JP3180825B2 - 血液凝固測定方法 - Google Patents

血液凝固測定方法

Info

Publication number
JP3180825B2
JP3180825B2 JP24674391A JP24674391A JP3180825B2 JP 3180825 B2 JP3180825 B2 JP 3180825B2 JP 24674391 A JP24674391 A JP 24674391A JP 24674391 A JP24674391 A JP 24674391A JP 3180825 B2 JP3180825 B2 JP 3180825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
change
blood coagulation
viscosity
coagulation
reagent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24674391A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0560764A (ja
Inventor
勝 米村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sysmex Corp
Original Assignee
Sysmex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sysmex Corp filed Critical Sysmex Corp
Priority to JP24674391A priority Critical patent/JP3180825B2/ja
Publication of JPH0560764A publication Critical patent/JPH0560764A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3180825B2 publication Critical patent/JP3180825B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的測定装置、粘張
度検出装置などを使用して検体血漿の凝固活性を測定す
るための血液凝固測定方法、詳しくは、従来より大きな
光学的変化量、粘張度変化量などが得られるようにする
ことによって、低凝固活性の検体を測定可能ならしめる
とともに、通常検体においては正確性の向上に寄与し、
かつ、これらの測定において得られる従来より大きな光
学的変化量、粘張度変化量などにより、検体血漿中のフ
ィブリノーゲン濃度をも算出できる血液凝固測定方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】血液凝固の機構を図3を参照して説明す
る。血液凝固の機構は通常二つの経路から起こるとされ
る。すなわち、一つの経路は、外因系凝固と言われる経
路であり、表皮細胞等から放出される組織トロンボプラ
スチンを出発点として凝固第VII因子が活性化され、こ
の活性化された凝固第VII因子により凝固第X因子が活性
化され、その後、凝固第V因子、第II因子の活性化が起
こり、最終的にはフィブリノーゲンがフィブリンに転化
することにより凝固が起こる経路である。もう一つは、
内因系凝固と言われる経路であり、接触等により、凝固
第XII因子に活性化が起こり、第XI因子を活性化させ
る。引き続いて活性化第XI因子は第IX因子を活性化さ
せ、さらに活性化第IX因子はカルシウムイオン・第VIII
因子の共同作用のもとに第X因子を活性化させる。その
後、第V因子、II因子の活性化が起こり、最終的にはフ
ィブリノーゲンがフィブリンに転化することにより凝固
が起こる経路である。血液凝固の検出方法としては、血
液が凝固するに従って液体の粘性が高くなるのを調べる
方法(粘張度検出法)と、血液が凝固するに従って白く
濁るのを検出する方法(濁度検出法)、およびこれら二
つを混合した方法とに大別される。粘張度検出法は、検
体となる血漿に棒状あるいは球状の磁性物等を投入し、
凝固検出用試薬を混合したとき、凝固によってこれらの
磁性物等の動きが鈍くなるのを検出する方法である。し
かし、この粘張度検出法は血液凝固の最終産物であるフ
ィブリン塊の形成状態(すなわち、フィブリン量が多少
あるいは凝固状態の硬軟)によって測定結果が大きく左
右されると言う特性を持ち、ある一定値以上の粘張度が
なければ検出できないと言う致命的な欠点がある。ま
た、磁性物等の動きを観察する測定原理であるために、
