JPH0886098A - 街並み - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】プライバシーや日照、通風を確保して変化に富
んだ複雑な外観の街並みを形成する。 【構成】平面で見て、中央境界線１３１により上下に二
分割した横長のほぼ長方形造成地１の上の横長区画地１
ａと下の横長区画地１ｂとに、それぞれ互いに位置をず
らしたほぼ平行四辺形状の宅地１１ａ，１１ｂが設けら
れ、これらの各宅地に中央境界線１３１に対して一定角
度傾斜させた住宅４１ａ，４１ｂを建築する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、街並みに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】一般に、宅地を造成してニュータウンな
どを開発する場合、各宅地はほぼ同一面積の方形に区画
され、しかも前後の宅地が正対して設けられている。そ
れらの宅地に住宅を建築する際には、通常日当たりを考
慮して南に面する側に庭をとり、その北側の外壁が北側
の境界線に沿って位置するように設計されている。すな
わち、説明を容易にするため、南北方向および東西方向
に延びる道路によって包囲された造成地を区画する場合
について、図３に基づいて説明すると、造成地１は、そ
の周囲を包囲する道路２のうち、東西方向に延びる道路
２と平行な境界線３１と、この境界線３１と直交する境
界線３２とによって方形の宅地１０１，１０２…に区画
されている。そして、このような宅地１０１，１０２…
には、境界線３１と平行に、かつ、北側に寄せてそれぞ
れ住宅４０１，４０２…が建築されている。この結果、
各宅地１０１，１０２…には、建築された住宅４０１，
４０２…の南側に庭１０１ａ，１０２ａ…が形成される
ものである。なお、１０１ｂ，１０２ｂ…は、駐車スペ
ースである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た宅地１０１，１０２…に住宅４０１，４０２…を建築
する場合、北側道路に面する奇数番号の宅地１０１，１
０３…においては、南側道路に面する偶数番号の宅地１
０２，１０４…に建築された住宅４０２，４０４…が正
対し、その影がその庭１０１ａ，１０３ａ…にかかり、
常に充分な日照を確保することができず、日陰となる部
分においては芝生や樹木の成育が進まないなどの問題が
あった。また、家屋４０１，４０２…は、それらの外壁
面が南北方向もしくは東西方向においてほぼ全ての幅に
わたって重なり合うことから、隣家によって風通しが遮
られる欠点があった。特に、東西方向に面した外壁が重
なり合う部分においては、隣家が接近する関係上、プラ
イバシーの保護を考慮しなければならず、窓の配置や大
きさなどに設計上の制約があった。

【０００４】このような状況から、住宅は似たような部
屋の配置および外観となり、住宅の南北方向および東西
方向に面する外壁面がほぼ同一平面上に連続するような
単調な街並みにならざるを得ないという問題があった。
住宅の南面に多くの出隅、入隅を形成してこの単調さを
避ける工夫をする必要があった。

【０００５】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、通風や日照、プライバシーなどを良好に確
保して変化に富んだ複雑な外観を形成することのできる
街並みを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の街並みは、平面
で見て、横長のほぼ長方形造成地が中央境界線によって
上下に二分割され、この二分割された上下の横長区画地
がそれぞれ前記した中央境界線に対して一定角度傾斜す
る複数本の傾斜境界線によって複数個のほぼ平行四辺形
状の宅地に区画され、上の横長区画地に区画した各宅地
と下の横長区画地に区画した各宅地とを互いに位置をず
らして設け、前記した中央境界線に対して一定角度傾斜
させた住宅がこれらの各宅地に建築されたものである。

【０００７】

【作用】平面で見て、中央境界線により上下に二分割し
た横長のほぼ長方形造成地の上の横長区画地と下の横長
区画地とに、それぞれ互いに位置をずらしたほぼ平行四
辺形状の宅地が設けられ、これらの各宅地には前記した
中央境界線に対して一定角度傾斜させた住宅を建築して
いる。

【０００８】この結果、隣家との重なりが少なくなって
プライバシーの保護を図ることができるとともに、隣接
する住宅との間に変化に富んだ複雑な外観を形成するこ
とが可能となる他、隣家との間に形成される空間によっ
て通風および日照を確保することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。

