JPH0884933A - カルボニル化触媒系およびそれを用いたカルボニル化方法 - Google Patents

カルボニル化触媒系およびそれを用いたカルボニル化方法

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JPH0884933A
JPH0884933A JP7077354A JP7735495A JPH0884933A JP H0884933 A JPH0884933 A JP H0884933A JP 7077354 A JP7077354 A JP 7077354A JP 7735495 A JP7735495 A JP 7735495A JP H0884933 A JPH0884933 A JP H0884933A
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acid
compound
catalyst system
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carbonylation
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Tatemizu Han
立瑞 潘
Tomohide Ina
智秀 伊奈
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定性および触媒活性の高い触媒系を用いて
アセチレン系又はオレフィン系不飽和化合物をカルボニ
ル化する。 【構成】 カルボニル化触媒系は、パラジウム以外の
周期表第VIII族金属源(例えば、白金化合物)、トリ
フェニルホスフィンなどの配位子、および重水素化し
たメタノールDに対する電子供与度△νDが2以上であ
る電子供与性化合物(例えば、複素環式第3級アミンな
どのアミン類など)で構成されている。前記触媒系は、
さらにメタンスルホン酸などの酸を含んでいてもよ
い。前記触媒系の存在下、アセチレン系又はオレフィン
系不飽和化合物と一酸化炭素とを安定な液相系で反応さ
せ、高い転化率および選択率でカルボニル化生成物を生
成させる。さらに水、アルコール、カルボン酸などの脱
離可能な水素原子を有する求核性化合物を反応させる
と、不飽和又は飽和カルボン酸やそのエステルなどが生
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルボニル化反応に有
用な触媒系、およびこの触媒系を用いてアセチレン系又
はオレフィン系不飽和化合物をカルボニル化する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】アセチレン系又はオレフィン系不飽和化
合物をカルボニル化するための触媒系およびカルボニル
化方法が提案されている。代表的なカルボニル化反応に
おいては、アセチレン系又はオレフィン系不飽和化合物
を、一酸化炭素および求核性化合物と反応させる方法を
含んでいる。この方法において、カルボニル化触媒は、
周期表第VIII族金属源、および代表的な配位子であるホ
スフィンとで構成されている。
【0003】欧州特許出願公開公報EP−A1−106
379、EP−A1−235864、EP−A1−27
4795、EP−A1−279477には、パラジウム
化合物、トリアリールホスフィンおよびプロトン酸で構
成されたカルボニル化触媒系と、この触媒系を用いてア
セチレン系不飽和化合物およびオレフィン系化合物をカ
ルボニル化する方法が開示されている。
【0004】特公平5−29212号公報、特開昭61
−176549号公報、特開昭62−72649号公
報、特開昭63−154646号公報には、2価のパラ
ジウム化合物、有機ホスフィン、およびプロトン酸で構
成されたカルボニル化触媒系と、この触媒系を用いてア
セチレン系不飽和化合物およびオレフィン系化合物をカ
ルボニル化する方法が開示されている。前記特開昭63
−154646号公報には、有機ホスフィンとして複素
環基を有するホスフィンを用いており、不活性溶媒とし
て、N−メチルピロリドンが好ましいと記載されてい
る。
【0005】さらに、特開平4−215851号公報に
は、第VIII族金属源、イミノ窒素原子含有芳香族置換基
を有するホスフィン、プロトン源およびアルキルスルホ
ン酸アニオン源で構成されたカルボニル化触媒系と、こ
の触媒系を用いてアセチレン系不飽和化合物およびオレ
フィン系化合物をカルボニル化する方法が開示されてい
る。また、特開平4−21852号公報には、第VIII族
金属源、イミノ窒素原子含有芳香族置換基を有するホス
フィン、プロトン源および第三級アミンを含む触媒系
と、この触媒系を用いてアセチレン系不飽和化合物およ
びオレフィン系化合物をカルボニル化する方法が開示さ
れている。前記特開平4−215851号公報および特
開平4−215852号公報には、第VIII族金属源とし
て、パラジウム化合物源が好ましいことが記載されてい
る。
【0006】しかし、前記触媒系の成分としてパラジウ
ム化合物を用いて実際にカルボニル化反応を行なうと、
カルボニル化反応に伴なって、パラジウムがメタル化し
て反応液中に速かに沈澱し、触媒活性およびカルボニル
化反応速度が低下する。また、特開平4−215852
号公報にも記載されているように、周期表第VIII族元素
およびトリアリールホスフィンを基剤とする触媒系に第
三級アミンを含有させると、オレフィンのカルボニル化
反応において、触媒系の性能が著しく損われる。そのた
め、ピリジンなどの第三級アミンを用いる前記特開平4
−215852号公報においては、ホスフィンとして、
イミノ窒素原子含有芳香族置換基を有するホスフィン
(例えば、ビスフェニル−2−ピリジルホスフィンな
ど)を使用する必要があり、触媒系の成分が大きく制約
される。さらには、前記パラジウム化合物を触媒成分と
する触媒系は、未だ活性が十分ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、第三級アミンを含んでいるか否かに拘らず、イミノ
窒素原子含有芳香族置換基を有する特殊なホスフィンを
用いることなく、安定性および触媒活性の高いカルボニ
ル化触媒系、およびこの触媒系を用いたカルボニル化方
法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、高い転化率および選
択率でカルボニル化できる安定な触媒系、およびこの触
媒系を用いたカルボニル化方法を提供することにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、アセチレン系
又はオレフィン系不飽和化合物のカルボニル化により、
カルボン酸、カルボン酸エステルなどのカルボニル化生
成物を安定な液相系で高い選択率で生成できる触媒系お
よびカルボニル化方法を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、メタクリル酸メチル
などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸又はその誘
導体を高い転化率および選択率で製造する上で有用な触
媒系およびカルボニル化方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するため鋭意検討の結果、(1)パラジウムを除く
周期表第VIII族元素と、(2)窒素原子をヘテロ原子と
して含まない非複素環式配位子と、特定の電子供与性化
合物とを組み合わせると、触媒活性の低下がなく、アミ
ンとの組合せにより触媒活性が顕著に向上すること、特
に白金などでは、さらに触媒活性が高くなり、高い選択
率でカルボニル化反応生成物が生成することを見いだ
し、本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明のカルボニル化触媒系
は、(1)パラジウム以外の周期表第VIII族金属源、
(2)下記式(I)で表される配位子、および(3)重
水素化したメタノールDに対する電子供与度△νDが2
以上の電子供与性化合物で構成されている。
【0013】
【化2】 (式中、Aはリン原子、ヒ素原子又はアンチモン原子を
示し、R1 、R2 およびR3 は、同一又は異なって、水
素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基
を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していて
もよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロ
アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を
示し、R2 とR3 は互いに結合して置換基を有していて
もよいアルキレン基を形成してもよい。ただし、R1
3 は同時に水素原子ではない) 周期表第VIII族金属源(1)は、パラジウム以外の金属
源、例えば、白金、コバルト、ニッケル、ロジウムなど
であってもよい。また、配位子(2)は、前記式(I)
においてAがリン原子であるリン化合物、例えば、第3
有機ホスフィンなどの有機ホスフィンであってもよい。
この配位子は、窒素原子をヘテロ原子とする複素環基を
含まない化合物であるという特色がある。
【0014】電子供与性化合物(3)は、電子供与度△
νDが2以上であればよく、例えば、複素環式第3級ア
ミンなどのアミン類、アルカノールアミン類、エーテル
類、エステル類などであってもよい。前記カルボニル化
触媒系はさらに(4)酸(プロトン酸、ルイス酸)を含
んでいてもよい。
【0015】本発明の方法では、前記触媒系の存在下、
アセチレン系不飽和化合物又はオレフィン系不飽和化合
物と一酸化炭素とを反応させ、カルボニル化生成物を生
