JPH0868600A - 火薬、爆薬類の処理方法及び装置 - Google Patents

火薬、爆薬類の処理方法及び装置

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JPH0868600A
JPH0868600A JP20656494A JP20656494A JPH0868600A JP H0868600 A JPH0868600 A JP H0868600A JP 20656494 A JP20656494 A JP 20656494A JP 20656494 A JP20656494 A JP 20656494A JP H0868600 A JPH0868600 A JP H0868600A
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勇 本村
Yukihisa Fujima
幸久 藤間
Yuichi Hino
裕一 日野
Nobuaki Murakami
信明 村上
Masakazu Tateishi
正和 立石
Tetsuo Yuhara
哲夫 湯原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 火薬、爆薬類の処理方法及び装置に関する。 【構成】 缶体中の火薬、爆薬類を充填した缶体に
200℃以下の流体を噴射して、火薬、爆薬類を取出す
か、 同缶体を溶融媒体中に浸漬して火薬、爆薬類を
溶融媒体中に溶解して取出すか、 缶体のみを切開し
て火薬、爆薬類を取出すかしたのち、取出された火薬、
爆薬類を燃焼処理する方法及び装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は火薬、爆薬類の処理方法
及び処理装置に関し、特に火薬、爆薬類を缶体から抜薬
する方法、抜薬してから燃焼処理する方法並びに抜薬し
てから燃焼処理する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は火薬、爆薬類の充填された缶体を
そのまま圧壊し、缶体部材より火薬、爆薬類を分別して
いた。このような従来方法では缶体から完全にTNT火
薬などを完全に抜き出せず、缶体内に残留したTNT火
薬などの処理がめんどうであった。
【0003】また、従来不要になった火薬、爆薬類(上
述の抜薬されたものも含む。以下、これらを単に火薬類
と略称する)は少量ずつ燃焼、爆発させる燃焼・爆発法
で処理されているが、作業員が常に危険に曝されてお
り、騒音や振動の問題もあった。そこでより安全な処理
法として超臨界水中で酸化分解する超臨界水酸化法やア
ルカリ溶液中での加水分解法等が提案されているが処理
速度が遅いために処理温度を水の臨界温度付近またはそ
れ以上に高くする必要があり、火薬類の自己分解温度よ
りも高くなって、爆発等の危険が伴うなどの問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記技術水準
に鑑み、火薬類を缶体から完全に抜薬する方法及び完全
に抜薬するとともに安全に燃焼処理する方法並びに装置
を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は (1)缶体に設けられた火薬、爆薬類の充填用開口部か
ら、200℃以下の温度であるが火薬、爆薬類が溶け出
す温度の温水、蒸気または気体を噴射して缶体内の火
薬、爆薬類を缶体外に取出すことを特徴とする火薬、爆
薬類の処理方法(以下、第1発明という)。 (2)火薬、爆薬類を充填された缶体から信管を取外し
たのち、火薬、爆薬類の充填された缶体を溶融媒体中に
装入浸漬し、該缶体を揺り動かして缶体中の火薬、爆薬
類を多量の溶融媒体中に均一に分散させ、これをバーナ
から燃焼炉に噴射して燃焼させることを特徴とする火
薬、爆薬類の処理方法(以下、第2発明という)。 (3)火薬、爆薬類を充填した開口部の小さい缶体より
火薬、爆薬類を取出して燃焼させる設備であって、 缶体の各部の肉厚を測定する肉厚測定装置と、これ
らの測定値に合せて缶体壁のみを切開して缶体を1以上
に輪切りする切開装置よりなる缶体よりの火薬、爆薬類
の取出装置 取出された火薬、爆薬類を固形が保たれる温度以下
に維持しながら粉砕する粉砕装置 粉砕された火薬、爆薬類を燃焼させる装置であっ
