JPH0870895A - フィブリノゲン測定方法およびその測定試薬 - Google Patents

フィブリノゲン測定方法およびその測定試薬

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血漿検体を希釈することなくフィブリノゲン
測定を行う方法およびそのための試薬の提供。 【構成】 検体にトロンビンまたは同様な活性を有する
プロテアーゼを添加して検体中のフィブリノゲンをフィ
ブリンに変換し、凝固時間を測定することからなる検体
中のフィブリノゲン測定方法であって、未希釈の検体を
用い、高濃度の塩を含有する反応液中で、フィブリノゲ
ンの変換を行うことを特徴とする方法、およびそのため
の試薬。 【効果】 高濃度の塩の存在下で反応を行うことによ
り、検体を希釈することなく測定でき、従来の希釈法に
比べ操作が簡便となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血漿検体を希釈すること
なくフィブリノゲン測定を行う方法および試薬に関す
る。
【0002】
【従来技術】フィブリノゲンは分子量340000の糖
蛋白であり、血液凝固の最後の反応に係わる重要な血液
凝固因子である。フィブリノゲンはトロンビンの作用に
より限定分解を受けフィブリンとなり、凝集塊を形成
し、凝固反応を完結に導くゆえに、凝固反応にとって不
可欠である。血中フィブリノゲンの量の増減は各種疾患
と密接な関係を有する。各種の感染症、悪性腫瘍、脳卒
中、心筋梗塞、膠原病、糖尿病、妊娠中毒症、ネフロー
ゼ等においては、フィブリノゲン量は上昇し、これに対
し、先天性の減少症や肝障害、大量出血、播種性血管内
凝固症候群(DIC)、線溶の亢進状態ではフィブリノ
ゲン量は減少する。このように種々の疾患や血液学的診
断のために、フィブリノゲン量の測定は重要な血液凝固
検査の一つである。
【0003】フィブリノゲン測定のための多くの方法が
知られている。大別して、フィブリノゲンがトロンビン
によってフィブリンになる過程ないしは生成物を測定す
る凝血学的測定法、フィブリノゲンそのものを免疫学的
に測定する方法、塩析法を用いた比濁法(特開昭60−
53848号公報)等がある。
【0004】免疫学的方法や比濁法では、異常フィブリ
ノゲンや、フィブリノゲンとフィブリンおよびその分解
産物を十分に識別することができず、又、非特異的反応
を排除することができないので、フィブリノゲン測定値
が不正確であったり、測定操作が煩雑で、長時間を要す
るという問題がある(例えば、特開昭60−53848
号公報の方法では、測定時間が30分以上である)。
【0005】凝血学的測定法の一つとして、プロトロン
ビン時間、部分トロンボプラスチン時間、又は活性化部
分トロンボプラスチン時間を測定する過程で、光学的お
よび時間的な演算処理を行うことによりフィブリノゲン
の量を求める方法がある(特開昭60−58555号公
報、特開昭63−305255号公報、特開平5−60
764号公報)。これらの方法は光学的手段で測定を行
うが、単に光学密度や光分散性の変化を測定するのみな
らず、時間的尺度を加味し、補正を加えた演算処理を行
い、フィブリノゲン量を求めるというもので、演算装置
を含む光学的システムを必要とし経済的負担が大きい。
又、その測定値は正確性に欠ける。
【0006】凝血学的測定方法として最も一般的に日常
検査で用いられている方法はトロンビン時間法である。
この方法は希釈血漿に十分量のトロンビンを添加し、ト
ロンビンの作用によってフィブリノゲンをフィブリンに
変換し、フィブリン凝集が生成するまでの凝固時間を測
定することによって、フィブリノゲン量を求める方法で
ある。凝固時間は検体中のフィブリノゲンの濃度に依存
し、フィブリノゲン量が増加すると凝固時間は短縮す
る。トロンビン時間法では正常量(約200〜400m
g/dl)のフィブリノゲンを含む血漿では瞬時(4秒
以内)に凝固を生じるため、測定可能な濃度まで血漿を
希釈する必要がある。普通、10倍に希釈する。血漿中
フィブリノゲン濃度が非常に高い場合や低い場合は再希
釈を行い測定する。
【0007】この従来法における問題点は希釈操作を必
要とするため、操作が非常に煩雑となる点である。又、
希釈血漿では非常に微弱で小さな凝固物しか生じないた
め、未希釈血漿を用いるプロトロンビン時間等の凝固試
験に比べ測定精度が劣る。凝固物の測定には一般的に測
定機器が利用されるが、希釈血漿を用いるフィブリノゲ
ン測定は微弱な凝固物しか生じないため、機器的測定は
本質的に余り適していない。
【0008】このような問題を解決する目的で光学的測
定法が提案されている(特開昭54−23596号公
報、特表平5−503008号公報、特開昭60−66
996号公報)。しかしながら、これらの方法は一般性
に欠け、利用が極端に制限される。さらに、特表平5−
503008号公報の方法は希釈血漿を用いるため操作
が煩雑である、特開昭54−23596号公報の方法は
吸光度測定の対照に検体血漿を必要とする、特開昭60
−66996号公報の方法はフィブリノゲンとフィブリ
ノゲン分解生成物を同時に測定するので、フィブリノゲ
