JPH0884166A - 自動周波数制御回路 - Google Patents

自動周波数制御回路

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JPH0884166A
JPH0884166A JP6217197A JP21719794A JPH0884166A JP H0884166 A JPH0884166 A JP H0884166A JP 6217197 A JP6217197 A JP 6217197A JP 21719794 A JP21719794 A JP 21719794A JP H0884166 A JPH0884166 A JP H0884166A
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frequency
digital
signal
discriminator
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JP6217197A
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English (en)
Inventor
Koichi Tsutsui
浩一 筒井
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Denso Ten Ltd
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Denso Ten Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動周波数制御回路の引き込み精度向上、誤
引き込み防止を行う。 【構成】 準同期型復調器の自動周波数制御回路に、直
交変換器1の出力が変換されたディジタル信号を入力
し、周波数弁別を行ってこの結果の平滑化を行うが、周
波数分析の精度が比較的高く、周波数分析速度が比較的
遅い微調用の第1のディジタル型周波数弁別器10と、
直交変換器1の出力が変換されたディジタル信号を入力
し、周波数弁別を行ってこの結果の平滑化を行うが、周
波数分析の精度が比較的低く、周波数分析速度が比較的
速い粗調用の第2のディジタル型周波数弁別器11と、
直交変換器1の出力が変換されたディジタル信号を入力
し、同期シンボルを検出しこの検出から周波数の引き込
み状態を検出し、スイッチ9を切り換える判断を行う引
き込み状態検出部12とを設ける

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数副搬送波信号を用い
た受信装置の自動周波数制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】陸上移動通信において、周波数の有効利
用を図るため多値QAM(直交振幅変調:Quadrature A
mplitude Modulation)方式が提案されている。この陸
上移動通信用QAMにおいては、受信機側で搬送波再生
を行わず、受信機側で独立に動作する局部信号発振器を
基に検波を行う準同期復調が一般的である。この準同期
復調において、送信機側及び受信機側にある局部発振器
相互間には周波数オフセットが存在し、このオフセット
を除去するために、以下の如く、AFC(Automatic Fr
equency Controller)が使用されている。
【0003】図27は従来の自動周波数制御回路であっ
てアナログ型周波数弁別器及びディジタル型周波数弁別
器を兼用するものの例を示す図である。なお、図面全体
を通して用いられる同一の参照符号又は記号が付された
ものは相互に同一の構成要素である。本図に示すよう
に、自動周波数制御回路は、受信信号の周波数に対する
局部発振周波数の引き込みを行うもので、受信信号の周
波数に対する局部発振周波数の周波数偏差をもつ入力信
号をI軸信号とQ軸信号とに分離する直交変換を行う直
交変換器1を具備する。直交変換器1には可変周波数発
振器2が接続され、直接基底帯域に変換し、又は一旦中
間周波数に変換された後、基底帯域に変換する。さらに
可変周波数発振器2に接続されるループフィルタ3は一
定の次定数を有する低域通過フィルタで構成され直流成
分を抽出する。前記直交変換器1にアナログ型周波数弁
別器4が設けられる。さらに前記直交変換器1に直交変
化出力をサンプリングするA/D変換器5(Analog to
Digital Converter)及びディジタル型周波数弁別器6が
設けられる。また前記直交変換器1に設けられる引き込
み状態検出器7は、例えばM16QAMにおいて既知信
号を同期シンボルと呼ばれ転送単位であるスロットの先
頭に付加されているが、この同期シンボルを検出して、
引き込み状態を検出する。ディジタル型周波数弁別器6
の出力にはD/A変換器8(Digital to Analog Convert
er) が設けられる。アナログ型周波数弁別器4及びD/
A変換器8の出力を択一的にループフィルタ3の入力に
接続させるスイッチ9は、引き込み状態検出器7により
切り換えられ、アナログ型周波数弁別器4の出力をホー
ルドすることで実現される。アナログ型周波数弁別器4
及びディジタル型弁別器6では、中心周波数が弁別器の
S字特性の中央からどちらかにずれることによってその
出力の極性が正負に変化する。このように、アナログ型
周波数弁別器4及びディジタル型周波数弁別器6を使い
分けるのは、アナログ型周波数弁別器4は引き込みが速
いが精度が悪く、ディジタル型周波数弁別器6は引き込
みが遅いが精度が良いので、最初にアナログ型周波数弁
別器4により粗調整の引き込みを行わせ、ある程度引き
込んだらディジタル型周波数弁別器6により微調整の引
き込みを行わせるためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アナログ型
