JPH0880129A - 撒液用チューブ - Google Patents

撒液用チューブ

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JPH0880129A
JPH0880129A JP21911894A JP21911894A JPH0880129A JP H0880129 A JPH0880129 A JP H0880129A JP 21911894 A JP21911894 A JP 21911894A JP 21911894 A JP21911894 A JP 21911894A JP H0880129 A JPH0880129 A JP H0880129A
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JP
Japan
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tube
sprinkling
spray
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legs
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JP21911894A
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English (en)
Inventor
Toshiharu Matsumura
俊治 松村
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 長手方向に複数の撒液用孔10…が穿設さ
れ、通液によって該長手方向に直交する断面形状が略円
形状となる撒液用チューブ本体1を有している。撒液用
チューブ本体1外周面に、上記の略円形状断面における
撒液用チューブ本体1の仮想中心から放射状に延びる2
つの脚部2・2が上記長手方向に設けられ、かつ、これ
ら脚部2・2の先端が、撒液用チューブ本体1外周面の
1つの仮想接線上に位置するように形成されている。2
つの脚部2・2は、それらの仮想延長線が上記の仮想中
心で互いに直交するように設けられている。 【効果】 撒液用チューブ本体をほぼ一直線状になるよ
うに簡単かつ容易に敷設することができる。そして、撒
液用チューブは、通液時に撒液用チューブ全体にわたっ
て撒液方向を常に所望の方向に保つことができるので、
撒液むらを生じることなく、所望の領域に撒液を均一に
行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水等の液体を撒液する
撒液用チューブに関するものである。さらに詳しくは、
本発明は、例えば、野菜や果物等の果菜、花木等の植物
を栽培する際に好適に用いられる撒液用チューブに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば畝等に植えられている
野菜等の植物を栽培する際には、種々の撒水用チューブ
が用いられている。これら撒水用チューブは、畝全体に
わたってほぼ均一に撒水することができるように、地面
にほぼ一直線状に固定若しくは敷設されていることが好
ましい。そこで、上記従来の撒水用チューブには、ほぼ
一直線状に固定若しくは敷設することが可能なように、
種々の提案がなされている。
【0003】例えば、実開昭 51-156938号公報には、撒
水用孔が穿設された灌水ホース本体の外周面長手方向
に、固定用の小孔を多数穿設した支持片を設けた灌水ホ
ース(撒水用チューブ)が開示されている。また、実開
昭 51-156939号公報には、撒水用孔が穿設された灌水ホ
ース本体の外周面長手方向に、固定用の土中埋設片を設
けた灌水ホース(撒水用チューブ)が開示されている。
これら灌水ホースは、支持片や土中埋設片を用いて地面
に固定することによって、灌水ホース本体をほぼ一直線
状に固定し、撒水用孔を所望の方向に向けるようになっ
ている。
【0004】また、実公平 4-20208号公報、実公平 4-2
0209号公報には、帯状のシートを貼り合わせて灌水用チ
ューブ本体を形成する際に生じる貼着部分を利用した灌
水用チューブ(撒水用チューブ)が開示されている。こ
