JPH0876101A - 液晶用低抵抗基板の製造方法 - Google Patents

液晶用低抵抗基板の製造方法

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JPH0876101A
JPH0876101A JP24193794A JP24193794A JPH0876101A JP H0876101 A JPH0876101 A JP H0876101A JP 24193794 A JP24193794 A JP 24193794A JP 24193794 A JP24193794 A JP 24193794A JP H0876101 A JPH0876101 A JP H0876101A
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resin
liquid crystal
substrate
metal
metal electrodes
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JP24193794A
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Inventor
Shinjiro Okada
伸二郎 岡田
Makoto Kojima
誠 小嶋
Hideaki Takao
英昭 高尾
Haruo Tomono
晴夫 友野
Yuji Matsuo
雄二 松尾
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属電極表面への樹脂の付着を防止し、電圧波
形の遅延を防止する。 【構成】多数の金属電極(不図示)を形成したガラス基
板11と、UV硬化樹脂13を滴下した平滑型16とを
プレス機30にセットし、加圧する。そして、加圧状態
にて、基板11の端部にUV光を照射して、該端部にあ
る樹脂13を硬化する。この硬化された樹脂13によっ
て、加圧状態を解除した後もガラス基板11の平面度は
良好に保たれる。したがって、樹脂13は、膜厚が不均
一になることもなく、また金属電極表面に付着すること
もない。その結果、金属電極表面に透明電極を形成して
も、該透明電極と金属電極との導通が良好に確保され、
抵抗値を低減して電圧波形の遅延を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶パネルを構成する
液晶用低抵抗基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶を用いて情報を表示する
液晶パネルは種々の分野において使用されている。ま
ず、この液晶パネルの構造を、図1に沿って簡単に説明
する。
【0003】この液晶パネルP1 は、図1に示すよう
に、相対向するように配置された一対の電極基板1a,
1bを備えており、これらの電極基板1a,1bはシー
リング部材2によって貼り合わされて、その内部間隙に
は強誘電性液晶3が保持されている。一方、一対の電極
基板1a,1bは、それぞれガラス基板5a,5bを有
しており、これらのガラス基板5a,5bの表面には液
晶駆動用のITO透明電極6a,…,6b,…がストラ
イプ状に形成されている(これらの透明電極6a,…,
6b,…は、液晶パネルP1 が組み立てられた状態では
単純マトリクスを構成することとなる)。なお、これら
の透明電極6a,…,6b,…は500〜5000Å程
度の厚さであり、パターニング処理によってストライプ
状に形成されている(図1(b) 参照)。また、これらの
透明電極6a,…,6b,…の表面には、ショート防止
のための誘電体膜7a,7bが酸化シリコンや酸化チタ
ン等によって500〜3000Å程度の厚さに形成され
ており、さらにその表面にはポリイミド樹脂等によって
配向膜層9a,9bが形成されている。なお、強誘電液
晶3には、一般にはカイラル・スメクチック液晶(Sm
C*、SmH*)を用いるので、バルク状態では液晶分
子長軸がねじれた配向を示すが、液晶パネルP1 のセル
厚を薄くする(1〜3μm程度)ことにより、このよう
な液晶分子長軸のねじれを解消している(P213−P
234,N.A.CLARK etal,MCLC 1
