JPH0874935A - フェノール系樹脂成形材料及びこの材料を用いたvベルト - Google Patents
フェノール系樹脂成形材料及びこの材料を用いたvベルトInfo
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Abstract
ール系樹脂成形材料を用いて耐久性及び伝動効率に優れ
たVベルトを得る。 【構成】 フェノール系樹脂組成物100重量部に対し
結晶構造がオニオン構造の炭素繊維を45〜70重量
部、アラミド繊維を15〜30重量部含み、この2種の
繊維質充填材が合せて60〜100重量部配合されたフ
ェノール系樹脂成形材料で、ブロックVベルト1の各ブ
ロック3の少なくともプーリと接触する部分を成形す
る。
Description
材料及びこの材料を用いたVベルトの改良に関し、特に
変速装置に用いられるVベルトを対象としたものであ
る。
ベルト式無段変速装置の開発が進められている。このベ
ルト式無段変速装置は、溝間隔が可変の変速プーリを駆
動軸と従動軸とにそれぞれ取り付け、この2個の変速プ
ーリにVベルトを巻き掛けて構成され、各々の可変プー
リの溝間隔を調整して回転ピッチ径を変化させることに
より、無段階に変速させるようになされている。
として、エンドレスの左右1対の張力帯に非金属材料か
らなる複数のブロックを略一定ピッチで係合装着してな
るいわゆるブロックVベルトが知られている(例えば、
特開昭60−49151号公報参照)。すなわち、上記
各ブロックはその両側面に張力帯係合用の溝が形成さ
れ、かつ両側面がプーリ溝面に適合する傾斜面になって
いて、この傾斜面と上記張力帯の側面とを実質的に面一
にしてこの両者にてベルト側面を構成するようにしたも
のである。このブロックVベルトは、従来のゴムVベ
ルトに比べて屈曲性がよい、高側圧に耐え得るように
することが可能、金属Vベルトに比べて軽量化が図れ
る、潤滑が不要になる、騒音が少ない等の利点があ
る。
部分をフェノール系樹脂成形材料で形成したブロックV
ベルトも知られている(例えば、特開昭63−3434
2号公報参照)。このフェノール系樹脂成形材料は、フ
ェノール樹脂とゴム成分とからなるマトリックスに繊維
質充填材を配合させてなるものであり、さらに、必要に
応じて摩擦調節剤が配合されている。
ビニルアルコール繊維,ポリアミド繊維,セルロース系
繊維,ポリエステル繊維,アラミド繊維等の有機繊維
や、炭素繊維,ガラス繊維,金属繊維,鉱物繊維等の無
機繊維を単独で若しくは適宜組み合わせて用いている。
また、摩擦調節剤としては、ふっ素系樹脂,グラファイ
ト,二硫化モリブデン,カーボンウイスカ等を用いてい
る。
料で各ブロックを成形したブロックVベルトは、上記各
ブロックのベースがフェノール樹脂であるため耐熱性が
高くなっており、また、上記ゴム成分と繊維質充填剤が
衝撃強度及び曲げ強度に寄与していて、ブロックVベル
トを高速,高温,高荷重に耐え得るものにしている。
ックVベルトにおいては、その耐久性や伝動性の向上と
いうような観点から、曲げ強度、衝撃強度、疲労強度、
弾性率等の機械的性質を向上させること、耐摩耗性の向
上や摩擦係数の調整といった摩擦摩耗特性の付与、並び
にプーリに損傷を与えないこと等が要求される。したが
って、各ブロックを構成するフェノール系樹脂成形材料
としては、これに充填する材料をどうすべきかが問題と
なり、さらにそれが材料の成形性に与える影響について
も十分に考慮しなければならない。
脂成形材料の場合、種々の有機繊維や無機繊維の中から
上述の各特性の向上に適したものを適宜選択し、その選
択した繊維を適宜組み合わせ、さらに、これに適宜の摩
擦調節剤を組み合わせることになるが、上述の機械的性
質及び摩擦摩耗特性の双方を総合的に向上せしめること
は、実際には難しいという問題がある。
ナイロン6,6等のポリアミド系繊維は、湿熱時(高湿