成させる。さらに脱離可能な水素原子を有する求核性化
合物(例えば、水、アルコール、カルボン酸などのヒド
ロキシル基を有する化合物)を反応させると、アセチレ
ン系不飽和化合物又はオレフィン系不飽和化合物に対応
して不飽和カルボン酸、飽和カルボン酸やそのエステル
若しくは酸無水物などの誘導体を生成させることができ
る。
【0016】なお、本明細書において、オレフィン系不
飽和化合物とは、二重結合の数の如何を問わず、エチレ
ン性不飽和二重結合を有する化合物を意味する。
【0017】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明の触媒系は、パラジウム以外の第VI
II族金属源を含んでいる。第VIII族金属元素には、例え
ば、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウ
ム、イリジウム、ニッケルおよび白金が含まれる。な
お、1990年以降において、前記元素は、周期表第8
族元素(Fe、Ru、Os)、第9族元素(Co、R
h、Ir)、第10族元素(Ni、Pt)に分類されて
いる。好ましい元素には、ロジウム、コバルト、ニッケ
ルおよび白金、特に白金が含まれる。前記元素の酸化数
は、種類に応じて選択でき、制限されない。白金の酸化
数は、0価、2価、4価などである場合が多い。
【0019】周期表第VIII族金属源は、金属状であって
もよいが、好ましくは周期表第VIII族元素の化合物であ
る。
【0020】周期表第VIII族元素の化合物には、例え
ば、無機酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、過ハロゲン酸
塩、塩化水素酸、臭化水素酸などのハロゲン化水素酸塩
など)、有機酸塩(例えば、メタンスルホン酸、エタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸などのスルホン酸塩、ホスホン酸塩、ギ酸、酢酸、
プロピオン酸などの炭素数12以下のカルボン酸塩な
ど)、ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物など)、
錯体(又は錯塩)などが含まれる。
【0021】錯体を構成する配位子は、例えば、OH
(ヒドロキソ)、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブ
トキシ基などのアルコキシ基、アセチル、プロピオニル
などのアシル基、メトキシカルボニル(アセタト)、エ
トキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル基、アセ
チルアセトナト、シクロペンタジエニル基、ベンジリデ
ン基、ベンジリデン アセトン、ベンジリデン アセチ
ルアセトン、ベンジリデン アセトフェノン、シクロオ
クタジエンなどのシクロアルカジエン、塩素、臭素など
ハロゲン原子、CO、CN、酸素原子、H2 O(ア
コ)、ホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィンな
どのトリアリールホスフィン)、NH3 (アンミン)、
NO、NO2 (ニトロ)、NO3 (ニトラト)、エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナ
ントロリンなどの窒素含有化合物などが挙げられる。錯
体又は錯塩において、同種又は異種の配位子は一種又は
二種以上配位していてもよい。
【0022】錯体又は錯塩としては、例えば、ジベンジ
リデンアセトン白金、ジベンジリデンアセチルアセトン
白金、ジベンジリデンアセトフェノン白金などのジベン
ジリデンケトン白金、ジシクロオクタジエン白金、ジク
ロロビス(トリフェルホスフィン)白金、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)白金、酢酸ビス(トリフェ
ニルホスフィン)白金、硫酸ビス(トリフェニルホスフ
イン)白金、ヘキサクロロ白金(IV)酸などの白金錯
体又は錯塩、これらに対応する前記周期表VIII族元素の
錯体又は錯塩が例示できる。
【0023】このような周期表第VIII族元素を含む触媒
は、パラジウム触媒と全く異なる挙動を示す。例えば、
パラジウム触媒とトリアリールホスフィン(トリフェニ
ルホスフィン)とを含む触媒系は、比較的高い触媒活性
を示すものの、前記触媒系に、ピリジンなどの第三アミ
ンを添加すると、オレフィンのカルボニル化反応におい
て触媒活性が顕著に低下する(特開平4−215852
号公報)。
【0024】一方、有機ホスフィンを含む触媒系におい
て、前記パラジウム触媒に代えて周期表第VIII族の他の
金属源(例えば、白金触媒など)を用いると、パラジウ
ム触媒を含む触媒系とは逆に、トリフェニルホスフィン
などの配位子が共存していても、第三級アミンの添加に
より、触媒活性および安定性が格段に向上するととも
に、第三級アミンを共存させないと、触媒活性が殆ど発
現しない。さらに、第三級アミン以外であっても、特定
の電子供与度を有する電子供与性化合物、中でも塩基性
化合物を用いても、触媒活性および安定性が格段に向上
する。
【0025】本発明の触媒系は配位子を含んでいる。こ
の配位子は、前記周期表VIII族の金属化合物(錯体)を
構成する配位子とは異なる場合が多い。配位子は、少な
くとも1つのリン原子、ヒ素原子又はアンチモン原子を
含んでいる場合が多く、前記周期表VIII族元素に対して
配位可能である場合が多い。これらの配位子は、一種ま
たは二種以上組合せて使用できる。
【0026】配位子は、前記式(I)で表されるよう
に、窒素含有複素環基を含んでおらず、特殊な化合物で
はない。そのため、本発明の触媒系を構成する配位子
は、容易に調製又は入手できる。式(I)において、ア
ルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t
−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、
ノニル、デシル基などの炭素数1〜10程度の直鎖状又
は分岐鎖状アルキル基が含まれる。好ましいアルキル基
には、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程
度の低級アルキル基が含まれる。
【0027】アルケニル基には、例えば、ビニル、アリ
ル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1
−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキ
セニル、1−ヘプテニル、1−オクテニル、1−ノネニ
ル、1−デセニルなどの炭素数2〜10程度の直鎖状又
は分岐鎖状アルケニル基が含まれる。好ましいアルケニ
ル基には、例えば炭素数2〜6、特に炭素数2〜4程度
のアルケニル基が含まれる。アルキニル基には、例え
ば、エチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニ
ル、1−ペンチニル、1−ヘキシニル、1−ヘプチニ
ル、1−オクチニル、1−ノニニル、1−デシニルなど
の炭素数2〜10程度のアルキニル基が含まれる。
【0028】シクロアルキル基には、例えば、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチ
ル基などの炭素数4〜10程度のシクロアルキル基が含
まれ、アリール基には、フェニル基、ナフチル基などが
含まれる。
【0029】これらのアルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、シクロアルキル基、アリール基には、触媒活
性を損わない種々の置換基、例えば、ハロゲン原子、ア
ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ基、
シアノ基などが置換していてもよい。
【0030】ハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素原子が含まれ、アルキル基としては、例えば、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの炭素数
1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6程度、特に炭素
数1〜4程度のアルキル基が例示できる。
【0031】アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ
ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオ
キシ基などの炭素数1〜10程度、好ましくは炭素数1
〜6程度、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基が
含まれる。
【0032】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度の
アルコキシカルボニル基が含まれる。好ましいアルコキ
シカルボニル基にはアルコキシ部分の炭素数が1〜6程
度、特に1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含
まれる。
【0033】アシル基としては、例えば、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、イソバレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6
程度のアシル基が例示できる。
【0034】R2 とR3 は互いに結合して、メチレン、
エチレン、プロピレン、イソプロピリデン、テトラメチ
レンなどのC1-10程度のアルキレン基を形成し、原子A
