JPH0882612A - 電気容量式湿度センサ - Google Patents

電気容量式湿度センサ

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JPH0882612A
JPH0882612A JP21932094A JP21932094A JPH0882612A JP H0882612 A JPH0882612 A JP H0882612A JP 21932094 A JP21932094 A JP 21932094A JP 21932094 A JP21932094 A JP 21932094A JP H0882612 A JPH0882612 A JP H0882612A
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JP
Japan
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thin film
electrode
humidity sensor
voltage
zns
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Application number
JP21932094A
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English (en)
Inventor
Tatsushi Hasegawa
達志 長谷川
Mitsuro Mita
充郎 見田
Aya Yamanaka
綾 山中
Hiromi Takahashi
博実 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低湿度から高湿度まで広い湿度範囲におい
て、高感度な電気容量式湿度センサ又はある相対湿度以
上となると発光する電気容量式湿度センサを提供する。 【構成】 n型シリコン基板11と、このn型シリコン
基板11上に形成されるアヴァランシェ型の電圧−伝導
電荷特性を持つZnS薄膜12と、このZnS薄膜上に
形成されるAl2 3 誘電体薄膜13と、この誘電体薄
膜13上に形成されるAu電極14とを設け、n型シリ
コン基板11とAu電極14間に電圧を印加することに
より生じる伝導電荷または消費電力を検出することによ
って相対湿度を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿度センサに係り、特
に電気容量式又は発光型湿度センサに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば、文献:「高橋 清“センサの事典”(199
1) 朝倉書店 P.36〜38」に記載されるものが
あった。従来の電気容量式湿度センサは、誘電体に水が
吸着したときの見かけの電気容量の変化を測定すること
により、空気中の湿度をセンシングするものである。
【0003】通常の誘電体の比誘電率が4〜10程度な
のに対し、水の比誘電率は、常温で80程度を示す。そ
のため特に多孔質誘電体材料においては、微小な孔の内
面に水を吸着する。図7にイオンプレーティング法によ
るAl2 3 薄膜の比誘電率の相対湿度依存性を示す。
容量変化の検出を行うために、100Hz以上の交流電
圧が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電気容量式湿度センサにおいては、特に低湿度において
感度が悪いという問題点があった。図7に見られるよう
に、湿度0%のときのAl2 3 薄膜の比誘電率と、あ
る湿度のときの比誘電率の比は、低湿度において極めて
1に近く、測定の誤差が大きくなる。
【0005】本発明は、上記問題点を除去し、低湿度か
ら高湿度まで広い湿度範囲において高感度な電気容量式
湿度センサ又はある相対湿度以上となると発光する電気
容量式湿度センサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、電気容量式湿度センサにおいて、 (1)半導体基板と、この半導体基板上に形成されるア
ヴァランシェ型の電圧−伝導電荷特性を持つ半導体薄膜
と、この半導体薄膜上に形成される吸湿性の誘電体薄膜
(Al2 3 )と、この誘電体薄膜上に形成される電極
とを設け、前記基板と電極間に電圧を印加することによ
り生じる伝導電荷または消費電力等の物理量を検出する
ことによって相対湿度を測定するようにしたものであ
る。
【0007】(2)ガラス基板と、このガラス基板に形
成される第1の電極と、この第1の電極上に形成される
誘電体薄膜(SiO2 )と、この誘電体薄膜上に形成さ