状態で熱をもっている時)における結晶化度、結晶粒径
等の微細構造や分子量の変化が大きく、その結果、強度
低下や融点降下を招き易いものであり、高吸湿性のフェ
ノール系樹脂成形材料としては望ましくない。また、セ
ルロース系のレーヨンも湿熱時に加水分解して劣化する
問題がある。ポリエチレンテレフタレート繊維の場合、
上記加水分解の問題の他、フェノール系樹脂成形材料の
成形過程で発生するアンモニアで侵される可能性があ
る。ポリビニルアルコール繊維は高温時の物性はあまり
期待できない。ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊
維やポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維のような
従来のアラミド繊維も、耐湿熱性が十分とはいえず、さ
らには成形材料の製造時に破損し易い。
金属繊維,鉱物繊維等の場合、強度、弾性率及び耐熱性
の点では良いものの、摺動時に相手材の摩耗,損傷を招
き易い。炭素繊維は、相手材の摩耗、損傷はないが、摩
擦、摩耗の安定性を図る観点からオニオン構造の炭素繊
維を選定している。また、ベルトの騒音低減及び伝動能
力向上のため、炭素繊維の引張り弾性率として4000
0kg/mm2 以上の高弾性タイプを用いてきた。しか
し摩擦係数が下がり過ぎるため、スリップの発生が起こ
り騒音は低減したが、逆に伝動能力が低下する問題があ
る。
であり、その目的とするところは、繊維質充填材とし
て、種類及び引張り弾性率の異なる繊維を選定して適正
に組み合わせて用いることにより、上述の各物性を向上
させるのに適したフェノール系樹脂成形材料及びその材
料を用いたVベルト(ブロックVベルト)を提供しよう
とするものである。
め、本発明の第1の解決手段は、フェノール系樹脂組成
物100重量部に対し結晶構造がオニオン構造の炭素繊
維とアラミド繊維との2種類の繊維を含む繊維質充填材
を60〜100重量部配合してフェノール系樹脂成形材
料を構成する。この際、上記炭素繊維をフェノール系樹
脂組成物100重量部に対し45〜70重量部配合す
る。また、上記アラミド繊維をフェノール系樹脂組成物
100重量部に対し15〜30重量部配合したことを特
徴とする。
クスであるフェノール樹脂にヘキサメチレンテトラミ
ン、炭酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム等を配合
したものである。
変性タイプのノボラック、レゾール又はベンジリックエ
ーテル型のフェノール樹脂等が挙げられる。変性フェノ
ール樹脂としてはアルキル変性フェノール樹脂やトール
オイル変性フェノール樹脂等があるが、さらに好適なも
のとしては、カルドール等、すなわち、カシューオイル
やこれに含まれているカルドール、アナカルド酸及びカ
ルダノールの中から選ばれた少なくとも1種の化合物で
変性されたフェノール樹脂が挙げられる。
樹脂は単独又は2種以上混合して使用でき、特に、未変
性フェノール樹脂とカルドール等による変性フェノール
樹脂とを併用する場合は、使用されるゴム成分との相溶
性を考慮して、両者の混合割合を適宜選択するとよい。
オン構造の炭素繊維及びアラミド繊維は、繊維、撚り
糸、チップ状クロス及びクロス等の形状で使用されるも
ので、その繊維の直径及び長さは特に限定されないが、
直径は10〜15μmが好ましい。
設定したのは、10μm未満では機械的強度が低下する
一方、15μmを超えると混練時に発熱が著しく起こっ
て加工安定性が損なわれるからである。
ましい。但し、後述する第2の解決手段において化学式
で示した芳香族ポリエーテルアミド繊維からなるアラミ
ド繊維については、繊維の長さが長すぎると加工性、分
散性が悪くなって強度や衝撃性を阻害するという問題を
生ずる一方、短すぎると補強効果がなくなることから、
