JPH0873460A - 1,8−ナフチリジン化合物および抗腫瘍剤 - Google Patents

1,8−ナフチリジン化合物および抗腫瘍剤

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JPH0873460A
JPH0873460A JP6234228A JP23422894A JPH0873460A JP H0873460 A JPH0873460 A JP H0873460A JP 6234228 A JP6234228 A JP 6234228A JP 23422894 A JP23422894 A JP 23422894A JP H0873460 A JPH0873460 A JP H0873460A
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JP
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compound
group
naphthyridine
ester
hydrogen atom
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JP6234228A
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English (en)
Inventor
Katsuhisa Nakada
勝久 中田
Shigeki Kashimoto
茂樹 柏本
Masanori Tajima
雅徳 田嶋
Tomio Oue
富夫 大植
Katsumi Chiba
勝巳 千葉
Kouichirou Shibamori
厚一郎 柴森
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Dainippon Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 1,8−ナフチリジン誘導体を有効成分とす
る抗腫瘍剤を提供する。 【構成】 一般式(I)で表される1,8−ナフチリジ
ン化合物、そのエステルまたはこれらの塩を有効成分と
する抗腫瘍剤。 (式中、Rは水素原子、低級アルキル基または低級アル
コキシ基を、Zは水素原子、低級アルキル基または生体
内で水素原子に変換し得る基を、nは0または1をそれ
ぞれ意味する。) 【効果】 優れた抗腫瘍活性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1位にチアゾリル基を有
する新規な1,8−ナフチリジン誘導体類、およびそれ
を有効成分として含有する抗腫瘍剤(anti-tumor agent
s) に関する。
【0002】
【従来の技術】ピリドンカルボン酸誘導体(pyridone-ca
rboxylic acid derivatives)が抗菌活性を有することは
広く知られている。また、ある種のピリドンカルボン酸
誘導体が抗腫瘍活性(anti-tumor activity)や抗癌活性
(anti-cancer activity)を有することも知られている。
ピリドンカルボン酸誘導体の抗腫瘍活性や抗癌活性に言
及した文献としては、例えば、特開昭56−7784、
国際公開WO89−12055号公報、特開平2−13
8284、特開平3−24013、特開平3−2232
89、特開平4−89490、Cancer Research 52
2818 (1992)などが挙げられる。
【0003】後に詳述するように、本発明は1位にチア
ゾリル基を有する1,8−ナフチリジン誘導体を有効成
分とする抗腫瘍剤に関するものであるが、有効成分たる
1,8−ナフチリジン誘導体の内の極く一部は特開昭6
1−152682号公報(以下、Ref. 1という) や特開
昭62−33176号公報(以下、Ref. 2という) に開
示されている。すなわち、上記Ref.1 には下記式(A) の
化合物が開示されており(同実施例5)、また、上記Re
f.2 には下記式(B) の化合物がそれぞれ開示されてい
る。
【0004】
【化3】
【0005】しかし、上記Ref.1 およびRef.2 には、上
記式の化合物が抗菌活性を有することしか記載されてお
らず、上記化合物が抗腫瘍活性や抗癌活性を有すること
については何ら開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこでより優れたピリ
ドンカルボン酸系抗腫瘍剤の開発が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、抗腫瘍活
性を有する化合物を鋭意探索した結果、1位に2−チア
ゾリル基を有する1,8−ナフチリジン誘導体が顕著な
抗腫瘍活性を有することを見出した。
【0008】本発明は、1位に2−チアゾリル基を有す
る次の一般式(I)
【化4】 (式中、Rは水素原子、低級アルキル基または低級アル
コキシ基を意味し、Zは水素原子、低級アルキル基また
は生体内において水素原子に変換し得る基を意味し、n
は0または1を意味する。)で表される1,8−ナフチ
リジン化合物、そのエステルまたはこれらの塩を有効成
分とする抗腫瘍剤ないし抗癌剤に関する。
【0009】なお、本明細書において、上記式(I)で
表される1,8−ナフチリジン化合物、そのエステルな
らびにこれらの塩は「1,8−ナフチリジン誘導体」と
総称することもある。
【0010】すでに述べたように一般式(I)で表され
る1,8−ナフチリジン誘導体の内、前記式(A)およ
び式(B)で表される化合物は、それぞれ特開昭61−
152682号公報(Ref.1)および特開昭62−231
76号公報(Ref.2)に記載されている。しかし、これら
の化合物以外の本発明の前記式(I)で表される化合物
は、如何なる文献にも記載されていない。
【0011】従って、本発明は次の一般式(I−a)
【化5】 (式中、Rおよびnは前掲と同じものを意味し、Z’は
水素原子、低級アルキル基または水素原子に変換し得る
基を意味する。但し、Rが水素原子であり、nが0であ
るとき、Z’は水素原子またはアセチル基以外の基を意
味する。)で表される新規1,8−ナフチリジン化合
物、そのエステルまたはこれらの塩に関する。
【0012】本発明の前記式(I)または式(I−a)
の化合物の塩としては、前記式(I)または(I−a)
の1,8−ナフチリジン骨格の3位のカルボキシル基の
部分における塩と、1,8−ナフチリジン骨格の7位の
1−ピロリジニル基の3位の塩基性置換基における酸付
加塩が含まれる。
【0013】該カルボキシル基における塩としては、例
えば、ナトリウム,カリウム,マグネシウム,亜鉛,
銀,アルミニウム,白金などの金属との塩、またはジメ
チルアミノエタノール,メチルアミノエタノール,トリ
エタノールアミン,グアニジン等の有機塩基との塩が挙
げられる。
【0014】また、1−ピロリジニル基の3位の塩基性
