JP3409048B2 - 干果製造用果吊り具 - Google Patents

干果製造用果吊り具

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JP3409048B2 JP29542899A JP29542899A JP3409048B2 JP 3409048 B2 JP3409048 B2 JP 3409048B2 JP 29542899 A JP29542899 A JP 29542899A JP 29542899 A JP29542899 A JP 29542899A JP 3409048 B2 JP3409048 B2 JP 3409048B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、干し柿を作る
際に皮をむいた生柿を吊るすための果吊り具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】干し柿を作るには、天日で数日間にわた
って乾燥させて作る場合と、乾燥機内に入れ、温風を吹
き付けて機械乾燥させて作る方法等が用いられている。
何れの場合も、皮をむいた生柿を適宜な手段で沢山吊り
下げ、これを一度に乾燥させている。その皮をむいた生
柿を沢山吊り下げる手段としては、例えば実開昭52−
68494号、実開昭61−125290号、特開平6
−133719号等で見ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例のうち、実
開昭52−68494号で知られる吊り下げ手段では、
柿のヘタより延びている枝を、麻糸等で撚られている紐
の間に通し、その反対側で枝にクリップを装着して抜け
止めさせて取り付ける方法が取られている。この方法で
は、撚られている紐の間に枝を通すので作業が面倒な問
題点があった。
【0004】次に、実開昭61−125290号で知ら
れる吊り下げ手段では、枠状に形成された干し器本体
に、複数の生柿を串刺しさせた干し棒の両端を係合させ
て取り付ける方法が取られており、干し器本体は自由に
向きが変えられない状態になっている。この方法では風
や陽当たりにむらが生じて安定した品質が得られない。
また、干し器本体の大きさが固定され、製造場所に応じ
て長さ等の大きさを簡単に変えることができないと言う
問題点があった。
【0005】次に、特開平6−133719号で知られ
る吊り下げ手段では、柿のヘタより延びている枝を係合
させて取り付ける保持体を、剛性を有した吊り体に略等
間隔で複数取り付け、その保持体に生柿をそれぞれ係合
させて吊るす方法、及び上端にフックを取り付けた可撓
性を有する紐の途中に保持体を略等間隔で複数取り付
け、その保持体に生柿をそれぞれ係合されて吊るす方法
等が開示されている。このうち、剛性を有した吊り体に
取り付けた保持体に生柿をそれぞれ係合させて吊るす方
法では、吊り体の大きさが固定されており、製造場所に
応じて長さ等の大きさを簡単に変えることができないと
言う問題点があった。一方、上端にフックを取り付けた
可撓性を有する紐の途中に保持体を略等間隔で複数取り
付け、その保持体に生柿をそれぞれ係合されて吊るす方
法では、紐に対して保持体を後から取り付ける必要があ
り、作業が面倒で、また紐に対する保持体の固定が十分
でないと柿の位置が保持体と共に上下方向に延びてしま
うと言う問題点があった。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は汎用性に富んで安価に提供でき、
かつ品質の優れた干果を作ることが可能な干果製造用
吊り具を提供することにある。さらに、他の目的は、以
下に説明する内容の中で順次明らかにして行く。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、図面に例示される如く紐2に取り付けられて
生の柿等の果50を吊るす樹脂製の吊り具本体3からな
る干果製造用果吊り具において、前記吊り具本体3は、
略平板状をなし、前記果50のヘタ51より延びている
枝52が差し込まれる開口部4と、該開口部4より下方
に向かって略楔状に切り込み形成されている溝5と、前
記溝5内に差し込まれた前記枝52に対して弾発力を付