繊維の長さは0.1〜5.0mmが望ましく、なかでも
0.1〜3.0mmが特に好ましい。
形状の繊維はそのまま使用してもよいが、接着剤で固め
て使用することにより、撚り糸、チップ状クロス及びク
ロス形状の繊維が材料製造中に解けるのを防止し、また
これらの繊維の縦方向、横方向への引張り強度や強力を
高めることができる。
系樹脂組成物100重量部に対し60〜100重量部と
したのは、60重量部未満では上記各物性を向上させる
ことが難しくなる一方、100重量部を超えると、繊維
質充填材の分散性が悪くなり、各物性の低下を招くとと
もに成形時の材料の流れが悪くなるからである。
黒鉛化系(例えばPAN系)で得ることができるもので
あり、結晶層厚が25〜200オングストロームであっ
て、高い引張り強度と引張り弾性率により、成形体の曲
げ強度及び曲げ弾性率を高めることができる。この効果
を効果的に得るためには、炭素繊維の配合割合をフェノ
ール系樹脂組成物100重量部に対し45〜70重量部
に設定することが好ましい。
は、摩擦係数を低減し、且つピッチ系等で得られるラジ
アル構造のものに比べ、高荷重下においても良好な機械
的強度及び摩擦摩耗特性を維持する。つまり、ラジアル
構造の場合、高荷重下では繊維の一部が繊維の中心部か
らラジアル方向に欠け落ち易くて、機械的強度を維持し
難く、しかもこの欠けた部分とそうでない部分との境が
角張った形状になって、摩擦摩耗特性に悪影響を及ぼす
が、オニオン構造の場合、高荷重下においても、繊維の
断面形態が破壊され難いとともに、上記ラジアル方向へ
の繊維の欠け落ちの問題はなく、また、表面の一部が薄
く剥れても機械的強度や摩擦摩耗特性にはほとんど影響
がない。因みに、高い弾性率を有するものでもその結晶
構造がラジアルのものは、材料混練時の剪断力や摺動面
で受ける力により、繊維が破砕され角張った形状になる
ので、高い耐摩耗性を得ることは困難となる。
げ弾性率を向上させ、かつ上記炭素繊維では得られない
衝撃強度を向上させ、また、耐摩耗性の向上にも寄与
し、しかも相手材の損傷の問題も生じない。この効果を
効果的に得るためには、アラミド繊維の配合割合をフェ
ノール系樹脂組成物100重量部に対し10〜30重量
部に設定することが好ましい。
ラミド繊維との2種類の繊維の組み合わせにより、成形
体の曲げ強度や衝撃強度だけでなく、曲げ弾性率、耐摩
耗性についての要求、並びにこの成形体の相手材に損傷
を与えないという要求を常温時及び高温時のいずれにお
いても満足させることができるのである。
ニオン構造であって、結晶層厚が25〜200オングス
トロームであるから、その高い引張り強度と引張り弾性
率により、成形体の曲げ強度及び曲げ弾性率を高めるこ
とになり、また、適度な摩擦係数と耐摩耗性とによっ
て、成形体をブロックVベルトのブロックとして使用す
る場合に良好な伝動特性を付与しながら、その摩耗を防
止することになり、特に、高荷重下においてもかかる特
性を維持せしめる。もちろん、成形体の摺動時に相手材
を傷つけることもない。また、この炭素繊維は耐熱性が
高いから高温でのかかる特性の維持に有効である。
段において、アラミド繊維として下記の化学式で表され
る芳香族ポリエーテルアミド繊維(3,4′−ジアミド
ジフェニルエーテル共重合体繊維)を採用し、かつこの
アラミド繊維の長さを0.1〜5.0mmに設定したこ
とを特徴とする。
ドジフェニルエーテル共重合体繊維は、そのエーテル結
合の存在によって、例えば、同じアラミド繊維であるポ
リパラフェニレンテレフタールアミド繊維よりも成形体
の曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度、耐薬品性、並びに
耐熱性を向上させることになる。因みに、上述の他のア
ラミド繊維としてのポリパラフェニレンテレフタールア
ミド繊維の場合、湿熱時の加水分解の問題もある。
