JPH0868801A - 力顕微鏡の力検出機構 - Google Patents
力顕微鏡の力検出機構Info
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- JPH0868801A JPH0868801A JP22885494A JP22885494A JPH0868801A JP H0868801 A JPH0868801 A JP H0868801A JP 22885494 A JP22885494 A JP 22885494A JP 22885494 A JP22885494 A JP 22885494A JP H0868801 A JPH0868801 A JP H0868801A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 力顕微鏡の力検出機構において、構造を簡素
とし、検出誤差を小さくし、高感度かつ高精度の検出を
行い、安価に製作できるようにする。 【構成】 力の作用を受けるプローブ17を一端に設け
たカンチレバー20を備え、プローブの位置変化に伴う
カンチレバーの変位に基づいて力を検出する力顕微鏡に
適用される力検出機構19であって、カンチレバーは捩
じれ変形部を24介して本体部22に設けられ、捩じれ
変形部に歪みゲージ27を取り付けるように構成した。
基板部材を用いることにより本体部と捩じれ変形部とカ
ンチレバーを一体的に形成することができる。
とし、検出誤差を小さくし、高感度かつ高精度の検出を
行い、安価に製作できるようにする。 【構成】 力の作用を受けるプローブ17を一端に設け
たカンチレバー20を備え、プローブの位置変化に伴う
カンチレバーの変位に基づいて力を検出する力顕微鏡に
適用される力検出機構19であって、カンチレバーは捩
じれ変形部を24介して本体部22に設けられ、捩じれ
変形部に歪みゲージ27を取り付けるように構成した。
基板部材を用いることにより本体部と捩じれ変形部とカ
ンチレバーを一体的に形成することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は力顕微鏡の力検出機構に
関し、特に、原子間力や磁気力等の微弱な力を利用して
微細な対象物の形状等を観察する力顕微鏡に利用される
力検出機構に関する。
関し、特に、原子間力や磁気力等の微弱な力を利用して
微細な対象物の形状等を観察する力顕微鏡に利用される
力検出機構に関する。
【0002】
【従来の技術】力顕微鏡とは、原子レベルの微細な測定
対象物から作用する微弱な力を検出し、測定対象物の表
面形状等を計測する顕微鏡である。この力顕微鏡の一般
的な構造としては、先部の自由端にプローブ(探針とも
いう)を有するカンチレバーを備え、プローブが測定対
象物に原子レベルの距離で接近したとき、プローブが測
定対象物の表面に存在する原子から例えば原子間力や磁
気力の作用を受け、プローブが原子間力等に応じてその
位置を変化させることによりカンチレバーがその弾性に
基づいて変位するように構成される。カンチレバーの変
位は、例えばトンネル顕微鏡を利用した変位計または光
学式の変位計を用いて検出される。
対象物から作用する微弱な力を検出し、測定対象物の表
面形状等を計測する顕微鏡である。この力顕微鏡の一般
的な構造としては、先部の自由端にプローブ(探針とも
いう)を有するカンチレバーを備え、プローブが測定対
象物に原子レベルの距離で接近したとき、プローブが測
定対象物の表面に存在する原子から例えば原子間力や磁
気力の作用を受け、プローブが原子間力等に応じてその
位置を変化させることによりカンチレバーがその弾性に
基づいて変位するように構成される。カンチレバーの変
位は、例えばトンネル顕微鏡を利用した変位計または光
学式の変位計を用いて検出される。
【0003】従来の力顕微鏡の技術文献として、原子間
力顕微鏡およびこれに利用されるカンチレバーの構造を
示した特開平4−72504号公報がある。この文献に
開示された原子間力顕微鏡では、本体部に対して連続し
て一体的にレバー本体が形成され、レバー本体の先端に
プローブが設けられ、かつレバー本体と本体部の間の部