て、上部に中心より順に補助燃料、一次空気、粉砕火
薬、爆薬類、二次空気の流入口が同心状に配置され、圧
力の小変動を吸収する大きさの緩衝容器が付設され、か
つ装置内圧力が予め定めた値以上になったとき装置内ガ
スを大気に放出して装置内圧力を一定値以下に維持する
装置内ガス開放装置を備え、装置中央部付近にガス温度
を冷却する冷却管群及びその下部にアンモニア注入器と
NOx還元反応室を備えてなる燃焼装置 燃焼装置の後流に順次設けられた冷却装置及び集塵
装置 よりなることを特徴とする火薬、爆薬類の処理設備(以
下、第3発明という)。である。
【0006】
【作用】
第1発明: 火薬類は一般的に水不溶性であり、例えば
TNT(トリニトロトルエン)も常温では水に殆んど溶
けない。しかしながら、TNTは融点が80.8℃と比
較的低いため、200℃以下の温度であるが火薬、爆薬
類が溶け出す温度の温水、蒸気または気体(空気、不活
性ガス)を吹き付けるとTNTはその結晶表面から溶融
液中または気体中に分散抽出され、充填されたTNTは
缶体から除去され外部に回収することができる。回収さ
れた火薬類は燃焼などの後処理によって分解される。
【0007】第2発明: 火薬類が溶ける溶融媒体(例
えば常温の軽油、100℃以下のC重油、常温の石炭系
のクレオソート油、溶融状態のアスファルトなど)内
に、火薬類の装填した蓋を開いた缶体を浸漬することに
より周囲の溶融媒体からの加熱に伴ってゆっくり火薬類
が溶け始める。
【0008】溶融媒体の容器を揺動することによって、
溶融した火薬類は周囲の溶融媒体中に流出するのでアジ
テータ等で均一混合させる。この過程を連続的に実施す
ることによって容器内の火薬等は容易に溶融し、溶融媒
体内に均一に混合される。多量の溶融液体は不測の外部
からの衝撃を緩和するため、火薬等を安全に容器外へ取
出せる。
【0009】さらに液状であるので、既存のポンプ類等
で容易に圧送可能であり、これを既存の液体燃料噴射バ
ーナ、燃焼炉へ送ると、多量の溶融媒体中の少量の火薬
類を燃焼させることになり、火薬類からの発熱量は僅少
で溶融媒体の燃焼熱にて完全に燃焼反応分解し、通常の
液体燃料燃焼と同じ安全かつ容易に火薬等の処理が可能
となる。
【0010】一方火薬等の燃焼時に発生する可能性のあ
るシアン化合物類は既存の対公害燃焼法あるいは薬液吸
収塔にて無公害ガスとして大気放出可能であり、かつ火
薬類中に混入されているAl等の未燃分はスクラバ等の
ダスト集塵器で回収することができる。
【0011】この結果として緩衝剤としての溶融媒体な
どの環境下に火薬類を常においた状態であるので爆発の
危険性は全く解消され、かつ安全容易に既存の液体燃料
として取扱え、既存液体燃料の燃焼技術が利用でき、人
気のない場所、広大なスペースを不要とし火薬類処分の
イニシャル、ランニングコストの低減となりうるもので
ある。なお、上記燃焼に際しては別途重油ガス等他の燃
料による助燃も有効である。
【0012】第3発明: この設備は火薬類を その
充填缶体から安全に取出す取出装置、 取出された火
薬類を燃焼装置に搬送しうる大きさにまで安全に粉砕す
る装置、 安全な状態で粉砕した火薬類を燃焼させる
と共に発生した有害ガスを除去する手段を設けた燃焼装
置及び 燃焼ガスを冷却する冷却装置と集塵装置とよ
りなるものである。この設備の構成及び作用は後記実施
例によって詳細に説明する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例をあげ、本発
明の効果を明らかにする。
【0014】(実施例1)図1によって、第1発明の実
施例を説明する。図1において、101は缶体、102
は火薬類、103は火薬類102の缶体101への充填
用開口部、104は回収タンク、105は200℃以下
の温水、蒸気または気体の噴射用配管、106は回収物
(火薬類)、107はポンプである。噴射用配管105
から充填用開口部103に噴射された100℃の温水は
缶体101内に充填されている火薬類を缶体101外に
回収物106として完全に取出され、缶体101内に残
留することはない。したがって、缶体101内に付着す
る火薬類を別に処理する必要はなくなる。その後、回収
物106はポンプ107によって、別途燃焼装置に輸送
されて処理される。