いては、0.1〜5.0mm、そのなかでも0.1〜
3.0mmが好ましく、その理由は前述した如くであ
る。
の解決手段において、オニオン構造の炭素繊維として、
引張り弾性率が30000kg/mm2 以下の炭素繊維
と、40000kg/mm2 以上の炭素繊維との2種類
の炭素繊維を用いた。さらに、各々の炭素繊維をフェノ
ール系樹脂組成物100重量部に対しトータル量が45
〜70重量部になるよう10〜40重量部の範囲内でそ
れぞれ配合したことを特徴とする。
維の組み合わせ、及び各々の炭素繊維のフェノール系樹
脂組成物に対する配合割合により、衝撃強度,曲げ強
度,曲げ弾性率、耐摩耗性及び摩擦係数をコントロール
することが可能となる。
決手段のいずれか1の解決手段において、フェノール系
樹脂組成物100重量部に対し無機摩擦調節剤を1〜2
5重量部配合したことを特徴とする。
二硫化モリブデン又はカーボンウィスカー等が好適なも
のとして挙げられ、通常は粉末状のものが使用される。
上記無機摩擦調節剤の配合量を1〜25重量部に設定し
たのは、1重量部未満では摩擦係数低減の効果が期待で
きなくなる一方、25重量部を超えると摩擦係数が低く
なりすぎてVベルトのような動力伝動用の材料には適さ
なくなるからである。
の成形方法については、特に制限はなく、慣用されてい
る方法の中から任意の方法を用いることができる。
部に対し結晶構造がオニオン構造の炭素繊維及びアラミ
ド繊維の2種類の繊維からなる繊維質充填材を60〜1
00重量部配合し、これをヘンシェルミキサー等で均一
に分散混合してから熱ロールで混練後シート化する。得
られたシート状材料を粗砕、粉砕あるいは造粒すること
により成形可能にしたフェノール系樹脂成形材料が得ら
れる。
左右一対の張力帯と、該両張力帯にベルト長手方向に略
一定ピッチで係合装着された複数のブロックとでVベル
トを構成する。この場合、上記各ブロックの少なくとも
プーリと接触する部分を第1〜4の解決手段のいずれか
1の解決手段のフェノール系樹脂成形材料で構成したこ
とを特徴とする。このVベルトの構造については実施例
で詳細に説明する。
よるフェノール系樹脂成形材料では、結晶構造がオニオ
ン構造の炭素繊維とアラミド繊維との2種類の繊維の組
み合わせにより、成形体として相手材を損傷させること
なく、アラミド繊維により常温時の衝撃強度、曲げ強
度、曲げ弾性率及び耐摩耗性が全体的に向上し、オニオ
ン構造の炭素繊維により高温時の曲げ強度、曲げ弾性率
及び耐摩耗性が高荷重下でも十分に維持される。このフ
ェノール系樹脂成形材料は、上述の如き特性を有する
故、Vベルトの成形材料として、あるいはギヤ、カム、
プーリ等の動力伝達材ないしは摺動部材の成形材料とし
て利用することができる。
系樹脂成形材料では、フェノール系樹脂組成物に充填さ
れる芳香族ポリエーテルアミド繊維(3,4´−ジアミ
ドジフェニルエーテル共重合体繊維)のエーテル結合の
存在により、成形体の曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強
度、耐薬品性並びに耐熱性が向上する。
系樹脂成形材料では、引張り弾性率の異なる2種類の炭
素繊維の組み合わせにより、曲げ強度,曲げ弾性率,衝
撃強度が向上し、耐摩耗性及び摩擦係数のコントロール
が可能になる。
系樹脂成形材料では、無機摩擦調節剤の充填により、得
られる成形体の摩擦係数が低くなり、相手材との摺動に
よる騒音が低く抑えられる。特に、高温時においても炭
素繊維と相俟って成形体に良好な摩擦摩耗特性が与えら
れる。また、この無機摩擦調節剤によって成形体が補強
される。
は、上述の如きフェノール系樹脂成形材料の物性が備え
られ、曲げ強度、衝撃強度、疲労強度及び引張り弾性率
等の機械的性質が向上する。また、摩擦摩耗特性の向上
によってプーリが損傷しない。