ン量の測定としては煩雑である等の問題を含んでいる。
【0009】これら従来法の問題を解決する目的で、未
希釈血漿を用いて凝固時間を測定するフィブリノゲン測
定方法が提案されている(特開平5−219993号公
報、特開平6−46898号公報)。
【0010】特開平5−219993号公報では、フィ
ブリン凝集抑制剤である特殊なペプチドを用いることに
より、フィブリン凝集を部分的に抑制し、凝固時間を遅
延させる。それによって、高濃度のフィブリノゲンを含
む検体、すなわち未希釈血漿で測定できる。用いるフィ
ブリン凝集抑制剤は公知であり、GLY-PRO-ARG-PRO がシ
グマ社(SIGMA、米国)のカタログに記載されてい
る。このようなペプチドは非常に高価であり(GLY-PRO-
ARG-PRO 1mgで11.25USドル)、その使用濃度
を考慮すると経済的負担が非常に大きい。又、この方法
では凝固時間が一般的に長く、凝固時間とフィブリノゲ
ン濃度は両対数グラフ上で直線関係にない(トロンビン
時間法では通常、直線関係が認められる)。さらにフィ
ブリノゲンの低値の測定限界は0.6g/Lであると判
断される。未希釈血漿を用いる場合、低値の測定限界が
より低いほうが好ましい。
【0011】特開平6−46898号公報の方法はpH
4〜7.3の酸性pH域で測定することを特徴とする。
同公報には、バッファー塩のモル濃度が0.02〜0.
5Mの緩衝液に塩(例えば塩化ナトリウム)を加えてイ
オン強度を増大した緩衝液内で反応を行うことが開示さ
れている。この方法は、ヘパリンやアンチトロンビンII
I (ATIII )のトロンビン阻害物質の影響を受けない
ことを一つの特徴にしている。実施例でヘパリンの影響
の比較をpH6とpH8で行っているが、この方法の問
題はトロンビンの至適pH(8.0付近)から著しく離
れたpHを好ましいpHとして採用し(酸性域のpH6
を最も好ましいpHとする)、トロンビン10NIHU
/mlという、通常、フィブリノゲン測定に用いられる
より少ないトロンビン量を用いる点である。少量のトロ
ンビンを使用し、至適pHから著しく離れたpHで測定
しているため、実質的なトロンビン活性が非常に低く、
過剰量のトロンビンを用いるというトロンビン時間法の
基本より外れ、測定精度の面で問題がある。実際に両対
数グラフ上でフィブリノゲン量に対し凝固時間をプロッ
トすると直線関係が得られず、又、フィブリノゲンの低
値での測定が十分に行えないと判断される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、血漿検体を
希釈することなく、一般的な凝固検査室で用いられる凝
固時間測定機器を用いて、簡便で経済的負担の少ない、
フィブリノゲン測定を精度良くできる方法および試薬を
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、トロンビ
ン時間法に従う方法において、高濃度の塩の存在下で反
応を行うことにより、検体を希釈することなく、好まし
い長さの凝固時間が得られ、上記課題が達成できること
を見出し本発明を完成するに至った。
【0014】本発明は、検体にトロンビンまたは同様な
活性を有するプロテアーゼを添加して検体中のフィブリ
ノゲンをフィブリンに変換し、凝固時間を測定すること
からなる検体中のフィブリノゲン測定方法であって、未
希釈の検体を用い、高濃度の塩を含有する反応液中で、
該フィブリノゲンの変換を行うことを特徴とするフィブ
リノゲン測定方法に関する。また本発明は、高濃度の
塩、および20〜500NIHU/mlのトロンビンま
たは同様な活性を有するプロテアーゼを含むフィブリノ
ゲン測定試薬に関する。
【0015】本発明の方法によれば、通常のトロンビン
量の使用で、高価なペプチドを用いることなく、塩濃度
を高めるという極めて経済的負担の少ない方法で、未希
釈血漿を検体に用い、凝固時間の過剰な延長もなく、フ
ィブリノゲン濃度の低い検体であっても測定することが
できる。又、従来法の希釈血漿を用いるトロンビン時間
法の市販の測定試薬キットによる測定値と良好な相関関
係が得られる。
【0016】本発明において、高濃度の塩とは一般に血
液凝固検査で汎用される生理的濃度より高濃度の塩を意
味する。詳細には、フィブリノゲン275mg/dlを
含む検体、およびトロンビン100NIHU/ml、H
EPES 100mM pH7.35を含む試薬を1:
2の容量比で混合し、37℃にて凝固時間を測定すると
き、5〜100秒、好ましくは7〜50秒、さらに好ま
しくは10〜30秒の凝固時間を生じさせる塩濃度に調
整する。
【0017】本発明の方法では、トロンビンまたは同様
な活性を有するプロテアーゼの作用により検体中のフィ
ブリノゲンがフィブリンに変換される。凝固時間はフィ
ブリノゲン量に依存し、測定条件が同じ時、フィブリノ
ゲン濃度に応じた凝固時間が得られ、それを標準物の凝
固時間と比較することによりフィブリノゲン量が求ま
る。
【0018】本発明の方法において、測定は生理的pH
(pH7.3)付近およびトロンビンの至適pHを含む
範囲内のpH域で行う。好ましくはpH6.0〜9.