分に圧電素子を設けている。レバー本体は一般に薄い金
属箔で形成される。プローブが原子間力の作用を受けて
その位置が変更し、本体部に対してカンチレバーが揺動
すると、変形部の変形で圧電素子に歪みが生じ、圧電素
子から出力される信号によってレバー本体で生じた変位
を検出することができる。この検出動作とプローブの位
置のサーボ制御を組合せることにより、測定対象物の表
面形状が測定される。
力顕微鏡およびこれに利用されるカンチレバーの構造を
示した特開平4−72504号公報がある。この文献に
開示された原子間力顕微鏡では、本体部に対して連続し
て一体的にレバー本体が形成され、レバー本体の先端に
プローブが設けられ、かつレバー本体と本体部の間の部
分に圧電素子を設けている。レバー本体は一般に薄い金
属箔で形成される。プローブが原子間力の作用を受けて
その位置が変更し、本体部に対してカンチレバーが揺動
すると、変形部の変形で圧電素子に歪みが生じ、圧電素
子から出力される信号によってレバー本体で生じた変位
を検出することができる。この検出動作とプローブの位
置のサーボ制御を組合せることにより、測定対象物の表
面形状が測定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の原子間
力顕微鏡では、測定感度を高めるためにカンチレバーの
弾性定数を低く設定しなければならなかった。弾性定数
を低くするためには、カンチレバーをできるだけ薄くし
なければならない。この結果、本来の検出部の変位以外
でも反りに起因して変位が生じるために、検出誤差が大
きくなるという問題があった。
力顕微鏡では、測定感度を高めるためにカンチレバーの
弾性定数を低く設定しなければならなかった。弾性定数
を低くするためには、カンチレバーをできるだけ薄くし
なければならない。この結果、本来の検出部の変位以外
でも反りに起因して変位が生じるために、検出誤差が大
きくなるという問題があった。
【0005】本発明の目的は、上記の問題に鑑み、簡素
な構造で、検出誤差が小さく、高感度かつ高精度の検出
を行うことができ、特別に高価な検出機構を使用する必
要がなく、安価に製作できる力顕微鏡の力検出機構を提
供することにある。
な構造で、検出誤差が小さく、高感度かつ高精度の検出
を行うことができ、特別に高価な検出機構を使用する必
要がなく、安価に製作できる力顕微鏡の力検出機構を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の本発明に係る力顕
微鏡の力検出機構は、上記の目的を達成するため、力の
作用を受けるプローブを一端に設けたカンチレバーを備
え、プローブの位置変化に伴うカンチレバーの変位に基
づいて力を検出する力顕微鏡に適用される力検出機構で
あり、カンチレバーは捩じれ変形部を介して本体部に設
けられ、捩じれ変形部に歪み検出手段を取り付けるよう
に構成した。
微鏡の力検出機構は、上記の目的を達成するため、力の
作用を受けるプローブを一端に設けたカンチレバーを備
え、プローブの位置変化に伴うカンチレバーの変位に基
づいて力を検出する力顕微鏡に適用される力検出機構で
あり、カンチレバーは捩じれ変形部を介して本体部に設
けられ、捩じれ変形部に歪み検出手段を取り付けるよう
に構成した。
【0007】第2の本発明は、第1の発明において、基
板部材を用いることにより本体部と捩じれ変形部とカン
チレバーを一体的に形成した。
板部材を用いることにより本体部と捩じれ変形部とカン
チレバーを一体的に形成した。
【0008】第3の本発明は、第1または第2の発明に
おいて、歪み検出手段に半導体歪みゲージを使用した。
おいて、歪み検出手段に半導体歪みゲージを使用した。
【0009】
【作用】第1の本発明では、力顕微鏡の力検出機構にお
けるカンチレバーに変位が生じると、カンチレバーの変
位に対応する変化が捩じれ変形部に優先的に生じるよう
にした。歪み検出手段は捩じれ変形部に生じた捩じれ変
形量に比例する信号を出力し、この出力信号によってプ
ローブに作用する力を高い感度でかつ高い精度で検出す
る。
けるカンチレバーに変位が生じると、カンチレバーの変
位に対応する変化が捩じれ変形部に優先的に生じるよう
