JPH088458B2 - 演算増幅回路 - Google Patents

演算増幅回路

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JPH088458B2
JPH088458B2 JP5173031A JP17303193A JPH088458B2 JP H088458 B2 JPH088458 B2 JP H088458B2 JP 5173031 A JP5173031 A JP 5173031A JP 17303193 A JP17303193 A JP 17303193A JP H088458 B2 JPH088458 B2 JP H088458B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトランジスタを用いた広
帯域演算増幅回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】広帯域演算増幅回路として、図7に示す
ような演算増幅回路が折り返しカスコード回路として知
られている。
【0003】該折り返しカスコード回路は、電界効果型
トランジスタ(以下MOSFETと称す)を用いて、第
1の電源端子1に第1の電流源回路I1を介して共通ソ
ース端子を接続されたトランジスタ差動対3と、ゲート
B1が定電圧にバイアスされトランジスタ差動対3の第
1の出力端8にソースが接続され第1の電源端子1とド
レインの間に第2の電流源回路I2が接続され第1の出
力端子6がドレインに接続された第1のトランジスタM
1と、ゲートB2が定電圧にバイアスされトランジスタ
差動対3の第2の出力端9にソースが接続され第1の電
源端子1とドレインの間に第3の電流源回路I3が接続
され第2の出力端子7がドレインに接続された第2のト
ランジスタM2と、第1のトランジスタM1と第2の電
源端子2との間に接続された第4の電流源回路I4と、
第2のトランジスタM2と第2の電源端子2との間に接
続された第5の電流源回路I5とを備えた演算増幅回路
である。
【0004】この演算増幅回路の入力端子4に入力され
た信号は、差動入力段で反転され、トランジスタM1に
より増幅されて、出力端子6から出力される。同様に、
入力端子5に入力された信号は、差動入力段で反転さ
れ、トランジスタM2により増幅されて、出力端子7か
ら出力される。したがって、この演算増幅回路は、差動
入力信号を反転増幅して差動出力する演算増幅回路であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる演算増幅回路の
利得と位相の周波数特性(以下では、単に周波数特性と
呼ぶ)のシミュレーション波形の一例を図8に示す。
【0006】この回路では、負荷容量と、ゲート接地形
トランジスタM1およびM2で生じる極とゼロ点により
周波数特性が劣化する。
【0007】出力端子につく負荷容量が小さくなると、
利得が1(すなわち0dB)になる周波数(以下、ユニ
ティゲイン周波数と称す)が大きくなるが、その反面、
位相余裕が小さくなる。図8の例では負荷容量が、1
0、5、1、0.5、0.1pFと小さくなるにつれて
ユニティゲイン周波数はそれぞれ7、14、45、6
0、79MHzと増加する。しかし、位相余裕は85
゜、79゜、56゜、46゜、34゜と、小さくなって
しまう。
【0008】演算増幅回路がユニティゲインで安定に動
作するためには、位相余裕として最低 45゜、できれ
ば60゜程度が望まれ、位相余裕がそれ以下の値では演
算増幅回路をユニティゲインで安定に動作させることが
できなくなる(このことは、この分野の技術者にはよく
知られていることである)。
【0009】したがって、位相余裕が前述のように小さ
くなってしまうと、その条件で演算増幅回路を安定に動
作させることができなくなる。したがって、演算増幅回
路を用いた回路において、負荷容量が変化するような応
用では、従来の演算増幅回路を用いると動作条件に制約
ができる。
【0010】また、負荷容量の値にあわせた最適な設計
を行わないと安定した動作が保証されない。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上述べた課題を解決す
るための手段の要旨とするところは、以下の2項に存す
る。
【0012】[1] 第1の電流源回路を介して第1の