0、より好ましくはpH7.0〜8.0で行う。
【0019】本発明で用いるトロンビンの由来は特に限
定されず、ヒト、ウシ、ウマ、ヤギ等の由来のトロンビ
ンを使用することができ、これらは商業的に入手可能で
ある。「同様な活性を有するプロテアーゼ」における
「同様な活性」とは、フィブリノゲンに作用してフィブ
リンを生成するプロテアーゼ活性を意味する。このよう
なプロテアーゼの由来は特に限定されず、バトロキソビ
ン〔batroxobin、蛇(学名Agkistro
don rhodostoma)の毒液由来のプロテア
ーゼ〕などが使用できる。
【0020】本発明においてトロンビンが用いられる場
合、血漿1mlにつき少なくとも20NIHUの過剰量
が添加される。同様な活性を有するプロテアーゼを用い
る場合は、トロンビンに換算して同等の活性を有する量
が添加される。反応液中のトロンビンまたは同様な活性
を有するプロテアーゼの濃度は、一般に10〜200N
IHU/ml、好ましくは20〜100NIHU/ml
である。
【0021】本発明の方法では、検体、およびトロンビ
ンまたは同様な活性を有するプロテアーゼを含む試薬を
1:1〜1:8の容量比で、好ましくは1:2〜1:3
の容量比で混合する。
【0022】測定には塩として、通常、アルカリ金属ま
たはアルカリ土金属のハロゲン化物を用いる。このよう
な塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩が例示される。好ましくは、塩化ナ
トリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カ
リウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウムなどが使用される。これらの好ま
しい塩を用いる場合、反応液中の塩濃度は、塩化ナトリ
ウムは0.25〜3M、好ましくは0.5〜2.5M、
更に好ましくは1〜2M、臭化ナトリウムは0.1〜
1.0M、ヨウ化ナトリウムは0.1〜0.4M、塩化
カリウムは0.25〜1.5M、臭化カリウムは0.1
〜1M、ヨウ化カリウムは0.1〜0.4M、塩化マグ
ネシウムは0.04〜0.25M、塩化カルシウムは
0.04〜0.25Mである。
【0023】上記塩は一種または二種以上を組合わせて
使用してもよい。二種以上の塩を用いる場合、その組合
せは特に制限されないが、塩化ナトリウムと他の塩との
組合せで用いることが好ましく、更に好ましくは塩化ナ
トリウムと臭化ナトリウムの組合せである。
【0024】二種以上の塩を用いる場合は、フィブリノ
ゲン275mg/dlを含む検体、およびトロンビン1
00NIHU/ml、HEPES 100mM pH
7.35を含む試薬を1:2の容量比で混合し、37℃
にて凝固時間を測定するとき、5〜100秒、好ましく
は7〜50秒、さらに好ましくは10〜30秒の凝固時
間を生じさせる塩濃度に調整する。例えば、塩化ナトリ
ウム1.0〜2.5Mおよび臭化ナトリウム0.1〜
0.8Mの塩濃度に調整する。
【0025】実際には用いる塩の種類と濃度を適宜選択
することにより、好ましい凝固時間に調節することがで
きる。一般に塩濃度の増加とともに凝固時間が延長す
る。しかし、例えば、塩化ナトリウムまたは塩化カリウ
ムを使用する場合、一定濃度以上になると凝固時間が短
縮する(図1参照)。
【0026】凝固時間測定機器を用いる場合、一般に、
フィブリノゲン275mg/dlの正常血漿を検体とす
るとき、凝固時間が10〜30秒となる塩濃度が好まし
い。凝固時間は試薬中のその他の物質、例えば、ウシ血
清アルブミン(BSA)、ポリエチレングリコール、界
面活性剤等で変化し得るが、塩の種類や濃度を適宜選択
することにより、又、二種類以上の塩の組合せにより調
節することができる。試薬中のトロンビンの量によって
も凝固時間は変化するが、トロンビン量を減少させるこ
とによって凝固時間を延長させることは好ましくない。
又、特開平6−46898号公報に記載の方法のよう
に、トロンビンの至適pH域より著しく異なるpHにお
いて、且つ少量のトロンビンを用いて測定を行うこと
は、実質的にトロンビン活性を著しく低下させた状態で
測定することになるため好ましくない。
【0027】従来の希釈血漿を用いるトロンビン時間法
と良好な相関関係を得るためには、各々の塩の好ましい
濃度が存在する。標準物として凍結乾燥した市販管理血