983,Vol.94)。
【0004】ところで、このような液晶パネルP1 は、
相対向する透明電極6a,…,6b,…に電圧を印加し
て駆動されるが、透明電極6a,…,6b,…の間に介
装されている液晶3が電気回路的には容量性の負荷とな
ることから電圧波形の伝搬遅延が生じ易かった。特に、
強誘電液晶3を利用した液晶パネルP1 の場合には、セ
ル厚が1〜2μmと、TN型液晶素子などに比べて3分
の1から5分の1と薄く、同じ電極基板1a,1bを用
いてもTN型液晶素子に比べて電圧波形の伝搬遅延が顕
著であった。そして、近年液晶パネルの高精細化が望ま
れているが、そのためにはこの伝搬遅延を回避する必要
があり、液晶パネルの研究・開発も変遷を重ねてきてい
る。すなわち、 A.上述した構成の液晶パネルの場合には、ITO透明
電極の抵抗値が高いこと等から、電圧波形の遅延は解決
されなかった。 B.抵抗値の低い金属電極を透明電極の表面に併設する
方法も考え出されたが、種々の制約から金属電極を厚く
することができず、電圧波形の遅延を解消するには至ら
なかった。 C.ここで、金属電極の厚みを所定以上に設定すること
は、駆動周波数を高めるためには不可欠であることが、
本発明者らの実験により確かめられている。 D.金属電極を透明電極の表面に併設するのではなく、
ガラス基板と透明電極との間(透明電極の裏面)に配置
する方法であれば、制約も受けずに金属電極を厚くする
ことができ、電圧波形の遅延を解消できる。
【0005】以下、上記A〜Dにつき詳述する。 A.透明電極のみ(金属電極を用いないで)によって電
圧波形の遅延を解消できない理由 上述した透明電極6a,…,6b,…の抵抗値は、シー
ト抵抗で20〜400Ω、体積抵抗では200×10-8
〜4000×10-8Ωmと金属材料(例えば、アルミニ
ウムでは3.0×10-8Ωm)に比べて高いものであ
り、電圧波形の遅延を回避するためには透明電極6a,
…,6b,…を厚くしなければならないが、その場合に
は透過率が下がって透明電極6a,…,6b,…が認識
されてしまい、表示品質が悪化するという問題があっ
た。したがって、表示品質を良好に保った状態で電圧波
形の遅延を回避することは困難であった。 B.金属電極を透明電極の表面に併設する方法によって
電圧波形の遅延を解消できない理由 一方、電圧波形の遅延を回避する方法として、クロム
(体積抵抗=15×10-8Ωm)やモリブデン(体積抵
抗=6.0×10-8Ωm)などの抵抗率の低い金属電極
を、透明電極6a,…,6b,…の表面(液晶3が注入
される側の面)に併設する方法が考えられる。
【0006】しかし、このように金属電極を設けたとし
ても、金属電極を厚く形成することは種々の理由から困
難であり、電圧波形の遅延を回避するには限界があっ
た。以下、金属電極の厚さが制約される理由について説
明する。 (1) 金属電極は透明電極間間隙(セル厚)にて相対向す
るように配置されるが、寸法上の制約から金属電極を該
セル厚の半分以下の厚さにしなければならない。具体的
には、セル厚は1.1μm程度と薄いものであり、金属
電極は最大で550nmの厚さとなる。
【0007】したがって、透明電極の他に抵抗値の低い
金属電極を用いているものの、この金属電極による抵抗
値低減の効果は大きくなく、電圧波形の遅延を回避する
には限界があった。 (2) 一方、このように金属電極を形成する場合において
も、図1にて説明したと同様に、この金属電極を配向膜
層9a,9bによって被覆し、該配向膜層9a,9bに
よって液晶分子を一定の秩序で並ばせる必要がある。
【0008】しかし、かかる場合、配向膜層9a,9b
には金属電極に起因する凹凸が生じ、この凹部と凸部と
で光学的な差異が生じて、表示品質が悪化してしまうと
いう問題があった。また、電界応答性が変化し、クロス
トークが生じ易くなるという問題もあった。さらに、金
属電極に伴う凹凸のために配向膜層9a,9bのラビン
グ処理が均一に行えなくなって配向状態が均一でなくな
り、やはり光学的な差異や、クロストークが発生してし
まうという問題があった。このような問題は、高精細化
のために画素サイズを小さくした液晶パネルにおいて顕
著であった。そして、かかる問題を回避するためには金
属電極の厚みは所定以下(実際には250μm以下)で
