JPH0889238A - 双翅目害虫に対して殺虫活性を有するバチルス・チューリンゲンシス新菌株 - Google Patents
双翅目害虫に対して殺虫活性を有するバチルス・チューリンゲンシス新菌株Info
- Publication number
- JPH0889238A JPH0889238A JP6261516A JP26151694A JPH0889238A JP H0889238 A JPH0889238 A JP H0889238A JP 6261516 A JP6261516 A JP 6261516A JP 26151694 A JP26151694 A JP 26151694A JP H0889238 A JPH0889238 A JP H0889238A
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- JP
- Japan
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- bacillus thuringiensis
- order diptera
- new strain
- insect pests
- insecticidal activity
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- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 バチルス・チューリンゲンシス新菌株73−
E−10−2。生命工学工業技術研究所受託番号FER
M P−14495として寄託。 【効果】 オオチョウバエ、チカイエカ、ハマダラカな
どの双翅目害虫に対して特異的な殺虫活性を示し、その
駆除に有効である。
E−10−2。生命工学工業技術研究所受託番号FER
M P−14495として寄託。 【効果】 オオチョウバエ、チカイエカ、ハマダラカな
どの双翅目害虫に対して特異的な殺虫活性を示し、その
駆除に有効である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バチルス・チューリン
ゲンシス(Bacillus thuringiensis)分離株に関し、特
に、この菌による双翅目害虫の駆除に関する。
ゲンシス(Bacillus thuringiensis)分離株に関し、特
に、この菌による双翅目害虫の駆除に関する。
【0002】
【従来の技術】化学殺虫剤に代わる微生物殺虫剤とし
て、最も広く利用されている種々のバチルス・チューリ
ンゲンシス(Bacillus thuringiensis・BT)は、胞子
形成期に結晶性毒素タンパクを形成し、この毒素タンパ
クを摂食した害虫は腸管破裂等ののち死に至ることが知
られている。
て、最も広く利用されている種々のバチルス・チューリ
ンゲンシス(Bacillus thuringiensis・BT)は、胞子
形成期に結晶性毒素タンパクを形成し、この毒素タンパ
クを摂食した害虫は腸管破裂等ののち死に至ることが知
られている。
【0003】BTはその亜種の違いにより殺虫活性が異
なっており、例えば亜種クルスタキー、アイザワイは、
鱗翅目、双翅目昆虫に毒性を示し(Dulmage,H.T.: J. I
nvertebr. Pathol., 15, 232 (1970))、イスラエレン
シス、ダルムスタディエンシスは双翅目昆虫に(L. J.
Goldberg : Mosq. News, 37, 355 (1977))(L. E. Pad
ua : J. Invertebr. Pathol., 44, 12 (1984))、また
テネブリオニスは鞘翅目の甲虫類にそれぞれ毒性を示す
ことが知られている(特開昭60−156382)。し
かし微生物殺虫剤が化学殺虫剤に比べその対象とする害
虫の適用範囲が狭いため、その適用範囲を広げる目的
で、数種のBTを混合して使用したり、遺伝子工学的手
法により適用害虫の範囲を広げるなどの方法が取られて
いる。
なっており、例えば亜種クルスタキー、アイザワイは、
鱗翅目、双翅目昆虫に毒性を示し(Dulmage,H.T.: J. I
nvertebr. Pathol., 15, 232 (1970))、イスラエレン
シス、ダルムスタディエンシスは双翅目昆虫に(L. J.
