JPH0884580A - 果実の乾燥装置 - Google Patents

果実の乾燥装置

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JPH0884580A
JPH0884580A JP24719694A JP24719694A JPH0884580A JP H0884580 A JPH0884580 A JP H0884580A JP 24719694 A JP24719694 A JP 24719694A JP 24719694 A JP24719694 A JP 24719694A JP H0884580 A JPH0884580 A JP H0884580A
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Kenji Hara
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Towa Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】果実を紐などに結び付ける作業を不要にして、
乾燥に供する際の準備作業を極めて能率的に行うことを
可能にし、大幅な労力の低減を図ることができる果実乾
燥装置を得る。 【構成】板材11の長手方向側端部に果実の蔓を掛け止
めるための切り込み溝12が形成されてなり、切り込み
溝12は板材の側面に対して傾斜し、開口部から奥方に
向かって徐々に間隔が狭くなっている。切り込み溝12
の内面12a、12bは、板材11の果実取付け面側が
広がる向きに面取りしてもよい。板材を厚さ方向に貫通
した丸孔とこれに連通して板材の長さ方向に延出した長
孔を形成し、丸孔の径を長孔の幅よりも大きくし、丸孔
は果実の蔓を挿入するためのものとし、長孔は果実の蔓
を掛け止めるためのものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、干柿生産農家
において大量に柿を乾燥する場合などに便利な果実の乾
燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、柿などの果実を乾燥させる場合に
は、紐や縄、又はロープや畳糸などの柔軟性のある締結
部材で一つ一つ結んで乾燥場に吊るしていた。図15は
かかる従来の果実を乾燥している状態を示したものであ
り、果実1は既に皮がむかれており、この状態で果実1
の蔓2に紐3が結び付けられることで、複数の果実1が
1列状に吊り下げられている。そして、この状態で紐の
上端部が乾燥場の梁やバーなどに結び付けられて乾燥が
行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のも
のでは、果実の蔓2を紐3で一つ一つ結ばなければなら
ないため、非能率的であり、多くの労力と時間を要して
いた。特に果実を生産している農家では、限られた期間
内に大量に処理しなければならないため、1つ1つの蔓
を紐などで結び付けていたのでは時間がかかりすぎる
し、また果実同士が接触しないよう手際よく結び付ける
ことは熟練を要する作業であった。さらに、果実1を紐
3で吊るした場合、紐3が果実1に当たって食い込んで
しまい、果実が腐食したり、果実に紐の跡が残ってしま
い外観上も好ましくないという問題もあった。
【0004】本発明は、かかる従来の問題点を解決する
ためになされた発明であって、果実を紐などに結び付け
る作業を不要にして、乾燥に供する際の準備作業を極め
て能率的に行うことを可能にし、大幅な労力の低減を図
ることができるようにした果実の乾燥装置を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、板材の長手方向側端部に果
実の蔓を掛け止めるための複数の切り込み溝が形成され
てなり、この切り込み溝は板材の側面に対して傾斜する
と共に、上記切り込み溝は開口部から奥方に向かって徐
々に間隔が狭くなるように形成した。切り込み溝の内面
は、請求項2記載のように板材の果実取付け面側が広が
る向きに面取りしてもよいし、また請求項3記載のよう
に板材の長手方向方向中央部に果実のへたと当接するリ
ブを形成し、このリブを横切るようにして切り込み溝を
