JPH087354A - 情報記録媒体、その製法および情報記録装置 - Google Patents

情報記録媒体、その製法および情報記録装置

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JPH087354A
JPH087354A JP6140331A JP14033194A JPH087354A JP H087354 A JPH087354 A JP H087354A JP 6140331 A JP6140331 A JP 6140331A JP 14033194 A JP14033194 A JP 14033194A JP H087354 A JPH087354 A JP H087354A
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Application number
JP6140331A
Other languages
English (en)
Inventor
Keikichi Ando
圭吉 安藤
Jiichi Miyamoto
治一 宮本
Junko Ushiyama
純子 牛山
Hiroyuki Awano
博之 粟野
Yumiko Anzai
由美子 安齋
Takeshi Maeda
武志 前田
Hisataka Sugiyama
久貴 杉山
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Hitachi Ltd
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録層に光スポット径の(1/2)よりも小
さな情報記録領域を形成できるようにする。 【構成】 磁性層3に、記録感度の相対的に大きな領域
7と記録感度の相対的に小さな領域6とを形成する。記
録感度の相対的に大きな領域7にその領域7よりも大き
なスポット光を照射し、その領域7のスポット光の照射
部分のみに情報記録領域を生成する。 【効果】 記録層に光スポット径の(1/2)よりも小
さな情報記録領域を形成できる。従来よりいっそうの高
密度記録ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、情報磁気記録媒体、
その製法および情報記録装置に関し、さらに言えば、光
スポットよりも小さな情報記録領域を安定に形成できる
情報記録媒体と、その情報記録媒体を製造する方法と、
その情報記録媒体に好適に使用できる情報記録装置に関
する。ここで、情報記録媒体としては、光磁気記録媒体
および相変化記録媒体の双方を含む。
【0002】
【従来の技術】従来の情報記録媒体の一例としての光磁
気記録媒体を図15に示す。◆図15において、この光
磁気記録媒体105は、トラッキングのための案内溝を
設けたガラスなどの透明基板(厚さ1.2mm)101
の表面に、窒化珪素などの誘電体層(厚さ約90nm)
102と、TbFeCoなどの磁性層(厚さ約100n
m)103と、窒化珪素などの保護層(厚さ約200n
m)104とを順次、積層して構成されている。誘電体
層102は、基板101の側から入射したレーザ光11
2をその内部で多重反射させ、磁性層103で生じる偏
向面の回転角(カー回転角)を増大させる働きがある。
保護層104は、磁性層103を酸化などの腐食から保
護する働きがある。磁性層103のキュリー温度は室温
より高く設定してあり、その保磁力は室温では大きくキ
ュリー温度付近で小さくなる。
【0003】この光磁気記録媒体105では、次のよう
にして情報の記録・再生が行なわれる。◆初期化磁界に
より磁性層103を予め一方向に磁化した光磁気記録媒
体105に、反対向きの記録磁界を印加しながらレンズ
111で集束したレーザ光112を照射し、照射部分の
温度をキュリー温度付近まで上昇させる。記録媒体10
5の回転によりレーザ光スポットから外れた前記照射部
分は、空気により冷却される。加熱によりいったん消失
した前記照射部分の磁化は、この冷却過程で再び発現す
るが、その向きは記録磁界と同じ、すなわち初期化磁界
と反対向きになる。こうして、前記照射部分に記録磁区
が形成され、情報が記録される。
【0004】再生時には、記録時よりも強度の低い収束
レーザ光112を磁性層103に照射する。反対向きに
磁化している記録磁区ではレーザ光112の偏向面が反
対側に回転するので、それを検出することにより記録磁
区の有無、記録磁区の形状や大きさに基づいて、記録さ
れた情報が再生される。◆このような記録・再生の原理
は、例えば特開昭59−210543号公報に記載され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、レ
ーザ光111の強度を制御することによって小さな記録
磁区を記録しようとしても、記録温度に達した部分の大
きさを制御するのが困難であるため、レーザ光111の
スポット径(通常、約1.6μm,波長830nm)の
(1/2)よりも小さな記録磁区は実現できない。この
ため、記録密度の上限は、レーザ光48の波長とスポッ
ト径により制限されてしまうという問題がある。
【0006】そこで、この発明の目的は、光スポット径
の(1/2)よりも小さな情報記録領域を形成して情報
を記録・再生することができる情報記録媒体およびその
製造方法を提供することにある。
【0007】この発明の他の目的は、従来よりいっそう
の高密度記録(例えば、1平方インチ当り数GB)を行
なうことができる情報記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) この発明の第1の情報記録媒体は、基板上に直
接あるいは他の層を介して形成された記録層を有する情
報記録媒体において、前記記録層が、記録感度の相対的
に大きな第1領域と記録感度の相対的に小さな第2領域
とを有しており、前記第1領域にその第1領域よりも大
きなスポット光が照射され、前記第1領域の前記スポッ
ト光照射部分のみが情報記録領域として用いられること
を特徴とする。
【0009】(2) この発明の第2の情報記録媒体
は、基板上に直接あるいは他の層を介して形成された記
録層を有する情報記録媒体において、前記記録層が、記
録感度の相対的に大きな第1領域と記録感度の相対的に
小さな第2領域とを有しており、間隔をおいて隣接する
2つの前記第1領域を覆うスポット光が照射され、2つ
の前記第1領域とそれら第1領域に挟まれた前記第2領
域が情報記録領域として用いられることを特徴とする。
【0010】(3) この発明の第1および第2の情報
記録媒体において、「記録感度」とは情報記録領域の形
成されやすさを意味する。
【0011】前記第1領域は、前記記録層に螺旋状ある
いは同心円状に連続して形成してもよいし、前記記録層
に点在するように形成してもよい。螺旋状あるいは同心
円状に形成すると、情報記録領域が螺旋あるいは同心円
に沿ってトラック状に配置されるため、光ヘッドの高速
アクセスが可能となる利点がある。
【0012】また、螺旋状あるいは同心円状に形成され
た前記第1領域の幅を0.6μmよりも小さくすると、
0.6μmよりも幅の狭い情報記録領域を形成すること
が容易になり、いっそう高密度で情報を記録できる。
【0013】前記情報記録媒体は、光磁気記録媒体また
は相変化記録媒体として構成できる。前者の場合は前記
記録膜として光磁気記録膜が使用され、後者の場合は前
記記録膜として相変化記録膜が使用される。
【0014】光磁気記録層の材料としては、例えば、T
bFe,TbFeCo,TbDyFeCo,GdTbF
eCo,GdTbFeなどの希土類と遷移金属からなる
非晶質磁性材料が挙げられる。
【0015】相変化層としては、結晶質−非晶質間、結
晶質−結晶質間、および非晶質−非晶質間で相変化する
ものがすべて利用できる。相変化記録相の材料として
は、例えば、GeSbTe、AgInSbTeが挙げら
れる。
【0016】前記基板としては、特に制限されず任意の
ものが使用可能である。◆前記他の層としては、後述の
この発明の製法において使用される誘電体層、金属層、
樹脂層などが挙げられる。
【0017】(4) 光磁気記録媒体および相変化記録
媒体のいずれの場合でも、好ましくは、記録感度の相対
的に大きな前記第1領域は、表面に凹凸が存在する領域
とされ、記録感度の相対的に小さな前記第2領域は、表
面が実質的に平坦な領域とされる。しかし、相対的に記
録感度の異なる領域であれば、その形態などは問わな
い。
