JPH08714B2 - 赤外線吸収ガラス - Google Patents
赤外線吸収ガラスInfo
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- JPH08714B2 JPH08714B2 JP3103185A JP10318591A JPH08714B2 JP H08714 B2 JPH08714 B2 JP H08714B2 JP 3103185 A JP3103185 A JP 3103185A JP 10318591 A JP10318591 A JP 10318591A JP H08714 B2 JPH08714 B2 JP H08714B2
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- JP
- Japan
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- glass
- infrared absorbing
- weather resistance
- linear expansion
- expansion coefficient
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外線吸収ガラスに関
し、より具体的には、Fe−Co系合金からなる磁性線
材を用いた大電流負荷対応型リ−ドスイッチを封入する
のに好適な赤外線吸収ガラスに関するものである。
し、より具体的には、Fe−Co系合金からなる磁性線
材を用いた大電流負荷対応型リ−ドスイッチを封入する
のに好適な赤外線吸収ガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】リードスイッチは、対向する磁性線材か
らなる接点と、これを封入するガラス管から構成され、
ガラス管の外側から磁界を与えることによって、接点の
開閉動作が行われるものである。磁性線材のガラス管へ
の封入は、不活性ガス、還元ガスあるいは真空下におい
て、ガラス管内部に磁性線材を挿入した状態でガラス管
の両端を加熱し、密封することによって行われる。その
ためこの加熱作業には、上記の雰囲気下において使用可
能な熱源、例えば金メッキ反射板で集光された石英−ヨ
ウ素ランプを用いた赤外線放射型熱源が利用され、この
ような事情からリードスイッチ用ガラスには、赤外線吸
収能力を備えていることが要求される。
らなる接点と、これを封入するガラス管から構成され、
ガラス管の外側から磁界を与えることによって、接点の
開閉動作が行われるものである。磁性線材のガラス管へ
の封入は、不活性ガス、還元ガスあるいは真空下におい
て、ガラス管内部に磁性線材を挿入した状態でガラス管
の両端を加熱し、密封することによって行われる。その
ためこの加熱作業には、上記の雰囲気下において使用可
能な熱源、例えば金メッキ反射板で集光された石英−ヨ
ウ素ランプを用いた赤外線放射型熱源が利用され、この
ような事情からリードスイッチ用ガラスには、赤外線吸
収能力を備えていることが要求される。
【0003】ところでリ−ドスイッチが開閉できる負荷
容量は、主にそこに用いられる磁性線材の組成の制限を
受け、従来より一般に用いられているFe−Ni系合金
からなる磁性線材で開閉できる負荷の容量は70W(1
00V−0.7A)程度が限度である。
容量は、主にそこに用いられる磁性線材の組成の制限を
受け、従来より一般に用いられているFe−Ni系合金
からなる磁性線材で開閉できる負荷の容量は70W(1
00V−0.7A)程度が限度である。
【0004】しかしながら近年種々の技術の進歩に伴
い、あるいは、自動化を進める上で、リ−ドスイッチで
100W(100V−1A)以上の家庭電化製品や、ロ