れら灌水用チューブは、上記の貼着部分によって、温度
変化等による灌水用チューブ本体のねじれを抑制すると
共に、地面に敷設したときに該灌水用チューブ本体がほ
ぼ一直線状になるように規制し、撒水用孔を所望の方向
に向けるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の撒水用チューブは、以下に示すような問題点を有し
ている。即ち、上記の灌水ホースは、該灌水ホースを固
定する際に、例えば支持片の小孔に固定用の治具を差し
込んで地面に突き刺したり、或いは、地面に溝を掘って
土中埋設片を埋設しなければならない。このため、灌水
ホースの固定に手間と時間がかかり、灌水ホースの固定
作業の効率が非常に悪くなっている。つまり、上記の灌
水ホースは、固定・撤去に手間と時間がかかり、しか
も、その作業が煩雑、かつ、面倒であるという問題点を
有している。
【0006】また、上記の灌水用チューブは、地面に敷
設されたときに、貼着部分と灌水用チューブ本体の最下
部とで該灌水用チューブ本体を2点支持する構成となっ
ている。このため、灌水用チューブ本体は地面を転がり
易くなっている。また、灌水用チューブに通水すると、
水圧によって灌水用チューブが転がったり移動したりす
るおそれがある。つまり、上記の灌水用チューブは、ほ
ぼ一直線状になるように敷設することが実質的に困難と
なっており、従って、撒水むらが生じ、撒水が不均一と
なるという問題点を有している。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その主たる目的は、ほぼ一直線状になる
ように簡単かつ容易に敷設することができ、これによ
り、撒液むらを生じることなく、撒液を均一に行うこと
ができる撒液用チューブを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の撒
液用チューブは、上記の課題を解決するために、長手方
向に複数の撒液用孔が穿設され、通液によって該長手方
向に直交する断面形状が略円形状となる撒液用チューブ
本体を有し、複数の脚部が上記撒液用チューブ本体外周
面に長手方向に設けられ、かつ、これら脚部の先端が、
撒液用チューブ本体外周面の1つの仮想接線上に位置す
るように形成されていることを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明の撒液用チューブは、
上記の課題を解決するために、請求項1記載の撒液用チ
ューブにおいて、上記複数の脚部が、上記略円形状断面
における撒液用チューブ本体の仮想中心から放射状に延
びるように設けられていることを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明の撒液用チューブは、
上記の課題を解決するために、請求項2記載の撒液用チ
ューブにおいて、2つの脚部が、それらの仮想延長線が
上記仮想中心で互いに直交するように設けられているこ
とを特徴としている。
【0011】請求項4記載の発明の撒液用チューブは、
上記の課題を解決するために、請求項1、2または3記
載の撒液用チューブにおいて、柔軟性を有する材料の押
出し成形により、撒液用チューブ本体および脚部が一体
的に形成されていることを特徴としている。
【0012】請求項5記載の発明の撒液用チューブは、
上記の課題を解決するために、請求項1、2、3または
4記載の撒液用チューブにおいて、撒液用孔にノズルが
設けられていることを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1記載の構成によれば、複数の脚部が撒
液用チューブ本体外周面に長手方向に設けられ、かつ、
これら脚部の先端が、撒液用チューブ本体外周面の1つ
の仮想接線上に位置するように形成されている。このた
め、撒液用チューブは、例えば地面に敷設されたとき
に、脚部と撒液用チューブ本体の最下部とで該撒液用チ
ューブ本体を少なくとも3点以上で支持することができ
る。
【0014】これにより、撒液用チューブ本体は安定
し、地面を転がり難くなる。また、撒液用チューブに通
液した場合に、液圧によって撒液用チューブが転がった
り移動したりすることがない。さらに、複数の脚部が長
