JPH0873487A - α−D−フェニルグリコシド誘導体 - Google Patents

α−D−フェニルグリコシド誘導体

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JPH0873487A
JPH0873487A JP21132194A JP21132194A JPH0873487A JP H0873487 A JPH0873487 A JP H0873487A JP 21132194 A JP21132194 A JP 21132194A JP 21132194 A JP21132194 A JP 21132194A JP H0873487 A JPH0873487 A JP H0873487A
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Japan
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trimethylphenyl
phenylglycoside
bond
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Withdrawn
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JP21132194A
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English (en)
Inventor
Takusen Ou
澤川 王
Toshio Kakegawa
寿夫 掛川
Yukiyoshi Miyataka
透喜 宮高
Hitoshi Matsumoto
仁 松本
Toshio Sato
利夫 佐藤
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NIPPON HIGH POTSUKUSU KK
Original Assignee
NIPPON HIGH POTSUKUSU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑制する
作用に優れたα−D−フェニルグリコシド誘導体を提供
するとともに、肥満細胞からのヒスタミンの遊離そのも
のを抑制する新規な抗アレルギー剤を提供する。 【構成】 本発明のα−D−フェニルグリコシド誘導体
は、一般式(I) 【化1】 (式中、D−グリコシル基はD−グルコシル基,D−ガ
ラクトシル基およびD−マンノシル基からなる群より選
択された1種であり、〜で表される結合はアキシャル結
合およびエカトリアル結合のいずれでもよいことを示
し、Rは炭素数5〜9のアルキル基を示す。)で示され
る物質である。また、本発明の抗アレルギー剤は、上記
のα−D−フェニルグリコシド誘導体を有効成分とする
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗アレルギー作用を有す
る物質およびこの物質の薬理作用を利用した抗アレルギ
ー剤に係り、特に、ヒスタミンの遊離を抑制することに
より抗アレルギー作用を示すD−フェニルグリコシド誘
導体およびこの物質の薬理作用を利用した抗アレルギー
剤に関する。
【0002】
【背景技術】気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギ
ー性結膜炎、湿疹、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎等のアレ
ルギー性疾患は、抗原の生体内への侵入により抗体が産
生されることにより発症し、抗体産生からアレルギー反
応に至までには種々の化学伝達物質が関与している。こ
のような化学伝達物質としてはヒスタミン、キニン類、
セロトニン、アセチルコリンおよびSRS−A等が知ら
れている。そして、ヒスタミンは抗原抗体反応によって
肥満細胞や血小板から遊離されて、アレルギー症状を起
こすものと考えられている。
【0003】このような知見に基づいて、ヒスタミンと
拮抗する種々の物質(塩酸ジフェンヒドラミン、フマル
酸クレマスチン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸プロメタ
ジン等)がアレルギー性疾患の治療に用いられている。
また、最近では肥満細胞からのヒスタミン反応そのもの
を抑制する物質として種々のトコフェニルグリコシドが
開発されており、これらの物質を用いた抗アレルギー剤
の開発もなされている(特開昭59−151895号公
報参照)。
【0004】しかしながら、前者には服用に伴って催眠
作用、頭痛、過敏症状等の副作用が現れるという難点が
あり、後者にはその作用が十分でないという難点があ
る。また、塩酸アゼラスチンのように、ヒスタミンと拮
抗するとともに肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑制
する物質も開発されており、このような物質を含有する
抗アレルギー剤も開発されているが、この抗アレルギー
剤には眠気を催すという難点がある。
【0005】上述した難点を解決し得る抗アレルギー剤
として、本発明者らは下式(A)
【化2】 [式中、Xは(n+1)個の水酸基を有する糖からすべ
ての水酸基を除いた糖残基であり、nは3または4の整
数であり、R2 〜R4 は各々水素原子または低級アルキ
ル基であり互いに同じであっても異なっていてもよく、
5 は炭素数4〜18のアルキル基である。]で示され
るフェニルグリコシド誘導体を有効成分とする抗アレル
ギー剤を開発し、既に特許出願している(特開平5−9
195号公報参照)。上記の式(A)で表されるフェニ
ルグリコシド誘導体はヒスタミンの遊離を抑制する作用
に優れ、これにより抗アレルギー作用を示すものである
が、上記の特開平5−9195号公報に具体的に開示さ
れているフェニルグリコシド誘導体は、糖(グリコー
ス)のうちのD−グルコース中の水酸基とハイドロキノ
ンモノアルキルエーテル中の水酸基とが縮合してβ−グ
ルコシド結合を形成してなり、上記の式(A)中R5
表されるアルキル基の炭素数が4,6,8,10または
12である、β−D−フェニルグルコシド誘導体のみで
ある。
【0006】
【発明の目的】本発明の第1の目的は、肥満細胞からの
ヒスタミンの遊離を抑制する作用が特開平5−9195
号公報に具体的に開示されているβ−D−フェニルグル
コシド誘導体よりも優れたD−フェニルグリコシド誘導
体を提供することにある。また本発明の第2の目的は、
第1の目的を達成するD−フェニルグリコシド誘導体を
有効成分とする新規な抗アレルギー剤を提供することに
ある。
【0007】
【発明の構成】本発明者らは、特開平5−9195号公
報に記載された上記の式(A)で表されるフェニルグリ
コシド誘導体に概念的には包含されるが、同公報には化
合物名、合成例等が全く開示されていない特定のα−D
−フェニルグリコシド誘導体が、同公報に具体的に開示
されているβ−D−フェニルグルコシド誘導体よりも優
れたヒスタミン遊離抑制作用を有していることを見いだ
し、本発明に至った。
【0008】すなわち、上記第1の目的を達成する本発
明のD−フェニルグリコシド誘導体は、一般式(I)
【化3】 (式中、D−グリコシル基はD−グルコシル基,D−ガ
ラクトシル基およびD−マンノシル基からなる群より選
択された1種であり、〜で表される結合はアキシャル結
合およびエカトリアル結合のいずれでもよいことを示
し、Rは炭素数5〜9のアルキル基を示す。)で示され
るα−D−フェニルグリコシド誘導体である。また、上
記第2の目的を達成する本発明の抗アレルギー剤は、上
述した本発明のα−D−フェニルグリコシド誘導体を有
効成分とするものである。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明のD−フェニルグリコシド誘導体について説明す
る。このD−フェニルグリコシド誘導体は、上記の一般
式(I)からみて明らかなように、D−グルコース,D
−ガラクトースおよびD−マンノースからなる群より選
ばれた1種のD−グリコース中の1位の水酸基と、一般
式(II)
【化4】 (式中、Rは一般式(I)におけるRと同一である。)
で示されるトリメチルハイドロキノンモノアルキルエー
テル中の水酸基とが縮合してα−グリコシド結合してい
る化合物である。ここにα−グリコシド結合とは、α−
グルコシド結合、α−ガラクトシド結合およびα−マン