れるアヴァランシェ型の電圧−伝導電荷特性を持つ半導
体薄膜と、この半導体薄膜上に形成される吸湿性の誘電
体薄膜(Al2 3 )と、この誘電体薄膜上に形成され
る第2の電極とを設け、前記第1の電極と第2の電極間
に電圧を印加することにより生じる伝導電荷または消費
電力等の物理量を検出することによって相対湿度を測定
するようにしたものである。
【0008】(3)上記(1)又は(2)記載の電気容
量式湿度センサにおいて、前記半導体薄膜は、ZnSで
ある。 (4)上記(1)又は(2)記載の電気容量式湿度セン
サにおいて、前記半導体薄膜は、SrSである。 (5)上記(1)記載の電気容量式湿度センサにおい
て、前記半導体基板はn型シリコン基板である。
【0009】(6)ガラス基板と、このガラス基板上に
形成される第1の電極と、この第1の電極上に形成され
るエレクトロルミネッセント発光材料からなる発光層
と、この発光層上に形成されるAl2 3 誘電体薄膜
と、このAl2 3 誘電体薄膜上に形成される第2の電
極とを設け、前記第1の電極と第2の電極間に電圧を印
加することにより、発光によって湿度の高低を感知する
ようにしたものである。
【0010】(7)半導体基板と、この半導体基板上に
形成されるエレクトロルミネッセント発光材料からなる
発光層と、この発光層上に形成されるAl2 3 誘電体
薄膜と、このAl2 3 誘電体薄膜上に形成される第2
の電極とを設け、前記第1の電極と第2の電極間に電圧
を印加することにより、発光によって湿度の高低を感知
するようにしたものである。
【0011】(8)上記(7)記載の電気容量式湿度セ
ンサにおいて、前記発光層端面にフォトダイオードを設
け、このフォトダイオードにより発光輝度を検出し、湿
度を測定するようにしたものである。 (9)上記(7)又は(8)記載の電気容量式湿度セン
サにおいて、前記エレクトロルミネッセント発光材料は
ZnS;Mnからなる。
【0012】(10)上記(7)又は(8)記載の電気
容量式湿度センサにおいて、前記半導体基板はn型シリ
コン基板である。
【0013】
【作用】本発明によれば、上記(1)又は(2)のよう
に、湿度センサにアヴァランシェ型の電圧−伝導電荷特
性を持つ半導体薄膜を挿入したので、相対湿度によるA
2 3 の電気容量の変化を、素子の伝導電荷または消
費電力により検知できるようになった。すなわち、伝導
電荷または消費電力は、前記半導体薄膜中の電界がクラ
ンプされる前には指数関数的に変化する。そのため、従
来の湿度センサより、特に低湿度において高感度な湿度
センサが実現できる。
【0014】また、上記(6)又は(7)のように、エ
レクトロルミネッセント発光材料からなる発光層を挿入
するようにしたので、相対湿度によるAl2 3 の電気
容量の変化を、素子の発光非発光により検知できるよう
になった。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参照しな
がら詳細に説明する。図1は本発明の第1実施例を示す
電気容量式湿度センサの構造図である。この図に示すよ
うに、11はn型シリコン基板、12はALE法(アト
ミック・レイアー・エピタキシャル法)によるZnS薄
膜(50nm)、13はイオンプレーティング法による
Al2 3 誘電体薄膜(50nm)、14はAu電極
(30nm)である。
【0016】なお、ZnS12の比誘電率は10であ
り、Au電極14は水分を透過することを特徴とする。
また、Al2 3 誘電体薄膜13は吸湿性であり、比誘
電率の相対湿度依存性は図7に示した通りである。作製
条件を選ぶことによって図7のような吸湿性の薄膜を得
ることができる。本実施例の電気容量式湿度センサは、
図1に示すn型シリコン基板11とAu電極14の間に
交流電圧を印加することによって動作する。
【0017】図2に本実施例における、電圧印加時の電
子バンド構造を示す。図2において、Aは伝導帯、Bは
禁止帯、Cは価電子帯を示し、ZnS中には、Al2
3 −ZnS界面における界面準位21、またトラップ準
位22にトラップされた電子が存在し、前者はトンネル
効果、後者はFrenkel−Poole効果により、
それぞれ電界放出する。
【0018】これらの電子による、伝導電荷ΔQと印加
電圧Vとの関係を図3に、ZnS中の電界EZnS と印加
電圧Vとの関係を図4に示す。これらの図3、図4にお
いて電圧領域は3つに分けられる。すなわち、 (A)領域I:ZnS中の伝導電荷ΔQは小さくほとん
ど無視できる。素子はZnSとAl2 3 の電気容量C
ZnS 、CAl2O3 の合成による容量 CAl2O3 ×CZnS /(CAl2O3 +CZnS ) …(1) を持つ直列コンデンサからなると考えてよい。ZnSの
