JPH0881784A - 接着用アルミニウム及びアルミニウム合金材料の表面処理方法 - Google Patents

接着用アルミニウム及びアルミニウム合金材料の表面処理方法

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JPH0881784A
JPH0881784A JP21894194A JP21894194A JPH0881784A JP H0881784 A JPH0881784 A JP H0881784A JP 21894194 A JP21894194 A JP 21894194A JP 21894194 A JP21894194 A JP 21894194A JP H0881784 A JPH0881784 A JP H0881784A
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aluminum
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adhesive
contg
discoloration
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JP21894194A
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Bunji Jido
文治 慈道
Yoji Ishida
洋治 石田
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自動車等の車両、小型船舶等の構造部材として
用いられるアルミニウム及びアルミニウム合金材料の接
着剤による接合の前処理の際に生じる変色を防止し、か
つ接着性を向上させること。 【構成】 アルミニウム及びアルミニウム合金材料の表
面を脱脂した後、エッチング処理し、材料表面のMg検
出量を10at%未満とし、次いでケイ酸塩総量が10
〜1000ppm含む水溶液を用いて、50℃以上の温
熱処理を行い、表面にSi量で1〜20mg/m2のケイ
素含有酸化皮膜を形成することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は構造部材用アルミニウム
及びアルミニウム合金材料(以下アルミニウム材料と略
記する)を接着剤により接着する際に、優れた接着強度
が得られるような表面状態に調整する表面処理方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車、電車等の車両や小型船舶
などの構造部材としては主として鋼材が用いられてき
た。しかし近年の自動車の排気ガスの抑制や燃費の向
上、車両、小型船舶等における高速化、高性能化を目的
とした軽量化要求などにより、鋼材の代替材料として軽
量で耐食性の優れたアルミニウム材料が採用される傾向
が増大している。前記のアルミニウム材料の接合方法と
しては、機械的接合方法、リベット接合、溶接、スポッ
ト溶接などが主体であるが、商品価値が高く、かつ高性
能要求のなかで、構造用部材の変形、接合部の変質、外
観的な美しさを損わないような接合方法として接着剤接
合が注目されてきた。従来この接着剤接合用アルミニウ
ム材料の表面処理方法として、アルマイト処理、ベーマ
イト処理等が行われてきた。しかしこの方法ではアルミ
ニウム材料の変色、接着強度の不足など信頼性に欠ける
問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、アルミニ
ウム材料の接着剤接合における変色、接着不良について
検討したところ、アルミニウム材料としては微量もしく
は多量のMgを含む材料を使用することから、熱間圧
延、焼鈍等の製造工程で生成した結晶質および非結晶質
のMgを含む酸化膜が材料表面に残り、これが接着後茶
色に変質して、美観を損うばかりか剥離を起こすことを
究明した。またアルミニウム材料は、圧延後および成形
加工後に洗浄のために60〜100℃の温熱水で洗うこ
とがあるが、水道水、井戸水、工業用水中にCa、Fe
などの不純物を含むと、材料の表面が茶色に変色し前記
と同様の接着不良の原因となることも究明した。本発明
はこれらの問題について検討の結果、変色がなく接着強
度の優れた接合が可能なアルミニウム材料の表面処理方
法を開発したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はアルミニウム及
びアルミニウム合金材料の表面を脱脂した後エッチング