手方向に設けられているので、温度変化や液圧等によっ
て撒液用チューブ本体がねじれたり、蛇行したりするこ
とはない。従って、撒液用チューブ本体をほぼ一直線状
になるように簡単かつ容易に敷設することができる。そ
して、撒液用チューブは、通液時に撒液用チューブ全体
にわたって撒液方向を常に所望の方向に保つことができ
るので、撒液むらを生じることなく、所望の領域に撒液
を均一に行うことができる。
【0015】請求項2記載の構成によれば、複数の脚部
が、略円形状断面における撒液用チューブ本体の仮想中
心から放射状に延びるように設けられている。このた
め、撒液用チューブは、例えば地面に敷設されたとき
に、脚部と撒液用チューブ本体の最下部とで該撒液用チ
ューブ本体がより安定した状態で3点支持されることに
なる。
【0016】これにより、撒液用チューブ本体をほぼ一
直線状になるようにより一層簡単かつ容易に敷設するこ
とができる。そして、撒液用チューブは、通液時に撒液
用チューブ全体にわたって撒液方向を所望の方向に保つ
ことが容易となるので、所望の領域に撒液をより一層均
一に行うことができる。
【0017】請求項3記載の構成によれば、2つの脚部
が、それらの仮想延長線が上記仮想中心で互いに直交す
るように設けられている。このため、撒液用チューブ
は、例えば地面に敷設されたときに、脚部と撒液用チュ
ーブ本体の最下部とで該撒液用チューブ本体が最も安定
した状態で3点支持されることになる。
【0018】これにより、撒液用チューブ本体をほぼ一
直線状になるようにより一層簡単かつ容易に敷設するこ
とができる。そして、撒液用チューブは、通液時に撒液
用チューブ全体にわたって撒液方向を所望の方向に保つ
ことが容易となるので、所望の領域に撒液をより一層均
一に行うことができる。
【0019】請求項4記載の構成によれば、撒液用チュ
ーブ本体および脚部は、柔軟性を有する材料の押出し成
形により、一体的に形成されている。このため、撒液用
チューブは、簡単にかつ安価に製造されることになる。
また、柔軟性を有する材料からなるので、撒液用チュー
ブを巻き取って収納、運搬等することができ、取り扱い
が容易となる。
【0020】請求項5記載の構成によれば、撒液用孔に
ノズルが設けられている。このため、撒液方向を所望の
方向および角度に保つことが容易となるので、所望の領
域に撒液をより一層均一に行うことができる。
【0021】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図7に
基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、以下の説
明においては、脚部が2つ設けられており、かつ、撒液
用孔にノズルが設けられている撒液用チューブを例に挙
げることとする。
【0022】図1に示すように、本実施例にかかる撒液
用チューブは、長手方向に複数の撒液用孔10…が穿設
された撒液用チューブ本体1と、2つの脚部2・2とか
らなっている。上記の撒液用チューブは、柔軟性を有す
る材料を所定の方法によって押出し成形等することによ
り、撒液用チューブ本体1および脚部2・2が一体的に
形成されている。
【0023】上記の撒液用チューブ本体1は、通液時に
は膨らんで円筒形状を呈する一方、図2に示すように、
非通液時には扁平となる。つまり、撒液用チューブ本体
1は、非通液時には扁平となって収納、運搬等する際の
取り扱いが容易となる一方、通液によって液圧がかかる
と膨らみ、長手方向に直交する断面形状(つまり、図2
に示す断面)が略円形状となる。撒液用チューブ本体1
の太さ(内径)や厚み(肉厚)は、特に限定されるもの
ではなく、例えば撒液用チューブの用途や長さ、材料、
撒布する液体の種類や量、液圧、或いは、圧力損失等を
考慮して適宜設定すればよい。具体的には、撒液用チュ
ーブ本体1の太さは、凡そ15mm〜40mm程度が好適であ
り、また、厚みは、凡そ 0.4mm〜 2.5mm程度が好適であ
る。
【0024】尚、撒液用チューブ本体1にかかる液圧
は、特に限定されるものではない。例えば、撒布を所望
する液体が水であり、撒液用チューブを一般の水道管に
直結した場合には、水圧は凡そ1kg/cm2〜2kg/cm2程度
