JPH0886934A - フェルール、該フェルールを利用した光導波路モジュール及びその製造方法 - Google Patents

フェルール、該フェルールを利用した光導波路モジュール及びその製造方法

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JPH0886934A
JPH0886934A JP16871095A JP16871095A JPH0886934A JP H0886934 A JPH0886934 A JP H0886934A JP 16871095 A JP16871095 A JP 16871095A JP 16871095 A JP16871095 A JP 16871095A JP H0886934 A JPH0886934 A JP H0886934A
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眞秀 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 苛酷な使用環境においても安定した温度及び
湿熱特性を有する光導波路モジュールを提供する。 【構成】 第1の材料としてシリコン又は石英ガラスか
ら構成された導波路基板上に光導波路を有する導波路部
品と、第2の材料としてプラスチック材料から構成さ
れ、光ファイバの端部を保持した状態で所定強度の接着
剤によりその端面が導波路部品の端面に対向するよう固
定される、光ファイバの保持部材であって、この第2の
材料は第1の材料に対し、第1の材料の熱膨張係数と第
2の材料の熱膨張係数との差をΔL、前記第1の材料の
弾性率をE1 、前記第2の材料の弾性率をE2 としたと
き、 |ΔL/(E1 /E2 )|<3.0×10-6(℃-1) なる関係を満たすフェルールとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光ファイバの一端を
保持するフェルールと、該フェルールとは異なる材料か
ら構成された基板上に光導波路を有する光部品としての
導波路部品とを、少なくとも備えた光導波路モジュール
に関し、特に、該基板材料との関係で優れた温度及び湿
熱特性が得られるフェルール、このフェルール及び導波
路型光部品を利用した光導波路モジュール及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の光通信技術の発展にともない、所
定波長の光を分岐あるいは合波する分岐素子、合分波素
子等に対する需要が高まってきている。また、これらの
光部品の高密度化の要求を満たすために、石英ガラス系
の光平面導波回路(導波路部品)が用いられてきてい
る。この平面光導波路は低い導波損失(光分岐等にとも
なう伝送損失)を有し、また光ファイバとの低損失な接
続を可能にする。
【0003】上記平面光導波路として、例えば、特開昭
58−105111号公報には、火炎加水分解法(FH
D法)などによりガラス膜を成膜した後、半導体技術の
応用である反応性イオンエッチング法(RIE法)によ
り回路パターンを形成し、クラッド部を成膜する手法に
よって得られる埋め込み型の石英系光導波路が開示され
ている。
【0004】このような導波路部品を光部品(例えば、
光導波路モジュール)に利用する場合、この導波路部品
に作り込まれた光導波路に入出力用の光ファイバを接続
する構成が一般的である。導波路部品と光ファイバとの
接続には、例えばIEEEPhotonic Technology Letter
s, vol.4, No.8, (1992), pp906-908 に示されているよ
うに、精密加工され、光ファイバが配列固定された石英
系フェルールが用いられ、この石英系フェルール端面を
紫外線硬化型接着剤を用いて上記導波路部品端面に接着
固定する方法が一般に用いられている。
【0005】また、例えば特開平6−51155号公報
には、紫外線を透過する石英ガラスでフェルールを構成
し、むらなくかつ短時間に上記フェルール端面と導波路
部品端面を固化させることにより、作業時間を短縮しこ
れら各端面がずれる可能性を低減する技術が開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光ファイバと導波路部
品に作り込まれた光導波路とを光学的に接続する際に最
も重要なことは、その接続部の位置ずれ(光ファイバの
コア端面と、このコア端面に接着剤を介して対向する光
導波路端面の位置ずれ)による伝送損失(以下、この接
続部分の伝送損失を結合損失という)を小さくする必要
があるということである。例えば、導波路部品に作り込
まれた光導波路の径(コア径)は10μm以下であり、
このような光導波路と光ファイバ(光ファイバのコア)
との結合損失を0.3dB未満にするためには、接続部
における位置ずれ量を1μm以内に抑えなければならな
い。一方、熱膨張係数の異なる材料でそれぞれ構成され
た導波路部品(特に、導波路基板)とフェルールを所定
強度の接着剤により接着固定した光導波路モジュールの
場合、使用環境の温度変動により上記接続部における各
コア端面のずれが生じてしまう。
【0007】そこで、苛酷な環境での使用が可能な光導
波路モジュール(室内で使用する部品の温度特性仕様と
しては−10℃〜60℃の温度変動で10サイクル(4
8時間)が一般的であり、例えばBellcore社製
TR−NWT−001209の温度特性仕様では、−4
0℃〜75℃の温度変動で42サイクル(336時
間))を得るためには、上述のように光ファイバ端部を
保持するフェルールを導波路基板の構成材料と熱膨張係
数のほぼ等しい石英ガラスで構成し、所望の温度特性及
び湿熱特性を得るのが一般的である。なお、図29は、
モードフィールド径が10μmの単一モード光導波路に
ついて、該光導波路端面と光ファイバのコア端面との位
置ずれ量と、その伝送損失との関係を示した図である。
【0008】しかしながら、フェルールの製造技術のみ
に着目すると、上述の石英ガラスによってフェルールを
製造する場合、上述の文献にも開示されているように、
ガラスのような加工が困難な材料を1μm以内という高
精度で加工する必要があり(光ファイバ用の位置固定溝
の加工)、さらには光ファイバ端部を把持するために複
数の構成部材により構成する必要がある(光ファイバの
端部を上下2枚の石英ガラス板で挟み込む)。一方、例
えばプラスチック材料によりフェルールを構成する場
合、例えば"DEVELOPMENT OF 16-FIBER CONNECTORS FOR
HIGH-SPEED LOW-LOSS CABLE CONNECTION" (INTERNATIO
NAL WIRE AND CABLE SYMPOSIUM PROCEEDINGS 1993, pp.