周波数弁別器4に使用する共振回路は、一般的に通常の
使用温度範囲(例えば−20°〜60°)で±数100
ppmの温度特性を持っている。例えば、比較的低い中
間周波数である20MHzで弁別処理する場合に共振回
路が±300ppmの温度特性を持っているとすると、
雑音のない状態でも最大6kHzもの偏差が生じること
になり、10数kHz程度の帯域を持つ移動体通信には
実用範囲外となる。そこで、455kHzと非常に低い
中間周波数を使用した場合、共振回路が±300ppm
の温度特性を持っているとすると最大偏差は140Hz
程度になるが、通常帯域フィルタを通過させた後、弁別
回路に入力されることが多く、455kHz帯で一般的
に用いられている帯域フィルタの通常の使用温度範囲に
おける中心周波数の偏差は±1kHz以上あり、この影
響を受けて弁別周波数の最大偏差は500Hz以上にな
る。しかしながら、この値は、比較的狭帯域の移動体通
信では、この最大偏差を200〜300Hzにし、ディ
ジタル型周波数弁別器の精度を±100を達成したいの
で、周波数の粗調整には十分な値とは言えないという問
題がある。さらに、ディジタル処理部分とは別の装置が
必要なため、装置の大型化、高価格化を招くことは免れ
ない。
【0005】次に、引き込み状態検出器7において、同
期シンボルの周波数偏差が大きくても検出されてしま
い、これにより誤引き込みが生じ、誤引き込みを避ける
ために同期シンボルの閾値を小さくすると検出特性が劣
化するという問題がある。ここに、同期シンボルとは、
受信同期を取得するための既知信号であり、転送単位で
あるスロットの先頭に付加されている。
【0006】したがって、本発明は、上記問題に鑑み、
粗調整時の引き込み精度を向上でき、かつ誤引き込みが
防止できる自動周波数制御回路を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題点を
解決するために、次の構成を有する自動周波数制御回路
を提供する。すなわち、準同期型復調器の自動周波数制
御回路に、複数の副搬送波の合成信号である入力信号の
周波数成分の中心を0Hzとする基底帯域に直交変換す
る直交変換器と、制御信号で周波数を制御し前記直交変
換器に発振出力を供給する可変周波数発振器とが設けら
れる。第1のディジタル型周波数弁別器は前記直交変換
器の出力が変換されたディジタル信号を入力し、周波数
弁別を行ってこの結果の平滑化を行うが、周波数分析の
精度が比較的高く、周波数分析速度が比較的遅く微調用
として使用される。第2のディジタル型周波数弁別器は
前記直交変換器の出力が変換されたディジタル信号を入
力し、周波数弁別を行ってこの結果の平滑化を行うが、
周波数分析の精度が比較的低く、周波数分析速度が比較
的速い粗調用として使用される。スイッチは前記第1の
ディジタル型周波数弁別器及び第2のディジタル型周波
数弁別器を切り換え、その出力信号をアナログ信号に変
換し前記可変周波数発振器の制御信号とする。引き込み
状態検出部は、前記直交変換器の出力が変換されたディ
ジタル信号を入力し、同期シンボルを検出しこの検出か
ら周波数の引き込み状態を検出し、この状態からスイッ
チを切り換える判断を行う。
【0008】前記第1のディジタル型周波数弁別器は、
振幅が一定な既知シンボルのみを使用して周波数偏差の
周波数弁別を行う。前記第1のディジタル型周波数弁別
器は、各副搬送波における既知シンボルの信号点配置、
スロット内の配置を基に周波数偏差の周波数弁別を行
う。前記第2のディジタル型周波数弁別器は、基底帯域
に変換された各副搬送波の中心付近を0Hzとして各搬
送波で伝送される情報の帯域幅とほぼ等しい帯域を抽出
する複数の副搬送波分離部と、前記複数の副搬送波分離
部の各出力を0Hzを中心として周波数弁別する周波数
弁別部と、前記周波数弁別部の出力を択一に選択するス
イッチとを備えてもよい。
【0009】前記第2のディジタル型周波数弁別器は、
基底帯域に変換された信号の周波数成分の上端付近と下
端付近とで、入力信号の帯域幅よりも狭い2つの帯域
を、それぞれの中心が0Hzとなるように、抽出する2
つのスペクトル分離部と、各スペクトル分離部の出力の
それぞれを0Hzを中心として周波数弁別する2つの周
波数弁別部と、前記周波数弁別部の2つの出力を択一に
選択するスイッチとを備えてもよい。
【0010】前記引き込み状態検出部は同期シンボルを
検出してから一定時間経過した場合に可変周波数発振器
の制御信号が第2のディジタル型周波数弁別器から第1
のディジタル型周波数弁別器の出力になるようにスイッ
チを切り換えてもよい。前記引き込み状態検出部は同期
シンボルを一定回数検出した場合に可変周波数発振器の
制御信号が第2のディジタル型周波数弁別器から第1の
ディジタル型周波数弁別器の出力になるようにスイッチ
を切り換えてもよい。
【0011】前記引き込み状態検出部は同期シンボルを
検出し、かつ、2以上の同期シンボル間のベクトル回転
の絶対値が一定値以下の場合に、可変周波数発振器の制
御信号が第2のディジタル型周波数弁別器から第1のデ
ィジタル型周波数弁別器の出力になるようにスイッチを
切り換えてもよい。前記直交変換器は一旦中間周波数に
変換後に基底帯域に変換するようにしてもよい。
【0012】
【作用】本発明の自動周波数制御回路によれば、第2の
ディジタル型周波数弁別器が粗調用として、周波数弁別
精度かつ速度が向上できる。第2のディジタル型周波数
弁別器として特別な装置が必要とされてないので、従来
と比較して小型化、低価格を達成できる。
【0013】前記第1のディジタル型周波数弁別器は、
振幅が一定な既知シンボルのみを使用して周波数偏差の
周波数弁別を行うことにより、精度向上の弊害となって
いた変調信号を除去でき、周波数偏差に応じた情報のみ
で容易に処理できるようになった。前記第1のディジタ
ル型周波数弁別器は、各副搬送波における既知シンボル
の信号点配置、スロット内の配置を基に周波数偏差の周