ある必要があり、そのため、金属電極を用いたとしても
電圧波形の遅延は回避できなかった。 C.金属電極の厚みと駆動周波数との関係 ところで、液晶パネルの高精細化のためには駆動周波数
を高める必要があるが、金属電極の厚みと駆動周波数と
の関係について図2に沿って説明する。なお、図2は、
21インチ対角パネルにおける“金属電極の厚み−波形
遅延量−駆動周波数”の関係を示したものである。ここ
で、配向膜層9a,9bとしてはLQ−1802(日立
化成社製)を用い、液晶パネルを組み立てた状態ではラ
ビング処理方向が同一方向となるようにした。また、金
属電極としてはAi−Si−Cu合金を用いた。
【0009】いま、自発分極が7nc/cm2 の液晶材料
を用い、セル厚を約1μmとした場合には、図2から明
らかなように、金属電極の膜厚が230nmの場合にお
ける遅延量(90%間での立ち上がり時間)を1とする
と、348nmの膜厚では遅延量が0.56であった。
そして、この関係を走査線数2048本の駆動周波数
(1フレーム走査周波数)で表現すると1本の走査線の
両端に電源を接続した場合(両側実装と表現してある)
と片側に電源を接続した場合(片側実装と表現してあ
る)でそれぞれ異なるものの、いずれも遅延量が少ない
ほど駆動周波数が高くできることがわかる。
【0010】また、高速駆動をするために自発分極を1
00nc/cm2 にし、セル厚を約2μmにして波形のな
まりを軽減した場合には、駆動周波数を15Hz以上に
するためには、両側実装でAi−Si−Cuを用いた場
合には629nmの膜厚が必要であり片側実装では22
76nmの膜厚が必要になる。これを金属の種類をかえ
ることにより軽減することができるがCuを用いた場合
でも両側実装で387nm、片側実装の場合には131
0nmの膜厚が必要になるがいずれにしても250nm
を越えている必要がある。換言すれば、上述したように
光学的な差異やクロストークの発生を防止するためには
金属電極の膜厚は250nm以下でなければならないが
(上記B(2) 参照)、その場合には駆動周波数を高くす
ることができず、高精細化等への対応が困難であった。
【0011】なお、上述した両側実装の場合と片側実装
の場合とでは電源ICのコストが倍違うため商品力に大
きな違いを生ずることになるので液晶素子の構成として
は片側実装が望ましい。 D.金属電極を透明電極の裏面に形成する方法 ところで、上述(1) (2) のような問題は金属電極を透明
電極の表面(液晶3が注入される側の面)に配置した場
合に生ずるものであることから、図3(f) に示すよう
に、金属電極を透明電極の裏面(ガラス基板の側の面)
に配置して金属電極の厚さを自由に設定できるようにし
た方法も考えられる。
【0012】ここで、このような電極基板(以下、“低
抵抗基板”とする)10の構造について、図3(f) に沿
って簡単に説明する。
【0013】低抵抗基板10は、透明なガラス基板11
を備えており、このガラス基板11の表面には、ストラ
イプ状の金属電極12,…が多数形成されている。これ
らの金属電極12,…は所定間隙を置いて配置されてい
るが、該間隙にはUV硬化樹脂13が充填されている。
そして、この樹脂13は金属電極12,…と共に平滑な
面を形成しており、該形成された平滑な面上には透明電
極15,…が多数形成されている。
【0014】次に、このような低抵抗基板10の製造方
法について、図3(a) 〜(f) に沿って簡単に説明する。
【0015】まず、ガラス基板11の表面にはスパッタ
法等によって厚膜のメタル層を形成する(同図(a) 参
照)。次に、該メタル層をフォトリソグラフィ法等によ
ってパターン化し、ストライプ状の金属電極12,…を
多数形成する(同図(b) 参照)。一方、表面が平滑な平
滑型16にUV硬化樹脂13を滴下しておき、該平滑型
16にガラス基板11を押圧する(同図(c) 参照)。こ
れにより、金属電極12,…の間隙はUV硬化樹脂13
によって充填され、また、樹脂13は金属電極12,…
と共に平滑な面を形成することとなる。そして、このU
V硬化樹脂13に紫外線を照射して硬化させる(同図
(d) 参照)。その後、ガラス基板11を平滑型16から
分離し(同図(e) 参照)、透明電極15,…を所定の方