置換基における酸付加塩としては、例えば、塩酸,臭化
水素酸,ヨウ化水素酸,硫酸,リン酸などの無機酸との
塩、あるいはシュウ酸,マレイン酸,フマル酸,マロン
酸,乳酸,リンゴ酸,クエン酸,酒石酸,安息香酸,メ
タンスルホン酸,トシル酸,アスコルビン酸などの有機
酸との塩が挙げられる。
【0015】本明細書において「低級アルキル基」と
は、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜5個からなるも
のを意味し、例えば、メチル基、エチル基などが挙げら
れる。また、「低級アルコキシ基」とは炭素数1〜5か
らなるものを意味し、例えば、メトキシ基が好適であ
る。
【0016】また、ZおよびZ’の「水素原子に変換し
得る基」としては、生体内において水素原子に変換され
得るか、または、化学的な手段により水素原子に変換し
得るものであれば、いずれでもよい。生体内において水
素原子に変換され得る基の代表例としては、後述のアミ
ノ酸残基やペプチド残基が挙げられ、このような置換基
Zを有する1,8−ナフチリジン誘導体は抗腫瘍剤とし
て有用である。また、置換基Zが化学的な手段により水
素原子に変換し得る基である場合の1,8−ナフチリジ
ン誘導体は中間体として有用である。
【0017】「水素原子に変換し得る基」としては、ま
ず、加水分解性基が挙げられる。加水分解性基の具体例
としてはアシル基、オキシカルボニル基を有する基、ア
ミノ酸残基やペプチド残基の他、例えばo−ニトロフェ
ニルスルフェニル、トリメチルシリル、テトラヒドロピ
ラニル、ジフェニルホスフィニルなどが挙げられる。こ
こにおいて、アシル基の例としては、ホルミル、アセチ
ル、トリフルオロアセチルなどが挙げられる。
【0018】また、オキシカルボニルを有する基の例と
しては、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジル
オキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、β−(p
−トルエンスルホニル)エトキシカルボニルなどが挙げ
られる。
【0019】さらに、アミノ酸残基の例としては、アミ
ノ酸残基そのものやペプチド合成における通常の保護基
により保護されたアミノ酸残基が挙げられる。ペプチド
合成における通常の保護基としては、ホルミルやアセチ
ルの如きアシル基、ベンジルオキシカルボニルやp−ニ
トロベンジルオキシカルボニルの如きアリールメトキシ
カルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などが挙げら
れる。
【0020】アミノ酸残基は、一般に3文字からなる英
文字でもって表され、本明細書でもこれに従う。また、
L−体またはD−体もしくはこれらの混合体は、3文字
の頭に「L−」または「D−」もしくは「DL−」なる
記号を付すことにより区別することにする。これらの異
性体を区別することなく総称するときは、これらの記号
は付さない。
【0021】アミノ酸残基としては、Ala(アラニン:Al
anine)、Arg(アルギニン:Arginine)、Asn(アスパラギ
ン:Asparagine)、Asp(アスパラギン酸:Aspartic acid)
、Cys(システイン:Cysteine)、Glu(グルタミン酸:Glut
amic acid) 、His(ヒスチジン:Histidine) 、Ile(イソ
ロイシン:Isoleucine)、Leu(ロイシン:Leucine) 、Lys
(リジン:Lysine)、Met(メチオニン:Methionine)、Phe
(フェニルアラニン:Phenylalanine) 、Pro(プロリン:Pr
oline) 、Ser(セリン:Serine)、Thr(トレオニン:Threon
ine) 、Trp(トリプトファン:Tryptophan)、Tyr(チロシ
ン:Tyrosine)、Val(バリン:Valine)、Nva(ノルバリン:N
orvaline) 、Hse(ホモセリン:Homoserine)、4-Hyp(4−
ヒドロキシプロリン:4-Hydroxyproline)、5-Hyl(5−ヒ
ドロキシリジン:5-Hydroxylysine) 、Orn(オルニチン:O
rnithine) 、β-Ala、などのアミノ酸の残基が挙げられ
る。
【0022】ペプチド残基としては、前述のアミノ酸が
2〜5個、好ましくは2〜3個連結されたペプチド残基
が挙げられ、具体的には、例えば、Ala-Ala 、Gly-Phe
、Nva-Nva 、Ala-Phe 、Gly-Gly 、Gly-Gly-Gly 、Ala
-Met 、Met-Met 、Leu-Met 、Ala-Leu などである。
【0023】これらのアミノ酸やペプチドの残基におけ
る立体化学的配置は、D−体またはL−体もしくはこれ
らの混合体であってもよいが、L−体が好ましい。
【0024】「水素原子に変換し得る基」(Z)または
(Z')は、還元的に脱離し得る加水素分解性基であって
もよく、例えば、o−トルエンスルホニルの如きアリー
ルスルホニル基:ベンジル、トリチル、ベンジルオキシ
メチルの如きフェニルもしくはベンジルオキシによって
置換されたメチル基:ベンジルオキシカルボニルやo−
メトキシベンジルオキシカルボニルの如きアリールメト
キシカルボニル基:β,β,β−トリクロロエトキシカ
ルボニル、β−ヨードエトキシカルボニルの如きハロゲ
ノエトキシカルボニル基などがその例として挙げられ
る。
【0025】また、本発明化合物のエステルとしては、
生体内において対応するカルボン酸体に変換され得る
か、または、化学的に加水分解されてカルボン酸体に変
換し得るものであればいずれでもよい。主として化学的
に加水分解されてカルボン酸体に変換されるエステル体
としては、メチルエステルやエチルエステルの如き低級
アルキルエステルが挙げられる。
【0026】化学的な手段のみならず生体内において対
応カルボン酸体に変換可能なエステル体としては、アセ
トキシメチルエステルや1−アセトキシエチルエステ
ル、ピバロイルオキシメチルエステルの如き低級アルカ
ノイルオキシ低級アルキルエステル、1−エトキシカル
ボニルオキシエチルエステルの如き低級アルコキシカル
ボニルオキシ低級アルキルエステル、2−ジメチルアミ
ノエチルエステルのようなジ低級アルキルアミノ低級ア
ルキルエステル、2−(1−ピペリジニル)エチルエス
テル、3−ブチロラクトニルエステル、コリンエステ
ル、フタリジルエステル、(5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソール−4−イル)メチルエステルなど
が挙げられる。
【0027】本発明の化合物は、その7位の1−ピロリ
ジニル基の3位に少なくとも1個の不斉炭素原子を有す
るので、光学異性体として存在することができる。ま
た、該1−ピロリジニル基の3位以外の位置に置換基R
(但し、Rが水素原子である場合を除く)が置換されて