ボットのモ−タ−等を直接開閉する要求が増えつつあ
る。これらの大電流負荷対応型リ−ドスイッチに使用さ
れる磁性線材には、電気抵抗値が小さいこと、キュリ−
点が高いこと、熱伝導率が大きいことが要求され、その
ため従来のFe−Ni系合金からなる磁性線材に代わっ
て、上記各特性を満足する磁性線材、例えばFe−Co
系合金からなる磁性線材を使用することが試みられてい
る。
い、あるいは、自動化を進める上で、リ−ドスイッチで
100W(100V−1A)以上の家庭電化製品や、ロ
ボットのモ−タ−等を直接開閉する要求が増えつつあ
る。これらの大電流負荷対応型リ−ドスイッチに使用さ
れる磁性線材には、電気抵抗値が小さいこと、キュリ−
点が高いこと、熱伝導率が大きいことが要求され、その
ため従来のFe−Ni系合金からなる磁性線材に代わっ
て、上記各特性を満足する磁性線材、例えばFe−Co
系合金からなる磁性線材を使用することが試みられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようする課題】ところがFe−Co系合
金は、30〜380℃の温度範囲における線膨張係数が
130〜145×10-7/℃程度であり、そのためこの
ような合金からなる磁性線材を従来から提案されている
リードスイッチ用ガラス、例えば特公昭53−2283
0号公報に開示されているようなBaO、Al2 O3 、
SiO2 、K2O、Na2 O、FeOを主成分とし、線
膨張係数が118〜119×10-7/℃程度のバリウム
シリケ−トガラスで封入すると、両者の線膨張係数の差
が大きいためにガラスが割れたり、気密性が損なわれや
すい。
金は、30〜380℃の温度範囲における線膨張係数が
130〜145×10-7/℃程度であり、そのためこの
ような合金からなる磁性線材を従来から提案されている
リードスイッチ用ガラス、例えば特公昭53−2283
0号公報に開示されているようなBaO、Al2 O3 、
SiO2 、K2O、Na2 O、FeOを主成分とし、線
膨張係数が118〜119×10-7/℃程度のバリウム
シリケ−トガラスで封入すると、両者の線膨張係数の差
が大きいためにガラスが割れたり、気密性が損なわれや
すい。
【0006】 このようなバリウムシリケ−トガラスの
線膨張係数を大きくするためには、アルカリ金属酸化
物、すなわちR2 O(ただしRはLi、Na、Kを表
す)の含有量を増やせば良いが、単にR2 O量を増やす
だけでは、ガラスの体積抵抗率を大きく下げると共に、
耐候性の著しい劣化をまねく。このことは、リ−ドスイ
ッチの電気特性、経時変化等、リ−ドスイッチ機能およ
び信頼性の大幅な低下につながるために好ましくない。
線膨張係数を大きくするためには、アルカリ金属酸化
物、すなわちR2 O(ただしRはLi、Na、Kを表
す)の含有量を増やせば良いが、単にR2 O量を増やす
だけでは、ガラスの体積抵抗率を大きく下げると共に、
耐候性の著しい劣化をまねく。このことは、リ−ドスイ
ッチの電気特性、経時変化等、リ−ドスイッチ機能およ
び信頼性の大幅な低下につながるために好ましくない。
【0007】 本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
であり、30〜380℃の温度範囲において120〜1
40×10-7/℃の線膨張係数を有し、しかも大きい体
積抵抗率と優れた耐候性を有するため、大電流負荷対応
型リ−ドスイッチを良好に封入することが可能な赤外線
吸収ガラスを提供することを目的とするものである。
であり、30〜380℃の温度範囲において120〜1
40×10-7/℃の線膨張係数を有し、しかも大きい体
積抵抗率と優れた耐候性を有するため、大電流負荷対応
型リ−ドスイッチを良好に封入することが可能な赤外線