形成してもよい。
【0006】請求項4記載の発明は、板材を厚さ方向に
貫通して孔が複数形成されており、これらの孔は丸孔と
これに連通して板材の長さ方向に延出した長孔からな
り、上記丸孔の径を上記長孔の幅よりも大きくすると共
に、上記丸孔を果実の蔓を挿入するためのものとし、上
記長孔を果実の蔓を掛け止めるためのものとした。ま
た、請求項5記載のように長孔は丸孔から遠ざかるにし
たがって徐々に狭くなるように形成してもよい。
【0007】また、請求項6記載の発明のように板材を
厚さ方向に貫通して孔が複数形成するとともに、この孔
に連通した切り込みを形成してもよい。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明によれば、切り込み溝には
果実の蔓が引っ掛けられて果実が保持される。切り込み
溝の開口部は溝の奥方よりも幅が広くなっているため、
容易に果実を引っ掛けることができるし、蔓の形にかか
わらず簡単に引っ掛けることができる。切り込み溝は板
材の側面に対して傾斜していると共に、先端の幅が狭く
なっていることから、蔓は切り込み溝に挾持されて溝か
ら外れることはない。また、請求項2記載の発明によれ
ば、切り込み溝の内面を板材の果実取付け面側が広がる
向きに面取りしたため、切り込み溝に果実の蔓を引っ掛
けたとき、蔓が切り込み溝のエッジに食い込み、蔓が切
り込み溝からはずれるおそれが少なくなり、また果実取
付け面側のエッジで蔓が切断されるおそれが少なくな
る。請求項3記載の発明によれば、果実のへたがリブに
当接し、果実自体が直接板材に接触することはないか
ら、果実の板材との接触部分が腐食することはない。
【0009】請求項4記載の発明によれば、丸孔は長孔
よりも径が大きいため果実の蔓を容易に差し込むことが
できる。長孔は径が小さいため果実の蔓を挾むようにし
て保持することができる。さらに、請求項6記載の発明
によれば、孔に連通して形成された切り込みは、孔に果
実の蔓が挿入されると広がって、果実の蔓を容易に係合
させることができるようにする。
【0010】
【実施例】以下、本発明にかかる果実の乾燥装置の実施
例を図面を用いて説明する。図1ないし図4において、
帯状をしたプラスチックからなる板材11には、その長
手方向の左右両端に切り込み溝12が千鳥状に複数形成
されている。切り込み溝12は、果実を保持したときに
果実同士が互いに重なりあわないように適宜の間隔をお
いて形成されている。また、切り込み溝12は板材11
の側面に対して直角方向ではなく、板材11の幅方向中
心に向かって下方に傾斜して形成されると共に、板材1
1の側面に形成された開口部から奥方に向かって徐々に
間隔が狭くなるようにV字状に形成されている。
【0011】上記板材11は図1の紙面手前側が果実取
付け面となっており、上記切り込み溝12の上側の内面
12aと下側の内面12bは板材11の果実取付け面側
が広がる向きに面取りされている。なお、上記切り込み
溝12は、下側の内面12bの板材11の側面に対する
傾斜角θ1を本実施例では60°に設定しているがかか
るθ1の角度は70°〜50°の範囲で設定することが
好ましい。また上側の内面12aと下側の内面12bの
開き角θ2は10°〜20°の範囲で設定することが好
ましい。さらに、図6に示すように切り込み溝12の裏
面側の傾斜角θ3は70°〜50°の範囲で設定するこ
とが好ましく、本実施例では60°に設定されている。
もっとも、これらの傾斜角及び開き角は上記実施例に限
定されるものではない。
【0012】上記板材11の上端部には部分円弧状の掛
け止め部13が板材11から上方に延出して一体に形成
されている。一方、板材11の下端部には縦長の係合孔
14が形成されている。上記掛け止め部13は乾燥場の
バーや釘などに掛け止めして板材11を吊るしたり、ま
た別の板材11の係合孔14に掛け止めすることで複数
の板材11を連結するためのものである。なお、掛け止
め手段とはこれに限定されるものではなく、板材11の
上下両端部に孔を形成し、この孔にC字状のリングを介
して吊り下げや連結を行うようにしてもよい。後述の図
10に示す実施例はその例である。
【0013】次に、上記果実の乾燥装置の使用方法につ
いて説明する。図1ないし図4において、上記のように