いるときは、1−ピロリジニル基は少なくとも2個の不
斉炭素原子を有し、従って、異なる異性体(シス型,ト
ランス型)として存在できる。更に、ZまたはZ’がア
ミノ酸やペプチドの残基であるときは、これらの残基中
にも不斉炭素原子を有することもある。不斉炭素原子を
有するアミノ酸残基の例としては、Ala, Leu, Phe, Tr
p, Nva, Val, Met,Ser, Lys, Thr, Tyrなどのアミノ酸
の残基が挙げられ、不斉炭素原子を有するペプチド残基
の例としてはこれらのアミノ酸残基を構成成分とするも
のが挙げられる。また、本発明の化合物は水和物として
も存在し得る。
【0028】本発明において、優れた抗腫瘍活性を示す
化合物の本質は、Zが水素原子である化合物(I)の構
造にあると考えられる(以下、このような化合物を「活
性化合物」ということもある)。Zが生体内で水素原子
に変換され得る基である場合の1,8−ナフチリヂン誘
導体は、生体内において活性化合物に変換されて抗腫瘍
作用を示すものと思われる。
【0029】Zがアミノ酸残基やペプチド残基である化
合物(I)は、活性化合物よりも溶解性が優れており、
例えば、注射剤の如き液剤の形で使用するのに優れてい
る。
【0030】本発明の化合物(I)の構造上の特徴は、
(1) 3位にカルボキシル基が、4位にオキソ基が、6位
にフッ素原子が、それぞれ置換された1,8−ナフチリ
ジンを基本骨格として有すること、(2) 1位の置換基と
して2−チアゾリル基を選択したこと、かつ、(3) 1,
8−ナフチリジン骨格の7位の置換基として、3位が置
換された特定の1−ピロリジニル基を選択したこと、か
らなる構成をとることにあり、特に1位と7位の置換基
の組み合わせに特徴がある。
【0031】抗腫瘍剤として好ましい本発明の化合物
は、一般式(I)におけるZが水素原子、アミノ酸残基
またはペプチド残基である化合物である。更に好ましい
本発明化合物(I)は、7位が次の置換基(a) 、(b) ま
たは(c)から選択される化合物である:
【化6】 式中、Z''は水素原子、アミノ酸残基またはペプチド残
基を意味し、nは前掲と同じものを意味する。
【0032】さらに具体的には、次の化合物、そのエス
テルまたはこれらの塩が抗腫瘍剤として好適である。
【0033】7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−
6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)−1,4−ジヒ
ドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボ
ン酸
【0034】7−(3−アミノ−4−メトキシ−1−ピ
ロリジニル)−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)
−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジ
ン−3−カルボン酸
【0035】7−(3−アミノ−3−メチル−1−ピロ
リジニル)−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)−
1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン
−3−カルボン酸
【0036】7−(3−メチルアミノ−4−メトキシ−
1−ピロリジニル)−6−フルオロ−1−(2−チアゾ
リル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフ
チリジン−3−カルボン酸
【0037】つぎに本発明の化合物(I−a)の製造方
法について説明する。製造方法(a ) ;− 前記式(I−a)で表される本発明の化合物は、次の一
般式
【0038】
【化7】 (式中、Xは脱離し得る基を意味する。)で表される化
合物、そのエステルまたはその塩と、下記一般式
【0039】
【化8】 (式中、R、nおよびZ’は前掲と同じものを意味す
る。)で表される環状アミンとを反応させることにより
製造できる。
【0040】本反応は、無溶媒下あるいは適当な溶媒
中、好ましくは塩基の存在下、10〜150℃の温度範
囲で実施される。溶媒としてはアセトニトリルや水、エ
タノール、ピリジン、ジメチルスルホキシド、1−メチ
ル−2−ピロリドンなどが使用される。塩基は酸受容体
として機能し、例えば、トリエチルアミン、1,8−ジ
アザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセンまたは炭
酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩が使用
される。化合物(III)の環状アミンをやや過剰に用いて
酸受容体としての役割を兼ねそなえさせることもでき
る。
【0041】原料化合物(II)における脱離し得る基
(X) は、塩素やフッ素の如きハロゲン原子や低級アルキ
ルチオ基、低級アルキルフルフィニル基などが挙げら
れ、特にハロゲン原子が好適である。本反応で使用され
る原料化合物(II)は後記参考例1に記載の方法または
これに準じた方法で製造することができる。
【0042】製造方法(b) また、Z’が低級アルキル基または水素原子に変換し得
る基である本発明の化合物(I−a)は、一般式
【0043】
【化9】 (式中、Rおよびnは前掲と同じものを意味する。)で
表される化合物、そのエステルまたはその塩と、一般式
【化10】Z''' ──Y (V)
【0044】(式中、Z''' は低級アルキル基または水
素原子に変換し得る基を意味し、Yは脱離し得る基を意
味する。但し、前記式(IV)におけるRが水素原子であ
り、nが0であるとき、Z''' はアセチル基以外の基で
ある。)で表される化合物(V)とを反応させることに
より製造できる。
【0045】化合物(V)における脱離し得る基(Y) の
例としては、化合物(II)における脱離し得る基(X) と
同様なもの、あるいは保護されたアミノ酸やペプチドに
おけるカルボキシル基のOHなどが挙げられる。
【0046】化合物(IV)と化合物(V)との反応は、
製造方法(a) で述べたのとほぼ同様な条件で実施でき
る。化合物(V)が保護されたアミノ酸またはペプチド
であるとき、化合物(IV)との反応は、ペプチド化学に
おける常法に従って実施される。例えば、本反応は、化
合物(V)のカルボキシル末端基を混合酸無水物の形に
変換するか、N−フタルイミドエステルやN−オキシコ
ハク酸イミドエステル、p−ニトロフェニルエステルな
どの活性エステルの形に変換し、これらと化合物(IV)
と反応させることにより実施できる。また、N,N’−
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)や1−エチ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド(WSC)の如きカップリング試薬を使用し、直接、