になる。また、水圧を所定範囲内、例えば1kg/cm2〜5
kg/cm2、好ましくは1kg/cm2〜2kg/cm2の範囲内で任意
に変更させることが可能なポンプ、減圧弁、止水栓等を
用いることにより、撒液用チューブ本体1にかかる水圧
を適宜調節してもよい。撒液用チューブは、水の他、種
々の液体を撒布可能である。
【0025】上記撒液用孔10…の穿設方法は、特に限
定されるものではないが、例えば、いわゆるレーザ穿孔
やドリル穿孔、ポンチ穿孔等、安価で量産性に優れた方
法が好ましい。また、撒液用孔10…の直径や個数、穿
設位置、或いは、撒液用孔10…同士の間隔や穿設パタ
ーン等は、特に限定されるものではなく、例えば撒液用
チューブの用途や、撒布する液体の種類、量、液圧、或
いは、撒布を所望する撒布領域の広さ等を考慮して適宜
設定すればよい。具体的には、例えば、撒液用孔10…
同士の間隔は、凡そ20cm〜 100cm程度が好適である。
尚、撒液用孔10…は、脚部2・2にて2つに区切られ
る撒液用チューブ本体1外周面のうち、仮想接線が通る
最下点P(後述する)を有する外周面と異なる外周面
(即ち、図1において上側に位置する方の外周面)に穿
設されている。
【0026】上記の各撒液用孔10には、ノズル11が
設けられている。ノズル11…の構成は、特に限定され
るものではなく、撒液方向を所望の方向および角度に設
定することが可能であればよい。上記のノズル11…と
しては、例えば市販品を使用することができ、具体的に
は、例えば、矢野散水株式会社製のNO−9(品番00
704,00709,00710)、NO−12(品番
00705)等が好適である。尚、ノズル11を取り
付ける際には、撒液用孔10の周囲に、必要に応じて所
定の取付加工を施せばよい。
【0027】図3に示すように、上記の脚部2・2は、
撒液用チューブ本体1の外周面に長手方向に設けられて
いる。また、脚部2・2は、撒液用チューブ本体1の外
周面に、通液時の撒液用チューブ本体1の長手方向に直
交する断面である略円形状断面(つまり、図3に示す断
面)における撒液用チューブ本体1の仮想中心Oから放
射状に延びるようにして設けられている。さらに、脚部
2・2は、これらの先端が、撒液用チューブ本体1外周
面の1つの仮想接線上、即ち、図3において撒液用チュ
ーブ本体1の最下点(最下部)Pを通る仮想接線上に位
置するように形成されている。つまり、脚部2・2の先
端と最下点Pとは、同一直線上に位置している。
【0028】また、これら脚部2・2は、その仮想延長
線が上記の仮想中心Oで互いに直交するように設けられ
ている。さらに、脚部2・2は、仮想中心Oと最下点P
とを結ぶ直線に対して対称(線対称)となるように設け
られている。
【0029】従って、撒液用チューブは、例えば地面に
敷設されたときに、上記の脚部2・2と最下点Pとで撒
液用チューブ本体1が最も安定した状態で3点支持され
ることになる。また、脚部2・2が撒液用チューブ本体
1の長手方向に沿って設けられているので、温度変化や
液圧等によって撒液用チューブ本体1がねじれたり、蛇
行したりすることはない。
【0030】脚部2・2の厚み(肉厚)は、特に限定さ
れるものではなく、例えば撒液用チューブの用途や長
さ、材料、撒液用チューブ本体1の太さや厚み、或い
は、脚部2・2自体の長さ(撒液用チューブ本体1から
先端までの距離)等を考慮して適宜設定すればよい。具
体的には、脚部2・2の厚みは、撒液用チューブ本体1
の厚みと同程度であればよい。
【0031】脚部2・2は、図3に示すように、その仮
想延長線が仮想中心Oで互いに直交するように設けられ
ていてもよく、また、図4(a)・(b)に示すよう
に、その仮想延長線が仮想中心Oで任意の角度でもって
交わるように設けられていてもよい。仮想中心Oにて交
わる上記仮想延長線の角度、即ち、撒液用チューブ本体
1に対する脚部2・2の取付角度は、特に限定されるも
のではないが、撒液用チューブ本体1の安定性や撒液用
チューブを収納、運搬等する際の取り扱い性等を考慮す
ると、60°〜 120°の範囲内が好ましく、80°〜 100°
の範囲内がより好ましく、90°が最も好ましい。上記の
取付角度が60°よりも狭い場合は、撒液用チューブ本体
1の安定性が低下するため好ましくない。また、上記の