【0018】前記第1領域では、表面の凹部あるいは凸
部のそれぞれの半値幅の平均値は、2nmから40nm
の範囲が好ましく、2nmから30nmの範囲がより好
ましい。2nm未満では、前記第1領域と前記第2領域
の保磁力の差を十分に大きくすることができない。40
nmを越えると、再生時のノイズが大きくなりS/N比
を大きくすることができないので、実用上好ましくな
い。2〜30nmの範囲では、保磁力の差および再生時
のノイズの大きさの双方が実用上満足できるレベルに達
する。
【0019】隣接する凹部同士あるいは凸部同士の各々
の間隔の平均値は、4nmから80nmの範囲が好まし
く、4nmから60nmの範囲がより好ましい。4nm
未満では、隣接する凹部または凸部が重なってしまう。
80nmを越えると、照射される光スポットの形状に忠
実に情報記録領域が形成されず、変調性ノイズやエラー
の原因となる。60nmを越えない範囲では、変調性ノ
イズやエラーが実用上満足できるレベルにある。
【0020】前記記録感度の高い領域は、微細凹凸の大
きさに応じて記録感度が異なる。よって、情報記録媒体
の面内方向において、内周に比べて外周の微細凹凸の大
きさを徐々に大きく設定することにより、同一記録パワ
ーで媒体の全体にわたって記録磁区を形成できる効果が
ある。
【0021】(5) 前記記録感度の高い領域は、前記
基板の表面に形成された凹凸パターンに基づいて形成し
てもよいし、前記基板の上に形成された他の層(例え
ば、誘電体層、樹脂層、金属層など)の表面に形成され
た凹凸パターンに基づいて形成してもよいし、前記記録
層に直接凹凸パターンを形成してもよい。
【0022】(6) この発明の第1の情報記録媒体の
製法は、板状部材の表面にレジスト膜を形成する工程
と、前記レジスト膜に、記録感度の相対的に大きな第1
領域と記録感度の相対的に小さな第2領域のパターンを
形成して、原盤を得る工程と、前記原盤のレジスト膜か
ら前記第1領域と第2領域のパターンを転写してスタン
パを得る工程と、片面に下地膜を形成した基板を準備す
る工程と、前記スタンパに転写された前記第1領域と第
2領域のパターンを、前記基板の下地膜に転写する工程
と、前記基板の下地膜の上に直接あるいは他の層を介し
て記録層を形成し、その記録層に記録感度の相対的に大
きな第1領域と記録感度の相対的に小さな第2領域とを
前記パターンで形成する工程と、前記記録層の上に直接
あるいは他の層を介して保護層を形成する工程とを備え
てなることを特徴とする。
【0023】前記原盤を得る工程は、前記第1領域と第
2領域のパターンを持つマスクを前記レジスト膜の上に
形成した後、そのマスクを用いて前記パターンを前記レ
ジスト膜に転写してもよいし、マスクを使用せず、エネ
ルギービームを用いて直接、前記パターンを前記レジス
ト膜に描画してもよい。
【0024】(7) この発明の第2の情報記録媒体の
製法は、基板の表面に直接あるいは他の層を介して誘電
体層を形成する工程と、前記誘電体層の上にレジスト膜
を形成する工程と、前記レジスト膜に、記録感度の相対
的に大きな第1領域と記録感度の相対的に小さな第2領
域のパターンを形成する工程と、前記レジスト膜を選択
的にエッチングして前記パターンを前記誘電体層に転写
する工程と、前記誘電体層の上に記録層を形成し、その
記録層に記録感度の相対的に大きな第1領域と記録感度
の相対的に小さな第2領域とを前記パターンで形成する
工程と、前記記録層の上に直接あるいは他の層を介して
保護層を形成する工程とを備えてなることを特徴とす
る。
【0025】前記レジストに前記パターンを形成する工
程は、前記第1領域と第2領域のパターンを持つマスク
を前記レジスト膜の上に形成した後、そのマスクを用い
て前記パターンを前記レジスト膜に転写してもよいし、
マスクを使用せず、エネルギービームを用いて直接、前
記パターンを前記レジスト膜に描画してもよい。
【0026】(8) この発明の第3の情報記録媒体の
製法は、基板の表面に直接あるいは他の層を介して、全
表面に凹凸を有する誘電体層を形成する工程と、前記誘
電体層の表面の凹凸を選択的に除去して、記録感度の相
対的に大きな第1領域と記録感度の相対的に小さな第2
領域のパターンを形成する工程と、前記誘電体層の上に
記録層を形成し、その記録層に記録感度の相対的に大き
な第1領域と記録感度の相対的に小さな第2領域とを前
記パターンで形成する工程と、前記記録層の上に直接あ
るいは他の層を介して保護層を形成する工程とを備えて
なることを特徴とする。
【0027】前記誘電体層に前記パターンを形成する工
程は、前記誘電体層の表面上にレジスト膜を形成した
後、そのレジスト膜の上に前記第1領域と第2領域のパ
ターンを持つマスクを形成し、そのマスクを用いて前記
誘電体層の表面の凹凸を選択的に除去してもよいし、マ
スクを使用せず、エネルギービームを用いて直接、前記
誘電体層の表面の凹凸を選択的に除去してもよい。
【0028】(9) この発明の第4の情報記録媒体の
製法は、基板の表面に直接あるいは他の層を介して、熱
的に形状変化しやすい金属膜を形成する工程と、前記金
属膜の表面全体に微細な凹凸を形成する工程と、微細な
凹凸を有する前記金属膜の表面を選択的に形状変化させ
て、記録感度の相対的に大きな第1領域と記録感度の相
対的に小さな第2領域のパターンを形成する工程と、前
記金属膜の上に直接あるいは他の層を介して記録層を形
成し、その記録層に記録感度の相対的に大きな第1領域
と記録感度の相対的に小さな第2領域とを前記パターン
で形成する工程と、前記記録層の上に直接あるいは他の
層を介して保護層を形成する工程とを備えてなることを
特徴とする。
【0029】前記金属膜の表面の選択的な形状変化は、
例えば、レーザ光を前記金属膜の表面に照射することに
よって実現できるが、前記第1領域と第2領域のパター
ンを持つマスクを前記金属膜の上に形成した後、そのマ
スクを用いて前記パターンを前記金属膜に転写してもよ
い。
【0030】(10) この発明の情報記録装置は、記
録感度の相対的に大きな第1領域と記録感度の相対的に
小さな第2領域とを有する記録層を備えた情報記録媒体
を用いる情報記録装置であって、前記記録層にスポット
光を照射する光ヘッドと、記録情報に応じた変調信号を
生成する変調手段と、前記光ヘッドより照射されるスポ
ット光の強度を、前記変調信号に応じて制御する強度制
御手段と、前記光ヘッドより照射されるスポット光が前
記第1領域上に位置するように、前記光ヘッドを制御す
る位置制御手段と、前記光ヘッドより照射されるスポッ
ト光の照射タイミングを、前記変調信号に応じて制御す
るタイミング制御手段とを備え、前記記録情報は、前記
光ヘッドから前記記録層に照射された記録光に基づいて
前記情報記録媒体の第1領域に記録され、前記情報記録
媒体に記録された情報は、前記光ヘッドから前記記録層
に照射された再生光に基づいて再生されることを特徴と
する。
【0031】前記情報記録媒体としては、光磁気記録媒
体および相変化記録媒体のいずれも使用できる。
【0032】
【作用】この発明の第1の情報記録媒体では、情報の記
録時に、記録感度の相対的に大きな第1領域にその第1
領域よりも大きなスポット光が照射される。第2領域に
比べて第1領域の方が記録感度が高いため、そのスポッ
ト光照射により第1領域には情報が記録されるが、第2
領域には記録されない。すなわち、情報記録領域として
は第1領域の前記スポット光照射部分のみが用いられ
る。
【0033】よって、情報記録領域の大きさに応じて光
スポット径を小さくしなくても、従来より小さい情報記
録領域を形成することが可能となる。
【0034】この発明の第2の情報記録媒体では、間隔
をおいて隣接する2つの前記第1領域を覆うスポット光
が照射される。2つの第1領域に挟まれた第2領域は記
録感度が低いが、両側の記録感度が高い第1領域の特性
変化に引かれてそこにも情報が記録される。すなわち、
情報記録領域としては、間隔をおいて隣接する2つの第
1領域とそれら第1領域に挟まれた第2領域が情報記録
領域として用いられる。
【0035】このように、この発明の第1および第2の
情報記録媒体では、記録層に生成される情報記録領域の
形状や大きさは、記録感度が高い第1領域の形状や大き
さによって決まるため、光スポット径の(1/2)より
も小さな情報記録領域を形成して情報を記録・再生する
ことができる。
【0036】この発明の第1〜第4の情報記録媒体の製
法では、レジスト膜、誘電体層、金属膜などに基づい
て、記録感度の相対的に大きな第1領域と記録感度の相