を含む環、例えば、リン原子とともに炭素数3〜10程
度のホスファシクロアルキレン基を形成してもよい。
【0035】前記式(I)において、好ましいAはリン
原子又はヒ素原子、特にリン原子であるのが好ましい。
【0036】好ましい配位子には、有機リン化合物、有
機ヒ素化合物、特に有機ホスフィンが含まれる。有機ホ
スフィンは、第1ホスフィン(例えば、メチルホスフィ
ン、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、イソプロ
ピルホスフィン、イソブチルホスフィン、イソアミルホ
スフィン、フェニルホスフィン、シクロヘキシルホスフ
ィンなど)、第2ホスフィン(例えば、ジメチルホスフ
ィン、ジエチルホスフィン、ジイソプロピルホスフィ
ン、ジ−n−ブチルホスフィン、ジイソアミルホスフィ
ン、ジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィ
ンなど)や第3ホスフィンのいずれであってもよい。好
ましい有機ホスフィンには第3有機ホスフィンや第3有
機アルシンが含まれる。
【0037】前記有機ホスフィンにおいて、R1 〜R3
が、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、又はア
リール基である場合が多い。特に好ましい有機ホスフィ
ンは、R1 〜R3 のうち少なくとも1つの置換基がフェ
ニル基や置換フェル基などのアリール基で構成されてい
る。また、アリール基とともにR2 とR3 との結合によ
り形成されるアルキレン基も好ましい。
【0038】好ましい有機ホスフィン(第3有機ホスフ
ィン)としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ト
リ(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(3,5−
ジメチルフェニル)ホスフィン、トリ(2,4,6−ト
リメチルフェニル)ホスフィン、トリ(4−メトキシフ
ェニル)ホスフィン、トリ(3,5−ジメトキシフェニ
ル)ホスフィン、トリ(4−クロロフェニル)ホスフィ
ン、トリ(3,5−ジクロロフェニル)ホスフィンなど
の置換基を有していてもよいトリアリールホスフィン;
メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフ
ィン、プロピルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニ
ルホスフィンなどのモノC1-10アルキルジアリールホス
フィン;ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニ
ルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィンなどのジC
1-10アルキルモノアリールホスフィン;トリメチルホス
フィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィ
ン、トリアミルホスフィン、トリヘキシルホスフィンな
どのトリC1-10アルキルホスフイン;シクロペンチルジ
フェニルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフ
ィンなどのモノC4-10シクロアルキルジアリールホスフ
ィン;ジシクロペンチルフェニルホスフィン、ジシクロ
ヘキシルフェニルホスフィンなどのジC4-10シクロアル
クルモノアリールホスフィン;トリシクロペンチルホス
フィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどのトリC
4-10シクロアルキルホスフィン;エタン−1,2−ジイ
ルビスジフェニルホスフィン、エタン−1,2−ジイル
ビス[ビス(トリフルオロメチル)ホスフィン]、エテ
ン−1,2−ジイルビスジフェニルホスフィン、エチン
−1,2−ジシルビスジフェニルホスフィン、1,2−
フェニレンビスジフェニルホスフィン、ヘキサフルオロ
シクロペンテン−1,2−ジイルビスジフェニルホスフ
ィン、テトラフルオロシクロブテン−1,2−ジイルビ
スジフェニルホスフィン、オクタフルオロシクロヘキセ
ン−1,2−ジイルビスジフェニルホスフィン、1,4
−ジフェニル−1,4−ジホスファシクロヘキサン、ビ
ス(1,2−ジフェニル)ホスフィノメチルシクロブタ
ンなどが例示される。
【0039】なお、配位子として、上記例示のリン化合
物に対応するヒ素化合物(特に第3有機アルシン)およ
びアンチモン化合物(特に第3有機スチビン)も好適に
用いることができる。
【0040】触媒系を構成する電子供与性化合物として
は、電子供与度△νDが2以上の化合物が使用される。
前記電子供与度△νDは、ベンゼンを基準物質として、
液状化合物中に加えた重水素化したメタノール(0.4
モル/L)のO−D非会合性伸縮振動の波数(2400
−2700cm-1)のシフト値を意味し、「メタノール
Dに対する電子供与度(electron donability )△ν
D」と定義される。電子供与性化合物は、前記周期表VI
II族元素に対して配位性を有するようである。
【0041】このような電子供与性化合物には、例え
ば、アミン類、イミン類、アミド類、スルホキシド類、
アルデヒド類、エーテル類、ケトン類、ラクトン類、エ
ステル類、ニトリル類、ニトロ化合物、芳香族炭化水素
類、脂肪族炭化水素類などが含まれる。これらの電子供
与性化合物は一種又は二種以上組合せて使用できる。
【0042】なお、前記電子供与度△νDの値は、例え
ば、「有機化学反応におけ溶媒効果」妹尾・新井共著、
産業図書(株)、昭和51年4月25日発行などを参照
できる。また、以下に例示する電子供与性化合物におい
て、参考までに電子供与度△νDの値を括弧内に示す。
【0043】アミン類としては、例えば、メチルアミ
ン、エチルアミン(233)、n−プロピルアミン(2
30)、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、ジn−プ
ロピルアミン(242)、ジブチルアミン、トリエチル
アミン(238)などの脂肪族アミン;シクロヘキシル
アミンなど脂環族アミン;アニリン(158)、N−メ
チルアニリン(151)、N,N−ジメチルアニリン
(148)などの芳香族アミン;ジメタノールアミン、
トリメタノールアミン、エタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、ジプロパノールアミ
ン、トリプロパノールアミン、ブタノールアミン、ジブ
タノールアミン、トリブタノールアミン、ジメチルアミ
ノエタノール、ジエチルアミノエタノールなどのアルカ
ノールアミン;モルホリン、N−メチルピロリドン、ピ
ロール、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、ピリ
ジン(168)、α−ピコリン(183)、β−ピコリ
ン、γ−ピコリン(160)、2,3−ルチジン、2,
4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、
3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2−エチルピリ
ジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン(17
9)、2,3,4−トリメチルピリジン、2,4,6−
トリメチルピリジン、ビピリジン、o−トルイジン(1
45)、ピペリジン(240)、4−ビニルピリジン
(193)、ピラジン、ピリミジン、キノリン、イソキ
ノリンなどの複素環式アミンなどが挙げられる。なお、
アミン類には、アミノ基、置換アミノ基(例えば、モノ
アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基など)、第4ア
ンモニウム基などの塩基性基を有する樹脂やイオン交換
樹脂(例えば、ピリジンとホルムアルデヒドの反応によ
り生成するピリジン樹脂などのアミン樹脂など)も含ま
れる。
【0044】好ましいアミン類には、第2級アミンおよ
び第3級アミン、特に窒素原子をヘテロ原子として含む
複素環式アミン(例えば、ピリジンやイミダゾールな
ど)又はその誘導体、アルカノールアミン類などが含ま
れる。複素環式化合物の誘導体としては、例えば、炭素
数1〜4程度のアルキル基を有する化合物(例えば、ピ
コリン、ルチジン、ビピリジン、1−メチルイミダゾー
ルなど)などが含まれる。複素環式アミンは、ピリジン
又はその誘導体のように、芳香族性を有する場合が多
い。
【0045】イミン類には、例えば、エチレンイミン
(237)、N−フェニルエチレンイミン(186)な
どが挙げられる。アミド類には、例えば、ホルムアミ
ド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(1
07)、N,N−ジメチルアセトアミド(113)、テ
トラメチル尿素、ヘキサメチルホスホアミドなどが含ま
れる。スルホキシド類には、例えば、ジメチルスルホキ
シド(141)、スルホラン、2−メチルスルホラン、
3−メチルスルホランなどが含まれる。
【0046】アルデヒド類としては、例えば、アセトア
ルデヒド(79)、プロピオンアルデヒド(85)、n
−ブチルアルデヒド(83)、アクロレイン(12
2)、メタクロレイン、クロトンアルデヒド(75)な
どの脂肪族アルデヒド、ベンズアルデヒド(53)など
の芳香族アルデヒドなどが例示される。
【0047】エーテル類には、例えば、ジエチルエーテ
ル(78)、ジ−n−プロピルエーテル(73)、ジイ
ソプロピルエーテル(75)、エチル n−ブチルエー
テル(77)、エチルビニルエーテル(31)、n−ブ
