JPH0886353A - 車両用自動変速機のロックアップと変速の総合制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機のロックアップと変速の総合制御装置

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JPH0886353A
JPH0886353A JP6222320A JP22232094A JPH0886353A JP H0886353 A JPH0886353 A JP H0886353A JP 6222320 A JP6222320 A JP 6222320A JP 22232094 A JP22232094 A JP 22232094A JP H0886353 A JPH0886353 A JP H0886353A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロックアップ制御圧と変速制御圧とを油圧源
を共有する油圧制御ユニットにより作り出す車両用自動
変速機のロックアップと変速の総合制御装置において、
急ブレーキ時のエンジンストールを確実に防止するこ
と。 【構成】 急ブレーキ操作検出時、ロックアップクラッ
チcを解放するかもしくは解放を継続する制御指令をロ
ックアップ制御アクチュエータgに出力すると共に、変
速機構bでの変速操作を禁止する制御指令を変速制御ア
クチュエータhに出力するロックアップ・変速の総合制
御手段jを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロックアップ制御圧と
変速制御圧とを油圧源を共有する油圧制御ユニットによ
り作り出す車両用自動変速機のロックアップと変速の総
合制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、急ブレーキ時のロックアップ制御
装置としては、特開昭57−161358号公報に記載
されている装置が知られている。
【0003】この従来出典には、ロックアップ中のエン
ジンストールを防止する目的で、急ブレーキと判定され
た時点でロックアップクラッチを解放する技術が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のロックアップ制御装置にあっては、変速制御とは独
立して急ブレーキ時のロックアップ解放制御を行なう装
置となっているため、急ブレーキ時のロックアップ解放
制御と変速制御とが同時進行で行なわれる場合、ロック
アップ解放時間が長くなり、エンジンストールを引き起
こしてしまうという問題がある。特に、路面が低摩擦係
数路である時、急ブレーキをかけると、ブレーキが効き
始めてから0.1秒位でタイヤがロックしてしまう。こ
のような高速によるタイヤロック現象に対し、エンジン
ストールを起さないためには、ロックアップクラッチの
解放速度を早くする必要がある。
【0005】すなわち、ロックアップ解放を行なう場
合、ドレン状態のロックアップ油室にロックアップ解放
圧を供給することで行なわれる。一方、有段変速機構を
有する自動変速機の場合、変速制御を行なう時には、締
結されているある摩擦締結要素を解放すると共に、解放
状態のある摩擦締結要素を締結することで行なわれる。
そして、ロックアップ解放圧も摩擦締結要素への締結圧
もポンプを共有する油圧制御ユニットにより作り出され
るため、ロックアップ解放操作と変速操作を同時に行な
うと、ポンプへの流量負荷が大きくかかるため、ライン
圧の低下を起こし、ロックアップ解放のための圧力が低
下し、解放のための流量が減少してロックアップ解放時
間が長くなり、エンジンストールを引き起こすことにな
る。
【0006】以上は、有段変速機の場合であるが無段変
速機の場合も同様である。つまり、一例として、特開平
1−188756号公報(図4)に示されるようなベル
ト式無段変速機をとりあげる。変速比を入力回転速度÷
出力回転速度と定義する時、変速比を大きくするために
は、セカンダリプーリの圧力室の圧力を増やしプーリ間
距離を小さくすることで達成される。この時、当然の事
として、セカンダリ室の容積を増加するため、ポンプに
とっては流量負荷となる。したがって、有段変速機で述
べたのと同様に、ロックアップ解放操作と変速操作を同
時に行なうと、ロックアップ解放時間がロックアップ解
放操作だけの時と比較して長くかかるため、エンジンス
トールを生じやすくなる。
【0007】加えて、急ブレーキの場合、車輪速がごく
短時間に減速するため、有段変速機構の場合、変速スケ
ジュール上で変速線を横切りダウンシフト要求が発生
し、また、無段変速機構の場合、変速比を短時間に大き
くする要求が発生し、流量負荷が急ブレーキでない時に
比べ大きくなることも問題を拡大する一要因となる。
【0008】本発明は、上記課題に着目してなされたも
ので、第1の目的とするところは、ロックアップ制御圧
と変速制御圧とを油圧源を共有する油圧制御ユニットに
より作り出す車両用自動変速機のロックアップと変速の
総合制御装置において、急ブレーキ時のエンジンストー
ルを確実に防止することにある。
【0009】第2の目的とするところは、無段変速機構
による自動変速機で第1の目的を達成することにある。
【0010】第3の目的とするところは、有段変速機構
による自動変速機で第1の目的を達成することにある。
【0011】第4の目的とするところは、第3の目的に
加え、急ブレーキ操作検出時に変速操作が開始されてい
る場合に容易に変速段を決めることにある。
【0012】第5の目的とするところは、第3の目的に
加え、急ブレーキ操作検出時に変速操作が開始されてい
る場合に最適に変速段を決めることにある。
【0013】第6の目的とするところは、第1〜第5の
目的に加え、早期に変速操作の禁止を解除することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため第1の発明の車両用自動変速機のロックアップと
変速の総合制御装置では、図1のクレーム対応図に示す
ように、その入力側がエンジンaに出力側が変速機構b
に接続され、流体を介して動力を伝達する入出力間を直
結可能なロックアップクラッチcを有する流体伝動継手
dと、前記ロックアップクラッチcの締結・解放制御圧
と前記変速機構bの変速操作制御圧を共通の油圧源eか
らの作動圧に基づいて作り出す油圧制御ユニットfと、
前記油圧制御ユニットfに設けられ、外部からの制御指
令によりクラッチ締結・解放を任意に制御するロックア