対的に小さな第2領域のパターンを記録層に形成できる
ので、この発明の第1および第2の情報記録媒体が容易
に得られる。
【0037】この発明の情報記録装置では、この発明の
第1および第2の情報記録媒体を用いるので、従来より
いっそうの高密度記録を行なうことができる。
【0038】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例を添付図面に
基づいて詳細に説明する。◆ [第1実施例] [光磁気記録媒体の構成]図1は、この発明の情報記録
媒体の第1実施例の光磁気記録媒体の概念断面図であ
る。
【0039】図1において、光磁気記録媒体5は、平坦
な上面に微細な凹凸部を所定パターンで形成したディス
ク状の透明基板(厚さ1.2mm)1と、その基板1の
上に形成された窒化珪素などの誘電体層(膜厚60n
m)2と、その誘電体層2の上に形成されたTbFeC
oなどの磁性層(膜厚80nm)3と、その磁性層3の
上に形成された窒化珪素などの保護層(膜厚60nm)
4とを備えている。
【0040】誘電体層2は、磁性層3による光磁気効果
を増大させ、また磁性層3の耐酸化性を向上させる作用
を持つ。保護層4は、磁性層3の耐酸化性を向上させる
作用を持つ。
【0041】基板1と誘電体層2との間、誘電体層2と
磁性層3との間、磁性層3と保護層4との間、および保
護層4の表面には、必要に応じて熱拡散層や反射層など
の金属層を設けてもよい。
【0042】誘電体層2の上面および下面には、基板1
の上面の凹凸パターンを反映した凹凸部が形成され、磁
性層3の上面および下面には、誘電体層2の上面の凹凸
パターンを反映した凹凸部が形成され、保護層4の上面
および下面には、磁性層3の上面の凹凸パターンを反映
した凹凸部が形成されている。
【0043】磁性層3の凹凸部に対応する領域、すなわ
ち上面および下面に凹凸が存在している磁性層3の領域
7は、磁性層3の平坦部に対応する領域、すなわち上面
および下面が平坦な磁性層3の領域6に比べて、記録感
度が高くなっている。換言すれば、磁性層3は、基板1
の凹凸パターンに対応して配置された、相対的に記録感
度の高い領域7と相対的に記録感度の低い領域6とを有
している。これらの領域6および7は、交互に互いに隣
接して基板1のほぼ全面にわたって配置されている。
【0044】記録感度の低い領域6と記録感度の高い領
域7は、基板1上に種々のパターンで配置することがで
き、例えば、図2に示すように同心円状パターンで配置
してもよいし、螺旋状パターンで配置してもよい。ま
た、記録感度の低い領域6の中に記録感度の高い領域7
が点在するようにしていてもよい。領域6および7を同
心円状または螺旋状に配置した場合、領域6または7が
記録トラックを兼ねることができるため、光ヘッドのア
クセスが容易になる利点がある。
【0045】磁性層3の記録感度の高い領域7は、上下
面に微細な凹凸を有しており、記録感度の低い領域6
は、平坦な上下面を有している。それら領域6および7
の保磁力は図3のような温度特性を持つ。記録感度の低
い領域6の保磁力は、室温TRではHC2、記録感度の高
い領域7の保磁力は、室温TRではHC2より小さいHC1
である。記録感度の高い領域7および記録感度の低い領
域6のいずれについても、それら領域6および7の温度
がキュリー温度TCまで上昇すると、保磁力は消失す
る。
【0046】記録感度の低い領域6の幅(基板1の半径
方向の幅)はaであり、記録感度の高い領域7の幅(基
板1の半径方向の幅)はbである。例えば、記録感度の
低い平坦部6の幅aは400nm、記録感度の高い領域
7の幅bは300nmとされる。
【0047】磁性層3の記録感度の低い領域6(平坦
部)の幅aと、記録感度の高い領域(凹凸部)7の幅b
は、それぞれ100nm以上、600nm以下の範囲が
好ましい。平坦部の幅aが100nm未満であると、隣
接する記録感度の高い領域7に記録してしまったり、再
生時に隣接する記録磁区の情報を読むなどのエラーを生
じるからであり、600nmを越えると記録密度の向上
が妨げられるからである。また、凹凸部の幅bが100
nm未満であると、記録磁区の不均一により変調性ノイ
ズの増大やエラーの原因になり、600nmを越えると
記録密度の向上が妨げられるからである。
【0048】磁性層3の各凹凸部7の平均高さ(凹凸を
ならした時に形成される表面の位置)は、磁性層3の各
平坦部6の表面と同一平面上にあってもよいし、平坦部
6の表面より上位あるいは下位にあってもよい。
【0049】100nm〜600nmの範囲内で磁性層
3の平坦部の幅aを狭くした場合、換言すれば、幅aを
100nmの近傍に設定した場合は、それに応じて磁性
層3の保磁力を小さくするか、磁性層3を薄くするのが
好ましい。これにより、いっそうの高密度記録が可能と
なるからである。
【0050】記録感度の高い領域7では、図7に示すよ
うに、表面に多数の微細な凹凸7aが存在している。表
面の凸部(あるいは凹部)のそれぞれの半値幅は、各凸
部の高さhの(1/2)の位置における幅wを示し、そ
の平均値は、2nmから40nmの範囲が好ましく、2
nmから30nmの範囲がより好ましい。2nm未満で
は、記録感度の高い領域7と記録感度の低い領域6の保
磁力の差を十分に大きくすることができない。40nm
を越えると、再生時のノイズが大きくなりS/N比を大
きくすることができないので、実用上好ましくない。2
〜30nmの範囲では、保磁力の差および再生時のノイ
ズの大きさの双方が実用上満足できるレベルに達する。
【0051】記録感度の高い領域7の表面の隣接する凸
部同士(あるいは凹部同士)の各々の間隔、換言すれ
ば、凸部(あるいは凹部)の周期は、図7のdで示さ
れ、その平均値は、4nmから80nmの範囲が好まし
く、4nmから60nmの範囲がより好ましい。4nm
未満では、隣接する凸部または凹部が重なってしまう。
80nmを越えると、照射される光スポットの形状に忠
実に情報記録領域が形成されず、変調性ノイズやエラー
の原因となる。60nmを越えない範囲では、変調性ノ
イズやエラーが実用上満足できるレベルにある。
【0052】磁性層3の記録感度の低い領域6(平坦
部)の表面は、完全に平坦ではない。磁性層3の記録感
度の高い領域7(凹凸部)の凹凸(図7参照)に比べる
とはるかに小さいが、やはり微細な凹凸を有している。
その表面粗さの平均値は、記録感度の高い領域7(凹凸
部)の各凹部の深さ(または各凸部の高さ)の差の平均
値に対して(1/5)以下の範囲にあるのが好ましい。
(1/5)を越えると記録感度の差が小さくなり、微小
磁区の形成が困難であるからである。
【0053】使用可能な磁性層材料としては、例えば、
TbFe,TbFeCo,TbDyFeCo,GdTb
FeCo,GdTbFeなどの希土類と遷移金属からな
る非晶質磁性材料が挙げられる。
【0054】[記録磁区の形成]図1の光磁気記録媒体
5では、次のようにして、磁性層3に光スポットより小
さい情報記録領域、すなわち記録磁区が形成される。
【0055】磁性層3の記録感度の高い領域7では、上
下面に微細な凹凸が存在するため、領域7の各微細磁区
の持つ保磁力の向きはランダムであり、したがって、領
域7全体としての保磁力は低い。これに対し、記録感度
の低い領域6では、上下面が平坦なため、領域6の各微
細磁区の持つ保磁力の向きは揃っており、したがって、
領域6全体としての保磁力は領域7のそれよりも高い。
【0056】このため、バイアス磁界HBを印加しなが
ら磁性層3にレーザ光スポットを照射し、キュリー温度
C付近まで温度上昇させてから冷却すると、全体とし
ての保磁力は、凹凸を持つ領域7の方が平坦な領域6よ
りも小さいので、領域7の方が領域6よりもバイアス磁
界HBによって磁化されやすい。すなわち、領域7の方
が領域6よりも記録磁区が生成されやすい。よって、領
域7の方が領域6よりも記録感度が高くなるのである。
【0057】したがって、図6(a)に示すパターンで
配置された領域6および7を持つ磁性層3に、図6
(b)に示すように、適当な強度で記録用レーザ光を照
射し、その温度を局部的に上昇させた場合、バイアス磁
界HBを好適に設定すれば、そのレーザ光のスポットS
の直径が記録感度の高い領域7の幅aより大きくても、
記録感度の低い領域6はバイアス磁界HBによって磁化
されず、記録感度の高い領域7のみが磁化されるように
なる。
【0058】換言すれば、磁性層3の領域7の近傍にお
ける記録感度は、図4に示すような温度特性を持つの