波数弁別を行うことにより、周波数偏差の周波数弁別の
処理がさらに容易となる。
【0014】前記第2のディジタル型周波数弁別器で
は、基底帯域に変換された各副搬送波の中心付近を0H
zとして各搬送波で伝送される情報の帯域幅とほぼ等し
い帯域が抽出され、前記複数の副搬送波分離部の各出力
を0Hzを中心として周波数弁別され、前記周波数弁別
部の出力が択一に選択されることにより、引き込みの高
速化が図れる。
【0015】前記第2のディジタル型周波数弁別器で
は、基底帯域に変換された信号の周波数成分の上端付近
と下端付近とで、入力信号の帯域幅よりも狭い2つの帯
域が、それぞれの中心が0Hzとなるように、抽出さ
れ、各スペクトル分離部の出力のそれぞれが0Hzを中
心として周波数弁別され、前記周波数弁別部の2つの出
力が択一に選択されることにより、引き込みを高速化が
図れる。
【0016】前記引き込み状態検出部は同期シンボルを
検出してから一定時間経過した場合に、同期シンボルを
一定回数検出した場合に、さらに同期シンボルを検出
し、かつ、2以上の同期シンボル間のベクトル回転の絶
対値が一定値以下の場合に、可変周波数発振器の制御信
号が第2のディジタル型周波数弁別器から第1のディジ
タル型周波数弁別器の出力になるように切り換えること
により、同期検出の劣化を防止すると共に、誤引き込み
が少なくなる。
【0017】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して
説明する。図1は本発明の実施例に係る自動周波数制御
回路を示す図である。本図に示すように、まず、ディジ
タル型周波数弁別器(微調)10は図27のディジタル
周波数弁別器6に相当するもので、ループフィルタを内
蔵するものである。これと共に、図27の構成と異なる
構成、すなわちディジタル型周波数弁別器(粗調)1
1、引き込み状態検出部12について説明する。なお、
ディジタル型周波数弁別器(微調)10、ディジタル型
周波数弁別器(粗調)11、引き込み状態検出部12は
DSP(Digital Signal Processor) で構成され、ディ
ジタル型周波数弁別器(粗調)11として別段の装置を
必要とせず小型化、低価格化が可能になる。
【0018】なお、ここで、直交変換器1への入力信号
について説明する。図2は4つの搬送波を使った変調信
号の例としてM16QAMのスペクトル配置を示す図で
ある。本図に示すように、副搬送波1は−6.75kH
z、副搬送波2は−2.25kHz、副搬送波3は+
2.25kHz、副搬送波2は+6.75kHzの周波
数配置を有する。
【0019】図3は各副搬送波のシンボル信号の配置を
示す図である。本図に示すように、各副搬送波は、同期
シンボル、パイロットシンボル、データシンボルを有
し、シンボルレートは4kHzである。ここに、同期シ
ンボル、パイロットシンボルは、位相が異なるが振幅が
同一になるようしてある。図4は図1のディジタル型周
波数弁別器(微調)10を示す図である。本図に示すよ
うに、ディジタル型周波数弁別器(微調)10は、同期
がとれていることを前提として、図3に示す同期シンボ
ル2及びパイロットシンボルについてのみ周波数の弁別
処理を行い、データシンボルを処理しない。このよう
に、微調を行う追従時には、変調成分もフェージングの
一種と考えれば、これを除去することになるので追従特
性のばらつきを防止することが可能になる。また、同期
シンボル、パイロットシンボル毎に演算処理を行えばよ
いので、処理量が削減できる。
【0020】次に、構成ではディジタル型周波数弁別器
(微調)10は、副搬送波1及び4又は副搬送波2及び
3を分離する2つの副搬送波分離部101を有する。図
5は図4の副搬送波分離部101を示す図である。本図
に示すように、副搬送波分離部101は乗算部501と
副搬送波局部発振部502とからなり、副搬送波の周波
数中心が0Hzになるように入力信号を変換する。
【0021】次に、副搬送波分離部101の後段に接続
される2つの低域通過フィルタ102は変換後の高域周
波数成分を除去する。図6は図4のシンボル逆回転部1
03を示す図である。本図に示すように、2つのシンボ
ル逆回転部103は、それぞれ、乗算部503と、既知
シンボル逆回転ベクトル発生部504とを有する。
【0022】図7は図6のシンボル逆回転部103の動
作を説明する図である。本図(a)に示すように、各副
搬送波1及び4の同期シンボル2の位相は−112.5
°、+112.5°であり、本図(b)に示すように、
各副搬送波1及び4のパイロットシンボルの位相は−2
2.5°、+22.5°である。シンボル逆回転部10
3は、各副搬送波1及び4の同期シンボル2を逆方向に
回転させ、Q軸に一致させる。同様に、本図(c)に示
すように、各副搬送波2及び3の同期シンボル2の位相
は−157.5°、+157.5°であり、本図(d)
に示すように、各副搬送波2及び3のパイロットシンボ
ルの位相は−112.5°、+112.5°である。シ
ンボル逆回転部103は、各副搬送波2及び3の同期シ
ンボル2を逆方向に回転させ、Q軸に一致させる。
【0023】次に、ディジタル型周波数弁別器(微調)
10は、2つのシンボル逆回転部の103の出力を加算
する加算部104を有する。同期シンボル2、パイロッ
トシンボルに位相誤差がなければ、加算部104の出力
は、零である。図8は図4の加算図104の出力を説明
する図である。図7(a)の副搬送波1及び4の周波数
偏差Δfとすると、同期シンボル2の位相誤差が2πΔ
fとなり、本図に示す加算部104の出力は、ベクトル
OAとなる。
【0024】次に、ディジタル型周波数弁別器(微調)
10は、加算部104に接続されかつ直接クロスプロダ
クト方式の周波数弁別部105を有し、位相誤差2πΔ
fを弁別する。周波数弁別部105の構成は、1クロッ
クτ分だけ遅延させるための2つの遅延部505、50