電源端子に共通ソース端子を接続されたトランジスタ差
動対と、前記トランジスタ差動対の第1の入力端子にゲ
ートが接続され、前記トランジスタ差動対の第1の出力
端にソースが接続され、前記第1の電源端子とドレイン
の間に第2の電流源回路が接続され、第1の出力端子が
前記ドレインに接続された第1のトランジスタと、前記
トランジスタ差動対の第2の入力端子にゲートが接続さ
れ、前記トランジスタ差動対の第2の出力端にソースが
接続され、前記第1の電源端子とドレインの間に第3の
電流源回路が接続され、第2の出力端子が前記ドレイン
に接続された第2のトランジスタと、前記第1のトラン
ジスタのソースと前記第2の電源端子との間に接続され
た第4の電流源回路と、前記第2のトラン塔Wスタと前
記第2の電源端子との間に接続された第5の電流源回路
とを備えていることを特徴とする演算増幅回路。
【0013】[2] 第1の電流源回路を介して第1の
電源端子に共通ソース端子を接続されたトランジスタ差
動対と、前記トランジスタ差動対の第1の入力端子にゲ
ートが接続され、前記トランジスタ差動対の第1の出力
端にソースが接続された第1のトランジスタと、前記ト
ランジスタ差動対の第2の入力端子にゲートが接続さ
れ、前記トランジスタ差動対の第2の出力端にソースが
接続され、出力端子にドレインが接続された第2のトラ
ンジスタと、前記第1のトランジスタのソースと前記第
2の電源端子との間に接続された第2の電流源回路と、
前記第2のトランジスタのソースと前記第2の電源端子
との間に接続された第3の電流源回路と、前記第1のト
ランジスタと前記第2のトランジスタとの能動負荷およ
び差動−シングル信号変換回路として動作するカレント
ミラー回路とを備えていることを特徴とする演算増幅回
路。
【0014】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1に示す。以下、
図1を参照して本発明について説明する。
【0015】本発明の第1の実施例の演算増幅回路は、
第1の電源端子1に第1の電流源回路I1を介して共通
ソース端子を接続されたトランジスタ差動対3と、トラ
ンジスタ差動対3の第1の入力端子4にゲートが接続さ
れ、トランジスタ差動対3の第1の出力端8にソースが
接続され、第1の電源端子1とドレインの間に第2の電
流源回路I2が接続され、第1の出力端子6がドレイン
に接続された第1のトランジスタM1と、トランジスタ
差動対3の第2の入力端子5にゲートが接続され、トラ
ンジスタ差動対3の第2の出力端9にソースが接続さ
れ、第1の電源端子1とドレインの間に第3の電流源回
路I3が接続され、第2の出力端子7がドレインに接続
された第2のトランジスタM2と、第1のトランジスタ
M1と第2の電源端子2との間に接続された第4の電流
源回路I4と、第2のトランジスタM2と第2の電源端
子2との間に接続された第5の電流源回路I5とを備え
ている。
【0016】図1の演算増幅回路は、差動入力、差動出
力の演算増幅回路で、入力端子4から出力端子6に至る
信号経路と入力端子5から出力端子7に至る信号経路は
対称的に構成されている。
【0017】入力端子4に印加された信号は差動対3を
構成するトランジスタM3で反転され、トランジスタM
1で増幅され出力端子6から出力される。それと同時
に、入力端子4に印加された信号は直接トランジスタM
1のゲートにも印加されて反転増幅され、M3およびM
1を経てきた信号と重畳されて出力端子6から出力され
る。
【0018】入力端子5に印加された信号は、入力端子
4に印加された信号と同様に、差動対3を構成するトラ
ンジスタM4で反転され、トランジスタM2で増幅され
出力端子7から出力される。それと同時に、入力端子4
に印加された信号は直接トランジスタM2のゲートにも
印加されて反転増幅され、M3およびM2を経てきた信
号と重畳されて出力端子7から出力される。
【0019】演算増幅回路全体でみると、入力端子4と
5の間に印加された差動電圧が反転増幅されて出力端子
6と7の間の差動電圧として出力される。また、図1に
示した演算増幅回路は、差動入力、差動出力であるの
で、出力端子6と7の間の同相電圧を一定にするための
同相電圧帰還回路が必要になる場合があるが、その部分
は本発明の本質ではないので、図1には示していない。
【0020】また、電流源回路は、ゲートを定電d圧バ