吸収ガラスを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、アルカリ
シリケ−トガラスを基本とし、R2 Oを比較的多量に含
有させながらも、Al2 O3 とZnOを適量含有させる
ことによって優れた耐候性を有し、しかも所望の線膨張
係数、体積抵抗率を有する赤外線吸収ガラスが得られる
ことを見い出し、本発明として提案するものである。
シリケ−トガラスを基本とし、R2 Oを比較的多量に含
有させながらも、Al2 O3 とZnOを適量含有させる
ことによって優れた耐候性を有し、しかも所望の線膨張
係数、体積抵抗率を有する赤外線吸収ガラスが得られる
ことを見い出し、本発明として提案するものである。
【0009】 すなわち本発明の赤外線吸収ガラスは、
重量百分率で、SiO240.0〜66.0%、Al2
O3 5.4〜15.0%、ZnO 1.0〜21.0
%、Li2 O 0〜10.0%、Na2 O+K2 O
7.0〜31.0%、Fe3 O4 0.1〜10.0%
の組成を有し、Li 2 O、Na 2 O、K 2 Oのうちの1
成分の含有量が、単独でR 2 O(ただしRは、Li、N
a、Kを示す)の総量の80%を超えず、30〜380
℃の温度範囲における線膨張係数が120〜140×1
0-7/℃、温度150℃における体積抵抗率が109 Ω
−cm以上であり、JIS R3502に基づくアルカ
リ溶出試験によるアルカリ溶出量が1.0mg未満の優
れた耐候性を有することを特徴とする。
重量百分率で、SiO240.0〜66.0%、Al2
O3 5.4〜15.0%、ZnO 1.0〜21.0
%、Li2 O 0〜10.0%、Na2 O+K2 O
7.0〜31.0%、Fe3 O4 0.1〜10.0%
の組成を有し、Li 2 O、Na 2 O、K 2 Oのうちの1
成分の含有量が、単独でR 2 O(ただしRは、Li、N
a、Kを示す)の総量の80%を超えず、30〜380
℃の温度範囲における線膨張係数が120〜140×1
0-7/℃、温度150℃における体積抵抗率が109 Ω
−cm以上であり、JIS R3502に基づくアルカ
リ溶出試験によるアルカリ溶出量が1.0mg未満の優
れた耐候性を有することを特徴とする。
【0010】 また本発明の赤外線吸収ガラスは、より
好ましくは、重量百分率で、SiO2 45.0〜6
5.0%、Al2 O3 5.5〜13.0%、ZnO
7.5〜20.0%、Li2 O 0.3〜8.0%、N
a2 O+K2 O 8.0〜30.0%、Fe3 O4
0.5〜9.0%の組成を有し、Li 2 O、Na 2 O、
K 2 Oのうちの1成分の含有量が、単独でR 2 O(ただ
しRは、Li、Na、Kを示す)の総量の80%を超え
ないことを特徴とする。
好ましくは、重量百分率で、SiO2 45.0〜6
5.0%、Al2 O3 5.5〜13.0%、ZnO
7.5〜20.0%、Li2 O 0.3〜8.0%、N
a2 O+K2 O 8.0〜30.0%、Fe3 O4
0.5〜9.0%の組成を有し、Li 2 O、Na 2 O、
K 2 Oのうちの1成分の含有量が、単独でR 2 O(ただ
しRは、Li、Na、Kを示す)の総量の80%を超え
ないことを特徴とする。
【0011】
【0012】
【作用】本発明の赤外線吸収ガラスを構成する各成分の
含有量を上記のように限定した理由は以下のとおりであ
る。
含有量を上記のように限定した理由は以下のとおりであ
る。
【0013】SiO2 は、ガラスの骨格を構成するため
に必要な主成分であるが、66.0%より多いと、線膨
張係数が低くなりすぎると共に溶解性が悪化し、40.
0%より少ないと、耐候性が悪化する。
に必要な主成分であるが、66.0%より多いと、線膨
張係数が低くなりすぎると共に溶解性が悪化し、40.