244-249 )に示されているように、プラスチック成形に
より一工程で成形が可能で、かつ光ファイバ端部を挿入
することでその設置位置を規定する貫通孔(連続する内
壁を有する)もこのプラスチック成形時に高精度に作り
込むことができる。このようにプラスチック材料により
フェルールを構成すると、光ファイバ端部の把持構造を
得るために、複数の部材を用意して該ファイバ端部を把
持させる必要はなく(プラスチック成形時に同時に光フ
ァイバ端部の設置位置を精密に規定できる貫通孔が形成
できるため、光ファイバの先端を位置決めした状態で上
下から挟み込んで把持する必要はない)、また高精度の
加工技術も必要としないため(貫通孔は各光ファイバご
とに高精度に作り込まれるので、把持部材に光ファイバ
用の位置固定溝を形成する等の精密加工は必要はな
い)、該プラスチック材料がフェルールの構成材料とし
て適している。
【0009】この発明は、上述の諸事情に鑑み、ガラス
等の加工が困難な材料の代わりに低コストで、連続成形
及び高精度加工が容易なプラスチック材料からなるフェ
ルールを利用する一方、それぞれ熱膨張係数の異なる材
料から構成された導波路部品(特に、導波路基板)とフ
ェルールを備え、かつ苛酷な使用環境においても安定し
た温度特性、湿熱特性を有する光導波路モジュール及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る光導波路
モジュールは、第1の材料から構成された導波路基板上
に、所定波長の光を伝搬する伝送路の少なくとも一部を
構成する光導波路が設けられた導波路部品(第1の材料
としては、例えばシリコン又は石英ガラスが適してい
る)と、第2の材料から構成され、前記伝送路の少なく
とも一部を構成する光ファイバの一端と前記光導波路の
一端とを光学的に結合すべく、該光ファイバの一端を保
持した状態(光ファイバ端部は連続する内壁を有する貫
通孔に挿入された状態で設置されている)で、所定強度
の接着剤によりその端面が前記導波路部品の端面に対向
するよう固定された、フェルール(第2の材料として
は、例えばプラスチック材料が適している)を備える。
さらに、当該光導波路モジュールは、上記フェルールの
貫通孔にその端部が挿入された状態で該フェルールに接
着固定された入出力用の光ファイバを備えている。この
構成により既存の伝送路からの信号光の分岐、あるいは
該伝送路への合波を容易に実現する。なお、この光ファ
イバは、所定波長の光を伝搬するためのコアと、このコ
アを覆うクラッドから構成されるが、通常は、このクラ
ッド表面をアクリレート樹脂で被覆するか、さらにはそ
の表面をプラスチックで被覆した状態で利用に供され
る。また、この光ファイバは単芯ファイバには限定され
ず、複数の光ファイバ(各光ファイバはそれぞれ異なる
色に着色されたアクリレート樹脂でコーティングされた
ものでもよい)をプラスチック材料で一体的に被覆した
テープ型ファイバも含まれる。
【0011】特に、苛酷な温度変動下(例えば−40℃
〜+75℃の範囲での温度変動)においてもその結合損
失が0.3dB以下である光導波路モジュールを実現す
べく、上記導波路部品の基板部分を構成する第1の材料
と、上記フェルールを構成する第2の材料は、第1の材
料の熱膨張係数と第2の材料の熱膨張係数との差をΔ
L、第1の材料の弾性率をE1 、第2の材料の弾性率を
2 としたとき、 |ΔL/(E1 /E2 )|<3.0×10-6(℃-1) …(1) なる関係を満たしている。
【0012】上記フェルール(請求項10に係るフェル
ール)を構成するプラスチック材料は、所定量の石英フ
ィラーが含有されたフェノール系エポキシ樹脂の場合、
その熱膨張係数は10×10-6(℃-1)以下のでよい
が、さらに優れた温度特性を得るためには、その熱膨張
係数を6×10-6(℃-1)以下とするのが好ましい。
【0013】また、このフェノール系エポキシ樹脂に含
まれる石英フィラーの含有量は、85重量%以上、95
重量%以下であればよいが、さらに優れた湿熱特性を得
るためには、その含有量を90重量%以上、95重量%
以下とするのが好ましい。このとき、上述のフェノール
系エポキシ樹脂の弾性率は5000(kg/mm2 )以
下である。
【0014】なお、上記光導波路端面と光ファイバ端面
とを接着固定する接着剤は、その接着強度が石英ガラス
に対して50(kg/cm2 )以上の紫外線硬化型、熱
硬化型接着剤、あるいは双方の硬化性(光に反応して固
化する性質と熱に反応して固化する性質)を兼ね備えた
接着剤を使用する。
【0015】次に、請求項15係る発明は、上記請求項
1に係る光導波路モジュールの製造方法であり、この製
造方法では、まず、第1の材料から構成された導波路基
板上に、所定波長の光を伝搬する伝送路の少なくとも一
部を構成する光導波路が設けられた導波路部品と、該伝
送路の少なくとも一部を構成する光ファイバ(入出力用
光ファイバを含む)の端部を連続した内壁を有する貫通
孔に挿入した状態で、接着剤により該光ファイバ端部に
接着固定された、第2の材料から構成されたフェルール
を用意する。このとき、導波路部品の導波路基板を構成
する第1の材料(例えばシリコン又は石英ガラスが適し
ている)に対するフェルールを構成する第2の材料(例
えばプラスチック材料が適している)の上記実効熱膨張
係数(|ΔL/(E1 /E2 )|)は、3.0×10-6
(℃-1)未満である。
【0016】そして、これら導波路部品の端面とフェル
ールの端面とを突き合せた状態で、石英ガラスに対して
50(kg/cm2 )以上の接着強度を有する接着剤、
例えば紫外線硬化型あるいは熱硬化型接着剤により接着
し、この導波路部品の光導波路端面とフェルールの貫通
孔でその端部の設置位置が規定された光ファイバのコア
端面との位置合せ(アライメント)を行う。その後、こ
の接着部分に紫外線を所定時間照射するか、あるいはこ
の接着部分を所定温度に加熱することにより上記接着剤
を固化させる。
【0017】なお、この発明に係るフェルールは、上述
したように、所定量の石英フィラーが含有され、かつそ
の熱膨張係数が10×10-6(℃-1)以下、好ましくは
6×10-6(℃-1)以下のフェノール系エポキシ樹脂で
ある。また、石英フィラーの含有量は、85重量%以
上、95重量%以下であり、好ましくは90重量%以
上、95重量%以下がよい。さらに、このフェルールを
構成するプラスチック材料は、その弾性率が5000
(kg/mm2 )以下のフェノール系エポキシ樹脂がよ
い。
【0018】
【作用】シリコンまたは石英ガラスから構成された導波
路基板とプラスチック材料から構成されたフェルールの
ように、異なる材料から構成される各構成部材を利用し
て当該光導波路モジュールを構成する場合、上記式
(1)で示されるように導波路基板の構成材料に対する
フェルール構成材料の実効熱膨張係数を3×10-6(℃
-1)未満とすることにより、温度変動に起因して生じる
各コア端面のずれ量を1μm以下、すなわち結合損失を
0.3dB以下に抑えることができる。少なくとも発明
者らは上記導波路部品の一部を構成する石英ガラス基板
に適応可能なフェルールを得るためには(上記条件を満
たすためには)、少なくとも75重量%以上の石英フィ
ラーを含有するプラスチック材料(熱膨張係数は3×1
-6-1以上、10×10-6-1以下)により構成し、
シリコン基板に適応可能なフェルールを得るためには、
少なくとも85重量%以上の石英フィラーを含有するプ
ラスチック材料(熱膨張係数は3×10-6-1以上、6
×10-6-1以下)により構成する必要があることを確
認した。このとき、上記構成の光導波路モジュールは良
好な温度特性が得られることも確認した。
【0019】一方、プラスチック材料に含有可能な石英
フィラーの理論限界値は、工業材料1994年12月号
(Vol.42、No.15、pp.112〜116)
に96体積%であることが示されており、発明者らは、
既に94重量%の石英フィラーが含有されたプラスチッ
ク・フェルールを得ている。さらに、石英ガラス製導波
路基板とプラスチック・フェルールからなる光導波路モ
ジュールについて、所定の条件下でその湿熱特性を評価
したところ、該プラスチック材料に含有される石英フィ
ラーの下限値が80重量%〜90重量%の間に存在する
ことも確認している。また、石英フィラー含有量の理論
限界値が96体積%であることから、フェルール構成材
料としてのプラスチック材料の熱膨張係数の下限値は、
3×10-6(℃-1)である(図19参照)。なお、体積
%と重量%はほぼ一致する。
【0020】したがって、シリコン基板及び石英ガラス
基板のいずれを利用する場合でも、少なくとも85重量
%〜95重量%の石英フィラーを含有するプラスチック
材料をフェルール構成材料として適用することで、温度
特性及び湿熱特性のいずれにおいても良好な光導波路モ
ジュールが得られる。
【0021】特に、石英ガラス基板に対して上記フェル
ールの構成材料を、所定量の石英フィラーが含有され、
かつその熱膨張係数が10×10-6(℃-1)以下のフェ