磁性物等の強弱に影響されると言う欠点もある。濁度検
出法は、検体血漿と凝固試薬とを混合することによって
のみ凝固測定を行なう方法であり、磁性物等の投入は必
要としない。検出する方法としては透過光検出方式、ま
たは散乱光検出方式がある。これらの検出方式ではフィ
ブリノーゲン量が少ない場合でも透過光量の変化、ある
いは、散乱光量の変化として捉えることができるので、
粘張度検出法にみられるような欠点はない。ただ、いず
れの検出方法においても、光量の変化量が多いほうがよ
り正確な検出ができることになるのは当然であるので、
使用される凝固試薬は光変化量が大きく表示されるよう
な特性を持つものが望ましい。
【0003】図2は、散乱光検出方式で得られる信号強
度の変化を説明するための図である。Aは検体血漿に凝
固試薬を混合した時点、Bは凝固反応の開始時点、Cは
凝固反応の終了時点を示している。凝固時間は例えば、
B時点の散乱光量を0%としC時点の散乱光量を100
%とする時の50%散乱光量になるまでの時間Tとして
決められる。△Hは凝固反応開始と終了時の散乱光量の
変化分である。外因系凝固と言われる経路を測定するた
めには、クイック(Quick)の一段法と言われる方
法が今日最も一般的である。この測定(検査)は一般的
にPT(プロトロンビン時間法)と呼称され、外因系凝
固因子の活性を総合的に測定するほかに、凝固因子欠乏
血漿を使用すれば個々の外因系凝固因子の測定も可能で
ある。また、今日、心臓病などの治療において抗凝固薬
(ワーファリンなど)の投与を受けている場合には、抗
凝固薬の効果をモニタリングできる測定方法として重要
である。
【0004】この方法で用いられる試薬の多くは、ウサ
ギ脳をアセトン下で粉砕して脱水・乾燥させた後、組織
トロンボプラスチンを抽出することにより作製される。
組織トロンボプラスチンは抽出される条件により外因系
凝固因子に対する反応性や収率が異なるために、種々の
抽出方法がこれまでに発明されている。たとえば、ロナ
ルド バッハ(Ronald Bach)ら(The
J. Biological Chemistry,V
ol.256,No.16,(p8324−833
1),1981)は界面活性剤(トリトンX−100)
を使用することによって組織トロンボプラスチンを可溶
化させ、収率の向上を図っている。これに類する方法と
しては、特公昭63−56501号公報に組織トロンボ
プラスチン抽出時にコール酸グループの界面活性剤を使
用することが示されており、これらについてエム フバ
タムとエッチ プライズ(M.Hvatum,&H.P
rydz)(Boichimica et Boiph
ysica Acta,Vol.130(p92〜10
1),1966)ら、およびゴンモリ エッチとタケダ
(Gonmori,H&Takeda)(Thromb
os.Haemostas.,Vol.36(p90〜
103),1976)らはその文献で組織トロンボプラ
スチンの作製方法を詳しく報告している。また特公昭5
8−43080号公報には、抽出時のpHをアルカリ性
側に保つことによって、有用な組織トロンボプラスチン
を作製する発明が示されている。いずれの抽出方法を採
ったにせよ、クイック(Quick)の一段法と言われ
る検査方法(プロトロンビン時間法)に使用される試薬
は、組織トロンボプラスチンを含有することが不可欠で
あり、また、その組織トロンボプラスチンは外因系凝固
因子に対する反応性が均一であり、かつ、最終的にはフ
ィブリノーゲンをフィブリンに転化させる作用をもたな
ければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の血液凝固試薬
(以下、PT試薬という)は、外因系凝固因子に対する
反応性をより正確に持ち、かつ、最終的にフィブリンを
形成することが命題であり、正確な測定結果の表示に関
してはあまり省みられなかった。そのため、凝固に関す
る検査結果が大きくバラついていても容認するしかない
状況となっていた。本発明が解決しようとする課題は、
正確な測定結果の表示を行なうために、光学的変化量を
大きくすることにある。このことによって、低凝固活性
の検体を測定可能とならしめると共に、通常検体におい
ては正確性の向上に寄与するものである。さらに、光学
的変化量を大きく、かつ、正確にする事によって、検体
血漿に含まれるフィブリノーゲン量をも同時に算出する
ものである。本発明は、上記の諸点に鑑みなされたもの
で、光学的変化量を大きくすることにより、低凝固活性
の検体を測定可能にし、通常検体においては正確性を向
上させることができ、しかも、フィブリノーゲン量をも
