JPH0871A - アブラナ科作物の育苗方法 - Google Patents
アブラナ科作物の育苗方法Info
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- JPH0871A JPH0871A JP6134147A JP13414794A JPH0871A JP H0871 A JPH0871 A JP H0871A JP 6134147 A JP6134147 A JP 6134147A JP 13414794 A JP13414794 A JP 13414794A JP H0871 A JPH0871 A JP H0871A
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- seedling
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- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】アブラナ科作物の根こぶ病を防除し、品質及び
収量の安定化をはかることのできる育苗方法を提供す
る。 【構成】アブラナ科作物の定植前の苗の根に、根こぶ病
防除薬の水和剤またはフロアブル剤の潅注処理または浸
漬処理を行なうことによって、根の表面に前記根こぶ病
防除薬の被膜を形成する。
収量の安定化をはかることのできる育苗方法を提供す
る。 【構成】アブラナ科作物の定植前の苗の根に、根こぶ病
防除薬の水和剤またはフロアブル剤の潅注処理または浸
漬処理を行なうことによって、根の表面に前記根こぶ病
防除薬の被膜を形成する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、キャベツ・ブロッコリ
ー・カリフラワー・ハクサイ・ナバナなどのアブラナ科
の野菜や花き作物を侵す根こぶ病を防除する育苗方法に
関するものである。
ー・カリフラワー・ハクサイ・ナバナなどのアブラナ科
の野菜や花き作物を侵す根こぶ病を防除する育苗方法に
関するものである。
【０００２】
【従来の技術】根こぶ病はアブラナ科野菜や花き作物に
のみ特異的に発病し、連作によって土壌中の菌濃度が年
々高くなり、ついにはアブラナ科作物の栽培を不可能に
する土壌病害であり、大きな経済的被害を及ぼしてい
る。
のみ特異的に発病し、連作によって土壌中の菌濃度が年
々高くなり、ついにはアブラナ科作物の栽培を不可能に
する土壌病害であり、大きな経済的被害を及ぼしてい
る。
【０００３】根こぶ病菌の感染源は、根こぶ組織の崩壊
に伴い土壌中に遊離し、分散する休眠胞子を形成し、厚
い細胞膜を被って土壌中に休眠して数年間は生存する。
に伴い土壌中に遊離し、分散する休眠胞子を形成し、厚
い細胞膜を被って土壌中に休眠して数年間は生存する。
【０００４】この休眠胞子は好適な条件で植物の根が近
づくと休眠が破れ、発芽して、第一次遊走子となって根
毛から侵入する。これは根毛感染または第一次感染と呼
ばれている。
づくと休眠が破れ、発芽して、第一次遊走子となって根
毛から侵入する。これは根毛感染または第一次感染と呼
ばれている。
【０００５】根毛から侵入した第一次遊走子は、根毛細
胞内で分裂、増殖し、遊走子のうが形成され、そこから
土壌中へ第二次遊走子として放出される。放出された第
二次遊走子は皮層細胞内に侵入して皮層感染を行ない、
組織を刺激して組織細胞の分裂と肥大を誘発してその中
で休眠胞子を増やし、典型的な根こぶを形成する。した
がって茎葉は生育が衰えて矮小となり、葉は淡黄化して
下葉から落葉し、早晩植物全体が萎凋枯死し、収穫が皆
無の状態となることもまれではない。
胞内で分裂、増殖し、遊走子のうが形成され、そこから
土壌中へ第二次遊走子として放出される。放出された第
二次遊走子は皮層細胞内に侵入して皮層感染を行ない、
組織を刺激して組織細胞の分裂と肥大を誘発してその中
で休眠胞子を増やし、典型的な根こぶを形成する。した
がって茎葉は生育が衰えて矮小となり、葉は淡黄化して
下葉から落葉し、早晩植物全体が萎凋枯死し、収穫が皆
無の状態となることもまれではない。
