JPH0880500A - 浄水脱水ケーキの炭化処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浄水場から発生するスラッジを炭化処理し、
肥料効果と土質改良効果ができる製品を提供する。 【構成】 浄水場から発生するスラッジの脱水ケーキ
を、６００〜８００℃の温度の非酸化性雰囲気内で加熱
し、脱水ケーキ中の有機物を炭素化し、緑農地還元等を
行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、浄水場から発生する
スラッジの脱水ケーキを熱処理して、ケーキ中に含有す
る有機物を炭化処理する方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】浄水場から発生するケーキは産業廃棄物
の規則を受けており、発生量は全国で３００．０００ｔ
−ＤＳ／年（乾固形物量換算）に上っている。埋立用地
が不足している我国では、ケーキの有効利用法が望まれ
ており、このケーキの有効利用方法としては、肥料効果
や土質改良効果を期待した緑農地還元がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ケーキの緑地還元は、
脱水したままのケーキでは、水分が高く、保管性が悪
く、細菌によるカビの発生等の欠点があった。一方、ケ
ーキを高温で焼成する方法もあるが、ケーキ中に２０〜
３０％含有する有機物が燃焼してしまうため、肥料効果
が半減し、しかも、焼成のエネルギーによる製品コスト
に見合う付加価値のある製品とはなりえなかった。本願
発明は、ケーキ中に含まれる有機物を有効に活用し、緑
農地等の有効利用に適した製品を提供することを目的と
する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本願発明は、浄水場から
発生するスラッジの脱水ケーキを、６００〜８００℃の
温度の非酸化性雰囲気内で加熱し、脱水ケーキ中の有機
物を炭素化するものである。そして、有機物の炭素化に
付隨して、加熱したケーキを砂粒状の黒鉛化を図るもの
である。

【０００５】

【作用】脱水ケーキを非酸化性雰囲気内で加熱して行く
と、ケーキ中に含有する炭水化物等の有機物は、温度が
５００℃以上になると炭化反応が徐々に進行してくる。
やがて、温度が６００℃以上になると炭化現象が短時間
で発生する。炭素化した有機物を非酸化性雰囲気で冷却
した後、製品として取り出す。炭素化した有機物は吸着
剤や脱臭剤として活用することができる。そして、加熱
処理した酸化珪素を主成分とする浄水脱水ケーキは、黒
色の砂粒化となり、ろ過助剤として、あるいは土壌改良
剤として利用できるものである。

【０００６】

【実施例】本願発明を実施例に基づき詳述すると、図１
は本願発明の方法を実施するための装置であって、符号
１は電気炉、符号２は多数のトラフ３…を連結したエン
ドレス状のメッシュベルトであって、このメッシュベル
ト２の水平部分を電気炉１内に配設してある。電気炉１
には、その前段部にヒーター４を有する加熱室５と、そ
の後段部に冷却室６が配設してある。この加熱室５と冷
却室６に雰囲気ガスが供給できるように、窒素ガスの供
給管７が電気炉１に接続してある。

【０００７】このように配設した装置において、本願方
法発明の実施例は、先ず、電気炉１に約３０％の窒素ガ
スを供給し、加熱室５と冷却室６を非酸化性雰囲気に保
ちながら、メッシュベルト２を回動させ、トラフ３に載
置した脱水ケーキを電気炉に連続的に送入する。そし
て、加熱室５に設けたヒーター４でケーキを昇温加熱し
て、ケーキ中に約２０〜３０％含有する炭水化物等の有
機物を炭素化する。同時に、主成分としてケーキ中に含
有する酸化珪素を黒鉛化させ、黒色の砂粒状に焼成させ
る。加熱処理した脱水ケーキは非酸化性雰囲気内で冷却
し、炉内保持時間３０分で処理ケーキを取り出す。

【０００８】ヒーター４によるケーキの加熱温度は、５
００℃以上になると、有機物の炭化反応は徐々に進行す
るが不完全であり、炭化反応に長時間を要する。加熱温
度が６００℃以上になると単時間で有機物の炭化反応は
進行し、９００℃以上になると有機物は焼結反応が行な
われクリンカーとなる。したがって、ケーキの加熱温度
は、有機物が急速に炭素化する６００〜８００℃が好ま
しい。なお、炭水化物は大気中で温度４００℃以上で燃
焼するので冷却室６の非酸化性雰囲気のコントロールを
必要とするものである。

【０００９】上記の本願方法発明により炭化処理された
ケーキの用途としては、（１）吸着効果を利用して、浄
水の原水に、あるいは、各種廃水の処理水に活性炭のか
わりに、粉末にして添加する。（２）粒状として、吸着
剤、ろ過砂あるいは生物担体のろ材とする。（３）土壌
改良剤とする。（４）ゴルフ場等の農薬の吸着剤とす
る。（５）沈降助剤、ろ過助剤とする。等浄水場から発
生するスラッジを炭化物として広い用途に利用すること
ができる。

【００１０】

【発明の効果】本願発明は上記のように構成してあり、
脱臭剤、吸着剤あるいは土壌改良剤として活用すること
ができる。即ち、本願の方法発明は、浄水場の脱水ケー
キを非酸化性雰囲気で６００〜８００℃の温度で加熱す
るようにしてあるので、ケーキ中に約２０〜３０％含有
する有機物が炭素化し、臭気やカビ等の発生がなく、保
管性もよく、肥料効果と土質改良効果が期待でき、緑農
地還元等の有効利用が行なえるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の浄水脱水ケーキの炭化処理方法を実
施するための、コンベア移動式電気炉の模式図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０９Ｋ 17/32 Ｈ // Ｃ０９Ｋ 101:00

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浄水場から発生するスラッジの脱水ケー
   キを、６００〜８００℃の温度の非酸化性雰囲気内で加
   熱し、脱水ケーキ中の有機物を炭素化することを特長と
   する浄水脱水ケーキの炭化処理方法。