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。
明する。
は、エンドレスの左右1対の張力帯2,2と、該両張力
帯2,2にベルト長手方向に略一定ピッチで係合装着さ
れた複数のブロック3,3,…とにより構成された,い
わゆるブロックVベルトである。
ノール系樹脂成形材料で成形したものであり、両側面に
は側方に開口する係合溝4,4がそれぞれ形成され、該
各係合溝4の上面及び下面には2つの凸部4a,4bが
上下内向きに対向して突設されている。
6ナイロン、アラミド等の有機繊維からなる織布5が上
下両面に貼着されたゴム部材6を備えてなり、該ゴム部
材6には、ポリエステル、アラミド等の有機繊維又はス
チール、ガラス、カーボン等の無機繊維を撚糸接着処理
してなる複数本の心体7,7,…が埋設されている。ま
た、上記各張力帯2の上面及び下面には、各ブロック3
の係合溝4に突設された凸部4a,4bに係合する凹部
2a,2bが形成されている。
2とが、各ブロック3の凸部4a,4bと各張力帯2の
凹部2a,2bとの係合によりベルト長手方向に係止さ
れているが、逆にブロック側に凹部を、張力帯側に凸部
をそれぞれ形成し、両部を係合させて係止するようにし
てもよい。
具体的に示す。表1及び表2に示す配合からなるフェノ
ール系樹脂成形材料を用いてVベルト1(ブロックVベ
ルト)を作成し、各種の実験を行った。その結果をフェ
ノール系樹脂成形材料の物性と共に表1及び表2に示
す。なお、表1及び表2中の物性は以下に示す方法に従
って測定した。
り、その試験片は金型により成形時にノッチを設けたも
のを使用した。また、曲げ強度及び曲げ弾性率は、10
mm角棒を使用して支点間距離64mm,荷重速度2m
m/mmで測定した。
いては下記のベルト仕様、試験条件で行った。
部材をインサート成形している。(図示せず)。
径:70mm)と従動プーリ12(ピッチ径:160m
m)との間に試料ベルト13を巻回し、駆動プーリ11
の回転数2500rpm、軸荷重250kgで伝達トル
クを変え、スリップ率を測定した。スリップ率2%の時
の伝達トルクより次式によりST値を求めこれを伝達能
力とした。
11の回転数2500rpm、軸荷重250kg、入力
トルク4.5kg・m、ベルト走行時の雰囲気温度90
℃で試験した。
転数1000rpm、軸荷重100kg、無負荷で走行
させ、駆動プーリ11から所定位置(L1 =50mm、L
2 =100mm)のところで騒音計14により全騒音レベ
ルを測定した。
を示すスパイラルフロー値を参考までに表1及び表2に
挙げた。このスパイラルフロー値の測定方法を説明する
に、まず、図5に示す金型15を用いて図6に示すよう
な渦巻線香状の成形品16を作り、その長さを測ってフ
ェノール系樹脂成形材料の流動性を示した。表1及び表
2に示す値は2回測定を行ったものの平均値である。つ
まり、金型15の下型17には半径3mmのアールで渦
巻状の溝18が形成されており、上記下型17の上に上
型19を載せて上記溝18を覆っている。また、上型1
9の中央には直径100mmのポット20が形成されて
おり、このポット20に試料としてフェノール系樹脂成
形材料を50.0g±0.2g投入し、直ちに蓋21を
して型締し、成形圧力544kg/cm2 にて成形して
成形品16を作った。
較例よりも優れていることが判る。
発明によれば、繊維質充填材として結晶構造がオニオン
構造の炭素繊維とアラミド繊維という2種類の繊維を組
み合わせてフェノール樹脂に配合したので、衝撃強度、
曲げ強度及び曲げ弾性率が高く耐摩耗性にも優れ、高温
時及び高荷重下でもかかる物性の低下が少なく、また、
相手材を摺動によって損傷することも少ない成形体を得
ることができる。
填材の1つであるアラミド繊維として3,4´−ジアミ
ドジフェニルエーテル共重合体繊維を用いたので、その
エーテル結合の存在によって、成形体の曲げ強度、曲げ