化合物(IV)と(V)とを反応させてもよい。
【0047】また、Z’がペプチド残基である本発明化
合物(I−a)は、Z’がペプチド残基またはアミノ酸
残基である化合物(I−a)と化合物(V) とを、前記と
同様に反応させ、場合によっては、これを繰り返すこと
によっても製造できる。
【0048】これらの方法により得られる化合物(I−
a)がエステルである場合、そのエステル部分を常法に
より加水分解することにより、カルボン酸体に変換する
ことができる。
【0049】また、化合物(I−a)のカルボン酸部分
を常法によりエステル化することもできる。例えば、化
合物(I−a)と酢酸ブロモメチルの如き置換アルキル
ハライドとを、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドの如き溶
媒中、20〜100 ℃で3〜48時間、反応させることによ
り対応するエステル体となすことができる。
【0050】更に、化合物(I−a)のZ’が保護基に
より保護されたアミノ酸残基またはペプチド残基である
ときは、常法により、該保護基を脱離することもでき
る。
【0051】このようにして製造される化合物(I−
a)は、常法に従って、単離、精製される。単離・精製
条件によって、塩の形、遊離カルボン酸や遊離アミンの
形で得られるが、これらは、目的に応じて相互に変換さ
れ、目的とする形の化合物(I−a)またはその塩が製
造される。
【0052】化合物(I−a)がラセミ体であるとき
は、必要なら、公知の方法を適用することにより、それ
ぞれの光学異性体に分離することができる。化合物(I
−a)の立体異性体(シス型またはトランス型)は、必
要なら、通常の方法、例えば、分別結晶法,クロマトグ
ラフィー法等により、互いに分離することができる。
【0053】なお、それぞれの原料化合物として、一方
の光学異性体や立体異性体を用いて対応する目的物に導
くことは、勿論、可能であり、一般的には有利な方法で
ある。
【0054】本発明の1,8−ナフチリジン誘導体は、
白血病腫瘍や悪性リンパ腫の如き非固形腫瘍(non-soli
d type tumor)のみならず鼻咽や乳、肺、子宮、卵巣、
膀胱、胃、皮膚、腸、頭頸部、食道、肝、胆道、膵、
腎、睾丸、前立腺、骨、脳などの各組織に発生する固形
腫瘍(solid type tumor)の治療に有用である。
【0055】つぎの代表的化合物について、以下のin v
itro およびin vivo の試験を行った。なお、下記の比
較対照化合物たる化合物Aは前記Ref−1の特開昭6
1−152682号公報に記載の化合物であり、化合物
Bは市販抗癌剤Etoposide である。
【0056】
【化11】
【0057】
【化12】
【0058】試験例 1;in vitroにおける抗腫瘍効果
【0059】各種の腫瘍細胞を用い、MTT〔3-(4,5-d
imethylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyltetrazolium bromi
de] 法により、試験化合物の抗腫瘍作用を試験した。
【0060】(A) マウス腫瘍細胞を用いる場合の試験
法;− 2000個のマウス腫瘍細胞と所定濃度の試験化合物を含む
培養液の0.1 mlずつを96穴プレ−ト(96-well plate
s) の各穴に加え、37℃、5%炭酸ガス条件下で72
時間培養した。培養後、MTT(5mg/ml)溶液の0.02
mlずつを各穴に添加し、更に4時間培養した。培養液を
遠心分離(4℃、2000rpm×20分)し、上清を吸引
除去した。ついで0.1 mlのジメチルスルホキシドを各穴
に加えて形成されているフォルマザン(formazan)を溶
解し、更に0.1 mlのジメチルスルホキシドを加えた。こ
の溶液の吸光度(OD)をマルチスキャンバイクロマテック
(Multiskan Bichromatic)(主波長570nm,副波長
690nm)で測定した。未処理細胞(コントロール)
の吸光度を100%とし、最小二乗法(linear regressi
on) により50%増殖抑制濃度(50% Inhibitory Conce
ntration:IC50:μg/ml)を算出した。結果を表1
に示す。
【0061】(B) ヒト癌細胞を用いる場合の試験法;
− 1000〜2000個のヒト癌細胞を含む培養液の0.1 mlずつを
96穴プレートの各穴に加え、37℃、5%炭酸ガス条
件下で約20時間培養した。培養後、所定濃度の試験化
合物の溶液を添加し、更に72時間培養した。培養後、
MTT(5mg/ml)溶液の0.01mlずつを各穴に添加し、
更に4時間培養した。培養液の上清を吸引除去し、つい
で0.1 mlのジメチルスルホキシドを各穴に加えて形成さ
れているフォルマザンを溶解し、更に0.1 mlのジメチル
スルホキシドを加えた。この溶液について、(A) 法と同
様にして50%増殖抑制濃度を算出した。結果を表1に
示す。
【0062】
【表1】
【0063】なお、表1において、〔 〕内の数値は
比較化合物Aとその他の試験化合物のIC50値の比を示
している。例えば、[x4.5] とあるのは、その試験化合
物のin vitroにおける抗腫瘍作用が、比較化合物Aより
も4.5 倍強いことを示す。表1に示すように、本発明の
化合物1〜4は優れた抗腫瘍活性を示す。一方、本発明
の化合物と構造が比較的類似する比較化合物Aのin vit
roにおける抗腫瘍作用は、本発明の化合物1〜4よりも
明らかに劣る。
【0064】つぎの試験例2および試験例3ではマウス
腫瘍細胞を移植したマウスに対する各試験化合物の抗腫
瘍作用を検討した。
【0065】試験例 2;P388白血病マウス腫瘍細
胞移植マウスにおけるin vivo 抗腫瘍作用
【0066】1×106 個のP388白血病マウス腫瘍
細胞をSLC:BDF1 マウス(8週齢,雌,一群7
匹)の腹腔内に移植し、移植翌日(1日目)と5日目の
2回、試験化合物(薬剤)を0.1 N−NaOHで溶解
し、これを各投与濃度になるように蒸留水で希釈した。
各溶液の0.2 mlを腹腔内(ip)に投与した。30日間にわ
たってマウスの生死を観察し、各群の生存日数中央値
(Median survival time) を求め、下記式により延命率
(Increases in Life Span :ILS;%)を算出し
た。
【0067】
【数1】
【0068】薬効の判定は米国の国立癌研究所(Nation
al Cancer Institute :NCI)の基準に従って行っ
た。すなわち、延命率が≧75%,++(著効);20
〜74%,+(有効);≦19%,−(無効)と判定し
た。
【0069】
【表2】
【0070】表2に示すように、比較化合物Aの抗腫瘍
作用は、本発明の化合物1〜4のそれよりも明らかに劣
る。