ノール系エポキシ樹脂とすることで、また、シリコン基
板に対して上記フェルールの構成材料を、所定量の石英
フィラーが含有され、かつその熱膨張係数が6×10-6
(℃-1)以下のフェノール系エポキシ樹脂とすること
で、上述の室内で使用される部品の温度特性仕様(−1
0℃〜60℃の温度変動で10サイクル(48時
間))、さらにはBellcore社製TR−NWT−
001209の温度特性仕様(−40℃〜75℃の温度
変動で42サイクル(336時間))を満足する光導波
路モジュールが得られる。
【0022】また、上記石英フィラーの含有量を、90
重量%以上、95重量%以下に調整することにより、B
ellcore社製TA−NWT−001221の湿熱
特性仕様(75℃、90±5RH、500時間)を確実
に満足する光導波路モジュールが得られる。
【0023】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図1乃至図29
を用いて説明する。なお、図中同一部分には同一符号を
付して説明を省略する。
【0024】図1は、この発明に係る光導波路モジュー
ルの組み立て工程を説明するための図であり、図2はこ
の発明に係る光導波路モジュール全体の構成を示す斜視
図である。この発明に係る光導波路モジュールの製造方
法では、まず、入出力用の光ファイバ4の端部を貫通孔
に挿入した状態で接着剤5により接着固定されたフェル
ール3と、導波路基板上に所定波長の光を伝搬する光導
波路(コア)を有する導波路部品1とを用意する。さら
に、これらフェルール3と導波路部品1との十分な接着
強度を得るため、補強部材2を用意する。なお、この補
強部材2は、上記導波路部品1の上面1bに接着剤によ
り接着固定される底面2bと、フェルール3の接着端面
3cと対向する側面2aを有する。
【0025】次に、この補強部材2が上面1bに既に接
着固定されている導波路部品1の接着端面1aと、光フ
ァイバ4の端部を保持したフェルール3の接着端面3c
とをそれぞれ以下の各工程を順に行うことで光学研磨す
る。なお、補強部材2の接着面(側面)2aは上記導波
路部品1の端面研磨の際に同時に研磨され、また光ファ
イバ4のコア端面も上記フェルール3の端面研磨の際に
同時に研磨される。
【0026】第1工程(粗研磨工程):800〜200
0#の粗い研磨紙で各端面を露出させる 第2工程(中研磨工程):6〜9μmのダイヤモンド砥
粒で各端面の表面傷を除去する 第3工程(仕上研磨工程):1〜3μmのダイヤモンド
砥粒でさらに各端面の表面傷を除去する 第4工程(バフ研磨工程):0.3μm以下の酸化セシ
ウム砥粒あるいは二酸化圭素砥粒で各端面の表面加工変
質層を除去する なお、これら研磨工程で、端面反射による光減衰量の低
減等の必要に応じて、接着部13における光の伝搬方向
(この方向はフェルール3への光ファイバ4の挿入方向
と一致している)に対して、各端面の角度を90度から
ずらしてもよい。この場合の角度調整は、上記第1工程
で行う。また、上述した研磨方法以外の研磨方法も知ら
れているので、必要に応じてその研磨方法は選択する。
【0027】続けて、上記導波路部品1の入出力端面1
aとフェルールの接着端面3cを突き合せた状態で接着
剤6により接着した後、導波路部品1に作り込まれた光
導波路端面と光ファイバ4のコア端面のアライメントを
行う。なお、この時光ファイバ4は既にフェルール3に
所定強度の接着剤5により既に固定されている。また、
補強部材2の底面2bと導波路部品1の上面1aとの
間、補強部材2の接着面2a及び導波路部品1の接着面
1aとフェルール3の接着面3cとの間は、石英ガラス
に対して50kg/cm2 以上、好ましくは100kg
/cm2 以上の接着強度を有する紫外線硬化型あるいは
熱硬化型接着剤により接着されている。
【0028】上記導波路部品1の光導波路端面と光ファ
イバ4のコア端面のアライメントは、例えば米国特許第
4,744,619号公報に示されているように、導波
路部品1を精密移動ステージで支持した状態で、該導波
路部品1の光導波路の一方の入出力端面から所定波長の
光を入射し、他方の入出力端に上記接着剤を介して光学
的に接続されている光ファイバ4から出射された光の強
度をモニタしながら行われる。すなわち、この出射光の
光強度が最大になるよう導波路部品1あるいはフェルー
ルを移動させ、アライメントを行っている。
【0029】そして、上記導波路部品1の光導波路端面
(導波路部品1の入出力端面の一部を構成している)と
光ファイバ4のコア端面(フェルール3の接着端面3c
の一部を構成している)のアライメントが完了した段階
で、接着部に紫外線を照射するかあるいは所定温度に加
熱することにより上記接着剤を固化させる。この一連の
作業(接着部13における各端面の接着−アライメント
−接着剤の固化)を上記導波路部品1の両入出力端面に
ついて行うことにより、図2に示すようなこの発明の第
1の実施例に係る光導波路モジュールを得る。
【0030】次に、フェルール3の構造を図3〜5を用
いて説明する。図3は、このフェルール3の構造を示す
ための展開図である。図中、3aはフェルール3の上
面、3bは側面、3cは前面(接着面)、3dは底面、
3eは裏面(光ファイバ4が挿入される側)を示してい
る。このフェルール3の上面3aには光ファイバ4の先
端をフェルール3に予め窓310が設けられている。こ
の窓310から見える台座部分330には光ファイバ4
の先端を貫通孔340に挿入しやすくするため、予めガ
イド溝330aが設けられている。また、光ファイバ4
の先端とフェルール3はこの台座部分で接着固定するた
め、この窓310は接着剤の投入口としても機能する。
フェルール3の裏面3eには光ファイバ4の先端部分を
該フェルール内部に挿入するための開口部320が設け
られている。また、フェルール3の前面3c(導波路部
品1の入出力端面1aに直接向い合う面)には、予め作
り込まれた貫通孔340の開口部340aが位置する。
【0031】なお、図4は図3に示した上記フェルール
3のC−C線に沿った断面を示す図であり、光ファイバ
4の先端部分は裏面3eから前面3cに向かって矢印H
の方向から当該フェルール内部に挿入される。また、図
5は図4に示したフェルール断面図のうち、特に貫通孔
340の断面を拡大表示した図であり、この図からも分
るように貫通孔340の内部は光ファイバ4の先端部分
を挿入しやすくするため、該光ファイバの直径よりもか
やり大きな直径を有する部分340bと、該光ファイバ
4の先端部分の設置位置のずれ(前面3cに対する水平
方向の位置ずれ)を防止すべく該光ファイバ4の直径に
ほぼ一致した直径を有する部分340cから構成されて
いる。
【0032】既に述べたように、上記導波路部品1の基
板を構成するのに適した第1の材料(例えばシリコン、
石英ガラス等)と、フェルール3を構成するのに適した
第2の材料(例えばプラスチック材料)とは異なってい
る。したがって、正確にアライメントと行って導波路部
品1とフェルール3の接着固定を行ったとしても、例え
ば−40℃〜+75℃程度の温度変動が生じる環境にお
いては各材料の熱膨張係数の差に起因して、導波路部品
1の光導波路端面と光ファイバ4のコア端面との位置ず
れが生じてしまう(結合損失が増大する)。
【0033】そこで、この発明では、上述の温度変動下
においてもその結合損失が0.3dB以下にすべく、上
記フェルールを、上記導波路部品1の導波路基板に適し
た第1の材料に対する実効熱膨張係数|ΔL/(E1
2 )|の値が3×10-6-1未満である第2の材料で
構成している。なお、上記実効熱膨張係数を示す式中Δ
Lは第1の材料の熱膨張係数と第2の材料の熱膨張係数
の差、E1 は第1の材料の弾性率、E2 は第2の材料の
弾性率である。
【0034】特に、発明者らは、シリコン又は石英ガラ
スから構成された導波路基板と、その熱膨張係数が10
×10-6-1以下のフェノール系エポキシ樹脂(所定量
の石英フィラーを含む)、さらにはその熱膨張係数が6
×10-6-1以下のフェノール系エポキシ樹脂(所定量
の石英フィラーを含む)から構成されたフェルール3と
の組合わせにより、優れた温度特性を有する光導波路モ
ジュールを得た。また、フェノール系エポキシ樹脂によ
りフェルール3を構成する場合、上記石英フィラーの含
有量は、85重量%〜95重量%であることが好ましい
が、さらに湿熱特性に優れた光導波路モジュールを得る
ためには、石英フィラーの含有量が90重量%〜95重
量%であることがよいことも確認した。なお、これらフ
ェノール系エポキシ樹脂の弾性率は5000kg/mm
2 以下である。
【0035】以上のような材料から構成されるフェルー
ル3は、例えば"DEVELOPMENT OF 16-FIBER CONNECTORS
FOR HIGH-SPEED LOW-LOSS CABLE CONNECTION" (INTERN
ATIONAL WIRE AND CABLE SYMPOSIUM PROCEEDINGS 1993,
pp.244-249 )などに示されるように、プラスチック成