同時に測定することができる血液凝固測定方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の血液凝固測定方法は、検体血漿に組織ト
ロンボプラスチン含有試薬を混合し、凝固反応の進行に
伴う混合液の光学的特性又は粘張度を経時的に追跡し、
その光学的変化又は粘張度変化が所定レベルに達するま
での時間及び光学的変化量もしくは粘張度変化量からプ
ロトロンビン時間及びフィブリノーゲン濃度を測定する
方法において、組織トロンボプラスチン含有試薬とし
て、哺乳動物の組織をアセトン処理して得られるアセト
ン処理粉末から取り出された組織トロンボプラスチン
と、カルシウムイオンと、高分子物質とを含有している
試薬を使用することを特徴としている。
【0007】本発明において使用するトロンボプラスチ
ン試薬は、哺乳動物(ヒト、ウサギ、ウシ、ウマ、サル
など)の組織(脳、肺、胎盤など)をアセトン処理する
ことによりアセトン処理粉末(以下、単にアセトン粉末
という)を作製し、このアセトン粉末から組織トロンボ
プラスチン含有画分を取り出し、この画分にカルシウム
イオン・高分子物質を含有させる。製造工程の一例を挙
げて説明する。 I ウサギの脳を取り出す。 II アセトン粉末の作製 上記ウサギ脳をアセトンと共に混合・粉砕する。これを
ろ過し、乾燥させる。 III 血液成分や夾雑蛋白質の除去 上記アセトン粉末を酸性液に混合した後、遠心分離して
沈澱画分を得る。この時、浮遊画分には血液成分や夾雑
蛋白質がある。 IV 組織トロンボプラスチンの抽出 上記沈澱画分を酸性液に混合・攪拌した後、遠心分離し
て、組織トロンボプラスチンを含有する浮遊画分を収集
する。 V 高分子物質の添加 上記組織トロンボプラスチン含有画分にカルシウムイオ
ンと高分子物質を添加する。 VI 凍結乾燥 上記試薬を凍結乾燥させる。 VII フィブリノーゲン量の算出 上記凍結乾燥試薬を使用して少なくとも2種類以上の既
知フィブリノーゲン濃度の検体血漿を測定し、散乱光変
化量とフィブリノーゲン量との関係を正方眼グラフにプ
ロットし関係式を算出する。 なお、IIにおいてはウサギ脳とアセトンとを重量比で
1:7とすることが望ましい。なお、アセトン粉末は市
販されているので、これを使用してもかまわない。さら
に、IIIにおいては酸性液(例えば塩酸水)にアセトン
粉末を混合することにより、不要成分を液中により多く
溶出させることができるので、不要成分の除去率が向上
する(酸性下で血球は溶血する)。また、IVにおいては
25〜250mM濃度の蟻酸ナトリウムまたは酢酸ナトリ
ウムを用いれば凝固活性の高い組織トロンボプラスチン
を効率良く得ることができる。
【0008】Vにおける高分子物質としては、ポリエチ
レングリコール、ポリビニルアルコール、ポリノキシリ
ンなどからなる群より選ばれた高分子ビニルや、あるい
は、アガロース、可溶性デンプン、グリコーゲン、デキ
ストラン、デキストリンなどからなる群より選ばれた高
分子多糖が使用できる。高分子物質は、高分子ビニル、
高分子多糖の一方又は両方を使用する。例を挙げてより
詳細に説明すれば、例えばポリエチレングリコールでは
分子量1,000〜500,000(より好適には5,
000〜100,000、最良は20,000)のも
の、デキストランでは分子量5,000〜2,000,
000(より好適には50,000〜500,000の
もの、最良は170,000〜220,000)のもの
が良い。含有量については適宜決めれば良いが、少なす
ぎると高感度の効果が得られず、多すぎると粘性が高く
なって反応性能が劣化するので、0.25%〜2.0%
(W/V)が妥当である。また、高分子物質を添加した
後、試薬を次の1〜3の内、少なくとも1つの条件を満
たす状態にしておくとさらに感度の高い試薬が得られる
(3つの条件を満たした時が最良)。 1.電気伝導度を4.0〜15mSに調整する(より好適
には6.5〜11.0mS)。 2.pHを6.7〜8.2に調整する(より好適には
7.2〜7.5)。 3.浸透圧を100〜700mOsm/kgcm2に調整する
(より好適には350〜700mOsm/kgcm2)。 電気伝導度の調整には電解質を用いれば良い(例えば食
塩)。また、pHの調整には酸あるいはアルカリを用い
れば良い(例えば塩酸、水酸化ナトリウム)。また、浸
透圧の調整には、非電解質であり同時に水溶性である物
質を使用すれば良い(例えば糖類や尿素)。なお、作製
したトロンボプラスチン試薬は長期保存がきくように凍
結乾燥しておくのが好ましい。使用時には、各々の乾燥
粉末に所定量の水を混ぜ、もとの溶液状態に戻して使用
する。
【0009】上記のように、本発明においては、組織ト
ロンボプラスチン含有画分が、アセトン処理粉末を液に
溶かし、混合・攪拌した後、遠心分離することにより得