構成された板材11の切り込み溝12に、その側部の開
口から果実15の蔓16を挿入する。このとき、板材1
1の果実取付け面側、即ち図1において紙面手前側に果
実15を位置させてその蔓16を切り込み溝に挿入す
る。次に、挿入された蔓16を切り込み溝12の奥方に
向かって移動させる。切り込み溝12は奥方にいくにし
たがって徐々に間隔が狭くなっていることから、蔓16
が切り込み溝12の上下の内面12a、12bに挾み込
まれて引っ掛かり、これにより果実15が保持される。
【0014】なお、果実15は板材11の表面又は裏面
の一面側のみに取り付けてもよいが、図5に示すように
表面側と裏面側とで交互に取りけてもよい。これによ
り、千鳥状に形成された切り込み溝12の間隔を狭くし
ても果実15同士が接触することを防止することができ
るため、1つの板材11でより多くの果実15を保持す
ることができる。ただし、切り込み溝間内面を面取りす
るとすれば、板材の果実取付け面側が広がる向きに面取
りすることが条件となる。
【0015】上記板材11に果実15を取り付けた状態
で乾燥場に移動し、図2に示すように掛け止め部13を
所定のバー18などに掛け止めて板材11を吊るすこと
ができる。また、板材11を掛けておくスペースが限ら
れる場所や、一度に大量の果実を処理する場合などには
一方の係合孔14に他方の係合部13を係合させて複数
の板材を連結させて使用してもよい。なお、板材11を
吊るすには、係合部13をバーに係合させるだけでな
く、釘や梁などに係合させてもよい。
【0016】乾燥が終わった果実を板材11から取り外
すときには、一つ一つの果実を切り込み溝12から取り
外してもよいが、板材11自体を上下逆にして軽い衝撃
を加えることにより一度に取り外すことができる。果実
を一つ一つ取り外しても、蔓を切り込み溝12から取り
外すだけでよく、従来のように結び目を解く必要が内か
ら、作業の能率が大幅に改善される。
【0017】以上説明した図1ないし図4に示す果実の
乾燥装置の実施例によれば、板材11の長手方向両端部
に切り込み溝12を設けたことから、切り込み溝12に
蔓16を引っ掛けるだけで果実15を吊るしておくこと
ができるし、また取外しも切り込み溝12から果実15
の蔓16を外すだけでよいことから、紐などにより果実
の蔓を結んで連結させる場合よりも作業は極めて簡単で
あり、作業性の向上を図ることができる。また、切り込
み溝12はその開口から板材11の幅方向中心に向かっ
て下方に傾斜して形成されていると共に、切り込み溝1
2は奥方にいくにしたがって間隔が狭くなっていること
から、果実15を取り付けた後に乾燥場に運ぶ際などに
外力を受けても、蔓16が切り込み溝12からはずれる
ことはなく、安定して果実15を保持することができ
る。
【0018】また、切り込み溝12は板材11の側部に
開口を有していることから、図4(a)に示したように
例えば蔓16の形状がT字状の場合や図4(b)に示し
たようにL字状となっている場合、また蔓16の径が特
に大きい場合など、蔓16の形状が不均一な場合であっ
ても簡単にひっかけることができ、蔓16の形状によっ
て作業に支障をきたすことがなく、作業性が低下するこ
とはない。
【0019】さらに、切り込み溝12の内面12a、1
2bは、果実取付け面側が広がる向きに面取りしたこと
から、切り込み溝12に果実15の蔓16を引っ掛けた
とき、蔓16が切り込み溝12のエッジに食い込み、蔓
16が切り込み溝12からはずれて落下することを防止
することができ、かつ、果実取付け面側のエッジで蔓1
6が切れることを防止することができる。
【0020】なお、上記実施例においては、板材11は
プラスチック等の樹脂材ににより形成していたが、鋼板
を用いて形成してもよく、特にステンレス鋼板を用いれ
ば上記実施例の場合同様に、板材11がさびることもな
く繰り返し使用することができ、経済的である。
【0021】次に、本発明にかかる別の実施例について
図7ないし図9を用いて説明する。なお、上記図1ない
し図6に示す実施例と同様の構成については同一の符号
を付して説明を省略する。図7ないし図9に示した例
は、板材11の長手方向の中央部に幅方向中心部の表面
を長さ方向にわずかに盛り上げることによりリブ19を
