、ポリエステ
ル繊維等の合成繊維、或いはこの合成繊維と天然繊維、
レーヨン等の混合綿を、熱可塑性の低融点繊維の熱融着
により前記合成繊維等の各繊維間を融着せしめてなる繊
維製クッション材に関し、更に詳しくは、ギャッジベッ
ドの床部の起伏に追随しうる屈曲性を有するとともに、
腰が強くてへたりにくく、経時変化が少なく耐久性に優
れた繊維製クッション材およびそれを製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、家具やベット等の分野で使用され
ているクッション材の大部分はウレタンフォーム製であ
った。しかし、このウレタンフォームは湿熱老化による
経時変化が大きいため、ウレタンフォーム製クッション
材は予め硬めに製造されがちである。このため、製造直
後は硬め感を生ずる一方で、使用を続けると湿熱老化に
よりクッション製がなくといった問題がある。そこで、
金属製のバネ等を併用したりしたものもあるが、キシミ
音の発生等が問題となる。しかも、このウレタンフォー
ムの場合、通気性が悪いため床擦れ等の原因となった
り、更にはダニ等も発生し易い。そこで、最近では、ポ
リエステル等の合成繊維を利用して通気性に優れた繊維
製クッション材が開発されている。
【0003】通常、この繊維製クッション材は、ポリエ
ステル繊維等の比較的融点の高い繊維と、該高融点繊維
より融点の低い低融点繊維とを混合して製綿機等でシー
ト状に展綿して繊維ウェブを形成し、この繊維ウェブを
適当な厚みに積層して前記高融点繊維と低融点繊維の融
点間の温度に加熱して低融点繊維の溶融により高融点繊
維間を熱融着することで形状を固定化してマット状のク
ッション材としてなるものである。
【0004】ところが、上記のような従来の繊維製クッ
ション材は、製綿機でシート状に形成した繊維ウェブを
クロスラッパー等を用いてクッション材の厚み方向に折
り重ねるように積層していることからクッション材中の
繊維がクッション材中で横にねた状態となっている。こ
のため、繊維自体の有する弾性特性がクッション材の厚
さ方向に充分に生かされておらず、へたりも大きくクッ
ション材として必ずしも満足しうるものとはいえなかっ
た。
【0005】このように、従来の繊維製クッション材
は、繊維自体の弾性特性を充分に生かしきれておらず、
クッション材として要求される硬さ、反発弾性、圧縮残
留歪、クッション性等の点で必ずしも満足しうるもので
はなかった。そこで、本発明者は前記の点に鑑み、繊維
製クッション材として、繊維自体の有する弾性特性をそ
のまま生かしてクッション材として要求されるクッショ
ン性、適度な硬さ、反発弾性、圧縮残留歪等の諸特性に
優れ、へたりが少なく、且つ、経時変化が少ない耐久性
に優れた繊維製クッション材を開発せんと鋭意研究した
結果、繊維ウェブをクッション材の厚み方向に対して直
交する方向に積層することでクッション材中で繊維が立
った状態の繊維製クッション材を発明し、提案した(特
開平4−221627号)。この繊維製クッション材で
は、前記のようにクッション材中で繊維が立った状態に
あることから、原料繊維中のベース繊維である高融点繊
維自体が本来有する硬さ、弾性特性等の諸特性がクッシ
ョン材の厚さ方向の特性として生かされ、腰が強く、へ
たりが少ない耐久性の優れた繊維製クッション材とする
ことができた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この繊維製ク
ッション材の場合、マットレスの詰め物等のように厚み
が比較的厚い場合はよいが、これをスライスして厚みの
薄いクッション材とした場合、各繊維ウェブが横に並ん
でいるために、長期間使用すると、荷重により各繊維ウ
ェブ間が割れてバラける恐れがあることがわかった。
【0007】そこで、本発明はこの繊維製クッション材
を更に改良することにより、この繊維製クッション材を
厚み方向でスライスして厚みの薄いクッション材として
も、繊維ウェブ間で割れてバラけたりすることなく長期
間にわたって使用しうる耐久性に優れた繊維製クッショ
ン材を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る繊維製クッ
ション材は上記の問題を解決するために、高融点繊維
と、この高融点繊維より融点の低い低融点繊維とからな
るシート状に形成された二枚の繊維ウェブ間が接着剤を
介して重ね合わされた重合シートがクッション材の厚み