取付角度が120°よりも広い場合は、脚部2・2の長さ
が長くなり過ぎ、脚部2・2の機械的強度や撒液用チュ
ーブの取り扱い性が低下するため好ましくない。
【0032】また、脚部2・2は、仮想中心Oと最下点
Pとを結ぶ直線に対して対称(線対称)となるように設
けられていてもよく、また、図4(c)に示すように、
該直線に対して非対称となるように設けられていてもよ
い。さらに、脚部2の個数は、2つに限定されるもので
はなく、図4(d)・(e)に示すように、3つ以上で
あってもよい。
【0033】また、脚部2・2は、図4に示すように、
その仮想延長線が仮想中心Oで任意の角度でもって交わ
るように設けられていてもよく、また、図5(a)・
(b)に示すように、その仮想延長線が、仮想中心Oと
最下点Pとを結ぶ直線上における任意の点で交わるよう
に設けられていてもよい。さらに、脚部2・2は、図5
(c)に示すように、その仮想延長線と、仮想中心Oと
最下点Pとを結ぶ直線とが略平行となるように設けられ
ていてもよい。尚、脚部2・2が図5に示すように設け
られている場合に、これら脚部2・2は、仮想中心Oと
最下点Pとを結ぶ直線に対して対称(線対称)となるよ
うに設けられていてもよく、また、非対称となるように
設けられていてもよい。ただし、撒液用チューブ本体1
の安定性や撒液用チューブを収納、運搬等する際の取り
扱い性等が容易となるように、脚部2・2は、ほぼ線対
称となるように設けられている方が好ましい。
【0034】その上、脚部2・2は、図1に示すよう
に、撒液用チューブ本体1の長手方向に連続的に設けら
れていてもよく、また、図6に示すように、撒液用チュ
ーブ本体1の長手方向に断続的に設けられていてもよ
い。尚、脚部2・2を断続的に設ける場合に、切り欠き
部分の長さ、つまり、個々の脚部同士の間隔は、撒液用
チューブ本体1を安定に支持可能であれば、特に限定さ
れるものではない。
【0035】要するに、脚部2…は、撒液用チューブ本
体1の安定性や撒液用チューブの取り扱い性等に支障を
生じない範囲内で、その個数や取付位置、取付角度等を
任意に選択可能である。
【0036】撒液用チューブを構成する材料は、特に限
定されるものではないが、柔軟性を有し、繰り返し耐圧
疲労強度等の機械的強度に優れると共に、耐候性や耐薬
品性、耐膨潤性、耐熱性、耐寒性、耐引裂性、耐衝撃性
等に優れているものが好ましい。具体的には、例えば、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等
の熱可塑性樹脂、天然ゴム、合成ゴム、或いは、エラス
トマー等が挙げられる。これら材料は、例えば撒液用チ
ューブの用途等に応じて適宜選択されるが、上記例示の
うち、押出し成形法を採用できる軟質ポリ塩化ビニル、
合成ゴム等が好ましい。
【0037】また、材料が有する柔軟性は、収納、運搬
等する際に取り扱いが容易となるように、撒液用チュー
ブを巻き取ることが可能な程度であればよい。具体的に
は、材料は、ゴム硬度が20〜90の範囲内であればよく、
好ましくは60〜80の範囲内であればよく、より好ましく
は70程度であればよい。尚、上記のゴム硬度は、日本ゴ
ム協会標準規格およびJIS K 6301に準拠した
性能を有するゴム硬度計(株式会社テクロック製:品番
GS−701N)を用いて所定の方法で測定した値で
ある。
【0038】撒液用チューブの製造方法は、上記の押出
し成形法にのみ限定されるものではなく、安価で量産性
に優れた方法であれば、特に限定されるものではない。
例えば、材料がポリエチレンの場合には、例えば帯状の
ポリエチレンフィルムを2つ折りにし、重なり合った周
縁部をヒートシール等することにより密着状態とし、チ
ューブ状に形成するヒートシール法を採用してもよい。
【0039】上記構成の撒液用チューブを用いた撒液と
しての撒水の具体例について、以下に説明する。先ず、
撒液用チューブの材料をゴム硬度70のエチレン・プロピ
レン共重合体(EPDM;ethylene-propylene-diene-m
ethylene rubber )とした。また、撒液用チューブ本体
1の太さ(内径)を34mm、厚み(肉厚)を 1.8mm、全長
を16mとし、脚部2・2の厚みを2mm、長さを8mmと