形成したものである。そして、このリブ19を横切るよ
うにして切り込み溝12が形成されており、この切り込
み溝12に果実の蔓を引っ掛けて保持したとき、図8に
示すように果実のへたの部分が上記リブ19に当接する
ようになり、果実15と板材11とは直接当接せず、そ
の間には僅かな隙間が形成されるようになっている。な
お、図7ないし図9に示す実施例の果実乾燥装置の使用
方法は、上記図1ないし図4に示す実施例の場合と同様
である。
【0022】上記図7ないし図9に示した実施例によれ
ば、板材11の長手方向両端部に切り込み溝12を設
け、この切り込み溝12を板材の側面に対して傾斜する
と共に、開口部から奥方に向かって徐々に間隔が狭くな
るように形成したことから、上記図1ないし図4に示す
実施例と同様の効果を奏することができる。
【0023】また、上記図7ないし図9に示す実施例に
よれば、板材11の長手方向中央部にリブ19を形成す
ると共に、このリブ19を横切るようにして切り込み溝
12を形成したことから、果実はそのへたの部分でリブ
19と当接し、果実15が直接板材11には触れず、果
実15が板材11に触れて腐食したり変形したりするこ
とを防止することができる。
【0024】さらに、上記図7ないし図9に示す実施例
によれば、板材11の長手方向中央部にリブ11を形成
したことから、板材11の剛性を向上させることがで
き、より安定して果実を保持することができる。また、
リブ11を板材の両端部にも設けるようにすれば、より
一層板材の剛性が向上し、安定して果実を保持すること
もできる。
【0025】次に、本発明にかかる別の実施例について
図10を用いて説明する。図10において、プラスチッ
クなどの樹脂材からなる板材21は、横断面V字状に形
成されており、その長手方向の左右両端部には千鳥状に
切り込み溝22が複数形成されている。この切り込み溝
22は、上記図1に示した切り込み溝と同様であって、
板材21の側面に対して下方に傾斜すると共に、開口部
から奥方にいくに従って徐々に間隔が狭くなるようにV
字状に形成されている。そして、切り込み溝22の上下
の内面22a、22bは果実取付け面であるは紙面手前
側が広がる向きに面取りされている。
【0026】板材21の上下両端部には、縦長の係合孔
24がそれぞれ形成されている。係合孔24にはC字状
をしたリング23が係合されるようになっており、この
リング23を所定のバーや梁などに引っ掛けることによ
り板材21を乾燥場に吊るすことができるし、また複数
の板材21連結させて使用することができる。
【0027】上記図10に示した乾燥装置の使用方法
は、上記図1に示した実施例と同様であり、切り込み溝
22に果実の蔓を引っ掛けて図10において手前側の面
に果実が位置するようにする。切り込み溝22の内面2
2bは紙面奥側から手前側に向かって広がる向きに面取
りされていることから、この切り込み溝22の内面22
b面に沿って果実の蔓が保持されることになる。
【0028】以上説明した図10に示す実施例によれ
ば、断面V字状をした板材21の左右両端部の長手方向
に切り込み溝22を複数形成したことから、上記図1に
示した実施例と同様の効果を奏することができる。ま
た、図10に示す実施例によれば、板材21が断面V字
状に形成されていることから、単に帯状とするよりも板
材21の剛性が向上し、より安定して果実を吊るしてお
くことができる。さらに、図10に示す実施例によれ
ば、千鳥状に配列された切り込み溝22の長手方向の間
隔を狭くすることができるため、上記図1に示す実施例
と同様に多くの果実を取り付けることができるし、果実
を同一面側に取り付ければよいことから、板材の表面、
裏面と交互に果実を付ける時のように板材21を回しな
がら果実を取り付ける必要はなく、よりいっそう作業性
を向上させることができる。
【0029】なお、上記実施例においては、板材21は
プラスチック等の樹脂材ににより形成していたが、鋼板
を用いて形成してもよく、特にステンレス鋼板を用いれ
ば上記実施例の場合同様に、板材21がさびることもな
く繰り返し使用することができ、経済的である。
【0030】次に、図11に示す実施例について説明す
る。図11において、プラスチックなどの樹脂材からな