られたものであるか、組織トロンボプラスチン含有画分
が、アセトン処理粉末を塩酸水に溶かし、遠心分離によ
り血液成分や夾雑蛋白質を除き、沈降画分に液を加え、
攪拌した後、遠心分離することにより得られたものであ
るのが望ましい。あるいは、組織トロンボプラスチン含
有試薬としては、プロトロンビン時間試薬(PT試薬、
図6において外因系凝固反応を総合的に測定する試薬)
が米国DADE社、ORTHO社、GD社、独国Ber
ing社、BM社等から販売されている。ビタミンK由
来酵素活性測定用試薬(複合因子測定用試薬)としては
エーザイ(株)よりトロンボテスト、ヘパプラスチンテ
スト(いずれも商品名)として、また国際試薬(株)よ
り複合因子H、複合因子T(いずれも商品名)として販
売されているものを使用できる。
【0010】さらに、本発明の血液凝固測定方法は、検
体血漿に組織トロンボプラスチン含有試薬を混合し、凝
固反応の進行に伴う混合液の光学的特性又は粘張度を経
時的に追跡し、その光学的変化又は粘張度変化が所定レ
ベルに達するまでの時間及び光学的変化量もしくは粘張
度変化量からプロトロンビン時間及びフィブリノーゲン
濃度を測定する方法において、検体血漿に高分子物質を
混合する第一過程と、第一過程における混合液に組織ト
ロンボプラスチン含有試薬を混合する第二過程とを包含
することを特徴としている。上記の第一過程において、
検体血漿中に高分子物質を直接混合してもよく、高分子
物質を含有する液を検体血漿に混合してもよい。
【0011】
【作用】血漿に組織トロンボプラスチンを含有した試薬
を混合することにより、血漿中の凝固因子が次々に活性
化されてゆき、最終的にフィブリノーゲン(繊維素原)
がフィブリンに転化し凝固反応が終了する。その最終過
程において、まずフィブリンのモノマーができ、そのモ
ノマーは次々に重合してポリマー(繊維状)を形成する
ことによりフィブリンは繊維状になる。フィブリン繊維
は網のように絡み合うことにより混合液は濁り、かつ、
ゲル化する。試薬混合から逐次混合液の光学的特性(例
えば散乱光強度)を追跡することにより、凝固終了まで
の時間がわかり、それとともに凝固能を算出している。
本発明において使用する試薬には、高分子物質が含有さ
れている。この繊維と高分子物質の共存により絡み合い
はより複雑なものとなり、試薬混合直後(凝固前)と凝
固反応終了時との光学的特性の差は、従来より大きくな
る(つまり高感度になる)。また、電気伝導度、pH、
浸透圧を変えることにより、光学的変化量が変わる。そ
こで、これらの値を適当な範囲に設定することにより、
より高感度化が図られる。さらに、これらの光学的変化
量が安定的であり、かつ、高感度である組織トロンボプ
ラスチン試薬を使用して、既知のフィブリノーゲン量の
血漿を測定した時に得られる光学的変化量を測定してお
けば、フィブリノーゲン量と光学的変化量とが相関する
ことにより、未知の検体血漿中のフィブリノーゲン濃度
をPT測定と同時に測定できる。
【0012】
【実施例】
実施例1 クイック(Quick)の一段法と言われる検査方法
(プロトロンビン時間法)に使用される試薬には、外因
系凝固因子に対する反応性を持たせるために、組織トロ
ンボプラスチンを含有させることが不可欠であり、ま
た、反応した結果が正確に測定されるように、凝固塊を
より強固なものとなるようにする反応環境の設定が必要
である。そのため、本実施例においては、ウサギ脳組織
から反応性の高い組織トロンボプラスチンをつぎの方法
により抽出した。 クロロホルム等の麻酔剤を使用してウサギを麻酔し、
首頸動脈より全採血を行なう。次に脳動脈から生理食塩
水を灌流させて脳内の血液を洗浄する。その後、頭蓋骨
を開け、脳を摘出する。 このようにして得られたウサギ脳100gに対して7
00mlの冷アセトンを混合し、ミキサーで粉砕・攪拌
し、脱水・粉砕を行なう。粉砕物はろ過した後、真空下
において乾燥させる。以下、これをアセトン粉末(A
P)と言う。 AP10gを採り、100mlの塩酸水(0.02規
定)中に混合した後、遠心分離(3,000rpm×30
分間)して沈降画分を集める。分離・除去した浮遊画分
には血液成分や夾雑蛋白質がある。 集められた沈澱画分を100mlの蟻酸ナトリウム
(0.05規定)に混合・攪拌する。遠心分離(3,0
00rpm×30分間)して、組織トロンボプラスチンを
含有する溶性画分を集める。 集められた約100mlの組織トロンボプラスチンを含
有する溶性画分に対してpH安定化のための50mMの緩衝
剤(燐酸緩衝液、あるいはバルビタール緩衝液、トリス
緩衝液も使用可能である)、防腐剤(0.1%W/Vア
ジ化ナトリウム)、安定化剤(0.1%塩化カルシウ