ノシド結合の三者を含む。
【0010】すなわち、本発明のD−フェニルグリコシ
ド誘導体は、α体である点および糖残基としてD−グル
コシル基、D−ガラクトシル基、またはD−マンノシル
基を含む点で、β体であり、当残基としてD−グルコシ
ル基のみを含む特開平5−9195号公報に具体的に記
載のものと異なる。
【0011】一般式(I)においてRで表されるアルキ
ル基の炭素数を5〜9に限定する理由は、Rが炭素数4
以下のアルキル基または炭素数10を超えるアルキル基
であるα−D−フェニルグリコシド誘導体では、肥満細
胞からのヒスタミンの遊離を抑制する作用が低いからで
ある。さらに、グリコシド結合をα結合に限定する理由
は、本発明物質の立体異性体であるβ−D−フェニルグ
リコシド誘導体では、肥満細胞からのヒスタミンの遊離
を抑制する作用が低いからである。
【0012】上述したα−D−フェニルグリコシド誘導
体は、特開平5−9195号公報に開示されている方法
に準じて得ることができる。すなわち、前記の一般式
(II)で示されるトリメチルハイドロキノンモノアルキ
ルエーテルと、D−グリコピラノースペンタアセテート
とを、ベンゼン、トルエン、エーテル等の非水溶媒中で
酸性触媒を用いて反応させて、α−D−フェニルグリコ
シドテトラアセテートとβ−D−フェニルグリコシドテ
トラアセテートとの混合物をまず得る。このとき、前記
の酸性触媒としてはBF3 ・エーテル、BF3 ・アニソ
ール、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化亜鉛等を用い
ることができるが、α−アノマー体の収率が高いという
点で特に塩化スズが好ましい。
【0013】次に、反応液を濃縮し、残渣に含まれてい
るα−D−フェニルグリコシドテトラアセテートをシリ
カゲルクロマトグラフィー、逆相系カラムクロマトグラ
フィー等の方法により分離する。このときの溶出液とし
ては、ヘキサンと酢酸エチルとの混合物等、種々の有機
溶媒を用いることができる。
【0014】この後、上記のα−D−フェニルグリコシ
ドテトラアセテートを脱アセチル化する。この脱アセチ
ル化はアルコール中、CH3 ONa(ナトリウムメトキ
シド)またはC25 ONa(ナトリウムエトキシド)
等を用いて行うことができる。脱アセチル化することに
より、目的とするα−D−フェニルグリコシド誘導体が
得られる。
【0015】以上説明したようにして得られる一般式
(I)のα−D−フェニルグリコシド誘導体は、肥満細
胞からのヒスタミンの遊離を抑制する作用に優れてい
る。したがって、このα−D−フェニルグリコシド誘導
体は抗アレルギー剤の有効成分として有用である。
【0016】次に、本発明の抗アレルギー剤について説
明する。本発明の抗アレルギー剤は、上述した一般式
(I)のα−D−フェニルグリコシド誘導体を有効成分
とするものである。本発明の抗アレルギー剤の剤形は特
に限定されるものではなく、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠
剤、被覆錠剤、カプセル剤等の経口用固形剤やシロップ
剤等の経口用液体剤、経皮吸収剤、注射剤、坐剤、口腔
用剤、眼科用剤等とすることができる。そして、製剤化
の際には、本発明のα−D−フェニルグリコシド誘導体
のみを用いて、または通常の製剤坦体を併用して、常法
により製造することができる。
【0017】本発明の抗アレルギー剤の投与量は、疾患
の種類およびその程度、剤型、患者の年齢や健康状態等
により異なるため特定することはできないが、1回の投
与量の下限値は、一般式(I)のα−D−フェニルグリ
コシド誘導体の量で概ね1mg/回/日であり、上限値は
経口投与の場合で概ね3000mg/回/日である。この
ような範囲内で本発明の抗アレルギー剤を投与すること
により、所望の効果を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 (1)1−ヘキシル−2,3,5−トリメチルハイドロ
キノンの製造 トリメチルハイドロキノン6.08gとP25・24M
oO3・xH2O 1.2gとをn−ヘキシルアルコール
50ミリリットルに加え、120℃で6時間加熱、撹拌
した。この反応液を冷却し、酢酸エチルと水を各々20