で、記録磁区(情報記録領域)Rがある温度における記
録感度の高い領域7に限定して生成されるようになるの
である。
【0059】この場合、記録感度が高い領域7と記録感
度が低い領域6との境界に磁壁が位置する。
【0060】以上述べた理由により、この第1実施例の
光磁気記録媒体5によれば、記録磁区Rの幅は記録用レ
ーザ光の波長(スポット径S)によらず、記録感度の高
い領域7の幅aに限定される。よって、記録感度の高い
領域7の幅を小さく設定する(挟トラックにする)こと
により、従来よりいっそうの高密度記録が容易に実現で
きる。
【0061】また、磁性層3に生成される情報記録領域
(磁区)Rの形状や大きさは、記録感度が高い領域7の
形状や大きさによって決まるため、光スポットSの大き
さや強度が変化しても、一定の形状、大きさの情報記録
領域Rを安定に形成することができる。よって、S/N
の高い(低ノイズの)記録・再生が可能となる。
【0062】例えば、記録感度の低い領域6の幅aが
0.4μm、記録感度の高い領域7の幅bが0.3μm
であれば、記録用レーザ光の波長(例えば830nm,
スポット径約1.6μm)に拘わらず、記録磁区の幅は
b=0.3μmに限定される。この場合、トラックピッ
チ0.7μmの挟トラック記録となるため、記録ビット
ピッチ(線記録密度)を0.3μmとすれば、1平方イ
ンチあたり3GBの高記録密度を実現できる。
【0063】記録感度の低い領域6の幅aを0.1μ
m、記録感度の高い領域7の幅bを0.2μmにし、記
録ビットのピッチ(線記録密度)を0.3μmとすれ
ば、1平方インチあたり10GBの高記録密度も実現可
能である。この場合、記録磁区Rをいっそう小さく生成
する必要があるが、これは、磁性層3の膜厚を薄くす
る、磁性層3の保磁力を小さくするなどの手段を講じ
て、記録に必要なレーザ光の波長を短くしたりそのパワ
ーを低減したりして、実効的なスポット径を小さくすれ
ば十分可能である。
【0064】図14は、記録感度が低い領域6(平坦
部)と記録感度が高い領域7(凹凸部)にそれぞれ記録
磁区を形成したときの、記録用レーザ光のパワーに対応
した出力信号レベルの変化を示す。図中において、曲線
C1およびC2の信号レベルの増加点AおよびBは、そ
の点で記録磁区が形成されることを意味する。
【0065】図14より明らかなように、記録感度が低
い領域6の信号レベル曲線C1では、記録開始時の記録
パワーが約6.1mW(A点)であるのに対して、記録
感度が高い領域7の信号レベル曲線C2では、記録開始
時の記録パワーが5.9mW(B点)であり、記録感度
が低い領域6よりも低くなっている。よって、記録感度
が高い領域7の記録感度が、記録感度が低い領域6の記
録感度より高いことが理解される。
【0066】前述の通り、記録感度が低い領域6の表面
は完全に平坦ではなく、きわめて微細な凹凸が存在す
る。この観点から見れば、図14は、微細凹凸の大きさ
が異なれば、それに応じて記録感度が変化することを示
していると解される。よって、記録媒体5の面内方向に
おいて、記録感度が高い領域7の微細凹凸の大きさを内
周に比べて外周を徐々に大きく設定することにより、記
録媒体5の全面にわたって同一記録パワーで記録磁区を
形成できる効果が得られる。
【0067】[光磁気記録媒体の製法]次に、図5を参
照しながら、上記第1実施例の光磁気記録媒体5の製造
方法について説明する。◆まず、透明なガラス板(厚さ
10mm)10の表面に、フォトレジストまたは電子線
レジストを塗布した後(図5(a)参照)、得られたレ
ジスト膜11の上に、記録感度の低い領域6と記録感度
の高い領域7のパターンを持つマスク12を載せ、その
マスク12を介して光または電子線13をレジスト膜1
1に照射する。
【0068】続いて、光または電子線13を照射したレ
ジスト膜11に現像液23のシャワーをかけるか、その
レジスト膜11をガラス板10と共に現像液23中に浸
積することにより、レジスト膜11を現像する。これに
より、レジスト膜11の光または電子線が照射された部
分に、微細な凹凸を持つ領域14が選択的に形成される
(図5(b)参照)。こうして、ガラス板10の片面に
レジスト膜11を備えた原盤15が得られる。
【0069】次に、原盤15のレジスト膜11の表面に
Al−Ti合金の剥離層(厚さ20nm)22を形成す
る。その後、予め用意しておいた、樹脂板17の片面に
形成した光硬化型あるいは熱硬化型の樹脂膜16に、レ
ジスト膜11の凹凸領域14のパターンを転写する(図
5(c)参照)。こうして、図5(d)に示すような、
樹脂板17と樹脂膜16とからなるスタンパ18が得ら
れる。
【0070】さらに、予め用意しておいた、ガラス板2
0(厚さ1.2mm)の片面に形成した光硬化型あるい
は熱硬化型の樹脂膜19に、スタンパ18の樹脂膜16
の凹凸領域14のパターンを転写する(図5(e)参
照)。
【0071】こうして、凹凸パターンを持つ樹脂膜19
をガラス板20の片面に備えたレプリカ基板21が得ら
れる(図5(f)参照)。このレプリカ基板21は、図
1の光磁気記録媒体5の基板1に対応する。
【0072】このレプリカ基板21は、図5(f)に示
すように、樹脂層19の平坦な表面に、マスク12のパ
ターンと同じパターンで凹凸部14が配置されている。
換言すれば、表面に微細な凹凸を有する凹凸部14が、
ガラス円板20のほぼ全面にわたって配置され、表面の
平坦な平坦部24が凹凸部14の間に配置されている。
【0073】この方法によれば、所望パターンの凹凸部
14と平坦部24を有する基板1を再現性よく量産でき
る。
【0074】スタンパ18の剥離を確実に行なうため、
図5(c)の転写工程において、転写前に、原盤15の
レジスト膜11の表面に剥離層を形成するのが好まし
い。ここで用いる剥離層としては、Al,Ti,Au,
Ag,Cu,Pt,Rh,Ta,Cr,Ni,Mn,N
b,ZrおよびSiから選ばれる少なくとも一種が好ま
しい。また、SiO2,Si34などの窒化物や酸化物
などの誘電体を用いてもよい。
【0075】さらに、必要に応じて、樹脂膜16の表面
に剥離剤を蒸着等の方法でコーティングしても同様の効
果がある。剥離剤としては、シリコンオイル、カルコゲ
ン化合物(Te,SeおよびSのうち少なくとも一者を
含む混合物あるいは化合物など)が好ましい。
【0076】図5(f)の工程の後、得られたレプリカ
基板21の樹脂膜19の上に、従来と同様の方法によ
り、前述した誘電体層2、磁性層3および保護層4を順
に形成する。こうして、図1の構造を持つ光磁気記録媒
体5が得られる。
【0077】この第1実施例の方法では、図5(a)
(b)の工程において、レジスト膜11への光または電
子線の照射量および/または現像時間を変化させること
により、凹凸部14の凹凸の大きさを容易に変えること
ができる。また、レジスト膜11への光または電子線を
照射する時間に間隔を設ければ、樹脂膜19に形成され
る凹凸部14の幅や長さを任意に調整することができ
る。さらに、図5(a)〜(f)の工程で凹凸部14を
形成した後、樹脂膜19にさらにイオンエッチングなど
を施せば、凹凸部14の凹凸形状をより顕著にすること
もできる。
【0078】記録感度の低い領域6の幅aが0.4μ
m、記録感度の高い領域7の幅bが0.3μmの場合、
上記レプリカ基板21を実際に製作して走査型電子顕微
鏡で観察した結果、上記の記録感度が高い領域7の微細
な凹凸の半値幅w(図7参照)の平均値は、例えば20
nmであった。
【0079】この第1実施例の方法では、さらに次のよ
うな変形例が考えられる。◆ (i) プラスチック基板17を用いたスタンパ18を作
製せずに、図5(a)および(b)の工程により原盤1
5を作製した後、原盤15のレジスト膜11の表面に直
接、Niを蒸着した後、NiメッキをしてNiスタンパ
を作製してもよい。その後、このNiスタンパを用いて
インジェクション法により図1の基板1を作製する。こ
の場合は、樹脂膜19の凹凸部14が直接、基板1の表
面に形成される。凹凸部14を持つ基板1の表面に、図
1の誘電体層2、磁性層3および保護層4が順に形成さ
れる。
【0080】(ii) ガラス板10に代えて、当初から図
1のような透明基板1を用いてもよい。この場合、フォ
トレジストまたは電子線レジストの膜11を、基板1の
表面に直接形成する。そして、所定パターンを有するマ
スク12を介して光または電子線13をレジスト膜11
に照射した後、現像してレジスト膜11の表面に凹凸部