る帯状の板材31には、その幅方向中央部に一定間隔で
果実の蔓を挿入し引っ掛ける孔32が形成されている。
孔32は丸孔32aとこれに連通して下方に延出した長
孔32bにより形成されいる。上記丸孔32aの径は長
孔32bの幅よりも大きくなっている。上記丸32aは
果実の蔓を挿入するためのものであり、上記長孔32b
は上記丸孔3aから挿入された果実の蔓を挾みこんで掛
け止めるためのものである。
【0031】一方、板材31の上端部はバー35に巻き
つくように折り返され、1つの孔32とこれに隣接する
孔32とを合致させて止めねじ34の頭部とナットで挾
み込むことにより、板材31がバー35に連結されてい
る。もっとも板材31の取付け構造は任意であり、例え
ば上記図1又は図10に示すような構造としてもよい
し、バー35に直接釘を打つことにより固定してもよい
し、またバー35に設けたフックなどにひっかけてもよ
い。また必ずしもバー35を用いる必要はなく、果実乾
燥場の梁などに直接取り付けてもよいし、上記図10に
示す実施例のようにリングを用いてバーなどと係合させ
るようにしてもよい。
【0032】上記のような果実の乾燥装置を用いる場
合、長孔32bが丸孔32aよりも下方に位置するよう
に板材31を取付け、板材31の一面側に、又は表面側
と裏面側とに交互に果実を取り付ける。取付け方として
は、果実の蔓を丸孔32aから差し込んで、長孔32b
に落し込み、長孔32b内に蔓を挾み込んで掛け止め
る。この際、丸孔32aの径が長孔32bの幅方向の径
よりも大きく形成されていることから、果実の蔓を孔3
2aに差し込むことは容易にできるし、果実の蔓を長孔
32bに落し込めばその蔓が長孔32bに引っ掛り果実
が保持されることとなる。また、逆に果実を取り外すと
きには一つ一つの果実を孔32から抜いて取り外しても
よいが、板材31自体を上下逆にして軽い衝撃を加える
ことにより一度に取り外すことができる。
【0033】以上のように図11に示す実施例によれ
ば、板材31の長手方向中央部に孔32を形成し、この
孔32に果実の蔓をひっかけて果実を保持するようにし
たことから、孔32に果実の蔓を引っ掛けるだけで果実
を吊るすことができるし、また取外しも孔32から果実
の蔓を外すだけでよいことから、紐などにより果実を吊
るす場合よりより作業が簡単となり、作業性を向上させ
ることができる。また、長孔32bは丸孔32aより幅
方向の径が小さいことから、取り付けた後に乾燥場に運
ぶ際などに外力を受けても蔓が孔32からはずれること
はなく、安定して果実を保持することができる。なお、
上記長孔32bは、下方にいくに従って間隔が狭くなる
ようにV字状に形成してもよい。これにより一層確実に
果実を保持することができる。
【0034】上記実施例においては、板材31はプラス
チック等の樹脂材により形成していたが、鋼板を用いて
形成してもよく、特にアルミ鋼板を用いれば上記実施例
の場合同様に、板材31がさびることもなく繰り返し使
用することができ、経済的である。ちなみに、上記板材
31は、本出願人が先に特許出願した特願平5−165
255号の明細書及び図面に記載された垂直部材と同じ
構成のものである。上記出願に係る上記垂直部材は果実
を串刺しにした串を掛け止めるためのものであったが、
上記垂直部材には直接果実を掛け止めることができると
の着想のもとに本発明の一実施例とした。
【0035】次に、図12に示す実施例について説明す
る。図12においてプラスチックなどの樹脂材からなる
板材41には長手方向に孔42、43、44が列設され
ており、これらはそれぞれ別の形態を示したものであ
る。これらの各孔には、この孔に連通した切り込み42
a、43a、44aが形成されている。その一例として
孔42には上下及び左右方向の合わせて4ヵ所にそれぞ
れ切り込み42aが形成されている。また、別の例とし
て孔43には上下に切り込み43aが形成されている。
また孔44には左右に切り込み44aを形成してもよ
い。
【0036】このように形成された孔42、43、44
には、果実の蔓の先端部分が挿入される。果実の蔓が挿
入されると、図12に示すように、孔42、43、44
は蔓の先端部の大きさに応じて、孔42、43、44が
切り込み42a、43a、44aの分だけ拡大する。一
