JPH0870630A - 種子用フィルム状被覆材料 - Google Patents

種子用フィルム状被覆材料

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JPH0870630A
JPH0870630A JP21254194A JP21254194A JPH0870630A JP H0870630 A JPH0870630 A JP H0870630A JP 21254194 A JP21254194 A JP 21254194A JP 21254194 A JP21254194 A JP 21254194A JP H0870630 A JPH0870630 A JP H0870630A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】セルロースエーテル、及びイオン交換能が10
〜20meq/100gの範囲でかつ表面電荷が実質的
にゼロである粉体を含有し、両者の混合比(重量)が
1:30〜5:1の範囲にあること特徴とする種子用被
覆材料、該種子用被覆材料を用いてフィルム状に被覆さ
れてなること特徴とする被覆種子、及び種子を上記の種
子用被覆材料を用いてフィルム状に被覆すること特徴と
する被覆方法 【効果】本発明種子用被覆材料を用いて種子を被覆する
ことによって、高性能化成分を種子全表面に均一に分配
し、しかも充分な塗膜性や乾燥後の膜強度を維持したフ
ィルム状被覆ができるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種子用被覆材料に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】農業生産において、効率的でかつ、計画
的な栽培を行うために多様な形状をした種子を被覆材料
で被覆することにより高性能な種子を製造する技術、す
なわち種子コーティングがますます重要となってきてい
る。そのなかでも、例えば、農薬、植物成長調節剤、色
剤、肥料等の種子に付加的な性能を与えるための成分を
種子に付着させる技術が要求されている。とりわけ、土
壌伝染性の病害や種子伝染性の病害に抵抗力を与えるた
めに殺菌剤や種子消毒剤等を種子に付着させる技術が重
要である。従来から様々な種子用フィルム状被覆材料が
知られており、例えば、ポリアルキレングリコール、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリル酸誘導体、アクリル
アミド、アクリル酸またはその塩の単独重合体、セルロ
ース誘導体、多糖類または水溶性ポリエステルのような
水溶性ポリマー等の単材もしくは各々の混合物が使用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような種子用フィルム状被覆材料を用いて、農薬、植物
成長調節剤、色剤、肥料等の種子に付加的な性能を与え
るための成分(以下、高性能化成分と記す。)を種子に
付着させた場合には、種子用フィルム状被覆材料中での
高性能化成分の均一分散性が悪いために、被覆対象とな
る種子の一粒ずつに高性能化成分が不均一分配されてし
まい、種子全表面において充分な塗膜性や乾燥後の膜強
度を維持できず、被覆後の乾燥工程中に被覆層に亀裂が
入ったり、もしくは剥離してしまうことがしばしば起こ
り、製品化が困難なことがあった。また製品化に成功し
ても高性能化成分の不均一分配のためにその効果の安定
性に問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下で、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、種子用被覆材料とし
て、塗膜性に優れたある種の非イオン性の高分子化合物
と、分散液中に含有される種々の電解質に影響を受け難
くかつ分散性の優れた特定な材料を組み合わせて用いる
ことによって、高性能化成分を種子全表面に均一に分配
し、しかも充分な塗膜性や乾燥後の膜強度を維持したフ
ィルム状被覆ができることを見い出し本発明を完成させ
た。すなわち、本発明は、セルロースエーテル、及びイ
オン交換能が10〜20meq/100gの範囲でかつ
表面電荷が実質的にゼロである粉体を含有し、両者の混
合比(重量)が1:30〜5:1の範囲にあること特徴
とする種子用被覆材料、該種子用被覆材料を用いてフィ
