JPH0868666A - 光学式エンコーダ用信号処理回路 - Google Patents

光学式エンコーダ用信号処理回路

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JPH0868666A
JPH0868666A JP6228653A JP22865394A JPH0868666A JP H0868666 A JPH0868666 A JP H0868666A JP 6228653 A JP6228653 A JP 6228653A JP 22865394 A JP22865394 A JP 22865394A JP H0868666 A JPH0868666 A JP H0868666A
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light
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成が簡単で、小型化及び低コスト化が可能
であり、かつ、遮光板の停止位置に関係なく安定した信
号を送出する光学式エンコーダ用信号処理回路を提供す
る。 【構成】 多数のスリット12を有する遮光板1を介し
て発光ダイオード5A,5Bに対向配置される一対のフ
ォトトランジスタ7A,7Bより得られるアナログ波形
信号をそれぞれ矩形波形に整形する一対の波形整形手段
として、同一パッケージ内のヒステリシス特性を有する
インバータ23A,23Bを用いた。そして、これらイ
ンバータ23A,23Bの2つのスレシュホールドレベ
ル間に設定された発光ダイオード5Bと電流調整用抵抗
器21との接続点ハの電位と一対のフォトトランジスタ
7A,7Bの出力をそれぞれAC結合した信号とを重畳
してそれぞれのインバータ23A,23Bの入力端に供
給される構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マウスやトラックボー
ル等に使用される光学式エンコーダ用信号処理回路に係
わり、特に、受光素子から得られるアナログの検出信号
を矩形波形に整形する信号処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】マウスやトラックボール等のX−Y座標
入力装置に使用されている光学式ロータリエンコーダ
は、通常、ケーシングに内蔵されているボールの回転を
検出することにより、前記X−Y座標入力装置の操作移
動方向及び操作移動量を求めている。
【0003】この場合、光学式ロータリエンコーダを有
するX−Y座標入力装置(例えば、マウス)は、マウス
内に回転可能に内蔵保持されているボールと、円周方向
に所定ピッチで配列された多数のスリットを有する一対
の円板状遮光板(ロータリエンコーダ板)と、前記遮光
板の中心に設けられ、前記ボールと接触してボールの回
転に伴って回転する一対の回転軸と、前記遮光板のスリ
ット配置部分を介して対向配置されたそれぞれ2つづつ
の発光素子及び受光素子の組と、これらを収納するケー
シング等により概略構成されている。ここで、一方の発
光素子と受光素子の組はX軸方向の検出(マウスの移動
のX軸方向成分の検出)を行うものであり、他方の発光
素子と受光素子の組はY軸方向の検出(マウスの移動の
Y軸方向成分の検出)を行うものである。前記一方及び
他方の発光素子と受光素子の組は、いずれも2つづつの
発光素子と受光素子で構成されており、1つの組の2つ
の受光素子はそれぞれA相信号及びB相信号を送出す
る。これらのA相信号及びB相信号は、理想的には90
度位相の異なる略正弦波状のアナログ波形信号であり、
信号処理回路によりそれぞれ矩形波状のデジタル信号
(2値位相パルス信号)に変換され、次いで、マウス内
部あるいは外部のマイクロプロセッサ等に供給されて、
マウスの移動方向及び移動量が求められ、その結果すな
わちマウスの移動に応じた所要の制御がマウスが接続さ
れたホストコンピュータ等の制御装置により行われる。
【0004】図8は前述したような光学式ロータリエン
コーダを有するX−Y座標入力装置であるマウス内部の
概略構成を示す平面図、図9は図8のマウスに備えられ
る円板状遮光板を回転軸方向から見た平面図、図10は
図8のマウスに備えられる従来の光学式ロータリエンコ
ーダ用信号処理回路の一例を示すブロック図、図11は
図10に示す処理回路から得られる信号波形の一例を示
す信号波形図である。
【0005】図8において、1,2は円板状遮光板(ロ
ータリエンコーダ板)、3,4は回転軸、5A,5B,
6A,6Bは発光ダイオード(LED)等の発光素子、
7A,7B,8A,8Bはフォトトランジスタ等の受光
素子、9はマウスの移動により回転可能なボール、10
は付勢ローラ、11はスプリングであり、符号数字1な
いし8の中で、奇数はX軸方向、偶数はY軸方向の構成
要素を表し、符号末尾のアルファベットA、Bはそれぞ
れA相側、B相側の構成要素を表している。
【0006】両遮光板1,2は非透明な合成樹脂により
形成されており、図9に示すように、円周方向に所定ピ
ッチをもって多数のスリット12が形成配列されてお
り、その中心部には、遮光板1,2の板面と軸方向が垂
直となるように回転軸3,4がそれぞれ一体形成されて
いる。遮光板1の前記スリット配置部分には、それぞれ
第1の組の2つづつの発光素子5A,5B及び受光素子
7A,7Bが前記スリット配置部分を挟むように対向配
置され、同様に、遮光板2のスリット配置部分にも、そ
れぞれ第2の組の2つづつの発光素子6A,6B及び受
光素子8A,8Bが対向配置されている。X軸方向の構
成要素である前記遮光板1、回転軸3、2つづつの発光
素子5A,5B及び受光素子7A,7Bはエンコーダケ
ース(図示なし)の内部にそれぞれ収納されており、前
記遮光板1と回転軸3は前記エンコーダケースの内部で
回転自在に支承されている。同様に、Y軸方向の構成要
素である前記遮光板2、回転軸4、2つづつの発光素子
6A,6B及び受光素子8A,8Bもエンコーダケース
(図示なし)の内部にそれぞれ収納されており、前記遮
光板2と回転軸4も前記エンコーダケース内部で回転自
在に支承されている。双方の回転軸3,4の一部は、と
もに、前記エンコーダケースから露出され、その周面が
回転可能なボール9に摩擦接触されている。ボール9に
はスプリング11の弾発力によって付勢ローラ10が圧
接されており、ボール9を常時両回転軸3,4方向に付
勢させ、ボール9と両回転軸3,4とが良好な摩擦接触
を行うように構成されている。なお、両回転軸3,4は
互いに軸線がY軸方向及びX軸方向を向くように、すな
わち、直交するように配置されており、これらの軸線に
対してボール9は、前記スプリング11と付勢ローラ1
0によって、前記X軸方向及びY軸方向の中間の方向、
すなわち、略45度の方向から両回転軸3,4にバイア
ス付勢されている。
【0007】このように構成された光学式ロータリエン
コーダを有するX−Y座標入力装置(マウス)の動作
は、次の通りである。
【0008】操作者がマウス本体(ケーシング)を把持
し、ベース板(図示なし)上を移動させると、前記ベー
ス板とボール9との摩擦によってボール9が回転する。
このボール9の回転に伴って、ボール9に摩擦接触して
いる2つの回転軸3,4が回転し、両回転軸3,4とそ
れぞれ一体に形成されている両遮光板1,2も同時に回
転する。前述したように、両遮光板1,2には円周方向
に多数のスリット12が所定の等間隔ピッチで形成され
ており、両遮光板1,2が回転すると、第1の組の対を
なす発光素子5A,5Bから受光素子7A,7Bに至る
光、及び、第2の組の対をなす発光素子6A,6Bから
受光素子8A,8Bに至る光がそれぞれ前記多数のスリ
ット12によって交互に遮断もしくは透過するようにな
り、第1の組の両受光素子7A,7B、及び、第2の組
の両受光素子8A,8Bからは、それぞれ前記光の遮断
もしくは透過に対応したA相信号及びB相信号が送出さ
れる。これらのA相信号及びB相信号は、マウスを一定
の速度で移動させた場合には、略正弦波状をしたアナロ
グ波形信号であり、A相信号とB相信号との位相差が基
準で90度、すなわち、1/4周期となるよう、前記ス
リット12に対する各光学素子、特に、第1の組の両受
光素子7A,7B及び第2の組の両受光素子8A,8B
が前記エンコーダケースの内部で位置決め保持されてい
る。
【0009】次いで、これらのA相信号及びB相信号
は、以下に述べる信号処理回路において2つの矩形波状
のデジタル信号(2値位相パルス信号)に変換され、さ
らに、この2つのデジタル信号に対してマイクロプロセ
ッサ等が演算等を行うことによって、ボール9の回転に
対応したマウス本体のX軸方向成分とY軸方向成分の移
動方向と移動量の検出が行われる。すなわち、マイクロ
プロセッサ等は、X軸方向におけるA相信号とB相信号
の位相の遅れ,進みでボール9の回転方向(マウス本体
の移動が右向きか左向きか)を判別するとともに、デジ
タル信号のパルス数によりその判別方向におけるマウス
本体の移動量を求め、同様に、Y軸方向におけるA相信
号とB相信号の位相の遅れ,進みでボール9の回転方向
(マウス本体の移動が手前向きか後方向きか)を判別す
るとともに、デジタル信号のパルス数によりその判別方
向における移動量を求めている。
【0010】図10は従来の光学式ロータリエンコーダ
の信号処理回路の一例を示すブロック図であって、実開
平1−167622号公報に記載されている波形整形回
路を図8に示すマウスに適用した場合のブロック図であ
る。ここで、X軸方向とY軸方向の処理回路は同一であ