方、孔42、43、44は樹脂材などの弾性材により構
成されているため、その弾性力により収縮しようとする
ので、孔の端面が蔓先端部を挾持するようになり、これ
により果実の蔓が孔42、43、44で保持されるよう
になる。
【0037】以上のように図12、図13に示す実施例
においても、果実を吊るすには、板材41に形成された
孔42、43、44に果実の蔓を挿入するだけでよいこ
とから、一つ一つの蔓を紐で結んでいくような煩わしさ
はなく、作業性が向上する。また、板材41は樹脂材な
どの弾性部材で形成されていることから、孔42、4
3、44の端部のエッジで蔓を切断する恐れはないし、
また果実自体に対して傷付けることは少ないので、果実
が落ちてしまったり、腐食したりすることを防止するこ
とができる。
【0038】なお、上記各実施例に示した板材は、これ
をバーなどに係合させ吊るすようにしたが、図14に示
すように所定の支柱50と支柱50との間に上記各実施
例の板材51をかけ渡して果実15をひっかけるように
してもよい。このようにすれば、果実はまったく板材に
触れることはないから乾燥された果実の品質の向上を図
ることができる。また、上記実施例は柿の乾燥について
説明したが、本願発明は柿の乾燥のみに限られるもので
はなく、その他の果実の乾燥にも用いることができるも
のである。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、板材の長手方向側端部
に切り込み溝を形成したことから、この切り込み溝に果
実の蔓を引っ掛けるだけで果実を吊るしておくことがで
きるし、また取外しも切り込み溝から果実の蔓を外すだ
けでよいことから、紐などにより果実の蔓を結んで連結
させ必要がなく、作業は極めて簡単で作業性の向上を図
ることができる。また、切り込み溝は板材の側面に対し
て傾斜すると共に、開口部から奥方に向かって徐々に間
隔が狭くなるように形成されていることから、板材に果
実を取り付けた後に乾燥場に運ぶ際などに外力を受けた
としても、蔓が切り込み溝からはずれることはなく、安
定して果実を保持することができる。さらに、切り込み
溝は板材の側部に開口を有していることから、蔓形状が
不均一な場合であっても簡単にひっかけることができ、
蔓の形状によって作業に支障をきたすことがなく、作業
性が低下することはない。
【0040】本願請求項2記載の発明によれば、切り込
み溝の内面は、板材の果実取付け面側が広がる向きに面
取りされ、この面取りされた面に沿って果実の蔓を引っ
掛けるようにしたことから、裏面側のエッジで蔓を確実
に掛け止めることができるし、蔓が切り込み溝の表側の
エッジで切断されて落下することを防止できる。
【0041】本願請求項3記載の発明によれば、板材の
長手方向中央部にリブを形成すると共に、このリブを横
切るようにして切り込み溝を形成したことから、果実は
そのへたの部分でリブに当接し、果実が直接板材には触
れず、果実が板材に触れて腐食したり変形したりするこ
とを防止することができる。また、板材の長手方向中央
部にリブを形成したことから、板材の剛性を向上させる
ことができ、より安定して果実を保持することができ
る。
【0042】本願請求項4記載の発明によれば、板材の
長手方向に丸孔と、これに連通し、かつ上記丸孔よりも
幅方向の径が小さい長孔を形成して、この長孔により果
実の蔓を保持するようにしたことから、長孔に果実の蔓
を引っ掛けるだけで果実を吊るすことができるし、また
取外しも孔から果実の蔓を外すだけでよいことから、紐
などにより果実の吊るす場合よりより作業が極めて簡単
となり、作業性を向上させることができる。また、長孔
は丸孔より幅方向の径が小さいことから、板材に果実を
取り付けて乾燥場に運ぶ際などに外力を受けても、蔓が
孔からはずれることはなく安定して果実を保持すること
ができる。
【0043】本願請求項5記載の発明によれば、上記長
孔は丸孔から遠ざかるに従って徐々に狭くなるように形
成されていることから、より一層確実に果実の蔓を保持
することができる。
【0044】本願請求項6記載の発明によれば、板材の
厚さ方向に貫通して孔が形成され、この孔を中心として
この孔に連通した切り込みを複数個形成し、この孔に果
実の蔓を挿入して保持したことから、果実の蔓を孔に挿