【0071】試験例 3;コロン26マウス腫瘍細胞移
植マウスにおけるin vivo 抗腫瘍作用
【0072】SLC:CDF1 雌性マウス(7週齢,1
群7匹)の腹部皮内にコロン26マウス腫瘍(Colon 26
murine tumor )細胞の2%ブライ(brei) を0.1 ml移
植した。試験化合物(薬剤)を0.1 N−NaOHで溶解
し、これを各投与濃度になるように蒸留水で希釈した。
各溶液の 0.2 mlを移植翌日(1日目)より9日目まで
1日1回、腹腔内(ip)に連続投与した。移植後、21日
目の腫瘍径より推定腫瘍重量を求め、下記式より、対照
群に対する薬剤投与群の腫瘍増殖抑制率(Tumor Growth
Inhibition Rate:IR)を算出した。
【0073】
【数2】
【0074】
【表3】
【0075】表3から明らかなように、本発明の化合物
1〜4のマウス腫瘍細胞に対するinvivo における抗腫
瘍作用は、比較化合物Aよりも遙かに優れている。
【0076】以下の試験例4〜9は、ヒト癌細胞をヌー
ドマウスに移植し、これに試験化合物を投与し、癌細胞
の増殖抑制の程度を観察した結果を示す。ここで説明の
便宜上、試験化合物のヌードマウスへの投与スケジュー
ルについて説明する。ヌードマウスにヒト癌細胞を移植
した日からx日後に試験化合物をy日間投与〔腹腔内投
与(ip)〕し、その後、z日間投薬を中止(休薬) し、そ
の後、再び試験化合物をy日間投薬し、そして、投薬
(y日間)および休薬(z日間)のサイクルを「クール
(course)」と名付けた場合、投薬スケジュールは次の記
号により表されるものとする。
【0077】〔(x)(y)(z)(クール)(i
p)〕
【0078】つぎに例を挙げてこの記号について説明す
る。但し、上向きの矢印は投薬日を示す。
【0079】例1;移植後25日目に投薬(ip)し、
その後6日間の休薬期間をもうけ、計5回にわたって投
薬した。
【0080】
【表4】
【0081】例2;移植後19日目から9日間連続投与
(ip)し、7日間の休薬期間をもうけた。これを3回
繰り返した。
【0082】
【表5】
【0083】試験例 4;ヒト子宮頸癌細胞移植ヌード
マウスにおける抗腫瘍作用
【0084】以下の条件に従って実験を行った。推定腫
瘍重量は腫瘍径から求めた。推定腫瘍重量を縦軸に、そ
して投薬開始後の日数を横軸にプロットし、図1の結果
を得た。なお、図1において、Control とあるのは、癌
細胞は移植されているが、試験化合物は投与されていな
いヌードマウスにおける腫瘍重量の経日変化を示すもの
である(以下同様)。
【0085】実験条件:− 使用動物;雌性 BALB/cA Jcl-nu ヌードマウス(7〜
8週齢、1群6〜7匹)。 使用癌細胞;ヒト子宮頸癌(human uterine cervical c
ancer) C-33A。 癌細胞の移植;1×107 個の癌細胞をヌードマウスの
背部皮下に移植。 試験化合物;化合物1および4は、ほぼ当モルのNaOHを
含む水溶液に溶解し、その他の化合物は注射用蒸留水で
溶解した。 投薬スケジュール;〔(25)(1)(6)(5クール)(ip:50mg/kg
/day)]。
【0086】結 果 図1に結果を示す。図1において、各試験化合物の腫瘍
増殖抑制率(IR%)は試験例3で説明した腫瘍増殖抑
制率を示す(以下同様)。図1に示すように、本発明の
化合物1〜4は優れた抗腫瘍作用を示した。なお、化合
物B(Etoposide)の実験系では、図1の化合物Bについ
て下向きの矢印で示したように、21日目にヌードマウ
スの全例が死亡した。
【0087】試験例 5;ヒト乳癌細胞移植ヌードマウ
スにおける抗腫瘍作用
【0088】以下の条件に従って実験を行った。 実験条件:− 使用動物;雌性 BALB/cA Jcl-nu ヌードマウス(12〜
13週齢、1群7匹)。 使用癌細胞;ヒト乳癌 (human breast cancer) MX −
1。 癌細胞の移植;2mm3 角の癌細胞片をヌードマウスの
背部皮下に移植。 試験化合物;化合物1および4は、ほぼ当モルのNaOHを
含む水溶液に溶解し、その他の化合物は注射用蒸留水で
溶解した。 投薬スケジュール;〔(15)(1)(6)(6クール)(ip:50mg/kg
/day)]。
【0089】結 果 図2に結果を示す。図2に示すように、本発明の化合物
1〜4は優れた抗腫瘍作用を示した。なお、化合物B
(Etoposide)の実験系では、図2において化合物Bにつ
いて下向きの矢印で示したように、12日目にヌードマ
ウスの全例が死亡した。
【0090】試験例 6;ヒト鼻咽腔癌細胞移植ヌード
マウスにおける抗腫瘍作用
【0091】以下の条件に従って実験を行った。 実験条件:− 使用動物;雌性 BALB/cA Jcl-nu ヌードマウス(9週
齢、1群7匹)。 使用癌細胞;ヒト鼻咽腔癌 (human nasopharynx cance
r) KB。 癌細胞の移植;2×106 個の癌細胞をヌードマウスの腹
部皮内に移植。 試験化合物;化合物1および4は、ほぼ当モルのNaOHを
含む水溶液に溶解し、その他の化合物は注射用蒸留水で
溶解した。 投薬スケジュール;〔(7)(1)(6)(6 クール)(ip:50mg/kg
/day)]。但し、化合物Bの投与量は (ip:25mg/kg/day)
である。
【0092】結 果 図3に結果を示す。図3に示すように、本発明の化合物
1〜4は優れた抗腫瘍作用を示した。
【0093】試験例 7;ヒト肺癌細胞移植ヌードマウ
スにおける抗腫瘍作用
【0094】以下の条件に従って実験を行った。 実験条件:− 使用動物;雌性 BALB/cAnNCrj-nu/nu ヌードマウス
(7週齢、1群6匹)。 使用癌細胞;ヒト肺癌 (human lung cancer) NCI-H69。 癌細胞の移植;13%の癌細胞浮遊液0.1 mlをヌードマウ
スの背部皮下に移植。 試験化合物;化合物1および4は、ほぼ当モルのNaOHを
含む水溶液に溶解し、その他の化合物は注射用蒸留水で
溶解した。 投薬スケジュール;〔(25)(1) (6)(5 クール)(ip:50mg/
kg/day)]。但し、3回目投薬と4回目投薬との間の休薬
期間(z)は9日間であり、化合物Bの投与量は(ip:25m
g/kg/day) である。
【0095】結 果 図4に結果を示す。図4に示すように本発明の化合物1
〜4は優れた抗腫瘍作用を示した。
【0096】試験例 8;ヒトメラノーマ移植ヌードマ
ウスにおける抗腫瘍作用
【0097】以下の条件に従って実験を行った。 実験条件:− 使用動物;雌性 BALB/cA Jcl-nu ヌードマウス(8週
齢、1群7匹)。 使用癌細胞;ヒトメラノーマ (human melanoma) HMV
−2。 癌細胞の移植;5×106 個の癌細胞をヌードマウスの腹
部皮内に移植。 試験化合物;ほぼ当モルのNaOHを含む水溶液で化合物1
を溶解した。 投薬スケジュール;[(7)(9)(21)(3 クール)(ip:6.25 mg