にした。歪み検出手段は捩じれ変形部に生じた捩じれ変
形量に比例する信号を出力し、この出力信号によってプ
ローブに作用する力を高い感度でかつ高い精度で検出す
る。
【0010】第2の本発明では、所要の剛性を有する半
導体の基板を利用し、この基板に簡単な加工を施すだけ
で捩じれ変形部を備えるカンチレバーを本体部と共に一
体的に形成する。カンチレバー自体は、剛性を有する基
板で作られるので、反りが発生するのを避けることがで
きる。また基板の一部として作られる捩じれ変形部は、
加工によって、自由に必要な捩じれ変形特性を持たせる
ことができるので、所望の感度を有する力検出機構を実
現することができる。また、簡単な加工処理で捩じれ変
形部を有する力検出機構を安価に作製する。
導体の基板を利用し、この基板に簡単な加工を施すだけ
で捩じれ変形部を備えるカンチレバーを本体部と共に一
体的に形成する。カンチレバー自体は、剛性を有する基
板で作られるので、反りが発生するのを避けることがで
きる。また基板の一部として作られる捩じれ変形部は、
加工によって、自由に必要な捩じれ変形特性を持たせる
ことができるので、所望の感度を有する力検出機構を実
現することができる。また、簡単な加工処理で捩じれ変
形部を有する力検出機構を安価に作製する。
【0011】第3の本発明では、歪み検出手段を半導体
歪みゲージで作製することにより、半導体成膜技術を利
用して力検出機構を作ることが可能となる。半導体歪み
ゲージを利用することにより、捩じれ変形部に生じる歪
みの検出感度を高め、力の検出感度および検出精度を高
める。
歪みゲージで作製することにより、半導体成膜技術を利
用して力検出機構を作ることが可能となる。半導体歪み
ゲージを利用することにより、捩じれ変形部に生じる歪
みの検出感度を高め、力の検出感度および検出精度を高
める。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は本発明に係る力顕微鏡の全体的な装
置構成を示し、図2は力検出機構の要部を示す。
て説明する。図1は本発明に係る力顕微鏡の全体的な装
置構成を示し、図2は力検出機構の要部を示す。
【0013】図1において、測定対象である試料11は
Z軸方向に微細に伸縮するZ微動装置12の上に配置さ
れ、Z微動装置12はXY走査装置13の上に固定され
る。Z微動装置12は試料台であり、例えば積層構造を
有する圧電素子で作製される。Z微動装置12は、Z方
向サーボ制御部14から与えられる制御信号に基づいて
伸縮し、Z軸方向に試料11を微小に移動させる。また
XY走査装置13は、XY方向走査制御部15から与え
られる制御信号に基づいて試料11をX軸方向とY軸方
向のいずれか一方または両方に微細に走査移動させる。
Z方向サーボ制御部14は、後述するごとく検出回路部
16によって検出される信号が一定に保持されるように
試料11の表面とプローブ17の間の距離を一定に保持
するサーボ制御を行う。Z微動装置12の動作量に関す
る制御信号はZ方向サーボ制御部14から演算・制御部
18に与えられる。また演算・制御部18は、XY走査
装置13の動作制御に関するデータを、XY方向走査制
御部15に与える。
Z軸方向に微細に伸縮するZ微動装置12の上に配置さ
れ、Z微動装置12はXY走査装置13の上に固定され
る。Z微動装置12は試料台であり、例えば積層構造を
有する圧電素子で作製される。Z微動装置12は、Z方
向サーボ制御部14から与えられる制御信号に基づいて
伸縮し、Z軸方向に試料11を微小に移動させる。また
XY走査装置13は、XY方向走査制御部15から与え
られる制御信号に基づいて試料11をX軸方向とY軸方
向のいずれか一方または両方に微細に走査移動させる。
Z方向サーボ制御部14は、後述するごとく検出回路部
16によって検出される信号が一定に保持されるように
試料11の表面とプローブ17の間の距離を一定に保持
するサーボ制御を行う。Z微動装置12の動作量に関す
る制御信号はZ方向サーボ制御部14から演算・制御部
18に与えられる。また演算・制御部18は、XY走査
装置13の動作制御に関するデータを、XY方向走査制
御部15に与える。
【0014】試料11の上側には力検出機構19が配置