入するだけで果実を吊るすことができ、作業性が向上す
る。また、板材は樹脂材などの弾性部材で形成されてい
ることから、孔の端部のエッジで蔓を切断する恐れはな
いし、また果実自体に対して傷付けることは少ないの
で、果実が落ちてしまったり、腐食したりすることを防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる果実の乾燥装置の一実施例を示
す斜視図。
【図2】上記実施例の果実の乾燥装置に果実を吊るした
状態を示す側面図。
【図3】上記実施例において切り込み溝と果実の蔓の係
合状態を示した断面図。
【図4】蔓の形状が不均一な果実を上記実施例にかかる
果実の乾燥装置で保持した状態を示す正面図。
【図5】本発明に適用可能な切り込み溝を形成した板材
の両面に果実を保持した状態を示す側面図。
【図6】上記実施例の果実乾燥装置の切り込み溝を示し
た側面図。
【図7】本発明にかかる果実の乾燥装置の別の実施例を
示す正面図。
【図8】上記実施例において切り込み溝と果実の蔓の係
合状態を示した断面図。
【図9】上記実施例の果実乾燥装置の底面図。
【図10】本発明にかかる果実の乾燥装置の別の実施例
を示す斜視図。
【図11】本発明にかかる果実の乾燥装置のさらに別の
実施例を示す斜視図。
【図12】本発明にかかる果実の乾燥装置のさらに別の
実施例を示す正面図。
【図13】同上実施例における果実の係合状態を示した
断面図。
【図14】本発明にかかる果実の乾燥装置の別の使用方
法を示した正面図。
【図15】従来の果実の乾燥に供する態様の例を示した
正面図。
【符号の説明】
11 板材 12 切り込み溝 12a 切り込み溝内面 12b 切り込み溝内面 21 板材 22 切り込み溝 22a 切り込み溝内面 22b 切り込み溝内面 31 板材 32 孔 32a 丸孔 32b 長孔 41 板材 42 孔 42a 切り込み 43 孔 43a 切り込み 44 孔 44a 切り込み
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、板材の長手方向側端部に果
実の蔓を掛け止めるための複数の切り込み溝が形成され
てなり、この切り込み溝は板材の側面に対して傾斜する
と共に、上記切り込み溝は開口部から奥方に向かって徐
々に間隔が狭くなるように形成した。切り込み溝の内面
は、請求項2記載のように板材の果実取付け面側が広が
る向きに面取りしてもよいし、また請求項3記載のよう
に板材の長手方向中央部に果実のへたと当接するリブを
形成し、このリブを横切るようにして切り込み溝を形成
してもよい。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板材の長手方向側端部に果実の蔓を掛け
    止めるための複数の切り込み溝が形成されてなり、この
    切り込み溝は板材の側面に対して傾斜すると共に、上記
    切り込み溝は開口部から奥方に向かって徐々に間隔が狭
    くなるように形成されている果実の乾燥装置。
  2. 【請求項2】 切り込み溝の内面は、板材の果実取付け
    面側が広がる向きに面取りされてなる請求項1記載の果
    実の乾燥装置。
  3. 【請求項3】 板材の長手方向方向中央部に果実のへた
    と当接するリブが形成されてなり、切り込み溝が上記リ
    ブの位置まで至っている請求項1記載の果実乾燥装置。
  4. 【請求項4】 板材を厚さ方向に貫通して孔が複数形成
    されており、これらの孔は丸孔とこれに連通して板材の
    長さ方向に延出した長孔からなり、上記丸孔の径が上記
    長孔の幅よりも大きくなっており、上記丸孔は果実の蔓
    を挿入するためのものであり、上記長孔は果実の蔓を掛
    け止めるためのものである果実の乾燥装置。
  5. 【請求項5】 長孔は丸孔から遠ざかるにしたがって徐
    々に狭くなるように形成されている請求項4記載の果実
    の乾燥装置。
  6. 【請求項6】 板材を厚さ方向に貫通して孔が複数形成
    され、この孔に連通した切り込みが形成されてなる果実
    の乾燥装置。
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