JPH0881930A - 路上防霧機構 - Google Patents

路上防霧機構

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JPH0881930A
JPH0881930A JP21568994A JP21568994A JPH0881930A JP H0881930 A JPH0881930 A JP H0881930A JP 21568994 A JP21568994 A JP 21568994A JP 21568994 A JP21568994 A JP 21568994A JP H0881930 A JPH0881930 A JP H0881930A
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Takashi Kamemoto
喬司 亀本
Masaharu Iwamiya
正治 岩宮
Yutaka Igarashi
豊 五十嵐
Muneo Fukuoka
宗男 福岡
Kenichi Uchiyama
憲一 内山
Shigeru Yanagihara
茂 柳原
Tomomasa Imai
智将 今井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 横風に撹乱されず、幅の広い道路に対応で
き、経済性に優れた路上防霧機構を提供する。 【構成】 中央分離帯10を備えた自動車専用道路にお
いて、上下双方向車線それぞれの幅方向に向けて気流の
吹出口列16をもつ横引きダクト18と、エリミネータ
を含む送風機ユニット32と、この送風機ユニット32
と前記横引きダクト18を接続するダクト34とからな
る気流発生ユニットを前記中央分離帯10に沿って連設
するとともに、前記吹出口列に平行な側壁42を路肩に
並設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、霧の多発地域を通過す
る高速道路等において、霧が発生した時に道路上の霧を
除去して視界を保ち走行の安全性を確保するための霧除
去装置に係わるもので、特に空気を噴出して道路上の霧
を除去し、かつ道路上への霧の侵入を防止する道路の霧
除去機構に関する。
【0002】
【従来の技術】高速道路上に濃霧が発生すると、視界が
低下して反応時間が鈍化したり、特に夜間には対向車線
のヘッドライトによる「光膜現象」が視認距離の低下を
招いたりして、高速走行時には重大事故の原因となるこ
とが多い。このような視程の悪化で安全運転が確保でき
なくなると、高速道路は霧発生時の視界に応じて速度が
規制されるばかりか、しばしば通行禁止になる。
【0003】一方、このために迂回路とされる一般道
は、交通量が増加して視界不良に追い打ちをかけ、交通
渋滞を増幅し、交通事故の危険確率を増加するばかり
か、周辺居住者は排気ガス・騒音公害に晒される。その
上、輸送期限の遅延、神経集中によるストレス、輸送エ
ネルギーの増加、作業時間延長による採算の悪化等を考
えると、社会的損失は莫大なものとなる。
【0004】この問題を解決するため、空気の噴出を利
用して道路上から霧を除去する機構が開発されている。
その代表的な一つは、図4(a)に示されるように、道
路401両側の路肩402,402に十分な高さの防音
壁状の側壁403,403を設け、霧が発生すると側壁
上端404,404より気流405を吹き出して路面4
06の上方部分を覆うようにエアカーテン407を形成
する機構である。
【0005】気流405は、別の場所に設けてある、送
風機410と周囲空気中に含まれている霧粒子を捕集す
るためのエリミネーター411等を収容する送風チャン
バー412より、ダクト413を経て吹出口から送出さ
れる。この機構は、霧の多発地域に構築されて道路をト
ンネル状に覆うもので、いわゆる霧に対するシェルター
として機能し、路面406に霧408が降下するのを防
止して視程を確保するものである。
【0006】これは、「路上への霧の侵入を防ぐ」とい
う技術思想に基づくものであるから、側壁には気密構造
が必要であり、道路幅員が広くなるとエアカーテン形成
のために風量を増加しなければならず、送風能力の大き