膜厚をdZnS とすると、ZnS中の電界は、 EZnS =〔CAl2O3 /(CAl2O3 +CZnS )〕×V/dZnS …(2) と印加電圧に比例して増加する。
【0019】(B)領域II:伝導電荷ΔQは指数関数的
に増加するが、Qに対してまだ小さく、やはり素子は、
上記(1)式の容量を持つ直列コンデンサからなると考
えてよい。この時のΔQの変化は主にZnS中の電界E
ZnS の変化に基づくものである。この電界EZnS はやは
り上記(2)式に従う。 (C)領域III :領域IIと領域III は閾電圧Vthで分
割される。この閾電圧Vthは、上記(2)式のEZnS
にクランプ電界Ecl=1.5MV/cmを代入したと
きの印加電圧Vである。
【0020】 Vth=Ecl×dZnS (CAl2O3 +CZnS )/CAl2O3 …(3) 領域III ではZnS中に多くのΔQが存在するので、素
子はもはや2個のコンデンサと見なすことができなくな
る。閾電圧Vthにおいてアヴァランシェ効果により、
ZnS中の電界は1.5MV/cmにクランプされる。
ΔQは(V−Vth)に比例し、比例定数は、CAl2O3
と等しい。
【0021】 ΔQ=CAl2O3 (V−Vth) …(4) 以上述べたことを基礎として、ある相対湿度環境におけ
る、ΔQの印加電圧依存性をみる。以上述べたように、
ΔQとVの関係は、領域IIにおいては、EZnS 、領域II
Iにおいては、CAl2O3 及びVthに依存する。また、
ZnS 、Vthはいずれも上記(2)、(3)式によっ
て、CAl2O3 の関数である。EZnS は、CAl2O3 の増加
関数、VthはCAl2O3 の減少関数であり、したがっ
て、ΔQはCAl2O3 の増加関数である。ところで、C
Al2O3 は、図3に示すように相対湿度の増加関数である
から、等しいVにおいてΔQはCAl2O3 の増加関数とな
る。
【0022】図5に、相対湿度0%、50%、100%
のときのΔQ−V関係を示す。素子にある一定の電圧、
例えば14Vを印加したときのΔQの相対湿度依存性を
図6に示す。素子のΔQを測定し、図6の曲線から相対
湿度を求めることができる。また、素子の消費電力P
は、ΔQとZnS中の電界EZnS の積に比例する。図領
域IにおいてはPは無視できる。Pは領域IIにおいて
は、 P∞exp(−V) …(5) 領域III においては、 P∞(V−Vth) …(6) と表される。
【0023】素子の消費電力と印加電圧の関係によって
も、同様に相対湿度を求めることができる。このよう
に、第1実施例によれば、電気容量式湿度センサにZn
S層を挿入したので、相対湿度によるAl2 3 の電気
容量の変化を、素子の伝導電荷または消費電力により検
知できるようになった。ここで、伝導電荷または消費電
力は、ZnS中の電界がクランプされる前には指数関数
的に変化する。そのため、従来の電気容量式湿度センサ
より、特に低湿度において高感度な湿度センサが実現で
きる。
【0024】図8は本発明の第2実施例の電気容量式湿
度センサの構造図である。この図に示すように、81は
n型シリコン基板、82はSrS薄膜(50nm)、8
3はAl2 3 誘電体薄膜(50nm)、84はAu電
極(30nm)である。第1実施例と同じく、Au電極
84は、水分を透過することを特徴とする。Al2 3
誘電体薄膜83は吸湿性であり、電気容量の相対湿度依
存性は図7に示したとおりである。第1の実施例との相
違は、ZnS層にかえてSrS層を用いたことである。
【0025】第1実施例と同じく、相対湿度によるAl
2 3 の電気容量の変化を、素子の伝導電荷または消費
電力により検知できる。それにより、第1の実施例と同
じく、電気容量式湿度センサとして動作する。ただし、
その動作電圧は、第1実施例と比べ30%ほど低電圧化
され、10V以下の電圧で湿度センサを作動できる。こ
れはSrSのクランプ電圧が1MV/cmとZnSに比
べ低いためである。
【0026】このように、第2実施例によれば、第1実
施例のZnS層をSrS層に変えるようにしたので、ク
ランプ電圧が低くなり、相対湿度を測定する際の動作電
圧を低くすることができる。
【0027】図9は本発明の第3実施例の電気容量式湿
度センサの構造図である。この図に示すように、91は
ガラス基板、92は金属電極(100nm)、93はS
iO2 誘電体層(20nm)、94はZnS薄膜(50
nm)、95は陽極酸化によるAl2 3 誘電体薄膜
(50nm)、96はAu電極(30nm)である。
【0028】この実施例の場合も、第1実施例と同じ
く、相対湿度によるAl2 3 の電気容量の変化を、素