方向に対して直交する方向に積層されており、前記低融
点繊維の溶融により前記繊維が互いに熱融着されてな
る。
【0009】この繊維製クッション材に使用する高融点
繊維と低融点繊維は、ともにポリエステル繊維であるこ
とが好ましい。また、使用する接着剤はアクリル系接着
剤、特に、コロイダルシリカ複合体粒子エマルジョンで
あることが好ましい。
【0010】前記の繊維製クッション材は、高融点繊維
と、この高融点繊維より融点の低い低融点繊維とを混合
し、これを製綿機で展綿してシート状の繊維ウェブを形
成し、この繊維ウェブの片面に接着剤を塗布し、前記接
着剤を塗布した面を内側にして前記と同様にして形成し
たもう一枚のシート状の繊維ウェブを前記接着剤を塗布
した繊維ウェブに重ね合わせて重合シートとし、この重
合シートを連続して折り重ねてクッション材の厚み方向
に対して直交する方向に積層し、これを前記両繊維の融
点間の温度に加熱して低融点繊維を溶融せしめることに
より前記高融点繊維間を熱融着してマット状に形状固定
することで製造することができる。
【0011】前記の場合、一台の製綿機で同時に二枚の
繊維ウェブを形成し、その一方の繊維ウェブの片面に接
着剤を塗布して二枚の繊維ウェブを重ね合わせて重合シ
ートとするとよい。
【0012】また、前記のように重ね合わせた二枚の繊
維ウェブからなる重合シートを折り重ねるには、所定の
間隔をおいて互いに平行に略垂直に配置した二つのコン
ベア間に連続して供給することで折り重ねるようにする
とよい。
【0013】また、繊維ウェブへの接着剤の塗布方法と
しては、接着剤を繊維ウェブの片面にスプレーにより塗
布することが好ましい。
【0014】更に、前記のような繊維製クッション材
は、マット状に形成した繊維製クッション材の表面を切
除することで、積層された各重合シート間の連続性が断
たれた状態として製品化される。また、マット状に形成
した繊維製クッション材を所定の厚さにスライスするこ
とで、積層された各重合シート間の連続性が断たれた状
態に形成してもよい。
【0015】
【作用】上記の如く、本発明に係る繊維製クッション材
は、二枚の繊維ウェブを重ね合わせた重合シートがクッ
ション材の厚さ方向に対して直交する方向に積層されて
いることから、該繊維ウェブ中の繊維がクッション材中
で厚さ方向に立った状態となり、繊維自体がスプリング
の役目を果たすとともに、この繊維ウェブの間に塗布さ
れた接着剤層もクッション材中において厚さ方向に立っ
た状態に形成されており、この接着剤層もスプリングの
役目を果たすので、硬さ、クッション性、圧縮残留率等
のクッション材として要求される諸特性に優れている。
また、前記接着剤により繊維ウェブ間が強固に接着され
ることで、クッション材が繊維ウェブ間で割れてバラけ
ることを防止する。
【0016】
【実施例】図1は本発明に係る繊維製クッション材の製
造工程の概略説明図である。先ず、繊維製クッション材
の原料である比較的高融点の合成繊維、またはこれと天
然繊維、レーヨン等とを混合したものに低融点繊維を所
定の割合で混合し、この混合した綿cをカード式製綿機
1で製綿して同時に二枚の繊維ウェブw、wをシート状
に形成する。この製綿機1から出てきた二枚の繊維ウェ
ブw、wの一方、図例のものでは、製綿機1の上下から
排出されるシート状の繊維ウェブw、wのうちの下側の
繊維ウェブwの上面にノズル11から接着剤をスプレーし
て塗布したのち、この接着剤を塗布した繊維ウェブwの
上面を内側にして上下二枚の繊維ウェブw、wを重ね合
わせて一枚のシート状にする。次に、この重合シートS
を、積層工程10の上昇コンベア2、2間を上方に引っ張
り上げ、ここから所定間隔をおいて対設した一対のスイ
ングコンベア3、3間に案内するとともに、前記一対の
スイングコンベア3、3を、その上端部を中心として前
後にスイングさせながら両スイングコンベア3、3間の
下端から重合シートSを所定の間隔をおいて対向配置し
た略垂直方向の一対のベルトコンベア4、4間に連続的
に供給することで重合シートSを細かく折り畳みながら
垂直方向に積層する。この重合シートSの積層体mを更
にコンベア5、6等により搬送して、加熱手段7を備え
た加熱工程20に案内し、前記高融点繊維と低融点繊維の
融点間の温度に加熱処理することで低融点繊維を溶融せ
しめ、高融点繊維、天然繊維等の各繊維間を融着すると
ともに、接着剤を乾燥、硬化せしめ、これを冷却工程30
に案内して冷却することで、マット状に形状固定してク