るため、X軸方向のA相信号及びB相信号を処理する回
路部分だけをブロック図で示している。
【0011】図10において、13A,13Bは増幅回
路、14A,14Bは+側波高値検出回路、15A,1
5Bは−側波高値検出回路、16A,16B,17A,
17Bは同じ抵抗値を有する抵抗、18A,18Bは回
転・停止判別回路、19A,19Bはスレシュホールド
レベル切換回路、20A,20Bは矩形波処理回路であ
り、その他、図8に示したと同じ構成要素には同じ符号
を付けている。また、符号の末尾のアルファベットA,
Bは、それぞれA相側、B相側の構成要素を表してい
る。
【0012】A相側の信号処理回路において、前記受光
素子7Aの出力は前記増幅回路13Aに接続されてお
り、この増幅回路13Aの出力は前記+側波高値検出回
路14A、−側波高値検出回路15Aに接続されるとと
もに、前記矩形波処理回路20Aの一方の入力端にも接
続されている。+側波高値検出回路14Aと−側波高値
検出回路15Aの出力は前記回転・停止判別回路18A
の2つの入力端にそれぞれ接続されており、この回転・
停止判別回路18Aの出力は前記スレシュホールドレベ
ル切換回路19Aの制御入力端に接続されている。ま
た、+側波高値検出回路14Aの出力は前記抵抗16A
の一端に、−側波高値検出回路15Aの出力は前記抵抗
17Aの一端にもそれぞれ接続されている。さらに、両
抵抗16A,17Aの他端同士は接続されているととも
に、この接続点はスレシュホールドレベル切換回路19
Aの一方の入力端に接続され、このスレシュホールドレ
ベル切換回路19Aの他方の入力端は接地されている。
そして、スレシュホールドレベル切換回路19Aの出力
は前記矩形波処理回路20Aの他方の入力端に接続さ
れ、この矩形波処理回路20Aの出力は図示せぬマイク
ロプロセッサの入力ポートに接続されている。
【0013】このように構成された信号処理回路の動作
は次の通りである。
【0014】まず、受光素子7Aにより電気信号に変換
された信号は増幅回路13Aにより増幅された後、矩形
波処理回路20Aの前記一方の入力端に入力される。こ
こで、増幅回路13Aより出力される増幅信号は、その
入力信号と同様、マウス本体が一定の速度で移動されて
いる場合には、前述したように略正弦波状のアナログ信
号である。前記増幅信号は、同時に、+側波高値検出回
路14A,−側波高値検出回路15Aにも入力され、両
波高値検出回路14A,15Aにより、それぞれ増幅信
号の+側波高値(最大値)V1,−側波高値(最小値)
V2が検出されて出力される。これらの+側波高値V
1,−側波高値V2は、それぞれ抵抗16A,17Aの
一端に供給され、両抵抗の16A,17Aの接続点に
は、V1とV2の中点電位Vc、すなわち、(V1+V
2)/2の式で表される電位が得られ、この電位Vcは
スレシュホールドレベル切換回路19Aの一方の入力端
に供給される。また、前記+側波高値V1及び−側波高
値V2は回転・停止判別回路18Aにも供給され、この
回転・停止判別回路18Aは、両波高値V1,V2が等
しいか否かに基づいて遮光板1が停止しているか回転し
ているかを判別し、この判別信号がスレシュホールドレ
ベル切換回路19Aの制御入力端に出力される。スレシ
ュホールドレベル切換回路19Aは、前記判別信号に応
じて、その出力信号を遮光板1の回転時には前記中点電
位Vcに、停止時には0レベル(接地レベル)に切り換
え、この出力信号が矩形波処理回路20Aのスレシュホ
ールドレベルとして矩形波処理回路20Aの他方の入力
端に供給される。このように定められたスレシュホール
ドレベルにより、前記矩形波処理回路20Aの一方の入
力端に入力されるアナログの前記増幅信号はデューティ
比ほぼ50%の矩形波状のデジタル信号に変換され、こ
のデジタル信号は前述したように、図示せぬマイクロプ
ロセッサの入力ポートに入力される。
【0015】以上の説明は、X軸方向のA相側の信号処
理回路におけるものであるが、X軸方向のB相側及びY
軸方向においても全く同一の回路構成及び動作であり、
重複した説明を避けるために、これらの説明については
省略する。なお、前述したように、A相信号とB相信号
とは基準で90度の位相差が得られるように設定されて
おり、前記マイクロプロセッサは両信号の位相差やデジ
タル信号のパルス数を検出して、マウス本体の移動方向
及び移動量を演算している。
【0016】次に、図10に示した信号処理回路により
得られる信号波形について説明する。図11において、
(a)は増幅回路13A,13Bよりそれぞれ出力され
るアナログのA相信号及びB相信号の波形、(b)はA
相側の矩形波処理回路20Aにより矩形波に波形整形さ
れたA相側デジタル信号波形(パルス信号波形)、
(c)はB相側の矩形波処理回路20Bにより矩形波に
波形整形されたB相側デジタル信号波形(パルス信号波
形)であり、いずれの波形図においても横軸に時間を取
っている。
【0017】ここで、説明を簡単にするために、マウス
本体は一定の速度で移動されており、A相側,B相側と
も、+側波高値V1と−側波高値V2とはその絶対値が
等しいものとする。前記アナログのA相信号及びB相信
号は、図11(a)に示すように、一定の振幅(V1−
V2)と周期(波長)Tを有する正弦波状をなしてお
り、A相信号がB相信号に対し90度すなわちT/4の
時間だけ位相が遅れている。これらのアナログ信号は、
図11(b),(c)に示すように、中点電位Vc、こ
の場合には、0レベルをスレシュホールドレベルとし
て、矩形波処理回路20A,20BによりそれぞれHレ
ベル(例えば、5V)とLレベル(例えば、0V)の2
値からなる矩形波状のデジタル信号に波形整形される。
図10に示した信号処理回路においては、前記両波高値
V1とV2との中点電位Vcがスレシュホールドレベル
となるように構成されているため、前記デジタル信号波
形のデューティ比(周期Tに対するHレベルもしくはL
レベル状態の時間の割合)は、50%となり、A相側の
デジタル信号がB相側のデジタル信号波形に対し位相が
90度遅れた状態は維持される。これらのデジタル信号
は、前述したように、マイクロプロセッサに取り込ま
れ、処理した結果がホストコンピュータ等の制御装置に
伝えられ、例えば、ディスプレイ上のカーソルがマウス
本体の移動に対応して移動するように制御される。な
お、マウス本体を図11に示した場合の方向と反対方向
に移動させると、逆に、A相信号がB相信号に対し90
度進んだ位相関係の信号波形が得られる。
【0018】図10及び図11を使って説明した従来の
光学式ロータリエンコーダの信号処理回路においては、
受光素子7A,7Bの出力に基づいたアナログの増幅信
号を矩形波状のデジタル信号に波形整形するにあたっ
て、+側波高値V1と−側波高値V2との中点電位Vc
をスレシュホールドレベルとしているため、受光素子7
A,7Bの受光量が変化し増幅出力がレベル変動して
も、安定したデューティ比50%が得られ、A相信号と
B相信号の位相差も確実に得られる等のメリットがあ
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の光学式エンコーダの信号処理回路にあっ
ては、+側及び−側波高値検出回路14A,15Aや回
転・停止判別回路18A、さらには、スレシュホールド
レベル切換回路19Aを必要とし、回路構成が非常に複
雑となっていた。また、波高値検出回路14A,14B
を実現する実際の回路としては、オペアンプ、コンデン
サ等で構成されるピークホールド回路が一般的であり、
その他、所定の時間間隔でこのピークホールド回路をリ
セットするためのタイミング発生回路も必要となる。さ
らに、マウスのようなX−Y座標入力装置にこの信号処
理回路を適用する場合には、X軸方向、Y軸方向にそれ
ぞれA相,B相があるため、+側波高値検出回路14A
等の各回路ブロックは、それぞれ4セットづつ必要とな
り、いっそう回路構成が複雑となり、X−Y座標入力装
置あるいは光学式エンコーダの信号処理回路を小型化及
び低コスト化する上で障害となっていた。
【0020】また、増幅回路13A,13Bより出力さ
れる増幅信号が0レベル付近となるような位置で、遮光
板1,2が停止する可能性もあり、その場合には、矩形
波処理回路20A,20Bのスレシュホールドレベルと
ほぼ等しくなってしまうため、矩形波処理回路20A,
20Bの出力信号(デジタル信号)のレベルがHレベル
となったりLレベルとなったりしてふらつき、この不安
定な信号を矩形波処理回路20A,20Bが接続される
例えば、マイクロプロセッサが誤って認識してしまい、
この信号処理回路をマウス等のX−Y座標入力装置に採
用した場合には、ホストコンピュータ等のディスプレイ
装置に表示されるカーソルがマウス等の操作者の意に反
して動いてしまうという不具合もあった。
【0021】本発明の目的は、前述した従来技術の実情
に鑑み、構成が簡単で、小型化及び低コスト化が可能で
あり、かつ、遮光板の停止位置に関係なく安定した信号
を送出する光学式エンコーダ用信号処理回路を提供する
ことにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的を
達成するために、本発明は、多数のスリットを有する遮
光板を介して発光素子に対向配置される一対の受光素子
と、これら一対の受光素子より得られる格別のアナログ
波形信号をそれぞれ矩形波形に整形する一対の矩形波処
理手段とを備えた光学式エンコーダ用信号処理回路にお
いて、前記一対の矩形波処理手段はヒステリシス特性を
有する一対のインバータ等からなる論理回路で構成さ
れ、これら論理回路の入力に前記論理回路の2つのスレ