子の伝導電荷または消費電力により検知できる。それに
より、第1の実施例と同じく、電気容量式湿度センサと
して動作する。伝導電荷が流れる層には、ZnSに代え
て、SrSを用いることができる。また、ZnS又はS
rSにかえて、CaS、BaS、ZnSe、SrSe、
CaSe、BaSe等、一般に薄膜エレクトロルミネッ
セント発光材料として用いられているようなアヴァラン
シェ型の電圧−伝導電荷特性を持つ半導体薄膜を用いる
ことができる。
【0029】更に、第3実施例によれば、SiO2 誘電
体層を用いるようにしたので、素子の絶縁耐圧、信頼性
の向上を図ることができる。図10は本発明の第4実施
例を示す電気容量式湿度センサの構造図である。この図
に示すように、101はガラス基板、102はITO電
極、103はALE法によるMnを1mol%ドーピン
グしたZnS薄膜(50nm)、104はイオンプレー
ティング法によるAl2 3 誘電体薄膜(50nm)、
105はAu電極(30nm)である。ZnS103の
比誘電率は10である。Au電極105は水分を透過す
ることを特徴とする。Al2 3 誘電体薄膜104は吸
湿性であり、比誘電率の相対湿度依存性は図7に示した
通りである。
【0030】本実施例の電気容量式湿度センサは、図1
0に示すITO電極102とAu電極105の間に交流
電圧を印加することによって動作する。図11に本実施
例における、電圧印加時の電子バンド構造を示す。図1
1において、Aは伝導帯、Bは禁止帯、Cは価電子帯を
示し、ZnS中には、Al2 3 −ZnS界面における
界面準位111、また“深い準位”112にトラップさ
れた電子が存在し、前者はトンネル効果、後者はFre
nkel−Poole効果により、それぞれ電界放出す
る。電界放出される電子のエネルギーはZnS中の電界
ZnS によって決まる。EZnS はEZnS =Ecl=1.
5MV/cmまではZnSの膜厚をdZnS とすると、外
部電圧Vに比例して、 EZnS =〔CAl2O3 /(CAl2O3 +CZnS )〕×V/dZnS …(7) と増加し、EZnS =Ecl=1.5MV/cmに達した
時、その値にクランプされる(図12参照)。その時の
外部電圧をクランプ電圧という。放出された電子はZn
S中のMnを励起し、その緩和過程において、黄燈色の
発光が薄い金薄膜を通して観察される。
【0031】その輝度Lはクランプ電圧Vthまでは、
ZnS 、それ以上の電圧においては、CAl2O3 と(V−
Vth)の積に比例する(後述の図13の中の相対湿度
0%の時の電圧−輝度特性を参照)。 V<Vth L∞EZnS …(8) V>Vth L∞CAl2O3 (V−Vth) …(9) 以上述べたことを基礎として、ある相対湿度環境におけ
る、Lの印加電圧依存性をみる。以上述べたように、L
とVの関係は、V<VthにおいてはEZnS 、V>Vt
hにおいてはCAl2O3 及びVthに依存する。上記
(7)式より、 Vth=Ecl dZnS (CAl2O3 +CZnS )/CAl2O3 …(10) これと、上記(7)、(8)、(9)式よりLはC
Al2O3 の増加関数である。
【0032】図13に100Hzの交流電圧を印加した
とき、相対湿度0%、50%、100%てのL−V関係
を示す。素子にある一定の電圧を印加すると、ある相対
湿度の場合のみ、電気容量式湿度センサ(素子)は目で
確認できるほど充分な輝度で発光する。図14は本発明
の第5実施例の電気容量式湿度センサの構造図である。
【0033】この図に示すように、121はn型シリコ
ン基板、122はALE法によるMnを1mol%ドー
ピングしたZnS薄膜(50nm)、123はAl2
3 誘電体薄膜(50nm)、124はAu電極(30n
m)である。第4実施例と同じく、Au電極124は水
分を透過することを特徴とする。Al2 3 誘電体薄膜
123は吸湿性であり、電気容量の相対湿度依存性は、
図7に示した通りである。この実施例では、n型シリコ
ン基板121上にフォトダイオード125を設けるよう
にしている。
【0034】第4実施例と同じく、相対湿度によるAl
2 3 誘電体薄膜の電気容量の変化を、ある交流電圧V
を素子にかけたときの発光により検知できる。図15に
示すように、ZnS薄膜の端面からの発光輝度はフォト
ダイオード125により測定される。図16にこの第5
実施例の輝度−相対湿度特性図を示す。ここで、縦軸は
相対輝度L(対数スケール)、横軸は相対湿度(%)を
示している。
【0035】この図から明らかなように、これにより、
空気中の相対湿度を測定できる。発光層としては、Zn
S;Mnだけでなく、SrS;Ce、CaS:Eu等、
一般の薄膜エレクトロルミネッセント発光材料とを用い