ッション材Mを得る。そして、このマット状のクッショ
ン材Mは、仕上工程40に運ばれ、両側端部の耳の部分を
サイドスリッター8にて切除して端部を揃えるととも
に、また、その上下面をスライサー9で図2に一点鎖線
で示すように薄くスライスしたり、又は必要に応じてそ
の厚さ方向の中間位置で切断して適宜厚さにスライスす
ることで平坦に形成して、上下面及び左右両端面が平滑
な長尺のクッション材Mを得る。このようにして連続し
て製造される繊維製クッション材Mは、これをドラム等
に巻き取り、あるいは、所定の長さ毎に切断して次の工
程に運ばれる。
【0017】以下にこの繊維製クッション材の製造方法
について更に詳細に説明する。先ず、前記クッション材
Mの原料繊維中のベース繊維としての高融点繊維は、比
較的高い融点を有し、且つ、高圧縮弾性、高強度を有す
るクッション性に優れた合成繊維が用いられる。更にこ
れらの繊維を捲縮し、特定値以上の捲縮度として弾性特
性をより向上せしめたものを用いてもよい。例えばこの
高融点繊維としては、ポリエステル、ポリプロピレン、
アクリル、ナイロン等の合成繊維が用いられる。この中
でも、特にポリエステル繊維が好適に用いられる。この
高融点繊維の繊維長には特に限定はなく、通常のステー
プル長である30〜100mm程度のものでよく、ま
た、その繊度も1〜30デニール程度の一般的なもので
よい。ただ、この高融点繊維の融点が低い場合には製品
としてのクッション材Mの耐熱性に問題が発生するおそ
れがあることから、この好ましくはこの高融点繊維の融
点は180℃程度のものを用いる。更に、このベース繊
維である高融点繊維として、上記合成繊維に、生綿、
毛、絹等、調湿特性を有する植物、動物性天然繊維、或
いはレーヨン等を混合したものを用いることもできる。
【0018】次に、原料繊維中の接着成分としての低融
点繊維としては、前記高融点繊維よりも融点が低く、特
定の軟化点及び溶融粘度を有し、前記高融点繊維と混合
して高融点繊維の融点以下の温度に加熱することにより
溶融して高融点繊維間を接着することができるホットメ
ルト型接着性繊維が用いられる。このような低融点繊維
の成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィンや、ポリアミド、ポリエステル、ポリアク
リルニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等の熱可塑性ポリマー等があ
る。更に、これらの成分の単一繊維、或いは、表面の一
部がこれらの低融点成分で構成された低融点成分と高融
点成分との並列型、芯鞘型のコンジュゲートポリエステ
ル繊維等の熱接着性複合繊維でもよく、一般には複合型
のポリエステル繊維が好適に用いられる。そして、この
低融点繊維の場合にもその繊維長、および繊度には特に
限定はなく、例えば繊維長が30〜100mm程度、ま
た、繊度が1〜30デニール程度のものが用いられる。
この低融点繊維、また、複合繊維の場合にはそのうちの
低融点成分の融点としては、前記高融点繊維の融点より
好ましくは50℃以上低いものを用いることが好まし
い。
【0019】前記高融点繊維と低融点繊維との混合割合
としては、高融点繊維:低融点繊維が重量比で90:1
0〜50:50の範囲、通常の場合、高融点繊維80重
量部に対して低融点繊維が20重量部程度の割合で混合
される。この高融点繊維と低融点繊維との混合割合は、
製造される繊維製クッション材の硬さを左右する。つま
り、高融点繊維の割合が多くなるに従って、すなわち低
融点繊維の割合が少なくなるに従って繊維同士の融着点
が減少するので軟らかいクッション材となり、反対に低
融点繊維の配合割合が多くなるに従って融着点が増大す
るので硬いクッション材となる。したがってクッション
材の用途に応じて上記配合割合を調節して所望の硬さの
クッション材とする。
【0020】次に、本発明の繊維製クッション材を製造
する場合には、例えば高融点ポリエステル繊維を80重
量%、低融点繊維として複合型低融点ポリエステル繊維
20重量%を混合し、これをカード式の製綿機1で製綿
して二枚のシート状の繊維ウェブw、wを形成し、これ
を接着剤を介して互いに重ね合わせるのであるが、この
繊維ウェブwの厚さは通常1〜5mm程度である。ま
た、この二枚の繊維ウェブw、wを接着するのに使用す
る接着剤には特に制限はないが、原料繊維により適した
接着剤がある。例えば、ポリエステル繊維の場合には、
アクリル系接着剤を用いることが好ましい。その中で
も、特にコロイダルシリカ複合体粒子エマルジョンが好
ましい。このコロイダルシリカ複合体粒子エマルジョン
としては、例えばヘキスト合成株式会社から販売されて
いる、モビニール8000、同じくモビニール8020
等がある。この接着剤は、コロイダルシリカとスチレン
/アクリルポリマーとの複合体粒子エマルジョンであ
る。また、接着剤としては、酢酸ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合樹脂等も使用することができ、更には、こ
れらの接着剤、更には他の接着剤を、繊維製クッション
材の用途に応じて要求される物性等を考慮して適宜配合
して使用することができる。更に、前記のような接着剤
に、防臭剤、防虫剤、消臭剤、防黴剤等を適宜配合して
おけば、得られる繊維製クッション材に防臭、防虫、消
臭、防黴効果等を付与することもできる。尚、図2、図
3ではクッション材の構造を理解し易くするために、接
着剤層bが比較的肉厚に描かれているが、実際には繊維
ウェブwの表面に薄くスプレーされている程度である。
この接着剤の塗布量についても、クッション材の用途に
より必要とされる硬さ等を考慮して適宜調整される。
【0021】次に前記のようにして重ね合わせた重合シ
ートSを、所定の間隔を隔てて対向配置した積層工程10
の一対の垂直コンベア4、4間に連続的に供給しなが
ら、これを両ベルトコンベア4、4間で折り畳むように
して連続的にマット状に積層してゆく。このように、重
合シートSを垂直コンベア4、4間に折り畳むようにし
て連続的に供給することで、重合シートSは、その自重
により自然に重ね合わされるが、両ベルトコンベア4、
4の送りの速度を、その後に続くコンベア5や6に比べ
て速くすると重合シートSが強制的に緻密に重ね合わさ
れて得られる繊維製クッション材M中の繊維密度は大と
なり、反対にコンベア4の送りの速度を遅くするに従っ
て繊維の密度は小さくなる。この繊維製クッション材M
中の繊維密度は、目的とするクッション材の硬さに応じ
て適宜設定されるものであり、通常の場合には0.00
5〜0.15g/cm3 程度、好ましくは0.01〜
0.10g/cm3 程度とする。また、前記両ベルトコ
ンベア4、4間の間隔は、製造するクッション材の厚
さ、製造効率、後工程の加熱工程20における熱効率、冷
却工程30における冷却効率等を考慮して設定されること
から、両ベルトコンベア4、4の間隔は調節自在になっ
ているが、この間隔は通常100mm程度とすることが
製造工程、熱効率等の点から好ましいといえる。
【0022】次に、上記の如く両ベルトコンベア4、4
間で連続的に積層された重合シートSの積層体mは、加
熱工程20へ搬送される。この加熱工程20では、適宜加熱
手段7が配置されており、コンベア間を搬送されてきた
重合シートSの積層体mが前記加熱手段7より熱処理さ
れる。この加熱手段7としては、熱水スチーム、高圧ス
チーム等の湿熱タイプのものでも、また、電熱、高周波
加熱、赤外線加熱、遠赤外線加熱等の乾熱タイプのもの
でもよし、更にはこれらを併用してもよい。この加熱工
程20では、加熱手段7により繊維製クッション材を構成
する繊維ウェブwの原料繊維の高融点繊維と低融点繊維
の融点間の温度、すなわち、低融点繊維の融点よりも高
く、かつ高融点繊維の融点よりも低い温度に加熱するこ
とにより、積層体m中の低融点ポリエステル繊維を溶融
せしめ、溶融した低融点ポリエステル繊維により繊維ウ
ェブw中の高融点ポリエステル繊維間を融着するととも
に、重合シートS間に塗布した接着剤を乾燥硬化させる
ことで、各繊維ウェブw間を接着してマット状に形状固
定する。この加熱処理に際しては、本発明では繊維ウェ
ブwが積層体mの厚さ方向に直交する方向に積層されて
いるため、加熱手段4から供給される熱が積層体mの内
部まで深く浸透し、効率のよい加熱処理を行うことがで
きる。
【0023】上記の如く加熱処理されてマット状に形状
固定された積層体mは、これに続く冷却工程30へ搬送さ
れ、ここでファン等により冷風を吹きかける等して冷却
してクッション材Mが得られる。更に、このクッション
材Mは、仕上工程40に搬送され、必要に応じてサイドス
リッター8やスライサー9によりその端部や表面を切除
し、また、その中間部で切断して適宜厚みにスライスす
る。例えば100mmの厚さに積層成形されたクッショ