【０００６】アブラナ科作物の根こぶ病防除に当たって
は、耕種的防除方法として罹病根と汚染茎葉の除去によ
り伝播を防止する方法や、酸性土壌で発病しやすいの
で、土壌のｐＨを７．２以上に保つよう消石灰を施用す
る方法や、圃場の排水を良くして高畦栽培を行なう方法
や、また発生の多い地域においては、気温が発病に適し
た１８〜２５℃になる季節を避ける方法等が採られてい
る。
は、耕種的防除方法として罹病根と汚染茎葉の除去によ
り伝播を防止する方法や、酸性土壌で発病しやすいの
で、土壌のｐＨを７．２以上に保つよう消石灰を施用す
る方法や、圃場の排水を良くして高畦栽培を行なう方法
や、また発生の多い地域においては、気温が発病に適し
た１８〜２５℃になる季節を避ける方法等が採られてい
る。
【０００７】抵抗性品種の栽培は画期的な防除方法の一
つであるが、これを侵す菌レースの存在も軽視できな
い。
つであるが、これを侵す菌レースの存在も軽視できな
い。
【０００８】化学的防除方法としては、登録市販のＰＣ
ＮＢ剤やＴＰＮ剤が防除薬剤として使用されているが、
菌密度が年々増加するのに伴い施用薬剤量が増加し、薬
剤費が高額となるわりには実効果が上がらないのが現状
である。
ＮＢ剤やＴＰＮ剤が防除薬剤として使用されているが、
菌密度が年々増加するのに伴い施用薬剤量が増加し、薬
剤費が高額となるわりには実効果が上がらないのが現状
である。
【０００９】また物理的防除方法としては、土壌の熱処
理による消毒が挙げられるが、これは大きな面積の処理
には実際上適用不可能な方法といえる。
理による消毒が挙げられるが、これは大きな面積の処理
には実際上適用不可能な方法といえる。
【００１０】
【発明が解決しようとする問題】上記のように、アブラ
ナ科野菜や花き作物の根こぶ病は、連作障害が主要因の
土壌病害であり、生産物の収量低下や品質劣化をきた
し、時には収穫が皆無になることもある難病の一つであ
る。
ナ科野菜や花き作物の根こぶ病は、連作障害が主要因の
土壌病害であり、生産物の収量低下や品質劣化をきた
し、時には収穫が皆無になることもある難病の一つであ
る。
【００１１】その防除に当っては、すでに述べたような
薬剤施用等の土壌消毒によって土壌中の病原菌の活動を
抑え、密度を低下させるだけでなく、発病に関わるさま
ざまな環境要因を制御することが必要である。しかし必
要以上の防除手段を投入するのは過剰防除、過剰投資に
つながり、農業経営上好ましいことではない。
薬剤施用等の土壌消毒によって土壌中の病原菌の活動を
抑え、密度を低下させるだけでなく、発病に関わるさま
ざまな環境要因を制御することが必要である。しかし必
要以上の防除手段を投入するのは過剰防除、過剰投資に
つながり、農業経営上好ましいことではない。
【００１２】一般に薬剤による根こぶ病防除において
は、定植後２〜３週間内の一次感染を防ぐことによっ
て、ある程度の収穫が確保できることが分かっている。
そのために薬剤効果の持続期間を想定して播種や定植直
前に粉剤による土壌混和が行なわれているが、処理後の
天候等の条件により十分な効果が得られないことや、高
濃度の薬剤による根の障害などが問題点として挙げられ
ている。
は、定植後２〜３週間内の一次感染を防ぐことによっ
て、ある程度の収穫が確保できることが分かっている。
そのために薬剤効果の持続期間を想定して播種や定植直
前に粉剤による土壌混和が行なわれているが、処理後の
天候等の条件により十分な効果が得られないことや、高
濃度の薬剤による根の障害などが問題点として挙げられ
ている。
【００１３】本発明は、主として根こぶ病菌の第一次遊
走子が根毛より侵入する一次感染を防ぎ、生産の安定化
を提供することを目的とする。
走子が根毛より侵入する一次感染を防ぎ、生産の安定化
を提供することを目的とする。
【００１４】
【課題を解決するための手段と作用】本願の発明者ら
は、上記の課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結
果、定植前の苗の根に直接根こぶ病防除処理を施すこと
により、高い防除効果が得られることを見出だし、本願
発明の完成に至った。
は、上記の課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結
果、定植前の苗の根に直接根こぶ病防除処理を施すこと
により、高い防除効果が得られることを見出だし、本願
発明の完成に至った。
【００１５】まず、請求項１の育苗方法は、アブラナ科
作物の定植前の苗の根に根こぶ病防除薬の水和剤または
フロアブル剤の潅注処理または浸漬処理を行なうことに
よって、根の表面に前記根こぶ病防除薬の被膜を形成す
ることを特徴とするものである。この育苗方法によれ
ば、定植前の苗の根の表面に形成された根こぶ病防除薬
の水和剤またはフロアブル剤（以下、これらを総称して
防除薬剤、または単に薬剤という）の被膜が、圃場への
定植後、根こぶ病の休眠胞子に対して強力な殺菌作用を
発揮してその発芽を抑制し、根こぶ病菌（Ｐｌａｓｍｏ
ｄｉｏｐｈｏｒａｂｒａｓｓｉｃａｅ Ｗｏｒｏｎｉ
ｎ）の急速な侵入すなわち一時感染を阻止する。
作物の定植前の苗の根に根こぶ病防除薬の水和剤または
フロアブル剤の潅注処理または浸漬処理を行なうことに
よって、根の表面に前記根こぶ病防除薬の被膜を形成す
ることを特徴とするものである。この育苗方法によれ
ば、定植前の苗の根の表面に形成された根こぶ病防除薬
の水和剤またはフロアブル剤（以下、これらを総称して
防除薬剤、または単に薬剤という）の被膜が、圃場への
定植後、根こぶ病の休眠胞子に対して強力な殺菌作用を
発揮してその発芽を抑制し、根こぶ病菌（Ｐｌａｓｍｏ
ｄｉｏｐｈｏｒａｂｒａｓｓｉｃａｅ Ｗｏｒｏｎｉ
ｎ）の急速な侵入すなわち一時感染を阻止する。
【００１６】特に請求項２に記載のように、前記定植前
の苗の根に根鉢を形成させ、この根鉢を形成している根
に前記防除薬剤の潅注処理または浸漬処理を行なうと、
根鉢全体に薬剤が保持され、それによって定植前の苗の
根全体に薬剤の被膜がまんべんなく形成されるので、高
い防除効果を上げることができる。定植前の苗の根に根
鉢を形成させるための方法は特に限定されないが、請求
項３に記載のように、トレー育苗、ペーパーポット育
苗、ソイルブロック育苗、ポット育苗等の従来から用い
られている方法を好適に用いることができる。
の苗の根に根鉢を形成させ、この根鉢を形成している根
に前記防除薬剤の潅注処理または浸漬処理を行なうと、
根鉢全体に薬剤が保持され、それによって定植前の苗の
根全体に薬剤の被膜がまんべんなく形成されるので、高
い防除効果を上げることができる。定植前の苗の根に根
鉢を形成させるための方法は特に限定されないが、請求
項３に記載のように、トレー育苗、ペーパーポット育
苗、ソイルブロック育苗、ポット育苗等の従来から用い
られている方法を好適に用いることができる。
【００１７】本発明で用いる根こぶ病防除薬は、潅注処
理または浸漬処理を行なうことができるように、水等の
液体に溶解または分散可能なものであればよく、その種
類は特に限定されないが、請求項４に記載のフルアジナ
ム剤、ＰＣＮＢ剤、ＴＰＮ剤、フルスルファミド剤が、
根こぶ病防除効果が優れ、また入手も容易なことから特
に使用に適している。なお、本発明には、水和剤とフロ
アブル剤のどちらも使用可能であるが、現時点では、フ
ルアジナム剤、ＰＣＮＢ剤、ＴＰＮ剤の水和剤が一般に
市販されており、入手が容易である。これらの水和剤
は、粉末で販売されている場合と、液状で販売されてい
る場合とがあるが、粉末のものは適量の水に投入して懸
濁させて使用し、液状のものは水等で適当な濃度に希釈
して使用する。
理または浸漬処理を行なうことができるように、水等の
液体に溶解または分散可能なものであればよく、その種
類は特に限定されないが、請求項４に記載のフルアジナ
ム剤、ＰＣＮＢ剤、ＴＰＮ剤、フルスルファミド剤が、
根こぶ病防除効果が優れ、また入手も容易なことから特
に使用に適している。なお、本発明には、水和剤とフロ
アブル剤のどちらも使用可能であるが、現時点では、フ
ルアジナム剤、ＰＣＮＢ剤、ＴＰＮ剤の水和剤が一般に
市販されており、入手が容易である。これらの水和剤
は、粉末で販売されている場合と、液状で販売されてい
る場合とがあるが、粉末のものは適量の水に投入して懸