チルビニルエーテル(33)、イソブチルビニルエーテ
ル(33)、ジアリルエーテル(66)、1,2−ジメ
トキシエタン(71)、セロソルブ、カルビトール、ジ
グライム、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールジエチルエーテルなどの鎖状エーテ
ル;アニソール(26)、フェネトール(25)、1,
2−ジメトキシベンゼン、ジフェニルエーテルなどの芳
香族エーテル;プロピレンオキサイド(59)、スチレ
ンオキサイド(51)、3,3−ビスクロロメチルオキ
セタン(78)、フラン(4)、テトラヒドロフラン
(90)、1,3−ジオキソラン(58)、2−メチル
−1,3−ジオキソラン(61)、4−メチル−1,3
−ジオキソラン(56)、2−フェニル−1,3−ジオ
キソラン(56)、4−クロロメチル−1,3−ジオキ
ソラン(43)、テトラヒドロピラン(93)、1,4
−ジオキサン(77)などの環状エーテルなどが挙げら
れる。
【0048】これらのエーテル類のうち、置換基を有し
ていてもよいアリール基を有する芳香族エーテル(例え
ば、アニソールなど)又は鎖状エーテル(例えば、ジエ
チレングリコールジメチルエーテルなど)を用いる場合
が多い。
【0049】ケトン類としては、例えば、アセトン(6
4)、メチルエチルケトン(57)、ジエチルケトン
(56)、ジイソプロピルケトン、メチルビニルケトン
(89)などの脂肪族ケトン、シクロヘキサノン(6
6)などの脂環族ケトン、アセトフェノン(56)など
の芳香族ケトンなどが挙げられる。ラクトン類には、β
−プロピオラクトン(34)、γ−ブチロラクトン(6
6)、ε−カプロラクトン(82)などが含まれる。
【0050】エステル類には、例えば、酢酸メチル(3
6)、酢酸エチル(39)、クロロ酢酸メチル(2
7)、酢酸ブチル、ジクロロ酢酸メチル(23)、プロ
ピオン酸メチル(33)、プロピオン酸エチル(3
2)、イソ酪酸メチル(32)などの有機カルボン酸ア
ルキルエステル;酢酸ビニル(21)などのビニルエス
テル;アクリル酸メチル(30)、アクリル酸エチル
(33)、メタクリル酸メチル(37)、クロトン酸メ
チル、クロトン酸エチルなどの不飽和カルボン酸のアル
キルエステルなどが挙げられる。これらのエステル類の
うち、不飽和カルボン酸のアルキルエステル(例えば、
メタクリル酸メチル、クロトン酸メチル)などを用いて
も、反応は円滑に進行する。
【0051】ニトリル類には、例えば、アセトニトリル
(49)、プロピオニトリル(52)ブチロニトリル、
アクリロニトリル(37)、ベンゾニトリル(38)な
どが含まれる。ニトロ化合物としては、例えば、ニトロ
メタン(6)、ニトロエタン(8)などの脂肪族ニトロ
化合物、ニトロベンゼン(21)などの芳香族ニトロ化
合物などが挙げられ、芳香族炭化水素類には、例えば、
トルエン(2)、キシレン(4)、エチルベンゼン
(4)、スチレン(2)、α−メチルスチレン(4)、
p−メチルスチレン(2)などが挙げられ、脂肪族炭化
水素類には、塩化エチレン(2)などが含まれる。
【0052】これらの化合物のうち電子供与度△νDが
4〜250、好ましくは10〜230程度(例えば、2
0〜200程度)の化合物を用いる場合が多い。また、
好ましい電子供与性化合物には、電子供与度△νDが3
0〜250、好ましくは50〜250程度(例えば、1
00〜250程度)の化合物も含まれる。また、触媒系
の調製工程を簡略化するため、前記電子供与性化合物を
反応溶媒として使用する場合も多い。
【0053】これらの化合物のうち、反応操作性などの
点からビニル化合物以外の化合物(非重合性化合物)で
あって、カルボニル化反応に悪影響を及ぼさない化合
物、例えば、第三級アミンなどのアミン類、アミド類、
スルホキシド類、エーテル類、ケトン類、エステル類、
ニトリル類、ニトロ化合物、芳香族炭化水素など(特に
アミン類、エーテル類、エステル類、芳香族炭化水素な
ど)を使用する場合が多い。
【0054】これらの電子供与性化合物のうち、塩基性
化合物、例えば、アミン類、イミド類、アミド類などが
好ましい。特に、パラジウムを除く第VIII族金属源と組
み合わせて塩基性化合物(特に第二級アミンおよび第三
級アミン)を用いると、触媒活性を顕著に向上できる場
合が多い。そのため、触媒系は、アミン類、イミド類、
アミド類からなる群から選択された塩基性化合物を含む
のが好ましい。さらに、これらの塩基性化合物と、エー
テル類及び/又はエステル類を組み合わせて使用する
と、転化率や選択率が高まる場合がある。
【0055】本発明の触媒系においては、金属源(1)
の種類に応じて、配位子(2)と、電子供与性化合物
(3)とを適宜組み合わせることができる。例えば、パ
ラジウムを除く第VIII族金属源(1)と、配位子(2)
としての有機ホスフィンとを組み合わせても、有機ホス
フィンの種類により触媒の安定性や活性が低下すること
がない。そのため、有機ホスフィンは前記電子供与度△
νDが2以上の化合物(3)と適当に組合せて使用でき
る。例えば、有機ホスフィンとしてトリアリールホスフ
ィンを用いる場合、前記電子供与度△νDを有する化合
物として、窒素含有化合物又は塩基性化合物(例えば、
前記ピリジン又はピリジン誘導体などのアミン化合物)
と組合せると、安定性のみならず触媒活性を顕著に向上
できる。
【0056】本発明の触媒系は、さらに(4)酸を含ん
でいてもよい。前記酸には、種々のプロトン酸(無機酸
および有機酸)およびルイス酸が含まれる。プロトン酸
には、例えば、硫酸、ハロゲン化水素酸、硝酸、リン
酸、スルホン酸(アリールスルホン酸、アルキルスルホ
ン酸など)、ホスホン酸、カルボン酸、過ハロゲン酸、
ヘテロポリ酸などが含まれる。これらの酸は一種又は二
種以上使用できる。前記酸(4)はプロトン源として機
能するようである。そのため、ルイス酸を用いる場合、
他のプロトン源と併用する場合が多い。
【0057】前記プロトン酸のうち無機化合物として
は、例えば、硫酸;塩化水素酸、臭化水素酸などのハロ
ゲン化水素酸;リン酸(例えば、オルトリン酸、ピロリ
ン酸など);過塩素酸などの過ハロゲン酸;リンモリブ
デン酸、ケイタングステン酸、バナドモリブデン酸など
のV,W又はMoを含むヘテロポリ酸などが挙げられ
る。
【0058】プロトン酸のうち有機化合物には、例え
ば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸などの置換基を有していてもよいア
リールスルホン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン
酸、プロパンスルホン酸、t−ブチルスルホン酸、2−
ヒドロキシプロパンスルホン酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸などの置換基を
有していてもよいアルキルスルホン酸;ベンゼンホスホ
ン酸などのホスホン酸;クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ト
リクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸、プロピ
オン酸、n−酪酸、イソ酪酸、ピバリン酸、吉草酸、カ
プロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シュウ酸など
の置換基を有していてもよい飽和脂肪族カルボン酸、シ
クロヘキサンカルボン酸などの脂環族カルボン酸、安息
香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳
香族カルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸、プロピオ
ール酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコ
ン酸、メサコン酸、オレイン酸などの不飽和脂肪族カル
ボン酸などの不飽和カルボン酸などのカルボン酸;アス
パラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸などが挙げら
れる。前記酸は酸性イオン交換樹脂、例えば、スルホン
酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基などを有するイオ
ン交換樹脂などであってもよい。
【0059】ルイス酸には、例えば、(C25)O・B
3、BF3、AlCl3、SnCl4、SnCl2、Ti
Cl4、Ti[OCH(CH3)24、NbF5、Ta
5、PF5、AsF5、SbF5などの、周期表第III
B族、第IVA族、第IVB族、第VA族または第VB
族元素のハロゲン化物若しくはその錯化合物、又はアル
コキシド(例えばC1-5アルコキシド等)などが含まれ
る。
【0060】なお、酸は配位性アニオンを有する場合が
多い。好ましい酸にはプロトン酸、例えば、p−トルエ
ンスルホン酸などのアリールスルホン酸、炭素数1〜1
0程度、好ましくは炭素数1〜6程度、さらに好ましく
はメタンスルホン酸などの炭素数1〜4程度のアルキル
スルホン酸;脂肪族カルボン酸、好ましくは炭素数2〜
10程度の脂肪族不飽和カルボン酸;無機酸(硫酸、ハ
ロゲン化水素酸、リン酸など)が含まれる。
【0061】本発明の触媒系は、均一触媒、不均一触媒
のいずれであってもよい。液相反応に利用する場合、触
媒系は均一系である場合が多い。また、必要に応じて、
触媒系は、活性炭、アルミナ、シリカなどの担体に前記
触媒成分が担持された固体触媒を構成してもよい。触媒
系を構成する各成分の割合は、各触媒成分の種類などに
応じて、触媒活性および安定性を損わない範囲で選択で
きる。
【0062】有機ホスフィンなどの配位子の割合は、例
えば、前記周期表第VIII族金属源1モルに対して、0.