0%より少ないと、耐候性が悪化する。
【0014】Al2 O3 は、ガラスの耐候性を向上する
のに著しい効果があるが、15.0%を多いとガラスの
溶解が困難になり、5.4%より少ないと、上記の効果
が得られない。
のに著しい効果があるが、15.0%を多いとガラスの
溶解が困難になり、5.4%より少ないと、上記の効果
が得られない。
【0015】ZnOは、ガラスの粘度を低下すると共
に、ガラスの耐候性を向上させる効果を有するが、2
1.0%より多いと、ガラスの失透性が増し、均質なガ
ラスの製造が困難になり、1.0%より少ないと、上記
効果が得られない。
に、ガラスの耐候性を向上させる効果を有するが、2
1.0%より多いと、ガラスの失透性が増し、均質なガ
ラスの製造が困難になり、1.0%より少ないと、上記
効果が得られない。
【0016】 Li2 Oは、アルカリ金属酸化物である
が、体積抵抗率を高く維持しつつ、ガラスの線膨張係数
を大きくする効果を有している。しかしながら10.0
%より多いと、ガラスの耐候性、及び失透性が悪化する
ため好ましくない。
が、体積抵抗率を高く維持しつつ、ガラスの線膨張係数
を大きくする効果を有している。しかしながら10.0
%より多いと、ガラスの耐候性、及び失透性が悪化する
ため好ましくない。
【0017】 Na2 O及び、K2 Oは、Li2 Oと同
様に、ガラスの線膨張係数を大きくすると共に、ガラス
の溶融を促進する成分であるが、Na2 OとK2Oが、
合量で31.0%を越えると、ガラスの耐候性と体積抵
抗率が著しく悪化し、7.0%より少ないと、所定の線
膨張係数が得られないと共に、ガラスの溶融が困難にな
る。
様に、ガラスの線膨張係数を大きくすると共に、ガラス
の溶融を促進する成分であるが、Na2 OとK2Oが、
合量で31.0%を越えると、ガラスの耐候性と体積抵
抗率が著しく悪化し、7.0%より少ないと、所定の線
膨張係数が得られないと共に、ガラスの溶融が困難にな
る。
【0018】 またLi2 O、Na2 O、K2 Oのうち
の1成分の含有量が、単独でR2 Oの総量の80%を越
えない場合、混合アルカリ効果の作用によって、より優
れた耐候性と高い体積抵抗率を得ることが可能である。
の1成分の含有量が、単独でR2 Oの総量の80%を越
えない場合、混合アルカリ効果の作用によって、より優
れた耐候性と高い体積抵抗率を得ることが可能である。
【0019】Fe3 O4 は、ガラスに赤外線吸収能力を
持たせるために使用されるが、10.0%より多いと、
ガラス化が困難となり、0.1%より少ないと、上記効
果が得られない。
持たせるために使用されるが、10.0%より多いと、
ガラス化が困難となり、0.1%より少ないと、上記効
果が得られない。
【0020】尚、本発明のガラスにおいては、ガラスの
粘度の調整や失透性を改善する目的で、F、PbO、S
rO、BaO、B2 O3 等の各成分を10.0%まで添
加することが可能である。
粘度の調整や失透性を改善する目的で、F、PbO、S
rO、BaO、B2 O3 等の各成分を10.0%まで添
加することが可能である。
【0021】
【実施例】次に本発明の赤外線吸収ガラスを実施例に基
づいて詳細に説明する。
づいて詳細に説明する。
【0022】表1は、本発明の赤外線吸収ガラスの実施
例(試料No.1〜6)および比較例(試料No.7〜
9)の組成と特性を示すものである。
例(試料No.1〜6)および比較例(試料No.7〜
9)の組成と特性を示すものである。
【0023】
【表1】
【0024】表に示したNo.1〜9の各試料は、次の
ようにして調製した。
ようにして調製した。
【0025】 まず表に示す組成になるようにガラス原
料を調合し、還元剤として木粉を添加した後、白金坩堝
を用いて1500℃で4時間溶解した。溶解後、融液を
カ−ボン板上に流しだし、アニ−ルすることによって各
ガラス試料を作製し、それらの30〜380℃の温度範
囲における線膨張係数、アルカリ溶出量、温度150℃
における体積抵抗率、及び赤外線透過率を測定し、各特
性を表に示した。
料を調合し、還元剤として木粉を添加した後、白金坩堝
を用いて1500℃で4時間溶解した。溶解後、融液を
カ−ボン板上に流しだし、アニ−ルすることによって各
ガラス試料を作製し、それらの30〜380℃の温度範
囲における線膨張係数、アルカリ溶出量、温度150℃
における体積抵抗率、及び赤外線透過率を測定し、各特
性を表に示した。
【0026】 表から明らかなように、本発明の実施例
であるNo.1〜6の各試料は、線膨張係数が、12
1.5〜135.8×10-7/℃であり、Fe−Co系
合金のそれと近似しており、アルカリ溶出量が0.96
mg未満と優れた耐候性を有していた。また体積抵抗率
が109.3 Ω−cm以上と高く、しかも赤外線透過率が
3.8%以下であるため、高い赤外線吸収能力を有して
いることが理解できる。
であるNo.1〜6の各試料は、線膨張係数が、12
1.5〜135.8×10-7/℃であり、Fe−Co系
合金のそれと近似しており、アルカリ溶出量が0.96
mg未満と優れた耐候性を有していた。また体積抵抗率
が109.3 Ω−cm以上と高く、しかも赤外線透過率が
3.8%以下であるため、高い赤外線吸収能力を有して
いることが理解できる。
【0027】それに対し比較例であるNo.7の試料
は、Al2 O3 の含有量が4.5%、No.8の試料
は、ZnOの含有量が0.5%と少ないため、アルカリ
溶出量が1.10mg以上と高く、耐候性に劣るものと
判断される。さらにNo.9の試料は、Fe3 O4 の含
有量が0.05%と少ないため、赤外線透過率が90.