弾性率、衝撃強度、耐薬品性、並びに耐熱性の向上を図
ることができる。
填材の一部を構成する炭素繊維として引張り弾性率の異
なる2種類の炭素繊維を用いたので、曲げ強度,曲げ弾
性率,衝撃強度を向上させることができ、耐摩耗性及び
摩擦係数もコントロールすることができる。
ル系樹脂に無機摩擦調節剤を配合したので、炭素繊維と
相俟って成形体の摩擦摩耗特性を常温時のみならず高温
時でも良好なものとすることができ、かつ成形体の強度
特性の向上を図ることができる。
の各ブロックの少なくともプーリと接触する部分を上述
の如きフェノール系樹脂成形材料で成形したので、高
温、高速、あるいは高荷重下で使用することができ、か
つプーリを傷つけることなくVベルトの耐久性及び伝動
効率を向上させることができる。
値の測定に用いた金型の断面図である。
巻状の成形品の平面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 フェノール系樹脂組成物100重量部に
対し結晶構造がオニオン構造の炭素繊維とアラミド繊維
との2種類の繊維を含む繊維質充填材が60〜100重
量部配合され、 上記炭素繊維はフェノール系樹脂組成物100重量部に
対し45〜70重量部配合され、 上記アラミド繊維はフェノール系樹脂組成物100重量
部に対し15〜30重量部配合されていることを特徴と
するフェノール系樹脂成形材料。 - 【請求項2】 アラミド繊維は、下記の化学式で表され
る芳香族ポリエーテルアミド繊維であり、 【化1】 かつ繊維の長さが0.1〜5.0mmに設定されている
ことを特徴とする請求項1記載のフェノール系樹脂成形
材料。 - 【請求項3】 オニオン構造の炭素繊維として、引張り
弾性率が30000kg/mm2 以下の炭素繊維と、4
0000kg/mm2 以上の炭素繊維との2種類の炭素
繊維を用い、 各々の炭素繊維は、フェノール系樹脂組成物100重量
部に対しトータル量が45〜70重量部になるよう10
〜40重量部の範囲内でそれぞれ配合されていることを
特徴とする請求項1又は2記載のフェノール系樹脂成形
材料。 - 【請求項4】 フェノール系樹脂組成物100重量部に
対し無機摩擦調節剤が1〜25重量部配合されているこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフ
ェノール系樹脂成形材料。 - 【請求項5】 エンドレスの左右一対の張力帯と、該両
張力帯にベルト長手方向に略一定ピッチで係合装着され
た複数のブロックとで構成され、 該各ブロックの少なくともプーリと接触する部分が請求
項1〜4のいずれか1項に記載のフェノール系樹脂成形
材料で構成されていることを特徴とするVベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6209441A JP2857064B2 (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | フェノール系樹脂成形材料及びこの材料を用いたvベルト |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0874935A true JPH0874935A (ja) | 1996-03-19 |
JP2857064B2 JP2857064B2 (ja) | 1999-02-10 |
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ID=16572920
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JP (1) | JP2857064B2 (ja) |
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