6、これら1クロック分だけ遅延されたI軸信号又はQ
軸信号と、遅延されないQ軸信号又はI軸信号とをそれ
ぞれ掛け合わせる2つの乗算部507、508と、2つ
の乗算部507、508の出力差を計算する減算部50
8と、該減算部508の出力の極性を判定する極性判定
部509とからなる。
【0025】次のディジタル型周波数弁別器(微調)1
0は、各周波数弁別部105の出力に接続されるループ
フィルタ3を構成するランダムウォークフィルタ106
及びアップダウンカウンタ107を有する。ランダムウ
ォークフィルタ106は、内部レジスタを有し、この内
部レジスタが初期状態では「0」であり、クロック信号
毎に+信号が入力されれば、「+1」だけ前記内部レジ
スタをカウントアップし、−(マイナス)信号が入力さ
れれば、クロック信号毎に「−1」だけ前記内部レジス
タをカウントダウンする。そして、ランダムウォークフ
ィルタ106はさらに閾値±THを有し、前記内部レジ
スタのカウント値Cが−THを下回る場合にはDOWN
信号(「−1」)を出力し、内部レジスタがクリアされ
る。カウント値CがTHを上回る場合にはUP信号
(「+1」)を出力し、内部レジスタがクリアされる。
このようにして、周波数の極性信号が平滑化される。ラ
ンダムウォークフィルタに接続されるアップダウンカウ
ンタ107は、UP信号の入力毎にプラス方向に「+
1」だけカウントアップし、DOWN信号の入力毎にマ
イナス方向に「−1」だけカウントダウンし、所定の初
期値からランダムウォークフィルタ106の出力に従っ
てカウント値が大小に変化する。アップダウンカウンタ
107に接続されるD/A変換器8はアップダウンカウ
ンタ107のカウントのディジタル値をアナログ電圧に
変換し、変換アナログ電圧を基に可変周波数発振器2の
周波数を制御する。ここでは前記変換アナログ電圧が高
くなければ周波数が低く、前記変換アナログ電圧が低く
なれば、周波数が高くなるよう制御され、負帰還ループ
が形成される。
【0026】図10は図4のディジタル型周波数型弁別
器(微調)10の引き込み特性を示すグラフである。本
図に示すように、フェージング、雑音共悪条件でも確実
に引き込み、追従性も優れていることが明らかである。
図11は図4のディジタル型周波数弁別器(微調)10
の別の例を示す図である。本図に示すように、副搬送波
1及び4又は副搬送波2及び3が交互に切換られて、4
シンボル毎に演算処理を行うことになるが、回転量が±
180°まで検出できるので、±4kHz/4/2=±
500Hzまで引き込むことが可能となり、従来よりも
精度が向上できる。
【0027】図12は図1のディジタル型周波数弁別器
(粗調)11を示す図である。本図に示すように、ディ
ジタル型周波数弁別器(微調)10は、副搬送波1、
2、3及び4を分離する4つの副搬送波分離部201
と、副搬送波分離部201の後段に接続されかつ変換後
の高域周波数成分を除去する4つの低域通過フィルタ2
02と、低域通過フィルタ202に接続されかつ直接ク
ロスプロダクト方式の周波数弁別部203と、4つの周
波数弁別部204の出力を選択するスイッチ204と、
スイッチ204の後段に接続されるループフィルタ3を
構成するランダムウォークフィルタ206及びアップダ
ウンカウンタ207とを有する。ここに、副搬送波分離
部201、周波数弁別部203等の構成は図4に示す副
搬送波101、周波数弁別部105のものと同一であ
る。
【0028】図13は図12の周波数関係を示す図であ
る。本図を用いて、周波数弁別部203の出力の極性を
ループフィルタ3に出力する例の動作を説明する。図1
3(a)は、変調信号のみのスペクトルを示し、図13
(b)の、、、は、各副搬送波の帯域特性を示
す。図13(c)は、各副搬送波分離後の入力信号のス
ペクトルを示す。各周波数弁別部203の出力は、図1
3(c)の4つの斜線部分の面積に相当する。これに対
して雑音成分は、図13(b)の、、、である
から、周波数弁別部203の雑音の比に対応する値は1
/3より図中のa,b,cの分だけ小さい値となり、従
来の1/15に比べて大きくなる。このため、引き込み
時間が高速化される。雑音のない場合でも、斜線部分は
4倍弱となるので、高速化が図れる。
【0029】また、隣接チャンネルの強力な信号による
誤引き込みに対して強くなる。なお、図12の副搬送波
分離部201は、M16QAMでは信号の復調そのもの
(図示していない)にも必要であるので、これと共用で
きる。また、周波数弁別部203、スイッチ204、ル
ープフィルタ3等はプロセッサの演算で実現すれば、復
調部の処理量に対して本自動周波数制御回路の演算量の
増加はわずかである。
【0030】図12の変形例として、スイッチ204と
ループフィルタ3との順序を入替えることが可能であ
る。以上、複数の副搬送波の自動周波数制御回路の引き
込み高速化を説明したが、これを単一搬送波変調方式に
応用した場合に、帯域内のスペクトルの落ちは平滑化し
た場合ないものと考えられるが、雑音帯域の減少は、以
下のように、利用可能となる。
【0031】図14は図12の別の変形を示す図であ
る。本図において、図12の構成と異なるのは、スペク
トル分離部301である。このスペクトル分離部301
は、直交変換器1により基底帯域に変換された信号の周
波数成分の上端付近と下端付近とで、入力信号の帯域幅
よりも狭い2つの帯域を、それぞれの中心が0Hzとな
るように、抽出する。各スペクトル分離部301の後段
の2つの周波数弁別器302はそれぞれの0Hzを中心
として周波数弁別する。スイッチ303は、図12と同
様に、2つの周波数弁別器202の出力を択一的選択、
順次切り換え、さらには加算する。
【0032】図15は図14の周波数関係を示す図であ
る。本図に示すように、これまでの説明と同様に、周波
数弁別器302の出力と雑音の比に対応する値は、従来
方式では2/15(≒0.13)であるのに対して、1
/6(≒0.17)であり、雑音が多い場合の引き込み