し、撒液用チューブ本体1の外周面における脚部2・2
間の距離を29mmとした。さらに、ノズル11…を撒液用
チューブ本体1の最上部に設けると共に、その取付間隔
を 400mmとした。そして、上記のノズル11…として、
矢野散水株式会社製の口径が 2.1mmのノズルを用いた。
【0040】上記の条件に基づいて製造した撒液用チュ
ーブを用いて撒水を行った。そして、撒液用チューブに
かける水圧(以下、入口圧と称する)を種々変更し、そ
のときの撒液用チューブ末端部での水圧(以下、末端圧
と称する)を測定すると共に、ノズル1個当たりの平均
撒水量を測定した。また、口径が 3.0mmのノズルを用い
た以外は上記と同一の条件に基づいて製造した撒液用チ
ューブを用いて撒水を行い、同様の測定を行った。結果
を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】上記の測定を行うに際し、撒液用チューブ
を地面に敷設したところ、脚部2・2と撒液用チューブ
本体1の最下点Pとで該撒液用チューブ本体1が3点支
持された。そして、これによって撒液用チューブ本体1
は安定し、入口圧を 0.5kg/cm2として通水した場合にお
いても、水圧によって地面を転がることはなく、また、
水圧等によって撒液用チューブ本体1がねじれたり、伸
びたりすることは殆どなかった。つまり、撒液用チュー
ブ本体1をほぼ一直線状になるように簡単かつ容易に敷
設することができた。さらに、上記の測定を複数回、反
復して行ったが、入口圧が変化しても、該圧力の変化に
よって撒液用チューブ本体1が地面を転がることはなか
った。従って、撒液用チューブは、通水時に撒液用チュ
ーブ全体にわたって撒水方向を常に所望の方向および角
度に保つことができ、撒水むらを生じることなく、所望
の領域に撒水を均一に行うことができた。
【0043】以上のように、本実施例にかかる撒液用チ
ューブは、長手方向に複数の撒液用孔10…が穿設さ
れ、通液によって該長手方向に直交する断面形状が略円
形状となる撒液用チューブ本体1を有し、2つの脚部2
・2が上記の撒液用チューブ本体1外周面に長手方向に
設けられ、かつ、これら脚部2・2の先端が、撒液用チ
ューブ本体1外周面の1つの仮想接線上に位置するよう
に形成されている。
【0044】また、本実施例にかかる撒液用チューブ
は、上記2つの脚部2・2が、上記の略円形状断面にお
ける撒液用チューブ本体1の仮想中心Oから放射状に延
びるように設けられている。
【0045】さらに、本実施例にかかる撒液用チューブ
は、2つの脚部2・2が、それらの仮想延長線が仮想中
心Oで互いに直交するように設けられている。
【0046】このため、撒液用チューブは、例えば地面
に敷設されたときに、脚部2・2と撒液用チューブ本体
1の最下点Pとで該撒液用チューブ本体1が最も安定し
た状態で3点支持されることになる。
【0047】上記したこれら構成により、撒液用チュー
ブ本体1は安定し、地面を転がり難くなる。また、撒液
用チューブに通液した場合に、液圧によって撒液用チュ
ーブが転がったり移動したりすることがない。さらに、
脚部2・2が長手方向に設けられているので、温度変化
や液圧等によって撒液用チューブ本体1がねじれたり、
蛇行したりすることはない。従って、撒液用チューブ本
体1をほぼ一直線状になるように簡単かつ容易に敷設す
ることができる。そして、撒液用チューブは、通液時に
撒液用チューブ全体にわたって撒液方向を常に所望の方
向に保つことができるので、撒液むらを生じることな
く、所望の領域に撒液を均一に行うことができる。
【0048】また、本実施例にかかる撒液用チューブ
は、柔軟性を有する材料の押出し成形により、撒液用チ
ューブ本体1および脚部2・2が一体的に形成されてい
る。このため、撒液用チューブは、簡単にかつ安価に製
造されることになる。また、柔軟性を有する材料からな
るので、撒液用チューブを巻き取って収納、運搬等する
ことができ、取り扱いが容易となる。
【0049】さらに、本実施例にかかる撒液用チューブ
は、撒液用孔10…にノズル11…が設けられている。
このため、撒液方向を所望の方向および角度に保つこと
が容易となるので、所望の領域に撒液をより一層均一に
行うことができる。
【0050】尚、上記の実施例においては、図2に示す