Goldberg : Mosq. News, 37, 355 (1977))(L. E. Pad
ua : J. Invertebr. Pathol., 44, 12 (1984))、また
テネブリオニスは鞘翅目の甲虫類にそれぞれ毒性を示す
ことが知られている(特開昭60−156382)。し
かし微生物殺虫剤が化学殺虫剤に比べその対象とする害
虫の適用範囲が狭いため、その適用範囲を広げる目的
で、数種のBTを混合して使用したり、遺伝子工学的手
法により適用害虫の範囲を広げるなどの方法が取られて
いる。
【0004】一方、家庭用の簡易浄化槽や、下水処理槽
に大量に発生する不快衛生害虫はその生育環境条件によ
りほぼ均一の種からなる。これを駆除するためには狭い
スペクトルのBT殺虫剤を用いた方が、環境に対する安
全性の点から好ましい。例えば、汚水ろ過槽に発生する
ハエ類の駆除にイスラエレンシスを使用した報告がある
が、その適用害虫は、Limnophyes minimus, Metoriocne
mus hygropetricus,Psychoda severini, Psychoda alte
rnata, Sylvicola fenestralis, Orthocladiusfusciman
us と広く、双翅目昆虫の多くに活性を示す(J. Housto
n : Wat. Res.23, 379, (1989))。また双翅目のカ科昆
虫に対する毒性がしられているダルムスタディエンシス
や、上記の報告にも、家庭用の簡易浄化槽や、下水処理
槽等で発生する不快衛生害虫のオオチョウバエ(Telmato
scopus albipunctatus)あるいはハマダラカ(Anopheles
stephensi)に活性を示すBTの報告はいままで全く無
い。
に大量に発生する不快衛生害虫はその生育環境条件によ
りほぼ均一の種からなる。これを駆除するためには狭い
スペクトルのBT殺虫剤を用いた方が、環境に対する安
全性の点から好ましい。例えば、汚水ろ過槽に発生する
ハエ類の駆除にイスラエレンシスを使用した報告がある
が、その適用害虫は、Limnophyes minimus, Metoriocne
mus hygropetricus,Psychoda severini, Psychoda alte
rnata, Sylvicola fenestralis, Orthocladiusfusciman
us と広く、双翅目昆虫の多くに活性を示す(J. Housto
n : Wat. Res.23, 379, (1989))。また双翅目のカ科昆
虫に対する毒性がしられているダルムスタディエンシス
や、上記の報告にも、家庭用の簡易浄化槽や、下水処理
槽等で発生する不快衛生害虫のオオチョウバエ(Telmato
scopus albipunctatus)あるいはハマダラカ(Anopheles
stephensi)に活性を示すBTの報告はいままで全く無
い。
【0005】またチカイエカ(Culex pipiens molestus)
は無吸血で産卵し世代を繰り返すため、オオチョウバエ
と同様の環境下で、大量に発生する不快衛生害虫として
その防除が望まれている。しかしカ科に殺虫活性がある
とされてきたイスラエレンシスやダルムスタディエンシ
ス、及びその他のBTが、このチカイエカに対して活性
を示すという報告は今のところ皆無である。
は無吸血で産卵し世代を繰り返すため、オオチョウバエ
と同様の環境下で、大量に発生する不快衛生害虫として
その防除が望まれている。しかしカ科に殺虫活性がある
とされてきたイスラエレンシスやダルムスタディエンシ
ス、及びその他のBTが、このチカイエカに対して活性
を示すという報告は今のところ皆無である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するために、オオチョウバエ(Telmatoscopus alb
ipunctatus)、ハマダラカ(Anopheles stephensi)、チカ
イエカ(Culex pipiensmolestus)などの双翅目害虫に対
して殺虫活性を有するような新菌株を得て、それらの害
虫を防除することを目的とする。
を解決するために、オオチョウバエ(Telmatoscopus alb
ipunctatus)、ハマダラカ(Anopheles stephensi)、チカ
イエカ(Culex pipiensmolestus)などの双翅目害虫に対