形法により得られる。すなわち、所定形状の凹みを有す
る上下2枚の金型を用意し、フェルール3の貫通孔を形
成するための金属製コアピンをこれら金型で挟み込んだ
状態で、上記各金型の凹みによって定義されるキャビテ
ィ内に上述の樹脂を注入することにより得る。
【0036】一方、このような材料で図3〜図5に示す
構造を有するフェルール3と紫外線硬化型接着剤を利用
して図2に示す光導波路モジュールを製造した場合、上
述の特開平6−51155号公報でも指摘されているよ
うに、光導波路130端面と光ファイバ4のコア端面の
位置ずれを生じることなく接着部13における各端面を
均一に接着することが難しくなる。しかしながら、この
ような場合でも、このフェルール3に図6に示すような
ガイドピン用の穴350を予め作り込むことにより、上
述のアライメント作業を省略することができ、さらには
接着剤の固化に長時間を要したとしても、導波路部品1
の光導波路端面とフェルール3に保持されている光ファ
イバ4のコア端面との位置ずれを回避することも可能で
ある。このガイドピン用の穴を有するプラスチック・フ
ェルールの製造方法は、例えば、"HIGH FIBER COUNT OP
TICAL CONNECTORS" (INTERNATIONAL WIRE AND CABLE S
YMPOSIUM PROCEEDINGS 1993, pp.238-243 )などに開示
されている。この場合、ガイドピン100の両端を、そ
れぞれ導波路部品1(特に導波路基板)に設けられた穴
とフェルール3に設けられた穴350にそれぞれ差込
み、これら導波路部品1の接着端面1aとフェルール3
の接着端面3cとを、上述の接着剤(石英ガラスに対し
て少なくとも50kg/cm2 以上の接着強度を有する
紫外線硬化型あるいは熱硬化型接着剤)により接着する
ことによりアライメント作業が不用となる。なお、この
ガイドピンを利用したアライメント方法は、例えば特開
平2−125208号公報、特開平5−333231号
公報などに開示されている。また、図6に示したフェル
ール3のD−D線に沿った断面は、図4に示したフェル
ール断面と一致している。
【0037】このフェルール3の貫通孔340にその端
部が挿入された状態で保持される光ファイバ4は、一般
に所定波長の光を伝搬するコアと、このコアを覆い、該
コアの屈折率よりも低い屈折率を有するクラッドから構
成されている。この実施例では、図7及び8に示される
ような、複数の光ファイバをプラスチック被覆したテー
プ型ファイバを利用している。この場合、各裸ファイバ
410(コア410aとクラッド410bから構成)は
個々にアクリレート樹脂420によりされており、この
ようにアクリレート樹脂により被覆されたファイバを一
列に束ねたリボン部分430はプラスチックで被覆して
構成している。この光ファイバ4をフェルール3に接着
固定する際は、該光ファイバ4の先端部分のプラスチッ
ク被覆430を剥がし(さらにはアクリレート被覆42
0も剥がし)、フェルール3の裏面3eに設けられた開
口部320から各光ファイバに対応して設けられている
貫通孔340に装着し、フェルール3の台座部330に
おいて接着剤5により接着固定する。なお、このフェル
ール3には、他の伝送路を構成する光ファイバを直接取
り付けてもよく、また、予め他の伝送路との接続を考慮
して、別途入出力用光ファイバを取り付けておいてもよ
い。いずれの場合も、該フェルール3に取り付けられた
光ファイバは伝送路の一部を構成する。
【0038】導波路部品1の構造を図9に示す。この図
は図1に示した光導波路モジュールのA−A線に沿った
導波路部品1の断面に相当する。この導波路部品1はシ
リコン又は石英ガラスから構成される導波路基板11
0、この導波路基板110上に形成された下側クラッド
層120(ガラス材料層)、この下側クラッド層120
上に所定形状に加工された光導波路130(コア、ガラ
ス材料層)、及びこの光導波路130を覆う上側クラッ
ド層140(ガラス材料層)を備えており、これらクラ
ッド層120、140は光導波路130の屈折率よりも
低い屈折率を有する。なお、当該光導波路モジュールに
利用される導波路部品1の構造は図9に示すような埋め
込み型導波路には限定されず、例えば光集積回路(オー
ム社発行、昭和60年2月25日、p.204)に開示
されているような種々の構造の導波路部品(例えば、リ
ッジ型導波路等)が適応可能である。
【0039】このように、図9に示す断面構造の埋め込
み型導波路部品1と上述の構造を有するフェルール3と
の接続部13の拡大した断面図を図10に示す。なお、
この断面図は図2に示したB−B線に沿った断面と一致
している。この図に示すように、導波路部品1の上面1
bと補強部材2の底面2bとの間、導波路部品1の接着
面1aとフェルール3の接着面3c(光ファイバ4のコ
ア端面を含む面)との間、及び補強部材2の側面2aと
上記フェルール3の接着面3cとの間は、それぞれ石英
ガラスに対して50kg/cm2 以上の接着強度を有す
る紫外線硬化型あるいは熱硬化型接着剤6により接着固
定されている。上述したアライメントは、フェルール3
によってその先端が保持されている光ファイバ4のコア
410aの端面と光導波路130の端面とを光の伝搬方
向に一致させる作業であり、図中、11で示される領域
は上記光ファイバ4と光導波路130とが光学的に接続
される部位を示している。
【0040】さらに、当該光導波路モジュールにおける
導波路部品1とフェルール3との接続部13は図1及び
2に示すように、補強部材2によって構造的に補強され
ているが、この補強構造はこの第1の実施例のみに限定
されるものではなく、例えば図11及び12に示すよう
に導波路部品1を支持部材10に固定することにより、
フェルール3との接着部13の強度補強を行ってもよ
い。この支持部材10も導波路基板110と同じ材料、
例えばシリコン又は石英ガラスから構成されている。な
お、この図におけるF−F線に沿った導波路部品1の断
面は、図9に示した埋め込み型導波路部品の断面と一致
している。
【0041】また、図12に示したこの発明の第2の実
施例に係る光導波路モジュールの接続部13の構造を説
明するため、図中G−G線に沿った断面図を図13に示
す。この第2の実施例では導波路部品1と支持部材10
は接着剤6により接着固定されており、この支持部材1
0の接着端面10aは、上述した導波路部品1の端面研
磨の際に同時に研磨れれる。
【0042】さらに、上記導波路部品1に作り込まれ
る、種々の光導波路130の形状を図14〜図16に示
す。なお、これらの図は上側クラッド層140が取り除
かれた導波路部品1を上方から見た状態を示している。
このように、導波路部品1に作り込まれる光導波路13
0の形状としては、1対多(図14)、多対多(図1
5)、あるいは2対多(図16)等の種々の態様におけ
る光通信(光分岐、光結合機能を含む)を実現するため
の光導波路パターンがある。
【0043】当該光導波路モジュールは、当然のことな
がら光通信システムの一部として機能する。したがっ
て、当該光導波路モジュールは図17に示すように、他
の伝送路20a、20bとの光学的な結合を容易に実現
するため、入出力用光ファイバ4を備えている。この場
合、当該光導波路モジュールは、上述の導波路部品1
と、この導波路部品1と接着固定されたフェルール3
と、このフェルール3の貫通孔340にその先端が挿入
された状態で接着剤5により接着固定された入出力用光
ファイバ4(この実施例では多芯のテープ型ファイバ)
を備えている。特に、各入出力用光ファイバ4の他端
は、他の伝送路20a,20bとの光学的な結合を可能
にするため、別のフェルール30に接着剤50により接
着固定されている。なお、これら伝送路20a、20b
は、それぞれ光信号を伝搬させるための光ファイバ21
0、220を備えているが、この他、送信器、光増幅
器、光合分波器、受信器等の要素を含んで構成されてい
る。
【0044】以上のように他の伝送路20a、20bに
光学的に結合された光導波路モジュールは、伝送路の一
部を構成する。また、このように伝送路の一部として設
置された光導波路モジュールは、その接続部13を保護
するため、例えば、特開昭62−73210号公報に開
示されているように、所定形状のケースに収納される。
また、この光導波路モジュールは、欧州特許公開公報第
0422445A1号に開示されているように、樹脂モ
ールドして保護してもよい。
【0045】次に、導波路部品1の一部を構成する導波
路基板110とフェルール3のそれぞれを構成する材
料、特に、これらの材料の熱膨張係数及び弾性率を中心
に説明する。
【0046】まず、導波路部品1と光ファイバ4の先端
部分を保持するフェルール3の接続部13の各材料の熱
膨張に起因する結合損失の変動について説明する。な
お、ここでは光導波路130に起因する損失変動(光分
岐等に起因する伝送損失)を考えなくてすむよう、シリ
コン(Si)基板上に250μmのピッチで8本の直線
光導波路(コア径:7μm×7μm、比屈折率差:0.