ップ制御アクチュエータgと、前記油圧制御ユニットf
に設けられ、外部からの制御指令により変速段あるいは
変速比を変える変速操作を任意に制御する変速制御アク
チュエータhと、急ブレーキ操作時であるかどうかを検
出する急ブレーキ操作検出手段iと、急ブレーキ操作検
出時、前記ロックアップクラッチcを解放するかもしく
は解放を継続する制御指令を前記ロックアップ制御アク
チュエータgに出力すると共に、前記変速機構bでの変
速操作を禁止する制御指令を前記変速制御アクチュエー
タhに出力するロックアップ・変速の総合制御手段j
と、を備えていることを特徴とする。
【0015】上記第2の目的を達成するため第2の発明
の車両用自動変速機のロックアップと変速の総合制御装
置では、請求項1記載の車両用自動変速機のロックアッ
プと変速の総合制御装置において、前記変速機構bを、
無段変速機構とし、前記ロックアップ・変速の総合制御
手段jを、急ブレーキ操作検出時、前記ロックアップク
ラッチcを解放するかもしくは解放を継続する制御指令
を前記ロックアップ制御アクチュエータgに出力すると
共に、Vベルト無段変速機構の場合、その時点の無段変
速機構の変速比に固定する制御指令を、トロイダル無段
変速機構の場合、変速操作を続行して変速を終了させ、
新たな変速を禁止する制御指令を前記変速制御アクチュ
エータhに出力する手段としたことを特徴とする。
【0016】上記第3の目的を達成するため第3の発明
の車両用自動変速機のロックアップと変速の総合制御装
置では、請求項1記載の車両用自動変速機のロックアッ
プと変速の総合制御装置において、前記変速機構bを、
有段変速機構とし、前記ロックアップ・変速の総合制御
手段jを、急ブレーキ操作検出時、前記ロックアップク
ラッチcを解放するかもしくは解放を継続する制御指令
を前記ロックアップ制御アクチュエータgに出力すると
共に、その時点で既に変速操作を開始している時には、
変速操作を続行して変速を終了させるか、変速操作を中
断して変速開始前の変速段にするかを判断して実行し、
何れにおいても、それ以降の新たな変速を禁止する制御
指令を前記変速制御アクチュエータhに出力する手段と
したことを特徴とする。
【0017】上記第4の目的を達成するため第4の発明
の車両用自動変速機のロックアップと変速の総合制御装
置では、図1のクレーム対応図に示すように、請求項3
記載の車両用自動変速機のロックアップと変速の総合制
御装置において、急ブレーキ操作検出時点が変速操作開
始から所定時間以降なら変速を続行して変速を終了させ
目標の変速段とし、変速開始から所定時間以内なら変速
を中断して元の変速段とする第1変速段決定手段kを設
けたことを特徴とする。
【0018】上記第5の目的を達成するため第5の発明
の車両用自動変速機のロックアップと変速の総合制御装
置では、図1のクレーム対応図に示すように、請求項3
記載の車両用自動変速機のロックアップと変速の総合制
御装置において、有段変速機構の入力回転速度と出力回
転速度から変速比を計算する変速比計算手段mと、急ブ
レーキ操作検出時点での変速比計算値が目標の変速段変
速比に近い場合には変速を続行して変速を終了させ目標
の変速段とし、急ブレーキ操作検出時点での変速比計算
値が元の変速段変速比に近い場合には変速を中断して元
の変速段とする第2変速段決定手段nを設けたことを特
徴とする。
【0019】上記第6の目的を達成するため第6の発明
の車両用自動変速機のロックアップと変速の総合制御装
置では、図1のクレーム対応図に示すように、請求項1
〜請求項5記載の車両用自動変速機のロックアップと変
速の総合制御装置において、車輪速度が停止を含む所定
値以下か、所定時間経過か、急ブレーキでないとの判定
か、ロックアップクラッチが解放したとの判断かの何れ
かの条件を満足する時、変速操作の禁止を解除する変速
操作禁止解除手段oを設けたことを特徴とする。
【0020】
【作用】第1の発明の作用を説明する。
【0021】急ブレーキ操作検出手段iにより急ブレー
キ操作が検出された時には、ロックアップ・変速の総合
制御手段jにおいて、ロックアップクラッチcを解放す
るかもしくは解放を継続する制御指令がロックアップ制
御アクチュエータgに出力されると共に、変速機構bで
の変速操作を禁止する制御指令が変速制御アクチュエー
タhに出力される。
【0022】よって、油圧制御ユニットfにおいて、ロ
ックアップクラッチcの締結・解放制御圧と変速機構b
の変速操作制御圧が共通の油圧源eからの作動圧に基づ
いて作り出され、ロックアップ解放操作と変速操作を同
時に行なうと、油圧源eへの流量負荷が大きくかかるた
め、ロックアップ解放のための流量が減少してロックア
ップ解放時間が長くかかることになる。しかし、この発
明では、急ブレーキ操作時のロックアップ解放におい
て、変速機構bでの変速操作を禁止する制御が併せて行
なわれることで、油圧源eへの流量負荷が小さく抑えら
れ、ロックアップ解放のための流量が十分に確保され、
早い解放速度によるロックアップクラッチcの解放が達
成される。
【0023】この結果、急ブレーキをかけると短時間に
てタイヤロックを生じてしまうような低μ路急ブレーキ
操作時においても、急ブレーキ操作開始後、直ちにロッ
クアップクラッチcが解放され、高速でのタイヤロック
現象に対してもエンジンストールを確実に防止すること
ができる。
【0024】第2の発明の作用を説明する。
【0025】自動変速機の変速機構bとして、変速比が
無段階に制御される無段変速機構である場合、ロックア
ップ・変速の総合制御手段jにおいては、急ブレーキ操
作検出時、ロックアップクラッチcを解放するかもしく
は解放を継続する制御指令がロックアップ制御アクチュ
エータgに出力されると共に、Vベルト無段変速機構の
場合、その時点の無段変速機構の変速比に固定する制御
指令が変速制御アクチュエータhに出力される。また、
トロイダル無段変速機構の場合、変速操作を続行して変
速を終了させ、新たな変速を禁止する制御指令が変速制
御アクチュエータhに出力される。これは、トロイダル
無段変速機構の場合、変速動作を停止するための流量が
必要になるためである。
【0026】第3の発明の作用を説明する。
【0027】自動変速機の変速機構bとして、段階的な
変速比による変速段を有する有段変速機構である場合、
ロックアップ・変速の総合制御手段jにおいては、急ブ
レーキ操作検出時、ロックアップクラッチcを解放する
かもしくは解放を継続する制御指令がロックアップ制御
アクチュエータgに出力されると共に、その時点で既に
変速操作を開始している時には、変速操作を続行して変