処理し、材料表面のMg検出量を10at%未満とし、
次いでケイ酸塩総量が10〜1000ppm含む水溶液
を用いて、50℃以上の温熱処理を行い、表面にSi量
で1〜20mg/m2のケイ素含有酸化皮膜を形成するこ
とを特徴とする接着用アルミニウムおよびアルミニウム
合金材料の表面処理方法である。すなわち本発明は、ア
ルミニウム及びアルミニウム合金、例えば純アルミニウ
ム、或いはAl−Si系、Al−Mg系、Al−Mg−
Si系、Al−Cu−Mg系、Al−Zn−Mg系、A
l−Zn−Cu−Mg系、などの合金材料の表面を、ト
リクロロエタン等の溶剤により脱脂した後、アルカリ洗
剤、酸性洗剤、苛性ソーダ、硝酸硫酸等の水溶液を用い
てエッチング処理し、スマット除去を行い、材料表面の
Mg検出量を10at%未満とし、次いで例えばケイ酸
ナトリウム、二ケイ酸ナトリウム、三ケイ酸ナトリウ
ム、四ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩を用い、その総量
を10〜1000ppmとした水溶液を50℃以上とし
て温熱処理を行い、表面にSi量で1〜20mg/m2
ケイ素含有酸化皮膜を形成するものである。
【0005】
【作用】前記のエッチング処理は、アルミニウム材料の
製造工程中で生じる、Mgを含む酸化膜を除去するため
に行うものであり、前記したアルカリ洗剤などの溶液に
より、アルミニウム材料表面のMg検出量を10at%
未満(望ましくは5at%)とするものである。Mg検
出量が10at%以上では、接着剤との界面で接着強度
を低下する。この処理は溶解速度を2.5μm /min以上
(望ましくは5〜9μm /min)とし、溶解量を5g/m2
上(望ましくは10〜20g/m2)として行うと、アルミ
ニウム材料の表面を均一深さで溶解でき、かつMgを含
む酸化膜を完全に除去できる。またエッチング処理の実
施時期は、最終仕上焼鈍以降であればその目的は達成さ
れるが、接着剤接合前のケイ酸塩処理工程の前段階で行
うことが最も有効である。
【0006】次いで行うケイ酸塩水溶液による温熱処理
は、通常行われる水道中等の温熱処理において、Ca,
Fe等の不純物イオンによるアルミニウム材料の変色の
防止と耐食性および接着性向上のため行うものであり、
ケイ酸塩の添加によりCa.Fe等のイオンよりも材料
表面に優先的に吸着して、Ca, Fe等の吸着を阻止す
るとともに、不活性で安定したケイ素含有酸化皮膜を形
成して接着性を向上する。前記のケイ酸塩総量を10〜
1000ppmとしたのは、10ppm未満ではケイ素
含有酸化皮膜が生成し難く、また1000ppmを超え
て添加してもその効果は飽和するからである。温熱処理
の温度を50℃以上としたのは、浴温の高いほど反応速
度は速く酸化皮膜の生成を促進するが、50℃未満では
この生成が極めて遅く実用的でないためで、望ましくは
85℃以上である。
【0007】前記の処理によりアルミニウム材料表面に
形成されるケイ素含有酸化皮膜をSi量で1〜20mg
/m2としたのは、この皮膜は材料の耐食性および接着性
の向上に寄与するが、Si量が1mg/m2より少ないと
耐食性および接着性が低下するためである。またSi量
が20mg/m2を超えて形成すると、ケイ素含有酸化皮
膜が非導電性であるため、スポット溶接を併用する場合
やさらにその後に電着塗装を行う場合には厚すぎて支障
となるからである。
【実施例】以下に本発明の好適な実施例を説明する。
【0008】アルミニウム材料としてAl−Mg系JI
S5182合金を使用し、ソーキングを560℃8時
間、さらに540℃1時間加熱後、板厚5mmに熱間圧
延し、次いで第一次冷間圧延を行って板厚2mmとし、
360℃2時間の中間焼鈍を行った後、第二次冷間圧延
により板厚1.0mmとし、その後360℃2時間の焼
鈍を行い整直した。
【0009】(1)表面処理 トリクロロエタンを用いて脱脂し、その後試料No.1
〜6については硝酸を用い、水溶液の濃度と浴温を変え
て溶解速度を5〜9μm /minになるように調整し、エッ
チングを行い、スマット除去処理を施して材料表面のM
g検出量を3〜9at%に変えたものを作成し、次いで
種々のケイ酸塩を用い、浴組成と温度を変えて表面処理
を行い、Si量の異なるケイ酸塩酸化皮膜の試料を得
た。なお比較のため前記の処理条件と異なる条件で、エ
ッチング処理とケイ酸塩温熱処理を行ったもの試料N
o.7〜10を作成した。また従来の方法として、アル
マイト及びベーマイト処理の通常の処理剤及び方法で試
料No.11〜15を作成した。前記のエッチング処理