3%)が形成された平面導波路部品を用意した。この導
波路部品における光導波路形状を図18に示す。このシ
リコン基板を有する導波路部品1と熱膨張係数の異なる
プラスチック材料から構成されたフェルール3を用意
し、このフェルール3で保持されている光ファイバのコ
アを光導波路13にと対向させて調芯した後、紫外線硬
化型接着剤で固定して数種類の試料(特性比較用の光導
波路モジュール)を制作した。接着剤の強度不足による
変動は極力避けるべく、接着剤の破断強度は石英ガラス
に対して100Kg/cm2 以上のものを用いた。な
お、接着強度としては少なくとも50Kg/cm2 あれ
ばよい。
【0047】表1に、作成したフェルール3に使用した
材料及びその物性値を示す。
【0048】
【表1】
【0049】この表1に示したプラスチック1〜4の物
性値を図19及び図20に示す。特に、図19におい
て、横軸は含有される石英フィラーの量(重量%、図
中、wt%で示す)、縦軸はプラスチック材料の熱膨張
係数(/℃)の関係を示し、図20は、含有される石英
フィラーの量(重量%、図中、wt%で示す)、縦軸は
プラスチック材料の弾性率(kg/mm2 )を示す。こ
れらの図から分るように、石英フィラーの含有量が増加
するとプラスチック材料の熱膨張係数が下がる一方、そ
の弾性率は増加する傾向がある。また、図21は、含有
される石英フィラーの量(重量%)に対する上記各プラ
スチック材料の実効熱膨張係数|ΔL/(E1 /E2
|を示している。なお、図中の曲線501(●印でプロ
ット)はシリコン(Si)に対する各プラスチック材料
の実効熱膨張係数を示し、曲線502(○印でプロッ
ト)は石英ガラス(SiO2 )に対する各プラスチック
材料の実効熱膨張係数を示す。また、上記実効熱膨張係
数を示す関係式中、ΔLはシリコン又は石英ガラス(導
波路基板の構成材料)と各プラスチック材料(フェルー
ルの構成材料)の熱膨張係数の差、E1 はシリコン又は
石英ガラスの弾性率、E2は各プラスチック材料の弾性
率である。したがって、この図から、シリコン基板に対
して上記実効熱膨張係数を3×10-6-1未満にするプ
ラスチック材料を得るためには、石英フィラーを85重
量%以上含有させる必要があり、また、石英ガラス基板
に対して上記実効熱膨張係数を3×10-6-1未満にす
るプラスチック材料を得るためには、石英フィラーを7
5重量%以上含有させる必要があることが分る。
【0050】なお、石英フィラーを75重量%以上を含
有するプラスチック材料の熱膨張率は10×10-6-1
以下となり、石英フィラーを85重量%以上を含有する
プラスチック材料の熱膨張係数は6×10-6-1以下と
なる。一方、先にも述べたように石英フィラーの含有量
の理論限界値は96体積%(重量%とほぼ一致)である
ので、上記各プラスチック材料の熱膨張係数は3×10
-6-1以上である(図19参照)。
【0051】温度変動による損失の変化は、図22に示
す測定系を用いて評価した。測定される光導波路モジュ
ール123は環境装置200内の恒温槽250に収容さ
れており、LED230から一定強度の光を一方の入出
力用光ファイバ(光導波路の入力側端面に光学的に接続
されてる)に供給しつつ、光導波路を通過してさらに他
方の入出力用光ファイバ(光導波路130の出力端面に
光学的に接続されている)を通過した光の強度を光パワ
ーメータ220で測定することにより、温度変動に起因
する結合損失の変動量を測定する。なお、この光パワー
メータ220はパーソナルコンピュータ210によって
制御されている。恒温槽250内の温度は、図23に示
すような変化をするよう温度制御手段によって調整され
る。この温度制御手段240もパーソナルコンピュータ
210によって制御されている。すなわち、温度は−4
0℃から+75℃の間で変化し、変化速度は±1.5℃
/minである。表2に、導波路部品とフェルールとの
結合損失について、上記の温度変化による変動量を示
す。
【0052】なお、この測定のために用意した試料は、
各材料組合わせごとにそれぞれ4個ずつである。
【0053】
【表2】
【0054】導波路基板110とフェルール3の構成材
料が同一の場合(例えば、Si/Si:基板材料がシリ
コンでフェルール材料もシリコンとした場合)は温度変
動による熱膨張の大きさに差がないため理想的である
が、このような場合には結合損失の変動量は概ね0.1
dB未満になるはずである。かかる場合の一例として表
2に示した「Si/Si」の場合には、結合損失の変動
量は0.08dBとなっている。また、材料間の熱膨張
係数の差が大きい場合、例えば表2に示した「Si/プ
ラスチック1」の場合には、当然のことながら結合損失
の変動量が著しく大きくなることがわかる。
【0055】この結合損失の変動量に基づいて計算によ
って得られる光導波路1と光ファイバ4のコアの位置ず
れ量を、熱膨張係数との関係で示したグラフを図24に
示す。この図24においては、位置ずれ量の計算値をプ
ロットした線分を503で示し、実験値をプロットした
線分を504で示している。この図からも分るように、
実際の位置ずれ量は計算から得られる値よりも小さくな
る。これは、導波路基板材料とフェルール材料の両方の
弾性変形によって相対的に位置ずれ量が小さくなること
に起因すると考えられる。
【0056】弾性変形に起因して位置ずれ量が抑制され
る割り合いは、導波路基板110の構成材料と、この導
波路部品1に接続されるフェルール3も構成材料との弾
性率の比で決まる。そこで、これら導波路基板110と
フェルール3の各構成材料の弾性率の比を考慮して計算
される位置ずれ量を図25に示す。この図25において
は、位置ずれ量の計算値をプロットした線分を505で
示し、実験値をプロットした線分を506で示してい
る。このように弾性変形を考慮することにより、計算か
ら得られる位置ずれ量は実際の値とよく一致するように
なる。なお、図25において横軸は、上述した実効熱膨
張係数(導波路基板材料とフェルール構成材料の各熱膨
張係数の差と、導波路基板材料の弾性率及びフェルール
材料の弾性率の比との比である)である。
【0057】以上の検討結果より、導波路基板110を
構成する材料とは熱膨張係数の異なる材料を用いてフェ
ルール3を構成する場合でも、各材料の弾性変形を活用
すれば実際の位置ずれを小さくすることが可能であるこ
とがわかる。したがって、図29に示した関係により、
位置ずれ量が1μm程度であれば、結合損失の変動量が
0.3dB程度に抑えることが可能となる。
【0058】位置ずれの許容量は、フェルール3に保持
された光ファイバ4(この実施例では多芯テープ型ファ
イバ)の各コアの間隔にもよる。例えば、コアが250