速を終了させるか、変速操作を中断して変速開始前の変
速段にするかを判断して実行し、何れにおいても、それ
以降の新たな変速を禁止する制御指令が変速制御アクチ
ュエータhに出力される。
【0028】第4の発明の作用を説明する。
【0029】有段変速機構でロックアップ・変速の総合
制御を行なうにあたって、ロックアップ解放時点で既に
変速操作を開始している時には、第1変速段決定手段k
において、急ブレーキ操作検出時点が変速操作開始から
所定時間以降なら変速を続行して変速を終了させ目標の
変速段とし、変速開始から所定時間以内なら変速を中断
して元の変速段とする変速段の決定がなされる。
【0030】第5の発明の作用を説明する。
【0031】有段変速機構でロックアップ・変速の総合
制御を行なうにあたって、ロックアップ解放時点で既に
変速操作を開始している時には、変速比計算手段mにお
いて、有段変速機構の入力回転速度と出力回転速度から
変速比が計算され、第2変速段決定手段nにおいて、急
ブレーキ操作検出時点での変速比計算値が目標の変速段
変速比に近い場合には変速を続行して変速を終了させ目
標の変速段とし、急ブレーキ操作検出時点での変速比計
算値が元の変速段変速比に近い場合には変速を中断して
元の変速段とする変速段の決定がなされる。
【0032】第6の発明の作用を説明する。
【0033】急ブレーキ操作時のロックアップ・変速の
総合制御が行なわれた場合、変速操作禁止解除手段oに
おいて、車輪速度が停止を含む所定値以下か、所定時間
経過か、急ブレーキでないとの判定か、ロックアップク
ラッチが解放したとの判断かの何れかの条件を満足する
時、変速操作の禁止が解除される。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0035】(第1実施例)まず、構成を説明する。
【0036】図2は第1の発明及び第2の発明に対応す
る第1実施例の車両用無段自動変速機のロックアップと
変速の総合制御装置が適用されたシステム全体図であ
る。
【0037】図2において、1はエンジン(エンジンa
に相当)、2は無段変速機構(変速機構bに相当)、3
はトルクコンバータ(流体伝動継手dに相当)、4はロ
ックアップクラッチ(ロックアップクラッチcに相
当)、5は出力軸、6はコントロールバルブユニット
(油圧制御ユニットfに相当)、7はA/Tコンピュー
タ、8はスロットル開度センサ、9はエンジン回転セン
サ、10はタービン回転センサ、11は出力軸回転セン
サ、12はロックアップソレノイド(ロックアップ制御
アクチュエータgに相当)、13はシフトコントロール
ソレノイド(変速制御アクチュエータhに相当)であ
る。
【0038】前記無段変速機構2は、ベルト式やトロイ
ダル式により変速比を無段階に制御する機構である。
【0039】前記トルクコンバータ3は、その入力側が
エンジン1のクランクシャフトに接続され、出力側が無
段変速機構2に接続され、流体を介して動力を伝達する
入出力間を直結可能なロックアップクラッチ4が内蔵さ
れている。
【0040】前記コントロールバルブユニット6は、ロ
ックアップクラッチ4の締結・解放制御圧を作り出すロ
ックアップコントロールバルブ等や、無段変速機構2の
変速操作制御圧を作り出すシフトコントロールバルブ等
を有するユニットで、エンジン1により駆動される図外
のオイルポンプ(油圧源eに相当)を共通の油圧源と
し、スロットル開度等に応じて調圧されるライン圧を元
圧としてロックアップ締結・解放制御圧や変速操作制御
圧が作り出される。
【0041】前記ロックアップソレノイド12は、前記
コントロールバルブユニット6に設けられ、A/Tコン
ピュータ7からの制御指令によりロックアップコントロ
ールバルブの制御信号圧を作り出し、クラッチ締結・解
放を任意に制御する。
【0042】前記シフトコントロールソレノイド13
は、前記コントロールバルブユニット6に設けられ、A
/Tコンピュータ7からの制御指令によりシフトコント
ロールバルブの制御信号圧を作り出し、変速比を変える
変速操作を任意に制御する。
【0043】前記A/Tコンピュータ7には、スロット
ル開度センサ8やエンジン回転センサ9やタービン回転
センサ10や出力軸回転センサ11等からセンサ信号が
入力され、これらの入力信号に基づいてロックアップ制
御や変速比制御等が行なわれる。例えば、ロックアップ
制御は、図3に示すように、予め車速Vspとスロットル
開度TVOに応じたロックアップ制御マップが設定され
ていて、検出される車速とスロットル開度による運転点
がヒステリシスを持たせたロックアップ線を横切る時、
ロックアップOFF→ONあるいはロックアップON→
OFFへと切り換えられる。
【0044】次に、作用を説明する。
【0045】[ロックアップと変速の総合制御作動]図
4はA/Tコンピュータ7で行なわれるロックアップと
変速の総合制御作動のメインルーチンを示すフローチャ
ートで、以下、各ステップについて説明する(請求項
1,2記載のロックアップ・変速の総合制御手段jに相
当)。
【0046】ステップ40では、ロックアップ中である
かどうかが判断される。ここで、ロックアップするかし
ないかの判定は、例えば、図3に示すようなロックアッ
プ制御マップに基づいて行なわれ、検出される車速とス
ロットル開度による運転点とこのロックアップ制御マッ
プとの対比により行なわれる。
【0047】ステップ41では、変速禁止解除条件を満
たすかどうか、つまり、変速禁止フラグ=0かどうかが
判断される。この判断は、後述する図9〜図12の変速
禁止解除条件判断サブルーチンにより行なわれる。
【0048】ステップ42では、ステップ41で変速禁
止解除条件を満たさない時、図5に示す急ブレーキ判断
サブルーチンにしたがって、急ブレーキ時かどうか、つ
まり、急減速判定フラグ=1かどうかが判断される。
【0049】ステップ43では、ロックアップ解放指令
がロックアップソレノイド12に出力される。
【0050】ステップ44では、変速操作を停止する指
令がシフトコントロールソレノイド13に出力される。
【0051】ステップ45では、新たな変速操作を禁止
する指令が出力される。
【0052】ステップ46では、ステップ42の判断で
急ブレーキ時ではなく、急減速判定フラグ=0である
時、ロックアップ線によるロックアップ解放要求がある
かどうかが判断される。
【0053】ステップ47では、ステップ41で変速禁
止解除条件を満たす時、変速線による変速要求があるか
どうかが判断される。
【0054】ステップ48では、ステップ47で変速要