時間の改良が可能なことが示される。なお、雑音の少な
い場合には、本実施例だけでは逆効果であるが、従来技
術との組み合わせによって、全C/Nレンジでの引き込
みの高速化が可能となる。
【0033】以下に計算機によるシミュレーション例を
用いて、構成、効果の詳細な説明を行う。シミュレーシ
ョンは、4つの副搬送波の例としてM16QAMを用い
た。シミュレーションの主要パラメータは下記の表1に
示す。
【0034】
【表1】
【0035】次に、シミュレーションの結果を説明す
る。図16は図27の従来のアナログ型周波数弁別器4
の場合の引き込み特性を示すグラフである。本図に示す
ように、従来のアナログ型周波数弁別器4ではローカル
周波数の偏差が大きく、目標とする偏差(概略±100
Hz)以内に収めることが困難である。
【0036】図17は本発明の実施例により副搬送波分
離信号で自動周波数制御を演算した場合の引き込み特性
を示すグラフである。本図(a)は、副搬送波1分離だ
けを使った場合の引き込み特性を示す。この場合、概略
±100Hzの範囲に到達するまでは0.80秒を必要
とする。本図(b)は、副搬送波2分離だけを使った場
合の引き込み特性を示す。この場合、概略±100Hz
の範囲に到達するまでは0.68秒を必要とする。本図
(c)は、副搬送波3分離だけを使った場合の引き込み
特性を示す。この場合、概略±100Hzの範囲に到達
するまでは0.83秒を必要とする。本図(d)は、副
搬送波4分離だけを使った場合の引き込み特性を示す。
この場合、概略±100Hzの範囲に到達するまでは
0.41秒を必要とする。したがって、どの副搬送波を
使用しても、従来よりも引き込みが早くなっているの
で、択一的に選択してもよい。さらに、順次切り換えて
もよい。この場合にはさらに演算量が相対的に少なくな
るという効果がある。なお、本図(d)が引き込み時間
が最短となるのは以下の理由による。
【0037】図27は入力信号とベースバンド信号の周
波数関係を示す図である。本図に示すように、ローカル
周波数が入力信号により、上にずれているので、片側の
スペクトルが削られるためである。副搬送波分離1〜3
の帯域には副搬送分離2〜4の入力信号スペクトルの入
力信号スペクトルの一部がずれこんでくる。したがっ
て、副搬送波4分離を使えば引き込みを早くできる。
【0038】しかし、これはローカル周波数が上側に偏
っている場合であり、実際にはどちらに偏るかはわから
ない。そこで、1つのサンプルで、ループフィルタ3へ
のサンプル間の回転方向出力を副搬送波1分離と副搬送
波4分離と組み合わせて加算することにより、上下のロ
ーカル周波数偏差を早く引き込みことが、以下の如く、
可能になる。
【0039】図19は副搬送波1分離信号と副搬送波4
分離信号と組み合わせて切り換えた場合の引き込み特性
を示す図である。本図に示すように、概略±100Hz
の範囲に到達するまでは0.29秒を必要とする。図1
7(d)によりも若干引き込みが早くなる。なお、副搬
送波1分離と副搬送波4分離とを順次切り換えることも
可能である。この場合は、上記よりも引き込み時間が若
干大きくなるが演算量が相対的に少なくなる。
【0040】図20は副搬送波1分離信号、副搬送波2
分離信号、副搬送波3分離信号、副搬送波4分離信号を
組み合わせて切り換えた場合の引き込み特性を示すグラ
フである。本図に示すように、概略±100Hzの範囲
に到達するまでは0.18秒を必要とする。図17
(d)によりも若干引き込みが早くなる。但し演算量は
図27の場合より相対的に大きくなるが、引き込み短縮
割合が小さい。
【0041】図14の変形のシミュレーションは省略す
るが、同様にして、この効果を説明することができる。
図21は図1の引き込み状態検出部12を説明する図で
ある。本図に示すように、回転複素ベクトル計算部80
では、EXP(jωs・n・TM)が計算される。ここ
に、EXP(x)は自然対数の低eのx乗、jは虚数単
位を意味し、 ωs:各サブキャリアの基底となる角周波数、 n :変数、 TM:サンプリング周期(TM=TS/KS、TS:シンボ
ルの転送間隔、 KS:定数)である。
【0042】複素共役部81では、回転複素ベクトル計
算部80の複素共役、つまり、EXP(−jωs・n・
M)が計算される。乗算手段82では、A/D変換器
5からのサンプリングデータと前記複素共役部81の出
力との乗算が行われる。該乗算結果は、低域通過フィル
タ84に入力される。該低域通過フィルタ84において
は、ベースバンドフィルタ特性を有する信号処理が行わ
れる。
【0043】乗算手段86では、前記低域通過フィルタ
84の出力と前記回転複素ベクトル計算部80との乗算
が行われる。該乗算結果s'3(p+2k)はサンプル選
択として記憶される。乗算手段83では、s(t)を入
力するA/D変換器5からのサンプリングデータと前記
回転複素ベクトル計算部80との乗算が行われる。該乗
算結果は、低域通過フィルタ85に入力される。該低域
通過フィルタ85ではベースバンドフィルタ特性を有す
る信号処理が行われる。
【0044】乗算手段87では、前記低域通過フィルタ
85の出力と前記複素共役部81との乗算が行われる。
該乗算結果s'2(p+2k)はサンプル選択として記憶
される。回転複素ベクトル計算部90では、EXP(3
jωs・n・TM)が計算される。
【0045】複素共役部91では、回転複素ベクトル計
算部90の複素共役部、つまり、EXP(−3jωs
n・TM)が計算される。乗算手段92では、前記A/
D変換器5からのサンプリングデータと前記複素共役部
91との乗算が行われる。該乗算結果は、低域通過フィ
ルタ94に入力される。該低域通過フィルタ94ではベ
ースバンドフィルタ特性を有する信号処理が行われる。
【0046】乗算手段96では、前記低域通過フィルタ
94の出力と前記回転複素ベクトル90との乗算が行わ
れる。該乗算結果s'4(p+2k)はサンプル選択とし