及びケイ酸塩温熱処理に使用した水道水はCa2+9pp
m、Fe0.05ppm、SiO2 15ppmが含有さ
れている。
【0010】(2)変色評価 前記のような表面処理条件により処理したアルミニウム
材料の表面を目視観察し、まったく変色の無いものを○
印、僅かに変色したものを△印、変色の著しいものを×
印で現わした。
【0011】(3)接着剤の調製 (イ)接着剤A エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート828)…80部 反応性希釈剤(日東化成社製、エポニット012) …20部 潜在性硬化剤(ジシアンジアミド) … 7部 ベンゾグアナミン …10部 炭酸カルシウム …10部 トリポリリン酸二水素アルミニウム (180℃×30分加熱、脱水率0.5%以下)…15部 カーボンブラック … 5部 前記組成成分を順次ニーダーに投入し撹拌混合し、3本
ロールで分散混合後、減圧下で脱気処理し、接着剤Aを
調製した。 (ロ)接着剤B 前記(イ)において加熱脱水したトリポリリン酸二水素
アルミニウム15部の代りに、塩基性硫酸鉛15部を用
いた以外は(イ)と同様にして接着剤Bを調製した。
【0012】(4)接着性試験 前記(1)の表面処理したアルミニウム材料(巾25m
m、長さ100mm)の各試料について、前記の接着剤
A及びBを用いて、接着剤の厚さ0.1mm(クリップ
で圧締)ラップ巾13mmに接着し、190℃で30分
加熱硬化を行い、接着試験片(n=3)を作成した。こ
の試験片をJISz2371の塩水噴霧試を90日間行
い、腐食試験前後の引張剪断強さを測定し、下式により
強度の残存率を算出した。 前記の表面処理条件により処理した試料を、前記の試験
方法により試験した結果をまとめて表1に示した。
【0013】
【表1】
【0014】表1から明らかなように、本発明実施例に
係るNo.1〜6は、いずれも変色がなく、かつ残存率
も高く、接着性に優れていることが判る。これに対して
比較例のNo.7はエッチング処理後のMg量が多く、
かつSi皮膜厚さが薄いため変色が著しく、残存率も低
い。またNo.8はケイ酸塩の添加がないため、No.
9はエッチング処理後のMg量が多く、かつケイ酸塩の
添加がないため、変色が著しく残存率も悪い。No.1
0はケイ酸塩の添加量が少なく、かつSi皮膜厚さが薄
いため、変色があり残存率も低い。さらに従来例のN
o.11は変色はないものの残存率が低く、No.12
〜15は変色があり、かつ残存率も低い。
【0015】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
アルミニウム材料の変色を防止し、かつ優れた接着強度
を示すアルミニウム及びアルミニウム合金材料が得られ
るもので、工業上顕著な効果を奏するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム及びアルミニウム合金材料
    の表面を脱脂した後、エッチング処理し、材料表面のM
    g検出量を10at%未満とし、次いでケイ酸塩総量が
    10〜1000ppm含む水溶液を用いて、50℃以上
    の温熱処理を行い、表面にSi量で1〜20mg/m2
    ケイ素含有酸化皮膜を形成することを特徴とする接着用
    アルミニウム及びアルミニウム合金材料の表面処理方
    法。
JP21894194A 1994-09-13 1994-09-13 接着用アルミニウム及びアルミニウム合金材料の表面処理方法 Pending JPH0881784A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101362525B1 (ko) * 2010-10-18 2014-02-13 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 알루미늄 합금판, 이것을 사용한 접합체 및 자동차용 부재
KR20170060103A (ko) * 2014-11-11 2017-05-31 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 알루미늄 합금재, 접합체, 자동차용 부재, 및 알루미늄 합금재의 제조 방법
WO2021140751A1 (ja) * 2020-01-08 2021-07-15 株式会社デンソー 構造体

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