濁させて使用し、液状のものは水等で適当な濃度に希釈
して使用する。
【００１８】
【実施例】以下、本発明の実施例について比較例と併せ
て説明する。
て説明する。
【００１９】実施例１・比較例１ 定植前のハクサイ（品種：無双）の苗床に、ＰＣＮＢ水
和剤（ペンタゲン水和剤７５、北海三共（株）製）・フ
ルアジナム水和剤（フロンサイド水和剤、石原産業
（株）製）・ＴＰＮ水和剤（ダコニール水和剤、武田薬
品工業（株）製）の各水和剤（市販薬剤）を水で５００
倍・７５０倍・１０００倍・１５００倍の濃度に希釈し
たものを苗１株当たり１５ｍｌずつ潅注処理し、処理後
の苗を汚染土を入れたプランターに定植した。比較例と
して、連結育苗鉢（プラグトレー）に播種する直前に、
ＰＣＮＢ粉剤（ペンタゲン粉剤、三共（株）製）・フル
アジナム粉剤（フロンサイド粉剤、石原産業（株）製）
・ＴＰＮ粉剤（ダコソイル、武田薬品工業（株）製）・
フルスルファミド剤（ネビジン粉剤、三井東圧化学
（株）製）の各粉剤を表１に示した濃度（土１リットル
当たりの混和量）で育苗培土に混和処理した。この苗
を、実施例と同様に汚染土を入れたプランターに定植し
た。さらに別の比較例として、潅注処理も混和処理も行
なわずに播種し育苗した苗を汚染土を入れたプランター
に定植した。これらの各試験区で、定植から５０日後に
発病程度の比較をした。その結果を表１に併せて示す。
和剤（ペンタゲン水和剤７５、北海三共（株）製）・フ
ルアジナム水和剤（フロンサイド水和剤、石原産業
（株）製）・ＴＰＮ水和剤（ダコニール水和剤、武田薬
品工業（株）製）の各水和剤（市販薬剤）を水で５００
倍・７５０倍・１０００倍・１５００倍の濃度に希釈し
たものを苗１株当たり１５ｍｌずつ潅注処理し、処理後
の苗を汚染土を入れたプランターに定植した。比較例と
して、連結育苗鉢（プラグトレー）に播種する直前に、
ＰＣＮＢ粉剤（ペンタゲン粉剤、三共（株）製）・フル
アジナム粉剤（フロンサイド粉剤、石原産業（株）製）
・ＴＰＮ粉剤（ダコソイル、武田薬品工業（株）製）・
フルスルファミド剤（ネビジン粉剤、三井東圧化学
（株）製）の各粉剤を表１に示した濃度（土１リットル
当たりの混和量）で育苗培土に混和処理した。この苗
を、実施例と同様に汚染土を入れたプランターに定植し
た。さらに別の比較例として、潅注処理も混和処理も行
なわずに播種し育苗した苗を汚染土を入れたプランター
に定植した。これらの各試験区で、定植から５０日後に
発病程度の比較をした。その結果を表１に併せて示す。
【００２０】
【表１】
【００２１】この試験は１２月播種で最も気温の低い時
期に当たったが、まずまず良好な発病が見られ、表１に
も示されているように次のようなことが分かった。
期に当たったが、まずまず良好な発病が見られ、表１に
も示されているように次のようなことが分かった。
【００２２】粉剤混和試験区は、どの薬剤を用いた処理
区においても明らかな効果は見られなかった。これは播
種直前に防除薬剤を土壌混和しても、定植時には薬剤効
果を失っていたためと考えられる。
区においても明らかな効果は見られなかった。これは播
種直前に防除薬剤を土壌混和しても、定植時には薬剤効
果を失っていたためと考えられる。
【００２３】防除薬水和剤の潅注試験区は粉剤混和区と
比較して明らかに防除効果があり、特にフルアジナム水
和剤処理区においては顕著な防除効果が見られた。
比較して明らかに防除効果があり、特にフルアジナム水
和剤処理区においては顕著な防除効果が見られた。
【００２４】実施例２・比較例２ ハクサイ（品種：無双）の連結育苗鉢（プラグトレー）
苗に、フルアジナム水和剤（フロンサイド水和剤、石原
産業（株）製）を水で５００倍・７５０倍・１０００倍
・１５００倍の濃度に希釈した希釈液を苗１株あたり１
５ｍｌずつ潅注処理したものと、無処理の苗とを汚染土
を入れたプランターに定植し、実施例１と同様にして根
こぶ病の発生防除効果を調べた。その結果を表２に示
す。
苗に、フルアジナム水和剤（フロンサイド水和剤、石原
産業（株）製）を水で５００倍・７５０倍・１０００倍
・１５００倍の濃度に希釈した希釈液を苗１株あたり１
５ｍｌずつ潅注処理したものと、無処理の苗とを汚染土