て記憶される。乗算手段93では、A/D変換器5から
のサンプリングデータと前記回転複素ベクトル計算部9
0との乗算が行われる。該乗算結果は、低域通過フィル
タ95に入力される。該低域通過フィルタ95ではベー
スバンドフィルタ特性を有する信号処理が行われる。
【0047】乗算手段97では、前記低域通過フィルタ
95の出力と前記複素共役91との乗算が行われる。該
乗算結果s'1(p+2k)はサンプル選択として記憶さ
れる。同様にして、該乗算結果s'3(p+k)、s'
2(p+k)、s'4(p+k)、s'1(p+k)、該乗
算結果s'3(p)、s'2(p)、s'4(p)、s'
1(p)を求めて記憶する。
【0048】打ち消し回転演算部401では、上記各乗
算結果にそれぞれ角周波数打ち消し回転、位相打ち消し
回転を、以下のように、乗算して同期シンボルを求め記
憶する。なお、M16QAMの通信規約では、各スロッ
トの先頭に3つの同期シンボルF1、F2、F3、が付加
され、同期シンボルF1のサブキャリア順の位相を
Ψ11、Ψ12、Ψ13、Ψ14、同期シンボルF2、F3のサブ
キャリア順の位相をΨ21、Ψ 22、Ψ23、Ψ24、Ψ31、Ψ
32、Ψ33、Ψ34とする。
【0049】F33=s'3(p+2k)・EXP(−2j
ωs・TS)・EXP(−Ψ33) F32=s'2(p+2k)・EXP(2jωs・TS)・E
XP(−Ψ32) F34=s'4(p+2k)・EXP(−6jωs・TS)・
EXP(−Ψ34) F31=s'1(p+2k)・EXP(6jωs・TS)・E
XP(−Ψ31) F23=s'3(p+k)・EXP(−jωs・TS)・EX
P(−Ψ23) F22=s'2(p+k)・EXP(jωs・TS)・EXP
(−Ψ22) F24=s'4(p+k)・EXP(−3jωs・TS)・E
XP(−Ψ22) F21=s'1(p+k)・EXP(3jωs・TS)・EX
P(−Ψ22) F13=s'3(p)・EXP(−Ψ13) F12=s'2(p)・EXP(−Ψ12) F14=s'4(p)・EXP(−Ψ14) F11=s'1(p)・EXP(−Ψ11) 直線等間隔性演算部402では、フェージング成分の複
素平面での直線等間隔を示すパラメータeijを、以下の
ように、求める。
【0050】D12=abs(F11)2+abs(F12)2+abs(F1
3)2+abs(F14)2 D22=abs(F21)2+abs(F22)2+abs(F23)2+abs(F2
4)2 D32=abs(F31)2+abs(F32)2+abs(F33)2+abs(F3
4)2 Δaa1=F12−F11、 Δaa2=F13−F12、 Δaa3=F14−F13、 Δ2aa1=Δaa2−Δaa1 Δ2aa2=Δaa3−Δaa2 Δbb1=F22−F21、 Δbb2=F23−F22、 Δbb3=F24−F23、 Δ2bb1=Δbb2−Δbb1 Δ2bb2=Δbb3−Δbb2 Δcc1=F32−F31、 Δcc2=F33−F32、 Δcc3=F34−F33、 Δ2cc1=Δcc2−Δcc1 Δ2cc2=Δcc3−Δcc2 e112=abs(Δ2aa1)2/D12 e122=abs(Δ2aa2)2/D12 e212=abs(Δ2bb1)2/D22 e222=abs(Δ2bb2)2/D22 e312=abs(Δ2cc1)2/D32 e322=abs(Δ2cc2)2/D32 ここに、abs(A)は、複素ベクトルAの絶対値を意味す
る。各サブキャリア毎のフェージング成分が複素平面上
で正確に直線間隔にあるとすると上記パラメータeij=
0となり、直線等間隔関係からずれると上記パラメータ
eijは正値をとるようになる。
【0051】レベル判定部403では、定数記憶部40
4に記憶された定数α2と直線等間隔性演算部402に
より得られたパラメータe112、e122、e212、e222
e31 2、e322をそれぞれ比較し、パラメータ全てが定数
α2よりも小さければ、同期検出されたとの信号を出力
する。一つでも小さくものがあれば同期検出信号を出力
しない。このようにして同期シンボル検出の閾値αを小
さくすることにより、誤引き込みを小さくする必要があ
る。しかし、閾値αを小さくすることにより、以下の如
く、同期検出特性が劣化するというトレードオフ関係が
生じてしまう。
【0052】図22は同期検出特性を示すグラフであ
る。本図(a)はフェージング、雑音が無い状態の同期
検出特性を示す、本図(b)はフェージング、雑音があ
る状態の同期検出特性を示す。本図を考慮すれば、検出
閾値α=0.4〜0.5が適当と考えられるが、このα
では、周波数偏差が500Hz以上であっても同期検出
されてしまう確立が高く、この同期検出方法をそのま
ま、ディジタル型周波数弁別器(微調)10及びディジ
タル型周波数弁別器(粗調)11の切換に使用するのは
危険である。
【0053】そこで、レベル判定部403にタイマ40
5を設け、最初に同期が検出されてから一定時間が経過
した場合に追随したと見なし、レベル判定部403から
同期検出信号を出力しスイッチ9を切り換える。タイマ
405の設定時間は、図17、19、20の引き込み特
性を考慮して一定時間が設定される。図23は図21の
変形を示す図である。本図に示すように、レベル判定部
403にカウンタ406を設け、カウンタ406が一定
回数の同期検出で追随状態と見なしレベル判定部403
から同期検出信号を出力しスイッチ9を切り換える。こ
のカウンタ406によるのは、最初に同期検出してから
急激に状態が劣化することが考えられるからである。こ
の場合、追随状態判定までには図21の例よりも長時間
を要するとことが予想される。
【0054】図24は図21の別の変形である同期シン
ボル間の回転角判定部407を示す図である。同期検出
の確実性を高くするために、本図に示すように、同期検
出した場合の周波数偏差を、打ち消し回転演算部401
の同期シンボル1−2、2−3間のベクトル回転量から