0ミリリットル加え、振盪した。振盪後に有機層を分取
し、これを無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃
縮した。この後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィーに付してヘキサンと酢酸エチルとの12:1
(容量比)混液により溶出して、1−ヘキシル−2,
3,5−トリメチルハイドロキノン5.56gを得た。
【0019】(2)4′−ヘキシルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−2,3,4,6−o
−テトラアセチル−α−D−マンノピラノシドの製造 β−D−マンノピラノ−スペンタアセテート3.9gと
1−ヘキシル−2,3,5−トリメチルハイドロキノン
5.56gとを乾燥ベンゼン30ミリリットルに溶解さ
せ、この中に1.5ミリリトルの無水SnCl4 を加え
て30分間加熱潅流した。反応液を水および0.5M
NaOHで洗浄した後、減圧下に濃縮し、得られた残渣
をシリカゲルクロマトグラフィーに付してヘキサンと酢
酸エチルとの12:1(容量比)混液により溶出して、
4′−ヘキシルオキシ−2′,3′,6′−トリメチル
フェニル−2,3,4,6−o−テトラアセチル−α−
D−マンノピラノシド1.66gを得た。
【0020】(3)4′−ヘキシルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−α−D−マンノピラ
ノシド(一般式(I)でD−グリコシル基=D−マンノ
シル基、R=−n−C613の化合物)の製造 4′−ヘキシルオキシ−2′,3′,6′−トリメチル
フェニル−2,3,4,6−o−テトラアセチル−α−
D−マンノピラノシド1.65gをメタノール100ミ
リリットルに溶解させ、この中に0.1M ナトリウム
メチラートを3ミリリットル加え、室温で30分間撹拌
した。この反応液に酸性のイオン交換樹脂(商品名:Am
berlite IR-120(H+ )、オルガノ社製)を加えて中和
し、活性炭により脱色した後にろ過して不純物を除去し
た。ろ液を濃縮し、得られた残渣をエタノールとベンゼ
ンとの95:5(容量比)混液から再結晶して、目的と
する4′−ペンチルオキシ−2′,3′,6′−トリメ
チルフェニル−α−D−マンノピラノシド1.18gを
得た(収率99%)。この物質の元素分析結果、13C−
NMRによるマンノピラノース部分のアノマー炭素シグ
ナル、および融点を表1に示す。
【0021】実施例2 (1)1−ペンチル−2,3,5−トリメチルハイドロ
キノンの製造 n−ヘキシルアルコールに代えてペンチルアルコール5
0ミリリットルを用いた以外は実施例1(1)と同様に
して、1−ペンチル−2,3,5−トリメチルハイドロ
キノン5.20gを得た。
【0022】(2)4′−ペンチルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−2,3,4,6−o
−テトラアセチル−α−D−マンノピラノシドの製造 1−ヘキシル−2,3,5−トリメチルハイドロキノン
に代えて1−ペンチル−2,3,5−トリメチルハイド
ロキノン5.19gを用いた以外は実施例1(2)と同
様にして、4′−ペンチルオキシ−2′,3′,6′−
トリメチルフェニル−2,3,4,6−o−テトラアセ
チル−α−D−マンノピラノシド1.66gを得た。
【0023】(3)4′−ペンチルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−α−D−マンノピラ
ノシド(一般式(I)でD−グリコシル基=D−マンノ
シル基、R=−n−C511の化合物)の製造
4′−ヘキシルオキシ−2′,3′,6′−トリメチル
フェニル−2,3,4,6−o−テトラアセチル−α−
D−マンノピラノシドに代えて4′−ペンチルオキシ−
2′,3′,6′−トリメチルフェニル−2,3,4,
6−o−テトラアセチル−α−D−マンノピラノシド
1.65gを用いた以外は実施例1(3)と同様にし
て、目的とする4′−ペンチルオキシ−2′,3′,
6′−トリメチルフェニル−α−D−マンノピラノシド
1.11gを得た(収率99%)。この物質の元素分析