ることができる。なお、本発明は上記実施例に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が
可能であり、これらを本発明の範囲から排除するもので
はない。
【0036】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、次のような効果を奏することができる。 (1)請求項1記載の発明によれば、湿度センサにアヴ
ァランシェ型の電圧−伝導電荷特性を持つ半導体薄膜を
挿入したので、相対湿度によるAl2 3 の電気容量の
変化を、素子の伝導電荷または消費電力により検知でき
るようになった。すなわち、伝導電荷または消費電力
は、前記半導体薄膜中の電界がクランプされる前には指
数関数的に変化する。そのため、従来の湿度センサよ
り、特に低湿度において高感度な湿度センサが実現でき
る。
【0037】(2)請求項2記載の発明によれば、上記
(1)の効果に加え、第1の電極と半導体薄膜の間にS
iO2 誘電体層を用いるようにしたので、素子の絶縁耐
圧、信頼性の向上を図ることができる。 (3)請求項3記載の発明によれば、上記(1)の効果
に加え、特に、前記半導体薄膜としてZnS層は優れ
た、湿度センシング特性を示すことができる。
【0038】(4)請求項4記載の発明によれば、上記
(1)の効果に加え、SrS層はZnS層に比べて、ク
ランプ電圧が低くなり、相対湿度を測定する際の動作電
圧を低くすることができる。 (5)請求項5記載の発明によれば、n型シリコン基板
上に容易に、しかも、信頼性の高い電気容量式湿度セン
サを製作することができる。
【0039】(6)請求項6又は7記載の発明によれ
ば、エレクトロルミネッセント発光材料からなる発光層
を挿入するようにしたので、相対湿度によるAl2 3
の電気容量の変化を、素子の発光、非発光により検知で
きるようになった。 (7)請求項8記載の発明によれば、上記(6)の効果
に加え、特に、共通の半導体基板上であって、発光層の
端面の方向にフォトダイオードを設けるようにしたの
で、光の屈折による閉じ込め効果のため、素子の端面に
は膜の上下方向に比べ約10倍の密度で発光が集中す
る。このため、より微弱な発光であっても、集中した発
光を検知することができるので、特に低湿度においても
正確に相対湿度を求めることができる。
【0040】(8)請求項9記載の発明によれば、上記
(6)の効果に加え、特に、前記半導体薄膜としてZn
S;Mn層は優れた、発光湿度センシング特性を示すこ
とができる。 (9)請求項10記載の発明によれば、n型シリコン基
板上に容易に、しかも、信頼性の高い発光型の電気容量
式湿度センサを製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す電気容量式湿度セン
サの構造図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す電気容量式湿度セン
サの電圧印加時の電子バンド構造を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す電気容量式湿度セン
サの伝導電荷ΔQと印加電圧Vとの関係を示す図であ
る。
【図4】本発明の第1実施例を示す電気容量式湿度セン
サのZnS中の電界EZnS と印加電圧Vとの関係を示す
図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す電気容量式湿度セン
サの相対湿度0、50、100%のときの伝導電荷ΔQ
と印加電圧Vとの関係を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例を示す電気容量式湿度セン
サにある一定の電圧、例えば、14Vを印加したときの
伝導電荷ΔQと相対湿度との関係を示す図である。
【図7】従来のイオンプレーティング法によるAl2
3 薄膜の比誘電率と相対湿度との関係を示す図である。
【図8】本発明の第2実施例の電気容量式湿度センサの
構造図である。
【図9】本発明の第3実施例の電気容量式湿度センサの
構造図である。
【図10】本発明の第4実施例を示す電気容量式湿度セ
ンサの構造図である。
【図11】本発明の第4実施例を示す電気容量式湿度セ
ンサの電圧印加時の電子バンド構造を示す図である。
【図12】本発明の第4実施例を示す電気容量式湿度セ
ンサのZnS中の電界EZnS と印加電圧Vとの関係を示
す図である。
【図13】本発明の第4実施例を示す電気容量式湿度セ
ンサに100Hzの交流電圧を印加した時の、相対湿度
0%、50%、100%での輝度と電圧との関係を示す
図である。
【図14】本発明の第5実施例を示す電気容量式湿度セ