法によって形成する(同図(f) 参照)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、液晶パネル
に用いられるガラス基板11は平滑であることが望まし
いが、実際には長さ100mm当たりで10μm程度の
うねり(凹凸)が存在する。
【0017】したがって、上述のように平滑型16とガ
ラス基板11との押圧を解除すると、ガラス基板11は
自身のうねりのために平滑でなくなり、UV硬化樹脂1
3の膜厚も均一なものとはならず、金属電極12,…の
表面に樹脂13が付着し易かった。そして、この状態で
UV光を照射してUV硬化樹脂13を硬化させると、金
属電極12,…の表面に付着した樹脂13はそのまま硬
化してしまい、その後に透明電極15,…を形成して
も、両電極12,…,15,…の導通が確保されないと
いう問題があった。
【0018】そこで、本発明は、加圧した状態で基板端
部の樹脂を硬化させることにより、該加圧を解除した場
合でも基板の平面度を保持して、未硬化の樹脂の膜厚を
均一にする液晶用低抵抗基板の製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、基板、該基板上に形成された
多数の金属電極、これら多数の金属電極相互の間隙を埋
めるように注入されて前記金属電極と共に平滑な面を形
成する樹脂、及び前記金属電極に沿うように前記平滑な
面に形成された透明電極からなる液晶用低抵抗基板の製
造方法において、前記多数の金属電極相互の間隙を埋め
るように樹脂を注入すると共に加圧部材によって加圧し
た状態で前記基板端部の樹脂を硬化させる第1の樹脂硬
化工程と、前記加圧部材による加圧を解除した後に前記
第1の樹脂硬化工程にて硬化されなかった樹脂を硬化さ
せる第2の樹脂硬化工程と、を備えることを特徴とす
る。この場合、前記第1の樹脂硬化工程によって、基板
全周の樹脂を硬化させる、ようにすると好ましい。ま
た、前記第1の樹脂硬化工程によって基板端部にある樹
脂の一部を硬化させる、ようにすると好ましい。さら
に、前記樹脂が、UV光が照射されて硬化するUV硬化
樹脂であり、かつ、前記第1の樹脂硬化工程及び第2の
樹脂硬化工程にてUV光を樹脂に照射するようにすると
好ましい。
【0020】
【作用】以上構成に基づき、第1の樹脂硬化工程におい
て、前記多数の金属電極相互の間隙を埋めるように樹脂
を注入すると共に加圧部材によって加圧すると、該樹脂
は前記金属電極と共に平滑な面を形成する。この状態で
前記基板端部の樹脂を硬化させると、前記加圧を解除し
た場合でも前記基板の平面度は保持される。次に、第2
の樹脂硬化工程において、前記第1の樹脂硬化工程にて
硬化されなかった樹脂を硬化させる。その結果、前記第
1及び第2の樹脂硬化工程によって樹脂が硬化され、該
樹脂は上述したように前記金属電極と共に平滑な面を形
成する。
【0021】一方、多数の金属電極相互の間隙が樹脂に
よって埋められて平滑な面が形成されることから、透明
電極をこの平滑な面上に形成することが可能となる。し
たがって、液晶パネル駆動時にこれらの電極を介して電
圧を印加することができ、電圧波形の遅延が解消され
る。
【0022】
【実施例】以下、図面に沿って、本発明の実施例につい
て説明する。なお、図3に示すものと同一部分は同一符
号を付して説明を省略する。
【0023】まず、本発明の第1実施例について、図4
及び図5に沿って説明する。
【0024】図4は、図3(d) に相当する図であり、U
V光を照射して、ガラス基板11の端部にあるUV硬化
樹脂13を硬化させている様子を示している(第1の樹
脂硬化工程)。本実施例においては、このUV光の照射
は、プレス機30によってガラス板11と平滑型(加圧
部材)16とを押圧した状態で行うように構成されてい
る。このプレス機30は、金属製の上板31と下板33
とを備えており、これらは油圧によって上下するように
構成されている。また、上板31の下面には、厚さ20
0μm程度のポリイミドシートにて形成されたゴムシー
ト32が貼付されており、加圧時にガラス板11を破損
しないように配慮されている。さらに、上板31及びゴ
ムシート32は、共にガラス板11よりも小さく形成さ
れており、ガラス板11の端部(符号Aで図示)が上板