シュホールドレベル間に設定された直流バイアス電圧が
印加されるとともに、前記一対の受光素子の出力をそれ
ぞれAC結合して前記一対の論理回路の入力にそれぞれ
接続させる構成とした。
【0023】また、前記発光素子は発光ダイオードから
なり、この発光ダイオードと直列に電流調整用の抵抗器
が接続されており、この抵抗器あるいは発光ダイオード
の電位が前記直流バイアス電圧として前記一対の論理回
路の入力にそれぞれ印加される構成とした。
【0024】さらに、前記電流調整用の抵抗器は複数の
抵抗器からなり、これら複数の抵抗器のうち少なくとも
一つは抵抗値が調整可能な抵抗器とした。
【0025】また、前記一対のインバータ等からなる論
理回路は同一の集積回路パッケージ内に収納された回路
となるよう構成した。
【0026】
【作用】受光素子より得られるアナログ波形信号を矩形
波形に整形する矩形波処理手段をヒステリシス特性を有
するインバータ等からなる論理回路で構成し、この論理
回路の入力に論理回路の2つのスレシュホールドレベル
間に設定された直流バイアス電圧を印加するとともに、
前記受光素子の出力をAC結合(交流結合)して前記論
理回路の入力に接続しているので、論理回路の入力に
は、直流バイアス電圧に受光素子の出力の交流成分が重
畳された電圧が供給され、遮光板が停止しているときに
は、前記バイアス電圧レベルが論理回路に入力される。
前記論理回路はヒステリシス特性、すなわち、出力がH
レベルからLレベルになるときのスレシュホールドレベ
ルとLレベルからHレベルになるときのスレシュホール
ドレベルとが異なる特性を備えたものであるため、遮光
板の停止状態には関係なく、遮光板が停止する直前の安
定した出力レベルを論理回路から得ることができる。ま
た、回路構成は、直流バイアス電圧を得るための回路素
子、AC結合のための回路素子、及びインバータ等から
なる論理回路素子等の簡単な構成となるため、信号処理
回路やこの信号処理回路が組み込まれるX−Y座標入力
装置等の装置全体の小型化及び低コスト化を図ることが
できる。
【0027】また、発光素子を発光ダイオードで構成
し、この発光ダイオードと直列に電流調整用の抵抗器を
接続し、この抵抗器あるいは発光ダイオードの電位を前
記直流バイアス電圧として前記論理回路の入力に印加し
た場合には、発光ダイオードの順方向電圧(順電圧)を
利用してバイアス電圧を得るようにしているため、バイ
アス電圧設定用としての抵抗器等の回路素子は不要とな
り、より信号処理回路の回路構成を簡単なものとするこ
とができる。
【0028】さらに、前記発光ダイオードと直列に接続
される電流調整用の抵抗器を調整可能な抵抗器を含む複
数の抵抗器で構成した場合には、インバータ等からなる
論理回路のスレシュホールドレベルにばらつきがあった
としても、調整可能な抵抗器の抵抗値を調整することに
より直流バイアス電圧を適切に設定することが可能とな
るため、一対の論理回路からは所望の位相差を有する矩
形波(2値位相パルス信号)を得ることができる。
【0029】また、前記一対のインバータ等からなる論
理回路を同一の集積回路パッケージ内に収納されている
回路で構成した場合には、一対の論理回路のスレシュホ
ールドレベル等の特性にほとんどばらつきはないため、
論理回路に入力される直流バイアス電圧は1種類です
み、直流バイアス電圧を設定するための回路素子を共用
でき、その回路素子数も少なく抑えることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0031】図1は本発明に係わる光学式ロータリエン
コーダ用信号処理回路の第1の実施例を示す回路構成
図、図2は図1の信号処理回路より得られる信号波形の
一例を示す信号波形図である。図1の信号処理回路も、
図8,図9に示したようなマウス等のX−Y座標入力装
置に備えられているものであり、図1では図8に示すX
−Y座標入力装置のX軸方向のA相信号及びB相信号を
処理する回路部分だけを詳細に示したものである。な
お、本実施例の信号処理回路が備えられるX−Y座標入
力装置としてのマウス内部の構成は図8,図9に示した
ものと同一であるため、その機構的な詳細説明は省略す
るとともに、図1における図8,図9に示したと同じ構
成要素には同じ符号を付けている。
【0032】図1において、5A,5Bは発光素子であ
る赤外の発光ダイオード、21は発光ダイオード5A,
5Bに流れる電流を制限する電流調整用抵抗器(抵抗値
は数100Ω)、7A,7Bは図8に示す遮光板1のス
リット配置部分において遮光板1を介して発光ダイオー
ド5A,5Bとそれぞれ対向配置されたフォトトランジ
スタ(受光素子)、22A,22Bはフォトトランジス
タ7A,7Bのエミッタに接続されるエミッタ抵抗器、
23A,23Bは論理回路としてのヒステリシス特性を
有するシュミットトリガ入力のインバータ(例えば、東
芝製C−MOSロジックICのTC4584BP)、2
4A,24Bはフォトトランジスタ7A,7Bの出力
(エミッタ)とインバータ23A,23Bの入力とをA
C(交流)結合する結合コンデンサ、25A,25Bは
電流調整用抵抗器21の電位をインバータ23A,23
Bの入力に印加する入力抵抗器(抵抗値はMΩオーダ
ー)、26はインバータ23A,23Bの出力端に接続
されるマイクロプロセッサ(MPU)である。なお、符
号末尾のアルファベットA,BはそれぞれA相側、B相
側の構成要素を表している。
【0033】そして、発光素子5A,5Bと電流調整用
抵抗器21は5Vの電源ライン(定電圧)と接地間に直
列に接続されており、受光素子7Aとエミッタ抵抗器2
2A及び受光素子7Bとエミッタ抵抗器22Bも、とも
に前記電源ラインと接地間に直列に接続されている。受
光素子7Aとエミッタ抵抗器22Aとの接続点イは結合
コンデンサ24Aを介してインバータ(論理回路)23
Aの入力端に、受光素子7Bとエミッタ抵抗器22Bと
の接続点ロは結合コンデンサ24Bを介してインバータ
23Bの入力端にそれぞれ接続されている。発光素子5
Bと電流調整用抵抗器21との接続点ハは、入力抵抗器
25Aを介して結合コンデンサ24Aとインバータ23
Aとの接続点、すなわち、インバータ23Aの入力端に
接続されるとともに、入力抵抗器25Bを介して結合コ
ンデンサ24Bとインバータ23Bとの接続点であるイ
ンバータ23Bの入力端にも接続されている。なお、接
続点ハの電位は、後述する第1のスレシュホールドレベ
ルVth1と第2のスレシュホールドレベルVth2と
の間の電位(好ましくは、両スレシュホールドレベルの
中間の電位)となるように設定されている。また、イン
バータ23Aと23Bは同一パッケージ内に収納された
集積回路(IC)により構成されており、このICの電
源端子にも前記5Vの定電圧が供給されている。なお、
発光素子5A,5Bからの光が遮光板1の円周方向に所
定の等間隔ピッチをもって多数形成されたスリット配置
部分を介して対を構成している受光素子7A,7Bの組
に投射されるように構成されており、従来の技術で説明
したと同様に、信号処理回路が内蔵されるマウスを一定
の速度で移動させた場合には、基準で90度の位相差を
有する信号が受光素子7A,7Bより得られるように受
光素子7A,7Bがマウスのケーシング内で位置決め配
置されている。
【0034】なお、以上の構成は、X軸方向のA相信号
及びB相信号を処理する回路部分を示すものであるが、
Y軸方向のA相信号及びB相信号を処理する回路部分も
前記X軸方向の回路部分と全く同様に構成されているた
め、Y軸方向の回路については図示省略する。
【0035】ここで、図2はマウスを通常の一定操作速
度で操作した場合に、図1に示す信号処理回路の動作時
に、各部に得られる信号波形の一例を示す信号波形図で
あり、縦軸に電圧レベル、横軸に時間を取っている。図
2において、(a)は前記接続点イ,ロに得られるA相
信号,B相信号の各波形、(b)は結合コンデンサ24
Aと入力抵抗器25Aとの接続点、すなわち、インバー
タ23Aの入力端、及び結合コンデンサ24Bと入力抵
抗器25Bとの接続点となるインバータ23Bの入力端
に得られるA相信号とB相信号の各波形及びインバータ
23A,23Bのスレシュホールドレベルを表し、
(c)はA相側のインバータ23Aの出力端より得られ
るパルス信号波形、(d)はB相側のインバータ23B
の出力端より得られるパルス信号波形を表している。
【0036】次に、この第1の実施例における信号処理
回路の動作を、図8のマウス内部の概略構成図や図2の
信号波形図を併用して説明する。
【0037】始めに、操作者がマウスが載置されるベー
ス板(図示なし)上で、マウスを通常の一定速度によっ
て移動させると、その移動量及び移動速度に応じて、遮
光板1,2(図8参照)が回転し、X軸方向の遮光板1
の回転にともなって、発光素子5A,5Bから照射され
たそれぞれの光は前記遮光板1のスリット12の到来、
非到来に対応して透過または遮断され、断続的に対を成
している受光素子7A,7Bに供給される。受光素子7
A,7Bは発光素子5A,5Bからそれぞれ供給される
光の断続に対応して導通度(フォトトランジスタに流れ
る光電流)が変化し、受光素子7A側の接続点イに、図
2(a)のaに示されるようなA相信号、受光素子7B
側の接続点ロに、同じく図2(a)のbに示されるよう
なB相信号がそれぞれ形成される。ここで、両発光素子
5A,5B及び両受光素子7A,7Bの特性がそろって
いないと、図2(a)に示すように、A相信号とB相信
号の波形の振幅やDC成分(直流成分)が幾分異なる。
ここで、マウスは一定の速度で移動されているため、A
相信号とB相信号はいずれも正弦波状の波形となり、両
波形の位相差は90度となっている。
【0038】次に、接続点イにおけるA相信号は結合コ
ンデンサ24Aに供給され、同様に、接続点ロにおける
B相信号は結合コンデンサ24Bに供給され、A相及び
B相信号はそれぞれこれらの結合コンデンサ24A,2
4BによってAC結合され、AC成分(交流成分)のみ
がインバータ23A,23Bの入力端側に伝えられる。
【0039】また、発光素子5Bと電流調整用抵抗器2
1との接続点ハには、電源ラインの電圧5Vから発光素
子5A,5Bの電圧降下分を差し引いた電位が得られ
る。すなわち、発光素子としての赤外発光ダイオード5
A,5Bの順方向電圧は、一般に1.2Vが基準値であ
るため、接続点ハの電位V3として、2.6V(5−
1.2*2)が得られる。この電位V3は直流バイアス
電圧(以下、バイアス電圧と記す)として、それぞれ入
力抵抗器25A,25Bを介してインバータ23A,2
3Bの入力端に伝達される。そして、インバータ23A
の入力端の電位は、図2(b)のaに示すように、前記
A相信号のAC成分と接続点ハの電位V3とが重畳され
たものとなり、同様に、インバータ23Bの入力端の電
位は、図2(b)のbに示すように、前記B相信号のA
C成分と電位V3とが重畳されたものとなる。換言すれ
ば、インバータ23A,23Bの入力端は電源電圧のほ
ぼ半分である電圧(電位V3)を中心としてA相信号及
びB相信号の振幅に応じてそれぞれの電圧レベルが上下
に振れる。なお、前記遮光板1が回転していない場合に
は、A相信号及びB相信号のレベルは変化せず、AC成
分がないため、両インバータ23A,23Bの入力端の
電位は前記電位V3に保たれる。
【0040】次に、電位V3を中心とした正弦波状のア
ナログ信号であるA相信号及びB相信号がインバータ2
3A,23Bによってそれぞれ矩形波状のパルス信号
(デジタル信号)に波形整形される。ここで、前記イン
バータ23A,23Bはヒステリシス特性を有するシュ
ミットトリガ入力の論理回路であるため、出力がHレベ
ル(例えば、5V)からL(例えば、0V)レベルにな
るときの入力レベル(第1のスレシュホールドレベルV
th1)とLレベルからHレベルになるときの入力レベ
ル(第2のスレシュホールドレベルVth2)とは、図
2(b)に示すように異なっている。前記東芝製TC4
584BPにおいては、基準値で第1のスレシュホール
ドレベルVth1が3.0V、第2のスレシュホールド
レベルVth2が2.3Vであり、インバータ23A,
23Bの入力端の電圧が3.0V以上となるとその出力
はLレベル(例えば、0V)となり、入力端の電圧が
2.3V以下となると出力はHレベル(例えば、5V)
となって、インバータ23A,23Bの出力端からは、
図2(b)に示すA相信号及びB相信号の振幅に応じて
図2(c),(d)に示すような矩形波状のパルス信号
波形(デジタル信号)が得られる。
【0041】このようにして波形整形されたA相側とB
相側のデジタル信号は、従来の技術で説明したと同様
に、インバータ23A,23Bの出力端に接続されるマ
イクロプロセッサ26の入力ポートに供給される。そし
て、このマイクロプロセッサ26は図2(c),(d)
に示すデジタルのA相信号とB相信号の位相の遅れ,進
みに基づいてマウスのX軸方向成分における移動の向き
(右向きか左向きか)を判別するとともに、デジタル信
号のパルス数あるいはA相信号とB相信号を合わせたエ
ッジ数によりその判別した向きにおける移動量を求めて
いる。なお、波形整形されたデジタルのA相信号とB相
信号はアナログ波形におけるA相信号とB相信号の振幅
の違いや、第1および第2のスレシュホールドレベルV
th1,Vth2の影響によりその位相差は完全な90
度とはならないが、位相の進み,遅れの関係は保たれる
ため、前記マイクロプロセッサ26がマウスの移動方向
を誤って判断することはない。
【0042】以上の説明は、X軸方向におけるアナログ
のA相信号及びB相信号を波形整形処理して、デジタル
の位相の異なる2つのパルス波形信号を得る場合のもの
であるが、Y軸方向におけるアナログのA相信号とB相
信号から位相の異なる2つのパルス波形信号を得る場合
の信号処理回路及びその信号処理動作は、図1,図2を
使って説明したX軸方向の場合と全く同様であるため、
Y軸方向についての説明は省略する。また、Y軸方向の
デジタルのA相信号とB相信号も前記マイクロプロセッ
サ26の入力ポートに供給され、X軸方向と同様、マウ
スのY軸方向成分における移動の向き(手前向きか後方
向きか)とその向きにおける移動量が求められる。そし
て、X軸方向とY軸方向におけるこれらのデータを合成
することにより、マウスとしての移動方向及び移動量が
定められ、その結果すなわちマウスの移動に応じたカー
ソルの移動等の所要の制御がマウスが接続されるホスト
コンピュータ等の制御装置により行われる。
【0043】このように、本発明の第1の実施例におい
ては、受光素子7A,7Bより得られるアナログ波形信
号を矩形波状のデジタル波形に整形する矩形波処理回路
をヒステリシス特性を有するインバータ23A,23B
で構成し、このインバータ23A,23Bの入力端にイ
ンバータ23A,23Bの2つのスレシュホールドレベ
ルVth1とVth2との間の電位に設定されたバイア
ス電圧(電位V3)を印加するとともに、前記受光素子
7A,7Bの出力をAC結合して加えているので、前記
インバータ23A,23Bの入力端には、前記バイアス
電圧に受光素子7A,7Bの出力の交流成分が重畳され
た電圧が供給されることになる。そして、遮光板1が停
止しているときには、前述したように、接続点イ,ロに
現れるA相信号及びB相信号のレベルは変化せず、両イ
ンバータ23A,23Bの入力端の電位はいずれも前記
スレシュホールドレベルVth1,Vth2間に設定さ
れた前記バイアス電圧としての電位V3に保たれるの
で、遮光板1の停止位置には関係なく、ヒステリシス特
性を備えたインバータ23A,23Bの出力端からは、
遮光板1が停止する直前のレベル(HレベルまたはLレ
ベル)を安定して得ることができる。よって、インバー
タ23A,23Bが接続される前記マイクロプロセッサ
26の入力ポートのレベルも安定し、このマイクロプロ
セッサ26が誤った認識をしてしまい、その結果、マウ
スが接続されるホストコンピュータ等のディスプレイ装
置に表示されるカーソルの移動等の制御がマウスの操作
者の意に反してなされてしまうことはない。
【0044】また、前述した第1の実施例においては、
発光素子5A,5Bや受光素子7A,7Bに特性のばら
つきがあったり、特性が経時的に変化し、受光素子であ
るフォトトランジスタの出力電圧すなわち接続点イ,ロ
におけるA相信号とB相信号とでその振幅やDC成分に
差が生じても、それらの信号をAC結合してインバータ
23A,23Bに伝えているため、振幅やDC成分の差
の影響が矩形波まで及びにくく、インバータ23A,2
3Bの出力端からは位相差を有する2つのパルス信号が
確実に得られるので、遮光板1(ボール9)の回転方向
を誤検出するようなことはない。
【0045】また、この第1の実施例における矩形波を
得るための波形整形回路は、インバータ23A,23B
をベースとし、このインバータ23A,23Bの入力端
に接続される結合コンデンサ24A,24Bや入力抵抗
器25A,25Bによる極めて少ない回路素子で構成さ
れているため、信号処理回路を大幅に簡素化することが
でき、よって、光学式ロータリエンコーダの信号処理回
路及びこの信号処理回路が組み込まれるマウス等のX−
Y座標入力装置の小型化ならびに低価格化を図ることが
できる。
【0046】さらに、この第1の実施例では、発光素子
を発光ダイオード5A,5Bで構成し、この発光ダイオ
ード5A,5Bと直列に接続されて発光ダイオード5
A,5Bに流れる電流を制限する電流調整用抵抗器21
の電位を、バイアス電圧として前記インバータ23A,
23Bの入力端に印加することにより、発光ダイオード
5A,5Bの順方向電圧を利用してバイアス電圧を得て
いるので、バイアス電圧設定用の抵抗器等の回路素子を
別途設ける必要はなく、信号処理回路の回路構成をより
簡単なものとすることができる。また、発光ダイオード
5A,5Bの順方向電圧には、ばらつきが少ないことか
ら、安定したバイアス電圧をインバータ23A,23B
に供給することができ、よって、インバータ23A,2
3Bからはデューティ比の安定したパルス波形が得られ
る。
【0047】また、この第1の実施例においては、前記
インバータ23A,23Bとして、6個(6回路)のイ
ンバータ回路を収納しているC−MOSロジックIC
(TC4584BP)内の2回路を使用している。その
ため、両インバータ23Aと23Bのスレシュホールド
レベル等の特性にはほとんどばらつきがなく、これらの
ばらつきが無視できない場合には、それぞれのインバー
タに合わせてバイアス電圧を設定する必要があるが、こ
の第1の実施例では、このような必要はなく、バイアス
電圧は1種類ですみ、そのバイアス電圧を設定するため
の回路素子(電流調整用抵抗器21)を共用でき、その
回路素子数も少なく抑えて信号処理回路の回路構成をさ
らに簡素化することができる。なお、前記C−MOSロ
ジックICは6回路入りであるため、Y軸方向における
インバータもこのIC内の他の2回路を使用することに
より、マウスに搭載する矩形波処理手段としての4回路
分のインバータを1個のICで構成することができる。
【0048】ところで、この第1の実施例において、マ
ウスをゆっくりした操作速度で移動させた場合でも、接
続点イ,ロに現れるアナログのA相信号及びB相信号は
発光素子5A,5Bからの光の遮光板1による遮断もし
くは透過に応じてアナログ的(正弦波的)に変化し、こ
れらの信号にAC成分も存在する。そして、マウスの操
作速度、正確には遮光板1,2の回転速度が遅くなるに
つれて、前記A相信号及びB相信号の振幅の変化も遅く
なり、この振幅の変化に結合コンデンサ24A,24B
の充放電の速度が次第に追いつくようになって、AC結
合後すなわちインバータ23A,23Bの入力端におけ
るA相信号及びB相信号の振幅は小さなものとなってい
く。これは、遮光板1の回転速度が遅くなるにしたがっ
て、受光素子7A,7Bから得られるA相信号及びB相
信号のAC成分が小さくなるためであり、遮光板1が回
転している限りは前記充放電の速度が前記A相信号及び
B相信号の振幅の変化に完全に追いつくことはないが、
遮光板1の回転速度がある速度(最小速度vt)以下と
なると、インバータ23A,23Bの入力端におけるA
相信号及びB相信号の振幅が小さくなり、インバータ2
3A,23Bの入力端の電圧が前記第1のスレシュホー
ルドレベルVth1以上とならなくなったり、逆に、第
2のスレシュホールドレベルVth2以下にならなくな
る。このように、インバータ23A,23Bの入力端に
おけるA相信号及びB相信号のレベルがインバータ23
A,23Bの両スレシュホールドレベルVth1とVt
h2の間に入ると、インバータ23A,23Bの出力レ
ベルは変化しなくなり、結果としてディスプレイ装置に
表示されるカーソル等は移動制御されない。しかしなが
ら、インバータ23A,23Bの出力が変化しなくなる
前記最小速度vtは、前記充放電の時定数を決定する前
記結合コンデンサ24A,24Bや入力抵抗器25A,
25Bの値を変えることにより調整可能であり、本実施
例では、実用上支障のない最小速度vtとなるように時
定数を設定している。
【0049】また、マウスをゆっくり動かした場合に、
インバータ23A,23Bの出力レベルが変化しないこ
とにより、次のような効果がある。すなわち、例えば、
ディスプレイ装置上に直線等を引く場合に、カーソル等
をX軸方向(またはY軸方向)にのみ移動させようとし
て、マウスをその方向に移動操作しても、完全にX軸方
向(またはY軸方向)にのみマウスを操作することは、
定規を使ったとしても極めて困難であり、どうしてもY
軸方向(あるいはX軸方向)成分が存在してしまう。し
かしながら、カーソル等を移動させようとする方向(例
えば、X軸方向)と直交する方向(例えば、Y軸方向)
の移動速度、すなわち遮光板2の回転速度は極めて遅い
ものとなり、本発明においては、前述した理由によりY
軸方向におけるインバータ(図示なし)の出力は変化し
なくなるため、X軸方向にのみカーソル等を移動させる
ことが容易に可能となる。このマウスをゆっくり動かし
た場合の効果は、後述する第2の実施例,第3の実施例
においても同様に奏するものであり、マウスの代わりに
トラックボールのボールを操作し、カーソル等をX軸あ
るいはY軸方向にのみ移動させる場合においても同様の
ことが言える。
【0050】なお、赤外の発光ダイオード5A,5Bの
順方向電圧を利用してインバータ23A,23Bの入力
端に供給されるバイアス電圧を得るための構成は図1に
示したものに限られるものではなく、例えば、図3にそ
の変形例として示すような構成もとることができる。こ
れらの変形例により得られるバイアス電圧もインバータ
の2つのスレシュホールドレベルVth1とVth2と
の間に入るように、発光ダイオード5A,5Bと直列に
接続される各電流調整用抵抗器の抵抗値は設定されてい
る。
【0051】図3(a)は5Vの電源電圧(電源ライ
ン)からGND(接地)に向かって順に、電流調整用抵
抗器21a,発光ダイオード5A,発光ダイオード5
B,電流調整用抵抗器21bが直列に接続されて、電流
調整用抵抗器21aと発光ダイオード5Aとの接続点か
ら2.6Vのバイアス電圧を得るものであり、前記第1
の実施例と同様、このバイアス電圧にAC結合後のA相
信号及びB相信号が重畳された電圧がインバータ23
A,23Bの入力端にそれぞれ供給されている。
【0052】図3(b)は5Vの電源電圧からGNDに
向かって順に、電流調整用抵抗器21c,発光ダイオー
ド5A,発光ダイオード5B,電流調整用抵抗器21d
が直列に接続されて、両発光ダイオード5Aと5Bとの
接続点から2.6Vのバイアス電圧を得て、図3(a)
と同様に、このバイアス電圧がインバータ23A,23
Bの入力端に供給されるものである。
【0053】図3(c)は5Vの電源電圧からGNDに
向かって順に、電流調整用抵抗器21e,発光ダイオー
ド5A,発光ダイオード5Bが直列に接続されて、両発
光ダイオード5Aと5Bとの接続点からバイアス電圧を
得ており、その電圧は赤外の発光ダイオードの順方向電
圧である1.2Vとなっている。そして、この変形例で
は、インバータを図示しないがTTLロジックIC(7
4LS14)で構成しており、電源電圧が5Vのときの
前記TTLロジックICの第1及び第2のスレシュホー
ルドレベルVth1,Vth2の基準値は、それぞれ
1.6V,0.8Vであるため、前記バイアス電圧の
1.2Vという値は両スレシュホールドレベルのちょう
ど中間値に位置する最も好ましい値となっている。
【0054】図3(d)は5Vの電源電圧からGNDに
向かって順に、電流調整用抵抗器21f,発光ダイオー
ド5A,電流調整用抵抗器21g,発光ダイオード5B
が直列に接続されて、発光ダイオード5Aと電流調整用
抵抗器21gとの接続点及び電流調整用抵抗器21gと
発光ダイオード5Bとの接続点からそれぞれA相側及び
B相側のインバータに入力される第1及び第2のバイア
ス電圧を得ている。そして、このように、A相側とB相
側のバイアス電圧を異ならしめることにより、A相側と
B相側のインバータを構成しているICが異なり、両イ
ンバータのスレシュホールドレベル等の特性に差がある
場合にも対応可能となる。
【0055】以上、図3に基づいて変形例を説明したよ
うに、バイアス電圧はインバータの2つのスレシュホー
ルドレベルVth1とVth2との間、望ましくは、そ
の中間値となればよく、この条件のもとで、種々のバイ
アス電圧を得るための構成をとることができる。
【0056】図4は本発明に係わる光学式ロータリエン
コーダ用信号処理回路の第2の実施例を示す回路構成図
であり、第1の実施例と同様に、図8,図9に示すマウ
ス等のX−Y座標入力装置に備えられて、ボールの回転
を検出するものであり、図4ではX軸方向のA相信号及
びB相信号を処理する回路部分だけを示している。
【0057】図4において、27,28はバイアス電圧
設定用抵抗器(以下、バイアス抵抗器と記す)であり、
その他、図1に示した構成要素と同じ構成要素には同じ
符号を付けている。
【0058】この第2の実施例と前述した第1の実施例
との構成の違いは、前述の第1の実施例では、発光素子
5Bと電流調整用抵抗器21との接続点ハを入力抵抗器
25A,25Bを介してインバータ23A,23Bの入
力端にそれぞれ接続してバイアス電圧を得ているのに対
し、本実施例では、バイアス電圧を得るために、5Vの
電源ラインと接地間に直列接続されたバイアス抵抗器2
7,28を別途設け、両バイアス抵抗器27,28の接
続点ニを入力抵抗器25A,25Bを介してインバータ
23A,23Bの入力端にそれぞれ接続し、接続点ニの
電位をバイアス電圧としている点だけであり、その他の
本実施例の構成は前述の第1の実施例と同一であるの
で、同一部分の詳細な説明は重複を避けるために省略す
る。
【0059】そして、A相側及びB相側のインバータ2
3A,23Bの入力端には、前記接続点ニのバイアス電
圧に結合コンデンサ24A,24BによりDC成分が取
り除かれたA相信号及びB相信号(アナログ信号)がそ
れぞれ重畳された電圧が供給され、図2に示したものと
同様、ヒステリシス特性を有するインバータ23A,2
3Bによって矩形波状のパルス信号(デジタル信号)に
波形整形される。ここで、前記接続点ニの電位は前記イ
ンバータ23A,23Bの2つのスレシュホールドレベ
ルVth1とVth2との中間の電位である2.65V
となるように前記バイアス抵抗器27,28の抵抗値が
設定されている。前記インバータ23A,23Bの出力
端より得られる位相差を有するパルス信号は、第1の実
施例と同様、次段のマイクロプロセッサ26の入力ポー
トに供給され、このマイクロプロセッサ26により、マ
ウスのX軸方向成分における移動の向きと移動量が求め
らる。
【0060】なお、本実施例におけるY軸方向のA相信
号及びB相信号を処理する回路構成及びその信号処理動
作は、図4により説明したX軸方向と同様であり、矩形
波状のパルス信号に波形整形されたY軸方向のA相信号
とB相信号も前記マイクロプロセッサ26に供給されて
マウスのY軸方向成分における移動の向きと移動量が求
められる。
【0061】このように構成された本発明の第2の実施
例においては、バイアス電圧を専用のバイアス抵抗器2
7,28にて得ているため、発光ダイオード5A,5B
に流れる電流にとらわれることなく、例えば、インバー
タ23A,23Bの第1及び第2のスレシュホールドレ
ベルVth1,Vth2の中間電圧等の任意の電圧にバ
イアス電圧を設定することが容易に可能となる。したが
って、インバータ23A,23Bとして、例えば、電源
電圧が3.3VのロジックICを採用し、このICのス
レシュホールドレベルに合った例えば、0.8Vのバイ
アス電圧を得る際に、発光ダイオード5A,5Bに流れ
る電流を気にすることなくバイアス抵抗器27,28の
抵抗値を設定することができる。
【0062】図5は本発明の第3の実施例による光学式
ロータリエンコーダ用信号処理回路が備えられるマウス
内部の概略構成を示す平面図、図6は図5に示したマウ
スに配置される受光素子の外観及び内部回路を示す説明
図であり、図6(a)は受光素子の外観図、図6(b)
は受光素子の回路図、図7は図5のマウスに備えられる
本発明に係わる光学式ロータリエンコーダ用信号処理回
路の第3の実施例を示す回路構成図であり、図7では図
5に示すマウスのX軸方向のA相信号及びB相信号を処
理する回路部分だけを詳細に示している。
【0063】図5において、1,2は成形加工により形
成された非透明な合成樹脂からなる円板状遮光板(ロー
タリエンコーダ板)、3,4は前記遮光板1,2と一体
形成され、軸方向が互いに直交する回転軸、9はマウス
の移動により回転し、その回転を前記回転軸3,4に伝
えるボール、10はこのボール9と接触し、回転可能な
付勢ローラ、11はこの付勢ローラ10を介してボール
9を前記両回転軸3,4の両軸方向にバイアス付勢する
スプリングであり、これらの構成要素は図8,図9に基
づいて前述したものと同一であるため、図8に示すもの
と同じ構成要素には同じ符号を付けるとともに、説明の
重複を避けるため、同一構成要素の詳細な説明は必要に
応じて適宜省略する。また、35,36は赤外の発光ダ
イオードからなる発光素子、37,38は受光素子(パ
ッケージ)であり、符号数字1ないし4、及び、35な
いし38の中で、奇数はX軸方向、偶数はY軸方向の構
成要素を表している。
【0064】前記X軸方向の受光素子37は図6(a)
に示すように、そのパッケージ内に対をなす2つのフォ
トトランジスタ37A,37Bを近接して並設配置して
おり、両フォトトランジスタ37A,37Bは同一の半
導体ウエハ上に形成されたチップであるため、光感度や
増幅率等の特性は揃ったものとなっている。Y軸方向の
受光素子38も、同様に、同一半導体ウエハ上に形成さ
れたチップからなる対をなす2つのフォトトランジスタ
38A,38Bをパッケージ内に近接して並列配置して
おり、両フォトトランジスタ38A,38Bの特性は揃
っている。なお、符号末尾のアルファベットA、Bはそ
れぞれA相側、B相側の構成要素を表しており、A相側
とB相側のフォトトランジスタ37A,37B(38
A,38B)のコレクタは図6(b)に示すように受光
素子内部で接続され共通化されているため、図6(a)
に示す受光素子の外観図には3本の端子しか現れていな
い。
【0065】前記両遮光板1,2は、図8,図9に示し
たものと同様、円周方向に所定の等間隔ピッチをもって
多数のスリット12が形成配列され、その中心部には、
遮光板1,2の板面と軸方向が垂直となるように回転軸
3,4がそれぞれ一体形成されている。遮光板1の前記
スリット配置部分には、発光素子35と受光素子37と
が遮光板1を介して対向配置され、それによって発光素
子(発光ダイオード)35と対を構成しているフォトト
ランジスタ37A,37Bの組が前記スリット配置部分
を挟むように対向配置される。同様に、遮光板2のスリ
ット配置部分にも、発光素子36と受光素子38とが遮
光板2を介して対向配置され、それによって発光素子
(発光ダイオード)36と対を構成しているフォトトラ
ンジスタ38A,38Bの組が前記スリット配置部分を
挟んで対向配置されている。図示しないマウスケース内
において、前記遮光板1と回転軸3及び遮光板2と回転
軸4はそれぞれ回転自在に支承されるとともに、双方の
回転軸3,4の一部は、その周面が回転可能なボール9
に摩擦接触され、ボール9にはスプリング11の弾発力
によって付勢ローラ10が圧接されている。このため、
ボール9は常時両回転軸3,4方向に付勢され、ボール
9と両回転軸3,4とが良好な摩擦接触をするように構
成されている。なお、両回転軸3,4は互いに軸線がY
軸方向及びX軸方向を向くように直交配置されており、
これらの軸線に対してボール9は、前記スプリング11
と付勢ローラ10によって、前記X軸方向及びY軸方向
の中間の方向、すなわち、略45度の方向から両回転軸
3,4にバイアス付勢されている。
【0066】以上の説明より明らかなように、本実施例
におけるマウスと図8に示したマウスとの機構的な構成
の違いは、図8のものがA相信号とB相信号を得るため
に、発光素子5A,5B,6A,6B及びこれらとそれ
ぞれ対をなす受光素子7A,7B,8A,8Bを相別に
それぞれ別個に設けているのに対し、図5に示した本実
施例のものでは、発光素子35,36をA相側とB相側
において共通の発光ダイオードにて構成するとともに、
受光素子37,38を同一半導体ウエハ上に形成された
A相側用及びB相側用としての2つのフォトトランジス
タ37A,37B及び38A,38Bがそれぞれ同一パ
ッケージ内に収納されたもので構成した点にある。そし
て、フォトトランジスタ37A,37Bあるいは38
A,38Bより、位相が90度ずれたA相信号,B相信
号が得られるように前記スリット12のピッチに合わせ
て2つのフォトトランジスタの配設位置が定められてい
る。なお、X軸方向側の発光素子35は2つのフォトト
ランジスタ37A,37Bに等しく光が照射されるよう
に、両フォトトランジスタ37A,37Bの中間点にそ
の中心が位置するよう遮光板1を挟んで対向配置されて
おり、同様に、Y軸方向側の発光素子36からフォトト
ランジスタ38A,38Bに等しく光が照射されるよう
に発光素子36及び受光素子38が配置されている。
【0067】本実施例によるマウスの動作は図8に示し
たマウスの動作とほぼ同様であり、ここでは、その動作
の要点について説明する。
【0068】操作者がマウス本体(ケーシング)を把持
し、ベース板(図示なし)上を移動させると、前記ベー
ス板とボール9との摩擦によってボール9が回転する。
このボール9の回転に伴って、ボール9に摩擦接触して
いる2つの回転軸3,4が回転し、両回転軸3,4とそ
れぞれ一体に形成されている両遮光板1,2も同時に回
転する。両遮光板1,2が回転すると、発光素子35か
ら対を構成しているフォトトランジスタ37A,37B
の組に至る光、及び、発光素子36から対を構成してい
るフォトトランジスタ38A,38Bの組に至る光が、
それぞれ両遮光板1,2に所定の等間隔ピッチにて設け
られている多数のスリット12によって交互に遮断もし
くは透過するようになり、対を構成している両フォトト
ランジスタ37A,37Bの組、及び、対を構成してい
る両フォトトランジスタ38A,38Bの組からは、そ
れぞれ前記光の遮断もしくは透過に対応したA相信号及
びB相信号が送出される。これらのA相信号及びB相信
号は、マウスを一定の速度で移動させた場合には、略正
弦波状をしたアナログ波形信号であり、A相信号とB相
信号との位相差が基準で90度、すなわち、1/4周期
となるよう、前記スリット12に対する受光素子37及
び38中のフォトトランジスタ37A,37B及び38
A,38Bが配置されている。
【0069】次いで、これらのA相信号及びB相信号
は、図7に基づいて以下に述べる本発明の第3の実施例
による信号処理回路において2つの矩形波状のデジタル
信号(2値位相パルス信号)に変換され、さらに、前述
した第1の実施例と同様、この2つのデジタル信号に対
してマイクロプロセッサが演算等を行うことによって、
ボール9の回転に対応したマウス本体のX軸方向成分と
Y軸方向成分の移動方向と移動量の検出が行われる。
【0070】図7において、35は図5に示した発光素
子である赤外の発光ダイオード、37A,37Bは図6
に示した受光素子としてのフォトトランジスタであり、
図7ではX軸方向のA相信号及びB相信号を処理する回
路部分だけを示している。同図において、30は前記発
光ダイオード35に流れる電流を制限する電流調整用抵
抗器、31は抵抗値を調整可能なトリミング抵抗器であ
り、その他、図1に示した構成要素と同じ構成要素には
同じ符号を付けている。なお、図1による第1の実施例
と同様、符号末尾のアルファベットA,BはそれぞれA
相側、B相側の構成要素を表している。
【0071】図7による第3の実施例と前述した第1の
実施例との構成の違いは、前述の第1の実施例では、2
つの発光素子(発光ダイオード)5A,5B及び電流調
整用抵抗器21を5Vの電源ラインと接地間に直列接続
し、発光ダイオード5Bと電流調整用抵抗器21との接
続点ハの電位をインバータ23A,23Bの入力端に伝
達されるバイアス電圧としているのに対し、本実施例で
は、5Vの電源ラインと接地間に1つの発光ダイオード
35、電流調整用抵抗器30及びトリミング抵抗器31
を直列接続し、電流調整用抵抗器30とトリミング抵抗
器31との接続点ホを入力抵抗器25A,25Bを介し
てインバータ23A,23Bの入力端にそれぞれ接続
し、接続点ホの電位をバイアス電圧としている点であ
り、その他の本実施例の構成は前述の第1の実施例と同
一であるので、同一部分の詳細な説明は重複した説明を
避けるために省略する。
【0072】前記トリミング抵抗器31は図示はしてい
ないが、セラミック基板上の電極間にカーボン抵抗体が
印刷形成されたチップ抵抗器により構成されており、前
記カーボン抵抗体の一部をレーザトリミングして削り取
ることにより、前記電極間の抵抗値を高くすることが可
能な抵抗器である。そして、このトリミング抵抗器31
は、図7に示すように、発光ダイオード35と電流調整
用抵抗器30とともに直列に接続されているため、トリ
ミング抵抗器31の抵抗値によっても発光ダイオード3