14を形成する。その後、凹凸部14を持つレジスト膜
11の表面に、図1の誘電体層2、磁性層3および保護
層4が順に形成される。
【0081】[光磁気記録装置]上記第1実施例の光磁
気記録媒体に情報を記録・再生する光磁気記録装置の一
例を図13に示す。
【0082】光ヘッド46は、光磁気記録媒体51にレ
ーザ光47を収束して照射し、その磁性層の温度を局部
的に上昇させる。バイアス磁石52は、光磁気記録媒体
51の磁性層に矢印53の方向にバイアス磁界を印加す
る。磁界強度制御部41は、バイアス磁石52を制御
し、所望の強度および向きでバイアス磁界を光磁気記録
媒体51に印加する。
【0083】記録制御手段43は、記録磁区Rの幅およ
び/または長さを正確に制御するためのタイミング制御
部44と光強度制御部45とを有している。光強度制御
部45は、光ヘッド47を制御し、光ヘッド47が光磁
気記録媒体51に照射するレーザ光の強度を制御する。
タイミング制御部44は、磁性層の記録感度が高い領域
7に的確にレーザ光が照射されるように、レーザ光の強
度変化のタイミングを制御する。
【0084】変調手段42は、記録情報に応じて変調信
号を磁界強度制御部41と光強度制御部43に送る。磁
界強度制御部41と光強度制御部43は、その変調信号
に応じて、バイアス磁石52および光ヘッド46をそれ
ぞれ制御する。
【0085】自動位置制御手段48は、レーザ光を光磁
気記録媒体51上の所望位置に照射するように、光ヘッ
ド46の位置を制御する。
【0086】再生回路49は、光ヘッド46を通じて得
られる再生信号に基づいて、光磁気記録媒体51に記録
された情報を再生する。
【0087】クロック生成回路50は、クロック信号を
生成して記録制御手段43のタイミング制御部44に送
る。タイミング制御部44は、このクロック信号に応じ
てレーザ光の強度変化のタイミングを制御する。
【0088】この光磁気記録装置では、図7に示すよう
に、レーザ光が常に螺旋状または同心円状の記録感度が
高い領域7の一つに照射されるように、光ヘッド46が
トラッキング制御される。レーザ光は、記録信号に応じ
て所定タイミングでON,OFFされ、領域7上に間隔
をあけて記録磁区Rが形成される。
【0089】バイアス磁界の強度がクロック信号に応じ
て変化する場合は、記録制御手段43のタイミング制御
部44から制御信号を磁界強度制御部41に送る必要が
ある。バイアス磁界の強度がクロック信号に応じて変化
しない場合は、その必要はない。
【0090】[第2実施例]図8は、第2実施例の光磁
気記録媒体の製法を示す。この方法により得られる第2
実施例の光磁気記録媒体は、図1の第1実施例の光磁気
記録媒体と同じ構成である。第1実施例の製法では、レ
ジスト膜11に凹凸部14の所定パターンを形成するの
にマスク12を用いているが、第2実施例の製法では、
マスクを用いずに、収束した光あるいは電子線をレジス
ト膜11に走査させて所定パターンを直接、描画してい
る。
【0091】すなわち、図8(a)の工程では、透明な
ガラス板(厚さ10mm)10の表面に形成されたフォ
トレジストまたは電子線レジストの膜11の上に、光ま
たは電子線13を走査させ、微細な凹凸を持つ領域14
の潜像を生成する。その後、第1実施例と同様にしてこ
のレジスト膜11を現像すると、レジスト膜11に凹凸
領域14が所定パターンで形成される(図5(b)参
照)。
【0092】こうして、ガラス板10の片面にレジスト
膜11を備えた原盤15が得られる。その後の工程は、
第1実施例の場合とまったく同じである。
【0093】[第3実施例]図9は、第3実施例の光磁
気記録媒体の製法を示す。この方法により得られる第3
実施例の光磁気記録媒体は、基板1の表面に凹凸パター
ンが存在しない点を除き、第1および第2実施例の光磁
気記録媒体と同じ構成である。第1および第2実施例で
は、基板1(樹脂膜19)の表面の凹凸パターンによっ
て磁性層3に凹凸パターンを形成しているが、第3実施
例では、基板1の表面に形成された誘電体層2に凹凸パ
ターンを設け、それによって磁性層3に凹凸パターンを
形成している点が異なる。
【0094】まず、スパッタリング法などにより、図9
(a)に示すように、ディスク状の透明基板(厚さ1.
2mm)1上に誘電体層30(膜厚60nm)を形成す
る。その後、誘電体層30の表面にフォトレジストまた
は電子線レジストを塗布し、レジスト膜11を形成す
る。
【0095】次に、所定パターンのマスク12を介し
て、光または電子線13をレジスト膜11に照射する
(図9(a)参照)。その後、そのレジスト膜11に現
像液23のシャワーをかけるか、そのレジスト膜11を
基板1と共に現像液23中に浸積することにより、レジ
スト膜11を現像する。これによって、光または電子線
の照射された領域のレジスト膜11が選択的に除去さ
れ、微細な凹凸部を表面に備えたマスク31が得られる
(図9(b)参照)。
【0096】次に、このマスク31を用いて、イオン線
32により誘電体層30を選択的にイオンエッチング
し、マスク31の凹凸パターンを誘電体層30の表面に
転写する(図9(c)参照)。こうして、凹凸部36と
平坦部33を表面に備えた誘電体層30が得られる。こ
の誘電体層30の表面の凹凸部36は、マスク31の凹
凸部に対応する箇所に形成され、それら凹凸部36の間
に平坦部33が配置されている。
【0097】こうして得られた誘電体層30の上に、第
1および第2実施例と同様の方法により、磁性層(膜厚
80nm)3および保護層(膜厚60nm)4を形成す
ると、図1と同様の構成を持つ光磁気記録媒体5が得ら
れる。
【0098】上記の凹凸部36を有する誘電体層34
は、図9(a)の工程において、マスク12を用いず
に、収束した光あるいは電子線をレジスト膜11に走査
させて所定パターンを描画するようにしても得られる。
その後のレジスト膜11の現像、イオンエッチングなど
の工程は同じである。
【0099】[第4実施例]図10は、第4実施例の光
磁気記録媒体の製法を示す。この方法により得られる第
4実施例の光磁気記録媒体は、第3実施例と同様に、基
板1の表面に形成された誘電体層2に凹凸パターンを設
け、それによって磁性層3に凹凸パターンを形成したも
のである。
【0100】まず、スパッタリング法などにより、図1
0(a)に示すように、ディスク状の透明基板(厚さ
1.2mm)1上に、微細な凹凸を全表面に備えた誘電
体層34(膜厚60nm)を形成する。その後、誘電体
層34の表面にフォトレジストまたは電子線レジストを
塗布し、レジスト膜11を形成する。
【0101】次に、所定パターンのマスク12を介し
て、光または電子線13をレジスト膜11に照射する。
その後、そのレジスト膜11に現像液23のシャワーを
かけるか、そのレジスト膜11を基板1と共に現像液2
3中に浸積することにより、レジスト膜11を現像す
る。これによって、光または電子線の照射された領域の
レジスト膜11が選択的に除去され、平坦部に対応する
箇所に透孔を備えたマスク35が得られる(図10
(b)参照)。
【0102】次に、このマスク35を用いて、イオン線
32により誘電体層34を選択的にイオンエッチング
し、マスク35の透孔に対応する誘電体層34の箇所を
平坦化する。その後、マスク35を除去する(図10
(c)参照)。
【0103】こうして、凹凸部36と平坦部33を表面
に備えた誘電体層34が得られる(図10(d)参
照)。誘電体層34の平坦部33は、マスク12および
35の各透孔に対応する位置にあり、凹凸部36はそれ
ら平坦部33の間にある。
【0104】こうして得られた誘電体層34の上に、第
1〜第3実施例と同様の方法により、磁性層(膜厚80
nm)3および保護層(膜厚60nm)4を形成する
と、図1と同様の構成を持つ光磁気記録媒体5が得られ
る。
【0105】上記の凹凸部36を有する誘電体層34
は、図10(a)の工程において、マスク12を用いず
に、収束した光あるいは電子線をレジスト膜11に走査
させて所定パターンを描画するようにしても得られる。
その後のレジスト膜11の現像、イオンエッチングなど
の工程は同じである。
【0106】[第5実施例]図11は、第5実施例の光
磁気記録媒体の製法を示す。この方法により得られる第
5実施例の光磁気記録媒体は、第3および第4実施例に
おける誘電体層2と基板1との間に、凹凸パターンを持
つ低融点材料膜61を配置し、それによって磁性層3に
凹凸パターンを形成したものである。
【0107】まず、スパッタリング法などにより、図1