/kg/day)] 。但し、2回目投薬と3回目投薬との間の休
薬期間(z)は12日間である。
【0098】結 果 図5に結果を示す。図5に示すように、本発明の化合物
1は優れた抗腫瘍作用を示した。
【0099】試験例 9;ヒト結腸癌細胞移植ヌードマ
ウスにおける抗腫瘍作用
【0100】以下の条件に従って実験を行った。 実験条件:− 使用動物;雌性 BALB/cAnNCrj-nu/nu ヌードマウス(6
〜7週齢、1群7匹) 使用癌細胞;ヒト結腸癌 (human colorectal cancer)
HT-29 。 癌細胞の移植;5×106 個の癌細胞をヌードマウスの背
部皮下に移植。 試験化合物;化合物1および4は、ほぼ当モルのNaOHを
含む水溶液に溶解し、その他の化合物は注射用蒸留水で
溶解した。 投薬スケジュール;[(7)(1)(6)(10 クール)(ip:50mg/kg
/day)]。但し、5回目投薬と6回目投薬との間の休薬期
間(z)は11日間である。
【0101】結 果 図6に結果を示す。図6に示すように、本発明の化合物
1〜4は優れた抗腫瘍作用を示した。
【0102】試験例 10;急性毒性
【0103】化合物1、3、4をほぼ等モルのNaOH
溶液に溶解し、また、化合物2およびB(Etoposide) を
注射用蒸留水で溶解し、所定濃度の試験液を調製した。
雌性Jcl:ICR マウス( 一群5〜10匹、21g〜25g)に
試験液を投与(0.1ml/体重10g) 投与し、投与後14
日目におけるマウスの死亡率からLD50値を算出し、次
表の結果を得た。
【0104】
【表6】
【0105】表6に示すように、本発明の化合物1〜4
の急性毒性は、市販抗癌剤たる化合物B(Etoposide)に
比べて遜色がない。
【0106】試験例 11;溶解度
【0107】蒸留水に対する試験化合物の溶解度を測定
し、次表の結果を得た。なお、本発明のその他の化合物
の溶解度は後記実施例21および39〜55においても
示した。
【0108】
【表7】
【0109】表7に示すように、Zがアミノ酸残基であ
る化合物2の溶解度は、対応するZが水素原子である化
合物1の約6.4 倍もの溶解性を示した。
【0110】試験例 12;Zがアミノ酸残基である化
合物からZが水素原子である化合物(活性化合物)への
in vitroにおける変換
【0111】Zがアラニル(L体)である化合物2の水
溶液(1mg/ ml) を調製し、これをマウス(BDF1)の血漿
で20μg/mlの濃度になるように希釈した。これを3
7℃で温置し、一定時間毎にサンプリングを行った。サ
ンプル採取後、直ちに等量の1M−酢酸を加え、濾過チ
ューブ(ウルトラフリーC3LGC:ミリポア社)で遠
心濾過し、濾液中の化合物2および活性物質たる化合物
1の濃度をHPLC法により測定し、図7の結果を得
た。図7に示すようにZがアミノ酸残基(アラニル基)
である化合物2は、マウスの血漿中において、速やかに
活性化合物1(Zが水素原子)に変換されることが分か
った。
【0112】以上の試験結果に示すとおり、本発明の化
合物は、リンパ性白血病腫瘍の如き非固形腫瘍のみなら
ず、例えば肺、乳、胃、子宮、皮膚、腸、膀胱、鼻咽な
どの各組織に発生する各種の固形腫瘍に対して顕著な抗
腫瘍活性を示す。また、本発明の化合物は安全性も比較
的高い。従って、本発明の化合物はヒト腫瘍の治療剤ま
たは予防剤として有用である。
【0113】本発明の化合物の投与量は、化合物の腫瘍
抑制作用量であり、その薬力学的特性,投与方法,症状
・年齢,処置形式(予防又は治療)などにより異なる
が、通常、1日につき、体重1kg当り約0.25mg〜約
50mg、好ましくは約0.5 mg〜約20mgである。
例えば、体重約50kgの患者には、1日当り合計約1
3mg〜約2.5 g,好ましくは25mg〜1gの活性成
分が投与される。1日に2〜4回に分割投与してもよ
い。投与経路は経口、非経口のいずれでもよいが、非経
口投与が推奨される。
【0114】本発明の化合物は、製剤の形で投与される
のが一般的である。これらの製剤は、本発明の化合物と
製剤担体とを配合することにより調製できる。例えば、
非経口投与製剤たる液剤における製剤担体としては溶剤
が必須の成分であり、このほか等張化剤、可溶化剤、無
痛化剤、pH調節剤、緩衝剤、保存剤などの補助成分
が、適宜、配合される。
【0115】溶剤としては、水が一般的に用いられ、プ
ロピレングリコールの如き有機溶媒または水と有機溶媒
との混合物が用いられる。
【0116】等張化剤 (tonicity agent) としてはソル
ビットやマンニットの如き糖類、塩化ナトリウムなどが
挙げられ、糖類が好適である。
【0117】pH調節剤としては水酸化ナトリウムの如
き塩基または塩酸やリン酸の如き酸が挙げられる。
【0118】可溶化剤としてはポリソルベート(polyso
rbate)80やプルロニック(Pluronic)F68の如き界
面活性剤、または、乳酸,メタンスルホン酸などの本発
明の化合物と酸付加塩を形成し得る有機酸などが挙げら
れる。
【0119】無痛化剤としては塩酸リドカインや塩酸プ
ロカインなどが、保存剤としてはベンジルアルコールな
どが、安定化剤としてはアスコルビン酸の如き抗酸化剤
(antioxidant)が、緩衝剤としてはリン酸、クエン酸、
乳酸などの酸の塩などがそれぞれ挙げられる。
【0120】注射剤 (injection)や輸液剤(infusions)
の如き液剤は本発明の化合物を溶剤に溶解または懸濁、
好ましくは溶解し、所望により溶解もしくは懸濁の前も
しくは後にその他の補助成分を配合することにより調製
できる。凍結乾燥製剤は、これらの液剤を凍結乾燥する
ことにより調製でき、投与するとき溶剤で再溶解または
再懸濁される。
【0121】なお、これらの製剤には、本発明の化合物
とは別に、治療上有効な他の医薬成分を更に含有してい
てもよい。
【0122】
【実施例】つぎに本発明の化合物(I)ならびに化合物
(I−a)の製造法につき、参考例および実施例を挙げ
て説明する。
【0123】参考例 1; 7−クロロ−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)−
1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン
−3−カルボン酸エチル
【0124】(1)特開昭61−152682号公報
(Ref.1) に記載の方法に準じて、2,6−ジクロロ−
5−フルオロニコチノイル酢酸エチル9.8 gをオルトギ
酸エチルと無水酢酸で処理して、2−(2,6−ジクロ
ロ−5−フルオロニコチノイル)−3−エトキシアクリ
ル酸エチルとし、次いで、この化合物に、エタノ−ル
中、室温下で2−アミノチアゾ−ルとトリエチルアミン
を反応させて、2−(2,6−ジクロロ−5−フルオロ
ニコチノイル)−3−(2−チアゾリルアミノ)アクリ
ル酸エチル 12.3gを得た。m.p.125−126
℃.