ルム状に被覆されてなること特徴とする被覆種子、及び
種子を上記の種子用被覆材料を用いてフィルム状に被覆
すること特徴とする被覆方法を提供するものである。
【0005】以下、さらに詳細に本発明を説明する。本
発明において用いられるセルロースエーテルとは、セル
ロースをアルカリ処理して得られる可溶性成分をアルキ
ル化して得られるエーテル成分であり、被覆基材として
使用される。例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロ
ース等があげられる。このなかでも、粘度が約2〜20
0cpsの範囲のものが好ましい。
【0006】本発明において分散助剤として用いられる
粉体とは、イオン交換能が10〜20meq/100g
の範囲でかつ表面電荷が実質的にゼロである粉体である
必要がある。粉体の平均粒径としては約0.1〜50μ
mであることが好適である。上記のような粉体は、例え
ば、カオリナイト、ハロイサイト、セピオライト等の鉱
物の中から適するものを選択すればよい。もちろん、こ
れらを組み合わせることも可能である。これらの鉱物の
うち、とりわけセピオライトが好適である。なお、イオ
ン交換能は、土壌養分測定法委員会編 土壌養分分析法
(第7版)、養賢堂、1980年等に記載される通常の
方法(例えば、Schollenberger法、Wada and Okamura
法)によって容易に測定することができる。
【0007】そしてこれらの被覆基材と分散助剤の混合
比(重量)が1:30〜5:1の範囲になるように調製
する。
【0008】また本発明種子用被覆材料は、セルロース
エーテル、及びイオン交換能が10〜20meq/10
0gの範囲でかつ表面電荷が実質的にゼロである粉体を
含有し、両者の混合比(重量)が1:30〜5:1の範
囲にあること特徴とする種子用被覆材料であるが、本発
明の目的から明らかなように他の成分として殺菌剤、種
子消毒剤、殺虫剤等の農薬、発芽促進剤等の植物成長調
節剤、色剤、肥料等を適当量含有させることはもちろん
可能である。
【0009】このようにして調製された本発明種子用被
覆材料を用いて種子をフィルム状に被覆する方法として
は、例えば、これらの本発明種子用被覆材料を水と充分
に混合することによって調製された混合物を用いて、流
動装置や回転パン等を使用し、種子をフィルム状に被覆
する等の公知の方法をあげることができる。上記のよう
な例の場合には、混合物中における本発明種子用被覆材
料の割合は約1.5〜20重量部程度、さらに具体的に
はセルロースエーテルが約0.5〜5重量部程度でかつ
イオン交換能が10〜20meq/100gの範囲でか
つ表面電荷が実質的にゼロである粉体が約1〜15重量
部程度をあげることができる。
【0010】以下、本発明を実施例によってさらに詳し
く説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定される
ものではない。
【実施例】
実施例1 水80.0重量部に、セルロースエーテルとしてメチル
セルロース(粘度15cps)2.0重量部、及びイオ
ン交換能が10〜20meq/100gの範囲でかつ表
面電荷が実質的にゼロである粉体としてセピオライト
(イオン交換能20meq/100g)4.0重量部、
さらに色剤として液体顔料(ポルックス、住化カラー社
製)6.0重量部、色調剤として酸化チタン2.0重量
部、殺菌剤としてベンレートT(20wp、デュポン社
製)2.0重量部、バシタック(75wp、クミアイ化
学社製)4.0重量部を徐々に加え、充分に混合した。
得られた混合物を、コーティング装置へスプレー供給す
るためのタンクへ投入した後、該被覆機内にホウレンソ
ウ種子90kgを投入し、回転数12rpmで種子を回
転させながら上記混合物を徐々にスプレー供給した。加
工時間は40分間であった。さらに得られたフィルム状
被覆種子を乾燥機を用いて、最終含水率が4.5湿重量
%になるまで乾燥することによって、本発明被覆種子を
得た。なお、色剤、色調剤及び殺菌剤は混合物中で充分
に均一分散したので、これら成分を種子全表面に均一に
分配することができた。また、フィルム状被覆加工中に
種子同士が団粒することなく、フィルム状被覆後の乾燥
工程中に被覆層に亀裂も発生せず、種子からの被覆層剥
離は全く認められなかった。
【0011】実施例2 水80.0重量部に、セルロースエーテルとしてヒドロ
キシプロピルメチルセルロース(粘度50cps)2.