1〜1000モル、好ましくは0.5〜500モル、さ
らに好ましくは1〜100モル程度であり、1〜50モ
ル程度である場合が多い。酸(プロトン源としてのプロ
トン酸など)の割合は、例えば、前記周期表第VIII族金
属源1モルに対して、0.1〜1000モル、好ましく
は1〜500モル、さらに好ましくは5〜250モル程
度であり、1〜100モル程度である場合が多い。
【0063】プロトン酸などの酸1モルに対する有機ホ
スフィンなどの配位子の割合は、特に限定されず、例え
ば、0.01〜50モル、好ましくは0.02〜10モ
ル、好ましくは0.05〜5モル程度であり、0.03
〜3モル程度である場合が多い。
【0064】電子供与性化合物の量は、前記第VIII族金
属源1モルに対して、1〜100000モル、好ましく
は5〜50000モル、さらに好ましくは10〜100
00モル程度である。電子供与性化合物の量は、前記第
VIII族金属源1モルに対して、10〜10000モル
(例えば、50〜7000モル)、特に100〜500
0モル程度である場合が多い。なお、電子供与性化合物
は反応溶媒として用いることができ、この場合に、電子
供与性化合物の使用量は、前記第VIII族金属源1モルに
対して過剰量であればよい。また、電子供与性化合物を
反応溶媒として用いない場合には、電子供与性化合物の
量は、前記第VIII族金属源1モルに対して、2〜200
モル、好ましくは5〜100モル、さらに好ましくは1
0〜50モル程度である場合が多い。電子供与性化合物
は、反応溶媒として使用する場合が多い。
【0065】本発明の触媒系は、不飽和炭化水素類のカ
ルボニル化において高い活性および安定性を示す。その
ため、本発明の触媒系は、アセチレン系不飽和化合物ま
たはオレフィン系不飽和化合物をカルボニル化する上で
有用である。
【0066】本発明の方法では、前記触媒系の存在下、
アセチレン系不飽和化合物またはオレフィン系不飽和化
合物と一酸化炭素とを反応させ、カルボニル化反応生成
物を製造する。
【0067】アセチレン系またはオレフィン系不飽和化
合物は、好ましくは非対称のアセチレン系化合物または
オレフィン系化合物、さらに好ましくはα−アセチレン
系化合物、α−オレフィン系化合物又はアレン系化合物
である。アセチレン系不飽和化合物の炭素数は、通常、
2〜30程度、好ましくは2〜20、特に2〜10程度
であり、オレフィン系不飽和化合物及びアレン系化合物
の炭素数は、例えば、2〜30、好ましくは2〜20、
特に2〜10程度である。これらの不飽和炭化水素に
は、置換基を有していてもよいアルキン、アルケン(オ
レフィン)、又はシクロアルケン、シクロアルカジエン
や橋かけ式不飽和炭化水素が含まれる。不飽和炭化水素
は、1分子中に三重結合と二重結合とを有していてもよ
く、二重結合を2個以上有していてもよい。
【0068】前記不飽和化合物は、種々の置換基、例え
ば、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子;シクロヘ
プチル、シクロヘキシル、シクロオクチルなどのC1-10
シクロアルキル基;フェニル、ナフチルなどのアリール
基;ベンジル、フェネチルなどのアラルキル基;シアノ
基;ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イ
ソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル基な
どの炭素数1〜7程度のアシル基;アセトキシ基などの
アルキル部分の炭素数1〜6程度のアシルオキシ基;ヒ
ドロキシル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブト
キシ、t−ブトキシなどの炭素数1〜6程度のアルコキ
シ基;トリフルオロメチル、トリクロロメチル基などの
ハロアルキル基;トリフルオロメトキシ、トリクロロメ
トキシ基などのハロアルコキシ基;カルボキシル基;ア
ルキル部分の炭素数が1〜6程度のアルコキシカルボニ
ル基;アミノ基、モノアルキルアミノ基やジアルキルア
ミノ基などのN−置換アミノ基;アミド基、アセトアミ
ド基などのN−置換アミド基などを有していてもよい。
【0069】アルキンとしては、例えば、アセチレン、
プロピン、1−ブチン、2−ブチン、1−ペンチン、1
−ヘキシン、1−ヘプチン、1−オクチン、2−オクチ
ン、4−オクチン、1,7−オクタジイン、5−メチル
−3−ヘプチン、4−プロピル−2−ペンチン、1−ノ
ニン、フェニルアセチレン、ベンジルエチンおよびシク
ロヘキシルエチンなどが例示できる。
【0070】アルケンには、例えば、エチレン、プロピ
レン、フェニルエチレン、1−ブテン、2−ブテン、1
−ペンテン、3−メチルペンテン−1、4−メチルペン
テンホヌ、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン、2−オクテン、4−オクテン、アレン、シクロヘキ
センおよびノルボルナジエンなどが含まれる。
【0071】一酸化炭素としては、純粋な一酸化炭素を
用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素
などの不活性ガスで希釈した一酸化炭素を使用してもよ
い。
【0072】前記不飽和化合物は単独でカルボニル化し
てもよく、他の反応剤(例えば、水素または脱離可能な
水素原子を有する求核性化合物)の存在下でカルボニル
化してもよい。脱離可能な水素原子を有する求核性化合
物には、アルコール類などのヒドロキシル基を有する化
合物、水、カルボン酸が含まれる。また、アルコール類
にはシラノールも含まれる。
【0073】アルコール類は、脂肪族、脂環式、芳香族
アルコールやフェノール類であってもよく、一価又は多
価アルコールであってもよい。アルコール類は、前記不
飽和化合物の項で述べた置換基のうち、ヒドロキシル基
を除く1又は2以上の置換基を有していてもよい。
【0074】一価アルコール類には、例えば、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノール、2−ブタノール、1−メチルプロ
パン−1−オール、2−メチルプロパン−2−オール、
1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−エチルヘキ
サノール、ステアリルアルコール、アリルアルコール、
クロチルアルコール、プロパルギルアルコールなどの脂
肪族アルコール;シクロペンタノール、シクロヘキサノ
ール、4−メチルシクロヘキサノール、シクロヘキセン
−1−オール、シクロヘプタノール、シクロオクタノー
ル、ボルネオールなどの脂環族アルコール;ベンジルア
ルコール、サリチルアルコール、ベンズヒドロール、フ
ェネチルアルコールなどの芳香族アルコールなどが含ま
れる。フェノール類には、フェノール、アルキルフェノ
ール、レゾルシノール、カテコール、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンなどが含まれる。
【0075】多価アルコールには、例えば、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオ
ール、グリセロール、トリメチロールプロパン(2,2
−ビスヒドロキシメチル−1−ブタノール)、ペンタエ
リスリトール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジオール、多糖類(例えば、グルコ
ース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、サッ
カロース、アルドキノース、アルドペントース、アルト
ロース、アロース、タロース、グロース、イドース、リ
ボース、アラボノース、キシロース、リキソース、エリ
トロース、トレオースおよびセルロースなど)などが含
まれる。
【0076】好ましいアルコール類には、炭素数1〜2
0程度、特に1〜10程度の一価アルコールが含まれ
る。アルコール類としては、脂肪族飽和アルコールを使
用する場合が多い。
【0077】前記カルボン酸としては、例えば、ギ酸、
酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、ピバリン
酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸
などの脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸な
どの脂環族カルボン酸、安息鉱酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸などの芳香族カルボン酸、アクリル
酸、メタクリル酸、プロピオール酸、クロトン酸、マレ
イン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、オレイ
ン酸などの不飽和カルボン酸などが例示される。カルボ
ン酸は、脂肪族カルボン酸、好ましくは炭素数2〜20
程度、さらに好ましくは炭素数2〜18程度のカルボン
酸、特に炭素数2〜10程度のカルボン酸である場合が
多い。
【0078】前記カルボニル化反応においては、反応剤
の種類に応じて、オレフィン系不飽和化合物およびアセ
チレン系不飽和化合物に対応する化合物が生成する。例
えば、反応剤として水を用いる場合には、カルボニル化
反応により、オレフィン系不飽和化合物およびアセチレ
ン系不飽和化合物に対応して、カルボン酸およびα,β
−不飽和カルボン酸などの不飽和カルボン酸が生成す
る。また、アルコールを使用する場合には、前記カルボ
ン酸および不飽和カルボン酸に対応するエステルが生成
する。さらに、カルボン酸を用いる場合には、前記カル
ボン酸および不飽和カルボン酸に対応する酸無水物が生
成する。
【0079】例えば、オレフィン系不飽和化合物として
エチレンを用い、反応剤(求核性化合物)としてメタノ
ール又は水を用いると、一酸化炭素との反応により、プ
ロピオン酸メチル又はプロピオン酸を生成させることが
できる。オレフィン系不飽和化合物として、アレンを用
い、反応剤(求核性化合物)としてメタノール又は水を
用いると、一酸化炭素との反応により、メタクリル酸メ
チル又はメタクリル酸を生成させることができる。ま
た、アセチレン系不飽和化合物としてプロピン、反応剤
(求核性化合物)としてメタノール又は水を用いると、
一酸化炭素との反応により、メタクリル酸メチル又はメ
タクリル酸を生成させることができる。
【0080】従って、本発明の方法において、反応剤の
種類は目的化合物に応じて選択できるが、水、アルコー
ルまたは有機カルボン酸である場合が多い。
【0081】カルボニル化反応における各成分の割合は
広い範囲で選択でき、例えば、前記触媒系の割合は、ア
セチレン系又はオレフィン系不飽和化合物に対して0.
01〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%程度
であり、0.5〜8重量%程度である場合が多い。
【0082】一酸化炭素の割合は、例えば、アセチレン
系又はオレフィン系不飽和化合物1モルに対して、例え
ば、0.1〜100モル(例えば、1〜20モル)、好
ましくは0.8〜10モル(例えば1.2〜10モ
ル)、さらに好ましくは1.0〜5モル(例えば1.5
〜5モル)程度である。一酸化炭素は、アセチレン系又
はオレフィン系不飽和化合物1モルに対して、過剰モル
(例えば1〜20モル程度)用いる場合が多い。反応剤
(前記求核性化合物)の使用量は、例えば、アセチレン
系又はオレフィン系不飽和化合物1モルに対して、0.
1〜100モル(例えば1.0〜20モル)、好ましく
は0.8〜10モル(例えば1.2〜10モル)、さら
に好ましくは1.0〜5モル(例えば1.5〜5モル)
程度であり、水を反応剤として用いる場合には、前記不
飽和化合物1モルに対して0.5〜10モル程度であっ
てもよい。なお、反応剤は反応溶媒として使用すること
もできる。
【0083】反応は、不活性な有機溶媒中で行なっても
よい。有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、オクタン
などの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水
素、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、クロ
ロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、これらの混合溶
媒など挙げられる。なお、溶媒として前記電子供与性化
合物や反応剤を用いる場合には、上記有機溶媒を使用す
る必要はない。
【0084】カルボニル化反応は、例えば、10〜25
0℃(例えば10〜200℃)、好ましくは25〜20
0℃程度の温度で、常圧〜150気圧程度(好ましくは
常圧〜100気圧、通常、10〜70気圧程度)で行な
う場合が多い。反応は、バッチ式、セミバッチ式や連続
式などの慣用の方法で行なうことができ、液相又は気相
で行なうことができる。前記触媒系は、安定性が高いの
で液相系、特に均一液相系で使用する場合が多い。
【0085】反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、
例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラ
ムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組合
せた分離手段により、容易に分離精製できる。
【0086】
【発明の効果】本発明の触媒系は、パラジウム以外の周
期表第VIII族金属源と配位子と特定の電子供与性化合物
とを触媒成分として含んでいるので、特殊なホスフィン
を用いなくても安定性を高めることができるとともに、
カルボニル化反応において、高い触媒活性を示す。その
ため、前記カルボニル化触媒系を利用すると、アセチレ
ン系又はオレフィン系不飽和化合物のカルボニル化によ
り、カルボン酸、カルボン酸エステルなどのカルボニル
化生成物を安定な液相系で高い転化率および選択率で生
成できる。また、メタクリル酸メチルなどのα,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸又はその誘導体を高い転化率
および選択率で製造することもできる。
【0087】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定さ
れるものではない。
【0088】実施例1 ステンレス製オートクレーブ(内容積300ml)に、
ジベンリジデンアセトン白金(0)0.25ミリモル、
トリフェニルホスフィン1ミリモル、メタンスルホン酸
10ミリモル、ピリジン48g(609ミリモル)およ
びメタノール20g(624ミリモル)を装入した。次
いで、オートクレーブから空気を追い出した後、プロピ
ン300ミリモル、一酸化炭素600ミリモルを導入
し、オートクレーブを密封して加熱し、60気圧、10
0℃の温度で1時間反応させた。
【0089】反応生成物をガスクロマトグラフィーによ
って分析したところ、プロピンの転化率35.6%であ
り、選択率96.9%でメタクリル酸メチルが生成し
た。また、反応後の混合液を調べたところ、沈澱物など
は全くなく、均一であった。
【0090】比較例1 溶媒としてのピリジンに代えて、反応原料であるメタノ
ールを使用する以外、実施例1の方法と同様にして反応
させたところ、メタクリル酸メチルは痕跡量しか検出さ
れなかった。
【0091】比較例2 ステンレス製オートクレーブ(内容積300ml)に、
塩化パラジウム(II)0.05ミリモル、トリフェニル
ホスフィン2ミリモル、メタンスルホン酸2ミリモル、
ピリジン0.2g(2ミリモル)およびメタノール3.
96g(124ミリモル)を装入した。次いで、オート
クレーブから空気を追い出した後、プロピン300ミリ
モル、一酸化炭素600ミリモルを導入し、オートクレ
ーブを密封して加熱し、60気圧、63℃の温度で1時
間反応させた。
【0092】反応生成物をガスクロマトグラフィーによ
って分析したところ、プロピンの転化率は3.7%と僅
かであり、メタクリル酸メチルは選択率52.7%で生
成した。また、反応後の混合液を調べたところと、金属
パラジウムのメタル化による沈澱物が生成していた。
【0093】比較例3 ピリジン0.2gに代えてメタノール0.2g(合計
4.16g)を用いる以外、比較例2と同様にして反応
させたところ、プロピンの転化率は約30%であり、メ
タクリル酸メチルは選択率約80%で生成した。また、
反応後の混合液を調べたところと、金属パラジウムのメ
タル化による沈澱物が生成していた。
【0094】実施例2 ステンレス製オートクレーブ(内容積300ml)に、
ジベンリジデンアセトン白金(0)2.5ミリモル、ト
リフェニルホスフィン10ミリモル、メタンスルホン酸
10ミリモル、ピリジン48g(609ミリモル)およ
びメタノール20g(624ミリモル)を装入した。次
いで、オートクレーブから空気を追い出した後、プロピ
ン300ミリモルおよび一酸化炭素600ミリモルを導
入し、オートクレーブを密封して加熱し、60気圧、1
00℃の温度で30分間反応させた。
【0095】反応生成物をガスクロマトグラフィーによ
って分析したところ、プロピンの転化率は98.7%で
あり、選択率99.0%でメタクリル酸メチルが生成し
た。また、反応後の混合液を調べたところ、沈澱物など
は全く見られず、均一であった。
【0096】実施例3 ステンレス製オートクレーブ(内容積300ml)に、
ジベンリジデンアセトン白金(0)0.25ミリモル、
トリフェニルホスフィン10ミリモル、メタンスルホン
酸10ミリモル、α−ピコリン30gおよびメタノール
20g(624ミリモル)を装入した。次いで、オート
クレーブから空気を追い出した後、プロピン300ミリ
モルおよび一酸化炭素600ミリモルを導入し、オート
クレーブを密封して加熱し、60気圧、100℃の温度
で1時間反応させた。
【0097】反応生成物をガスクロマトグラフィーによ
って分析したところ、プロピンの転化率は14.0%で
あり、選択率95.3%でメタクリル酸メチルが生成し
た。反応混合液を調べたところ、沈澱物などは全く見ら
れず、均一であった。
【0098】実施例4 ピリジン48gに代えて2,6−ルチジン30gを用
い、トリフェニルホスフィンの使用量を10ミリモルと
する以外、実施例1と同様に反応させたところ、プロピ
ンの転化率は7.7%であり、選択率91.9%でメタ
クリル酸メチルが生成した。反応混合液を調べたとこ
ろ、沈澱物などは全く見られず、均一であった。
【0099】実施例5 ピリジン48gに代えて1−メチルイミダゾール30g
を用い、トリフェニルホスフィンの使用量を10ミリモ
ルとする以外、実施例1と同様にして反応させたとこ
ろ、プロピンの転化率は11.5%であり、選択率8
9.5%でメタクリル酸メチルが生成した。反応混合液
を調べたところ、沈澱物などは全く見られず、均一であ
った。
【0100】実施例6 ピリジン48gに代えてアニソール30gを用い、トリ
フェニルホスフィンの使用量を10ミリモルとする以
外、実施例1と同様にして反応させたところ、プロピン
の転化率は4.0%であり、選択率82.0%でメタク
リル酸メチルが生成した。反応混合液を調べたところ、
沈澱物などは全く見られず、均一であった。
【0101】実施例7 ピリジン48gに代えてキシレン30gを用い、トリフ
ェニルホスフィンの使用量を10ミリモルとする以外、
実施例1と同様にして反応させたところ、プロピンの転
化率は8.6%であり、選択率71.4%でメタクリル