【0125】(2)上記化合物12.3gを無水ジオキ
サン中でカリウムt−ブトキシドと反応させて、7−ク
ロロ−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)−1,4
−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−
カルボン酸エチル7.1gを得た。m.p.182−1
84℃.
【0126】実施例 1(A) ; 7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−6−フルオロ
−1−(2−チアゾリル)−1,4−ジヒドロ−4−オ
キソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸塩酸塩
(化合物1)
【0127】(1)参考例1(2) で得た7−クロロ−6
−フルオロ−1−(2−チアゾリル)−1,4−ジヒド
ロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン
酸エチル6.5 g,3−アミノピロリジン1.7 ,トリエチ
ルアミン5.6 gおよびアセトニトリル65mlの混合物を
30分間加熱還流した。冷後、結晶を濾取し、エタノ−
ルから再結晶して、7−(3−アミノ−1−ピロリジニ
ル)−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)−1,4
−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−
カルボン酸エチル(化合物1のエステル体)7.1gを
得た。m.p.218−220℃。
【0128】(2)上記エステル7.1gと10%塩酸
200mlの混合物を1時間加熱還流した。冷後、結晶を
濾取し、水−エタノ−ルから再結晶して、7−(3−ア
ミノ−1−ピロリジニル)−6−フルオロ−1−(2−
チアゾリル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8
−ナフチリジン−3−カルボン酸塩酸塩(化合物1)
6.9gを得た。m.p.294−296℃(分解).
【0129】(3)上記塩酸塩を常法に従って処理し、
7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−6−フルオロ
−1−(2−チアゾリル)−1,4−ジヒドロ−4−オ
キソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸(化合物
1のfree体)を得た。m.p.253−254℃(分
解).
【0130】実施例 1(B) ;(S)−3−アミノピロ
リジンを用い、実施例1(A) と同様に反応・処理して下
記化合物を得た。
【0131】(1)7−〔(S)−3−アミノ−1−ピ
ロリジニル〕−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)
−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジ
ン−3−カルボン酸エチル(化合物1のS体のエステ
ル)m.p.256−259℃.
【0132】(2)7−〔(S)−3−アミノ−1−ピ
ロリジニル〕−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)
−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジ
ン−3−カルボン酸塩酸塩(化合物1のS体)m.p.
>300℃。[α]D 28=+20.0O (1N NaOH ,c=0.
1 )。
【0133】実施例 1(C) ;(R)−3−アミノピロ
リジンを用い、実施例1(A) と同様に反応・処理して下
記化合物を得た。
【0134】(1)7−〔(R)−3−アミノ−1−ピ
ロリジニル〕−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)
−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジ
ン−3−カルボン酸エチル(化合物1のR体のエステ
ル)m.p.254−257℃。
【0135】(2)7−〔(R)−3−アミノ−1−ピ
ロリジニル〕−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)
−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジ
ン−3−カルボン酸塩酸塩(化合物1のR体)m.p.
297−300℃(分解)。[α]D 28=−21.0O (1N
NaOH ,c=0.1 ).
【0136】実施例 1(D) ;(+)−トランス−3−
アミノ−4−メトキシピロリジンを用い、実施例1(A)
と同様に反応・処理して下記化合物を得た。
【0137】(1)(−)−7−(トランス−3−アミ
ノ−4−メトキシ−1−ピロリジニル)−6−フルオロ
−1−(2−チアゾリル)−1,4−ジヒドロ−4−オ
キソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチル。
m.p.142−144℃。
【0138】(2)(+)−7−(トランス−3−アミ
ノ−4−メトキシ−1−ピロリジニル)−6−フルオロ
−1−(2−チアゾリル)−1,4−ジヒドロ−4−オ
キソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸塩酸塩。
m.p.254−260℃(分解)。[α]D 28=+1
1.4O (水,c=0.508 ).
【0139】実施例 1(E) ;(−)−トランス−3−
アミノ−4−メトキシピロリジンを用い、実施例1(A)
と同様に反応・処理して下記化合物を得た。
【0140】(1)(+)−7−(トランス−3−アミ
ノ−4−メトキシ−1−ピロリジニル)−6−フルオロ
−1−(2−チアゾリル)−1,4−ジヒドロ−4−オ
キソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチル。
m.p.148−150℃。
【0141】(2)(−)−7−(トランス−3−アミ
ノ−4−メトキシ−1−ピロリジニル)−6−フルオロ
−1−(2−チアゾリル)−1,4−ジヒドロ−4−オ
キソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸塩酸塩。
m.p.255−261℃(分解)。[α]D 28=−1
1.1O (水,c=0.500 ).