ム)を混合するとともに、凝固反応を顕在化させるため
に0.5%ポリエチレングリコール(分子量20,00
0)、あるいは0.1%デキストラン(分子量200,
000)等の試剤を混合する。さらに、0.1規定の水
酸化ナトリウムを使用してpHを7.20〜7.50に
調整し、電気伝導度を6.5〜10.0mSとなるよう食
塩を混合し、また浸透圧を350〜700mOsm/kgcm2
になるようブドウ糖を混合して調整する。 このようにして得られた組織トロンボプラスチン含有
試薬は凍結乾燥して、保存する。 このようにして得られた組織トロンボプラスチン含有
試薬を使用して、少なくとも2種類以上の既知フィブリ
ノーゲン濃度の検体血漿を測定し、散乱光変化量とフィ
ブリノーゲン量との関係を、正方眼グラフにプロットし
関係式を算出する。 この結果、散乱光変化量とフィブリノーゲン量との関係
は表1、および図1に示すような直線関係を示す。この
関係式(下記の数式1)をもとに、フィブリノーゲン量
が未知である検体血漿の散乱光変化量を当てはめれば、
検体血漿中のフィブリノーゲン量が算出できる。
【0013】実施例2 実施例で得られた組織トロンボプラスチン試薬を使用し
て、4種類の既知フィブリノーゲン濃度の検体血漿を測
定し、散乱光変化量とフィブリノーゲン量との関係を求
めた。結果は表1の如くであった。この関係を、正方眼
グラフにプロットした。各プロットは図1に示すような
直線となり、その時の関係式は数式1となった。なお、
Yはフィブリノーゲン量、Xは散乱光変化量である。
【0014】
【表1】
【0015】
【数1】Y=2.38X−13.44
【0016】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成されている
ので、つぎのような効果を奏する。 (1) 本発明において使用する組織トロンボプラスチ
ン含有試薬は、従来の組織トロンボプラスチン試薬と同
等に外因系凝固因子に対して反応性を有すると共に、血
液凝固の最終産物であるフィブリン塊の形成状態が強固
である。そのため、粘張度検出法を測定原理とする測定
機器では、フィブリノーゲン量が少ない場合でも検出で
きる範囲が拡大し、また、磁性物等の強弱に影響される
と言う欠点も解決できる。濁度検出法においては透過光
あるいは散乱光の変化量が増大し、より正確な検出がで
きることになる。 (2) 光学的変化量が安定的であり、かつ、電気伝導
度などが適当な範囲に調整された高感度である組織トロ
ンボプラスチン試薬を使用して、既知のフィブリノーゲ
ン量の血漿を測定した時に得られる光学的変化量を測定
しておけば、フィブリノーゲン量と光学的変化量とが相
関することにより、未知の検体血漿中のフィブリノーゲ
ン濃度をPT測定と同時に測定でき、効率的である。以
上は、血液凝固の分野において説明したが、凝固反応環
境を整備し、反応を顕在化させる方法は、本発明が示す
プロトロンビン時間に使用される試剤に限定されず、組
織トロンボプラスチンを使用するすべての試薬に適用さ
れる。組織トロンボプラスチンを使用する試剤として
は、プロトロンビン時間に使用される試薬の他、ビタミ
ンK由来の蛋白質の凝固活性を測定する、例えばヘパプ
ラスチンテスト、トロンボテストなどに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】既知フィブリノーゲン量と散乱光変化量との関
係を示すグラフである。
【図2】散乱光検出方式で得られる信号の変化と血液凝
固との関係を示すグラフである。
【図3】血液凝固の機構を示すブロック図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−250364(JP,A) 特開 昭58−154515(JP,A) 特開 昭57−178161(JP,A) 特表 平3−503534(JP,A) THROMMBOSIS RESEA RCH Vol.9(1976)p.623− 636 CLINICAL CHEMISTR Y Vol.29,No.4,(1983) p.614−617 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/48 - 33/98 G01N 21/17

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体血漿に組織トロンボプラスチン含有
    試薬を混合し、凝固反応の進行に伴う混合液の光学的特
    性又は粘張度を経時的に追跡し、その光学的変化又は粘
    張度変化が所定レベルに達するまでの時間及び光学的変
    化量もしくは粘張度変化量からプロトロンビン時間及び