漿を用いて、本発明の方法によりヒト血漿検体を測定す
ると、測定値が従来のトロンビン時間法で測定した値と
乖離することがある(後記の実施例2参照)。この乖離
を生じない塩の種類と濃度を選択することが更に好まし
い。
【0028】反応液中の塩化ナトリウム濃度を1.2〜
2.0M(例えば、試薬中に2.0〜3.0M)とする
ことにより、乖離を防止することができる。ただし上記
濃度では、凝固時間が短縮されるので、臭化ナトリウム
を添加することにより凝固時間の延長を図り、好ましい
凝固時間に調整することができる。同様の効果は、ヨウ
化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カ
ルシウム、塩化マグネシウム等の塩を添加することによ
っても得られる。好ましくは臭化ナトリウムを反応液中
に0.2〜0.7M(例えば、試薬中に0.3〜1.0
M)となるように添加する。
【0029】あるいは、塩化ナトリウムのみでは乖離が
生じる場合、例えば、反応液中の塩化ナトリウム濃度が
0.25〜1.0M程度(試薬中に0.5〜2.0M程
度)のとき、乖離防止剤を添加することによって乖離を
解消することができる。乖離防止剤としては、フッ化カ
リウム、フッ化ナトリウム、クエン酸ナトリウム等の塩
または塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等の界面活
性剤等が使用できる。乖離防止剤の、反応液中の濃度
は、例えばフッ化カリウムまたはフッ化ナトリウムは
0.05〜0.2M、クエン酸ナトリウムは2〜50m
M、界面活性剤は0.001〜0.5w/v%である。
【0030】特開平5−219993号公報では、50
〜250mMの塩化ナトリウム、および2〜25mMの
塩化カルシウムを試薬中に含有するが、この両方の塩の
濃度は反応液中では更に低い濃度となり、本発明の範囲
に含まれない。特開平6−46898号公報には、塩化
ナトリウムのような塩を加えることが記載されている
が、その濃度は明確でない。同公報には、「塩化ナトリ
ウムのような塩を添加することでイオン強度を増加して
も良い。特に低イオン強度では、トロンビンはATIII
阻害に対して、鈍感であることが分かった。」(同公
報、第3頁、第4欄27〜30行)と記載され、本発明
で規定する高濃度の塩を用いることは示唆されない。塩
化ナトリウムの濃度も本発明の規定する範囲内(試薬中
で0.5〜4M)ではない。
【0031】さらに、本発明の二次的効果として、塩と
して、例えば、塩化ナトリウムが反応液中で0.6M以
上の場合、ヘパリンの影響を殆ど回避できるため、ヘパ
リン阻害剤(例えばポリブレン等)を用いる必要がなく
なる。さらに高塩濃度ではアジ化ナトリウムのような防
腐剤も特に必要としなくなるという利点もある。
【0032】本発明のフィブリノゲン測定試薬は、高濃
度の塩、および20〜500NIHU/mlのトロンビ
ンまたは同様な活性を有するプロテアーゼを含む。本発
明のフィブリノゲン測定試薬は、一種類または二種類の
試薬から構成される形態で用いられるが、一種類の試薬
とするのが好ましい。乖離防止剤を使用する場合は、乖
離防止剤を含む第一試薬、およびトロンビンまたは同様
な活性を有するプロテアーゼを含む第二試薬の二種類の
試薬から構成される形態が好ましい。二種類の試薬とす
る場合は、トロンビン等のプロテアーゼは第二試薬に含
まれ、塩は第一、第二試薬のいずれか一方、もしくは両
方の試薬に含まれる。一種類の試薬の場合、20〜50
0NIHU/ml、好ましくは40〜200NIHU/
mlのトロンビン、10〜400mM、好ましくは30
〜200mMの緩衝液(剤)pH6.0〜9.0、好ま
しくはpH7.0〜8.0、および高濃度の塩を含む。
【0033】詳細には、試薬中の塩の濃度は、フィブリ
ノゲン275mg/dlを含む検体、およびトロンビン
100NIHU/ml、HEPES 100mM pH
7.35を含む試薬を1:2の容量比で混合し、37℃
にて凝固時間を測定するとき、5〜100秒、好ましく
は7〜50秒、さらに好ましくは10〜30秒の凝固時
間を生じさせる濃度に調整する。
【0034】具体的には、試薬中での塩濃度は、塩化ナ
トリウムは0.5〜4M、好ましくは1.0〜3.5
M、更に好ましくは1.5〜3M、臭化ナトリウムは
0.15〜1.5M、ヨウ化ナトリウムは0.15〜