31からはみ出て外部に露出するように構成されてい
る。なお、はみ出る部分は、幅が約10mm程度となる
ように設定されている。一方、本実施例においては、下
板33の上に平滑型16を載置するが、この平滑型16
には、リン青銅面に化学ニッケルメッキをしたものを研
磨して用いており、平滑な面を有するこの平滑型16に
は、後述するようにUV硬化樹脂13を滴下するように
なっている。また、UV硬化樹脂13として日本化薬社
製のアクリルモノマー系のものを用いており、パターニ
ング基板側に用いた樹脂の接着強化剤には、日本ユニカ
ー社のシランカップリング剤A−174をメタノールで
5%に希釈したものを用いている。さらに、ガラス基板
11としては、300mm×310mmの大きさで両面
研磨したものを用いている。
【0025】ついで、低抵抗基板の形成方法について説
明する。
【0026】まず、ガラス基板11の表面にはスパッタ
法によって厚膜のメタル層を形成する(図3(a) 参
照)。なお、このメタル層は、厚さ500ÅのMo(T
a12.5%含有)、厚さ15000ÅのAl層、及び
厚さ2000ÅのMo(Ta12.5%含有)の積層構
造とした。
【0027】次に、該メタル層をフォトリソグラフィ法
によってパターン化し、ガラス基板11上に多数の金属
電極12,…を形成する(図3(b) 参照)。すなわち、
フォトレジストを用いてメタルパターンを形成し、その
後、混酸(硝酸、塩酸含有)によってエッチングして、
所定形状の金属電極12,…を形成した。
【0028】一方、このように金属電極12,…(図4
においては不図示)を形成したガラス基板11を、UV
硬化樹脂13を滴下した平滑型16と共にプレス機30
にセットし、加圧する(図4参照)。すると、樹脂13
は金属電極12,…相互の間隙を埋めるように注入(充
填)されて金属電極12,…と共に平滑な面を形成し、
また、余った樹脂は図示のようにガラス基板11の端部
からはみ出た状態となる。このようにガラス基板11と
平滑型16とをプレスした状態でUV光を照射すると、
UV硬化樹脂13は上板31によって被覆されていない
部分のみが硬化され、上板31によって被覆されている
部分の樹脂13は未硬化の状態を保つこととなる(第1
の樹脂硬化工程)。本実施例においては、ガラス基板1
1の全周にUV光が照射され、その部分の樹脂全てが硬
化されるようになっている。なお、本実施例においてU
V光の強さは、約500mJ/cm2 とした。
【0029】このようにして第1の樹脂硬化工程が終了
すると、プレス機30による加圧を解除し、ガラス基板
11を平滑型16と共にプレス機30から取り出す。こ
のとき、ガラス基板11の端部の樹脂13は硬化されて
いるため、加圧を解除してもガラス基板11の平面度は
良好に保たれる。そして、再びUV光を照射し、未硬化
のまま残されている樹脂13を硬化させる(第2の樹脂
硬化工程)。このUV光の照射が終了すると、ガラス板
11を平滑型16から剥離し、ガラス基板11の端部A
を切り落とす。
【0030】その後、このように金属電極12,…が形
成され樹脂13が充填されたガラス基板11には、透明
電極15,…や誘電体膜や配向膜層が形成され、低抵抗
基板が作成されることとなる。そして、この低抵抗基板
を用いて液晶パネルが形成される。なお、本実施例にお
いては、配向膜層として、ポリイミド膜(東レ、LP−
64)を使用した。
【0031】ついで、本実施例の効果について説明す
る。
【0032】本実施例によれば、プレスした状態で、ガ
ラス基板11の端部のUV硬化樹脂13を硬化させるた
め、プレスを解除しても、該硬化された樹脂によってガ
ラス基板11の平面度は保持される。したがって、プレ
スを解除した状態で、硬化されていない残りのUV硬化
樹脂13を硬化させても、該樹脂13は上述したように
金属電極12,…の表面に付着してしまうことはなく、
透明電極15,…との導通が確保され、表示品質も良好
に保たれる。
【0033】また、本実施例によれば、図5(a) に詳示
するように、金属電極12と透明電極15とが接触した
状態で形成され、液晶パネル駆動時においては、これら
の電極12,15を介して駆動電圧が印加されるように
構成されているため、透明電極15のみの場合に比べて