【００１０】平面で見て、横長のほぼ長方形造成地１を
中央境界線１３１によって上下に二分割し、この二分割
した上下の横長区画地１ａ，１ｂがそれぞれ前記した中
央境界線１３１に対して一定角度傾斜する複数本の傾斜
境界線３３ａ，３３ｂによって複数個のほぼ平行四辺形
状の各宅地１１ａ，１１ｂに区画されている。上の横長
区画地１ａに区画した各宅地１１ａと下の横長区画地１
ｂに区画した各宅地１１ｂとは互いに位置をずらして設
けている。これらの各宅地１１ａ，１１ｂには前記した
中央境界線１３１に対して一定角度傾斜させた住宅４１
ａ，４１ｂが建築されている。これら住宅の４１ａ，４
１ｂの傾斜角度と前記した傾斜境界線３３ａ，３３ｂの
傾斜角度とは同じである。

【００１１】この場合においても、先に説明した従来の
造成地と同様に、横長のほぼ長方形造成地１は、南北方
向および東西方向にそれぞれ延びる道路２によって包囲
されているものとする。

【００１２】図１および図２において、周囲を道路２に
よって包囲された造成地１は、道路２と平行な東西方向
に延びる中央境界線１３１によって南北方向である上下
に二分割される。この中央境界線１３１に対して一定角
度傾斜する複数本の傾斜境界線３３ａ，３３ｂによって
上下に二分割した横長区画地１ａ，１ｂがほぼ平行四辺
形状の宅地１１ａ，１１ｂに区画されている。このよう
に区画された宅地１１ａ，１１ｂは、ほぼ同一面積に形
成される。各宅地１１ａ，１１ｂには東西側の横壁が境
界線３３ａ，３３ｂにほぼ平行となるように、各住宅４
１ａ，４１ｂを各宅地１１ａ，１１ｂの北側によせて建
築する。１３ａ，１３ｂは駐車スペースである。また、
３１は造成地１の境界線である。こうして住宅が建築さ
れた各宅地１１ａ，１１ｂには南側に面して庭１２ａ，
１２ｂが、北側に面して庭１２１ａ，１２１ｂが形成さ
れる。

【００１３】この結果、東西方向に隣接する住宅間、例
えば、南側道路２に面する住宅４１ｂ間において、傾斜
境界線３３ｂの近傍に空間が形成され、この空間が南北
方向に隣接する住宅４１ａ，４１ｂに対して日照および
南北方向の通風を確保することができる他、それらの東
西方向に対面する外壁間の重なりは、極力少なくするこ
とができ、プライバシーの保護を図ることができると同
時に、東西方向の通風も確保することができる。しか
も、住宅４１ａ，４１ｂが凹凸してそれらの外壁面が同
一平面上に連続することがない。住宅の南面に多くの出
隅や入隅を形成しなくても変化に富んだ複雑な街並みを
形成することができる。また、宅地の北側にも庭空間を
造ることができ、利用価値の高い宅地を得ることができ
る。

【００１４】

【発明の効果】平面で見て、中央境界線により上下に二
分割した横長のほぼ長方形造成地の上の横長区画地と下
の横長区画地とに、それぞれ互いに位置をずらしたほぼ
平行四辺形状の宅地を設け、これらの各宅地に前記した
中央境界線に対して一定角度傾斜させた住宅を建築す
る。

【００１５】この結果、隣家との重なりが少なくなって
プライバシーの保護を図ることができるとともに、矩形
の従来型の宅地と同じ面積であっても、隣接する住宅と
の間に変化に富んだ複雑な外観を形成することが可能と
なる他、隣家との間に形成される空間、あるいは住宅の
南北の空間によって通風および日照を確保することがで
きる上に、土地の有効利用を図ることが可能となった。
今後もさらに都市化、狭少地化が進む住宅地にあって、
住宅の方はより工業化が進み、シンプルな形状となる。
このような状況の中で、本発明の宅地の区画を用いる
と、住宅はシンプルであっても、変化に富んだ外観的に
優れた街並みを作ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の街並みを一部省略して示す平面図であ
る。

【図２】図１の宅地を示す平面図である。

【図３】従来の宅地に建築された街並みを一部省略して
示す平面図である。

【符号の説明】

１ 造成地 １ａ，１ｂ 横長区画地 １１ａ，１１ｂ 宅地 １２ａ，１２ｂ 庭 １３１ 中央境界線 ３３ａ，３３ｂ 傾斜境界線 ４１ａ，４１ｂ 住宅

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平面で見て、横長のほぼ長方形造成地が
   中央境界線によって上下に二分割され、この二分割され
   た上下の横長区画地がそれぞれ前記した中央境界線に対
   して一定角度傾斜する複数本の傾斜境界線によって複数
   個のほぼ平行四辺形状の宅地に区画され、上の横長区画
   地に区画した各宅地と下の横長区画地に区画した各宅地
   とを互いに位置をずらして設け、前記した中央境界線に
   対して一定角度傾斜させた住宅がこれらの各宅地に建築
   されたことを特徴とする街並み。