を入れたプランターに定植し、実施例１と同様にして根
こぶ病の発生防除効果を調べた。その結果を表２に示
す。
【００２５】
【表２】
【００２６】表２から分かるように、無処理区と比較し
て、フルアジナム水和剤処理区、特に５００倍・７５０
倍希釈の処理区において顕著な防除効果が見られた。な
お、処理区での根こぶの発生状況は、１個〜若干数の小
さいものが、薬剤の存在する根鉢から突出した部分に発
生したのみであった。
て、フルアジナム水和剤処理区、特に５００倍・７５０
倍希釈の処理区において顕著な防除効果が見られた。な
お、処理区での根こぶの発生状況は、１個〜若干数の小
さいものが、薬剤の存在する根鉢から突出した部分に発
生したのみであった。
【００２７】実施例３・比較例３ ブロッコリー（品種：エンデバー）の連結育苗鉢（プラ
グトレー）苗にフルアジナム水和剤（フロンサイド水和
剤、石原産業（株）製）の１０００倍液を底面より鉢全
体に吸わせた処理苗と無処理苗とを発病圃場に定植し、
定植から１６０日後に根こぶ病の発生防除効果を調査し
た。その結果を表３及び表４に示す。
グトレー）苗にフルアジナム水和剤（フロンサイド水和
剤、石原産業（株）製）の１０００倍液を底面より鉢全
体に吸わせた処理苗と無処理苗とを発病圃場に定植し、
定植から１６０日後に根こぶ病の発生防除効果を調査し
た。その結果を表３及び表４に示す。
【００２８】
【表３】
【００２９】
【表４】
【００３０】表３に示す通り、フルアジナム水和剤１０
００倍液を底面から吸わせた処理苗は、無処理苗に比較
して発病率（発病株率Ａ）は同じでも根こぶの発生程度
（発病株率Ｂ）に大きな差を生じた。処理区において発
生した根こぶの大部分は、薬剤の存在する根鉢から突出
した側根で発生していた。
００倍液を底面から吸わせた処理苗は、無処理苗に比較
して発病率（発病株率Ａ）は同じでも根こぶの発生程度
（発病株率Ｂ）に大きな差を生じた。処理区において発
生した根こぶの大部分は、薬剤の存在する根鉢から突出
した側根で発生していた。
【００３１】収穫物調査は、１株おきに１０個体を抜き
取り、花蕾重（ｇ）・花蕾長径（ｃｍ）・茎径（ｃｍ）
を測定した。結果は表４に示すように、処理区のものは
無処理区のものと比較して、花蕾重が平均値で１．９
倍、花蕾の大きさ（長径）が平均値で１．４倍であっ
た。このことは、一次感染を防いで初期感染を遅らせれ
ば、側根に多少の根こぶが発生しようとも、良好な収穫
が得られることを実証している。
取り、花蕾重（ｇ）・花蕾長径（ｃｍ）・茎径（ｃｍ）
を測定した。結果は表４に示すように、処理区のものは
無処理区のものと比較して、花蕾重が平均値で１．９
倍、花蕾の大きさ（長径）が平均値で１．４倍であっ
た。このことは、一次感染を防いで初期感染を遅らせれ
ば、側根に多少の根こぶが発生しようとも、良好な収穫
が得られることを実証している。
【００３２】以上のように、本発明はアブラナ科野菜や
花き作物の根こぶ病多発地域の栽培において、根こぶ病
の発生を抑制し、収穫物の品質及び収量を安定化するこ
とができる極めて有効な育苗方法である。
花き作物の根こぶ病多発地域の栽培において、根こぶ病
の発生を抑制し、収穫物の品質及び収量を安定化するこ
とができる極めて有効な育苗方法である。
【００３３】
【発明の効果】請求項１の育苗方法によれば、根こぶ病
菌の第一次遊走子が根毛より侵入する一次感染を防ぐこ
とにより根こぶ病を防除し、従来の方法よりはるかに効
果的に品質及び収量の安定化をはかることができる。ま
た、この方法によれば、薬剤を土壌混和する方法と比較
して、薬剤を無駄なく有効に利用することができるの
で、防除に要する経費を削減することも可能になる。
菌の第一次遊走子が根毛より侵入する一次感染を防ぐこ
とにより根こぶ病を防除し、従来の方法よりはるかに効
果的に品質及び収量の安定化をはかることができる。ま
た、この方法によれば、薬剤を土壌混和する方法と比較
して、薬剤を無駄なく有効に利用することができるの
で、防除に要する経費を削減することも可能になる。
【００３４】請求項２および３の育苗方法によれば、根
鉢に薬剤が保持され、根全体に薬剤の被膜がまんべんな
く形成されるので、根鉢を形成させない場合と比較し
て、より効果的かつ効率的に根こぶ病を防除することが
できる。
鉢に薬剤が保持され、根全体に薬剤の被膜がまんべんな
く形成されるので、根鉢を形成させない場合と比較し
て、より効果的かつ効率的に根こぶ病を防除することが
できる。
【００３５】請求項４の育苗方法によれば、これらの根
こぶ病防除剤の優れた薬効により、高い防除効果を上げ
ることができる。
こぶ病防除剤の優れた薬効により、高い防除効果を上げ
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ａ０１Ｎ 43/40 １０１ Ｊ (72)発明者 徳田 稔 滋賀県甲賀郡甲西町針1360番地 タキイ種 苗株式会社研究農場内 (72)発明者 塩見 寛 滋賀県甲賀郡甲西町針1360番地 タキイ種 苗株式会社研究農場内 (72)発明者 小杉 一夫 滋賀県甲賀郡甲西町針1360番地 タキイ種 苗株式会社研究農場内 (72)発明者 辻本 建男 滋賀県甲賀郡甲西町夏見八田ヶ谷1966 株 式会社テイエス植物研究所内
Claims (4)
- 【請求項１】アブラナ科作物の育苗方法であって、定植
前の苗の根に根こぶ病防除薬の水和剤またはフロアブル
剤の潅注処理または浸漬処理を行なうことによって、根
の表面に前記根こぶ病防除薬の被膜を形成することを特
徴とする育苗方法。 - 【請求項２】前記定植前の苗の根に根鉢を形成させ、こ
の根鉢を形成している根に前記根こぶ病防除薬の水和剤
またはフロアブル剤の潅注処理または浸漬処理を行なう
ことを特徴とする請求項１に記載の育苗方法。 - 【請求項３】前記定植前の苗の根に根鉢を形成させるた
めに、トレー育苗、ペーパーポット育苗、ソイルブロッ
ク育苗、ポット育苗からなる群のうちのいずれか１以上
を行なうことを特徴とする請求項２に記載の育苗方法。 - 【請求項４】前記根こぶ病防除薬が、フルアジナム剤、
ＰＣＮＢ剤、ＴＰＮ剤、フルスルファミド剤からなる群
のうちのいずれか１以上であることを特徴とする請求項
１〜３のいずれか１項に記載の育苗方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6134147A JP2582045B2 (ja) | 1994-06-16 | 1994-06-16 | アブラナ科作物の育苗方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6134147A JP2582045B2 (ja) | 1994-06-16 | 1994-06-16 | アブラナ科作物の育苗方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0871A true JPH0871A (ja) | 1996-01-09 |
| JP2582045B2 JP2582045B2 (ja) | 1997-02-19 |
Family
ID=15121570
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6134147A Expired - Lifetime JP2582045B2 (ja) | 1994-06-16 | 1994-06-16 | アブラナ科作物の育苗方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2582045B2 (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006129510A1 (ja) * | 2005-06-01 | 2006-12-07 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | 農薬の省力的施用方法 |
| JP2007308375A (ja) * | 2005-06-01 | 2007-11-29 | Nissan Chem Ind Ltd | 農薬の省力的施用方法 |
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