2%と高く、赤外線吸収能力が非常に低いことが理解で
きる。
は、Al2 O3 の含有量が4.5%、No.8の試料
は、ZnOの含有量が0.5%と少ないため、アルカリ
溶出量が1.10mg以上と高く、耐候性に劣るものと
判断される。さらにNo.9の試料は、Fe3 O4 の含
有量が0.05%と少ないため、赤外線透過率が90.
2%と高く、赤外線吸収能力が非常に低いことが理解で
きる。
【0028】尚、表中の線膨張係数は、自記示差熱膨張
計で、30〜380℃の温度範囲における平均線膨張係
数を測定したものである。
計で、30〜380℃の温度範囲における平均線膨張係
数を測定したものである。
【0029】 またアルカリ溶出量は、耐候性を判断す
るために行ったものであり、JISR3502に基づく
アルカリ溶出試験によって測定した。すなわちガラス表
面の劣化は、空気中の水分の作用によってガラス中のア
ルカリが表面に析出して、炭酸塩や水酸化物などの反応
生成物を形成することで進むものであり、アルカリ溶出
試験でアルカリ溶出量が多いガラスほど耐候性に劣り、
逆にアルカリ溶出量の少ないガラスほど耐候性に優れて
いると判断される。電子部品用のガラスとして、このよ
うな表面の劣化は、絶縁抵抗値を下げ、そして、リ−ド
スイッチの特性を悪化させるので、ガラスのアルカリ溶
出量が1.0mg未満であるような耐候性が要求され
る。
るために行ったものであり、JISR3502に基づく
アルカリ溶出試験によって測定した。すなわちガラス表
面の劣化は、空気中の水分の作用によってガラス中のア
ルカリが表面に析出して、炭酸塩や水酸化物などの反応
生成物を形成することで進むものであり、アルカリ溶出
試験でアルカリ溶出量が多いガラスほど耐候性に劣り、
逆にアルカリ溶出量の少ないガラスほど耐候性に優れて
いると判断される。電子部品用のガラスとして、このよ
うな表面の劣化は、絶縁抵抗値を下げ、そして、リ−ド
スイッチの特性を悪化させるので、ガラスのアルカリ溶
出量が1.0mg未満であるような耐候性が要求され
る。
【0030】 体積抵抗率は、ASTM C657−7
2に準じた試験法によって測定した値である。電子部品
用のガラスには、十分な絶縁性を得るために、150℃
における体積抵抗率は、109 Ω−cm以上が要求され
る。
2に準じた試験法によって測定した値である。電子部品
用のガラスには、十分な絶縁性を得るために、150℃
における体積抵抗率は、109 Ω−cm以上が要求され
る。
【0031】赤外線透過率は、ガラスを厚さ1mmの板
状に加工し、次いでその両面を鏡面研磨した後、これを
分光光度計を用いて波長1050nmにおける透過率を
測定したものである。リードスイッチを作製する際に、
効率良く封着を行うためには、赤外線透過率が10%以
下であることが必要である。
状に加工し、次いでその両面を鏡面研磨した後、これを
分光光度計を用いて波長1050nmにおける透過率を
測定したものである。リードスイッチを作製する際に、
効率良く封着を行うためには、赤外線透過率が10%以
下であることが必要である。
【0032】
【発明の効果】 以上のように本発明の赤外線吸収ガラ
スは、Fe−Co系合金からなる磁性線材との封着に適
した120〜140×10-7/℃の線熱膨張係数を有
し、150℃における体積抵抗率が109 Ω−cm以上
であり、しかも優れた耐候性を有するため、高い信頼性
が要求される電子部品用等の大電流負荷型リ−ドスイッ
チ用ガラスとして好適である。
スは、Fe−Co系合金からなる磁性線材との封着に適
した120〜140×10-7/℃の線熱膨張係数を有
し、150℃における体積抵抗率が109 Ω−cm以上
であり、しかも優れた耐候性を有するため、高い信頼性
が要求される電子部品用等の大電流負荷型リ−ドスイッ
チ用ガラスとして好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量百分率で、SiO2 40.0〜6
6.0%、Al2 O35.4〜15.0%、ZnO
1.0〜21.0%、Li2 O 0〜10.0%、Na
2 O+K2 O 7.0〜31.0%、Fe3 O4 0.
1〜10.0%の組成を有し、Li 2 O、Na 2 O、K
2 Oのうちの1成分の含有量が、単独でR 2 O(ただし
Rは、Li、Na、Kを示す)の総量の80%を超え