結果、13C−NMRによるマンノピラノース部分のアノ
マー炭素シグナル、および融点を表1に示す。
【0024】実施例3 (1)1−オクチル−2,3,5−トリメチルハイドロ
キノンの製造 n−ヘキシルアルコールに代えてオクチルアルコール5
0ミリリットルを用いた以外は実施例1(1)と同様に
して、1−オクチル−2,3,5−トリメチルハイドロ
キノン6.30gを得た。
【0025】(2)4′−オクチルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−2,3,4,6−o
−テトラアセチル−α−D−マンノピラノシドの製造 1−ヘキシル−2,3,5−トリメチルハイドロキノン
に代えて1−オクチル−2,3,5−トリメチルハイド
ロキノン6.20gを用いた以外は実施例1(2)と同
様にして、4′−オクチルオキシ−2′,3′,6′−
トリメチルフェニル−2,3,4,6−o−テトラアセ
チル−α−D−マンノピラノシド1.79gを得た。
【0026】(3)4′−オクチルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−α−D−マンノピラ
ノシド(一般式(I)でD−グリコシル基=D−マンノ
シル基、R=−n−C817の化合物)の製造 4′−ヘキシルオキシ−2′,3′,6′−トリメチル
フェニル−2,3,4,6−o−テトラアセチル−α−
D−マンノピラノシドに代えて4′−オクチルオキシ−
2′,3′,6′−トリメチルフェニル−2,3,4,
6−o−テトラアセチル−α−D−マンノピラノシド
1.78gを用いた以外は実施例1(3)と同様にし
て、目的とする4′−オクチルオキシ−2′,3′,
6′−トリメチルフェニル−α−D−マンノピラノシド
1.19gを得た(収率99%)。この物質の元素分析
結果、13C−NMRによるマンノピラノース部分のアノ
マー炭素シグナル、および融点を表1に示す。
【0027】実施例4 (1)1−ヘキシル−2,3,5−トリメチルハイドロ
キノンの製造 実施例1(1)と同様にして、1−ヘキシル−2,3,
5−トリメチルハイドロキノン5.56gを得た。
【0028】(2)4′−ヘキシルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−2,3,4,6−o
−テトラアセチル−α−D−グルコピラノシドの製造 β−D−マンノピラノースペンタアセテートに代えてβ
−D−グルコピラノースペンタアセテート5.55gを
用いた以外は実施例1(2)と同様にして、4′−ヘキ
シルオキシ−2′,3′,6′−トリメチルフェニル−
2,3,4,6−o−テトラアセチル−α−D−グルコ
ピラノシド1.07gを得た。
【0029】(3)4′−ヘキシルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−α−D−グルコピラ
ノシド(一般式(I)でD−グリコシル基=D−グルコ
シル基、R=−n−C613の化合物)の製造 4′−ヘキシルオキシ−2′,3′,6′−トリメチル
フェニル−2,3,4,6−o−テトラアセチル−α−
D−マンノピラノシドに代えて4′−ヘキシルオキシ−
2′,3′,6′−トリメチルフェニル−2,3,4,
6−o−テトラアセチル−α−D−グルコピラノシド
1.06gを用いた以外は実施例1(3)と同様にし
て、目的とする4′−ヘキシルオキシ−2′,3′,
6′−トリメチルフェニル−α−D−グルコピラノシド
0.74gを得た(収率99%)。この物質の元素分析
結果、13C−NMRによるグルコピラノース部分のアノ
マー炭素シグナル、および融点を表1に示す。
【0030】実施例5 (1)1−オクチル−2,3,5−トリメチルハイドロ
キノンの製造 実施例3(1)と同様にして、1−オクチル−2,3,
5−トリメチルハイドロキノン6.30gを得た。
【0031】(2)4′−オクチルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−2,3,4,6−o
−テトラアセチル−α−D−グルコピラノシドの製造 1−ヘキシル−2,3,5−トリメチルハイドロキノン
に代えて1−オクチル−2,3,5−トリメチルハイド