0.6M、塩化カリウムは0.3〜2M、臭化カリウム
は0.15〜1.5M、ヨウ化カリウムは0.15〜
0.6M、塩化マグネシウムは0.05〜0.35M、
塩化カルシウムは0.05〜0.35Mである。これら
の塩単独では凝固時間が100秒を越える濃度も含まれ
るが、例えば塩化ナトリウムとの組合せによる使用で1
00秒以内の凝固時間を得ることができる。
【0035】上記塩は一種または二種以上を組合わせて
使用してもよい。フィブリノゲン測定時に好ましい凝固
時間を得るために、又、標準品と検体の乖離をなくする
目的で、二種類以上の塩を組み合わせて用いるのが好ま
しい。二種以上の塩を用いる場合、その組合せは特に制
限されないが、塩化ナトリウムと他の塩との組合せで用
いることが好ましく、さらに好ましくは塩化ナトリウム
と臭化ナトリウムの組合せである。
【0036】二種以上の塩を用いる場合は、試薬中の塩
の濃度を、フィブリノゲン275mg/dlを含む検
体、およびトロンビン100NIHU/ml、HEPE
S 100mM pH7.35を含む試薬を1:2の容
量比で混合し、37℃にて凝固時間を測定するとき、5
〜100秒、好ましくは7〜50秒、さらに好ましくは
10〜30秒の凝固時間を生じさせる濃度に調整する。
【0037】pH調節のための緩衝剤としては、pH
6.0〜9.0、好ましくはpH7.0〜8.0に緩衝
能を有するものであれば、特に制限なく使用することが
できる。このような緩衝剤としては、トリス、リン酸、
バルビタール、イミダゾール、ベロナール、グリシルグ
リシン、BES、MOPS、TES、HEPES、TA
PSO、TAPES等が挙げられる。これらの緩衝剤は
商業的に入手可能である。
【0038】なお、本発明においては、試薬の性能や品
質の維持、製造その他を目的として、各種の物質を適時
添加することができる。その例としては、BSA等のタ
ンパク質、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチ
レングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)−N,
N,N'N'−四酢酸(EGTA)等のキレート剤、イプシロ
ンアミノカプロン酸、トラネキサム酸、アプロチニン等
の抗線溶剤、ポリブレン等のヘパリン阻害剤、アジ化ナ
トリウム、硫酸ゲンタマイシン等の防腐剤、ポリオキシ
エチレングリコールp−t−オクチルフェニルエーテル
類〔例えば、トリトンX−100(商品名)〕、ポリオ
キシエチレングリコールソルビタンアルキルエーテル類
〔例えば、ツイーン−20(商品名)〕等の界面活性剤
の他に、糖類(例えばラクトース)、アミノ酸類、ポリ
エチレングリコール、グリセロール等の物質が挙げられ
る。
【0039】本発明のフィブリノゲン測定試薬は、構成
試薬を混合したもの、あるいは各構成試薬の集合体とす
ることができる。混合試薬、あるいは各構成試薬は常法
に従って、賦形剤と共に反応液中で所定の濃度となるよ
うに精製水や緩衝液に溶解した剤形の、そのまま直接、
測定に供することのできる形態、あるいは使用時、適時
所望の濃度に希釈する濃厚液の形態、さらには、凍結乾
燥品の形態とすることができる。このうち、凍結乾燥品
の形態が通常採用される形態であり、使用に際し精製水
または緩衝液に溶解する。また各構成試薬は同一の形態
あるいは別の形態とすることもできる。
【0040】本発明の試薬の好ましい組成としては、一
種類の試薬の場合、試薬溶液中にトロンビン20〜50
0NIHU/ml、好ましくは40〜200NIHU/
ml、HEPES 10〜400mM、好ましくは30
〜200mM、pH6.0〜9.0、好ましくはpH
7.0〜8.0、塩化ナトリウム0.5〜4M、好まし
くは1.0〜3.5M、更に好ましくは1.5〜3M、
臭化ナトリウム0.15〜1.5M、好ましくは0.3
〜1Mを含む組成が挙げられる。その他の物質として、
例えば、BSA 0.01〜4w/v%、またはラクト
ース 0.01〜4w/v%を含んでいてもよい。
【0041】本発明の方法の典型的な操作について説明
する。1〜8倍、好ましくは2〜3倍容量の試薬(二種
類の試薬の場合はその合計)を、好ましくは37℃に平
衡化した検体(通常は血漿)に添加する。反応混合物の
凝固時間をそれ自体既知の測定方法で測定する。標準物
の凝固時間と比較することにより検体中のフィブリノゲ