して殺虫活性を有するような新菌株を得て、それらの害
虫を防除することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、双翅目害虫
に対して特異的に殺虫活性を有するバチルス・チューリ
ンゲンシス(Bacillus thuringiensis)新菌株の分離に成
功し、上記の課題を解決した。本発明者が73−E−1
0−2と表示するこの新規分離菌株は、工業技術院生命
工学技術研究所に、受託番号FERM P−14495
として寄託されており、次に示すような特性を有してい
る。
に対して特異的に殺虫活性を有するバチルス・チューリ
ンゲンシス(Bacillus thuringiensis)新菌株の分離に成
功し、上記の課題を解決した。本発明者が73−E−1
0−2と表示するこの新規分離菌株は、工業技術院生命
工学技術研究所に、受託番号FERM P−14495
として寄託されており、次に示すような特性を有してい
る。
【0008】(1)このバチルス・チューリンゲンシス
(Bacillus thuringiensis)分離株73−E−10−2
は愛媛県の養蚕農家塵埃より分離されたものである。 (2)この株は普通寒天培地(pH7.6)上で、大きな粗面
性白色コロニーを形成する。 (3)この細菌はグラム陽性の桿菌で鞭毛を有する。 (4)バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuri
ngiensis)の分類は、その鞭毛の血清型により行われる
が、73−E−10−2は、H血清型10、Serovar da
rmustadiensisに分類される。この菌は、カ類に毒性が
あることはすでに知られていたが、オオチョウバエや、
同じカ科の昆虫でも、チカイエカやハマダラカに対する
毒性は、今まで知られておらず、本発明ではじめて明ら
かにした。 (5)本発明の新菌株73−E−10−2は酸素要求
性、すなわち好気性である。
(Bacillus thuringiensis)分離株73−E−10−2
は愛媛県の養蚕農家塵埃より分離されたものである。 (2)この株は普通寒天培地(pH7.6)上で、大きな粗面
性白色コロニーを形成する。 (3)この細菌はグラム陽性の桿菌で鞭毛を有する。 (4)バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuri
ngiensis)の分類は、その鞭毛の血清型により行われる
が、73−E−10−2は、H血清型10、Serovar da
rmustadiensisに分類される。この菌は、カ類に毒性が
あることはすでに知られていたが、オオチョウバエや、
同じカ科の昆虫でも、チカイエカやハマダラカに対する
毒性は、今まで知られておらず、本発明ではじめて明ら
かにした。 (5)本発明の新菌株73−E−10−2は酸素要求
性、すなわち好気性である。
【0009】かくして、本発明に従えば、バチルス・チ
ューリンゲンシス新規分離菌株73−E−10−2の培
養物を有効成分とする双翅目害虫用殺虫剤が提供され
る。分離株73−E−10−2の培養は標準的な培地を
用いて行うことができる。例えば、寒天培地を用い、3
0゜Cで培養した場合、3日から5日で胞子を形成し、
結晶性の毒素タンパクが産生される。有効成分となる分
離株73−E−10−2の胞子と結晶性毒素タンパクは
寒天培地上からかき取ることにより回収することができ
る。また、本発明の新規分離株は、適当な液体培地を用
い培養することもでき、この場合には、培養終了後に遠
心分離もしくはろ過を行うことにより有効成分を回収で
きる
ューリンゲンシス新規分離菌株73−E−10−2の培
養物を有効成分とする双翅目害虫用殺虫剤が提供され
る。分離株73−E−10−2の培養は標準的な培地を
用いて行うことができる。例えば、寒天培地を用い、3
0゜Cで培養した場合、3日から5日で胞子を形成し、
結晶性の毒素タンパクが産生される。有効成分となる分
離株73−E−10−2の胞子と結晶性毒素タンパクは
寒天培地上からかき取ることにより回収することができ
る。また、本発明の新規分離株は、適当な液体培地を用
い培養することもでき、この場合には、培養終了後に遠
心分離もしくはろ過を行うことにより有効成分を回収で
きる
【0010】本発明の新規分離株73−E−10−2に
よって胞子形成期に形成される結晶性毒素タンパクは、
電気泳動測定(SDS−PAGE)したときに、25,