ように、非通液時にほぼ線対称な扁平形状となる撒液用
チューブを例に挙げて説明したが、撒液用チューブは、
図7に示すように、非通液時に非線対称な扁平形状とな
ってもよい。ただし、収納、運搬等する際の取り扱いが
容易となるように、撒液用チューブは、非通液時にほぼ
線対称な扁平形状となる方が好ましい。
【0051】また、上記の実施例においては、各撒液用
孔10にノズル11が設けられている構成としたが、ノ
ズル11…を設けないで、撒液用孔10…から液体が直
接撒布される構成となっていてもよい。
【0052】さらに、上記の実施例においては、押出し
成形等によって撒液用チューブ本体1と脚部2・2とが
一体的に形成される構成としたが、例えば、撒液用チュ
ーブ本体1と脚部2・2とをそれぞれ別個に押出し成形
等によって形成し、その後、両者を貼着等することによ
り一体化して撒液用チューブを形成してもよい。
【0053】上記構成の撒液用チューブは、例えば各種
野菜や果物等の果菜、草花等を露地栽培する畑や蔬菜
園、ビニルハウス、果樹園、芝生や花木等が植えられた
公園や庭園等の灌水、或いは道路等の撒水等に好適に用
いられる。上記の撒液用チューブを使用する際には、例
えば、撒布を所望する撒布領域の広さ等を考慮して適宜
地面等に敷設すればよい。
【0054】尚、本発明にかかる撒液用チューブにより
撒布される液体は、水に限定されるものではない。例え
ば、撒液用チューブを農業や施設園芸等に供することに
より、殺虫剤や殺菌剤等の農薬、液体肥料等を好適に撒
布することができる。また、撒水することにより撒液用
チューブを、塩害の防除設備や、茶園等の凍霜害の防除
設備としても使用可能である。
【0055】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の撒液用チューブ
は、以上のように、長手方向に複数の撒液用孔が穿設さ
れ、通液によって該長手方向に直交する断面形状が略円
形状となる撒液用チューブ本体を有し、複数の脚部が上
記撒液用チューブ本体外周面に長手方向に設けられ、か
つ、これら脚部の先端が、撒液用チューブ本体外周面の
1つの仮想接線上に位置するように形成されている構成
である。
【0056】このため、撒液用チューブは、例えば地面
に敷設されたときに、脚部と撒液用チューブ本体の最下
部とで該撒液用チューブ本体を少なくとも3点以上で支
持することができる。これにより、撒液用チューブ本体
は安定し、地面を転がり難くなる。また、撒液用チュー
ブに通液した場合に、液圧によって撒液用チューブが転
がったり移動したりすることがない。さらに、複数の脚
部が長手方向に設けられているので、温度変化や液圧等
によって撒液用チューブ本体がねじれたり、蛇行したり
することはない。従って、撒液用チューブ本体をほぼ一
直線状になるように簡単かつ容易に敷設することができ
る。そして、撒液用チューブは、通液時に撒液用チュー
ブ全体にわたって撒液方向を常に所望の方向に保つこと
ができるので、撒液むらを生じることなく、所望の領域
に撒液を均一に行うことができるという効果を奏する。
【0057】本発明の請求項2記載の撒液用チューブ
は、以上のように、上記複数の脚部が、上記略円形状断
面における撒液用チューブ本体の仮想中心から放射状に
延びるように設けられている構成である。
【0058】このため、撒液用チューブは、例えば地面
に敷設されたときに、脚部と撒液用チューブ本体の最下
部とで該撒液用チューブ本体がより安定した状態で3点
支持されることになる。これにより、撒液用チューブ本
体をほぼ一直線状になるようにより一層簡単かつ容易に
敷設することができる。そして、撒液用チューブは、通
液時に撒液用チューブ全体にわたって撒液方向を所望の
方向に保つことが容易となるので、所望の領域に撒液を
より一層均一に行うことができるという効果を奏する。
【0059】本発明の請求項3記載の撒液用チューブ
は、以上のように、2つの脚部が、それらの仮想延長線
が上記仮想中心で互いに直交するように設けられている
構成である。
【0060】このため、撒液用チューブは、例えば地面
に敷設されたときに、脚部と撒液用チューブ本体の最下
部とで該撒液用チューブ本体が最も安定した状態で3点