与するためのスリット状の開口7,8と、下側に突出さ
れて前記枝を介して取り付けられた前記果が前記紐と当
接しないようにする鍔状のガード部11とを一体に形成
していることを特徴としている。
【0008】
【作用】この構成によれば、吊り具本体3は開口部4よ
り下方へ形成された溝5及びスリット状の開口7,8を
有し、開口部4から溝5内に差し込まれてくる枝52を
開口7,8の存在により弾性的に挟持して確実に保持可
能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。図1乃至図6は本発明の一実施例とし
て示す干果製造用果吊り具の要部構造を示すもので、図
1はその側面図、図2はその斜視図、図3は図1のA−
A線に沿って縦断面して見た側面図、図4は図1のB−
B線に沿って縦断面して見た側面図、図5は図1のC−
C線に沿って水平断面して見た上面図、図6は図1のD
−D線に沿って水平断面して見た上面図である。
【0010】図1乃至図6において、この果吊り具1
は、一本の可撓性を有した紐2に吊り具本体3が略等間
隔で固定して取り付けられ、この吊り具本体3を取り付
けた紐2を図示せぬ治具に巻き付けておき、必要な長さ
に切断して使用できる構造になっている。
【0011】さらに詳述すると、紐2は、ポリエステル
繊維を撚って自由に折り曲げ、あるいは結んだりするこ
とが可能な状態に形成されている。要は可撓性を有した
より紐であれば良い。一方、吊り具本体3は、樹脂製で
あり、全体として縦に細長い四角形をした偏平板ないし
は略平板状に形成されている。また、その成型時には、
この吊り具本体3の片側に偏った位置で、かつ吊り具本
体3を上下方向に貫通した状態にして上記紐2がインサ
ートされ、このインサートによって吊り具本体3が紐2
に固定して取り付けられる。そして、この紐2は、吊り
具本体3を成形する毎に所定量だけずらされ、そのずら
された位置で新たに吊り具本体3を成形することによっ
て、一本の紐2上に複数の吊り具本体3が略等間隔で固
定して取り付けられた状態になっている。紐2に対する
複数個の吊り具本体3の固定は、吊り具本体3の成形時
に紐2をインサート成形する方法以外であってもよく、
例えば樹脂の溶融を利用した熱かしめなどで行なうこと
も可能である。
【0012】ここで、吊り具本体3には、干果としての
柿50のヘタ51より延びている枝52を差し込むため
の開口部4が上部に形成されており、また開口部4より
連続して下方に延ばされた溝5が設けられている。な
お、この溝5は下方に進むに従って序々に幅が狭くなる
楔状に形成されており、開口部4側では枝52の外径よ
りも十分大きく、下方では枝52の外径よりも十分小さ
く形成されており、開口部4側から差し込まれて来た枝
52を係合させて保持できる状態になっている。加え
て、溝5の内面は、内側に進むに従って尖るエッジ部6
がほぼ溝5の内面全体にわたって形成されており、溝5
内に差し込まれて来る枝52にエッジ部6が食い込いで
係合できる構造になっている。また、溝5の外側には、
この溝5に沿ってスリット状の開口7,8が形成されて
いる。そして、この開口7,8を設けたことによって、
溝5の部分では、開口部4側より枝52が差し込まれて
来たときに、この溝5と開口7,8との間の部分9,1
0を開口7,8側に弾性変形させ、この溝5内に枝52
を弾性的に保持することができる。なお、開口8と連続
して形成されている開口部分12は、吊り具本体3を成
形するときに、図示せぬ成形型内で紐2をずれないよう
に保持する治具(不図示)が挿入される部分である。さ
らに、吊り具本体3の下部で、かつ紐2を中心として、
この周囲に、吊り具本体3より略直角に突出して鍔状に
形成されたガード部11が吊り具本体3と一体に形成さ
れている。
【0013】そして、このように形成されている果吊り
具1を用いて柿50を吊るす場合について説明する。先
ず、吊り具1を竿等に吊るす場合は、図7に示すよう
に、吊り具1の先端を竿60の外側に回し、最初の吊り
具本体3を横にして2番目の吊り具本体3の開口部4及
び溝5内を通し、貫通した後で最初の吊り具本体3の向
きを約90度水平に変えて、この最初の吊り具本体3を