求がある場合、要求にしたがって変速操作が実行され
る。
【0055】[急ブレーキ判断]図5は急ブレーキ判断
サブルーチンを示すフローチャートで、以下、各ステッ
プについて説明する(急ブレーキ操作検出手段iに相
当)。
【0056】ステップ50では、今回の出力軸回転数と
前回の出力軸回転数と急減速判定基準値が入力される。
【0057】ステップ51では、出力軸回転変化ΔNo
が今回の出力軸回転数と前回の出力軸回転数との差によ
り計算される。
【0058】ステップ52では、出力軸回転変化ΔNo
が急減速判定基準値以上かどうかが判断される。
【0059】ステップ53では、ΔNo≧急減速判定基
準値の時、急減速判定フラグが急減速判定フラグ=1に
セットされる。
【0060】ステップ54では、ΔNo<急減速判定基
準値の時、急減速判定フラグが急減速判定フラグ=0に
セットされる。
【0061】[ロックアップ解放作用]ここで、ロック
アップ解放作用について説明すると、一般に、ロックア
ップ締結は、ロックアップクラッチ4とコンバータカバ
ーとで囲まれたリリース圧室の油圧より、ロックアップ
クラッチ4とターブンとで囲まれたアプライ圧室の油圧
を高めることで行なわれる。そして、この締結状態から
の解放は、リリース圧をアプライ圧より高めることによ
り、リリース圧室からアプライ圧室への作動油の流れを
作り、ロックアップクラッチ4をコンバータカバーから
引き離すことで行なわれる。
【0062】よって、ロックアップクラッチ4を締結か
ら解放へ切り替える時、それまでほとんど圧力がなかっ
たリリース圧油路に圧力をかけることになる。圧力が上
昇するためには、部品の弾性による流量が必要になる。
素早くロックアップクラッチ4の解放をなし遂げるに
は、単位時間あたりの流量を大きくする必要があるが、
ポンプ理論吐出量(時間当りの体積)はポンプ駆動源で
あるエンジン回転速度(時間当りの回転数)とポンプ固
有吐出量(一回転当りの体積)の積で与えられるため、
おのずとリリース流量には限界がある。
【0063】[無段変速作用]一方、無段変速機構2で
の変速作用は、例えば、特開平1−188756号公報
に記載されているベルト式無段変速機の場合、同公報第
2図において、変速比を入力回転速度÷出力回転速度と
定義する時、変速比を大きくするためには、公報第2図
の38のセカンダリプーリの圧力室の圧力を増やし、プ
ーリ間距離を小さくすることで達成される。この時、当
然のこととして、セカンダリ室の容積が増加するため、
ポンプにとっては流量負荷となる。
【0064】[ロックアップ走行中での急ブレーキ操作
時]ロックアップ走行中での急ブレーキ操作時には、図
4のフローチャートで、ステップ40→ステップ41→
ステップ42→ステップ43→ステップ44→ステップ
45へと進む流れとなり、ステップ43では、ロックア
ップ解放指令がロックアップソレノイド12に出力さ
れ、ステップ44では、変速操作を停止する指令がシフ
トコントロールソレノイド13に出力され、ステップ4
5では、新たな変速操作を禁止する指令が出力される。
【0065】よって、コントロールバルブユニット6に
おいて、ロックアップクラッチ4の解放制御圧と無段変
速機構2の変速操作制御圧が共通のオイルポンプからの
作動圧に基づいて作り出され、従来のようにロックアッ
プ解放操作と変速操作を同時に行なうと、オイルポンプ
への流量負荷が大きくかかるため、ロックアップ解放の
ための流量が減少してロックアップ解放時間が長くかか
ることになる。
【0066】しかし、この第1実施例装置では、急ブレ
ーキ操作時のロックアップ解放において、ロックアップ
解放時点での変速比に固定し、無段変速機構2でその後
の新たな変速操作を禁止する制御が併せて行なわれるこ
とで、オイルポンプへの流量負荷が小さく抑えられ、ロ
ックアップ解放のための流量が十分に確保され、早い解
放速度によるロックアップクラッチ4の解放が達成され
る。
【0067】この結果、急ブレーキをかけると短時間に
てタイヤロックを生じてしまうような低μ路急ブレーキ
操作時においても、急ブレーキ操作開始後、直ちにロッ
クアップクラッチ4が解放され、高速でのタイヤロック
現象に対してもエンジンストールを確実に防止すること
ができる。
【0068】次に、効果を説明する。
【0069】ロックアップ制御圧と変速制御圧とをオイ
ルポンプを共有するコントロールバルブユニット6によ
り作り出す車両用自動変速機のロックアップと変速の総
合制御装置において、ロックアップ中での急ブレーキ操
作検出時、ロックアップクラッチ4を解放する制御指令
をロックアップソレノイド12に出力すると共に、その
時点での変速比に固定し、それ以降の無段変速機構2で
の変速操作を禁止する制御指令をシフトコントロールソ
レノイド13に出力するロックアップと変速の総合制御
を行なう装置としたため、無段変速機構2による自動変
速機で急ブレーキ時のエンジンストールを確実に防止す
ることができる。
【0070】(第2実施例)第1,第3,第4,第5の
発明に対応する第2実施例の車両用有段自動変速機のロ
ックアップと変速の総合制御装置について説明する。
【0071】外観構成的には、図2と同様であり、無段
変速機構2に変えて有段変速機構が設けられ、コントロ
ールバルブユニット6内のバルブ構成が異なり、また、
変速制御アクチュエータとしてシフトソレノイドが設け
られる。
【0072】次に、作用を説明する。
【0073】[るロックアップと変速の総合制御作動]
図6はA/Tコンピュータ7で行なわれるロックアップ
と変速の総合制御作動のメインルーチンを示すフローチ
ャートで、以下、各ステップについて説明する(請求項
1,3記載のロックアップ・変速の総合制御手段jに相
当)。
【0074】ステップ60〜ステップ63及びステップ
65〜ステップ68は、図4のフローチャートのステッ
プ40〜ステップ43及びステップ45〜ステップ48
のそれぞれに対応するので説明を省略する。
【0075】ステップ69では、変速中であるかどうか
が判断される。
【0076】ステップ70では、後述する図7や図8の
変速続行判断サブルーチンにより変速を続行するべきか
どうかが判断される。
【0077】ステップ71では、ステップ70で変速続
行と判断された時、つまり、変速方向フラグが変速方向
フラグ=1と判断された時、変速操作を続行し先の変速
段へ進む指令が出力される。
【0078】ステップ72では、ステップ70で変速中
断と判断された時、つまり、変速方向フラグが変速方向
フラグ=0と判断された時、変速操作を中断し元の変速