な設備を配置せざるを得なくなる。これにともなって、
吹出方法を変えない限り、ランニングコストの低減は望
むべくもない。
【0007】また、この機構では、気流405は、シェ
ルター内部の、霧粒子の少ない空気ではなく、周囲の霧
入り空気408の処理が最も重要となる。シェルター内
部の空気を利用しない理由は、シェルター内部が負圧に
なり、エアカーテンが破れるのを防止するためである。
ところが、このシェルター内部の気圧バランスも、大型
車両の走行時には撹乱されて、エアカーテンは膨らんだ
り凹んだりする。
【0008】一方、これとは別に「入ってきてしまった
霧を取り除く」という技術思想による、図5(a)に示
されるような機構が提案されている。この機構には、上
記同様、道路501両側の路肩502a,502bに十
分な高さの側壁503a,503bを設ける一方、道路
501沿いの所定間隔毎に、側壁503a,503bの
高さのほぼ中央に性能のよいエリミネータを含む送風機
ユニット504a,504bが設置される。これは、一
部に霧粒子を含む外界の空気505を取り込みつつ、エ
リミネータで霧粒子を除いた空気507a,507bを
側壁503a,503bに囲まれた路面506上で対流
させ、稀釈により消霧を図っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
4(a)および図5(a)に示される機構のいずれの場
合も、外部空気中の濃度の濃い霧を捕集して処理しなけ
ればならないから、高性能のエリミネータを必要とす
る。しかも、図4(b)および図5(b)に2点鎖線の
矢印Dで示したような横風の影響を受ける。すなわち図
4(b)に示されるように横風を受けた場合、シェルタ
ー内への霧粒子を含む空気の混入を完全に防止すること
は困難である。そこで、所用視程を前提として、想定さ
れる横風の風速に応じた大きさの気流405の吹出風速
を設定することは可能であろう。しかし、常時その吹出
風速で機構を稼働させることには経済的に問題がある。
【0010】また図5(b)では左右の送風機ユニット
504a,504bによって形成される2つの対流空気
507a,507bの中央で霧の降下を妨げていた上昇
気流は横風に引き込まれて消滅するとともに、横風下流
側に位置する側壁上端からの霧粒子を含む外気の侵入が
下流側の対流507bに引き込まれて増大する。さらに
横風の風速が大きくなると、遂には2つの対流による道
路上の気流環境は破壊され、エリミネータの霧粒子除去
能力は追随が困難となる。
【0011】その上道路幅が広くなるほど、また横風の
影響を大きく受けるほど、防霧効果を維持するために送
風機に大動力を要し、このため電力消費が増大するから
濃霧に係わる損失に対比しての経済的効果は期し難くな
る。
【0012】本発明の目的は、路上の霧を効率よく除去
し、視界を良好に保つとともに、横風に撹乱されず、幅
の広い道路に対応でき、しかも経済効率の優れた路上防
霧機構を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明に係わる路上防霧機構は、中央分離帯を備え
た自動車専用道路において、上下双方向車線それぞれの
幅方向に向けて気流の吹出口列をもつ横引きダクトと、
エリミネータを含む送風機ユニットと、この送風機ユニ
ットと前記横引きダクトを接続するダクトとからなる気
流発生ユニットを前記中央分離帯に沿って連設するとと
もに、前記吹出口列に平行な側壁を路肩に並設した。
【0014】しかも、前記吹出口列の気流吹き出し方向
を地面と平行な面に対し−30°〜+30°とした。ま
た、この吹出口列の設置高さは、平均的運転者の目の高
さより上方に1mを超えないようにし、さらに前記側壁
の設置高さを、平均的運転者の目の高さより上方に1m
を超えないようにするとよい。
【0015】
【作用】通行車線の幅方向に向けて、気流の自由空間へ
の吹き出し方向を地面と平行な面に対して−30°〜+
30°に選定したとき、自由気流は、通常、エアジェッ
トと近接平面との間に生じるコアンダ効果(Coanda Eff
ect)に従って、吹出口から路面に向かい、路面との衝
接地点から内側に巻き込むように吹出口近傍の空間に渦
を形成する流れと、外方に向けて路面に沿って進み側壁
