JPH088040A - イオナイザの高圧放電回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立作業を行うことなく必要な長さのものと
なし得るイオナイザの高圧放電回路を提供する。 【構成】上面解放の導電性の外箱１と、この外箱の上面
開口を覆って設けられ絶縁性プラスチックからなるベー
ス９と、このベース下面に設けられ高圧電線を前記ベー
スに支持させる導電性プラスチックからなる端子７と、
前記端子に金属スリーブ６を介して埋め込まれ先端を前
記ベース表面に臨ませた放電針３とを有することを特徴
とする。上記構成によれば、一体成型により所望の長さ
のものを組立作業なしに構成できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高圧コロナ放電により
積極的に静電気の中和、除電を行うコロナ放電機器の高
圧放電回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】塵埃の付着や、静電気障害を嫌う装置に
おいては、静電気を中和、除去するコロナ放電機器（以
下イオナイザと呼ぶ）が使用されている。このイオナイ
ザに使用されている高圧放電回路は、金属端子に金属製
スリーブを緊密に接触させた状態で絶縁材料で成型し、
高圧電線を金属スリーブの内孔に挿入して組み立てられ
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記構成の従来の高圧
放電回路においては、絶縁材料による成型品はあまり大
きなものとすることができず、必要とする装置の長さに
合わせて複数個の成型品を組み立てて、高圧放電回路を
構成する必要があった。また、放電によって発生するイ
オンの送風分布効率を高めるために、成型品内部の風洞
構造も複雑となるだけでなく、組立作業を必要とするた
め、精度、品質の維持管理、生産性向上の面で問題があ
った。

【０００４】本発明は上記の事情に基づきなされたもの
で、組立作業を行うことなく必要な長さのもとなし得る
イオナイザの高圧放電回路を提供する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の高圧放電回路
は、上面解放の導電性の外箱と、この外箱の上面開口を
覆って設けられ絶縁性プラスチックからなるベースと、
このベース下面に設けられ高圧電線を前記ベースに支持
させる導電性プラスチックからなる端子と、前記端子に
金属スリーブを介して埋め込まれ先端を前記ベース表面
に臨ませた放電針とを有することを特徴とする。

【０００６】

【作用】上記構成の本発明の高圧放電回路は、金属製端
子に金属製スリーブを緊密に接触させた状態で絶縁材料
で成型したり、高圧電線を金属スリーブの内孔に挿入し
て組み立てたりすることなく、高圧電線、導電端子、ベ
ース等の一体成型によって構成することができる。

【０００７】

【実施例】図１は本発明の一実施例を示す概略斜視図、
図２はその横断面図、図３はその縦断面図である。図１
において、例えば断面コ字状をした金属製の上面解放の
直方体状の外箱１には、高圧放電回路装置２が挿着され
ている。この高圧放電回路装置２においては、絶縁性被
覆を具える高圧電線５を外箱１の一端に設けたソケット
４によって支持させて取り付けられている。そして、高
圧放電回路装置２の上面には一定間隔で、複数個の放電
針３が直列に設けられている。

【０００８】高圧放電回路装置２は、図２、図３に示す
ように、外箱１の上面開口を覆って両側に上開きの斜面
と高圧電線５を支持させる導電性プラスチックからなる
端子７を保持する薄型の絶縁性プラスチック製のベース
９で被覆構成されている。高圧電線５はベース９下面に
導電性プラスチック端子７によって取り付けられてい
る。この端子７にはベース９の上面に金属スリーブ６が
一定間隔で、複数個埋め込まれている。放電針３は金属
スリーブ６を介して前記端子７に埋め込まれ、その先端
は前記ベース９表面に臨ませられている。

【０００９】上記構成の高圧放電回路においては、高圧
電線の被覆は絶縁性であり、導電性の端子７は前記高圧
電線と一体成型であるから、高圧電線５の導体８に印加
された高電圧は前記端子に誘電され、金属スリーブ６を
経て放電針３より瞬時に放電される。

【００１０】上記構成の本発明の実施例と仕様を同じく
する試作品を作成し、高圧電線５にＡＣ９ＫＶを印加し
てコロナ放電によるイオン発生状況を静電モニタによっ
て測定したところ、除電時間が１秒以下という特性が得
られた。測定条件は、静電容量２０ＰＦの静電モニタを
用い、前記試作品と前記静電モニタとの距離を５０mmと
し、静電気電圧が±１０００Ｖから±１０Ｖまで低下す
るに要する時間を測定した。この特性は従来使用されて
きた同種の装置とそれと全く同等のものということがで
きる。

【００１１】なお、上記実施例において導電性プラスチ
ックの体積固有抵抗値は、１０^-1〜１０^-3Ω−ｃｍレベ
ルである。

【００１２】

【発明の効果】上記から明らかなように、本発明の高圧
放電回路は金属製端子に金属製スリーブを緊密に接触さ
せた状態で絶縁材料で成型したり、高圧電線を金属スリ
ーブの内孔に挿入して組み立てたりすることなく、高圧
電線、導電端子、ベース等の一体成型によって構成する
ことができるので、精度、品質の維持管理、生産性の向
上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の概略斜視図。

【図２】図１の横断面図。

【図３】図１の縦断面図。

【符号の説明】

１………外箱 ２………高圧放電回路装置 ３………放電針 ４………ソケット ５………高圧電線 ６………金属製スリーブ ７………導電性プラスチック端子 ８………導体 ９………ベース

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 用松 東京都千代田区飯田橋４−５−７ ヒュー グルエレクトロニクス株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面解放の導電性の外箱と、この外箱の
   上面開口を覆って挿着された絶縁性プラスチックからな
   るベースと、このベース下面に設けられ高圧電線を前記
   ベースに支持させる導電性プラスチックからなる端子
   と、前記端子に金属スリーブを介して埋め込まれ先端を
   前記ベース表面に臨ませた放電針とを有することを特徴
   とするイオナイザの高圧放電回路。
2. 【請求項２】 前記導電性プラスチックからなる端子と
   前記高圧電線とを一体成型したことを特徴とする請求項
   １記載のイオナイザの高圧放電回路。
3. 【請求項３】 前記金属スリーブを、前記高圧電線の表
   面近傍に始端させたことを特徴とする請求項１または請
   求項２記載のイオナイザの高圧放電回路。