μmピッチで16芯並んだものについては、両端のコア
の間隔は3.75mmになり、例えば100℃の温度差
がある環境下で位置ずれ量を1μm以内に抑えるために
は、既に言及している条件が満足されることが必要にな
る。すなわち、導波路基板110の構成材料の熱膨張係
数とフェルール3の構成材料の熱膨張係数との差をΔ
L、導波路基板110の構成材料の弾性率をE1 、フェ
ルール3の構成材料の弾性率をE2 としたときに、導波
路基板110の構成材料に対するフェルール3の構成材
料の実効熱膨張係数|ΔL/(E1 /E2 )|の値を、
3.0×10-6-1未満とする必要がある。望ましく
は、2.7×10-6-1未満とするのがよい。
【0059】導波路部品1の一部を構成する導波路基板
110の構成材料としてはシリコン又は石英ガラスを用
いるのが一般的である。そして、この導波路基板上に埋
め込み型の石英ガラス系導波路を形成したものは、光フ
ァイバとの結合損失が低く内部における伝送損失も小さ
いため、現在開発が盛んに進められている。これらの材
料の物性は、前述の表1に示されている。
【0060】一方、フェルール3を製造する際によく使
用される材料として、石英ガラスフィラーを含有させた
フェノール系エポキシ樹脂がある。この材料の熱膨張係
数はフィラーの含有量等を変えることによって変えるこ
とができ、また、この含有量の調整によりエポキシ樹脂
の弾性率は1500〜5000Kg/mm2 範囲で調整
可能となる。導波路基板1をシリコンまたは石英ガラス
で構成する場合を想定し、その弾性率が上述の実効熱膨
張係数の範囲内にある材料を用いてフェルール3を製造
するとすれば、この材料の熱膨張係数は10×10-6
-1以下とする必要がある。
【0061】また、この検討結果より、前述のフェノー
ル系エポキシ樹脂だけでなく、その他の樹脂でも弾性率
が十分小さければ、例えば500Kg/mm2 以下であ
れば熱膨張係数が比較的大きい材料(例えば20×10
-6-1)であっても、温度変動に起因するコアの位置ず
れを十分抑制できることがわかる。例えば、導波路基板
110を石英ガラスで製造する場合に、フェルール3を
構成する材料の弾性率が50Kg/mm2 以下であると
して、この材料の熱膨張係数と石英ガラスの熱膨張係数
との差が4×10-4-1程度あったとしても、実際の弾
性変形を考慮した実効的な熱膨張の差は3×10-6-1
未満となる。この程度の熱膨張差を有する樹脂として
は、例えば、ICI社製のLCR305がある。
【0062】このような樹脂を利用してフェルール3を
構成したが場合に予測される問題としては、材料自体の
弾性率が低いため、アライメント時の治具等への固定に
よって弾性変形が生じ、コアの位置がずれていまう可能
性があるということである。なお、このような場合に
は、ハンドリング手法を改良することにより(例えば、
治具への面固定)、解決できると考える。
【0063】以上の検討に基づいて製造した複数の光導
波路モジュールについて、以下詳細に説明する。
【0064】試料1 この試料1において、フェルール3の構成材料として
は、熱膨張係数が6.0×10-6-1、弾性率が250
0Kg/mm2 のフェノール系エポキシ樹脂材料を用い
た。この材料のシリコンに対する実効的な熱膨張係数は
2.25×10-6-1である。また、導波路部品1は、
シリコン基板110上にFHD法とRIE法を組み合わ
せて形成した8分岐のシングルモード光導波路130を
形成したものとした。製造した光導波路130の導波路
形状を図26に示す。次に、1芯の光ファイバを保持し
たフェルール3(該光ファイバの先端部分は接着剤によ
り該フェルールに固定されている)と、8芯の光ファイ
バを250μmピッチに配列固定したテープ型ファイバ
を保持したフェルール3(該テープ型ファイバの先端部
分は接着剤により該フェルールに固定されている)とを
それぞれ導波路部品1の入出力端面1a、1cに接続し
て試料1の光導波路モジュールを5個作成した。なお、
アライメントは既に説明した方法により行われている。
また、導波路部品1と各フェルール3の接着に使用した
接着剤には、石英ガラスに対して100kg/cm2
上の接着強度を有する紫外線硬化型接着剤に熱硬化性触
媒を添加して熱硬化性を付与したものを使用した。
【0065】以上のようにして得られた光導波路モジュ
ール(試料1)の挿入損失は平均で10.1dBで過剰
損失(光導波路130内における分岐損失等を含めた合
計の伝送損失)は1.1dBであった。また、これら試
料1の光導波路モジュールを図22に示す測定系を用い
て−40℃〜75℃の温度範囲において、図23に示す
温度変化パターンにより測定した。なお、測定光として
は波長1.3μmの光を使用した。このような測定を行
った結果、試料1の各光導波路モジュールは、結合損失
の平均変動量が0.2dB、最大変動量でも0.3dB
と良好な温度特性を有することを確認した。
【0066】試料2 次に、上記試料1のフェルールとは異なる物性値を有す
るプラスチック材料を利用して製作した試料2の光導波
路モジュールの場合について説明する。
【0067】この試料2において、フェルール3の構成
材料としては、熱膨張係数が4.5×10-6-1、弾性
率が3300Kg/mm2 のフェノール系エポキシ樹脂
材料を用いた。この材料のシリコンに対する実効的な熱
膨張係数は1.74×10-6-1である。また、導波路
部品1は、シリコン基板110上にFHD法とRIE法
を組み合わせて形成した8分岐のシングルモード光導波
路130を形成したものとした。製造した光導波路13
0の導波路形状を図26に示す。次に、1芯の光ファイ
バを保持したフェルール3(該光ファイバの先端部分は
接着剤により該フェルールに固定されている)と、8芯
の光ファイバを250μmピッチに配列固定したテープ
型ファイバを保持したフェルール3(該テープ型ファイ
バの先端部分は接着剤により該フェルールに固定されて
いる)とをそれぞれ導波路部品1の入出力端面1a、1
cに接続して試料2の光導波路モジュールを5個作成し
た。なお、アライメントは既に説明した方法により行わ
れている。また、導波路部品1と各フェルール3の接着
に使用した接着剤には、石英ガラスに対して100kg
/cm2 以上の接着強度を有する紫外線硬化型接着剤に
熱硬化性触媒を添加して熱硬化性を付与したものを使用
した。
【0068】以上のようにして得られた光導波路モジュ
ール(試料2)の挿入損失は平均で10.0dBで過剰
損失は1.0dBであった。また、これら試料2の光導
波路モジュールを図22に示す測定系を用いて−40℃
〜75℃の温度範囲において、図23に示す温度変化パ
ターンにより測定した。なお、測定光としては波長1.
3μmの光を使用した。このような測定を行った結果、
試料2の各光導波路モジュールは、結合損失の平均変動
量が0.2dB、最大変動量でも0.25dBと良好な
温度特性を有することを確認した。
【0069】試料3 次に、石英ガラス基板により構成される導波路部品1に
以下のプラスチック・フェルール3を接着固定した光導
波路モジュールについて説明する。
【0070】この試料3において、フェルール3の構成
材料としては、熱膨張係数が4.5×10-6-1、弾性
率が3300Kg/mm2 のフェノール系エポキシ樹脂
材料を用いた。この材料の石英ガラスに対する実効的な
熱膨張係数は1.89×10-6-1である。また、導波
路部品1は、石英ガラス基板110上にFHD法とRI
E法を組み合わせて形成した8分岐のシングルモード光
導波路130を形成したものとした。製造した光導波路
130の導波路形状を図26に示す。次に、1芯の光フ
ァイバを保持したフェルール3(該光ファイバの先端部
分は接着剤により該フェルールに固定されている)と、
8芯の光ファイバを250μmピッチに配列固定したテ
ープ型ファイバを保持したフェルール3(該テープ型フ
ァイバの先端部分は接着剤により該フェルールに固定さ
れている)とをそれぞれ導波路部品1の入出力端面1
a、1cに接続して試料3の光導波路モジュールを5個
作成した。なお、アライメントは既に説明した方法によ
り行われている。また、導波路部品1と各フェルール3
の接着に使用した接着剤は、石英ガラスに対して100
kg/cm2 以上の接着強度を有する紫外線硬化型接着
剤を使用した。
【0071】以上のようにして得られた光導波路モジュ
ール(試料3)の挿入損失は平均で10.6dBで過剰
損失は1.6dBであった。また、これら試料2の光導
波路モジュールを図22に示す測定系を用いて−40℃
〜75℃の温度範囲において、図23に示す温度変化パ
ターンにより測定した。なお、測定光としては波長1.
3μmの光を使用した。このような測定を行った結果、
試料3の各光導波路モジュールは、結合損失の平均変動
量が0.11dB、最大変動量でも0.18dBと良好
な温度特性を有することを確認した。この試料3の温度
特性は、上述した試料1及び2に場合と比較してさらに
優れた結果となっているが、これは導波路基板110と
して石英ガラスを使用したことにより、該導波路基板1
10と導波路ガラス層(120、130、140)に加
わる応力が低減したためと考えられる。
【0072】以上の結果から、これら試料1〜3はいず
れも上述の室内で使用する部品の温度特性仕様(−10
℃〜60℃の温度変動で10サイクル(48時間))、
さらにはBellcore社製TR−NWT−0012
09の温度特性仕様(−40℃〜75℃の温度変動で4
2サイクル(336時間))を満たしている。
【0073】次に、比較例について説明する。この比較
例におけるフェルールの構成材料は熱膨張係数が15.
2×10-6-1で、弾性率が2000Kg/mm2 のプ
ラスチック材料とした。この材料のシリコン(基板材
料)に対する実効的な熱膨張係数は6.6×10-6-1
であり、3.0×10-6-1を超えている。前述の例と
同様に、8分岐の光導波路130を有する導波路部品1
と上記プラスチック材料から構成されたフェルールとを
接着固定して5個の光導波路モジュールを製作した。こ
の場合の室温における挿入損失は10.0dB、過剰損
失は1.0dBとなり、低い損失特性を示した。ところ
が、この光導波路モジュールを先の例と同様の温度が変
動する環境下に置いたところ、損失変動量は、最大で
0.8dBとなり、先の例と比較して2倍以上となっ
た。これは、温度変動による熱膨張のためにコアの位置
ずれが大きくなったことによると考えられる。
【0074】次に、この発明に係る光導波路モジュール
の湿熱特性について説明する。先にも言及したように、
フェルール3の構成材料として適しているプラスチック
材料に含有可能な石英フィラーの理論限界値は、工業材
料1994年12月号(Vol.42、No.15、p
p.112〜116)に96体積%であることが示され
ている。図27は、球形フィラーによる充填モデルを模
式的に示した概念図であり、最大径の1次球600aに
よって形成される隙間に順次、2次球600b、3次球
600c、4次球600dが充填されている。したがっ
て、上記理論値96体積%はフィラーの間隙にプラスチ
ック等の樹脂を埋め込むことが出来る限界値を意味す
る。
【0075】発明者らは、石英フィラーの含有量が70
重量%、80重量%、90重量%、94重量%であるフ
ェノール系エポキシ樹脂によりフェルール3を用意し、
それぞれを石英ガラス基板110を有する1×8分岐の
導波路部品1に接着固定して試料となる光導波路モジュ
ールを製作した。これら各光導波路モジュールを温度7
5℃、相対湿度(RH)95%の環境下でその湿熱特性
を測定したところ(Bellcore社製TA−NWT
−001221の湿熱特性仕様は75℃、90±5R
H、500時間)、各光導波路モジュールについて図2
8に示す結果を得た。この結果からも分るように、特
に、石英フィラー含有量が90重量%〜95重量%の材
料を利用したフェルールの場合、良好な結果が得られ
た。なお、伝送損失が大きな試料はその接着部13で剥
離が生じていることが確認された。
【0076】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、フェル
ールの構成材料として、ガラス等の加工が困難な材料の
代わりに、低コストかつ連続成形可能なプラスチック材
料であって熱膨張係数及び弾性率が導波路基板の構成材
料との間に一定の関係を有する材料を用いたので、温度
変動に対する十分な特性を有する光導波路モジュールが
得ることができる。
【0077】また、上記プラスチック材料への石英フィ
ラー含有量を調節することにより、さらに湿熱特性にも
優れた光導波路モジュールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係る光導波路モジュ
ールの組み立て工程を説明するための図である。
【図2】この発明の第1の実施例に係る光導波路モジュ
ールの構造を示す斜視図である。
【図3】フェルールの構造を説明するための、該フェル
ールの展開図である。
【図4】図3に示されたフェルールの、C−C線に沿っ
た断面構造を示す図である。
【図5】図4に示されたフェルール断面の要部拡大図で
ある。
【図6】この発明における光導波路モジュールのアライ
メント方法を説明するための図である。
【図7】テープ型ファイバの先端部分の構造を説明する
ための斜視図である。
【図8】図7に示されたテープ型ファイバの、E−E線
に沿った断面構造を示した図である。
【図9】図1及び2に示された導波路部品の、A−A線
に沿った断面構造を示す図である。
【図10】図2に示された光導波路モジュールの、B−
B線に沿った断面構造を示す図である。
【図11】この発明の第2の実施例に係る光導波路モジ
ュールの組み立て工程を説明するための図である。
【図12】この発明の第2の実施例に係る光導波路モジ
ュールの構造を示す斜視図である。
【図13】図12に示された光導波路モジュールの、G
−G線に沿った断面構造を示す図である。
【図14】導波路部品に作り込まれる導波路パターンを
示す図である(その1)。
【図15】導波路部品に作り込まれる導波路パターンを
示す図である(その2)。
【図16】導波路部品に作り込まれる導波路パターンを
示す図である(その3)。
【図17】この発明に係る光導波路モジュールを備えた
光通信システムの全体構成を示す図である。
【図18】実験用試料として製作した導波路部品の導波
路パターンを示す図である。
【図19】フェルールの構成材料(プラスチック)の物
性値として、石英フィラー含有量(重量%)と熱膨張係
数(/℃)の関係を示した図である。
【図20】フェルールの構成材料(プラスチック)の物
性値として、石英フィラー含有量(重量%)と弾性率
(kg/mm2 )の関係を示した図である。
【図21】フェルールの構成材料(プラスチック)の物
性値として、石英フィラー含有量(重量%)と実効熱膨
張係数(|ΔL/(E1 /E2 )|)の関係を示した図
である。
【図22】この発明に係る光導波路モジュールの温度特
性を測定するための測定系の構成を示す図である。
【図23】図22に示された測定系での温度変動パター
ンを示す図である。
【図24】導波路基板の構成材料及びフェルールの構成
材料における熱膨張係数の差(計算値と実測値)と、こ
れらを用いて構成された光導波路モジュールの接着部に
おけるコア位置ずれ量との関係を示す図である。
【図25】導波路基板の構成材料に対するフェルールの
構成材料の実効熱膨張係数(計算値と実測値)と、これ
らを用いて構成された光導波路モジュールの接着部にお
けるコア位置ずれ量との関係を示す図である。
【図26】この発明に係る光導波路モジュールの実施例
として、製作した導波路部品の導波路パターンを示す図
である。
【図27】石英フィラーの充填モデルを模式的に示した
概念図である。
【図28】この発明に係る光導波路モジュールの湿熱特
性を測定した結果を示す図である。
【図29】光ファイバと光導波路との位置ずれに起因す
る結合損失を示した図である。
【符号の説明】
1…導波路基板、3…フェルール、4…入出力用光ファ
イバ(テープ型ファイバ)、6…接着剤、110…導波
路基板、130…光導波路、410…光ファイバ、41
0a…コア、600a、600b、600c、600d
…石英フィラー。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の材料から構成された導波路基板上
    に、所定波長の光を伝搬する伝送路の少なくとも一部を
    構成する光導波路が設けられた導波路部品と、 第2の材料から構成され、前記伝送路の少なくとも一部
    を構成する光ファイバの一端と前記光導波路の一端とを
    光学的に結合すべく該光ファイバ端部の設置位置を規定
    する貫通孔が設けられ、該光ファイバの一端を保持した
    状態で、所定強度の接着剤によりその端面が前記導波路
    部品の端面に対向するよう固定された、該光ファイバの
    保持部材であって、 前記第2の材料は、前記導波路基板を構成する第1の材
    料に対し、該第1の材料の熱膨張係数と該第2の材料の
    熱膨張係数との差をΔL、該第1の材料の弾性率を
    1 、該第2の材料の弾性率をE2 としたとき、 |ΔL/(E1 /E2 )|<3.0×10-6(℃-1) なる関係を満たすフェルールと、を備えた光導波路モジ
    ュール。
  2. 【請求項2】 前記第1の材料は、シリコン又は石英ガ
    ラスであることを特徴とする請求項1記載の光導波路モ
    ジュール。
  3. 【請求項3】 前記第2の材料は、プラスチック材料で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の光導波路モ
    ジュール。
  4. 【請求項4】 前記プラスチック材料は、所定量の石英
    フィラーが含有され、かつその熱膨張係数が10×10
    -6(℃-1)以下のフェノール系エポキシ樹脂であること
    を特徴とする請求項3記載の光導波路モジュール。
  5. 【請求項5】 前記プラスチック材料は、所定量の石英
    フィラーが含有され、かつその熱膨張係数が6×10-6
    (℃-1)以下のフェノール系エポキシ樹脂であることを
    特徴とする請求項3記載の光導波路モジュール。
  6. 【請求項6】 前記石英フィラーの含有量は、85重量
    %以上、95重量%以下であることを特徴とする請求項
    4又は5記載の光導波路モジュール。
  7. 【請求項7】 前記石英フィラーの含有量は、90重量
    %以上、95重量%以下であることを特徴とする請求項
    4又は5記載の光導波路モジュール。
  8. 【請求項8】 前記プラスチック材料は、所定量の石英
    フィラーが含有され、かつその弾性率が5000(kg
    /mm2 )以下のフェノール系エポキシ樹脂であること
    を特徴とする請求項3〜7のいずれか一項記載の光導波
    路モジュール。
  9. 【請求項9】 前記光導波路端面と前記光ファイバ端面
    とを接着固定する接着剤は、少なくとも紫外線硬化型あ
    るいは熱硬化型接着剤であって、その接着強度が石英ガ
    ラスに対して50(kg/cm2 )以上であることを特
    徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の光導波路モ
    ジュール。
  10. 【請求項10】 伝送路の少なくとも一部を構成する光
    ファイバと所定機能を実現する光機能部品とを光学的に
    結合するための光導波路モジュールに利用可能であり、
    プラスチック材料から構成されるとともに、該光ファイ
    バ端部の設置位置を規定する貫通孔が設けられた、該光
    ファイバの保持部材であって、 前記プラスチック材料は、所定量の石英フィラーが含有
    されたフェノール系エポキシ樹脂から構成され、その熱
    膨張係数が10×10-6(℃-1)以下であることを特徴
    とするフェルール。
  11. 【請求項11】 前記プラスチック材料は、所定量の石
    英フィラーが含有され、かつその熱膨張係数が6×10
    -6(℃-1)以下のフェノール系エポキシ樹脂であること
    を特徴とする請求項10記載のフェルール。
  12. 【請求項12】 前記石英フィラーの含有量は、85重
    量%以上、95重量%以下であることを特徴とする請求
    項10又は11記載のフェルール。
  13. 【請求項13】 前記石英フィラーの含有量は、90重
    量%以上、95重量%以下であることを特徴とする請求
    項10又は11記載のフェルール。
  14. 【請求項14】 前記プラスチック材料は、所定量の石
    英フィラーが含有され、かつその弾性率が5000(k
    g/mm2 )以下のフェノール系エポキシ樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項記載の
    フェルール。
  15. 【請求項15】 第1の材料から構成された導波路基板
    上に、所定波長の光を伝搬する伝送路の少なくとも一部
    を構成する光導波路が設けられた導波路部品の端面と、
    該伝送路の少なくとも一部を構成する光ファイバ端部を
    貫通孔に挿入した状態で、該光ファイバ端部に接着固定
    され、かつ第2の材料から構成されたフェルールの端面
    とを、それぞれ突き合せた状態で所定強度の接着剤によ
    り接着し、 前記光導波路端面と前記フェルールに保持された光ファ
    イバのコア端面との位置合せを行った後、前記接着剤を
    固化させる、光導波路モジュールの製造方法であって、 前記フェルールを構成する第2の材料は、前記導波路基
    板を構成する第1の材料に対し、該第1の材料の熱膨張
    係数と該第2の材料の熱膨張係数との差をΔL、該第1
    の材料の弾性率をE1 、該第2の材料の弾性率をE2
    したときに、 |ΔL/(E1 /E2 )|<3.0×10-6(℃-1) なる関係を満していることを特徴とする光導波路モジュ
    ールの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第1の材料は、シリコン又は石英
    ガラスであることを特徴とする請求項15記載の光導波
    路モジュールの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記第2の材料は、プラスチック材料
    であることを特徴とする請求項15又は16記載の光導
    波路モジュールの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記プラスチック材料は、所定量の石
    英フィラーが含有され、かつその熱膨張係数が10×1
    -6(℃-1)以下のフェノール系エポキシ樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項17記載の光導波路モジュールの
    製造方法。
  19. 【請求項19】 前記プラスチック材料は、所定量の石
    英フィラーが含有され、かつその熱膨張係数が6×10
    -6(℃-1)以下のフェノール系エポキシ樹脂であること
    を特徴とする請求項17記載の光導波路モジュールの製
    造方法。
  20. 【請求項20】 前記石英フィラーの含有量は、85重
    量%以上、95重量%以下であることを特徴とする請求
    項18又は19記載の光導波路モジュールの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記石英フィラーの含有量は、90重
    量%以上、95重量%以下であることを特徴とする請求
    項18又は19記載の光導波路モジュールの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記プラスチック材料は、所定量の石
    英フィラーが含有され、かつその弾性率が5000(k
    g/mm2 )以下のフェノール系エポキシ樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項17〜21のいずれか一項記載の
    光導波路モジュールの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記接着剤は、少なくとも紫外線硬化
    型あるいは熱硬化型接着剤であって、その接着強度が石
    英ガラスに対して50(kg/cm2 )以上であること
    を特徴とする請求項15〜22のいずれか一項記載の光
    導波路モジュールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2020255329A1 (ja) * 2019-06-20 2020-12-24
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