2番目の吊り具本体3に抜け止め係合させると、最初の
吊り具本体3と2番目の吊り具本体3との間に形成され
たループ部20で吊り具1を吊るすことができる。ま
た、吊るした後は、必要な長さで切断される。こうし
て、竿60の必要とする箇所に、吊り具1を順次取り付
ける。
【0014】次に、柿50を吊るす場合は、皮がむかれ
た生の柿50の枝52を開口部4内に差し込み、次いで
柿50を吊り具本体3と平行に下側に移動させ、枝52
を溝5内に圧入する。すると、溝5内でエッジ部6が枝
52に食い込み、かつ弾性的に挟持された状態で、吊り
具本体3に柿50が係合され、この吊り具本体3及び紐
2を介して柿50を竿60に吊るすことができる。図8
は、このようにして吊り具本体3に柿50が取り付けら
れている状態を示している。また、この状態では、図6
に示すように、吊り具本体3のガード部11が柿50に
直接当たるようにして、紐2が柿50に直接当たって柿
50に傷を付けないようにして商品価値を保護してい
る。さらに、紐2がより紐を使用しているので、複数個
の柿50を吊るすと紐のよりが変化して各柿50が異方
向に位置することから、各柿50が一方向に向くことも
防止される。
【0015】なお、上記実施例では、ポリエステル繊維
を撚って形成してなる紐2を使用した場合について説明
したが、これ以外にも木綿糸や麻糸等を撚って形成した
ようなものであっても差し支えないものである。
【0016】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
吊り具本体が開口部より下方へ形成された溝及びスリッ
ト状の開口を有し、開口部から溝内に差し込まれてくる
果の枝を開口の存在により弾性的に挟持し確実に保持す
ることができる。なお、保持力を更に上げるには、請求
項2の如く溝がエッジ部を有しそのエッジ部の食い込み
力を利用したり、請求項3の如く開口を溝の両側に設
け、枝が差し込まれて来たときに、溝と各開口との間の
部分を弾性変形することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例として示す干果製造用吊り具
の要部構成を示す側面図である。
【図2】本実施例に係る吊り具の要部構成を示す斜視図
である。
【図3】図1のA−A線に沿って縦断面して見た側面図
である。
【図4】図1のB−B線に沿って縦断面して見た側面図
である。
【図5】図1のC−C線に沿って水平断面して見た上面
図である。
【図6】図1のD−D線に沿って水平断面して見た上面
図である。
【図7】本実施例に係る吊り具の使用説明図である。
【図8】本実施例に係る吊り具の使用説明図である。
【符号の説明】
1は果吊り具 2は紐 3は吊り具本体 4は開口部 5は溝 6はエッジ部 7と8はスリット状の開口 50は柿(果) 51はヘタ 52は枝

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紐に取り付けられて生の柿等の果を吊る
    す樹脂製の吊り具本体からなる干果製造用果吊り具にお
    いて、 前記吊り具本体は、略平板状をなし、前記果ヘタより
    延びている枝が差し込まれる開口部と、該開口部より下
    方に向かって略楔状に切り込み形成されている溝と、前
    記溝内に差し込まれた前記枝に対して弾発力を付与する
    ためのスリット状の開口と、下側に突出されて前記枝を
    介して取り付けられた前記果が前記紐と当接しないよう
    にする鍔状のガード部とを一体に形成していることを特
    徴としている干果製造用果吊り具。
  2. 【請求項2】 前記楔状の溝は、内面に向かって尖るエ
    ッジ部に形成されており、該エッジ部が前記開口部より
    差し込まれる前記枝に食い込み可能である請求項1に記
    載の干果製造用果吊り具。
  3. 【請求項3】 前記開口は、前記溝に沿ってかつ溝の両
    側に形成されており、前記枝が前記開口部より前記溝に
    差し込まれて来たときに、前記溝との間の部分を逃がし
    て弾性変形させる請求項1又は2に記載の干果製造用果
    吊り具。
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