支持されることになる。これにより、撒液用チューブ本
体をほぼ一直線状になるようにより一層簡単かつ容易に
敷設することができる。そして、撒液用チューブは、通
液時に撒液用チューブ全体にわたって撒液方向を所望の
方向に保つことが容易となるので、所望の領域に撒液を
より一層均一に行うことができるという効果を奏する。
【0061】本発明の請求項4記載の撒液用チューブ
は、以上のように、柔軟性を有する材料の押出し成形に
より、撒液用チューブ本体および脚部が一体的に形成さ
れている構成である。
【0062】これにより、撒液用チューブが簡単にかつ
安価に製造されると共に、柔軟性を有する材料からなる
ので、撒液用チューブを巻き取って収納、運搬等するこ
とができ、取り扱いが容易となるという効果を奏する。
【0063】本発明の請求項5記載の撒液用チューブ
は、以上のように、撒液用孔にノズルが設けられている
構成である。
【0064】これにより、撒液方向を所望の方向および
角度に保つことが容易となるので、所望の領域に撒液を
より一層均一に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における撒液用チューブの通
液時の斜視図である。
【図2】上記撒液用チューブの非通液時の断面図であ
る。
【図3】上記撒液用チューブの通液時の断面図である。
【図4】(a)〜(e)共に、撒液用チューブの脚部の
変形例を示すものであり、該撒液用チューブの通液時の
断面図である。
【図5】(a)〜(c)共に、撒液用チューブの脚部の
変形例を示すものであり、該撒液用チューブの通液時の
断面図である。
【図6】撒液用チューブの脚部の変形例を示すものであ
り、該撒液用チューブの通液時の斜視図である。
【図7】撒液用チューブの脚部の変形例を示すものであ
り、該撒液用チューブの非通液時の断面図である。
【符号の説明】
1 撒液用チューブ本体 2 脚部 10 撒液用孔 11 ノズル O 仮想中心 P 最下点(最下部)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長手方向に複数の撒液用孔が穿設され、通
    液によって該長手方向に直交する断面形状が略円形状と
    なる撒液用チューブ本体を有し、 複数の脚部が上記撒液用チューブ本体外周面に長手方向
    に設けられ、かつ、これら脚部の先端が、撒液用チュー
    ブ本体外周面の1つの仮想接線上に位置するように形成
    されていることを特徴とする撒液用チューブ。
  2. 【請求項2】上記複数の脚部が、上記略円形状断面にお
    ける撒液用チューブ本体の仮想中心から放射状に延びる
    ように設けられていることを特徴とする請求項1記載の
    撒液用チューブ。
  3. 【請求項3】2つの脚部が、それらの仮想延長線が上記
    仮想中心で互いに直交するように設けられていることを
    特徴とする請求項2記載の撒液用チューブ。
  4. 【請求項4】柔軟性を有する材料の押出し成形により、
    撒液用チューブ本体および脚部が一体的に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の撒液用
    チューブ。
  5. 【請求項5】撒液用孔にノズルが設けられていることを
    特徴とする請求項1、2、3または4記載の撒液用チュ
    ーブ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200469036Y1 (ko) * 2013-06-21 2013-09-12 가평군청 작물의 점적 관수장치
JP2013212074A (ja) * 2012-04-02 2013-10-17 C I Kasei Co Ltd 灌水用チューブ及びその製造方法
JP2014226059A (ja) * 2013-05-20 2014-12-08 シーアイ化成株式会社 灌水用チューブ
JP2014226060A (ja) * 2013-05-20 2014-12-08 シーアイ化成株式会社 灌水用チューブ巻取体

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Effective date: 20040113