    フィブリノーゲン濃度を測定する方法において、組織ト
    ロンボプラスチン含有試薬として、電気伝導度が4.0
    〜15.0mSに調整されており、哺乳動物の組織をアセ
    トン処理して得られるアセトン処理粉末から取り出され
    た組織トロンボプラスチンと、カルシウムイオンと、高
    分子物質とを含有している試薬を使用することを特徴と
    する血液凝固測定方法。
  2. 【請求項2】 高分子物質が、ポリエチレングリコー
    ル、ポリビニルアルコールからなる群より選ばれた高分
    子ビニルであることを特徴とする請求項1記載の血液凝
    固測定方法。
  3. 【請求項3】 高分子物質が、アガロース、可溶性デン
    プン、グリコーゲン、デキストラン、デキストリンから
    なる群より選ばれた高分子多糖であることを特徴とする
    請求項1記載の血液凝固測定方法
  4. 【請求項4】 組織トロンボプラスチン含有試薬のpH
    が、6.7〜8.2に調整されていることを特徴とする
    請求項1〜3記載の血液凝固測定方法。
  5. 【請求項5】 組織トロンボプラスチン含有試薬の浸透
    圧が、100〜700mOsm/kgcm2に調整されているこ
    とを特徴とする請求項1〜3記載の血液凝固測定方法。
  6. 【請求項6】 検体血漿に組織トロンボプラスチン含有
    試薬を混合し、凝固反応の進行に伴う混合液の光学的特
    性又は粘張度を経時的に追跡し、その光学的変化又は粘
    張度変化が所定レベルに達するまでの時間及び光学的変
    化量もしくは粘張度変化量からプロトロンビン時間及び
    フィブリノーゲン濃度を測定する方法において、検体血
    漿に高分子物質を混合する第一過程と、第一過程におけ
    る混合液に、電気伝導度が4.0〜15.0mSに調整さ
    れた組織トロンボプラスチン含有試薬を混合する第二過
    程とを包含することを特徴とする血液凝固測定方法。
  7. 【請求項7】 高分子物質が、ポリエチレングリコー
    ル、ポリビニルアルコールからなる群より選ばれた高分
    子ビニルであることを特徴とする請求項記載の血液凝
    固測定方法。
  8. 【請求項8】 高分子物質が、アガロース、可溶性デン
    プン、グリコーゲン、デキストラン、デキストリンから
    なる群より選ばれた高分子多糖であることを特徴とする
    請求項記載の血液凝固測定方法。
  9. 【請求項9】 第一過程が、高分子物質を含有する液を
    検体血漿に混合する過程であることを特徴とする請求項
    記載の血液凝固測定方法。
JP24674391A 1991-08-30 1991-08-30 血液凝固測定方法 Expired - Fee Related JP3180825B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24674391A JP3180825B2 (ja) 1991-08-30 1991-08-30 血液凝固測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24674391A JP3180825B2 (ja) 1991-08-30 1991-08-30 血液凝固測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0560764A JPH0560764A (ja) 1993-03-12
JP3180825B2 true JP3180825B2 (ja) 2001-06-25

Family

ID=17152995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24674391A Expired - Fee Related JP3180825B2 (ja) 1991-08-30 1991-08-30 血液凝固測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3180825B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2994557B2 (ja) * 1994-09-02 1999-12-27 株式会社アズウェル フィブリノゲン測定方法およびその測定試薬
DE10204819A1 (de) * 2002-01-31 2003-08-14 Aesculap Ag & Co Kg Blutstillungsmittel und seine Bereitstellung für die Medizin