される。力検出機構19は、先部の自由端に上記プロー
ブ17を設けたカンチレバー20を備える。針状のプロ
ーブ17の先端は、試料11の表面に対し原子レベルの
距離(オングストロームのオーダの距離)で接近してい
る。試料表面の原子は、プローブ17に対して例えば原
子間力を作用する。プローブ17は試料11の表面から
の原子間力の作用を受け、この原子間力に応じてその位
置を変化する。プローブ17の位置変化によってカンチ
レバー20には変位が生じる。
される。力検出機構19は、先部の自由端に上記プロー
ブ17を設けたカンチレバー20を備える。針状のプロ
ーブ17の先端は、試料11の表面に対し原子レベルの
距離(オングストロームのオーダの距離)で接近してい
る。試料表面の原子は、プローブ17に対して例えば原
子間力を作用する。プローブ17は試料11の表面から
の原子間力の作用を受け、この原子間力に応じてその位
置を変化する。プローブ17の位置変化によってカンチ
レバー20には変位が生じる。
【0015】上記の構成において、XY走査装置13は
フレーム21の下部に固定され、力検出機構19はフレ
ーム21の上部に取り付けられる。
フレーム21の下部に固定され、力検出機構19はフレ
ーム21の上部に取り付けられる。
【0016】図2に力検出機構19の詳細な構造を示
す。力検出機構19は、本体部を形作るほぼ矩形の基板
22を備える。基板22は薄板でかつ所要の強度(剛
性)を有する。基板22には、1つの辺に沿ってこの辺
から外方へ突出する三角片状の上記カンチレバー20が
形成される。カンチレバー20の先部の自由端にはプロ
ーブ17が設けられる。基板22には、カンチレバー2
0が形成された辺に沿って長い矩形の孔23が形成され
る。この結果、基板22には細幅の捩じれ変形部24が
2箇所形成され、カンチレバー20は2箇所の捩じれ変
形部24を介して基板22に設けられる。本実施例で
は、本体部(基板22)、カンチレバー20、捩じれ変
形部24は基板状部材によって一体的に形成され、かつ
薄板状の形態を有する。なお、別々に作ることも可能で
ある。
す。力検出機構19は、本体部を形作るほぼ矩形の基板
22を備える。基板22は薄板でかつ所要の強度(剛
性)を有する。基板22には、1つの辺に沿ってこの辺
から外方へ突出する三角片状の上記カンチレバー20が
形成される。カンチレバー20の先部の自由端にはプロ
ーブ17が設けられる。基板22には、カンチレバー2
0が形成された辺に沿って長い矩形の孔23が形成され
る。この結果、基板22には細幅の捩じれ変形部24が
2箇所形成され、カンチレバー20は2箇所の捩じれ変
形部24を介して基板22に設けられる。本実施例で
は、本体部(基板22)、カンチレバー20、捩じれ変
形部24は基板状部材によって一体的に形成され、かつ
薄板状の形態を有する。なお、別々に作ることも可能で
ある。
【0017】また基板22の表面には2つの電極25,
26が設けられる。これらの電極25,26の間を接続
するように、カンチレバー20が形成された辺に沿って
上記の捩じれ変形部24に対応する基板表面上に歪みゲ
ージ27が形成される。
26が設けられる。これらの電極25,26の間を接続
するように、カンチレバー20が形成された辺に沿って
上記の捩じれ変形部24に対応する基板表面上に歪みゲ
ージ27が形成される。
【0018】電極25,26には、図示しない歪み検出
回路が接続される。歪み検出回路は、例えば良く知られ
たホイートストンブリッジ回路を利用して構成される。
ホイートストンブリッジ回路では、一般的に平衡状態を
設定するためのブリッジ回路を形成する4つの抵抗要素
を含むが、そのうちの1つの抵抗要素に上記歪みゲージ
27を使用し、他の3つの抵抗要素に固定値の抵抗を使
用する。歪み検出回路のホイートストンブリッジ回路に
は所要の電圧が印加された状態にあり、歪み検出回路か
ら歪みゲージ27に対しては電極25,26を経由して
電流が流される。歪みゲージ27が捩じれ変形部24で
生じた捩じれ変形に伴う歪みを検出したとき、その抵抗
値が変化するので、ホイートストンブリッジ回路の平衡
状態が崩れ、歪み量に比例した出力電圧が歪み検出回路