抵抗値が低減される。したがって、従来例で述べたよう
な電圧波形の遅延が解消され、高精細化に対応可能な液
晶パネルを得ることができる。
【0034】なお、図5(b) には、金属電極12及び透
明電極15の抵抗値(60mm当たりの抵抗値)を示し
ている。図中のA欄には理科年表からの値を示してお
り、B欄にはテスターによるメタル間体積抵抗の測定値
を示している。さらに、C欄には、本実施例において作
成した基板の測定抵抗値が示してある。これを見ると、
メタル自体の成膜時のMo/Al/Moの抵抗が若干高
くなっているが、透明電極15と金属電極12との接触
抵抗は十分低く、厚膜の金属電極12を透明電極15に
併設した効果が表われている。ここで、B欄と、C欄の
抵抗値が異なるのは、実験個体間の差異もしくは測定法
によるものと思われる。
【0035】また、上述以外にも種々の効果を奏する。
すなわち、透明電極15,…を厚く形成する必要がな
く、透明電極15,…の透過率が下がって該電極が認識
されてしまうこともない。また、この金属電極12,…
は、透明電極15,…の裏側に形成されるものであるこ
とから、配向膜層に凹凸が生ずることもなく、光学的な
差異やクロストークの発生の心配もない。
【0036】ついで、本発明の第2実施例について図6
に沿って説明する。
【0037】本実施例においても、上述実施例と同様
に、ガラス基板11と平滑型16とをプレスした状態で
UV光の照射を行うが、この照射に際して露光マスクを
使用している。
【0038】図6(a) は、その一例を示す平面図であ
り、符号Dはプレスする部分を、符号LはUV光が照射
される部分を、符号Mは露光マスクを、それぞれ示して
いる。そして、本実施例においても、上述第1実施例と
同様に、平滑型16とガラス基板11とをプレス機30
によってプレスした状態で、ガラス基板11の端部にU
V光を照射するが、この露光マスクMのため、基板端部
にある樹脂の一部のみが硬化される(第1の樹脂硬化工
程)。なお、プレスを解除して第2の樹脂硬化工程を施
す等の工程は、上述第1実施例と同様である。
【0039】ついで、本実施例の効果について説明す
る。
【0040】一般的に、UV硬化樹脂13は硬化に伴っ
て収縮する。したがって、ガラス基板11の全周にUV
光を照射した場合には、内部の未硬化の樹脂が周囲の樹
脂の硬化に伴って引っ張られ、樹脂の欠損が生じる場合
もある。この現象は、ガラス基板11が大きい場合や、
樹脂13の収縮率が大きい場合(例えば、8%以上)に
顕著である。
【0041】しかし、本実施例によれば、露光マスクM
を使用して、基板端部に硬化しない部分を設けるように
したため、上述のように内部の未硬化の樹脂が周囲の樹
脂の硬化に伴って引っ張られたとしても、基板端部(露
光マスクMにて遮光されている部分)からの樹脂の補給
が可能であり、樹脂の欠損が生じないようにできる。そ
の結果、液晶パネルを駆動する場合において、表示品質
を良好に保つことができる。
【0042】なお、本発明者によれば、厚みが1.1m
mのガラス基板11の場合には、全周の約半分について
露光を行えば樹脂の欠損も回避でき、かつ、上述第1実
施例にて述べたように、プレス解除後におけるガラス基
板11の平面度も保持できることが確かめられている。
【0043】また、露光した部分は、樹脂体積が収縮す
るので、未硬化部分から樹脂を供給することで、内部で
の樹脂欠損部がなくなるわけであるから樹脂粘性が低い
方(もしくは高温での加圧)が望ましいが、部分露光法
を用いる場合においては、露光/未露光部分の面積比
は、1/2に保つとして(1/2以下でも効果有り、例
えば各辺に5mm角の面積部を2点づつ露光ポイントと
しても15インチサイズのパネルで効果有り)、露光/
未露光の面積比は、1mmづつ以下に細分することが望
ましい(図6(b) 参照)。
【0044】なお、上述第1実施例においては、油圧と
上下板31,33によってプレスすることとしたが、も
ちろんこれに限る必要はなく、空気や他の液体のような
等分布荷重による加圧のときでも用いることができ、さ
らには一部を加圧してその近傍を露光/硬化させる方式
にも有効である(ロールによる順次加圧など)。
【0045】また、上述実施例においては、樹脂13の