CN110887970B (zh) * 2019-11-29 2023-10-31 北京赛科希德科技股份有限公司 抽提缓冲液、兔脑抽提液、pt检测试剂及pt检测试剂盒

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CLINICAL CHEMISTRY Vol.29,No.4,(1983)p.614−617
THROMMBOSIS RESEARCH Vol.9(1976)p.623−636

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0560764A (ja) 1993-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Macfarlane et al. A thrombin generation test: the application in haemophilia and thrombocytopenia
JP3180824B2 (ja) 血液凝固試薬
Denson et al. The measurement of heparin
US3955925A (en) Preparation of optically clear serum
CA1043702A (en) Diagnostic agent for the control of the coagulability of blood, process for its manufacture and stabilizer for this agent
EP0727044A1 (en) Apparatus for assaying viscosity changes in fluid samples and method of conducting same
JPH10500008A (ja) 乾燥プロトロンビン時間アッセイ
JP2002519703A (ja) Pt、及び、aptt分析のための血液凝固コントロール
Engel Glycogen and carbohydrate—protein complex in developing teeth of the rat
Poller et al. Identification of a congenital defect of factor VII in a colony of beagle dogs: the clinical use of the plasma: Part I Identification of the clotting defect in a colony of beagles
US4011142A (en) Process for measuring the plasminogen content of a sample
CN114544983A (zh) 一种凝血与血小板功能分析仪用正常值质控品的制备方法
Muzaffar et al. Studies on fibrin formation and effects of dextran
JP3180825B2 (ja) 血液凝固測定方法
US3980432A (en) Partial thromboplastin, its use as diagnostic agent and process for preparing it
Silberman et al. Effects of ancrod (Arvin) in mice: studies of plasma fibrinogen and fibrinolytic activity
JP3061153B2 (ja) トロンボプラスチン試薬
JP3074611B2 (ja) 血液凝固測定方法
US3274062A (en) Diagnostic reagent
Bang Quantitative Determination of Fibrinogen in plasma Gram's method modified
US4295855A (en) Method for separating fibrinogen and its constituent components
JP2001527530A (ja) 血液、血漿または関節液生成物の抗凝血
Jaques Blood clotting and hemostasis
KR100235517B1 (ko) 프로트롬빈 시간 테스트용으로 적합한 트롬보플라스틴 시약을 배양 세포로부터 제조하는 방법
US2847347A (en) Preparation of improved thromboplastin

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees