JPS6054305A - 農園芸作物のウイルス病抑制方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は甘蔗廃糖蜜を用いる農園芸作物のウィルス病抑
制方法に関する。

畑あるいは温室等の各種施設で栽培されるトマト、ピー
マン、ザザゲ、インゲン、キュウリ、スイカなどはタバ
コモザイクウィルス（ＴＭＶ）　、キュウリモザイクウ
ィルス（ＣＭＶ）、キュウリ緑斑モザイクウィルス（Ｃ
ＧＭＭＶ）などの植物ウィルスによるモザイク病や萎縮
病に罹病し莫大な被害を受けることが多い。どれらの植
物ウィルスは他作物、雛草１種子、土壌、土壌中の残根
などの中に存在し、昆虫の吸汗や人為的な接触（例えば
農機具１人の手や衣服による接触）あるいは移植や定植
の際の土壌との接触等によって作物に伝播され、−次感
染が成立すると、農作業などの人為的接触によって畑あ
るいは施設全体に蔓延する。

このように、農園芸作物のウィルス病は、ウィルスと作
物との接触によって感染するものであり。

その抑制のためには広範囲な対策が必要となってくる。

しだがって、ウィルス病抑制のために用いる物質として
は、抗ウィルス活性が優れていることはもとより、入手
が容易であり、コストが安く。

かつ、安全性を有するものが望ましい。

ところで、本発明者らは先に植物細胞壁ヘミセルロース
の構成成分であるキシログルカン、アラピノキシラン等
のへテログリカンが抗ウィルス活性を有するととを見出
し、多くの特許出願をしている（例えば特開昭５７−１
０６６２４号参照）。

しかしながら、これらの植物細胞壁ヘミセルロースから
抗ウィルス活性を有するヘテログリカン等の成分を有効
に抽出するためには、原料を煮沸したり酵素処理したり
する必要がある。このため。

得られた抗ウィルス剤は比較的高価なものとなり、農作
業において手軽に用いることができない。

したがって１本発明の目的は、より効果的でかつ実用的
な農園芸作物のウィルス病抑制方法を提供することにあ
る。

本発明者らは、上記目的を達成するため５種々の物質に
ついて抗ウィルス活性を調べた結果、驚くべきことに甘
蔗廃糖蜜が優れた抗ウィルス活性を有することを見出し
１本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は甘蔗廃糖蜜を用いることを特徴とす
る農園芸作物のウィルス病抑制方法である。

甘蔗廃糖蜜は、砂糖きびを原料として砂糖を製造する過
程において、経済的な見地から砂糖の回収をするととが
できない最後に残った暗黒色、粘稠な糖蜜である。この
１士蔗廃れ１１蜜に１、極めて安価に得られ、アルコー
ル発酵々どの原料として利用されている。

前述したように、バガス等の植物細胞壁ヘミセルロース
の構成成分であるキシログルカン、アラビノキシラン等
のへテログリカンは抗ウィルス活性を有することが確認
されているが、砂糖の製造過程において砂糖きびを圧搾
して搾汁を得る際にこれらのへテログリカンが搾汁中に
混入し、甘蔗廃糖蜜中に残存している。しだがって、甘
蔗廃糖蜜中には多重゛のヘテログリカンが含丑れており
、これらの成分が抗ウィルス活性を発現するものと考え
られる。

本発明の実施に際１〜．甘蔗廃糖蜜は好ましくは水等に
よって適宜濃度に希釈して用いるのがよい。

まだ、作物によっては薬害を生じることがあるので、蒸
気吹込み等を行なって、膠質物質や各種金属類を沈殿除
去することが好ましい。

本発明の実施の態様としては種々の態様が考えられる。

例えば、甘蔗廃糖蜜を１０〜１００倍に希釈して作物の
茎葉に散布してもよい。寸だ、作物の移植や定植時に、
根部を甘蔗廃糖蜜もしくはその希釈液に浸漬してもよい
。さらに、作業時に手指や農機具を甘蔗廃糖蜜もしくけ
その希釈液に浸漬するようにしてもよい。さらに寸だ、
甘蔗廃糖蜜の希釈液を土壌中に注入してもよい。そして
、ウィルス病をより効果的に抑制するためには、これら
の方法を総合的に組合せることが好ましい。

次に本発明の詳細な説明する。

実施例１ 〈タバコモザイクウィルス（ＴＭＶ）　に対する抑制効
果〉 甘蔗廃糖蜜を種々の濃度に希釈して試料１〜４を作製し
た。一方、ＴＭＶの２０００倍希釈液を用意した。検定
植物としてニコチアナ・グルチノーサ（Ｎ、　ｇｌｕｔ
ｉｎｏｓａ　）を使用し、各試料にＴＭＶの希釈液を混
合して、生葉に接種した。まだ、対照生葉にＴＭＶの希
釈液のみを接種１〜だ。そして。

試験区と対照区の局部病斑数を測定し、試験区の対照区
に対する局部病斑形成阻市率をめた。結果を第１表に示
す。

第１表 （※局部病斑数） 上表から、甘蔗廃糖蜜の希釈液を用いた場合のウィルス
病抑制効果は明らかである。なお、−１ｆ蔗廃糖蜜の希
釈濃度は１００倍くらい寸では、はとんど効果に差異が
ないことがわかる。

実施例２ 〈カポチャモザイクウィルス（ＷＭＶ）に対する抑制効
果〉 実施例１と同様に、甘蔗廃糖蜜を種々の濃度に希釈して
試料１〜４を作製した。検定植物としてキュウリ（シカ
ゴピツクリン）を使用し、この苗の茎葉に上記試料１〜
４の希釈液を散布した後、ＷＭＶの５０倍希釈液を接種
した。ＷＭＶを接種してから２週間後に発病の有無を検
定し７た。なお。

対照として甘蔗廃糖蜜の希釈液を散布し々いものについ
て、同様に発病の有無を検定した。結果を第２表に示す
。

第２表 上表から、甘蔗廃糖蜜の希釈液をウィルスとは別にあら
かじめ散布しても、ウィルス病抑制効果があることがわ
かる。

以上説明したように、本発明によれば、甘蔗廃糖蜜とい
う極めて入手が容易で、低コストであり、かつ、安全性
のある物質を用いて、農園芸作物のウィルス病を効果的
に抑制することができ、その実用性から、ウィルス病抑
制対策に大きく貢献できるものと期待される。

特許出願人　野田食菌工業株式会社 代理人　弁理士　松井　茂

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 （１）甘蔗廃糖蜜を用いることを特徴とする農園芸作物
   のウィルス病抑制方法。 （２、特許請求の範囲第１項において、前記甘蔗廃糖蜜
   を１０〜１００倍に希釈１〜て茎葉に散布する農園芸作
   物のウィルス病抑制方法。 （３）特許請求の範囲第１項において、前記農園芸作物
   の定植時に根部を前記−ｔｔ　ｊｉｔｌ廃糖蜜に浸漬す
   る農園芸作物のウィルス病抑制方法。 （４）特許請求の範囲第１項において１作業時に手指を
   前記甘蔗廃糖蜜に浸漬する農園芸作物のウィルス病抑制
   方法。