0重量部、及びイオン交換能が10〜20meq/10
0gの範囲でかつ表面電荷が実質的にゼロである粉体と
してセピオライト(イオン交換能20meq/100
g)4.0重量部、さらに色剤として液体顔料(ポルッ
クス、住化カラー社製)6.0重量部、色調剤として酸
化チタン2.0重量部、殺菌剤としてベンレートT(2
0wp、デュポン社製)2.0重量部、バシタック(7
5wp、クミアイ化学社製)4.0重量部を徐々に加
え、充分に混合した。得られた混合物を、コーティング
装置へスプレー供給するためのタンクへ投入した後、該
被覆機内にダイコン種子50kgを投入し、回転数8r
pmで種子を回転させながら上記混合物を徐々にスプレ
ー供給した。加工時間は25分間であった。さらに得ら
れたフィルム状被覆種子を乾燥機を用いて、最終含水率
が4.5湿重量%になるまで乾燥することによって、本
発明被覆種子を得た。なお、色剤、色調剤及び殺菌剤は
混合物中で充分に均一分散したので、これら成分を種子
全表面に均一に分配することができた。また、フィルム
状被覆加工中に種子同士が団粒することなく、フィルム
状被覆後の乾燥工程中に被覆層に亀裂も発生せず、種子
からの被覆層剥離は全く認められなかった。
【0012】比較例1 水84.0重量部に、セルロースエーテルとしてメチル
セルロース(粘度50cps)2.0重量部、さらに色
剤として液体顔料(ポルックス、住化カラー社製)6.
0重量部、色調剤として酸化チタン2.0重量部、殺菌
剤としてベンレートT(20wp、デュポン社製)2.
0重量部、バシタック(75wp、クミアイ化学社製)
4.0重量部を徐々に加え、充分に混合した。得られた
混合物を、コーティング装置へスプレー供給するための
タンクへ投入した後、該被覆機内にダイコン種子50k
gを投入し、回転数8rpmで種子を回転させながら上
記混合物を徐々にスプレー供給した。加工時間は25分
間であった。さらに得られたフィルム状被覆種子を乾燥
機を用いて、最終含水率が4.5湿重量%になるまで乾
燥することによって、比較被覆種子を得た。しかしなが
ら、色剤、色調剤及び殺菌剤は混合物中で均一分散する
ことができず、このためにこれら成分を種子全表面に均
一に分配することができなかった。
【0013】比較例2 水68.0重量部に、セルロースエーテルとしてメチル
セルロース(粘度50cps)0.5重量部、及びイオ
ン交換能が10〜20meq/100gの範囲でかつ表
面電荷が実質的にゼロである粉体としてセピオライト
(イオン交換能20meq/100g)17.5重量
部、さらに色剤として液体顔料(ポルックス、住化カラ
ー社製)6.0重量部、色調剤として酸化チタン2.0
重量部、殺菌剤としてベンレートT(20wp、デュポ
ン社製)2.0重量部、バシタック(75wp、クミア
イ化学社製)4.0重量部を徐々に加え、充分に混合し
た。得られた混合物を、コーティング装置へスプレー供
給するためのタンクへ投入した後、該被覆機内にダイコ
ン種子50kgを投入し、回転数8rpmで種子を回転
させながら上記混合物を徐々にスプレー供給した。加工
時間は25分間であった。さらに得られたフィルム状被
覆種子を乾燥機を用いて、最終含水率が4.5湿重量%
になるまで乾燥することによって、比較被覆種子を得
た。しかしながら、被覆基材の量が不足したためにフィ
ルム状被覆後の乾燥工程中に被覆層に亀裂を生じてしま
い、種子からの被覆層剥離が認められた。
【0014】比較例3 水80.5重量部に、セルロースエーテルとしてメチル
セルロース(粘度50cps)5.0重量部、及びイオ
ン交換能が10〜20meq/100gの範囲でかつ表
面電荷が実質的にゼロである粉体としてセピオライト
(イオン交換能20meq/100g)0.5重量部、
さらに色剤として液体顔料(ポルックス、住化カラー社
製)6.0重量部、色調剤として酸化チタン2.0重量
部、殺菌剤としてベンレートT(20wp、デュポン社
製)2.0重量部、バシタック(75wp、クミアイ化
学社製)4.0重量部を徐々に加え、充分に混合した。
得られた混合物を、コーティング装置へスプレー供給す
るためのタンクへ投入した後、該被覆機内にダイコン種
子50kgを投入し、回転数8rpmで種子を回転させ
