JPH0871699A - 鋳造金型の中子支持体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金型によって中空の鋳物製品を製造する際に
用いる中子が、鋳込み中に設定位置がずれたり、破損す
ることなく確実に保持することができるようにする。 【構成】 芯金１の端に芯金の直径より大の鍔部２を設
け、芯金の外周に凹凸条３を設けていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金型によって中空の鋳
物製品を製造する際に使用する中子の支持体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、金型によって中空の鋳物製品を製
造する際に使用する中子は、一般にレジンなどの材料で
成形した中子の両端に、同質の材料で一体に巾木を突設
したもので、この両巾木を金型内に保持して中子を取り
付け、金型に溶湯を圧入して鋳込み、成形された後に製
品内に残った中子を破砕し、巾木によって製品に明けら
れた孔を通じて排出されるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の中
子は金型内に保持するために巾木が設けられるが、従来
の巾木は、前述のように中子と同質材で一体に突設した
もので、巾木の大きさは中子の大きさ及び重量などによ
って決まるが、巾木が大きいほど製品に明けられる孔が
大きくなり、後処理に不利になることから、実際には経
験値にもよるが許容範囲以下にした巾木を成形されるこ
とが多く、その場合鋳込みの圧力によって巾木の中子と
の付け根部分に亀裂が生じたり脱落して、正規の中空部
を成形できなくなる不良品を産出することが多く発生す
るため、従来は余儀無く許容範囲内の大きな巾木を成形
せざるを得ないのが現状であった。

【０００４】本発明は以上の問題を解決することにあ
り、前述の巾木による製品に残る孔を小さくすることが
でき、しかも鋳込湯の圧入にも支障を来すことがなく、
確実に中空の鋳物製品を製造することができる鋳造金型
の中子支持体を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明による解決手段
は、芯金の端に芯金の直径より大の鍔部を設け、芯金の
外周に凹凸条を設けていることを特徴とする。

【０００６】上記凹凸条をネジによって形成することが
好ましい。

【０００７】また、芯金に鍔部を通じて先端にまで貫通
する主孔と、主孔より放射方向に外周に開口する枝孔と
からなるガス抜き孔を備えても良い。

【０００８】

【作用】上記中子支持体を用いて中子を造る場合には、
芯金の凹凸条を設けた範囲内に例えばレジンなどによる
材料によって所要形状の中子を付着し、この中子を金型
にセットする時には、鍔部を金型に設けた凹部に係合す
ることにより、金型内に中子を保持することができ、そ
の中子が片持ち支持であっても、また大型の中子であっ
ても支障を来すことなく中空の鋳物製品を製造すること
ができるようになる。

【０００９】また、中子を凹凸条部分に付着するもので
あるから、付着性を増大することは勿論のこと湯の圧力
でずれ動くことがなく、中子を所定位置に設定して所望
される肉厚をもって製品化できるものである。

【００１０】

【実施例】本発明を具体的に説明すると、図１に示して
いるように、金属の棒体よりなる芯金１の一端に鍔部２
を一体に備え、芯金１の外周面に凹凸条３を設けたもの
を基本とするものである。

【００１１】上記の芯金１は主として丸棒であれば良い
が、これに限ることがなく四角、六角などの角棒材であ
っても良い。また鍔部２は図２に示しているように、当
然芯金１より大きく形成したもので、これも丸であって
も四角、六角などの角形のものであっても良い。更に凹
凸条３は、ボルトの雄ネジと同様のネジであっても良
く、あるいは図３の如く多数の環状凹溝によって形成し
ても良い。

【００１２】図４に示す例は、前記構造の支持体に、芯
金１にガス抜き孔４を設けたものであって、ガス抜き孔
４は鍔部２より芯金１の軸芯方向に貫通した主孔５と、
主孔５から外周に放射状に明けた複数の枝孔６とで形成
する。