ほとんどはプレスを解除するときに未硬化であることか
ら、金属電極12,…の表面に樹脂層が残存することが
あるが、この樹脂層は、UV露光をガラス基板11の側
(金属電極12,…の形成されていない側)から行うこ
とによって簡単に除去できる。
【0046】すなわち、UV露光を、ガラス基板11に
おける金属電極12,…の形成されていない側から行う
と、金属電極12,…の表面に残存している樹脂層には
UV光は照射されず、該樹脂層は硬化しない。つまり、
金属電極12,…の影に隠れない部分の樹脂13のみが
硬化されることとなる。そして、露光後に、ガラス基板
11を洗浄すれば、金属電極12,…の表面に残存して
いる未硬化の樹脂層のみが排除される。したがって、そ
の後に形成される透明電極15,…と金属電極12,…
とは良好な接触状態になる。
【0047】最後に、カラーフィルタを有する液晶パネ
ルについて、図7に沿って説明する。
【0048】カラーフィルタ50,…は、図7(a) に詳
示するように、金属電極12,…の間に配置されるが、
上述したように、UV露光を、ガラス基板11における
金属電極12,…の形成されていない側(図示Eの側)
から行うと、UV光はカラーフィルタ50,…に遮ら
れ、該フィルタの裏側に位置する樹脂13は硬化されな
いこととなる。一方、反対側(Fの側)からUV露光を
行うと、そのような問題はないが、金属電極12,…の
表面に残存している樹脂層も硬化してしまい、後に形成
する透明電極15,…との導通が確保できないこととな
る。
【0049】しかるに本発明によれば部分露光後未露光
部の樹脂厚の戻りがないか極めて少ないので時間的余裕
が生じ部分露光をしてから前面から選択的露光を行うこ
とが可能になり金属電極上の樹脂を硬化させることなく
金属電極間の樹脂を硬化させることができる。
【0050】このようにカラーフィルター50,…を併
設した場合であっても金属電極間に樹脂を埋め込む方式
で低抵抗配線基板を実現することができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
第2の樹脂硬化工程において、加圧が解除されているに
もかかわらず、基板端部の樹脂は既に第1の樹脂硬化工
程において硬化されているため、基板の平面度は保持さ
れる。したがって、該樹脂が金属電極の表面に多量に付
着することもなく、透明電極との導通が確保され、液晶
パネル駆動時における表示品質も良好に保たれる。
【0052】また、本発明によれば、金属電極と透明電
極との導通が確保され、液晶パネル駆動時においては、
これらの電極を介して駆動電圧が印加されるように構成
されているため、透明電極のみの場合に比べて抵抗値が
低減される。したがって、従来例で述べたような電圧波
形の遅延が解消され、高精細化に対応可能な液晶パネル
を得ることができる。
【0053】さらに、透明電極を厚く形成する必要がな
く、透明電極の透過率が下がって該電極が認識されてし
まうこともない。また、この金属電極は、透明電極の裏
側に形成されるものであることから、配向膜層に凹凸が
生ずることもなく、光学的な差異やクロストークの発生
の心配もない。
【0054】一方、前記第1の樹脂硬化工程によって、
基板全周のほぼ半分に相当する樹脂を硬化させるように
した場合には、該樹脂が収縮率の高いものであっても、
基板内部において樹脂の欠損が生じることがない。その
結果、液晶パネルを駆動する場合において、表示品質を
良好に保つことができる。
【0055】また、従来の技術において触れたように、
金属電極を透明電極の表面に形成する場合には種々の制
約(前記(1) 及び(2) 参照)から金属電極をあまり厚く
形成できず、そのため電圧波形の遅延の問題は解決され
なかったが、本発明においては、金属電極は透明電極と
基板との間に配置されるため、このような制約から解放
され、金属電極を250μm以上の厚さに形成すること
が可能となり、その結果電圧波形の遅延の問題も解決で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の液晶パネルの構造を説明するための図で
あり、(a) は液晶パネルの縦断面図、(b) は透明電極の
形状を説明するための平面図。
【図2】金属電極の厚みと駆動周波数との関係を説明す