酸メチルが生成した。反応混合液を調べたところ沈澱物
などは全く見られず、均一であった。
【0102】実施例8 トリフェニルホスフィン1ミリモルに代えて、トランス
ビス1,2−ジフェニルホスフィノメチルシクロブタン
5ミリモルを用いる以外、実施例1と同様にして反応さ
せたところ、プロピンの転化率は21.9%であり、選
択率90.5%でメタクリル酸メチルが生成した。反応
混合液を調べたところ、沈澱物などは全く見られず、均
一であった。
【0103】比較例4 ステンレス製オートクレーブ(内容積300ml)に、
ジベンジリデンアセトン白金(0)0.25ミリモル、
2−ピリジルフェニルホスフィン1ミリモル、メタンス
ルホン酸10ミリモル、メタノール68g(2122ミ
リモル)を装入した。次いで、オートクレーブから空気
を追い出した後、プロピン300ミリモル、一酸化炭素
600ミリモルを導入し、オートクレーブを密封して加
熱し、100℃の温度で1時間反応させた。反応生成物
をガスクロマトグラフィーによって分析したところ、プ
ロピンの転化律は8%であり、選択率21%でメタクリ
ル酸メチルが生成した。
【0104】実施例9 反応温度を120℃に変更した以外、実施例1と同様に
反応させたところ、プロピンの転化率は48%であり、
選択率98.6%でメタクリル酸メチルが生成した。反
応後の混合液を調べたところ、沈殿物などは全く見られ
ず、均一であった。
【0105】実施例10 ステンレス製オートクレーブ(内容積300ml)に、
ジベンジリデンアセトン白金0.63ミリモル、トリフ
ェニルホスフィン1ミリモル、硫酸10ミリモル、ピリ
ジン1.6g(20.2ミリモル)、クロトン酸メチル
38.4g(384ミリモル)およびメタノール20g
(624ミリモル)を装入した。次いで、オートクレー
ブから空気を追い出した後、プロピン300ミリモル、
一酸化炭素600ミリモルを導入し、オートクレーブを
密封して加熱し、60気圧、150℃の温度で10分間
反応させた。
【0106】反応生成物をガスクロマトグラフィーによ
って分析したところ、プロピンの転化率38.0%であ
り、選択率94.2%でメタクリル酸メチルが生成し
た。また、反応後の混合液を調べたところ、沈殿物など
は全くなく、均一であった。
【0107】実施例11 ジベンジリデンアセトン白金0.63ミリモル、トリフ
ェニルホスフィン1ミリモル、硫酸20ミリモル、ピリ
ジン9.5g(120ミリモル)、クロトン酸メチル3
0.5g(305ミリモル)およびメタノール20g
(624ミリモル)を用いる以外は、実施例10と同様
に反応させたところ、プロピンの転化率は41.1%で
あり、選択率99.7%でメタクリル酸メチルが生成し
た。反応後の混合液を調べたところ、沈殿物などは全く
なく、均一であった。
【0108】実施例12 ジベンジリデンアセトン白金0.65ミリモル(白金濃
度として0.02重量%)、トリフェニルホスフィン1
ミリモル、塩化水素3.6g(0.1モル)、ピリジン
40g(506ミリモル)およびメタノール20g(6
24ミリモル)を用いる以外は、実施例10と同様に反
応させたところ、プロピンの転化率は46.7%であ
り、選択率97.8%でメタクリル酸メチルが生成し
た。反応後の混合液を調べたところ、沈殿物などは全く
なく、均一であった。
【0109】実施例13 ジベンジリデンアセトン白金0.63ミリモル(白金濃
度として0.02重量%)、トリフェニルホスフィン1
ミリモル、メタンスルホン酸10ミリモル、ピリジン
1.6g(20.2ミリモル)、クロトン酸メチル3
8.4g(384ミリモル)およびメタノール20g
(624ミリモル)を用いる以外は、実施例10と同様
に反応させたところ、プロピンの転化率は53.4%で
あり、選択率96.6%でメタクリル酸メチルが生成し
た。反応後の混合液を調べたところ、沈殿物などは全く
なく、均一であった。
【0110】実施例14 ジベンジリデンアセトン白金0.63ミリモル、トリフ
ェニルホスフィン1ミリモル、リン酸14ミリモル、ピ
リジン1.6g(20ミリモル)、クロトン酸メチル3
8.4g(384ミリモル)およびメタノール20g
(624ミリモル)を用いる以外は、実施例10と同様
に反応させたところ、プロピンの転化率は37.9%で
あり、選択率89.6%でメタクリル酸メチルが生成し
た。反応後の混合液を調べたところ、沈殿物などは全く
なく、均一であった。
【0111】実施例15 ジベンジリデンアセトン白金0.63ミリモル、トリフ
ェニルホスフィン1ミリモル、硫酸10ミリモル、ピリ
ジン4.7g(59ミリモル)、アニソール35.3g
(327ミリモル)およびメタノール20g(624ミ
リモル)を用いる以外は、実施例10と同様に反応させ
たところ、プロピンの転化率は36.9%であり、選択
率97.9%でメタクリル酸メチルが生成した。反応後
の混合液を調べたところ、沈殿物などは全くなく、均一
であった。
【0112】実施例16 ジベンジリデンアセトン白金0.63ミリモル、トリフ
ェニルホスフィン1ミリモル、硫酸10ミリモル、クロ
トン酸メチル40.0g(400ミリモル)およびメタ
ノール20g(624ミリモル)を用いる以外は、実施
例10と同様に反応させたところ、プロピンの転化率は
25.6%であり、選択率89.5%でメタクリル酸メ
チルが生成した。反応後の混合液を調べたところ、沈殿
物などは全くなく、均一であった。
【0113】実施例17 ジベンジリデンアセトン白金0.63ミリモル、トリフ
ェニルホスフィン1ミリモル、硫酸10ミリモル、ピリ
ジン4.7g(59ミリモル)、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル35.3g(218ミリモル)および
メタノール20g(624ミリモル)を用いる以外は、
実施例10と同様に反応させたところ、プロピンの転化
率は51.1%であり、選択率94.1%でメタクリル
酸メチルが生成した。反応後の混合液を調べたところ、
沈殿物などは全くなく、均一であった。
【0114】実施例18 ジベンジリデンアセトン白金0.63ミリモル、トリフ
ェニルホスフィン1ミリモル、メタンスルホン酸10ミ
リモル、β−ピコリン1.9g(20ミリモル)、クロ
トン酸メチル38.1g(381ミリモル)およびメタ
ノール20g(624ミリモル)を用いる以外、実施例
10と同様に反応させたところ、プロピンの転化率は4
1.2%であり、選択率93.5%でメタクリル酸メチ
ルが生成した。反応後の混合液を調べたところ、沈殿物
などは全くなく均一であった。
【0115】実施例19 ジベンジリデンアセトン白金0.63ミリモル、トリフ
ェニルホスフィン1ミリモル、メタンスルホン酸10ミ
リモル、ジエタノールアミン1.7g(16ミリモ
ル)、クロトン酸メチル38.5g(385ミリモル)
およびメタノール20g(624ミリモル)を用いる以
外、実施例10と同様に反応させたところ、プロピンの
転化率は51.2%であり、選択率98.2%でメタク
リル酸メチルが生成した。反応後の混合液を調べたとこ
ろ、沈殿物などは全くなく、均一であった。
【0116】実施例20 ジベンジリデンアセトン白金0.63ミリモル、トリフ
ェニルホスフィン1ミリモル、ピリジン40g(506
ミリモル)およびメタノール20g(624ミリモル)
を用いる以外、実施例10と同様に反応させたところ、
プロピンの転化率は47.0%であり、選択率74.5
%でメタクリル酸メチルが生成した。反応後の混合液を
調べたところ、沈殿物などは全くなく、均一であった。
【0117】実施例21 ジベンジリデンアセトン白金0.65ミリモル、トリフ
ェニルホスフィン1ミリモル、ピリジン4.7g(59
ミリモル)、アニソール40g(370ミリモル)およ
びメタノール20g(624ミリモル)を用いる以外、
実施例10と同様に反応させたところ、プロピンの転化
率は24.0%であり、選択率99.6%でメタクリル
酸メチルが生成した。反応後の混合液を調べたところ、
沈殿物などは全くなく、均一であった。
【0118】実施例22 ジベンジリデンアセトン白金0.63ミリモル、トリフ
ェニルホスフィン1ミリモル、メタクリル酸10ミリモ
ル、ビピリジン0.8g(5ミリモル)、クロトン酸メ
チル40.0g(400ミリモル)およびメタノール2
0g(624ミリモル)を用いる以外は、実施例10と
同様に反応させたところ、プロピンの転化率は47.3
%であり、選択率97.7%でメタクリル酸メチルが生
成した。反応後の混合液を調べたところ、沈殿物などは
全くなく、均一であった。
【0119】実施例23 塩化第二白金酸0.63ミリモル、トリフェニルホスフ
ィン1ミリモル、硫酸10ミリモル、ピリジン1.6g
(20ミリモル)、クロトン酸メチル38.4g(38
4ミリモル)およびメタノール20g(624ミリモ
ル)を用いる以外は、実施例10と同様に反応させたと
ころ、プロピンの転化率は17.8%であり、選択率9