ロキノン6.29gを用いた以外は実施例4(2)と同
様にして、4′−オクチルオキシ−2′,3′,6′−
トリメチルフェニル−2,3,4,6−o−テトラアセ
チル−α−D−グルコピラノシド0.89gを得た。
【0032】(3)4′−オクチルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−α−D−グルコピラ
ノシド(一般式(I)でD−グリコシル基=D−グルコ
シル基、R=−n−C817の化合物)の製造 4′−ヘキシルオキシ−2′,3′,6′−トリメチル
フェニル−2,3,4,6−o−テトラアセチル−α−
D−グルコピラノシドに代えて4′−オクチルオキシ−
2′,3′,6′−トリメチルフェニル−2,3,4,
6−o−テトラアセチル−α−D−グルコピラノシド
0.88gを用いた以外は実施例4(3)と同様にし
て、目的とする4′−オクチルオキシ−2′,3′,
6′−トリメチルフェニル−α−D−グルコピラノシド
0.63gを得た(収率99%)。この物質の元素分析
結果、13C−NMRによるグルコピラノース部分のアノ
マー炭素シグナル、および融点を表1に示す。
【0033】実施例6 (1)1−ヘキシル−2,3,5−トリメチルハイドロ
キノンの製造 実施例1(1)と同様にして、1−ヘキシル−2,3,
5−トリメチルハイドロキノン5.57gを得た。
【0034】(2)4′−ヘキシルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−2,3,4,6−o
−テトラアセチル−α−D−ガラクトピラノシドの製造 β−D−グルコピラノースペンタアセテートに代えてβ
−D−ガラクトピラノースペンタアセテート5.55g
を用いた以外は実施例1(2)と同様にして、4′−ヘ
キシルオキシ−2′,3′,6′−トリメチルフェニル
−2,3,4,6−o−テトラアセチル−α−D−ガラ
クトピラノシド1.02gを得た。
【0035】(3)4′−ヘキシルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−α−D−ガラクトピ
ラノシド(一般式(I)でD−グリコシル基=D−ガラ
クトシル基、R=−n−C613の化合物)の製造 4′−ヘキシルオキシ−2′,3′,6′−トリメチル
フェニル−2,3,4,6−o−テトラアセチル−α−
D−マンノピラノシドに代えて4′−ヘキシルオキシ−
2′,3′,6′−トリメチルフェニル−2,3,4,
6−o−テトラアセチル−α−D−ガラクトピラノシド
1.01gを用いた以外は実施例1(3)と同様にし
て、目的とする4′−ヘキシルオキシ−2′,3′,
6′−トリメチルフェニル−α−D−ガラクトピラノシ
ド0.71gを得た(収率99%)。この物質の元素分
析結果、13C−NMRによるガラクトピラノース部分の
アノマー炭素シグナル、および融点を表1に示す。
【0036】実施例7 (1)1−オクチル−2,3,5−トリメチルハイドロ
キノンの製造 実施例3(1)と同様にして、1−オクチル−2,3,
5−トリメチルハイドロキノン6.29gを得た。
【0037】(2)4′−オクチルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−2,3,4,6−o
−テトラアセチル−α−D−ガラクトピラノシドの製造 1−ヘキシル−2,3,5−トリメチルハイドロキノン
に代えて1−オクチル−2,3,5−トリメチルハイド
ロキノン6.28gを用いた以外は実施例6(2)と同
様にして、4′−オクチルオキシ−2′,3′,6′−
トリメチルフェニル−2,3,4,6−o−テトラアセ
チル−α−D−ガラクトピラノシド0.89gを得た。
【0038】(3)4′−オクチルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−α−D−ガラクトピ
ラノシド(一般式(I)でD−グリコシル基=D−ガラ
クトシル基、R=−n−C817の化合物)の製造 4′−ヘキシルオキシ−2′,3′,6′−トリメチル
フェニル−2,3,4,6−o−テトラアセチル−α−
D−ガラクトピラノシドに代えて4′−オクチルオキシ
−2′,3′,6′−トリメチルフェニル−2,3,
4,6−o−テトラアセチル−α−D−ガラクトピラノ