50,67,75,および140キロダルトン付近に強
いラインを有するものであることが見出されている。
よって胞子形成期に形成される結晶性毒素タンパクは、
電気泳動測定(SDS−PAGE)したときに、25,
50,67,75,および140キロダルトン付近に強
いラインを有するものであることが見出されている。
【0011】本発明の双翅目害虫用殺虫剤は、回収した
分離株73−E−10−2(胞子)もしくはこの菌が産
生する結晶性毒素タンパクを水に懸濁するか、または適
当な公知の配合剤を加えることによって得た混合物とし
て提供され、これを対象害虫に摂食させることにより駆
除を行う。殺虫剤混合物中における有効成分の濃度は、
一般に、胞子の濃度として1×108 〜1010/mlで
ある。
分離株73−E−10−2(胞子)もしくはこの菌が産
生する結晶性毒素タンパクを水に懸濁するか、または適
当な公知の配合剤を加えることによって得た混合物とし
て提供され、これを対象害虫に摂食させることにより駆
除を行う。殺虫剤混合物中における有効成分の濃度は、
一般に、胞子の濃度として1×108 〜1010/mlで
ある。
【0012】
〔バチルス・チューリゲンシス分離株73-E-10-2の単
離〕愛媛県養蚕農家の塵埃0.5gを滅菌水4.5ml
を入れた試験管に秤取り、十分に懸濁させた。次にこの
土壌懸濁液(10-1希釈液)を70゜Cの水浴中で10
分間放置し熱処理を行った。次に更に希釈するため前記
の土壌懸濁液を0.5ml取り、滅菌水4.5mlに加
え10-2希釈液を調整した。同様の方法で10-5希釈液
まで順次段階希釈液を調整した。
離〕愛媛県養蚕農家の塵埃0.5gを滅菌水4.5ml
を入れた試験管に秤取り、十分に懸濁させた。次にこの
土壌懸濁液(10-1希釈液)を70゜Cの水浴中で10
分間放置し熱処理を行った。次に更に希釈するため前記
の土壌懸濁液を0.5ml取り、滅菌水4.5mlに加
え10-2希釈液を調整した。同様の方法で10-5希釈液
まで順次段階希釈液を調整した。
【0013】次にこの希釈試料を普通寒天培地(肉エキ
ス10g、ポリペプトン10g、塩化ナトリウム2g、
寒天20g、水1リットル、pH7.6)に0.1ml
塗抹し、28゜Cで3日から5日間培養した。所定期間
培養後生育してきたコロニーを位相差顕微鏡下で観察
し、白色に観察される胞子と、黒色に観察される結晶タ
ンパクが同一細胞内に認められたものを選択した。
ス10g、ポリペプトン10g、塩化ナトリウム2g、
寒天20g、水1リットル、pH7.6)に0.1ml
塗抹し、28゜Cで3日から5日間培養した。所定期間
培養後生育してきたコロニーを位相差顕微鏡下で観察
し、白色に観察される胞子と、黒色に観察される結晶タ
ンパクが同一細胞内に認められたものを選択した。
【0014】〔実施例2〕 〔バチルス・チュウリゲンシス分離株73−E−10−
2の血清型の同定〕血清型の同定は、大庭らの方法(Oh
ba,M. : J. Invertebr. Pathol. 32, 303-309 (1978))
で行った。本発明の新規Bacillus thuringiensis分離株
73−E−10−2をL型試験管中の4mlの培地(肉
エキス10g、ポリペプトン10g、塩化ナトリウム2
g、水1リットル、pH7.6)に懸濁し、37゜Cで
3〜4時間、静かに振とうした。3〜4時間後、この懸
濁液1滴を、スライドガラス上で、20〜50倍に希釈
した血清(No.1〜34)1滴と混合した。3〜5分
後に凝集反応を判定し、血清型10の抗血清にのみ反応
を示したことから、血清型10のダルムスタディエンシ
スと決定した。
2の血清型の同定〕血清型の同定は、大庭らの方法(Oh
ba,M. : J. Invertebr. Pathol. 32, 303-309 (1978))
で行った。本発明の新規Bacillus thuringiensis分離株
73−E−10−2をL型試験管中の4mlの培地(肉
エキス10g、ポリペプトン10g、塩化ナトリウム2
g、水1リットル、pH7.6)に懸濁し、37゜Cで
3〜4時間、静かに振とうした。3〜4時間後、この懸
濁液1滴を、スライドガラス上で、20〜50倍に希釈
した血清(No.1〜34)1滴と混合した。3〜5分
後に凝集反応を判定し、血清型10の抗血清にのみ反応
を示したことから、血清型10のダルムスタディエンシ
スと決定した。
【0015】〔実施例3〕 〔分離株73−E−10−2の双翅目昆虫に対する毒性