段へ戻る指令が出力される。
【0079】ステップ73では、変速操作が終了したか
どうかが判断される。
【0080】[定時間による変速続行判断]図7は定時
間による変速続行判断のサブルーチンを示すフローチャ
ートで、以下、各ステップについて説明する(請求項4
記載の第1変速段決定手段kに相当)。
【0081】ステップ80では、変速操作中フラグと判
定基準n値が入力される。
【0082】ステップ81では、変速中、つまり変速操
作中フラグ=1かどうかが判断される。
【0083】ステップ82では、ステップ81で変速操
作中フラグ=1であると判断された時、変速時間カウン
タ値nがn=n+1の式により加算される。
【0084】ステップ83では、変速時間カウンタ値n
と判定基準n値との偏差が0未満かどうかが判断され
る。
【0085】ステップ84では、ステップ83でn>判
定基準n値と判断された時、変速方向フラグが変速方向
フラグ=1にセットされる。
【0086】ステップ85では、ステップ83でn≦判
定基準n値と判断された時、変速方向フラグが変速方向
フラグ=0にセットされる。
【0087】ステップ86では、ステップ81で変速操
作中フラグ=0(非変速時)であると判断された時、変
速時間カウンタ値nがn=0にセットされる。
【0088】[変速比による変速続行判断]図8は変速
比による変速続行判断のサブルーチンを示すフローチャ
ートで、以下、各ステップについて説明する(請求項5
記載の変速比計算手段m及び第2変速段決定手段nに相
当)。
【0089】ステップ90では、タービン回転数Ntと
出力軸回転数Noと元の変速段変速比と先の変速段変速
比と判定基準変速比と変速操作中フラグが入力される。
【0090】ステップ91では、変速中、つまり変速操
作中フラグ=1かどうかが判断される。
【0091】ステップ92では、ステップ91で変速操
作中フラグ=1であると判断された時、現状の変速比が
Nt÷Noの式により計算される。
【0092】ステップ93では、ステップ92で求めら
れた現状の変速比が判定基準変速比より先の変速段変速
比に近いかどうかが判断される。
【0093】ステップ94では、ステップ93でYES
と判断された時、変速方向フラグが変速方向フラグ=1
にセットされる。
【0094】ステップ95では、ステップ93でNOと
判断された時、変速方向フラグが変速方向フラグ=0に
セットされる。
【0095】[有段変速作用]ロックアップ解放作用に
ついては、第1実施例で述べたのと同様の作用にて行な
われる。
【0096】一方、有段変速機構での変速作用は、例え
ば、2つのシフトソレノイドへのON・OFFの電気信
号に組み合わせにより4段の変速が達成され、変速時に
は、ライン圧油路の油圧が一方のクラッチ(ブレーキ)
油路から他方のクラッチ(ブレーキ)油路への切り替え
が生じる。具体例として、クラッチ締結・ブレーキ解放
の4速からクラッチ解放・ブレーキ締結の3速に変速さ
れる場合には、3速への変速指令により、クラッチのピ
ストン室はドレーンにつながれ、ピストン室内部の油は
排出される。他方、ブレーキのピストン室はライン圧に
つながれ、ピストンが前進し、ブレーキが締結されるこ
とになる。この時、ピストン移動に基づく流量が必要と
なり、ポンプにとっては流量負荷となる。
【0097】[ロックアップ走行中での急ブレーキ操作
時]ロックアップ走行中での急ブレーキ操作時で変速中
出ない場合には、図6のフローチャートで、ステップ6
0→ステップ61→ステップ62→ステップ63→ステ
ップ69→ステップ65へと進む流れとなり、ステップ
63では、ロックアップ解放指令がロックアップソレノ
イド12に出力され、ステップ65では、新たな変速操
作を禁止する指令が出力される。
【0098】ロックアップ走行中での急ブレーキ操作時
で、その時点で既に変速操作を開始している時には、図
6のフローチャートで、ステップ69からステップ70
→ステップ71(もしくはステップ72)→ステップ7
3→ステップ65へと進む流れとなり、変速操作を続行
して変速を終了させるか(ステップ70→ステップ7
1)、変速操作を中断して変速開始前の変速段にするか
を判断して実行し(ステップ70→ステップ72)、何
れにおいても、それ以降の新たな変速操作を禁止する制
御指令が出力される。
【0099】よって、コントロールバルブユニット6に
おいて、ロックアップクラッチ4の解放制御圧と有段変
速機構の変速操作制御圧が共通のオイルポンプからの作
動圧に基づいて作り出され、従来のようにロックアップ
解放操作と変速操作を同時に行なうと、オイルポンプへ
の流量負荷が大きくかかるため、ロックアップ解放のた
めの流量が減少してロックアップ解放時間が長くかかる
ことになる。
【0100】しかし、この第2実施例装置では、急ブレ
ーキ操作時のロックアップ解放において、変速中でない
場合にはその後の新たな変速操作を禁止する制御が併せ
て行なわれ、また、変速中である場合には変速を続行す
べきかどうかの判断により先の変速段もしくは元の変速
段とし、その後の新たな変速操作を禁止する制御が併せ
て行なわれることで、オイルポンプへの流量負荷が小さ
く抑えられ、ロックアップ解放のための流量が十分に確
保され、早い解放速度によるロックアップクラッチ4の
解放が達成される。
【0101】この結果、急ブレーキをかけると短時間に
てタイヤロックを生じてしまうような低μ路急ブレーキ
操作時においても、急ブレーキ操作開始後、直ちにロッ
クアップクラッチ4が解放され、高速でのタイヤロック
現象に対してもエンジンストールを確実に防止すること
ができる。
【0102】[変速続行の判断態様] (1) 定時間による変速続行判断 図7に示すフローチャートにしたがって行なわれる定時
間による変速続行判断は、例えば、判定基準n値を変速
に要する平均時間の約半分の時間に設定しておくと、変
速中で既に変速時間の半分以上を経過している時には変
速が続行され、また、変速中でまだ変速時間の半分にも
達していない時には変速が中断されて元の変速段へ戻さ
れるというように、変速操作時間がより短い時間となる
方向の判断となる。
【0103】よって、この場合、急ブレーキ操作時の変
速中において、変速操作時間を最も短い時間とする容易
な変速段の決定によりオイルポンプへの変速側流量負荷
を軽減することができる。
【0104】(2) 変速比による変速続行判断 図8に示すフローチャートにしたがって行なわれる変速
比による変速続行判断は、例えば、判定基準変速比を元
の変速段変速比と先の変速段変速比との中間変速比に設