ながら上記混合物を徐々にスプレー供給した。加工時間
は25分間であった。さらに得られたフィルム状被覆種
子を乾燥機を用いて、最終含水率が4.5湿重量%にな
るまで乾燥することによって、比較被覆種子を得た。し
かしながら、色剤、色調剤及び殺菌剤は混合物中で均一
分散することができず、このためにこれら成分を種子全
表面に均一に分配することができなかった。
【0015】比較例4 水77.0重量部に、セルロースエーテルとしてメチル
セルロース(粘度50cps)5.0重量部、及び粉体
としてベントナイト(イオン交換能60meq/100
g)4.0重量部、さらに色剤として液体顔料(ポルッ
クス、住化カラー社製)6.0重量部、色調剤として酸
化チタン2.0重量部、殺菌剤としてベンレートT(2
0wp、デュポン社製)2.0重量部、バシタック(7
5wp、クミアイ化学社製)4.0重量部を徐々に加
え、充分に混合した。得られた混合物を、コーティング
装置へスプレー供給するためのタンクへ投入した後、該
被覆機内にダイコン種子50kgを投入し、回転数8r
pmで種子を回転させながら上記混合物を徐々にスプレ
ー供給した。加工時間は25分間であった。さらに得ら
れたフィルム状被覆種子を乾燥機を用いて、最終含水率
が4.5湿重量%になるまで乾燥することによって、比
較被覆種子を得た。しかしながら、色剤、色調剤及び殺
菌剤は混合物中で均一分散することができず、このため
にこれら成分を種子全表面に均一に分配することができ
なかった。
【0016】比較例4 水80.0重量部に、α化デンプン系物質であるマツノ
リン(粘度50cps、松谷化学社製)2.0重量部、
及びイオン交換能が10〜20meq/100gの範囲
でかつ表面電荷が実質的にゼロである粉体としてセピオ
ライト(イオン交換能20meq/100g)4.0重
量部、さらに色剤として液体顔料(ポルックス、住化カ
ラー社製)6.0重量部、色調剤として酸化チタン2.
0重量部、殺菌剤としてベンレートT(20wp、デュ
ポン社製)2.0重量部、バシタック(75wp、クミ
アイ化学社製)4.0重量部を徐々に加え、充分に混合
した。得られた混合物を、コーティング装置へスプレー
供給するためのタンクへ投入した後、該被覆機内にダイ
コン種子50kgを投入し、回転数8rpmで種子を回
転させながら上記混合物を徐々にスプレー供給した。加
工時間は25分間であった。さらに得られたフィルム状
被覆種子を乾燥機を用いて、最終含水率が4.5湿重量
%になるまで乾燥することによって、比較被覆種子を得
た。しかしながら、色剤、色調剤及び殺菌剤は混合物中
で均一分散することができず、このためにこれら成分を
種子全表面に均一に分配することができなかった。
【0017】
【発明の効果】本発明種子用被覆材料を用いて種子を被
覆することによって、高性能化成分を種子全表面に均一
に分配し、しかも充分な塗膜性や乾燥後の膜強度を維持
したフィルム状被覆ができるようになった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロースエーテル、及びイオン交換能が
    10〜20meq/100gの範囲でかつ表面電荷が実
    質的にゼロである粉体を含有し、両者の混合比(重量)
    が1:30〜5:1の範囲にあること特徴とする種子用
    被覆材料。
  2. 【請求項2】セルロースエーテルが、メチルセルロー
    ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロ
    キシエチルメチルセルロースであること特徴とする請求
    項1記載の種子用被覆材料。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2記載の種子用被覆
    材料を用いてフィルム状に被覆されてなること特徴とす
    る被覆種子。
  4. 【請求項4】種子を請求項1または請求項2記載の種子
    用被覆材料を用いてフィルム状に被覆すること特徴とす
    る被覆方法。
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