ン材Mを厚さ方向の中間位置で上下に切断すれば50m
m厚のクッション材が2枚得られ、又、5枚にスライス
すれば、各クッション材Mの厚みは20mmとなる。
【0024】上記のようにして得られる本発明に係る繊
維製クッション材Mは、適宜側地等で被覆してマットレ
ス用の詰め物として、また、その他の各種クッション材
として使用される。そして、本発明の繊維製クッション
材Mにおいては、図2〜図4に示すように、各繊維ウェ
ブw・・がクッション材Mの厚さ方向に対して直交する
方法に積層されていることから、繊維ウェブw中の繊維
はクッション材M中で厚さ方向に立っており繊維自体が
スプリングの役目を果たすとともに、図2、図3に示す
ように、この繊維製クッション材M中の二枚の繊維ウェ
ブw、w毎に接着剤層bがクッション材M中において厚
さ方向に立った状態に形成されていて、この接着剤層b
により繊維ウェブwに剛性が付与されて、硬さ、クッシ
ョン性、圧縮残留率等のクッション材として要求される
諸特性に優れている。また、この接着剤により繊維ウェ
ブw、w間が強固に接着されることで、クッション材M
が繊維ウェブw、w間で割れることも防止されて、これ
を図3に示すように薄くスライスした場合であっても、
各繊維ウェブw、w間で剥離してバラけるようなことも
ない。
【0025】上記のようにして得られた接着剤を介して
繊維ウェブ間を接着してなる本発明に係る繊維製クッシ
ョン材(実施例)と、接着剤を用いることなく繊維ウェ
ブを厚さ方向に直交する方向に積層してなる繊維製クッ
ション材(特開平4−221627号公報に記載された
もの:比較例)とについて、JIS L 2001に準
拠して圧縮弾性試験を行った。その結果は下記のとおり
であった。
【0026】
【0027】上記の結果から明らかなように、本発明に
係る繊維製クッション材は、比較例の繊維製クッション
材に比べて圧縮率が小さく、かつ、回復率が大きく、し
たがって、腰が強く、へたり難いものであることが分か
った。
【0028】更に、上記のようにして製造された繊維製
クッション材Mは、図5に示すように凹凸を有する鉄板
P等の間に挟んで加熱、加圧成型することで、表面に凹
凸を有するクッション材をM’とすることができる。こ
の場合にも、本発明に係る繊維製クッション材Mでは、
各繊維ウェブw間に接着剤を介在させてなることから、
表面に前記のような凹凸を付与する場合に各繊維ウェブ
w間が剥離してバラけてしまうといっことがなく、凸部
による優れた指圧効果が発揮される。
【0029】
【発明の効果】上記の如く、本発明に係る繊維製クッシ
ョン材は、クッション材中で繊維がクッション材の厚さ
方向にそって立っており、原料繊維中のベース繊維自体
が本来有する硬さ、弾性特性等の諸特性がそのままクッ
ション材の厚さ方向の特性として生かされ、しかも、繊
維ウェブ間の接着剤層により繊維ウェブに剛性が付与さ
れることで、腰が強く、へたりが少なく単独でマットと
しても使用可能なクッション材を製造することができ
る。更に、繊維ウェブ間に塗布した前記接着剤により、
これを薄くスライスした場合にも繊維ウェブ間が剥離し
てバラける心配もない。また、このクッション材は、繊
維ウェブが厚さ方向に直行する方向に積層されているこ
とから、屈曲性に優れ、ギャッジベッドにおける床部の
起床動作に追随しうる。しかも、繊維製であるので、ウ
レタンフォームのような湿熱劣化等の経時変化が少なく
耐久性に優れるとともに、通気性がよく、毛細血管の圧
迫を緩和して床ずれを緩和することができる。
【0030】又、この繊維製クッション材を製造するに
際しては、シート状の繊維ウェブの片面に接着剤を塗布
し、この接着剤を塗布した面を内側にして二枚の繊維ウ
ェブを重ね合わせ、この重ねた重合シートを折り重ねる
ようにしたので、接着剤塗布面が繊維ウェブの折り畳み
工程で外面に露出して機械の各部に付着するといったこ
とがない。また、片面に接着剤を塗布した繊維ウェブを
単独で折り重ねて積層する場合には、接着剤の乾燥時等
に繊維製クッション材にソリ等が発生し易いが、本発明
では二枚の繊維ウェブ間に接着剤層が形成された左右対
象でバランスのとれた重合シートを折り重ねるようにし
たので、繊維製クッション材製品にソリや歪みが発生す
るといった問題もないのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繊維製クッション材の製造方法の
工程の概略説明図