定しておくと、変速比が中間変速比以上の状態にある時
には変速が続行され、また、変速比が中間変速比に満た
ない時には変速が中断されて元の変速段へ戻されるとい
うように、より近い変速比の変速段に変速する判断とな
る。
【0105】よって、この場合には、急ブレーキ操作時
の変速中において、変速比変化をより小さくする最適な
変速段の決定によりオイルポンプへの変速側流量負荷を
軽減することができる。
【0106】次に、効果を説明する。
【0107】ロックアップ制御圧と変速制御圧とをオイ
ルポンプを共有するコントロールバルブユニット6によ
り作り出す車両用自動変速機のロックアップと変速の総
合制御装置において、ロックアップ中での急ブレーキ操
作検出時、ロックアップクラッチ4を解放する制御指令
をロックアップソレノイド12に出力すると共に、変速
中でない場合には変速操作を禁止し、変速中である場合
には、定時間あるいは変速比による変速続行判断を行な
って先の変速段に進むか元の変速段に戻って、それ以降
の有段変速機構での変速操作を禁止する制御指令をシフ
トソレノイドに出力するロックアップと変速の総合制御
を行なう装置としたため、有段変速機構による自動変速
機で急ブレーキ時のエンジンストールを確実に防止する
ことができる。
【0108】(第3実施例)第6の発明に対応する第3
実施例の車両用自動変速機のロックアップと変速の総合
制御装置について説明する。
【0109】この第3実施例装置は、上記第1実施例装
置及び第2実施例装置において、急ブレーキ時にロック
アップ解放に伴って変速操作が禁止された時、この変速
操作の禁止をどのような条件の下に解除し、通常の変速
操作に復帰させるかを示す例である。
【0110】[車両停止による変速禁止解除条件判断]
図9は車両停止による変速禁止解除条件判断のサブルー
チンフローチャートで、以下、各ステップについて説明
する。
【0111】ステップ100では、現状の出力軸回転数
Noと判断基準出力軸回転数が入力される。
【0112】ステップ101では、現状の出力軸回転数
Noが判断基準出力軸回転数未満かどうかが判断され
る。
【0113】ステップ102では、ステップ101で現
状No<判断基準Noであると判断された時、変速禁止
フラグが変速禁止フラグ=0にセットされる。
【0114】ステップ103では、ステップ101で現
状No≧判断基準Noであると判断された時、変速禁止
フラグが変速禁止フラグ=1にセットされる。
【0115】したがって、判断基準出力軸回転数をゼロ
もしくはゼロに近い値に設定しておくと、出力軸回転
数、つまり、車輪回転数が判断基準出力軸回転数が以上
である限りは、ステップ100→ステップ101→ステ
ップ103へと進む流れとなり、変速禁止が維持される
が、車輪回転数が判断基準出力軸回転数未満になると、
ステップ100→ステップ101→ステップ102へと
進む流れとなり、変速禁止が解除される。
【0116】よって、この例は、車輪ロックとみなせる
ような車輪速度が所定値以下となった場合に変速禁止を
解除する例である。この場合、ロックアップが仮に解放
されていなかった時、車輪が停止した時にはエンジン回
転速度もゼロとなっており、エンジンストールが既に発
生してしまっているわけで、この後に変速操作を行なっ
ても結果には影響しないという考え方による。
【0117】[定時間による変速禁止解除条件判断]図
10は定時間による変速禁止解除条件判断のサブルーチ
ンフローチャートで、以下、各ステップについて説明す
る。
【0118】ステップ104では、変速禁止フラグ状態
と判断基準n値が入力される。
【0119】ステップ105では、変速禁止フラグが1
かどうか、つまり、変速操作禁止中であるかどうかが判
断される。
【0120】ステップ106では、ステップ105で変
速禁止フラグ=1であると判断された時、変速禁止時間
カウント値nがn+1の式により加算される。
【0121】ステップ107では、変速禁止時間カウン
ト値nと判断基準n値との偏差が0未満かどうかが判断
される。
【0122】ステップ108では、ステップ107で変
速禁止時間カウント値n≧判断基準n値であると判断さ
れた時、変速禁止フラグが変速禁止フラグ=0にセット
される。
【0123】ステップ109では、ステップ105で変
速禁止フラグ=0であると判断された時、変速禁止時間
カウント値nがn=0にリセットされる。
【0124】したがって、ロックアップ解放に要する時
間を予め計測しておき、この予測データに基づき判断基
準n値を設定しておくと、ロックアップ解放の終了時間
に達すると、ステップ104→ステップ105→ステッ
プ106→ステップ107→ステップ108へと進む流
れとなり、変速禁止が解除される。
【0125】よって、この例は、ロックアップ解放終了
時間に達した場合に変速禁止を解除する例である。この
場合、判断基準n値を様々な運転状態からロックアップ
解放に要する時間として複数データとして持っておけ
ば、ほぼロックアップ解放の終了と同時に変速禁止解除
がなされることになる。
【0126】[急ブレーキ判定による変速禁止解除条件
判断]図11は急ブレーキ判定による変速禁止解除条件
判断のサブルーチンフローチャートで、以下、各ステッ
プについて説明する。
【0127】ステップ110では、急ブレーキ操作時か
どうかが判断される。この判断は、例えば、図5に示す
フローチャートと同様の急減速判定処理によりなされ
る。
【0128】ステップ111では、ステップ110で急
ブレーキ操作時であると判断された時、変速禁止フラグ
が変速禁止フラグ=1にセットされる。
【0129】ステップ112では、ステップ110で急
ブレーキ操作時でないと判断された時、変速禁止フラグ
が変速禁止フラグ=0にセットされる。
【0130】したがって、急ブレーキ操作の判断後、変
速操作を禁止したが、ブレーキ操作が緩み、急ブレーキ
の判定論理により急ブレーキではなくなったと判定され
た場合、ステップ110→ステップ112へと進む流れ
となり、変速禁止が解除される。
【0131】よって、この例は、急ブレーキではなくな
ったと判定されると、ロックアップ解放の如何にかかわ
らず、即座に変速禁止が解除されるため、減速の途中で
変速がなされることになり、発進時に大きな変速比(低
変速段)から高発進性により発進することができる。
【0132】[伝達トルクによる変速禁止解除条件判
断]図12は伝達トルクによる変速禁止解除条件判断の
サブルーチンフローチャートで、以下、各ステップにつ
いて説明する。
【0133】ステップ113では、タービン回転数Nt