ン量が求まる。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明する。以下の実施例において、%は特に断りのない限
りw/v%を意味する。
【0043】実施例1 100NIHU/mlトロンビン(ウシ由来、シグマ社
製)、0.5%BSA、0.1M HEPES pH
7.35を含む溶液に塩化ナトリウム0.1〜3Mとな
るように添加した。同様の溶液に臭化ナトリウム0.1
〜3M、塩化カリウム0.1〜1.4M、ヨウ化カリウ
ム0.1〜1.4M、塩化カルシウム0.1〜0.4
M、塩化マグネシウム0.1〜0.7Mとなるように添
加した(濃度は試薬中の濃度を示す)。
【0044】市販管理血漿カリプラズマ(ビオメリュー
社製:フランス)(フィブリノゲン量275mg/d
l)を検体として、その100μlを37℃で2分間加
温後、室温に置いた上記試薬200μlを添加し、凝固
時間測定機器KC−4(アメルング社製:ドイツ)で凝
固時間を測定した。その結果を図1に示す。
【0045】塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カ
リウムの0.1Mの凝固時間3.5秒は測定機器で測定
できる最低時間であり、実際の凝固時間はこれより短い
と考えられる。塩化ナトリウムの場合、1Mまでは濃度
の増加とともに凝固時間が延長するが、1M以上では凝
固時間は短縮した。臭化ナトリウムでは、濃度の増加と
ともに凝固時間は延長し、2Mでは300秒以内で凝固
は生じなかった。塩化カリウムは塩化ナトリウムと似た
傾向があった。ヨウ化カリウムは0.7Mでは300秒
以内に凝固しなかった。塩化マグネシウムは0.4Mで
は300秒以内に凝固しなかった。塩化カルシウムは
0.4Mでは300秒以内に凝固しなかった。各々の塩
について好ましい濃度を選択することにより、検体を希
釈することなくフィブリノゲン測定で好ましい凝固時間
が得られることが判明した。
【0046】実施例2 実施例1と同じ濃度のトロンビン、BSA、HEPES
を含む溶液に、1M塩化ナトリウム、0.4M臭化ナト
リウム、0.9M塩化カリウム、0.2Mヨウ化カリウ
ム、0.15M塩化カルシウム、0.15M塩化マグネ
シウムの各塩をその濃度となるようそれぞれ添加した
(濃度は試薬中の濃度を示す)。
【0047】未希釈および生理的食塩水で1.5、2、
3倍希釈した市販管理血漿カリプラズマ(フィブリノゲ
ン量275mg/dl)を検体とした。また、従来のト
ロンビン時間法である市販のフィブリノゲン測定試薬キ
ット:フィブリノゲンキット(ビオメリュー社製)を用
い、フィブリノゲン量を求めたヒト血漿を検体(6検
体)とした。測定は実施例1と同様に行った。その結果
を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1に示すように、カリプラズマ及びその
希釈物を検体とするとき、各塩ともフィブリノゲン量の
低下に応じて、凝固時間が延長した。ヒト血漿において
も、フィブリノゲン量に応じた凝固時間の延長が認めら
れた。このことは未希釈の検体を用いてフィブリノゲン
量が測定できることを示す。ただし本実施例の塩濃度で
は、カリプラズマのような凍結乾燥品の市販管理血漿
(使用時、水に溶解する)をフィブリノゲン測定の標準
とすると、それにより求まるヒト血漿での測定値は、従
来の希釈法によって求めた値よりかなり低い値となる。
例えば、表1のヒト血漿380mg/dlの検体の秒数
より、カリプラズマを標準としてフィブリノゲン量を概
算すると、塩化ナトリウム等では100mg/dl以上
低値になる。この現象は他の塩についても同様に認めら
れる。このような乖離は、実際の検査においては市販管
理血漿を標準に用いることが多いので、不都合となる場
合が多い。
【0050】次に、乖離を生じない好ましい条件の例を
実施例3〜5に示す。実施例3および4は、凝固時間測
定機器KC−4を用いた例であり、KC−4は凝固物の
形成を力学的に検出する機器である。実施例5は光学的
方法により凝固時間を測定する機器を用いた例である。
【0051】実施例3 本実施例では、乖離を解消するためにフッ化カリウム、
クエン酸ナトリウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリ
シンを用いた。本実施例は二種類の試薬溶液を用いる場