から出力される。従って、歪み検出回路の出力電圧に基
づいて、カンチレバー20の変位量(プローブ17の位
置の変化量)、すなわちプローブ17に作用した力を検
出することができる。
回路が接続される。歪み検出回路は、例えば良く知られ
たホイートストンブリッジ回路を利用して構成される。
ホイートストンブリッジ回路では、一般的に平衡状態を
設定するためのブリッジ回路を形成する4つの抵抗要素
を含むが、そのうちの1つの抵抗要素に上記歪みゲージ
27を使用し、他の3つの抵抗要素に固定値の抵抗を使
用する。歪み検出回路のホイートストンブリッジ回路に
は所要の電圧が印加された状態にあり、歪み検出回路か
ら歪みゲージ27に対しては電極25,26を経由して
電流が流される。歪みゲージ27が捩じれ変形部24で
生じた捩じれ変形に伴う歪みを検出したとき、その抵抗
値が変化するので、ホイートストンブリッジ回路の平衡
状態が崩れ、歪み量に比例した出力電圧が歪み検出回路
から出力される。従って、歪み検出回路の出力電圧に基
づいて、カンチレバー20の変位量(プローブ17の位
置の変化量)、すなわちプローブ17に作用した力を検
出することができる。
【0019】上記の基板22、捩じれ変形部24、カン
チレバー20、プローブ17は半導体成膜プロセスで作
製される。材質としては、例えば窒化ケイ素薄膜が使用
される。また基板22の上に形成される電極25,26
や歪みゲージ27も同様に半導体製作プロセスによって
作製される。
チレバー20、プローブ17は半導体成膜プロセスで作
製される。材質としては、例えば窒化ケイ素薄膜が使用
される。また基板22の上に形成される電極25,26
や歪みゲージ27も同様に半導体製作プロセスによって
作製される。
【0020】上記の歪み検出回路は、図1に示した前述
の検出回路部16に含まれる。歪み検出回路から出力さ
れた信号は、Z方向サーボ制御部14に入力される。Z
方向サーボ制御部14は、歪み検出回路で得られた検出
信号を参照して、例えば検出信号が一定になるように、
すなわち試料11とプローブ17の距離が一定になるよ
うに、試料11のZ軸方向の位置をサーボ制御する。演
算・制御部18は、Z方向サーボ制御部14とXY方向
走査制御部15の動作制御量に関するデータを用いて試
料11の測定面の凹凸形状を演算し、表示装置18の画
面に試料11の測定面の凹凸形状を描く。
の検出回路部16に含まれる。歪み検出回路から出力さ
れた信号は、Z方向サーボ制御部14に入力される。Z
方向サーボ制御部14は、歪み検出回路で得られた検出
信号を参照して、例えば検出信号が一定になるように、
すなわち試料11とプローブ17の距離が一定になるよ
うに、試料11のZ軸方向の位置をサーボ制御する。演
算・制御部18は、Z方向サーボ制御部14とXY方向
走査制御部15の動作制御量に関するデータを用いて試
料11の測定面の凹凸形状を演算し、表示装置18の画
面に試料11の測定面の凹凸形状を描く。
【0021】力検出機構19の検出動作を説明する。プ
ローブ17の先端が試料11の表面に原子レベルの距離
で接近すると、プローブ17は試料表面の原子から原子
間力の作用を受ける。原子間力の作用を受けると、プロ
ーブ17はこれに応じてその位置を変化させ、その結
果、カンチレバー20は矢印Aに示すいずれか一方の方
向へ変位する。カンチレバー20の変位はその基端部を
中心として生じ、カンチレバー自体は所要の強度を有す
るので、反りがほとんど生ぜず、両側の2箇所の捩じれ
変形部24でその軸回りにカンチレバー20の変位に対
応する捩じれ変形(矢印B)が生じる。捩じれ変形部2
4で捩じれ変形が生じると、歪みゲージ27で捩じれ変
形に伴う歪みが検出され、その抵抗値が変化する。その
結果、前述の通り歪み検出回路から、カンチレバー20
の変位(プローブ17の位置変化)に対応する出力電圧
を得ることができる。
ローブ17の先端が試料11の表面に原子レベルの距離
で接近すると、プローブ17は試料表面の原子から原子
間力の作用を受ける。原子間力の作用を受けると、プロ
ーブ17はこれに応じてその位置を変化させ、その結
果、カンチレバー20は矢印Aに示すいずれか一方の方
向へ変位する。カンチレバー20の変位はその基端部を
中心として生じ、カンチレバー自体は所要の強度を有す
るので、反りがほとんど生ぜず、両側の2箇所の捩じれ
変形部24でその軸回りにカンチレバー20の変位に対
応する捩じれ変形(矢印B)が生じる。捩じれ変形部2
4で捩じれ変形が生じると、歪みゲージ27で捩じれ変
形に伴う歪みが検出され、その抵抗値が変化する。その
結果、前述の通り歪み検出回路から、カンチレバー20
の変位(プローブ17の位置変化)に対応する出力電圧
を得ることができる。
【0022】前述の実施例によれば、カンチレバー20
で生じる変位を、カンチレバー20と一体になった捩じ
れ変形部24に取り付けた歪みゲージ27のみで抽出す
るようにし、かつカンチレバー20では反りがほとんど
生じないため、捩じれ変形部24はカンチレバー20の
変位に対して正確にかつ敏感に反応して捩じれ変形を生
じ、高感度かつ高精度にカンチレバー20の変位を検出
することができる。また力検出機構19を構成するため
の歪みゲージ27や歪み検出回路等は、比較的に安価に
作製でき、複雑で高価な変位計を別途に用意する必要は
ない。
で生じる変位を、カンチレバー20と一体になった捩じ
れ変形部24に取り付けた歪みゲージ27のみで抽出す
るようにし、かつカンチレバー20では反りがほとんど
生じないため、捩じれ変形部24はカンチレバー20の
変位に対して正確にかつ敏感に反応して捩じれ変形を生
じ、高感度かつ高精度にカンチレバー20の変位を検出
することができる。また力検出機構19を構成するため
の歪みゲージ27や歪み検出回路等は、比較的に安価に
作製でき、複雑で高価な変位計を別途に用意する必要は
ない。
【0023】上記実施例において捩じれ変形部24の幅
や厚みは、プローブ17の位置が変化したときに捩じれ
変形部24で生じる捩じれ変形がカンチレバー20の反
り変形に対して支配的要素になるように選択される。こ
れによって、前述の通り、力の検出誤差を少なくするこ
とができる。
や厚みは、プローブ17の位置が変化したときに捩じれ
変形部24で生じる捩じれ変形がカンチレバー20の反
り変形に対して支配的要素になるように選択される。こ
れによって、前述の通り、力の検出誤差を少なくするこ
とができる。
【0024】上記実施例では、図2に示すように基板2
2の上面のみに電極25,26と歪みゲージ27を設け
るようにしたが、基板22の下面にも電極と歪みゲージ
を設けるようにしてもよい。このような構造にすると、
上面と下面の各歪みゲージで捩じれ変形量を計測できる
ので、実質的に2倍の感度で計測を行うことができ、計
測感度および計測精度をさらに高めることができる。
2の上面のみに電極25,26と歪みゲージ27を設け
るようにしたが、基板22の下面にも電極と歪みゲージ
を設けるようにしてもよい。このような構造にすると、
上面と下面の各歪みゲージで捩じれ変形量を計測できる
ので、実質的に2倍の感度で計測を行うことができ、計
測感度および計測精度をさらに高めることができる。
【0025】また上記実施例では、歪みを検出する手段
として半導体の歪みゲージ27を利用したが、これに限
定されず、例えば表面弾性波素子を利用し、歪み量(捩
じれ変形量)を信号遅延量に変換して検出することもで
きる。またZ微動装置12やXY走査装置13を、試料
側ではなく、力検出機構側に設けてもよい。
として半導体の歪みゲージ27を利用したが、これに限
定されず、例えば表面弾性波素子を利用し、歪み量(捩
じれ変形量)を信号遅延量に変換して検出することもで
きる。またZ微動装置12やXY走査装置13を、試料
側ではなく、力検出機構側に設けてもよい。
【0026】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、力の作用を受けるプローブを一端に設けかつプロ
ーブの位置変化に対応して変位を生じるカンチレバー
を、捩じれ変形部を介して本体部に設け、捩じれ変形部
に歪みゲージ等の歪み検出手段を取り付けるようにし、
カンチレバーには所要の剛性を持たせかつ捩じれ変形部
に変位を検出するための十分の捩じれ変形特性を持たせ
るようにしたため、カンチレバーで望ましくない反りが
生ぜず、検出誤差が小さく、高感度かつ高精度の変位検
出(力検出)を行うことができる。また半導体製造プロ
セスを利用して、カンチレバーと本体部を一体的に作
り、カンチレバーの基部に形成された捩じれ変形部に直
接に歪み検出手段を設けるようにしたため、構造的に簡
素であり、特別に高価な検出機構を用意する必要がな
く、安価に製作できる。
れば、力の作用を受けるプローブを一端に設けかつプロ
ーブの位置変化に対応して変位を生じるカンチレバー
を、捩じれ変形部を介して本体部に設け、捩じれ変形部
に歪みゲージ等の歪み検出手段を取り付けるようにし、
カンチレバーには所要の剛性を持たせかつ捩じれ変形部
に変位を検出するための十分の捩じれ変形特性を持たせ
るようにしたため、カンチレバーで望ましくない反りが
生ぜず、検出誤差が小さく、高感度かつ高精度の変位検
出(力検出)を行うことができる。また半導体製造プロ
セスを利用して、カンチレバーと本体部を一体的に作
り、カンチレバーの基部に形成された捩じれ変形部に直
接に歪み検出手段を設けるようにしたため、構造的に簡
素であり、特別に高価な検出機構を用意する必要がな
く、安価に製作できる。
【図1】本発明に係る力検出機構が適用される力顕微鏡
の全体構成を示す図である。
の全体構成を示す図である。
【図2】力検出機構の要部を示す外観斜視図である。
11 試料 12 Z微動装置 13 XY走査装置 17 プローブ 19 力検出機構 20 カンチレバー 22 基板(本体部) 23 孔 24 捩じれ変形部 25,26 電極 27 歪みゲージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01L 1/22 M H01J 37/28 Z
Claims (3)
- 【請求項1】 力の作用を受けるプローブを一端に設け
たカンチレバーを備え、前記プローブの位置変化に伴う
前記カンチレバーの変位に基づいて前記力を検出する力
顕微鏡において、 前記カンチレバーは捩じれ変形部を介して本体部に設け
られ、前記捩じれ変形部に歪み検出手段を取り付けたこ
とを特徴とする力顕微鏡の力検出機構。 - 【請求項2】 請求項1記載の力顕微鏡の力検出機構に
おいて、前記本体部と前記捩じれ変形部と前記カンチレ
バーを基板部材で一体的に形成したことを特徴とする力
顕微鏡の力検出機構。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の力顕微鏡の力検
出機構において、前記歪み検出手段は半導体歪みゲージ
であることを特徴とする力顕微鏡の力検出機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22885494A JPH0868801A (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 力顕微鏡の力検出機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22885494A JPH0868801A (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 力顕微鏡の力検出機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0868801A true JPH0868801A (ja) | 1996-03-12 |
Family
ID=16882923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22885494A Pending JPH0868801A (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 力顕微鏡の力検出機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0868801A (ja) |
-
1994
- 1994-08-30 JP JP22885494A patent/JPH0868801A/ja active Pending
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