とエンジン回転数Neとスロットル開度TVOと判定基
準トルクが入力される。
【0134】ステップ114では、エンジン回転数Ne
とスロットル開度TVOとエンジンマップからエンジン
出力トルクが読み取られる。
【0135】ステップ115では、タービン回転数Nt
とエンジン回転数Neとトルクコンバータ特性マップか
らトルクコンバータの伝達トルクが計算される。
【0136】ステップ116では、エンジン出力トルク
とトルクコンバータの伝達トルクとの偏差が判定基準ト
ルクを超えているかどうかが判断される。
【0137】ステップ117では、ステップ116でY
ESと判断された時、変速禁止フラグが変速禁止フラグ
=1にセットされる。
【0138】ステップ118では、ステップ116でN
Oと判断された時、変速禁止フラグが変速禁止フラグ=
0にセットされる。
【0139】したがって、ロックアップ解放にしたがっ
てロックアップクラッチ4を介して伝達されるトルクが
小さくなる点に着目し、ロックアップ解放開始後、クラ
ッチ伝達トルクがロックアップ解放が完了したとみなせ
る判定基準トルクとなつた場合、ステップ113→ステ
ップ114→ステップ115→ステップ116→ステッ
プ118へと進む流れとなり、変速禁止が解除される。
【0140】よって、この例は、ロックアップクラッチ
4の解放が完了したことを確認した時点で変速禁止を解
除する例であり、この確認の手段として、例えば、エン
ジン回転速度とスロットル開度から計算されるエンジン
負荷と、エンジン回転速度と変速機入力回転速度とトル
クコンバータ特性から計算されるエンジン負荷の比較か
ら、ロックアップクラッチ4の伝達トルクを計算し、こ
の伝達トルクが所定値以下ならロックアップが解放され
ていると判断する。
【0141】[複数の変速禁止解除条件判断]以上、車
両停止,定時間,急ブレーキ判定,伝達トルクの各条件
により変速禁止を解除する例を示したが、これらの各条
件を並列的に判断し、いずれか1つの条件を満足する場
合に変速禁止を解除するようにしてもよい。この場合、
様々な車両条件に応じて最も早期に変速操作の禁止を解
除することができる。
【0142】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0143】
【発明の効果】請求項1記載の第1の発明にあっては、
ロックアップ制御圧と変速制御圧とを油圧源を共有する
油圧制御ユニットにより作り出す車両用自動変速機のロ
ックアップと変速の総合制御装置において、急ブレーキ
操作検出時、ロックアップクラッチを解放するかもしく
は解放を継続する制御指令をロックアップ制御アクチュ
エータに出力すると共に、変速機構での変速操作を禁止
する制御指令を変速制御アクチュエータに出力するロッ
クアップ・変速の総合制御手段を設けた装置としたた
め、急ブレーキ時のエンジンストールを確実に防止する
ことができるという効果が得られる。
【0144】請求項2記載の第2の発明にあっては、請
求項1記載の車両用自動変速機のロックアップと変速の
総合制御装置において、変速機構を、無段変速機構と
し、ロックアップ・変速の総合制御手段を、急ブレーキ
操作検出時、ロックアップクラッチを解放するかもしく
は解放を継続する制御指令をロックアップ制御アクチュ
エータに出力すると共に、Vベルト無段変速機構の場
合、その時点の無段変速機構の変速比に固定する制御指
令を、トロイダル無段変速機構の場合、変速操作を続行
して変速を終了させ、新たな変速を禁止する制御指令を
変速制御アクチュエータに出力する手段としたため、無
段変速機構による自動変速機で第1の発明の効果を達成
するができる。
【0145】請求項3記載の第3の発明にあっては、請
求項1記載の車両用自動変速機のロックアップと変速の
総合制御装置において、変速機構を、有段変速機構と
し、ロックアップ・変速の総合制御手段を、急ブレーキ
操作検出時、ロックアップクラッチを解放するかもしく
は解放を継続する制御指令をロックアップ制御アクチュ
エータに出力すると共に、その時点で既に変速操作を開
始している時には、変速操作を続行して変速を終了させ
るか、変速操作を中断して変速開始前の変速段にするか
を判断して実行し、何れにおいても、それ以降の新たな
変速を禁止する制御指令を変速制御アクチュエータに出
力する手段としたため、有段変速機構による自動変速機
で第1の発明の効果を達成するができる。
【0146】請求項4記載の第4の発明にあっては、請
求項3記載の車両用自動変速機のロックアップと変速の
総合制御装置において、急ブレーキ操作検出時点が変速
操作開始から所定時間以降なら変速を続行して変速を終
了させ目標の変速段とし、変速開始から所定時間以内な
ら変速を中断して元の変速段とする第1変速段決定手段
を設けたため、第3の発明の効果に加え、急ブレーキ操
作検出時に変速操作が開始されている場合に容易に変速
段を決めるができるという効果が得られる。
【0147】請求項5記載の第5の発明にあっては、請
求項3記載の車両用自動変速機のロックアップと変速の
総合制御装置において、有段変速機構の入力回転速度と
出力回転速度から変速比を計算する変速比計算手段と、
急ブレーキ操作検出時点での変速比計算値が目標の変速
段変速比に近い場合には変速を続行して変速を終了させ
目標の変速段とし、急ブレーキ操作検出時点での変速比
計算値が元の変速段変速比に近い場合には変速を中断し
て元の変速段とする第2変速段決定手段を設けたため、
第3の発明の効果に加え、急ブレーキ操作検出時に変速
操作が開始されている場合に最適に変速段を決めること
ができる。
【0148】請求項6記載の第6の発明にあっては、請
求項1〜請求項5記載の車両用自動変速機のロックアッ
プと変速の総合制御装置において、車輪速度が停止を含
む所定値以下か、所定時間経過か、急ブレーキでないと
の判定か、ロックアップクラッチが解放したとの判断か
の何れかの条件を満足する時、変速操作の禁止を解除す
る変速操作禁止解除手段を設けたため、上記効果に加
え、早期に変速操作の禁止を解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用自動変速機のロックアップと変
速の総合制御装置を示すクレーム対応図である。
【図2】第1実施例の車両用無段自動変速機のロックア
ップと変速の総合制御装置が適用された制御システム全
体図である。
【図3】ロックアップスケジュールの一例を示す図であ
る。
【図4】第1実施例装置のA/Tコンピュータで行なわ
れるロックアップと変速の総合制御作動の流れを示すメ
イルーチンフローチャートである。