【0142】実施例 2〜20;実施例1(A)と同様
にして、次の化合物を得た。
【表8】
【0143】実施例 21; 7−(トランス−3−L−アラニルアミノ−4−メトキ
シ−1−ピロリジニル)−6−フルオロ−1−(2−チ
アゾリル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−
ナフチリジン−3−カルボン酸塩酸塩
【0144】(1) 実施例7で得た7−(トランス−3
−アミノ−4−メトキシ−1−ピロリジニル)−6−フ
ルオロ−1−(2−チアゾリル)−1,4−ジヒドロ−
4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エ
チル2.5 g、N−t−ブトキシカルボニル−L−アラニ
ン1.31gおよび塩化メチレン300mlの混合物に1−エ
チル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド塩酸塩(WSC)1.55gを加え、室温で5時間攪拌
した。水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮
した。アセトニトリルを加え、析出結晶を濾取して7−
〔トランス−3−(N−t−ブトキシカルボニル−L−
アラニル)アミノ−4−メトキシ−1−ピロリジニル〕
−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)−1,4−ジ
ヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カル
ボン酸エチル2.18gを得た。m.p. 144−150
℃。〔α〕D 28=−128(CHCl3 、c=0.5)。
【0145】(2) 上記エステル1.95gと1N塩酸24
mlおよびエタノール16mlからなる混合物を70〜80
℃で14時間攪拌した。冷後、析出結晶を濾取して表記
目的物1.2 gを得た。m.p. 213 − 219℃、〔α〕
D 28=+8(水,c=0.5)。水に対する溶解度(25
℃):26,200μg/ml
【0146】実施例 22〜38;実施例21(1) と同
様にして、以下の化合物を得た。
【表9】
【0147】実施例39〜55;実施例21(2) と同様
にして、以下の化合物を得た。なお、得られた化合物の
溶解度を試験例11と同じ方法により測定した。
【0148】
【表10】
【0149】実施例 56; 7−(3−アミノ−3−メチル−1−ピロリジニル)−
6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)−1,4−ジヒ
ドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボ
ン酸アセトキシメチル
【0150】7−(3−アミノ−3−メチル−1−ピロ
リジニル)−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)−
1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン
−3−カルボン酸エチル3.05gと1N水酸化ナトリウム
水溶液18mlとの混合物を室温で20時間攪拌した。塩
酸水で中和後、結晶を濾取し、水およびエタノールで洗
浄して対応するカルボン酸2.84gを得た。このカルボン
酸をジメチルホルムアミド200mlに懸濁させ、炭酸カ
リウム1.18gを加えて60℃で30分間加熱した。氷冷
後、酢酸ブロモメチル1.22gを滴下し、室温で1日、次
いで50℃で15時間攪拌した。酢酸エチルで抽出し、
乾燥後、減圧濃縮した。結晶を濾取し、ジイソプロピル
エーテルで洗浄して目的とするエステル40mgを得た。
m.p.173−175℃
【0151】つぎに製剤の実施例AおよびBを挙げる。 実施例 A;液剤の調製
【0152】調製法;化合物2およびソルビトールを注
射用蒸留水の一部に溶解し、残りの蒸留水を加え、溶液
のpHを5.0 に調製した。この溶液をメンブランフィル
ター(0.22 μm)で濾過し、注射用液剤を得た。
【0153】実施例 B;凍結乾燥製剤の調製
【0154】調製法;化合物2およびマンニトールを注
射用蒸留水の一部に溶解し、残りの蒸留水を加え、溶液
のpHを5.0 に調製した。この溶液をメンブランフィル
ター(0.22 μm)で濾過し、これを凍結乾燥して注射用粉
末剤を得た。
【0155】
【発明の効果】本発明の化合物は、リンパ性白血病腫瘍
の如き非固形腫瘍のみならず、例えば肺、乳、胃、子
宮、皮膚、腸、膀胱、鼻咽などの各組織に発生する各種
の固形腫瘍に対して顕著な抗腫瘍活性を示す。また、本
発明の化合物は安全性も比較的高い。従って、本発明の
化合物はヒト腫瘍の治療剤または予防剤として有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はヒト子宮頸癌(C−33A)に対する抗
腫瘍効果を示す。
【図2】図2はヒト乳癌(MX−1)に対する抗腫瘍効
果を示す。
【図3】図3はヒト鼻喉腔癌(KB)に対する抗腫瘍効
果を示す。
【図4】図4はヒト拝顔(NCl−H69)に対する抗
腫瘍効果を示す。
【図5】図5はヒトメラノーマ(HMV−2)に対する
抗腫瘍効果を示す。
【図6】図6はヒト結腸癌(HT−29)に対する抗腫
瘍効果を示す。
【図7】図7は化合物2から化合物1への変換をを示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 勝巳 大阪府大阪市東住吉区杭全5丁目7番27− 1205号 (72)発明者 柴森 厚一郎 兵庫県西宮市甲東園3丁目2番22−702号

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子、低級アルキル基または低級アル
    コキシ基を意味し、Zは水素原子、低級アルキル基また
    は生体内において水素原子に変換し得る基を意味し、n
    は0または1を意味する。)で表される1,8−ナフチ
    リジン化合物、そのエステルまたはこれらの塩を有効成
    分とする抗腫瘍剤。
  2. 【請求項2】一般式(I)におけるnが0である1,8
    −ナフチリジン化合物、そのエステルまたはこれらの塩
    を有効成分とする請求項1記載の抗腫瘍剤。
  3. 【請求項3】一般式(I)におけるZが水素原子、アミ
    ノ酸残基またはペプチド残基である1,8−ナフチリジ
    ン化合物、そのエステルまたはこれらの塩を有効成分と
    する請求項1記載の抗腫瘍剤。
  4. 【請求項4】7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−
    6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)−1,4−ジヒ
    ドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボ
    ン酸、7−(3−アミノ−4−メトキシ−1−ピロリジ
    ニル)−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)−1,
    4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3
    −カルボン酸、7−(3−アミノ−3−メチル−1−ピ
    ロリジニル)−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)
    −1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジ
    ン−3−カルボン酸または生体内においてこれらに変換
    し得るいずれかの1,8−ナフチリジン化合物を有効成
    分とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】非固形腫瘍または固形腫瘍の治療剤または
    予防剤たる請求項1〜4のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
  6. 【請求項6】下記一般式(I−a) 【化2】 (式中、Rは水素原子、低級アルキル基または低級アル
    コキシ基を意味し、Z’は水素原子、低級アルキル基ま
    たは水素原子に変換し得る基を意味し、nは0または1
    を意味する。但し、Rが水素原子であり、nが0である
    とき、Z’は水素原子またはアセチル基以外の基を意味
    する。)で表される1,8−ナフチリジン化合物、その
    エステルまたはこれらの塩。
  7. 【請求項7】nが0である請求項6記載の1,8−ナフ
    チリジン化合物、そのエステルまたはこれらの塩。
  8. 【請求項8】Z’が水素原子、アミノ酸残基またはペプ
    チド残基である請求項6記載の1,8−ナフチリジン化
    合物、そのエステルまたはこれらの塩。
  9. 【請求項9】7−(3−アミノ−4−メトキシ−1−ピ
    ロリジニル)−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)
    −1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジ
    ン−3−カルボン酸、そのエステルまたはこれらの塩。
  10. 【請求項10】7−(3−アミノ−3−メチル−1−ピ
    ロリジニル)−6−フルオロ−1−(2−チアゾリル)
    −1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジ
    ン−3−カルボン酸、そのエステルまたはこれらの塩。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7897619B2 (en) 2007-07-17 2011-03-01 Amgen Inc. Heterocyclic modulators of PKB
US7919504B2 (en) 2007-07-17 2011-04-05 Amgen Inc. Thiadiazole modulators of PKB

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