【図2】本発明に係る繊維製クッション材の説明用断面
【図3】前記繊維製クッション材を薄くスライスした状
態の説明用断面図
【図4】本発明により製造される繊維製クッション材の
斜視図
【図5】前記繊維製クッション材の表面に凹凸を形成す
る様子を示す断面断面説明図
【符号の説明】
1 製綿機 2 上昇コンベア 3 スイングコンベア 4 垂直コンベア 5 コンベア 6 コンベア 7 加熱手段 8 サイドスリッター 9 スライサー 10 積層工程 11 ノズル 20 加熱工程 30 冷却工程 40 仕上工程 M 繊維製クッション材 S 重合シート b 接着剤 c 綿 m 積層体 w 繊維ウェブ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/54 A 1/58 B 1/72 Z

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高融点繊維と、この高融点繊維より融点
    の低い低融点繊維とからなるシート状に形成された二枚
    の繊維ウェブ間が接着剤を介して重ね合わされた重合シ
    ートがクッション材の厚み方向に対して直交する方向に
    積層されており、前記低融点繊維の溶融により前記繊維
    が互いに熱融着されてなることを特徴とする繊維製クッ
    ション材。
  2. 【請求項2】 高融点繊維と低融点繊維とがともにポリ
    エステル繊維である請求項1記載の繊維製クッション
    材。
  3. 【請求項3】 接着剤がアクリル系接着剤である請求項
    1記載の繊維製クッション材。
  4. 【請求項4】 接着剤がコロイダルシリカ複合体粒子エ
    マルジョンである請求項3記載の繊維製クッション材。
  5. 【請求項5】 高融点繊維と、この高融点繊維より融点
    の低い低融点繊維とを混合し、これを製綿機で展綿して
    シート状の繊維ウェブを形成し、この繊維ウェブの片面
    に接着剤を塗布し、前記接着剤を塗布した面を内側にし
    て前記と同様にして形成したもう一枚のシート状の繊維
    ウェブを前記接着剤を塗布した繊維ウェブに重ね合わせ
    て重合シートとし、この重合シートを連続して折り重ね
    てクッション材の厚み方向に対して直交する方向に積層
    し、これを前記両繊維の融点間の温度に加熱して低融点
    繊維を溶融せしめることにより前記高融点繊維間を熱融
    着してマット状に形状固定することを特徴とする繊維製
    クッション材の製造方法。
  6. 【請求項6】 一台の製綿機で同時に二枚の繊維ウェブ
    を形成し、その一方の繊維ウェブの片面に接着剤を塗布
    して二枚の繊維ウェブを重ね合わせて重合シートとして
    なる請求項5記載の繊維製クッション材の製造方法。
  7. 【請求項7】 重合シートを、所定の間隔をおいて互い
    に平行に略垂直に配置した二つのコンベア間に連続して
    供給することで折り重ねてなる請求項5記載の繊維製ク
    ッション材の製造方法。
  8. 【請求項8】 接着剤を繊維ウェブの片面にスプレー塗
    布してなる請求項5記載の繊維製クッション材の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 高融点繊維と低融点繊維とがともにポリ
    エステル繊維である請求項5記載の繊維製クッション材
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 接着剤がアクリル系接着剤である請求
    項5記載の繊維製クッション材の製造方法。
  11. 【請求項11】 接着剤がコロイダルシリカ複合体粒子
    エマルジョンである請求項10記載の繊維製クッション
    材の製造方法。
  12. 【請求項12】 マット状に形成した繊維製クッション
    材の表面を切除することで、積層された各重合シート間
    の連続性が断たれた状態に形成してなる請求項5記載の
    繊維製クッション材の製造方法。
  13. 【請求項13】 マット状に形成した繊維製クッション
    材を所定の厚さにスライスすることで、積層された各重
    合シート間の連続性が断たれた状態に形成してなる請求
    項5記載の繊維製クッション材の製造方法。
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