5に流れる電流Iが変化する。また、この電流Iがトリ
ミング抵抗器31を流れることによる電圧降下により接
続点ホの電位が定められられる。このように、トリミン
グ抵抗器31は発光ダイオード35に流れる電流調整用
抵抗器としての機能とインバータ23A,23Bに供給
されるバイアス電圧設定用抵抗器としての機能を合わせ
持っている。なお、接続点ホの電位は、正確には入力抵
抗器25A,25Bに流れる電流によっても変化する
が、トリミング抵抗器31の抵抗値(例えば、120Ω
程度)に対して入力抵抗器25A,25Bの抵抗値(例
えば、1MΩ程度)を充分大きく設定しているため、実
用上、接続点ホの電位が前記電流Iとトリミング抵抗器
31の抵抗値で定まると考えることができる。
【0073】そして、A相側及びB相側のインバータ2
3A,23Bの入力端には、前記接続点ホの電位(バイ
アス電圧)に結合コンデンサ24A,24BによりDC
成分が取り除かれたアナログのA相信号及びB相信号が
それぞれ重畳された電圧が供給され、図2に示したもの
と同様、ヒステリシス特性を有するシュミットトリガ入
力のインバータ23A,23B(東芝製C−MOSロジ
ックICのTC4584BP)によって矩形波状のパル
ス信号(デジタル信号)に波形整形される。
【0074】ここで、前記接続点ホの電位は前記インバ
ータ23A,23Bの2つのスレシュホールドレベルV
th1とVth2との間の最適な電位に設定されている
が、その設定は前記トリミング抵抗器31の抵抗値の調
整により、マウスの製造工程において次のように行われ
る。すなわち、トリミング抵抗器31がレーザトリミン
グされる前の状態において、接続点ホの電位がスペック
上の両スレシュホールドレベルの中間電位である2.6
5Vよりも幾分低い2.55V程度となるように前記電
流調整用抵抗器30及びトリミング抵抗器31の抵抗値
を設定しておく。そして、図示しない治具にて回転軸3
を一定速度で回転させ、インバータ23Aの出力端より
得られるパルス信号をオシロスコープ等の計測器で観測
しながら、前記トリミング抵抗器31をレーザトリミン
グしていく。このレーザトリミングにに応じてトリミン
グ抵抗器31の抵抗値が徐々に高くなっていき、その抵
抗値の上昇に従ってバイアス電圧も2.55Vから徐々
に高くなり、同時に前記パルス信号のデューティ比も最
適値である50%に近づいていく。そして、このデュー
ティ比がほぼ50%(例えば、45〜55%)となった
ところで前記トリミング抵抗器31のトリミングを終了
させる。このようにして、前記トリミング抵抗器31の
抵抗値をマウスの製造工程で調整することにより、接続
点ホの電位を個々のインバータ23Aの特性に合った最
適値に設定することができる。なお、この第3の実施例
においても、インバータ23Aと23Bとは同一パッケ
ージ内に収納された集積回路にて構成されているため、
両インバータ23A,23Bのスレシュホールドレベル
等の特性にほとんどばらつきはなく、前述したように、
A相側のインバータ23Aの出力波形によりトリミング
抵抗器31の抵抗値を調整すれば、その値はB相側のイ
ンバータ23Bにおいても適切な値となっている。この
ようにインバータ23A,23Bより出力されるパルス
信号のデューティ比はほぼ最適に設定されるため、これ
らのパルス信号(A相信号とB相信号)間の位相差も最
適値である90度(1/4周期)前後が得られる。この
ようなパルス信号は、第1の実施例と同様、次段のマイ
クロプロセッサ26の入力ポートに供給され、このマイ
クロプロセッサ26により、マウスのX軸方向における
移動の向きと移動量が求められる。
【0075】なお、本実施例におけるY軸方向のA相信
号及びB相信号を処理する回路構成及びその信号処理動
作は、図7により説明したX軸方向と同様であり、矩形
波状のパルス信号に波形整形されたY軸方向のA相信号
とB相信号も前記マイクロプロセッサ26に供給されて
マウスのY軸方向における移動の向きと移動量が求めら
れ、X,Y両方向の移動量等のデータを合成することに
よりマウスとしての移動方向及び移動量を算出すること
ができる。
【0076】このように構成された本発明の第3の実施
例においては、発光ダイオード35,電流調整用抵抗器
30及びトリミング抵抗器31とを直列に接続し、バイ
アス電圧となる接続点ホの電位をトリミング抵抗器31
をレーザトリミングして抵抗値を調整することにより可
変としたので、インバータ23A,23Bのスレシュホ
ールドレベル等の特性にばらつきがあったとしても、そ
の特性に合ったバイアス電圧を設定することができる。
よって、インバータ23A,23Bからは位相がほぼ9
0度ずれたパルス信号が確実に得られ、次段のマイクロ
プロセッサ26等の信号処理回路により位相が誤検出さ
れることはない。しかも、本実施例では、インバータ2
3Aと23Bとを同一パッケージ内に収納された集積回
路(IC)にて構成しているため、これらインバータ2
3A,23Bは同じ半導体ウエハ上に形成された論理回
路となり、スレシュホールドレベル等の特性もほぼ一致
する。したがって、抵抗値を調整可能なトリミング抵抗
器31をA相側とB相側とで共用でき、この1つのトリ
ミング抵抗器31の調整によりバイアス電圧を設定して
A相側とB相側の両方のパルス信号のデューティ比を適
切に設定することができる。
【0077】また、この第3の実施例においては発光ダ
イオード35をA相側とB相側とで共通とし、受光素子
37は同一パッケージ内に並列配置された対をなす2つ
のフォトトランジスタ37A,37Bで構成している。
したがって、両フォトトランジスタ37A,37Bの光
感度等の特性や経時変化特性は揃ったものとなり、しか
も、発光素子35を共通のものとしているので、フォト
トランジスタ37A,38Bからそれぞれ得られるアナ
ログの出力信号(A相信号とB相信号)の振幅は時間が
経ってもほぼ等しいものとなり、これらの信号のAC成
分がインバータ23A,23Bにより波形整形されるこ
とになるため、波形整形された矩形波状のパルス信号の
デューティ比をA相側とB相側とで常にほぼ等しいもの
とすることができる。
【0078】さらに、この第3の実施例では、発光素子
を1つの発光ダイオード35で構成し、この発光ダイオ
ード35に流れる電流を制限する電流調整用抵抗器30
とトリミング抵抗器31との接続点ホの電位をバイアス
電圧とし、トリミング抵抗器31に前記電流が流れるこ
とによる電圧降下を利用してバイアス電圧を得ているの
で、インバータ23A,23Bの入力端に供給されるバ
イアス電圧設定用の抵抗器等を別途設ける必要はなく、
光学式エンコーダの信号処理回路の回路構成を簡素化す
ることができ、よって、この信号処理回路が備えられる
マウスやトラックボール等のX−Y座標入力装置内部の
回路基板や装置全体の小型化及び低価格化が可能とな
る。
【0079】なお、前述した本発明の第3の実施例にお
いては、調整可能な抵抗器としてトリミング抵抗器31
を用いたが、このトリミング抵抗器31の代わりに半固
定抵抗器を採用することもできる。また、調整可能な抵
抗器は1つに限られるものではなく、例えば、図7に示
した電流調整用抵抗器30もトリミング抵抗器や半固定
抵抗器に置き換えて、複数の調整可能な抵抗器を発光ダ
イオード35に直列に接続してもよいことは言うまでも
ない。
【0080】以上説明したような本発明の第2及び第3
の実施例においても、第1の実施例と同様、インバータ
23A,23Bの入力端には、インバータ23A,23
Bの2つのスレシュホールドレベルVth1,Vth2
間に設定されたバイアス電圧に受光素子7A,7B(3
7A,37B)の出力の交流成分が重畳された電圧が供
給される。そして、遮光板1が停止しているときには、
受光素子7A,7B(37A,37B)の出力レベルは
変化せず、両インバータ23A,23Bの入力端の電位
は前記設定されたバイアス電圧に保たれるので、遮光板
1の停止位置には関係なく、ヒステリシス特性を備えた
インバータ23A,23Bの出力端からは、遮光板1が
停止する直前のレベル(HレベルまたはLレベル)を安
定して得ることができる。よって、インバータ23A,
23Bが接続されるマイクロプロセッサ26の入力ポー
トのレベルも安定し、このマイクロプロセッサ26が誤
った認識をして、マウスが接続されるホストコンピュー
タ等のディスプレイ装置に表示されるカーソル等がマウ
スの操作者の意に反して動いてしまうようなこと防止す
ることができる。
【0081】また、第2及び第3の実施例にあっても、
各光学素子の特性のばらつきがあり、受光素子であるフ
ォトトランジスタの出力電圧(アナログ信号)の振幅や
DC成分にA相側とB相側とで差が生じたり(特に、第
2の実施例の場合)、経時変化により出力電圧の振幅や
DC成分のレベルが変化したとしても、それらのアナロ
グ信号をAC結合してインバータ23A,23Bに伝え
ているため、振幅やDC成分の差やレベルの変化の影響
は矩形波まで及びにくく、インバータ23A,23Bの
出力端からは位相差を有する2つのパルス信号が確実に
得られるので、遮光板1(ボール9)の回転方向を誤検
出するようなことはない。
【0082】また、前述した第2及び第3の実施例にお
ける矩形波を得るための波形整形回路は、インバータ2
3A,23Bをベースとし、このインバータ23A,2
3Bの入力端に接続される結合コンデンサ24A,24
Bや入力抵抗器25A,25B等による極めて少ない回
路素子で構成されているため、信号処理回路を大幅に簡
素化することができ、よって、光学式ロータリエンコー
ダの信号処理回路及びこの信号処理回路が組み込まれる