合の例である。 試薬の調製:1M塩化ナトリウム、0.3Mフッ化カリ
ウム、30mMクエン酸三ナトリウム、0.01%塩酸
アルキルジアミノエチルグリシンおよび0.1M HE
PES pH7.35となるように調製し第一試薬とし
た。トロンビン100NIHU/ml、0.1M塩化ナ
トリウム、0.1%BSAおよび0.1M HEPES
pH7.35となるように調製し、第二試薬とした。
【0052】測定:未希釈および生理的食塩水で2、
3、4倍希釈した市販管理血漿カリプラズマ(フィブリ
ノゲン量275mg/dl)を標準とした。標準および
ヒト血漿100μlに第一試薬を100μl添加し、3
7℃で2分間加温後、第二試薬200μlを添加し、凝
固時間測定機器KC−4(アメルング社製:ドイツ)で
凝固時間を測定した。標準の検量線よりヒト血漿のフィ
ブリノゲン量を求めた。 同市販管理血漿およびヒト血漿を従来のトロンビン時間
法である市販のフィブリノゲン測定試薬キット:フィブ
リノゲンキット(ビオメリュー社製)を用い、その操作
手順に従い、KC−4を用いてフィブリノゲン量を測定
した。
【0053】結果:本発明の方法における検量線を図2
に示す。両対数グラフ上で凝固時間とフィブリノゲン量
が直線となる関係が得られた。尚、フィブリノゲン量2
50mg/dlのサンプルの凝固時間は約22秒であっ
た。従来のトロンビン時間法との相関を図3に示す。相
関係数0.953、回帰式y=1.008x−14の良
好な関係が認められ、標準とヒト血漿検体間に乖離を認
めなかった。
【0054】以下の実施例4および5では、標準とヒト
血漿検体間の乖離を解消するために、高濃度の塩化ナト
リウムを用いた。凝固時間を延長させる目的で臭化ナト
リウムを添加している。臭化ナトリウムを用いなくと
も、この濃度の塩化ナトリウムを使用することにより乖
離は解消される。 実施例4 試薬の調製:トロンビン100NIHU/ml、2.6
M塩化ナトリウム、0.4M臭化ナトリウム、0.1%
BSAおよび0.1M HEPES pH7.35とな
るように調製した。
【0055】測定:未希釈および生理的食塩水で2、
3、4、6、11倍に希釈した市販管理血漿カリプラズ
マ(フィブリノゲン量275mg/dl)を標準とし
た。標準およびヒト血漿100μlを、37℃で2分間
加温後、試薬200μlを添加し、凝固時間測定機器K
C−4で、凝固時間を測定した。標準の検量線よりヒト
血漿のフィブリノゲン量を求めた。 同市販管理血漿およびヒト血漿を従来のトロンビン時間
法である市販のフィブリノゲン測定試薬キット:フィブ
リノゲンキットを用い、その操作手順に従い、KC−4
を用いてフィブリノゲン量を測定した。
【0056】結果:本発明の方法における検量線を図4
に示す。両対数グラフ上で凝固時間とフィブリノゲン量
が約40mg/dlまで直線関係が認められ、実際上2
5mg/dlまでの測定が可能であった。尚、フィブリ
ノゲン量250mg/dlのサンプルの凝固時間は約1
1.5秒であった。従来のトロンビン時間法との相関を
図5に示す。相関係数0.974、回帰式y=1.00
4x−12の良好な関係が認められ、標準とヒト血漿検
体間に乖離を認めなかった。
【0057】実施例5 試薬の調製:トロンビン50NIHU/ml、2.9M
塩化ナトリウム、0.8M臭化ナトリウム、0.1%B
SA、0.05%カオリンおよび0.1M HEPES
pH7.35となるように調製した。 測定:未希釈および生理的食塩水で2、3、4倍に希釈
した市販管理血漿カリプラズマ(フィブリノゲン量27
5mg/dl)を標準とした。標準およびヒト血漿10
0μlを、37℃で2分間加温後、試薬200μlを添
加し、凝固時間測定機器オプション8(ビオメリュー社
製)で、凝固時間を測定した。標準の検量線よりヒト血
漿のフィブリノゲン量を求めた。 同市販管理血漿およびヒト血漿を従来のトロンビン時間
法である市販のフィブリノゲン測定試薬キット:フィブ
リノマットオプション(ビオメリュー社製)を用い、そ
の操作手順に従い、オプション8を用いてフィブリノゲ
ン量を測定した。 結果:本発明の方法における検量線を図6に示す。両対
数グラフ上で凝固時間とフィブリノゲン量が直線となる
関係が認められた。尚、フィブリノゲン量250mg/
dlのサンプルの凝固時間は約18秒であった。従来の
トロンビン時間法との相関を図7に示す。相関係数0.