試験〕バチルス・チューリンゲシス分離株73−E−1
0−2を普通寒天培地で28゜Cで5日間培養後集菌
し、蒸留水で2、3回洗浄した。オオチョウバエ(Telma
toscopus albipunctatus)、チカイエカ(Culex pipiens
molestus)、ハマダラカ(Anopheles stephensi)、トクナ
ガユスリカ(Orthocladius akamusi)については胞子濃度
が108 m/lとなるように培養物を蒸留水に懸濁し、
この中にそれぞれの昆虫の幼虫5匹を入れ、25゜Cで
3日間試験した。またイエバエ(Musuca domestica)につ
いては、幼虫1匹あたりが108 個の胞子を食餌するよ
うに、餌の中に培養物を混入し、同様に幼虫5匹に対し
25゜Cで3日間試験した。なお結晶性タンパクは、胞
子形成の際、1細胞から1個、もしくはそれ以上形成さ
れる。
試験〕バチルス・チューリンゲシス分離株73−E−1
0−2を普通寒天培地で28゜Cで5日間培養後集菌
し、蒸留水で2、3回洗浄した。オオチョウバエ(Telma
toscopus albipunctatus)、チカイエカ(Culex pipiens
molestus)、ハマダラカ(Anopheles stephensi)、トクナ
ガユスリカ(Orthocladius akamusi)については胞子濃度
が108 m/lとなるように培養物を蒸留水に懸濁し、
この中にそれぞれの昆虫の幼虫5匹を入れ、25゜Cで
3日間試験した。またイエバエ(Musuca domestica)につ
いては、幼虫1匹あたりが108 個の胞子を食餌するよ
うに、餌の中に培養物を混入し、同様に幼虫5匹に対し
25゜Cで3日間試験した。なお結晶性タンパクは、胞
子形成の際、1細胞から1個、もしくはそれ以上形成さ
れる。
【0016】毒性試験の結果を表1に示す。また、強い
殺虫活性のあったオオチョウバエ、チカイエカに対して
は様々な濃度に希釈した培養物懸濁液に、幼虫20頭を
入れ、24時間後の死虫数を測定し、プロビット法によ
りLC50を求めた。その結果LC50値はオオチョウ
バエに対しては525μg wet weigt /ml 、チカイエカ
にたいしては18.7μg wet weigt /ml であった。本
実施例より、分離株73−E−10−2は、今まで殺虫
活性が知られていなっかった双翅目昆虫のオオチョウバ
エ、チカイエカ、ハマダラカに活性を有する事が明かと
なった。
殺虫活性のあったオオチョウバエ、チカイエカに対して
は様々な濃度に希釈した培養物懸濁液に、幼虫20頭を
入れ、24時間後の死虫数を測定し、プロビット法によ
りLC50を求めた。その結果LC50値はオオチョウ
バエに対しては525μg wet weigt /ml 、チカイエカ
にたいしては18.7μg wet weigt /ml であった。本
実施例より、分離株73−E−10−2は、今まで殺虫
活性が知られていなっかった双翅目昆虫のオオチョウバ
エ、チカイエカ、ハマダラカに活性を有する事が明かと
なった。
【0017】
【表1】
【0018】〔実施例4〕 〔分離株73−E−10−2の生産する結晶性毒素タン
パクの精製〕バチルス・チューリゲンシス分離株73−
E−10−2を普通寒天培地(肉エキス10g、ポリペ
プトン10g、塩化ナトリウム2g、寒天20g、水1
リットル、pH7.6)で27゜C、5日間培養後、集
菌し、1M塩化ナトリウム溶液で洗浄、遠心を3回行っ
た。結晶性毒素タンパクの部分精製は、硫酸デキストラ
ン−ポリエチレングリコール系による二相分離法(Good
man. N. S. : J. Bact. 94, 485 (1967))により行っ
た。結晶性毒素タンパクを含む下層を水で希釈後、遠心
して集めた。さらに純粋になるまで精製を行うために、
ショ糖密度勾配遠心法を行った。
パクの精製〕バチルス・チューリゲンシス分離株73−
E−10−2を普通寒天培地(肉エキス10g、ポリペ
プトン10g、塩化ナトリウム2g、寒天20g、水1
リットル、pH7.6)で27゜C、5日間培養後、集
菌し、1M塩化ナトリウム溶液で洗浄、遠心を3回行っ
た。結晶性毒素タンパクの部分精製は、硫酸デキストラ
ン−ポリエチレングリコール系による二相分離法(Good
man. N. S. : J. Bact. 94, 485 (1967))により行っ
た。結晶性毒素タンパクを含む下層を水で希釈後、遠心