に当たって上方に反転する流れとのそれぞれ独立した流
れに分岐することが実験的に確認されている。側壁によ
って立ち上げられた気流が側壁の外側からの横風による
霧の侵入を遮断する一方、渦となって内部で循環される
気流の霧粒子はエリミネータの作用で除かれるから、視
程は十分に確保できる。
【0016】道路上の空気は送風機ユニットの吸気口に
斜めに吸引される傾向があるが、通行車両により空気が
撹拌されて平均化されるので不都合は生じない。また、
吹き出す空気は車道上の空気を利用するので、霧の除去
はエリミネータによってほぼ完全に行うことができる。
【0017】しかも、このような構成により吹出口およ
び側壁の設置高さを低く押さえることが可能となるた
め、閉鎖空間がもたらす心理的な圧迫感から運転者や乗
員を開放することができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明に係わる実施例の断面図である。中
央分離帯10に適当な間隔で支柱12を設置し、この支
柱12の上に両側に延在する道路14に向かって空気を
吹き出す吹出口列16をもつ横引きダクト18を中央分
離帯10沿いに設ける。この横引きダクト18の長さL
は、中央分離帯10の幅W以内に設置できるように選ば
れた大きさの送風機20により決定される送風量で所要
の気流が供給可能な長さとする。
【0019】吹出口列16は、原則的には連続している
ことが望ましい。ただし、送風機の20の容量や横引き
ダクト18の大きさから、例えば数キロメートルの長距
離を一つのユニットで受け持つことはできないので、適
当な距離毎に、送風機チャンバー22を設置する。また
吹出口列16自体も連続して開口を設けると機械的強度
が確保できないので、長方形の吹出口19を適当な間隔
で設けるようにする。送風機20は、適当な寸法のチャ
ンバー22の内部24に設置され、道路14側から空気
を吸引するように、両側に開口部26,26を有するダ
ブルサクション式を使用する。開口部26,26の内側
には吸引空気のゴミを除去する金網28等のフィルタ
と、霧の粒子を除くエリミネータ30が設置されてい
る。
【0020】エリミネータ30は、例えば多数の独立し
た羽根を鎧戸状に配設したルーバー型式とし、例えば傾
斜角60°、ピッチ25mm、長さ250mmの羽根を
設けて、霧粒子を高い除去効率で取除くようにする。エ
リミネータの材質は、付着した水分の再飛散および再凝
縮を防止するため幾分親水性の高いものが望ましい。プ
ラスチック等の撥水性材料の場合には、表面に濡れ性能
の大きい塗料をコーティングしてもよい。また吸水ポリ
マー等の高吸水性樹脂を張り付けてもよい。凝縮水は、
再飛散を防ぐため付着後ただちに系外に排出される構造
とすることが望ましい。
【0021】送風機ユニット32には、縦ダクト34が
接続され、横引きダクト18に連結されている。このよ
うに送風および吹出機構をユニット式にしたことによっ
て、修理、点検等の保守管理作業を容易に行うことがで
きるようになる。また、道路14両側の路肩36には周
囲の霧を含む空気38の侵入を防ぎ、吹き出した空気4
0を上昇反転させるために、高さのあまり大きくない側
壁42を設ける。
【0022】上記の構成による機構は霧の多発地域に設
置され、走行視程に影響を及ぼす霧の発生が確認された
とき、送風機ユニット32が稼働される。横引きダクト
18の吹出口19より水平方向に対して−30°〜+3
0°の間で、吹き出された霧を含まない空気40は、コ
アンダ効果によって、一旦道路面46に衝接し、この衝
接地点から吹出口19寄りの道路面46内側空間の中で
回流する渦流48と、道路面46に沿って道路面46外
側に向かい側壁42によって上方に反転して流れる上昇
流50とに分岐する。上昇流50は霧が路上へ沈降する
のを防止し、これらの気流空間は霧が含まれない空気な
ので、視程は確保される。
【0023】横風に対しても、側壁42で反転した上昇
流50が、霧を含む空気38の道路14領域への侵入を
防止するので、横風が視程に影響することはない。ま
た、送風機ユニット32に吸引される空気は、中央分離
帯10付近の霧粒子の少ない空気なので、エリミネータ