るための図。
【図3】低抵抗基板の製造方法の従来例を説明するため
の図。
【図4】第1実施例における第1の樹脂硬化工程を説明
するための模式図。
【図5】(a) は第1実施例に係る低抵抗基板の断面構造
を示す模式図、(b) は電極の抵抗値を示す図。
【図6】(a) は第2実施例における露光部分を説明する
ための平面図、(b) は他の例を示す平面図。
【図7】カラーフィルタを有する低抵抗基板について露
光方向を説明するための模式図。
【符号の説明】
11 基板(ガラス基板) 12,… 金属電極 13 UV硬化樹脂(樹脂) 15 透明電極 16 平滑型(加圧部材) 30 プレス機 31 上板 33 下板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 友野 晴夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松尾 雄二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板、該基板上に形成された多数の金属
    電極、これら多数の金属電極相互の間隙を埋めるように
    注入されて前記金属電極と共に平滑な面を形成する樹
    脂、及び前記金属電極に沿うように前記平滑な面に形成
    された透明電極からなる液晶用低抵抗基板の製造方法に
    おいて、 前記多数の金属電極相互の間隙を埋めるように樹脂を注
    入すると共に加圧部材によって加圧した状態で前記基板
    端部の樹脂を硬化させる第1の樹脂硬化工程と、 前記加圧部材による加圧を解除した後に前記第1の樹脂
    硬化工程にて硬化されなかった樹脂を硬化させる第2の
    樹脂硬化工程と、 を備えてなる液晶用低抵抗基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の樹脂硬化工程によって、基板
    全周の樹脂を硬化させる、 ことを特徴とする請求項1記載の液晶用低抵抗基板の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の樹脂硬化工程によって基板端
    部にある樹脂の一部を硬化させる、 ことを特徴とする請求項1記載の液晶用低抵抗基板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記樹脂が、UV光が照射されて硬化す
    るUV硬化樹脂であり、かつ、 前記第1の樹脂硬化工程及び第2の樹脂硬化工程にてU
    V光を樹脂に照射するようにした、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の
    液晶用低抵抗基板の製造方法。
JP24193794A 1994-09-08 1994-09-08 液晶用低抵抗基板の製造方法 Pending JPH0876101A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6177968B1 (en) 1997-09-01 2001-01-23 Canon Kabushiki Kaisha Optical modulation device with pixels each having series connected electrode structure
CN111052210A (zh) * 2017-09-15 2020-04-21 迪睿合株式会社 透明面板的制造方法、光学装置的制造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6177968B1 (en) 1997-09-01 2001-01-23 Canon Kabushiki Kaisha Optical modulation device with pixels each having series connected electrode structure
CN111052210A (zh) * 2017-09-15 2020-04-21 迪睿合株式会社 透明面板的制造方法、光学装置的制造方法

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