イアスしたトランジスタを用いることで簡単に実現でき
る。
【0021】図2に図1の電流源回路をトランジスタで
実現した例を示す。I1からI3の電流源トランジスタは
VB1にバイアスされ、I4とI5の電流源トランジスタは
VB2にバイアスされた例である。電流源回路の実現例は
当然ながら図2に示した例に限られない。
【0022】本発明の構成上の特徴は、図1と従来技術
を示す図7とを比較してみるとわかるように、従来の折
り返しカスコード形演算増幅回路で定電圧バイアスされ
ていたゲート接地形トランジスタに入力端子から直接入
力信号を印加していることである。
【0023】このことにより、周波数特性において、高
周波数で従来回路では存在しなかったゼロ点を発生さ
せ、演算増幅回路における信号の位相回転を抑制し、周
波数特性を著しく改善することができる。このゼロ点
は、入力端子4(および5)からトランジスタM1(お
よびM2)を経て出力端子6(および7)にいたる信号
経路が、差動対を構成するトランジスタM3(およびM
4)とM1を経て出力端子に至る信号経路に対してフィ
ードフォワード信号として働くことにより生じると考え
られる。
【0024】実際に図2の回路の周波数特性をシミュレ
ーションした結果を図3に示す。この波形は図7に示し
た従来回路のシミュレーションと同じように、演算増幅
回路の出力端子につく負荷容量を10、5、1、0.
5、0.1pFと変えてシミュレーションしたものであ
る。また、従来回路との比較を容易にするために、トラ
ンジスタサイズは従来回路のトランジスタサイズと同一
サイズにしてシミュレーションしている。
【0025】負荷容量が減少するにつれてユニティゲイ
ン周波数は、7、14、45、63、89MHzと増加
する。このとき位相余裕は、88゜、86゜、78゜、
74゜、69゜と若干減少するが、従来回路のように著
しい減少はしない。特に、負荷が軽くなったとき従来回
路では安定動作を保証できないほど位相余裕が小さくな
ったのに対し、0.1pFの負荷のときでも69゜と十
分安定に動作できる値である。
【0026】以上述べたように本発明では、負荷容量が
変化してもそれに影響されることのない安定な演算増幅
回路を提供することが出来る。このことは、演算増幅回
路の動作条件に関する制限を取り除き、応用範囲を広い
ものにすると同時に、負荷容量が異なるものに対しても
同一回路の演算増幅回路で対応できるので、それぞれの
負荷容量に対して最適設計をしなければならない従来回
路に比べて設計工数を低減できることにもなる。
【0027】本発明の第2の実施例を図4に示す。
【0028】かかる演算増幅回路は、第1の電源端子1
に第1の電流源回路I1を介して共通ソース端子を接続
されたトランジスタ差動対3と、トランジスタ差動対3
の第1の入力端子4にゲートが接続され、トランジスタ
差動対3の第1の出力端8にソースが接続された第1の
トランジスタM1と、トランジスタ差動対3の第2の入
力端子5にゲートが接続され、トランジスタ差動対3の
第2の出力端9にソースが接続されドレインに出力端子
6が接続された第2のトランジスタM2と、第1のトラ
ンジスタM1のソースと第2の電源端子2との間に接続
された第2の電流源回路I4と、第2のトランジスタM
2のソースと第2の電源端子2との間に接続された第3
の電流源回路I5と、第1のトランジスタM1と第2の
トランジスタM2との能動負荷および差動−シングル信
号変換回路として動作するカレントミラー回路10とを
備えている。図4に示した演算増幅回路は、図1に示し
た演算増幅回路を、カレントミラー回路10をトランジ
スタMl1およびM2の能動負荷回路として、差動出力
をシングルエンドに変換して出力する差動入力−シング
ルエンド出力の演算増幅回路である。カレントミラー回
路は図4に示した回路形式だけでなく、たとえばトラン
ジスタを2段縦積みにしたカレントミラー回路などいろ
いろな種類のカレントミラー回路が適用できる。
【0029】本発明の説明で、図1ではPMOSFET
で構成される差動対を用いた演算増幅回路について説明
したが、本発明はそれに限定されるものではない。図1
のPMOSFETとNMOSFETを入れ換えた図5の
回路形式でも同様の効果を得ることが出来る。また、本
発明について上述ではMOSFETを用いた演算増幅回
路について説明してきたが、本発明はMOSFETを用