【図5】第1実施例装置の急ブレーキ判定部での急ブレ
ーキ判定処理を示すサブルーチンフローチャートであ
る。
【図6】第2実施例の車両用有段自動変速機のロックア
ップと変速の総合制御作動の流れを示すメイルーチンフ
ローチャートである。
【図7】急ブレーキでのロックアップ解放時に変速が開
始されている場合の定時間による変速続行判断のサブル
ーチンフローチャートである。
【図8】急ブレーキでのロックアップ解放時に変速が開
始されている場合の変速比による変速続行判断のサブル
ーチンフローチャートである。
【図9】変速禁止解除条件判断部で車両停止により変速
禁止解除を行なうサブルーチンフローチャートである。
【図10】変速禁止解除条件判断部で定時間により変速
禁止解除を行なうサブルーチンフローチャートである。
【図11】変速禁止解除条件判断部で急ブレーキ判定に
より変速禁止解除を行なうサブルーチンフローチャート
である。
【図12】変速禁止解除条件判断部で伝達トルクにより
変速禁止解除を行なうサブルーチンフローチャートであ
る。
【符号の説明】
a エンジン b 変速機構 c ロックアップクラッチ d 流体伝動継手 e 油圧源 f 油圧制御ユニット g ロックアップ制御アクチュエータ h 変速制御アクチュエータ i 急ブレーキ操作検出手段 j ロックアップ・変速の総合制御手段 k 第1変速段決定手段 m 変速比計算手段 n 第2変速段決定手段 o 変速操作禁止解除手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その入力側がエンジンに出力側が変速機
    構に接続され、流体を介して動力を伝達する入出力間を
    直結可能なロックアップクラッチを有する流体伝動継手
    と、 前記ロックアップクラッチの締結・解放制御圧と前記変
    速機構の変速操作制御圧を共通の油圧源からの作動圧に
    基づいて作り出す油圧制御ユニットと、 前記油圧制御ユニットに設けられ、外部からの制御指令
    によりクラッチ締結・解放を任意に制御するロックアッ
    プ制御アクチュエータと、 前記油圧制御ユニットに設けられ、外部からの制御指令
    により変速段あるいは変速比を変える変速操作を任意に
    制御する変速制御アクチュエータと、 急ブレーキ操作時であるかどうかを検出する急ブレーキ
    操作検出手段と、 急ブレーキ操作検出時、前記ロックアップクラッチを解
    放するかもしくは解放を継続する制御指令を前記ロック
    アップ制御アクチュエータに出力すると共に、前記変速
    機構での変速操作を禁止する制御指令を前記変速制御ア
    クチュエータに出力するロックアップ・変速の総合制御
    手段と、 を備えていることを特徴とする車両用自動変速機のロッ
    クアップと変速の総合制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用自動変速機のロッ
    クアップと変速の総合制御装置において、 前記変速機構を、無段変速機構とし、 前記ロックアップ・変速の総合制御手段を、急ブレーキ
    操作検出時、前記ロックアップクラッチを解放するかも
    しくは解放を継続する制御指令を前記ロックアップ制御
    アクチュエータに出力すると共に、Vベルト無段変速機
    構の場合、その時点の無段変速機構の変速比に固定する
    制御指令を、トロイダル無段変速機構の場合、変速操作
    を続行して変速を終了させ、新たな変速を禁止する制御
    指令を前記変速制御アクチュエータに出力する手段とし
    たことを特徴とする車両用自動変速機のロックアップと
    変速の総合制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の車両用自動変速機のロッ
    クアップと変速の総合制御装置において、 前記変速機構を、有段変速機構とし、 前記ロックアップ・変速の総合制御手段を、急ブレーキ
    操作検出時、前記ロックアップクラッチを解放するかも
    しくは解放を継続する制御指令を前記ロックアップ制御
    アクチュエータに出力すると共に、その時点で既に変速
    操作を開始している時には、変速操作を続行して変速を
    終了させるか、変速操作を中断して変速開始前の変速段
    にするかを判断して実行し、何れにおいても、それ以降
    の新たな変速を禁止する制御指令を前記変速制御アクチ
    ュエータに出力する手段としたことを特徴とする車両用
    自動変速機のロックアップと変速の総合制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の車両用自動変速機のロッ
    クアップと変速の総合制御装置において、 急ブレーキ操作検出時点が変速操作開始から所定時間以
    降なら変速を続行して変速を終了させ目標の変速段と
    し、変速開始から所定時間以内なら変速を中断して元の
    変速段とする第1変速段決定手段を設けたことを特徴と
    する車両用自動変速機のロックアップと変速の総合制御
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の車両用自動変速機のロッ
    クアップと変速の総合制御装置において、 有段変速機構の入力回転速度と出力回転速度から変速比
    を計算する変速比計算手段と、 急ブレーキ操作検出時点での変速比計算値が目標の変速
    段変速比に近い場合には変速を続行して変速を終了させ
    目標の変速段とし、急ブレーキ操作検出時点での変速比
    計算値が元の変速段変速比に近い場合には変速を中断し
    て元の変速段とする第2変速段決定手段を設けたことを
    特徴とする車両用自動変速機のロックアップと変速の総
    合制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5記載の車両用自動変
    速機のロックアップと変速の総合制御装置において、 車輪速度が停止を含む所定値以下か、所定時間経過か、
    急ブレーキでないとの判定か、ロックアップクラッチが
    解放したとの判断かの何れかの条件を満足する時、変速
    操作の禁止を解除する変速操作禁止解除手段を設けたこ
    とを特徴とする車両用自動変速機のロックアップと変速
    の総合制御装置。
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