【0015】(実施例2)図2、3によって、第2発明
の実施例を説明する。図2は火薬類を装填したケーシン
グの断面図、図3は図2のケーシングから取出した火薬
類の処理方法の説明図である。図2において、ケーシン
グ211の先端部には火薬類212等が装填された缶体
213が装着されており、缶体213には火薬212の
注入口214a及び蓋214bが取りつけられ、密閉さ
れ、かつ起爆装置としての信管215が設置されてい
る。また、図3において、溶媒及び緩衝剤としてのアス
ファルト221が入ったタンク222にはアスファルト
を常に溶融状態かつ一定温度とするヒータ223及び混
合を促進させるアジテータ224が設置されている。図
2の信管215及び蓋214bを取り外した火薬類21
2の装填された缶体213を図示されていないクレーン
等で移動、運搬してアスファルト221内に挿入浸漬さ
せる。
【0016】缶体213を介して周囲のアスファルト2
21からの加熱によって缶体213内の火薬類212は
溶融するので図示されていない揺動装置にて缶体213
を揺り動かすことによって注入口214aあるいは信管
215が挿入されていた開口部215aから溶融火薬類
が流出し、周囲のアスファルトと均一に混合され、これ
を連続的に実施することによって缶体213内の火薬類
212は全べて溶融し、缶体213外のアスファルト2
21中に混入された時点にて缶体213を吊り上げ缶体
213内を空とし缶体は鉄材処分可能なものとする。
【0017】溶融状態、かつ均一に混合した多量のアス
ファルト221と僅少の火薬類212の混合液体はポン
プ224にて吸引、圧送され、図示されていない噴射バ
ーナにて霧化噴射され、燃焼炉225にて同時燃焼され
る。なおこの場合に別途重油、ガス等の燃料を助燃して
もさしつかえない。燃焼後の火薬類212中に混入され
ているAl等未燃分はスクラバー等のダスト捕集器22
6で捕集されて系外へ排出され、また燃焼排ガスは図示
されていない薬液吸収塔などで有害ガスを除去後、熱回
収され、大気へ放出される。
【0018】(実施例3)図4,5によって第3発明の
実施例を説明する。図4はこの実施例設備の全体図、図
5は取出された火薬類の粗砕装置を示す。図4におい
て、火薬類1を充填された缶体2を回転具3に取付け、
低速で回転させながら、例えば超音波探傷装置4により
缶体2の各部の肉厚を測定、各部の肉厚を記憶する。こ
ゝにおいて、5は肉厚読取りユニット、6は肉厚データ
バンクである。肉厚を計測済みの缶体2を高速度で回転
する切刃8を用いて缶体2を輪切に切開するに当って
は、切刃8の先端は先に測定した缶体2の肉厚と、切刃
位置センサ7からのレーザビームで測定した刃位置とを
照合し、データ処理ユニット10からの信号によって駆
動する切刃位置ドライバ11の位置を設定し、切刃回転
モータ9で高速回転する切刃8によって缶体2の肉厚の
みを切開するように操作される。この際、切開部に冷却
剤ノズル12より低温ガスまたは液を吹付け、切開部の
温度が200℃以上にならぬようにする。缶体2の輪切
切開は必要に応じて複数に輪切してもよい。このように
缶体2を輪切切開して内容物の火薬類1を単体として取
出す。以上が第3発明設備の缶体2からの火薬類1の切
出装置である。
【0019】次に、取出された火薬類1は粗砕手段13
によって50mm以下の大きさに分割される。この粗砕
手段13の一例の拡大図を図5に示す。図5において、
13aはヒータ13bを内蔵した薄刃を示す。この薄刃
13aによって単体状の火薬類1は50mm以下の大き
さに分割される。分割された火薬類1は粉砕機14によ
って3mm以下にまで粉砕される。この粉砕機14には
例えば液体空気容器17の液体空気を蒸発器18で蒸発
させた冷却ガスが供給されており、火薬類1は粉砕力指
示ユニット16と粉砕力調節器15によって粉砕され
る。以上が第3発明設備の粉砕装置である。
【0020】粉砕された火薬類は気体で搬送され、配管
19を経て燃焼装置23に供給されて燃焼される。燃焼
装置23の上部には中心より順に補助燃料流入口20、
一次空気流入口21、粉砕火薬流入口22、2次空気流
入口が同心状に配置されていて粉砕火薬類は該粉砕火薬
類流入口22より燃焼装置23に供給される。該燃焼装
置23には緩衝容器24が付設されており、装置内の圧
力の小変動を吸収できるようになっている。さらに該燃