いた演算増幅回路に限定されるものではなく、バイポー
ラトランジスタを用いても構成できる。図1の演算増幅
回路のMOSFETをバイポーラトランジスタに置き換
えた演算増幅回路を図6に示す。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、負荷容
量が変化しても位相余裕がそれに影響されることのない
安定な演算増幅回路を提供することが出来る。
【0031】このことは、演算増幅回路の動作条件に関
すキる制限を取り除き、応用範囲を広いものにすると同
時に、負荷容量が異なるものに対しても同一回路の演算
増幅回路で対応できるので、それぞれの負荷容量に対し
て最適設計をしなければならない従来回路に比べて設計
工数を低減できることにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施例を示す。
【図2】図2は本発明の第1の実施例の回路図で電流源
回路をトランジスタで示したものである。
【図3】図3は図2に示した本発明の演算増幅回路の周
波数特性のシミュレーション結果である。
【図4】図4は本発明の第2の実施例である。
【図5】図5は図2のPMOSFETとNMOSFET
を入れ換えた、本発明の第3の実施例である。
【図6】図6はバイポーラトランジスタで構成した、本
発明の第4の実施例である。
【図7】図7は従来の折り返しカスコード形演算増幅回
路を示す。
【図8】図8は図7に示した従来の演算増幅回路の周波
数特性のシミュレーション結果を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電流源回路を介して第1の電源端
    子に共通ソース端子を接続されたトランジスタ差動対
    と、 前記トランジスタ差動対の第1の入力端子にゲートが接
    続され、前記トランジスタ差動対の第1の出力端にソー
    スが接続され、前記第1の電源端子とドレインの間に第
    2の電流源回路が接続され、第1の出力端子が前記ドレ
    インに接続された第1のトランジスタと、 前記トランジスタ差動対の第2の入力端子にゲートが接
    続され、前記トランジスタ差動対の第2の出力端にソー
    スが接続され、前記第1の電源端子とドレインの間に第
    3の電流源回路が接続され、第2の出力端子が前記ドレ
    インに接続された第2のトランジスタと、 前記第1のトランジスタのソースと前記第2の電源端子
    との間に接続された第4の電流源回路と、 前記第2のトランジスタのソースと前記第2の電源端子
    との間に接続された第5の電流源回路とを備えているこ
    とを特徴とする演算増幅回路。
  2. 【請求項2】 第1の電流源回路を介して第1の電源端
    子に共通ソース端子を接続されたトランジスタ差動対
    と、 前記トランジスタ差動対の第1の入力端子にゲートが接
    続され、前記トランジスタ差動対の第1の出力端にソー
    スが接続された第1のトランジスタと、 前記トランジスタ差動対の第2の入力端子にゲートが接
    続され、前記トランジスタ差動対の第2の出力端にソー
    スが接続され、出力端子にドレインが接続された第2の
    トランジスタと、 前記第1のトランジスタのソースと前記第2の電源端子
    との間に接続された第2の電流源回路と、 前記第2のトランジスタのソースと前記第2の電源端子
    との間に接続された第3の電流源回路と、 前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとの
    能動負荷および差動−シングル信号変換回路として動作
    するカレントミラー回路とを備えていることを特徴とす
    る演算増幅回路。
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US5146179A (en) * 1991-11-29 1992-09-08 Carnegie Mellon University Fully differential operational amplifier having frequency dependent impedance division

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