シド0.88gを用いた以外は実施例6(3)と同様に
して、目的とする4′−オクチルオキシ−2′,3′,
6′−トリメチルフェニル−α−D−ガラクトピラノシ
ド0.63gを得た(収率99%)。この物質の元素分
析結果、13C−NMRによるガラクトピラノース部分の
アノマー炭素シグナル、および融点を表1に示す。
【0039】比較例1 1−ヘキシル−2,3,5−トリメチルハイドロキノン
に代えての1−ブチル−2,3,5−トリメチルハイド
ロキノン4.96g用いた以外は実施例1と同様にし
て、4′−ブチルオキシ−2′,3′,6′−トリメチ
ルフェニル−α−D−マンノピラノシド1.15gを得
た。この物質の元素分析結果、13C−NMRによるマン
ノピラノース部分のアノマー炭素シグナル、および融点
を表1に示す。
【0040】比較例2 1−ヘキシル−2,3,5−トリメチルハイドロキノン
に代えて1−デシル−2,3,5−トリメチルハイドロ
キノン6.90gを用いた以外は実施例1と同様にし
て、4′−デシルオキシ−2′,3′,6′−トリメチ
ルフェニル−α−D−マンノピラノシド0.93gを得
た。この物質の元素分析結果、13C−NMRによるマン
ノピラノース部分のアノマー炭素シグナル、および融点
を表1に示す。
【0041】比較例3 1−ヘキシル−2,3,5−トリメチルハイドロキノン
に代えて1−ブチル−2,3,5−トリメチルハイドロ
キノン4.90gを用いた以外は実施例4と同様にし
て、4′−ブチルオキシ−2′,3′,6′−トリメチ
ルフェニル−α−D−グルコピラノシド0.56gを得
た。この物質の元素分析結果、13C−NMRによるグル
コピラノース部分のアノマー炭素シグナル、および融点
を表1に示す。
【0042】比較例4 1−ヘキシル−2,3,5−トリメチルハイドロキノン
に代えて1−ブチル−2,3,5−トリメチルハイドロ
キノン4.96gを用いた以外は実施例6と同様にし
て、4′−ブチルオキシ−2′,3′,6′−トリメチ
ルフェニル−α−D−ガラクトピラノシド0.57gを
得た。この物質の元素分析結果、13C−NMRによるガ
ラクトピラノース部分のアノマー炭素シグナル、および
融点を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】薬理試験 実施例1〜実施例7で得た各α−D−フェニルグリコシ
ド誘導体、比較例1〜比較例4で得た各α−D−フェニ
ルグリコシド誘導体、4′−デシルオキシ−2′,
3′,6′−トリメチルフェニル−β−D−グルコピラ
ノシド(特開平5−9195号公報の実施例6のフェニ
ルグリコシド)、および塩酸アゼラスチンのそれぞれに
ついて、以下の要領でヒスタミン遊離抑制作用を試験し
た。
【0045】まず、アルブミンを抗原として用いて得た
抗血清をラットに感作した後に当該ラットの腹腔肥満細
胞を採取し、この腹腔肥満細胞をその数が約1×105
個/ミリリットルとなるようにハンクス液に浮遊させる
ことにより肥満細胞浮遊液を調製した。また、ホスファ
チジルセリンをその濃度が30μg/ミリリットルとな
るようにハンクス液に溶解させることによりホスファチ
ジルセリン液を調製した。さらに、試験薬物のそれぞれ
について、試験薬物の濃度が表2に示す濃度となるよう
にハンクス液に溶解させることにより試験液を調製し
た。
【0046】次に、肥満細胞浮遊液0.7ミリリットル
に試験液0.1ミリリットルとホスファチジルセリン液
0.1ミリリットルとを加え、37℃で5分間加温し
た。この後、抗原溶液(抗原;卵白アルブミン、抗原の
濃度;1mg/ミリリットル、溶媒;水)0.1ミリリ
ットルを加えて37℃で10分間加温することによりヒ
スタミン遊離反応を行った。なお、コントロールとして
は、試験液に代えてハンクス液0.1ミリリットルを用
いて同じ反応を行った。また、ブランクとしては、抗原
溶液に代えてハンクス液0.1ミリリットルを用いて同
じ反応を行った。氷冷によりヒスタミン遊離反応を停止
させた後に遠心分離を行って反応液を肥満細胞部と液層
部とに分離し、それぞれのヒスタミン含有量をオルタフ
タルアルデヒドを用いて定量した。
【0047】そして、下式(1)
【数1】 によりヒスタミン遊離率を求めた後、下式(2)