焼装置23には装置内圧力センサ25によって開放弁2
6を開閉する開放ダクト27が付設され、装置内圧力が
予め定めた値以上になったとき装置内ガスを大気に放出
しうるようになっている。さらに該燃焼装置23の装置
中央部には燃焼ガスを冷却するための冷却管群27が設
けられ、その冷却管群27の下部にはアンモニア注入器
28とNOx還元反応器29が設けられており、冷却管
群27で熱回収が行われるとともに、燃焼ガス中のNO
xをアンモニアによるNOx還元反応に最適なガス温度
になるようになっている。以上が第3発明の燃焼装置で
ある。なお、この燃焼装置23においては、冷却管群2
3、アンモニア注入器28、NOx還元反応器29を装
置内に設置したが、これは装置をコンパクトにするため
で、これらの機器は燃焼装置23外に別に設けることも
設計変更の範囲内である。
【0021】燃焼装置23からの排ガスは配管30を介
して冷却器31に供給される。冷却器31は内部に空気
配管32と連絡する伝熱管33を有し上部に該伝熱管3
3に付着するダストを除去するための除塵器34が設け
られている。この冷却器31の後流にはバグフィルタの
ような集塵装置35が設けられ、排ガスはこゝで集塵さ
れたのち、吸引ブロワ36を介し煙突37より大気に放
出される。以上が第3発明の冷却装置、集塵装置であ
る。
【0022】
【発明の効果】本発明により缶体から火薬類を安全かつ
完全に取出すことができ、しかも取出された火薬類は安
全に燃焼させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の説明図。
【図2】本発明の実施例2の処理対象物の説明図。
【図3】本発明の実施例2の説明図。
【図4】本発明の実施例3の説明図。
【図5】図4の一工程の部分拡大説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 信明 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 立石 正和 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 湯原 哲夫 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶体に設けられた火薬、爆薬類の充填用
    開口部から、200℃以下の温度であるが火薬、爆薬類
    が溶け出す温度の温水、蒸気または気体を噴射して缶体
    内の火薬、爆薬類を缶体外に取出すことを特徴とする火
    薬、爆薬類の処理方法。
  2. 【請求項2】 火薬、爆薬類を充填された缶体から信管
    を取外したのち、火薬、爆薬類の充填された缶体を溶融
    媒体中に装入浸漬し、該缶体を揺り動かして缶体中の火
    薬、爆薬類を多量の溶融媒体中に均一に分散させ、これ
    をバーナから燃焼炉に噴射して燃焼させることを特徴と
    する火薬、爆薬類の処理方法。
  3. 【請求項3】 火薬、爆薬類を充填した開口部の小さい
    缶体より火薬、爆薬類を取出して燃焼させる設備であっ
    て、 缶体の各部の肉厚を測定する肉厚測定装置と、これ
    らの測定値に合せて缶体壁のみを切開して缶体を1以上
    に輪切りする切開装置よりなる缶体よりの火薬、爆薬類
    の取出装置 取出された火薬、爆薬類を固形が保たれる温度以下
    に維持しながら粉砕する粉砕装置 粉砕された火薬、爆薬類を燃焼させる装置であっ
    て、上部に中心より順に補助燃料、一次空気、粉砕火
    薬、爆薬類、二次空気の流入口が同心状に配置され、圧
    力の小変動を吸収する大きさの緩衝容器が付設され、か
    つ装置内圧力が予め定めた値以上になったとき装置内ガ
    スを大気に放出して装置内圧力を一定値以下に維持する
    装置内ガス開放装置を備え、装置中央部付近にガス温度
    を冷却する冷却管群及びその下部にアンモニア注入器と
    NOx還元反応室を備えてなる燃焼装置 燃焼装置の後流に順次設けられた冷却装置及び集塵
    装置 よりなることを特徴とする火薬、爆薬類の処理設備。
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