5.5%でメタクリル酸メチルが生成した。反応後の混
合液を調べたところ、沈殿物などは全くなく、均一であ
った。
【0120】実施例24 ステンレス製オートクレーブ(内容積300ml)に、
ジベンジリデンアセトン白金2.5ミリモル、トリフェ
ニルホスフィン10ミリモル、メタンスルホン酸10ミ
リモル、ピリジン45g(569ミリモル)、およびメ
タノール4.3g(134ミリモル)を装入した。次い
で、オートクレーブから空気を追い出した後、アレン6
7ミリモル、一酸化炭素610ミリモルを導入し、オー
トクレーブを密封して加熱し、60気圧、100℃の温
度で1時間反応させた。
【0121】反応生成物をガスクロマトグラフィーによ
って分析したところ、アレンの転化率は48%であり、
選択率95.5%でメタクリル酸メチルが生成した。反
応後の混合液を調べたところ、沈殿物などは全くなく、
均一であった。
【0122】実施例25 トリフェニルホスフィンに代えてジフェニルブタンホス
フィンを使用し、反応温度を150℃、反応時間を10
分間に変更した以外は、実施例1と同様にして反応させ
たところ、プロピンの転化率は25%であり、選択率9
7.0%でメタクリル酸メチルが生成した。反応後の混
合液を調べたところ、沈殿物などは全くなく、均一であ
った。
【0123】実施例26 塩化白金(II)0.2ミリモル、トリフェニルホスフィ
ン10ミリモル、ピリジン23.92ミリモル、アニソ
ール141.16ミリモルをフラスコにいれ、150℃
で加熱したところ、40時間加熱後も全く金属の析出が
観察されず、均一な触媒系が維持された。
【0124】比較例5 塩化白金(II)0.2ミリモルに代えて酢酸パラジウム
0.2ミリモルを用いる以外、実施例26と同様にして
触媒系の安定性を調べたところ、加熱後20分経過時点
で析出物が観察され、2時間加熱処理後の溶液中のパラ
ジウム濃度を分析したところ、数ppmのパラジウムし
か検出されず、大部分のパラジウムが金属として析出
し、触媒系が非常に不安定であった。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)パラジウム以外の周期表第VIII族
    金属源、(2)下記式(I) 【化1】 (式中、Aはリン原子、ヒ素原子又はアンチモン原子を
    示し、R1 、R2 およびR3 は、同一又は異なって、水
    素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基
    を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していて
    もよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロ
    アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を
    示し、R2 とR3 は互いに結合して置換基を有していて
    もよいアルキレン基を形成してもよい。ただし、R1
    3 は同時に水素原子ではない)で表される配位子、お
    よび(3)重水素化したメタノールDに対する電子供与
    度△νDが2以上の電子供与性化合物で構成されている
    カルボニル化触媒系。
  2. 【請求項2】 周期表第VIII族金属源(1)が、白金、
    コバルト、ニッケル又はロジウムである請求項1記載の
    カルボニル化触媒系。
  3. 【請求項3】 式(I)においてAがリン原子である請
    求項1記載のカルボニル化触媒系。
  4. 【請求項4】 式(I)においてR1 〜R3 のうち少な
    くとも1つが、置換基を有していてもよいアリール基で
    ある請求項1記載のカルボニル化触媒系。
  5. 【請求項5】 配位子(2)が第3有機ホスフィンであ
    る請求項1記載のカルボニル化触媒系。
  6. 【請求項6】 電子供与性化合物(3)が、アミン類、
    イミン類、アミド類エーテル類、ケトン類、エステル
    類、ラクトン類、アルデヒド類、スルホキシド類、ニト
    リル類、ニトロ類、芳香族炭化水素類および脂肪族炭化
    水素類からなる群から選択された少なくとも一種である
    請求項1記載のカルボニル化触媒系。
  7. 【請求項7】 電子供与性化合物(3)が、アミン類、
    イミン類およびアミド類からなる群より選択された塩基
    性化合物を含む請求項1又は6記載のカルボニル化触媒
    系。
  8. 【請求項8】 電子供与性化合物(3)が、さらにエー
    テル類又はエステル類を含む請求項7記載のカルボニル
    化触媒系。
  9. 【請求項9】 電子供与性化合物(3)が第二級アミン
    類又は第三級アミン類である請求項1又は7記載のカル
    ボニル化触媒系。
  10. 【請求項10】 電子供与性化合物(3)が、重水素化
    したメタノールDに対する電子供与度△νDが30〜2
    50の化合物である請求項1又は7記載のカルボニル化
    触媒系。
  11. 【請求項11】 (1)白金化合物、(2)置換基を有
    していてもよい少なくとも1つのアリール基を有する第
    3有機ホスフィン、および(3)重水素化したメタノー
    ルDに対する電子供与度△νDが50〜250の電子供
    与性化合物で構成されている請求項1記載のカルボニル
    化触媒系。
  12. 【請求項12】 電子供与性化合物が複素環式アミン又
    はアルカノールアミンである請求項11記載のカルボニ
    ル化触媒系。
  13. 【請求項13】 さらに(4)酸を含む請求項1記載の
    カルボニル化触媒系。
  14. 【請求項14】 (4)酸がプロトン酸又はルイス酸で
    ある請求項13記載のカルボニル化触媒系。
  15. 【請求項15】 プロトン酸が、アリールスルホン酸、
    アルキルスルホン酸、カルボン酸、ハロゲン化水素酸、
    硫酸、硝酸、リン酸、過ハロゲン化酸からなる群より選
    ばれた少なくとも一種である請求項14記載のカルボニ
    ル化触媒系。
  16. 【請求項16】 (1)白金化合物、(2)置換基を有
    していてもよい少なくとも1つのアリール基を有すると
    ともに、窒素含有複素環基を含まない第3有機ホスフィ
    ン、(3)重水素化したメタノールDに対する電子供与
    度△νDが2以上の電子供与性化合物および(4)プロ
    トン酸で構成されているカルボニル化触媒系。
  17. 【請求項17】 請求項1又は13記載の触媒系の存在
    下、アセチレン系不飽和化合物又はオレフィン系不飽和
    化合物と一酸化炭素とを反応させるカルボニル化方法。
  18. 【請求項18】 不飽和化合物が、α−アセチレン系化
    合物又はα−オレフィン系化合物である請求項17記載
    のカルボニル化方法。
  19. 【請求項19】 さらに脱離可能な水素原子を有する求
    核性化合物を反応させる請求項17記載のカルボニル化
    方法。
  20. 【請求項20】 求核性化合物が、水、ヒドロキシル基
    を有する化合物又はカルボン酸である請求項19記載の
    カルボニル化方法。
  21. 【請求項21】 ヒドロキシル基を有する化合物がアル
    コールである請求項20記載のカルボニル化方法。
  22. 【請求項22】 触媒系の存在下、(a)非対照のα−
    アセチレン系不飽和化合物又はα−オレフィン系不飽和
    化合物、(b)一酸化炭素、および(c)水、炭素数1
    〜20のアルコール、炭素数1〜20のカルボン酸から
    選ばれた化合物を反応させる方法であって、前記触媒系
    として、(1)パラジウムを除く周期表第VIII族金属の
    化合物、(2)置換基を有していてもよいアリール基を
    有するとともに複素環基を含まない第3有機ホスフィン
    および(3)重水素化したメタノールDに対する電子供
    与度△νDが2以上の電子供与性化合物で構成されたカ
    ルボニル化触媒系を用いるカルボニル化方法。
  23. 【請求項23】 (1)白金化合物、(2)置換基を有
    していてもよいアリール基を有するとともに複素環基を
    含まない第3有機ホスフィン(3)第二級アミン類又は
    第三級アミン類、および(4)プロトン酸で構成された
    触媒の存在下、(a)α−アセチレン系炭化水素、
    (b)一酸化炭素、および(c)水、アルコールおよび
    カルボン酸から選ばれた少なくとも1つの求核性化合物
    を反応させ、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸又は
    その誘導体を製造する方法。
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