して集めた。さらに純粋になるまで精製を行うために、
ショ糖密度勾配遠心法を行った。
【0019】70W/V%、80W/V%、90W/V
%、のショ糖溶液を10ml容遠心管に重層し、さらに
上部に部分精製した結晶性毒素タンパクを0.5ml重
層した。22,000rpmで2時間遠心を行い、70
W/V%−80W/V%界面に沈降する、純粋に精製さ
れた結晶性毒素タンパクを回収した。この結晶性毒素タ
ンパクをSDS−PAGEにかけたところ25,50,
67,75,および140キロダルトン付近に強いライ
ンが認められた。
%、のショ糖溶液を10ml容遠心管に重層し、さらに
上部に部分精製した結晶性毒素タンパクを0.5ml重
層した。22,000rpmで2時間遠心を行い、70
W/V%−80W/V%界面に沈降する、純粋に精製さ
れた結晶性毒素タンパクを回収した。この結晶性毒素タ
ンパクをSDS−PAGEにかけたところ25,50,
67,75,および140キロダルトン付近に強いライ
ンが認められた。
【0020】
【発明の効果】本発明の新規分離株73−E−10−2
は、家庭用の簡易浄化槽や下水処理槽等で特異 的に発
生する不快衛生害虫のチカイエカ、オオチョウバエ、ハ
マダラカなどの双翅目害虫に対して特異的な殺虫活性を
有しており、これらの害虫の駆除に有効である。
は、家庭用の簡易浄化槽や下水処理槽等で特異 的に発
生する不快衛生害虫のチカイエカ、オオチョウバエ、ハ
マダラカなどの双翅目害虫に対して特異的な殺虫活性を
有しており、これらの害虫の駆除に有効である。
Claims (2)
- 【請求項1】 双翅目害虫に対して殺虫活性を有するバ
チルス・チューリンゲンシス新菌株73−E−10−2
(生命工学工業技術研究所受託番号FERMP−144
95)。 - 【請求項2】 バチルス・チューリンゲンシス新菌株7
3−E−10−2(生命工学工業技術研究所受託番号F
ERM P−14495)の培養物を有効成分とする双
翅目害虫用殺虫剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6261516A JPH0889238A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 双翅目害虫に対して殺虫活性を有するバチルス・チューリンゲンシス新菌株 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6261516A JPH0889238A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 双翅目害虫に対して殺虫活性を有するバチルス・チューリンゲンシス新菌株 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0889238A true JPH0889238A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=17362996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6261516A Pending JPH0889238A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 双翅目害虫に対して殺虫活性を有するバチルス・チューリンゲンシス新菌株 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0889238A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008048682A (ja) * | 2006-08-25 | 2008-03-06 | Fukuoka Prefecture | バシラス属細菌、及びその用途 |
-
1994
- 1994-09-29 JP JP6261516A patent/JPH0889238A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008048682A (ja) * | 2006-08-25 | 2008-03-06 | Fukuoka Prefecture | バシラス属細菌、及びその用途 |
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