1(a)に示すように、ディスク状透明基板1の表面
に、低融点材料膜61としてGeSbTe膜(膜厚10
0nm)を形成する。低融点材料膜61としては、加熱
により形状が変化しやすいものを選定する。
【0108】その後、低融点材料膜61の表面に、マス
ク62として、表面に多数の粒が分布した形状を持つT
i膜(膜厚20nm)を形成する(図11(a)参
照)。
【0109】次に、マスク62の表面をイオン線63に
よりイオンエッチングし、マスク62の表面全体を順次
除去することにより、低融点材料膜61の表面に、マス
ク62の粒状に対応した微細な凹凸を形成する(図11
(b)参照)。
【0110】次に、微細な凹凸を形成した低融点材料膜
61の表面に、収束したレーザ光64を所定パターンに
応じて走査し、照射部分を熱的に融解させて形状変化を
起こさせることによって(図11(c)参照)、低融点
材料膜61の表面を選択的に平坦化する。こうして、低
融点材料膜61の表面に、平坦部65と凹凸部66が所
定パターンで形成される。(図11(d)参照)。
【0111】その後、基板1の低融点材料膜61の上に
従来と同様の方法で、誘電体層2、磁性層3、保護層4
を順次形成し、光磁気記録媒体を得る。
【0112】ここでは、低融点材料膜61を持つ基板1
の上に直接、誘電体層2、磁性層3、保護層4を形成し
ているが、第1実施例のように、これを原盤として用い
スタンパを経てレプリカ基板を作製し、そのレプリカ基
板の上に誘電体層2、磁性層3、保護層4を形成しても
よい。
【0113】上記低融点材料膜61としては、GeSb
Teのうちの少なくとも一種の元素を、Cu,Zn,G
a,As,Se,Ag,Cd,In,Sn,Ba,A
u,Tl,PbおよびBiのうち、少なくとも一種に置
き換えてもよいし、それらの合金あるいは化合物でもよ
い。また、低融点材料が好ましいが、必ずしも低融点材
料には限定されない。
【0114】上記マスク62としては、Tiの一部また
は全部をAl,Si,V,Cr,Mn,Fe,Co,N
i,Cu,Zn,Ge,Zr,Nb,Mo,Tc,R
u,Rh,Pd,Ag,In,Sn,Sb,Te,H
f,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Ah,Tl,
Pb,BiおよびCのうち、少なくとも一種に置き換え
てもよい。
【0115】上記マスク62として、融点の高い材料を
用いるほど低融点材料膜61の微細凹凸の間隔を小さく
でき、融点の低い材料を用いるほどそれら微細凹凸の間
隔を大きくできる。
【0116】図11(c)の工程では、レーザ光を走査
して低融点材料膜61の表面に所定パターンで平坦部を
形成しているが、そのようなパターンを持つマスクを介
して低融点材料膜61の表面にレーザ光を照射すること
によって、低融点材料膜61の表面に平坦部を形成して
もよい。
【0117】[第6〜第8実施例]図12(a)(b)
は、この発明の情報記録媒体の第6実施例の光磁気記録
媒体を示し、図12(c)(d)は、第7実施例の光磁
気記録媒体を示し、図12(e)(f)は、第8実施例
の光磁気記録媒体を示す。
【0118】これらの実施例では、いずれも記録感度が
高い領域7がほぼ円形に形成され、それら領域7が記録
感度が低い領域6の中に点在している。このような光磁
気記録媒体は、凹凸部のパターンを変えることにより、
第1〜第5実施例の方法によって容易に製作できる。
【0119】第6実施例では、図12(b)に示すよう
に、記録感度が高い領域7の直径は記録用レーザ光のス
ポットSよりも小さい。しかし、第1実施例において述
べたのと同じ理由により、生成される記録磁区(情報記
録領域)Rは記録感度の高い領域7に限定される。
【0120】第7実施例では、図12(d)に示すよう
に、記録用レーザ光のスポットSが略楕円形であり、隣
接する2つの記録感度が高い領域7に同時にレーザ光が
照射される。この場合、照射された2つの記録感度の高
い領域7と、それら領域7で挟まれた記録感度の低い領
域6に記録磁区Rが形成される。したがって、記録磁区
Rの長径方向の幅は、記録用レーザ光の波長によらず、
保磁力の高い領域7間の距離で決定される。記録磁区R
の短径方向の幅は、保磁力の高い領域7の直径で決定さ
れる。また、記録磁区の面積が大きくなり、それに伴っ
て信号出力も増大し、S/Nが向上する。
【0121】さらに、(b)の記録と組み合わせると、
2つ以上の信号出力が得られ、多値記録再生が可能とな
る。この場合は、記録用レーザ光のスポットSを進行方
向に対して左右に振動させる機能を持たせればよい。
【0122】第7実施例において、記録磁区Rが、照射
された2つの記録感度の高い領域7とそれら領域7で挟
まれた記録感度の低い領域6に形成されるのは、次のよ
うな理由による。記録感度の高い領域7が近接して存在
する場合、磁壁エネルギーのバランスによって、それら
領域7で挟まれた記録感度の低い領域6の磁化の向き
が、記録感度の高い領域7の磁化の向きに一致する。よ
って、2つの記録感度の高い領域7とそれら領域7で挟
まれた記録感度の低い領域6の全体が、一つの記録磁区
Rになるのである。
【0123】第8実施例では、図12(f)に示すよう
に、記録用レーザ光の3つのスポットSが、隣接する3
つの記録感度が高い領域7に同時に照射される。この場
合、第6実施例と同様に、照射された記録感度の高い領
域7のそれぞれに記録磁区Rが形成される。この場合
も、再生用レーザ光のスポットが3つの記録磁区を同時
に再生することになり、多値記録再生が可能となる。
【0124】3つのスポットSは、1つのレーザ光ビー
ムを3つに分割して得てもよいし、3つのレーザ光ビー
ムを同時に用いてもよい。
【0125】[第9実施例]第9実施例の相変化記録媒
体は、図1の光磁気記録媒体5において、磁性層3に変
えて相変化層を設けた以外は、この光磁気記録媒体5と
同じ構成である。相変化層としては、結晶質−非晶質
間、結晶質−結晶質間、および非晶質−非晶質間で相変
化する層のいずれも使用可能であり、また、任意の相変
化材料が使用可能である。
【0126】第9実施例の記録媒体は、次のようにして
製作される。◆第1実施例の場合と同様に、まず、表面
が平坦な記録感度が低い領域6と、表面に微細な凹凸を
有する記録感度が高い領域7とを所定パターンで配置し
たディスク状の透明基板(厚さ1.2mm)1を用意す
る。次に、その基板1の表面に、ZnS−SiOなどの
誘電体層(膜厚60nm)2を形成した後、GeSbT
e、AgInSbTeなどの相変化層(膜厚80n
m)、およびZnS−SiOなどの保護層(膜厚60n
m)4を順に形成する。こうして、図1と同様の構成の
相変化記録媒体が得られる。
【0127】この方法の他、上記第2〜第5実施例の方
法も適用可能である。◆この相変化記録媒体では、相変
化層が基板1の凹凸パターンを反映した凹凸パターンを
有している。すなわち、表面が平坦な記録感度が低い領
域6と、表面に微細な凹凸を有する記録感度が高い領域
7とが、基板1のほぼ全面にわたって基板1と同じパタ
ーンで配置されている。
【0128】一般に、相変化記録媒体では、相変化層
(記録膜)にレーザ光を照射し、その照射領域の温度が
吸収熱で結晶化温度より高い温度に上昇し、その照射領
域を融解させる。その後の冷却過程において、冷却速度
の違いにより、前記照射領域を結晶質状態−非晶質状態
間で相変化させ、その照射領域を情報記録領域(記録
点)Rとする。結晶質状態と非晶質状態の間で反射率が
大きく異なることを利用して、情報を記録・再生する。
【0129】相変化層の全体を予め非晶質にしておき、
レーザ光照射により相変化層を部分的に結晶化して情報
記録領域を形成する場合、相変化層の表面に微細な凹凸
を有する部分は、表面が平坦な部分に比べて温度揺らぎ
を生じやすい。このため、結晶核が多数発生し、表面が
平坦な部分よりも低い温度で結晶質状態が得られる。よ
って、表面に微細な凹凸を有する部分は記録感度が高い
領域7となり、表面が平坦な部分は記録感度が低い領域
6となる。
【0130】逆に、相変化層の全体を予め結晶質にして
おき、レーザ光照射により相変化層を部分的に非晶質化
して情報記録領域を形成する場合、相変化層の表面が平
坦な部分は、表面に微細な凹凸を有する部分に比べて結
晶核および温度揺らぎが少ない。このため、表面が平坦
な部分は、表面に微細な凹凸を有する部分に比べて低い
温度で非晶質状態が得られる。よって、この場合も、表
面が平坦な部分が記録感度が高い領域7となり、表面に