ンサの構造図である。
【図15】本発明の第5実施例を示す電気容量式湿度セ
ンサの動作説明図である。
【図16】本発明の第5実施例を示す電気容量式湿度セ
ンサの相対輝度−相対湿度との関係を示す図である。
【符号の説明】
11,81,121 n型シリコン基板 12,94,103,122 ZnS薄膜 13,83,95,104,123 Al2 3 誘電
体薄膜 14,84,96,105,124 Au電極 82 SrS薄膜 91,101 ガラス基板 92 金属電極 93 SiO2 誘電体層 102 ITO電極 125 フォトダイオード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 博実 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)半導体基板と、(b)該半導体基板
    上に形成されるアヴァランシェ型の電圧−伝導電荷特性
    を持つ半導体薄膜と、(c)該半導体薄膜上に形成され
    る吸湿性の誘電体薄膜と、(d)該誘電体薄膜上に形成
    される電極とを設け、(e)前記基板と電極間に電圧を
    印加することにより生じる伝導電荷または消費電力等の
    物理量を検出することによって相対湿度を測定すること
    を特徴とする電気容量式湿度センサ。
  2. 【請求項2】(a)ガラス基板と、(b)該ガラス基板
    に形成される第1の電極と、(c)該第1の電極上に形
    成される誘電体薄膜と、(d)該誘電体薄膜上に形成さ
    れるアヴァランシェ型の電圧−伝導電荷特性を持つ半導
    体薄膜と、(e)該半導体薄膜上に形成される吸湿性の
    誘電体薄膜と、(f)該誘電体薄膜上に形成される第2
    の電極とを設け、(g)前記第1の電極と第2の電極間
    に電圧を印加することにより生じる伝導電荷または消費
    電力等の物理量を検出することによって相対湿度を測定
    することを特徴とする電気容量式湿度センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電気容量式湿度セ
    ンサにおいて、前記半導体薄膜は、ZnSである電気容
    量式湿度センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の電気容量式湿度セ
    ンサにおいて、前記半導体薄膜は、SrSである電気容
    量式湿度センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電気容量式湿度センサに
    おいて、前記半導体基板はn型シリコン基板である電気
    容量式湿度センサ。
  6. 【請求項6】(a)ガラス基板と、(b)該ガラス基板
    上に形成される第1の電極と、(c)該第1の電極上に
    形成されるエレクトロルミネッセント発光材料からなる
    発光層と、(d)該発光層上に形成される吸湿性の誘電
    体薄膜と、(e)該誘電体薄膜上に形成される第2の電
    極とを設け、(f)前記第1の電極と第2の電極間に電
    圧を印加することにより発光によって湿度の高低を感知
    することを特徴とする電気容量式湿度センサ。
  7. 【請求項7】(a)半導体基板と、(b)該半導体基板
    上に形成されるエレクトロルミネッセント発光材料から
    なる発光層と、(c)該発光層上に形成される吸湿性の
    誘電体薄膜と、(d)該誘電体薄膜上に形成される第2
    の電極とを設け、(e)前記第1の電極と第2の電極間
    に電圧を印加することにより発光によって湿度の高低を
    感知することを特徴とする電気容量式湿度センサ。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の電気容量式湿度センサに
    おいて、前記発光層端面にフォトダイオードを設け、該
    フォトダイオードにより発光輝度を検出し湿度を測定す
    ることを特徴とする電気容量式湿度センサ。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の電気容量式湿度セ
    ンサにおいて、前記エレクトロルミネッセント発光材料
    はZnS;Mnからなる電気容量式湿度センサ。
  10. 【請求項10】 請求項7又は8記載の電気容量式湿度
    センサにおいて、前記半導体基板はn型シリコン基板で
    ある電気容量式湿度センサ。
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