マウス等のX−Y座標入力装置の小型化ならびに低価格
化を図ることができる。
【0083】さらに、この第2及び第3の実施例におい
ても、前述した第1の実施例と同様、インバータ23
A,23Bとして、インバータ回路を6回路収納してい
るC−MOSロジックIC(TC4584BP)内の2
回路を使用している。そのため、両インバータ23Aと
23Bは同一半導体ウエハ上に形成されたロジック回路
から構成されることになり、両インバータ23A,23
Bのスレシュホールドレベル等の特性はほぼ一致するの
で、バイアス電圧は1種類ですみ、そのバイアス電圧を
設定するための回路素子を共用でき、その回路素子数も
少なく抑えて信号処理回路の回路構成をさらに簡素化す
ることができる。なお、前記C−MOSロジックICは
6回路入りであるため、Y軸方向におけるインバータも
このIC内の他の2回路を使用することにより、マウス
に搭載する矩形波処理手段としての4回路分のインバー
タを1個のICで構成することができる。
【0084】また、本発明の第2及び第3の実施例をマ
ウス等に採用して、カーソル等をX軸方向あるいはY軸
方向にのみ移動させたい場合、カーソル等を移動させよ
うとする方向(例えば、X軸方向)と直交する方向(例
えば、Y軸方向)の移動速度、すなわち遮光板2の回転
速度は極めて遅いものとなり、第1の実施例で説明した
と同様の理由によりY軸方向におけるインバータ(図示
なし)の出力は変化しなくなるため、X軸方向にのみカ
ーソル等を移動させることが容易に可能となる。これ
は、トラックボールのボールを回転操作して、カーソル
等をX軸あるいはY軸方向にのみ移動させる場合にも同
様である。
【0085】なお、前述した本発明の第1乃至第3の実
施例において、矩形波処理手段を構成する論理回路とし
て、入力レベルと出力レベルが反転するインバータ23
A,23Bを用いた信号処理回路について説明したが、
本発明はこれに限られるものではなく、入力レベルと出
力レベルが反転しないバッファを用いてもよいし、前記
インバータ23A,23Bの代わりにシュミットトリガ
入力の2入力NAND回路の入力端を接続した論理回路
を採用してもよい。
【0086】また、各実施例では、図8あるいは図5に
示したような構成のマウスに光学式ロータリエンコーダ
の信号処理回路を内蔵したものについて説明したが、機
構的にマウスとほぼ同様の構成をとるトラックボールに
この信号処理回路を適用可能であることは言うまでもな
い。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
受光素子より得られるアナログ波形信号を矩形波形に整
形する矩形波処理手段をヒステリシス特性を有するイン
バータ等からなる論理回路で構成し、この論理回路の入
力に論理回路の2つのスレシュホールドレベル間に設定
された直流バイアス電圧を印加するとともに、前記受光
素子の出力をAC結合(交流結合)して前記論理回路の
入力に接続しているので、遮光板が停止しているときに
は、前記バイアス電圧レベルが論理回路に入力されるた
め、遮光板の停止状態には関係なく、遮光板が停止する
直前の出力レベルを論理回路から安定して得ることがで
き、論理回路の出力レベルを次段の回路が誤検出するよ
うなことはない。また、信号処理回路の回路構成は、直
流バイアス電圧を得るための回路素子、AC結合のため
の回路素子、及びインバータ等からなる論理回路素子等
の簡単な構成としたため、信号処理回路やこの信号処理
回路が組み込まれるX−Y座標入力装置等の装置全体の
小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0088】また、発光素子を発光ダイオードで構成
し、この発光ダイオードと直列に電流調整用の抵抗器を
接続し、この抵抗器あるいは発光ダイオードの電位を直
流バイアス電圧として論理回路の入力に印加した場合に
は、発光ダイオードの順方向電圧(順電圧)を利用して
バイアス電圧を得ることができるため、バイアス電圧設
定用としての専用の抵抗器等の回路素子は不要となり、
より信号処理回路の回路構成を簡単なものとすることが
できる。
【0089】さらに、前記発光ダイオードと直列に接続
される電流調整用の抵抗器を調整可能な抵抗器を含む複
数の抵抗器で構成した場合には、インバータ等からなる
論理回路のスレシュホールドレベルにばらつきがあった
としても、調整可能な抵抗器の抵抗値を調整することに
より直流バイアス電圧を適切に設定することが可能とな
るため、一対の論理回路からは所望の位相差を有する矩
形波(2値位相パルス信号)を得ることができる。
【0090】また、前記一対のインバータ等からなる論
理回路を同一の集積回路パッケージ内に収納されている
回路で構成した場合には、一対の論理回路のスレシュホ
ールドレベル等の特性にほとんどばらつきはないため、
論理回路に入力される直流バイアス電圧は1種類です
み、直流バイアス電圧を設定するための回路素子を共用
でき、その回路素子数も少なく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる光学式ロータリエンコーダ用信
号処理回路の第1の実施例を示す回路構成図である。
【図2】図1の信号処理回路より得られる信号波形の一
例を示す信号波形図である。
【図3】図1に示す本発明の第1の実施例の変形例を示
す部分回路構成図である。
【図4】本発明に係わる光学式ロータリエンコーダ用信
号処理回路の第2の実施例を示す回路構成図である。
【図5】本発明の第3の実施例による光学式ロータリエ
ンコーダ用信号処理回路が備えられるマウス内部の概略
構成を示す平面図である。
【図6】図5に示したマウスに配置される受光素子の外
観及び内部回路を示す説明図であり、図6(a)は受光
素子の外観図、図6(b)は受光素子の回路図である。
【図7】図5のマウスに備えられる本発明に係わる光学
式ロータリエンコーダ用信号処理回路の第3の実施例を
示す回路構成図である。
【図8】光学式ロータリエンコーダを有するX−Y座標
入力装置であるマウス内部の概略構成を示す平面図であ
る。
【図9】図8のマウスに備えられる円板状遮光板を回転
軸方向から見た平面図である。
【図10】図8のマウスに備えられる従来の光学式ロー
タリエンコーダ用信号処理回路の一例を示すブロック図
である。
【図11】図10に示す処理回路から得られる信号波形
の一例を示す信号波形図である。
【符号の説明】
5A,5B,6A,6B 発光素子(発光ダイオード) 7A,7B,8A,8B 受光素子(フォトトランジス
タ) 21 電流調整用抵抗器 21a〜21g 電流調整用抵抗器 23A,23B インバータ(論理回路) 24A,24B 結合コンデンサ 25A,25B 入力抵抗器 27,28 バイアス電圧設定用抵抗器 30 電流調整用抵抗器 31 トリミング抵抗器 35,36 発光素子(発光ダイオード) 37,38 受光素子(パッケージ) 37A,37B,38A,38B フォトトランジスタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のスリットを有する遮光板を介して
    発光素子に対向配置される一対の受光素子と、これら一
    対の受光素子より得られる格別のアナログ波形信号をそ
    れぞれ矩形波形に整形する一対の矩形波処理手段とを備
    えた光学式エンコーダ用信号処理回路において、前記一
    対の矩形波処理手段はヒステリシス特性を有する一対の
    インバータ等からなる論理回路で構成され、これら論理
    回路の入力に前記論理回路の2つのスレシュホールドレ
    ベル間に設定された直流バイアス電圧が印加されるとと
    もに、前記一対の受光素子の出力をそれぞれAC結合し
    て前記一対の論理回路の入力にそれぞれ接続させたこと
    を特徴とする光学式エンコーダ用信号処理回路。
  2. 【請求項2】 前記発光素子は発光ダイオードで構成さ
    れ、この発光ダイオードと直列に電流調整用の抵抗器が
    接続されており、この抵抗器あるいは発光ダイオードの
    電位が前記直流バイアス電圧として前記一対の論理回路
    の入力にそれぞれ印加されることを特徴とする請求項1
    記載の光学式エンコーダ用信号処理回路。
  3. 【請求項3】 前記電流調整用の抵抗器は複数の抵抗器
    からなり、これら複数の抵抗器のうち少なくとも一つは
    抵抗値が調整可能な抵抗器により構成されていることを
    特徴とする請求項2記載の光学式エンコーダ用信号処理
    回路。
  4. 【請求項4】 前記一対のインバータ等からなる論理回
    路は同一の集積回路パッケージ内に収納された回路であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のエ
    ンコーダ用信号処理回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008309768A (ja) * 2007-05-14 2008-12-25 Koyo Electronics Ind Co Ltd ロータリエンコーダにおける電源コモン端子の未接続検出方法およびロータリエンコーダ
JP2009128061A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Koyo Electronics Ind Co Ltd ロータリエンコーダ

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