【００１３】以上の中子支持体を使用して中子７を成形
し、金型にセットするには、図５に示しているように、
芯金１の凹凸条３が設けてある部分に、従来と同様にレ
ジンなどの材質によって中子７を成形しつつ付着し、金
型の上型８と下型９の縁に相対向して形成してある凹部
１０，１０内に鍔部２を嵌めて、中子７を金型内の中間
部に片持ちの状態で保持する。そこで金型に従来と同様
に湯を圧入して製品を成形する。

【００１４】また図６のように、前述と同様に成形した
一対の中子７，７を相対向して金型８，９内に設け、各
支持体の鍔部２，２を金型の凹部１０，１０内に嵌めて
取り付けても良い。

【００１５】以上のように設定して鋳物製品１１を成形
した後に金型８，９から取り出し、中子７を取り外すも
ので、その際、芯金１の凹凸条３が右ネジのものであれ
ば、芯金１を右ネジに対する逆方向に回転することによ
り、図７の如く芯金１を製品１１内より引き出すことが
でき、製品１１に引き抜いた後の孔１２の内周面に芯金
１のネジにより雌ネジ１３が刻設される。次いで製品１
１を加熱すると同時に製品内にその孔１２より酸素を注
入することにより、中子７の形態が崩れ元の粉状化され
排出される。以後、製品１１の孔１２を塞ぐなどの仕上
げ処理を施すものである。

【００１６】

【発明の効果】本発明による鋳造金型の中子支持体によ
れば、芯金に鍔部と凹凸条を設けたもので、この芯金に
中子を付着した際、凹凸条によって中子がずれ動くこと
がなく確実に強固に取り付けることができるようにな
る。また、金型に取り付ける際、金型に設けている凹部
に鍔部を嵌めて取り付けるものであるから、金型への設
定が容易であり、所定位置に簡単に設置することができ
る。

【００１７】前記凹凸条がネジであれば、芯金を中子か
ら外す際にネジの蔓巻方向と反対側に回転することによ
り、簡単に中子から外すことができ、また芯金を回転し
て抜く際に鋳物製品の芯金が突入する孔の内周面に雌ネ
ジが刻設され、後の仕上げ加工時にその孔を埋める栓を
ネジ込むことができ、栓の固着が確実になるという有利
さが得られるものである。

【００１８】また、中子支持体にガス抜き孔が設けてあ
れば、中子内に侵入するガスを抜いて鋳込み中の中子の
破損を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による鋳造金型の中子支持体を示す側面
図である。

【図２】（イ）（ロ）（ハ）同じく鍔部の形状を示す正
面図である。

【図３】本発明による鋳造金型の中子支持体の類例を示
す側面図である。

【図４】本発明による鋳造金型の中子支持体の更に他の
類例を示す断面図である。

【図５】本発明による鋳造金型の中子支持体を用いて成
形した中子の金型への取り付け状態を示す断面図であ
る。

【図６】本発明による鋳造金型の中子支持体を用いて成
形した中子の金型への他の取り付け状態を示す断面図で
ある。

【図７】鋳物製品から支持体を取り出す状態を示す斜視
図である。

【図８】鋳物製品から支持体を取り出した後の状態を示
す斜視図である。

【符号の説明】

１ 芯金 ２ 鍔部 ３ 凹凸条 ４ ガス抜き孔 ５ 主孔 ６ 枝孔 ７ 中子

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 芯金（１）の端に芯金の直径より大の鍔
   部（２）を設け、芯金の外周に凹凸条（３）を設けてい
   ることを特徴とする鋳造金型の中子支持体。
2. 【請求項２】 凹凸条（３）がネジであることを特徴と
   する請求項１に記載の鋳造金型の中子支持体。
3. 【請求項３】 芯金（１）に、鍔部（２）を通じて先端
   にまで貫通する主孔（５）と、主孔より放射方向に外周
   に開口する枝孔（６）とからなるガス抜き孔（４）を備
   えていることを特徴とする請求項１または２に記載の鋳
   造金型の中子支持体。