ず、30〜380℃の温度範囲における線膨張係数が1
20〜140×10-7/℃、温度150℃における体積
抵抗率が109 Ω−cm以上であり、JIS R350
2に基づくアルカリ溶出試験によるアルカリ溶出量が
1.0mg未満の優れた耐候性を有することを特徴とす
る赤外線吸収ガラス。 - 【請求項2】 重量百分率で、SiO2 45.0〜6
5.0%、Al2 O35.5〜13.0%、ZnO
7.5〜20.0%、Li2 O 0.3〜8.0%、N
a2 O+K2 O 8.0〜30.0%、Fe3 O4
0.5〜9.0%の組成を有し、Li 2 O、Na 2 O、
K 2 Oのうちの1成分の含有量が、単独でR 2 O(ただ
しRは、Li、Na、Kを示す)の総量の80%を超え
ず、30〜380℃の温度範囲における線膨張係数が1
20〜140×10-7/℃、温度150℃における体積
抵抗率が109 Ω−cm以上であり、JIS R350
2に基づくアルカリ溶出試験によるアルカリ溶出量が
1.0mg未満の優れた耐候性を有することを特徴とす
る赤外線吸収ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3103185A JPH08714B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | 赤外線吸収ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3103185A JPH08714B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | 赤外線吸収ガラス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04310537A JPH04310537A (ja) | 1992-11-02 |
JPH08714B2 true JPH08714B2 (ja) | 1996-01-10 |
Family
ID=14347458
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3103185A Expired - Lifetime JPH08714B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | 赤外線吸収ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08714B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3902333B2 (ja) | 1998-06-24 | 2007-04-04 | 日本電気硝子株式会社 | リードスイッチ用赤外線吸収ガラス |
EP1153895A4 (en) | 1999-08-30 | 2004-04-14 | Nippon Electric Glass Co | INFRARED RAYS FILTERING GLASS FOR BLADE SWITCHES |
JP2004067460A (ja) * | 2002-08-07 | 2004-03-04 | Central Glass Co Ltd | ガラス組成物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60215546A (ja) * | 1984-04-06 | 1985-10-28 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 赤外線吸収ガラス |
US4792536A (en) * | 1987-06-29 | 1988-12-20 | Ppg Industries, Inc. | Transparent infrared absorbing glass and method of making |
-
1991
- 1991-04-08 JP JP3103185A patent/JPH08714B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04310537A (ja) | 1992-11-02 |
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