【数2】 によりヒスタミンの遊離に対する抑制率を算出した。こ
の結果を表2に示す。また、試験薬物の用量が1μMで
ある場合における、ヒスタミン遊離抑制率と一般式
(I)中でRで示されるアルキル基の炭素数との関係を
図1に示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2から明らかなように、実施例1〜実施
例7で得られた各α−D−フェニルグリコシド誘導体
は、先行発明(特開平5−9195号公報に開示されて
いる発明)のβ−D−フェニルグリコシド類のなかでの
最大活性体である4′−デシルオキシ−2′,3′,
6′−トリメチルフェニル−β−D−グルコピラノシド
よりも優れたヒスタミン遊離抑制作用を示す。そして、
実施例1〜実施例7で得られた各α−D−フェニルグリ
コシド誘導体のヒスタミン遊離抑制作用は塩酸アゼラス
チンより強い。
【0050】また、図1から明らかなように、一般式
(I)中のD−グリコシル基がD−マンノシル基であっ
てもRが本発明の限定範囲外のアルキル基である比較例
1および比較例2のα−D−フェニルマンノシド誘導体
は、実施例1〜実施例3のα−D−フェニルマンノシド
誘導体よりもヒスタミン遊離抑制作用が著しく弱い。同
様に、一般式(I)中のD−グリコシル基がD−グルコ
シル基であってもRが本発明の限定範囲外のアルキル基
である比較例3のα−D−フェニルグルコシド誘導体
は、実施例4〜実施例5のα−D−フェニルグルコシド
誘導体よりもヒスタミン遊離抑制作用が著しく弱い。そ
して、一般式(I)中のD−グリコシル基がD−ガラク
トシル基であってもRが本発明の限定範囲外のアルキル
基である比較例4のα−D−フェニルガラクトシド誘導
体も、実施例6〜実施例7のα−D−フェニルガラクト
シド誘導体よりヒスタミン遊離抑制作用が著しく弱い。
【0051】毒性試験 ICR系マウス(体重25〜35g)に30mg/kg
体重の割合で経口投与した場合、実施例1〜実施例7の
いずれのα−D−フェニルグリコシド誘導体においても
死亡例を認めなかった。また、一般症状観察においても
特別な変化は認められなかった。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のα−D−
フェニルグリコシド誘導体は肥満細胞からのヒスタミン
の遊離を抑制する作用に優れた新規物質であり、本発明
の抗アレルギー剤は肥満細胞からのヒスタミンの遊離そ
のものを抑制する新規な抗アレルギー剤である。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験薬物の用量が1μMである場合における、
ヒスタミン遊離抑制率と一般式(I)中でRで示される
アルキル基の炭素数との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 利夫 徳島県徳島市丈六町長尾57−3

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、D−グリコシル基はD−グルコシル基,D−ガ
    ラクトシル基およびD−マンノシル基からなる群より選
    択された1種であり、〜で表される結合はアキシャル結
    合およびエカトリアル結合のいずれでもよいことを示
    し、Rは炭素数5〜9のアルキル基を示す。)で示され
    るα−D−フェニルグリコシド誘導体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のα−D−フェニルグリコ
    シド誘導体を有効成分とする、抗アレルギー剤。
JP21132194A 1994-09-05 1994-09-05 α−D−フェニルグリコシド誘導体 Withdrawn JPH0873487A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006169135A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Ajinomoto General Foods Inc マンノオリゴ糖類を含有する抗アレルゲン組成物

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