推測し、偏差が大きい場合には追随状態とせず引き込み
状態を続ける同期シンボル間回転角判定部407を設け
る。なお、どのサンプルをとるか、さらに複数のサンプ
ル加算するなど種々な変形が可能である。ここで、同期
シンボル間回転角判定部407の割り算器601及び6
02のそれぞれは、2つのベクトルをa+jb、c+j
dとすると、以下の如く、割り算を行う。
【0055】 v=(c+jd)/(a+jb) ={(ac+bd)+j(ad−bc)}/(a2
2) 偏角算出部603及び604は、以下の如く、vの偏角
を求める。 ARG=tan-{(ad−bc)/(ac+bd)} 絶対値化部605及び606は、上記ARGの絶対値を
とる。比較部608及び609は記憶部607に記憶す
る基準回転角rと絶対値化部605及び606の出力と
比較する。比較部608及び609の出力及びレベル判
定部403の判定結果の論理積をとる論理積部610部
はレベル判定部403が同期検出を行った場合の周波数
偏差が回転角rよりも小さい場合にのみレベル判定部4
03に同期検出信号を出力させスイッチ9を切り換えさ
せる。
【0056】図25はα=0.45に固定し基準回転角
rをパラメータとした場合の同期検出率を示すグラフで
ある。本図(a)はフェージング、雑音が無い状態の同
期検出特性を示す、本図(b)はフェージング、雑音が
ある状態の同期検出特性を示す。本図(a)では、基準
回転角rを適当にとれば確実に周波数偏差の大きい場合
を棄却できることが理解できる。本図(b)では、基準
回転角r=20°程度で若干の検出率の低下があるもの
の、周波数偏差500Hz以上での有害な追随判定を0
にすることが可能になることが理解できる。
【0057】上記ARGの式ではa2+b2を求める必要
がない。したがって、割り算の代わりに片側の共役複素
数を乗算すればよい。この場合は回転角の絶対値がわか
ればよいので、どちらの共役を乗算してもよい。次に、
偏角は、その絶対値が基準回転角rであることを判断す
るのであるから、直接求める必要はない。次のような式
の変形で簡単に求められる。
【0058】 これらの変形から演算量が削減でき、同期検出後に一回
の処理でよいので、負荷を軽く、実現が容易となる。
【0059】図25は本実施例による引き込み効果の例
を説明するグラフである。本図に示すように、走行速度
100km/hで周波数の初期偏差が1500Hzから
450ms以内に±62.5Hzに引き込みことが可能
になった。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
2のディジタル型周波数弁別器を粗調用として設けたの
で、周波数弁別精度かつ速度が向上できる。粗調用の第
2のディジタル型周波数弁別器として特別な装置が必要
とされてないので、従来と比較して小型化、低価格を達
成できる。同期シンボルを検出してから一定時間経過し
た場合に、同期シンボルを一定回数検出した場合に、か
つ同期シンボルを検出し2以上の同期シンボル間のベク
トル回転の絶対値が一定値以下の場合に、可変周波数発
振器の制御信号が第2のディジタル型周波数弁別器から
第1のディジタル型周波数弁別器の出力になるように切
り換えることにより、同期検出の劣化を防止すると共
に、誤引き込みが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る自動周波数制御回路を示
す図である。
【図2】4つの副搬送波を使った変調信号の例としてM
16QAMのスペクトル配置を示す図である。
【図3】各副搬送波のシンボル信号の配置を示す図であ
る。
【図4】図1のディジタル型周波数弁別器(微調)10
を示す図である。
【図5】図4の副搬送波分離部101を示す図である。
【図6】図4のシンボル逆回転部103を示す図であ
る。
【図7】図6のシンボル逆回転部103の動作を説明す
る図である。
【図8】図4の加算部104の出力を説明する図であ
る。
【図9】図4の直接クロスプロダクト方式の周波数弁別
部105を示す図である。
【図10】図4のディジタル型周波数弁別器(微調)1
0の引き込み特性を示す図である。
【図11】図4のディジタル型周波数弁別器(微調)1
0の別の例を示す図である。
【図12】図1のディジタル型周波数弁別器(粗調)1
1を示す図である。
【図13】図12の周波数関係を示す図である。
【図14】図12の別の変形を示す図である。
【図15】図14の周波数関係を示す図である。
【図16】図27の従来のアナログ型周波数弁別器4の
場合の引き込み特性を示すグラフである。
【図17】本発明の実施例により副搬送波分離信号で自
動周波数制御を演算した場合の引き込み特性を示すグラ
フである。
【図18】入力信号とベースバンド信号の周波数関係を
示す図である。
【図19】副搬送波1分離信号と副搬送波4分離信号と
組み合わせて切り換えた場合の引き込み特性を示す図で
ある。
【図20】副搬送波1分離信号、副搬送波2分離信号、
副搬送波3分離信号、副搬送波4分離信号を組み合わせ
て切り換えた場合の引き込み特性を示すグラフである。
【図21】図1の引き込み状態検出部12を説明する図
である。
【図22】同期検出特性を示すグラフである。
【図23】図21の変形を示す図である。
【図24】図21の別の変形を示す図である。
【図25】α=0.45に固定し基準回転角rをパラメ
ータとした場合の同期検出率を示すグラフである。
【図26】本実施例による引き込み効果の例を説明する
グラフである。
【図27】従来の自動周波数制御回路であってアナログ
型周波数弁別器及びディジタル型周波数弁別器を兼用す
るものの例を示す図である。
【符号の説明】