微細な凹凸を有する部分が記録感度が低い領域6とな
る。
【0131】第9実施例の相変化記録媒体への情報の記
録は、例えば次のようにして行なう。◆まず、記録用レ
ーザ光の照射前に、相変化層の全体を非晶質状態にして
おく。その後、記録感度が低い領域6中に螺旋状または
同心円状に連続形成した、あるいは点在した記録感度の
高い領域7に、図6(b)のようにレーザ光スポットS
を照射し、その照射領域の温度を結晶化温度より高くす
る。それにより、その照射領域は融解する。記録感度の
高い領域7は、記録感度が低い領域6よりも結晶化しや
すいので、その後の冷却過程において、その照射領域の
うち記録感度の高い領域7のみが結晶化する。こうし
て、記録感度の高い領域7に、結晶質状態の情報記録領
域Rが形成される。
【0132】記録用レーザ光の照射前に、相変化層の全
体を結晶質状態にしておき、その後のレーザ光照射で非
晶質化する場合も、これと同様である。
【0133】一般に、相変化記録膜では、温度差などに
より記録膜が層内方向に流動し、膜厚変化を生じやすい
性質を持つ。これは、反射率の変化につながり、再生時
のS/Nが低下する原因となる。しかし、第9実施例の
相変化記録媒体では、表面に微細凹凸を持つ記録感度が
高い領域7により、前記流動が抑制される。また、表面
が平坦な記録感度が低い領域6では、記録感度が高い領
域7との境界で前記流動が制限される。よって、再生時
のS/Nが低下し難くなる利点がある。
【0134】さらに、記録感度が高い領域7では、記録
感度が低い領域6よりも低い温度で結晶化でき、また、
記録感度が低い領域6では、記録感度が高い領域7より
も低い温度で非晶質化が可能となる。したがって、記録
用レーザ光のパワーを低減できることから、レーザ光ス
ポットSの径をより小さくでき、その結果、記録領域R
をいっそう小さくできる。よって、いっそうの高密度記
録が可能となる。
【0135】第9実施例の相変化記録媒体に好適な相変
化記録装置としては、図13と同様の装置を使用可能で
ある。すなわち、図13の装置において、バイアス磁石
52、磁界強度制御部41を取り除き、また、再生回路
49で、再生用レーザ光のカー回転角の検知に代えて、
相変化記録媒体からの反射レーザ光の強度を検知するよ
うにすればよい。
【0136】以上、好適な実施例について述べて来た
が、この発明はこれら実施例に限定されず、他の種々の
変形が可能である。
【0137】
【発明の効果】この発明の光磁気記録媒体およびその製
法によれば、光スポット径の(1/2)よりも小さな情
報記録領域を形成して情報を記録・再生することができ
る情報記録媒体が得られる。
【0138】この発明の光磁気記録装置によれば、従来
よりいっそうの高密度記録(例えば、1平方インチ当り
数GB)を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の情報記録媒体の一実施例の光磁気記
録媒体の概念断面図である。
【図2】図1の光磁気記録媒体の記録感度が高い領域と
低い領域の配置パターンを示す斜視図である。
【図3】図1の光磁気記録媒体の記録感度が高い領域と
低い領域の保磁力の温度特性を示すグラフである。
【図4】図1の光磁気記録媒体の場所と温度の関係を示
すグラフである。
【図5】図1の光磁気記録媒体の製法を示す断面説明図
である。
【図6】図1の光磁気記録媒体における情報記録領域の
形成法を示す図である。
【図7】図1の光磁気記録媒体における記録感度が高い
領域の表面の凹凸を示す図である。
【図8】図1の光磁気記録媒体の他の製法を示す断面説
明図である。
【図9】図1の光磁気記録媒体のさらに他の製法を示す
断面説明図である。
【図10】図1の光磁気記録媒体のさらに他の製法を示
す断面説明図である。
【図11】図1の光磁気記録媒体のさらに他の製法を示
す断面説明図である。
【図12】この発明の情報記録媒体の一実施例の光磁気
記録媒体の情報記録領域の他の形成法を示す図である。
【図13】この発明の光磁気記録装置の一実施例を示す
ブロック図である。
【図14】図1の光磁気記録媒体の記録パワーと出力信
号レベルの関係を示すグラフである。
【図15】従来の光磁気記録媒体の一例を示す概念断面
図である。
【符号の説明】
1 基板 2 誘電体層 3 磁性層 4 保護層 5 記録媒体 6 記録感度の低い領域 7 記録感度の高い領域 7a 記録感度の高い領域の凹凸部 10 ガラス板 11 レジスト膜 12 マスク 13 光/電子線 14 凹凸部 15 原盤 16 光硬化/熱硬化型樹脂 17 樹脂板 18 スタンパ 19 光硬化/熱硬化型樹脂 20 ガラス板 21 基板 22 剥離層 23 現像液 24 平坦部 31 マスク 32 イオン線 33 平坦部 34 誘電体層 35 マスク 36 凹凸部 41 磁界強度制御部 42変調手段 43記録制御手段 44 タイミング制御部 45 光強度制御部 46 光ヘッド 47 レーザ光 48 自動位置制御手段 49 再生回路 50 クロック生成回路 51 光磁気記録媒体 52 バイアス磁石 53 バイアス磁界の方向 61 低融点材料膜 62 マスク 63 イオン線 64 光 65 平坦部 66 凹凸部 74 光変調レーザ S レーザ光スポット R、R1、R2、R3 情報記録領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牛山 純子 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 粟野 博之 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 安齋 由美子 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 前田 武志 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 杉山 久貴 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に直接あるいは他の層を介して形
    成された記録層を有する情報記録媒体において、 前記記録層が、記録感度の相対的に大きな第1領域と記
    録感度の相対的に小さな第2領域とを有しており、前記
    第1領域にその第1領域よりも大きなスポット光が照射
    され、前記第1領域の前記スポット光照射部分のみが情
    報記録領域として用いられることを特徴とする情報記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 基板上に直接あるいは他の層を介して形
    成された記録層を有する情報記録媒体において、 前記記録層が、記録感度の相対的に大きな第1領域と記
    録感度の相対的に小さな第2領域とを有しており、間隔
    をおいて隣接する2つの前記第1領域を覆うスポット光
    が照射され、2つの前記第1領域とそれら第1領域に挟
    まれた前記第2領域が情報記録領域として用いられるこ
    とを特徴とする情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記第1領域が、前記第2領域中に螺旋
    状に連続して形成されている請求項1または2に記載の
    情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記第1領域が、前記第2領域中に同心
    円状に連続して形成されている請求項1または2に記載
    の情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記第1領域の幅が、0.6μmより小
    さい請求項3または4に記載の情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記第1領域が、前記第2領域中に点在
    して形成されている請求項1または2に記載の情報記録
    媒体。
  7. 【請求項7】 前記記録層が光磁気記録層であり、記録
    感度の相対的に大きな前記第1領域が、前記光磁気記録
    層の表面に凹凸が存在する領域とされ、記録感度の相対
    的に小さな前記第2領域が、前記光磁気記録層の表面が
    実質的に平坦な領域とされた光磁気記録媒体である請求
    項1〜6のいずれかに記載の情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記記録層が相変化層であり、記録感度