30はそれほど高性能を必要としないし、空気を吸込む
開口部26,26に向かって道路14上の空気が斜めに
吸引される傾向が発生しても、車両の通行で平均化さ
れ、不都合は生じない。
【0024】上下線がそれぞれ独立に設けらている路線
に対しては、上記双方向車線に対する設備の半分がそれ
ぞれに適用される。すなわち各道路の一方の路肩に沿っ
ては吹出口列16が、また他方の路肩に沿っては側壁4
2が設けられる。いずれの側の路肩に吹出口列16を設
けるかは、道路が通過する地域の横風特性を考慮して定
めればよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係わる路上
防霧機構によれば、気流の制御範囲に中央分離帯が含ま
れないので、中央分離帯の幅の大きさは無関係となり、
制御対象は走行車線のみに限定され、しかも視程は横風
に殆ど影響されないため、効率のよい送風量が効果的に
確保できる。
【0026】また、送風用横引きダクトおよび側壁の高
さが低く設定できるので、コスト面は勿論、運転者およ
び乗員には適当な視界が確保され、心理的圧迫感から解
放されて快適走行が保証されるとともに、霧に起因する
衝突事故や渋滞、通行規制、道路閉鎖等による時間的、
経済的弊害が解消ができる。
【0027】しかも、送風機ユニットに吸引される空気
は、中央分離帯付近の霧粒子の少ない空気なので、エリ
ミネータは高性能を必要としない。さらに、送風機ユニ
ットは中央分離帯のスペースを利用して設置されるの
で、特別に設置空間としての土地を必要とせず、既設の
道路に設置可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる路上防霧機構を備えた道路の構
成を示す説明図である。
【図2】図1の中央部分の送風機ユニット部分を断面で
示した拡大図である。
【図3】図2のIII-III線に沿う側面図である。
【図4】従来の一実施例を示す説明図である。
【図5】従来の他の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 中央分離帯 12 支柱 14 道路 16 吹出口列 18 横引きダクト 19 吹出口 20 送風機 22 チャンバー 26 開口部 28 金網 30 エリミネータ 32 送風ユニット 34 縦ダクト 36 路肩 38 霧を含む空気 40 霧を含まない空気 42 側壁 46 道路面 48 渦流 50 上昇流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福岡 宗男 東京都中央区京橋二丁目5番12号 東洋熱 工業株式会社内 (72)発明者 内山 憲一 東京都中央区京橋二丁目5番12号 東洋熱 工業株式会社内 (72)発明者 柳原 茂 東京都中央区京橋二丁目5番12号 東洋熱 工業株式会社内 (72)発明者 今井 智将 東京都中央区京橋二丁目5番12号 東洋熱 工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央分離帯を備えた自動車専用道路にお
    いて、上下双方向車線それぞれの幅方向に向けて気流の
    吹出口列をもつ横引きダクトと、エリミネータを含む送
    風機ユニットと、この送風機ユニットと前記横引きダク
    トを接続するダクトとからなる気流発生ユニットを前記
    中央分離帯に沿って連設するとともに、前記吹出口列に
    平行な側壁を路肩に並設したことを特徴とする路上防霧
    機構。
  2. 【請求項2】 前記吹出口列の気流吹き出し方向が地面
    と平行な面に対して−30°〜+30°であることを特
    徴とする請求項1に記載の路上防霧機構。
  3. 【請求項3】 前記吹出口列を、平均的運転者の目の高
    さより上方に1mを超えない高さに設置したことを特徴
    とする請求項1または2に記載の路上防霧機構。
  4. 【請求項4】 前記側壁を、平均的運転者の目の高さよ
    り上方に1mを超えない高さに設置したことを特徴とす
    る請求項1から3のいずれかに記載の路上防霧機構。
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