963、回帰式y=0.926x−5の良好な関係が認
められた。凝固時間を光学的に検出する機器を用いる本
実施例においても、標準とヒト血漿検体間に乖離を特に
認めなかった。
【0058】
【発明の効果】トロンビン時間法に基づくフィブリノゲ
ン測定で、高濃度の塩の存在下で反応を行うことによ
り、検体を希釈することなく測定でき、従来の希釈法に
比べ操作が著しく簡便となる。本方法においては、フィ
ブリン凝集抑制剤のような高価なペプチドを使用しない
ので経済的にも有利である。又、過剰量のトロンビンを
用いるというトロンビン時間法の基本に則しているの
で、精度良く測定を行うことができる。さらに、高濃度
の塩を存在させることにより、防腐的効果やヘパリンの
影響を回避する効果が二次的効果としてある。本発明の
方法は従来の希釈法による測定結果と高い相関性があ
り、血液凝固検査として日常検査に用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】塩濃度と凝固時間の関係を示すグラフである。
【図2】本発明の二試薬系での血液凝固時間測定機器K
C−4を用いた場合の検量線を示すグラフである。
【図3】本発明の二試薬系での血液凝固時間測定機器K
C−4を用いた場合での市販キットとの相関を示すグラ
フである。
【図4】本発明の一試薬系での血液凝固時間測定機器K
C−4を用いた場合の検量線を示すグラフである。
【図5】本発明の一試薬系での血液凝固時間測定機器K
C−4を用いた場合での市販キットとの相関を示すグラ
フである。
【図6】本発明の一試薬系での血液凝固時間測定機器オ
プション8を用いた場合の検量線を示すグラフである。
【図7】本発明の一試薬系での血液凝固時間測定機器オ
プション8を用いた場合での市販キットとの相関を示す
グラフである。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体にトロンビンまたは同様な活性を有
    するプロテアーゼを添加して検体中のフィブリノゲンを
    フィブリンに変換し、凝固時間を測定することからなる
    検体中のフィブリノゲン測定方法であって、未希釈の検
    体を用い、高濃度の塩を含有する反応液中で、該フィブ
    リノゲンの変換を行うことを特徴とするフィブリノゲン
    測定方法。
  2. 【請求項2】 反応液中の塩の濃度が、フィブリノゲン
    275mg/dlを含む検体、およびトロンビン100
    NIHU/ml、HEPES 100mMpH7.35
    を含む試薬を1:2の容量比で混合し、37℃にて凝固
    時間を測定するとき、5〜100秒の凝固時間を生じさ
    せる濃度である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 検体、およびトロンビンまたは同様な活
    性を有するプロテアーゼを含む試薬を1:1〜1:8の
    容量比で混合する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 塩がナトリウム塩、カリウム塩、カルシ
    ウム塩、およびマグネシウム塩から選ばれる一種または
    二種以上である請求項1または2記載の方法。
  5. 【請求項5】 塩が塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、
    ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ
    化カリウム、塩化カルシウム、および塩化マグネシウム
    から選ばれる一種または二種以上である請求項1または
    2記載の方法。
  6. 【請求項6】 反応液中の塩の濃度が、塩化ナトリウム
    は0.25〜3M、臭化ナトリウムは0.1〜1.0
    M、ヨウ化ナトリウムは0.1〜0.4M、塩化カリウ
    ムは0.25〜1.5M、臭化カリウムは0.1〜1
    M、ヨウ化カリウムは0.1〜0.4M、塩化マグネシ
    ウムは0.04〜0.25M、塩化カルシウムは0.0
    4〜0.25Mである請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 塩として塩化ナトリウムと他の塩とを組
    合わせて用いる請求項5記載の方法。
  8. 【請求項8】 反応液が塩化ナトリウム1.0〜2.5
    M、および臭化ナトリウム0.1〜0.8Mを含有する
    請求項1または2記載の方法。
  9. 【請求項9】 一種類または二種類の試薬を用いる請求
    項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 高濃度の塩、および20〜500NI
    HU/mlのトロンビンまたは同様な活性を有するプロ
    テアーゼを含むフィブリノゲン測定試薬。
  11. 【請求項11】 フィブリノゲン275mg/dlを含
    む検体、およびトロンビン100NIHU/ml、HE
    PES 100mM pH7.35を含む試薬を1:2
    の容量比で混合し、37℃にて凝固時間を測定すると
    き、5〜100秒の凝固時間を生じさせる濃度の塩を含
    む請求項10記載の試薬。
  12. 【請求項12】 乖離防止剤を含む第一試薬、およびト
    ロンビンまたは同様な活性を有するプロテアーゼを含む
    第二試薬からなり、第一試薬および第二試薬のいずれか
    一方の試薬、もしくは両方の試薬に塩が含まれることを
    特徴とする請求項10記載の試薬。
  13. 【請求項13】 塩がナトリウム塩、カリウム塩、カル
    シウム塩、およびマグネシウム塩から選ばれる一種また
    は二種以上である請求項10または11記載の試薬。
  14. 【請求項14】 塩が塩化ナトリウム、臭化ナトリウ
    ム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、
    ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、および塩化マグネシ
    ウムから選ばれる一種または二種以上である請求項10
    または11記載の試薬。
  15. 【請求項15】 試薬中の塩の濃度が、塩化ナトリウム
    は0.5〜4M、臭化ナトリウムは0.15〜1.5
    M、ヨウ化ナトリウムは0.15〜0.6M、塩化カリ
    ウムは0.3〜2M、臭化カリウムは0.15〜1.5
    M、ヨウ化カリウムは0.15〜0.6M、塩化マグネ
    シウムは0.05〜0.35M、塩化カルシウムは0.
    05〜0.35Mである請求項14記載の試薬。
  16. 【請求項16】 トロンビン20〜500NIHU/m
    l、緩衝剤10〜400mM pH6.0〜9.0、塩
    化ナトリウム0.5〜4M、および臭化ナトリウム0.
    15〜1.5Mを含む請求項10記載の試薬。
  17. 【請求項17】 トロンビン40〜200NIHU/m
    l、緩衝剤30〜200mM pH7.0〜8.0、塩
    化ナトリウム1.0〜3.0M、および臭化ナトリウム
    0.3〜1.0Mを含む請求項10記載の試薬。
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