    の相対的に大きな前記第1領域が、前記相変化層の表面
    に凹凸が存在する領域とされ、記録感度の相対的に小さ
    な前記第2領域が、前記相変化層の表面が実質的に平坦
    な領域とされた相変化記録媒体である請求項1〜6のい
    ずれかに記載の情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記第1領域では、その表面の凹部ある
    いは凸部のそれぞれの半値幅の平均値が2nmから40
    nmの範囲にある請求項7または8に記載の情報記録媒
    体。
  10. 【請求項10】 前記第1領域では、その表面の隣接す
    る凹部同士あるいは凸部同士の各々の間隔の平均値が4
    nmから80nmの範囲にある請求項7〜9のいずれか
    に記載の情報記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記第1領域の表面の凹凸の大きさ
    が、前記記録層の面内方向において、内周から外周に向
    かって徐々に大きく設定されている請求項7〜10のい
    ずれかに記載の情報記録媒体。
  12. 【請求項12】 記録感度の低い前記第2領域の表面粗
    さの平均値が、記録感度の高い前記第1領域の各凹部の
    深さまたは各凸部の高さの差の平均値に対して(1/
    5)以下の範囲にある請求項7〜11のいずれかに記載
    の情報記録媒体。
  13. 【請求項13】 板状部材の表面にレジスト膜を形成す
    る工程と、 前記レジスト膜に、記録感度の相対的に大きな第1領域
    と記録感度の相対的に小さな第2領域のパターンを形成
    して、原盤を得る工程と、 前記原盤のレジスト膜から前記第1領域と第2領域のパ
    ターンを転写してスタンパを得る工程と、 片面に下地膜を形成した基板を準備する工程と、 前記スタンパに転写された前記第1領域と第2領域のパ
    ターンを、前記基板の下地膜に転写する工程と、 前記基板の下地膜の上に直接あるいは他の層を介して記
    録層を形成し、その記録層に記録感度の相対的に大きな
    第1領域と記録感度の相対的に小さな第2領域とを前記
    パターンで形成する工程と、 前記記録層の上に直接あるいは他の層を介して保護層を
    形成する工程とを備えてなることを特徴とする情報記録
    媒体の製法。
  14. 【請求項14】 前記原盤を得る工程において、前記第
    1領域と第2領域のパターンを持つマスクが前記レジス
    ト膜の上に形成され、その後、そのマスクを用いて前記
    パターンが前記レジスト膜に転写される請求項13に記
    載の情報記録媒体の製法。
  15. 【請求項15】 前記原盤を得る工程において、エネル
    ギービームを用いて直接、前記レジスト膜に前記第1領
    域と第2領域のパターンが描画される請求項13に記載
    の情報記録媒体の製法。
  16. 【請求項16】 基板の表面に直接あるいは他の層を介
    して誘電体層を形成する工程と、 前記誘電体層の上にレジスト膜を形成する工程と、 前記レジスト膜に、記録感度の相対的に大きな第1領域
    と記録感度の相対的に小さな第2領域のパターンを形成
    する工程と、 前記レジスト膜を選択的にエッチングして前記パターン
    を前記誘電体層に転写する工程と、 前記誘電体層の上に記録層を形成し、その記録層に記録
    感度の相対的に大きな第1領域と記録感度の相対的に小
    さな第2領域とを前記パターンで形成する工程と、 前記記録層の上に直接あるいは他の層を介して保護層を
    形成する工程とを備えてなることを特徴とする情報記録
    媒体の製法。
  17. 【請求項17】 前記レジスト膜に前記パターンを形成
    する工程において、前記パターンを持つマスクが前記レ
    ジスト膜の上に形成され、その後、そのマスクを用いて
    前記パターンが前記レジスト膜に転写される請求項16
    に記載の情報記録媒体の製法。
  18. 【請求項18】 前記レジスト膜に前記パターンを形成
    する工程において、エネルギービームを用いて直接、前
    記レジスト膜に前記パターンが描画される請求項16に
    記載の情報記録媒体の製法。
  19. 【請求項19】 基板の表面に直接あるいは他の層を介
    して、全表面に凹凸を有する誘電体層を形成する工程
    と、 前記誘電体層の表面の凹凸を選択的に除去して、記録感
    度の相対的に大きな第1領域と記録感度の相対的に小さ
    な第2領域のパターンを形成する工程と、 前記誘電体層の上に記録層を形成し、その記録層に記録
    感度の相対的に大きな第1領域と記録感度の相対的に小
    さな第2領域とを前記パターンで形成する工程と、 前記記録層の上に直接あるいは他の層を介して保護層を
    形成する工程とを備えてなることを特徴とする情報記録
    媒体の製法。
  20. 【請求項20】 前記誘電体層に前記パターンを形成す
    る工程において、前記誘電体層の表面上にレジスト膜が
    形成された後、そのレジスト膜の上に前記第1領域と第
    2領域のパターンを持つマスクが形成され、そのマスク
    を用いて前記誘電体層の表面の凹凸が選択的に除去され
    る請求項19に記載の情報記録媒体の製法。
  21. 【請求項21】 前記誘電体層に前記パターンを形成す
    る工程において、エネルギービームを用いて直接、前記
    誘電体層の表面の凹凸が選択的に除去される請求項19
    に記載の情報記録媒体の製法。
  22. 【請求項22】 基板の表面に直接あるいは他の層を介
    して、熱的に形状変化しやすい金属膜を形成する工程
    と、 前記金属膜の表面全体に微細な凹凸を形成する工程と、 微細な凹凸を有する前記金属膜の表面を選択的に形状変
    化させて、記録感度の相対的に大きな第1領域と記録感
    度の相対的に小さな第2領域のパターンを形成する工程
    と、 前記金属膜の上に直接あるいは他の層を介して記録層を
    形成し、その記録層に記録感度の相対的に大きな第1領
    域と記録感度の相対的に小さな第2領域とを前記パター
    ンで形成する工程と、 前記記録層の上に直接あるいは他の層を介して保護層を
    形成する工程とを備えてなることを特徴とする情報記録
    媒体の製法。
  23. 【請求項23】 前記金属膜の表面に選択的な形状変化
    を起こさせる工程において、前記第1領域と第2領域の
    パターンを持つマスクが前記金属膜の上に形成され、そ
    の後そのマスクを用いて前記パターンが前記金属膜に転
    写される請求項22に記載の情報記録媒体の製法。
  24. 【請求項24】 前記金属膜の表面に選択的な形状変化
    を起こさせる工程において、エネルギービームを用いて
    直接、前記金属膜の表面が選択的に形状変化される請求
    項22に記載の情報記録媒体の製法。
  25. 【請求項25】 記録感度の相対的に大きな第1領域と
    記録感度の相対的に小さな第2領域とを有する記録層を
    備えた情報記録媒体を用いる情報記録装置であって、 前記記録層にスポット光を照射する光ヘッドと、 記録情報に応じた変調信号を生成する変調手段と、 前記光ヘッドより照射されるスポット光の強度を、前記
    変調信号に応じて制御する強度制御手段と、 前記光ヘッドより照射されるスポット光が前記第1領域
    上に位置するように、前記光ヘッドを制御する位置制御
    手段と、 前記光ヘッドより照射されるスポット光の照射タイミン
    グを、前記変調信号に応じて制御するタイミング制御手
    段とを備え、 前記記録情報は、前記光ヘッドから前記記録層に照射さ
    れた記録光に基づいて前記情報記録媒体の第1領域に記
    録され、前記情報記録媒体に記録された情報は、前記光
    ヘッドから前記記録層に照射された再生光に基づいて再
    生されることを特徴とする情報記録装置。
JP6140331A 1994-06-22 1994-06-22 情報記録媒体、その製法および情報記録装置 Pending JPH087354A (ja)

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