1…直交変換器 2…可変周波数発振器 9,103,203…スイッチ 10…第1のディジタル型弁別器(微調) 11…第2のディジタル型弁別器(粗調) 12…引き込み状態検出部 101…副搬送波分離部 102,202…周波数弁別部 201…スペクトル分離部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04J 11/00 Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 準同期型復調器の自動周波数制御回路に
    おいて、 複数の副搬送波の合成信号である入力信号の周波数成分
    の中心を0Hzとする基底帯域に直交変換する直交変換
    器(1)と、 制御信号で周波数を制御し前記直交変換器(1)に発振
    出力を供給する可変周波数発振器(2)と、 前記直交変換器(1)の変換時に発生する周波数偏差の
    ディジタル信号を入力し、周波数弁別を行ってこの結果
    の平滑化を行うが、周波数分析の精度が比較的高く、周
    波数分析速度が比較的遅い微調用の第1のディジタル型
    周波数弁別器(10)と、 前記直交変換器(1)の変換時に発生する周波数偏差の
    ディジタル信号を入力し、周波数弁別を行ってこの結果
    の平滑化を行うが、周波数分析の精度が比較的低く、周
    波数分析速度が比較的速い粗調用の第2のディジタル型
    周波数弁別器(11)と、 前記第1のディジタル型周波数弁別器(10)及び第2
    のディジタル型周波数弁別器(11)を切り換え、その
    出力信号をアナログ信号に変換した後に前記可変周波数
    発振器(2)の制御信号とするためのスイッチ(9)
    と、 前記直交変換器(1)の出力が変換されたディジタル信
    号を入力し、同期シンボルを検出しこの検出から周波数
    の引き込み状態を検出し、この検出状態からスイッチ
    (9)を切り換える判断を行う引き込み状態検出部(1
    2)とを備えることを特徴とする自動周波数制御回路。
  2. 【請求項2】 前記第1のディジタル型周波数弁別器
    (10)は、振幅が一定な既知シンボルのみを使用して
    周波数偏差の周波数弁別を行うことを特徴とする、請求
    項1に記載の自動周波数制御回路。
  3. 【請求項3】 前記第1のディジタル型周波数弁別器
    (10)は、各副搬送波における既知シンボルの信号点
    配置、スロット内の配置を基に周波数偏差の周波数弁別
    を行うことを特徴とする、請求項2に記載の自動周波数
    制御回路。
  4. 【請求項4】 前記第2のディジタル型周波数弁別器
    (11)は、 基底帯域に変換された各副搬送波の中心付近を0Hzと
    して各搬送波で伝送される情報の帯域幅とほぼ等しい帯
    域を抽出する複数の副搬送波分離部(201)と、 前記複数の副搬送波分離部(201)の各出力を0Hz
    を中心として周波数弁別する周波数弁別部(203)
    と、 前記周波数弁別部(203)の出力を択一に選択するス
    イッチ(204)とを備えることを特徴とする、請求項
    1に記載の自動周波数制御回路。
  5. 【請求項5】 前記第2のディジタル型周波数弁別器
    (11)は、 基底帯域に変換された信号の周波数成分の上端付近と下
    端付近とで、入力信号の帯域幅よりも狭い2つの帯域
    を、それぞれの中心が0Hzとなるように、抽出する2
    つのスペクトル分離部(301)と、 各スペクトル分離部(301)の出力のそれぞれを0H
    zを中心として周波数弁別する2つの周波数弁別部(3
    02)と、 前記周波数弁別部(302)の2つの出力を択一に選択
    するスイッチ(303)とを備えることを特徴とする、
    請求項1に記載の自動周波数制御回路。
  6. 【請求項6】 前記引き込み状態検出部(12)は同期
    シンボルを検出してから一定時間経過した場合に可変周
    波数発振器(2)の制御信号が第2のディジタル型周波
    数弁別器(11)から第1のディジタル型周波数弁別器
    (10)の出力になるようにスイッチ(9)を切り換え
    ることを特徴とする、請求項1に記載の自動周波数制御
    回路。
  7. 【請求項7】 前記引き込み状態検出部(12)は同期
    シンボルを一定回数検出した場合に可変周波数発振器
    (2)の制御信号が第2のディジタル型周波数弁別器
    (11)から第1のディジタル型周波数弁別器(10)
    の出力になるようにスイッチ(9)を切り換えることを
    特徴とする、請求項1に記載の自動周波数制御回路。
  8. 【請求項8】 前記引き込み状態検出部(12)は同期
    シンボルを検出し、かつ、2以上の同期シンボル間のベ
    クトル回転の絶対値が一定値以下の場合に、可変周波数
    発振器(2)の制御信号が第2のディジタル型周波数弁
    別器(11)から第1のディジタル型周波数弁別器(1
    0)の出力になるようにスイッチ(9)を切り換えるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の自動周波数制御回
    路。
  9. 【請求項9】 前記直交変換器(1)は一旦中間周波数
    に変換後に基底帯域に変換することを特徴とする、請求
    項1に記載の自動周波数制御回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6965650B2 (en) 2000-06-23 2005-11-15 Hitachi Kokusai Electric, Inc. Digital modulation type signal transmission apparatus and method of displaying received signal in the signal transmission apparatus

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